オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「世界宇宙飛行の日」だそうです。
1961(昭和36)年のこの日に世界初の有人宇宙衛星船
ソビエト連邦のヴォストーク1号が打ち上げられました。
ヴォストーク1号は地球を一周し、無事に帰還。
人類初の有人宇宙飛行に成功しました。
打ち上げから帰還までは108分だったそうです。
搭乗したのは日本でも有名なユーリイ・ガガーリン少佐ですね
名言として「地球は青かった」と表現したとされてますが
どうもこれ言い回しが随分変えられているようで
直訳だと「空は非常に暗かった。
一方、地球は青みがかっていた」になるらしいです。
さらにこれが有名な名言になっているのは日本だけらしいです。
日本以外では地球周回中のガガーリンの言葉とされる
「ここに神は見当たらない」の方が有名なのだそうですが
こちらは発言自体が記録に残っていないのだそうです。
いろいろ不思議ですねぇ
何にせよこの世界初の有人宇宙飛行から
60年が経過したわけですが
こと、宇宙旅行に関しては意外とびっくりするほどの
飛躍がなかなかないですねぇ…
宇宙開発自体が莫大な費用を必要とすることと
国を挙げて今それをやっている場合か…ということになりますものねぇ
私が生きている間には残念ながら
気軽に宇宙旅行に行けるようにはなりそうにありません(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
「1N」はフラッシュ関連の機能以外は
基本的にOM-1と変わりません。
ただ、OM-1の後期からそうですが
内部はいろいろと細かい変更が加えられており
機能的には変わっていなくても中身は意外と変わっていたりします。
まぁ、それは私のような修理を行うために
内部の部品の互換性や変更点を把握する必要のある場合だけで
普通に使っている立場からすれば
「OM-1」後期も「1N」もほぼ変わりはありません。
つい数日前にも「OM-1」の修理を行いましたが
相変わらず修理依頼の非常に多いカメラです。
それだけ人気も高く非常に魅力的なカメラということですね

今回、お預かりしている「OM-1N」は
シャッターに若干の不安定さや高速時の露出ムラが
見られますが一応は動作していて
露出計もそれほど大きな問題は見られません。
定番のプリズム腐食もなくファインダーも他方の汚れ等はあるものの
撮影自体には問題のないレベルです。
それでもタイミング的にはモルトもくたびれていますし
整備一式を行ってよいタイミングだとは思われます。
…と思いきや…結構な大問題をこの個体も抱えていました。
OM系の巻き戻しボタンはちょっと独特で
通常なら底面に巻き戻しボタンがあり
それを押さないと巻き戻しができないというのが普通ですが
OMな上カバー前面に巻き戻しダイヤル(?)があり
これを「R」ポジションに回してセットすれば
巻戻しが可能になるというものです。
で、今回の個体はこの巻き戻しダイヤルがビクとも動きません。
もちろんこういう場合にあまり力回せに回そうとすると
トラブルをさらに拡大させるのが関の山なので
それほど無理はしませんがそれにしても全く動きません。
これを知らずに撮影を始めてしまっていたら
「さてフィルム終わったし巻き戻して現像に出そう!」と思っても
巻戻しが全くできず途方に暮れることになってしまいます。
たまにこの巻き戻しダイヤルが「R」にロックされず
指で「R」ポジションに押さえておかないと
巻戻しができないというものはたまに見かけますが
全く動かないというのはちょっとめずらしいですね。

全体の整備ももちろん行うのですが
まずはこの「R」のトラブル原因から探ります。
画像の隅に転がっているのは巻上部で
巻上部をごっそり外すと巻き戻しダイヤル部の全容が確認できます。
ダイヤルが「R」ポジションになると
スプロケットのロックが浮き上がって解除され
スプロケットがフリーになり巻き窓氏が可能となるというのが
良くわかります。
で、結論から言うと汚れ等で強烈に固着してる状態でした。
溶剤と油を少しずつ流し込んで時間をかけて優しく
動かしていると何とか動くようになりました。
なぜこんなにここが固着してしまっていたのかは不明ですが
破損とかでなかったのでよかったです。

「R」トラブルの解決のめどが立ったので
このままシャッター周り、ミラー駆動部の整備に移行していきます。
せっかく分解しているのですから駆動部分はすべてチェックして
一通りの整備を行っていきます。
おそらくそれで最初に少し触れた高速シャッターの不安定さや
露出ムラは解消されると思われます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「中央線開業記念日」なのだそうです。
1889(明治22)年のこの日にJR中央線の前身である
甲武鉄道・新宿駅~立川駅(約27km)が開業したのだそうです。
最初は立川までだったのですね。
少し遠いですが私のお店から
中央線中野駅は徒歩圏内ですし
昔、山によく登っていた頃は
クルマで行かなければ当然、中央線を使って
山梨・長野方面に行くので馴染みの深い路線です。
中央線を題材にした往年の名曲なんてのも多いですよね。
それこそ「あずさ2号」とか…
個人的には「THE BOOM」の原曲をカバーした
矢野顕子さんの「中央線」がイメージ強いかな…
ところで昔は「中央本線」と呼んでいたような気がするのですが
いつの間に「中央線」になったのだろうと調べてみると
国鉄時代の線路名称公告では「中央本線」と
青梅線や五日市線などの支線を指す総称として
「中央線」の名称が使用されていたのだそうです。
しかしながら、国鉄分割民営化の際に策定された
基本計画において路線の名称が「中央線」とされたため
従来は「中央本線」と呼ばれていた路線に対しても
公文書を中心に「中央線」の名称が使われるようになったのだそうです。
ふーん、「中央本線」のほうが
ちょっと偉そうな感じがしていいような気もしますが…(笑)
ほら、東海道本線とか山陽本線に対抗する感じで…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートを前身とするニコン中級機です。
中級機とは言えニコンらしくしっかり作られたカメラで
ニコマート時代はF一桁機とあまり変わらない大きさ重さで
少々取り回しの悪い部分もありましたが
FE/FMにモデルチェンジされた際に
随分コンパクト化されてF一桁機とはまた違った魅力を身に着けています。
さすがにOM-1とか軽量コンパクトを売りとする
カメラに比べると一回り大きく重いですが
そこはこの時代のニコン製品ですから
ある程度の大きさ・重さはあるレベルの信頼性・堅牢性を維持するために
必要だという考えなのだと思います。
実際に今回のFE、兄弟機で機械制御シャッターのFMともに
基本的には非常に丈夫なカメラだと思います。
さすがにF一桁機ほどに極端なオーバークオリティさではないですが…
FEは電子制御シャッター機ということで
メンテナンスの問題で少々敬遠されがちな部分もありますが
電子部品が原因で修理不可と言うパターンは非常に少ないです。
(確かに稀にはありますが)
ニコマートEL(特に初期)では電気関係のトラブルはそれなりにあったので
そのあたりは随分進歩しているのだと思います。
確かに基板を見ると時代の差が一目瞭然でわかります。
個人的にはFEの電子制御部分よりも
FMのLED式露出計のほうが整備性も取り扱いも大変で
修理不可になっている個体の可能性も高いのではないかと思ってしまいます。
ただしショック品は別の話になります。
ショックで電子部品関連に重大な障害が起こると
修理不可能になる可能性は高くなると思います。
ニコンはそれでもショックにも強いカメラが多いのですが
やはり落としたりとかはされないように
気をつけていただければと思います。

で、お預かりしているFEは上カバーに大きな凹みがあり
明らかな落下品です。
でも一通り動いているような感じではあるのですが
たまにシャッターが完全に開きっぱなしになってしまいます。
マニュアルだろうがオートだろうが関係ないようです。
で、それが起こるときには露出計指針もダウンしているのですね
ただバッテリーチェックはそのときもちゃんと点灯します。
電源が不安定で入らないのであればシャッターは開かず
ミラーアップしたままで固まるはずなので
電源が云々ではなくて制御部分に問題があると思われます。
基板が…ではなくシャッターダイヤル下の管制部が
ダメなような気がします。
逆にそこであれば中古良品の部品と交換で対処できそうな気もしますが…

意外とこの画像ではわからないのですが
「Nikon」の銘板の上部が大きく凹んでいます。
ここまで凹むということは結構な衝撃だったと思われます。
まずは不安定な動きを解消するのが第一ですが
ショックにより意外なところに問題を抱えていることもあるので
通常以上に慎重に整備を行い入念にテストを行います。

まだ現状を確認している段階だったのですが
途中でシャッターが開きっぱなしになる症状が出て
それが引っ込まないのでSSやオート精度の確認ができていません
もう少しいろいろやってみますが
ダメなようならば詳細確認は後回しにして
まずはこの開きっぱなしになる状態を何とかすることを考えます。

ちょっと苦労するかもしれないです。
でもせっかく預かっているのですから
何とかする方向でがんばってみます。

ミノルタXEのカメラ修理

今日は「フォークソングの日」なのだそうです。
「フォー(four=4)ク(9)」という語呂合わせからですね。
フォークソング…明確な位置づけってまた少々微妙なのですが
いわゆるギター1本で弾き語るスタイルというイメージですよね
日本国内でのフォークソング全盛期って
1960年代後半から1970年代にかけてだと思いますが
さすがに私も幼過ぎてリアルタイムで
体感しているとはいえないですねぇ
私が歌番組見たりレコードを買い始めたのは
1970年代末あたりからですが
その頃には「フォークソング」というよりも
「ニューミュージック」と呼ばれる
これまた明確な位置づけの難しいジャンルが盛り上がっていて
いわゆるそれまでの「歌謡曲」以外は全て
「ニューミュージック」って枠に一括りにされていたような気がします。
ソンガーソングライターだったらニューミュージックとも
言われていた気もしますがそうとも限らないのですよねぇ
まぁ、なんにしても今となっては「死語」ですね(笑)
いわゆる典型的なフォークソングはあまりないですが
レコードやラジオを聴き始めた頃に手に入れたレコードや
エアチェックしたカセットなんかは未だに手元にあって
レコードは今でも聴けますがテープはダメになってもおかしくないので
大部分をデジタル化してiPODで今でも聴いています。
当時の音楽って遠い昔の記憶を思い出すためのトリガーになるのですよねぇ
そういうものを聴くと当時の空気感を少し思い出すことができます。

さてさて

これも70年代のカメラですね。
今日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
デビューは1974年です。前年にXシリーズ最初のカメラでもある
「X-1」が発売され「XE」は「X-1」に続く中級機的位置づけで
発売されました。
「X-1」はミノルタとしては相当気合を入れたプロ用最高級機として
発売されたカメラですが個人的見解ですが正直に言うと
いろいろと「?」な部分もあり商業的にも
決して成功とは言えなかったと思います。
じゃ「XE」も「X-1」の普及版と考えれば
同じような感じなの?というとそんなことはなく
「XE」と「X-1」はキャラクターも全く異なりますし
構造的にも意外と共通点がありません。
まずシャッターが「X-1」の横走りに対して
「XE」は縦走りです。
この時代で縦走りシャッターと言えばやはりコパル製です。
それもただのコパル製ではなく
当時提携していたライツとミノルタ、そしてコパルの3社で
共同開発したライツコパルシャッターと呼ばれる
シャッターユニットが搭載されています。
「XE」のキャラクターはこのシャッターユニットで
大部分が決定されていると思われます。
このシャッターユニットはミラーチャージが独特な構造で
そのために非常に滑らかな巻上を実現しています。
さすがに登場してから50年近く経つカメラで
未整備のものは本来のフィーリングでないものも多く見かけますが
キチンと整備された「XE」は
非常に気持ちよい巻上を今でも味わえます。
言葉にするのは難しいのですが
単に「抵抗がなく軽い」ではないのですよね
巻上以外にも、さして明るくはないですが
ピントの山の非常に掴みやすいファインダー
ふわりと動く露出計指針、「X-1」とは異なり
一目瞭然で理解できるオートの設定等々
非常に使いやすい上に使い心地の良いカメラです。
短所をあげるとしたらやたら大きくて重いことくらいでしょうか…
ただ、初期の電子制御カメラということもあり
どうにも挙動が不安定で直らない個体も存在しますし
電子部品不良で全く制御ができない修理不可能な個体も存在します。
また持病であるプリズム腐食はプリズムが特殊な形状のため
交換用のキレイなプリズムの確保は既に非常に困難です。
現在、落ち着いて動作しているものは
ある意味、貴重かと思われるので大切にしてほしいと思います。

お預かりしている「XE」は基本的な動作自体は行えており
ファインダーも普通に覗いている分にはゴミの混入こそあれ
プリズム腐食は見当たりません。
ただ、ご依頼者からご指摘されているのは
巻上部の多重露光レバーが全く動かないということで
確認してみたところ確かにビクとも動きません。
こういう場合は力任せに動かすのは厳禁なので
後でしっかり分解して原因を確認していきます。
ここもトラブルの非常に多い露出計は
少しアンダー側に触れるもののネガであれば問題ないレベルです。
しかしながらこのアンダー側に振れるというのは
「XE」でよくある常に1/1000以上に振り切れてしまう…という症状の
前兆でもあるので原因となる巻き戻し側の摺動抵抗は
しっかり清掃整備しておかなければなりません。
シャッター自体の動きが一見問題ないように見えたのですが
測定器で計測してみると
1/1000は約1/400、1/500は約1/200…以下1/250は1/125
1/125は1/60と一段ずつズレてしまっているような状態です。
電気的な問題かとは思われ整備・調整で何とかなるとは思いますが
これもいろいろ整備をしながら確認していきます。

多重露光レバーはどうやら強烈に固着しているようです。
これから巻上側カバーも外していきますが
巻上軸周り整備の際に一緒に修理していきます。
これから基盤をよけておいてプリズムを降ろす手順なのですが
腐食の見えないプリズムは逆にプリズムを降ろすときに
非常に神経を使います。
…というのも腐食が見えないのはたまたまで
かなり実際は腐食が進んでいてプリズムを降ろした瞬間に
一気に蒸着が剥離してしまうことがあるからです。
腐食対策を行ってある個体などめったにないので
大部分がたまたま腐食がギリギリのところで
止まっているだけ…の状態かと予想されます。
とはいえ、プリズムを降ろさないとそれ以降の整備が進みませんし
ファインダーの清掃もできません。
慎重に慎重を重ねてこれからプリズムを降ろしていきます。
整備性の悪いカメラではないのですが
いろいろとトラブルも多く、整備修理も手間のかかるカメラです。
それでも調子のよい個体は非常に魅力的なことは間違いありません
あまりこればかり入ってくると閉口ものですが(苦笑)
たまに行う分にはしっかり慎重に整備していきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「灌仏会・花まつり」ですね。
お釈迦様の生誕を祝う行事です。
本来、クリスマスなんかより
今日の花まつりのほうが盛り上がってしかるべきなのでは?と
毎年4月8日が来るたびに思ってしまいます(笑
私が通っていた幼稚園(50年近く前の話ですが)が
浄土真宗本願寺派のお寺さんがやっている幼稚園で
(幼稚園ってお寺がやっているところ多いですよね)
お釈迦様のお話をいろいろ聞かされる時間が
結構あったのですね。
またうちのじいさんがそういうの好きだから
お釈迦様のありがたいお話をわかりやすくした
絵本とかを買ってくるのです。
さすがにもう覚えてはいませんが
当時は喜んで聴いていたような気がします。
まぁ道徳的な教育には良いのではないかと…
ありがたいお話はいいのですが
それよりも甘茶と美味しいお茶請けが欲しいですよねぇ(笑

さてさて

本日は「オリンパOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もしっかりOM-1の修理は予定されています。
相変わらずお問い合わせも修理・整備依頼も
圧倒的に多いカメラです。
やはりこのコンパクトさで機械制御シャッターというところが
人気の理由なのでしょうね。
電子制御シャッター機も含めれば
OM-1と同じように軽量コンパクトな一眼レフもいくつかありますが
やはりメンテナンスの部分等で不安なところもありますし
やはり最初にこのサイズで出したOM-1がすごいということで
現存している台数も圧倒的に多いというのもあるかと思います。
同じような機械制御機で同じような大きさの機種もあるのですが
OM-1はただ小さくて軽いということだけではなくて
巻上フィール等を含めた使い心地がまた何とも気持ちよいカメラなのです。
巻上のスムーズさだけならOM-1より上をいくカメラもありますが
あの独特のシャリっとした巻上は何とも気持ちよく
さらにシャッター音も上品で心地よいものです。
と、いろいろ考えてみるとやはりOM-1が人気なのは
よく理解できるような気がします。

お預かりしているOM-1はMD対応の後期モデルです。
定番のプリズム腐食もなくシャッターもとりあえずは動作しています。
ただ、マウント部のシャッタースピードリングを回しても
全くクリック感がなくスルスるどこにも止まらずに回ってしまいます。
これは思った以上に使いにくいですね。
クリックを出しているのはリング内側にセットされた
小さな鋼球ですが、これが何らかの理由で紛失してしまっていると思われます。
…と最初は思ったのですが
じっくりゆっくりリングを回してみると
かすかにクリックがあるような気もします。
ん~単純に鋼球がないならわかるのですが
少しでもクリック感があるということは…開けてみないとわからないですね。
で、後から実際に開けてみてわかったのですが
鋼球をリングの凸凹に抑えつけている
板バネが折れてしまっていたことが原因でした。
ここが折れるのはなかなか珍しい現象ですね
それほど負荷のかかる部分ではないのですが。。。
やはり50年近く経過していると脆くなってくるのでしょうね
板バネはしっかりしてそうな中古良品と交換しました。

露出計の精度はまずまず出ていますが
シャッタースピードは後幕の動きがかなり不安定で
シャッター切るたびに大きく値が変わります。
影響の出やすい1/1000設定時に良いときと悪いときで
1段以上露光量が変わるようなのでもう少し安定させてやらないと
安心して使える状態とは言えないと思います。
最初に語った魅力のひとつでもある独特の巻上フィールはなかなか良好です。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
ボディはなかなか良い具合に使い込まれた感のあるブラックボディです
画像には写っていませんが底部はかなり地金が出ていて
なかなか良い風合いが出ています。
まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かりますが
結構使い込まれている個体と思われますので慎重に取り掛かります。
意外とOM-1は開けてみると予期できないトラブルが
起こっていることも多いのです。
ただ、OM-1はさすがに中身もかなり見慣れている上に
資料もいろいろ揃っているので
少々何か起こっていても大抵のことが対応できるかとは思います。
ただあまり手間のかかることが起きていなければ良いのですが…

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は広島カープと読売ジャイアンツで活躍した
球界のキムタクこと木村拓也元選手の命日なのですね。
ドラフト外で日本ハムに入団したものの
出場機会に恵まれず広島カープに移籍し
強肩・俊足のユーテリティープレイヤーとして大活躍しましたが
2006年シーズン途中で巨人に移籍
巨人でも活躍しましたが2009年シーズンで現役を引退
2010年シーズンは巨人軍の一軍内野守備走塁コーチとして
第二の野球人生をスタートしたものの
2010年4月7日、マツダzoom-zoomスタジアムでの
カープとの試合前、本塁付近でシートノック中に
突如として意識を喪失しそのまま倒れ込み帰らぬ人となりました。
死因はクモ膜下出血…脳出血は本当に突然、その人の命を奪っていきますね
キムタクさんは当時37歳、あまりにも早すぎます。
球場で意識を失ってから懸命の救助が行われたのにも関わらず
一度も意識が戻ることはなかったそうです。
ただ、周りの方のお話によると
広島入り直前に「ひどい頭痛に見舞われて、2時間ぐらいしか眠れなかった」
「食べる量は変わらないのに痩せた」と話していたといいます。
わずかな前兆だったかもしれませんが
体調の異変には気をつけなければならないのかもしれませんね
キムタクさんは本当に早すぎる死でしたが
先日も知人も話していて
標準的な自然界での人間の身体の耐用年数は
きっとせいぜい50年くらいで
それ以上生きていると何が突然起こってもおかしくないよねぇ
なんて話をしていました。
そう考えると私も良い年齢だし実際にいろいろ変調もあるので
1日1日をしっかり生きていかないとなぁ…なんて考えてしまいます。
(…と思いながらも次の瞬間には
「ま、なるようにしかならないか…」と開き直りますが(苦笑))
話が逸れました…なんにせよキムタク選手は
本当に努力の人でプロに入ってからスイッチヒッターになり
入団当時は捕手だったのにピッチャー以外はどこでも守れる選手になり
当時のカープやジャイアンツでも本当に欠かせない選手でした
あなたの活躍は決して忘れません。安らかにお眠りください。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
今月もしっかりありますねぇ…エレクトロ35…
意外と…といっては失礼ですがコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
一言でエレクトロ35と言っても10年以上生産されたシリーズですので
いろいろなモデルが存在するのですが
今回は記念すべき初代エレクトロ35です。
初代の整備依頼は比較的珍しいですね
とはいってもこの初代と基本的な構造は全く変わらない
「GS」や「GSN」あたりの依頼は多いので
外観も中身もある意味見慣れた風景です。
初代と2代目の「G」(GT)まではレンズのコーティングが
旧コーティングでレンズ銘も「ヤシノンDX」です。(カラーヤシノンDXではない)
レンズの構成やスペック自体は変わらず45mmF1.7の大口径レンズです。
シャッターユニットはエレクトロ専用ユニットともいえる
「コパルエレク」で最高速は1/500、露出は基本的に絞り優先オートです。
電池もエレクト35のために開発したと言われている
HM-4N型積層水銀電池ですが、これはさすがに現在は入手不可能ですので
電池アダプタ等を使って4LR44あるいはLR44を4個使って6Vで駆動させます。

お預かりしているエレクトロ35は
まず全く電源が入りません。電源が入らないためシャッターも
一定速でしか切れずオートは効きません
バッテリーチェックも点灯しないので
根本的に電池室からの電圧供給ができていないものと思われます。
電池室を見てみると蓋側、端子側それぞれ緑青が発生しており
おそらく端子裏の配線も腐食のため断線かと思われます。
まずは電源供給できるようにすることが優先ですが
エレクトロでいつも確認する巻上時の「カタン」という
レリーズ軸の戻る音もしないので電源が入ったとしても
オートはまともに制御できないものと予想されます。
これもいつものパターンでレリーズ部のゴムブッシュの劣化によるものと
思われますので分解時に対処していきます。
それらがクリアになっても電子部品の問題で
まともに動作しないことはたまにあり
その場合は修理不可能の可能性もそれなりにあるのですが
こればかりはまずはそこまでやってみないことにはわかりません

エレクトロはやはりこの少し大柄な前期モデルで
ギランギランの独特なシルバーが良いですね。
レンズにも随分汚れカビ、
ファインダーも曇っているので
動作的な部分が修理・整備できた後に清掃を行っていきます。
まだ現状確認を行っただけの状態です、。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「オープンカーの日」なのだそうです。
日付は「4月」が桜の舞う中を走れる
オープンカーにとって最高のロケーションの時期であることと、
オープンカーは「五感」に訴えかける車であることから
4月5日になったのだそうです。
うーん、花粉症でなければこの季節もいいですが…(苦笑)
いわゆるスポーティーなオープンカーと
ジムニーの幌車を過去に所有したことがありますが
シートヒーターが付いていて
風の巻きこみの少ない今どきのオープンカーなら
間違いなく秋冬がお勧めです。
背中は超あったかで足元もヒーターで温かくて
顔にだけ冷たい風が少し当たるのはめちゃくちゃ気持ち良いです。
反対に最悪なのは真夏でもしレザーシートであれば
まず陽射しでレザーがめちゃくちゃ熱くなります。
で、まだ風を切って走っているのであれば
陽射し対策をしっかりしてサイドウィンド上げて
オープンでもエアコンをつければ何とか耐えられますが
渋滞なんかに巻き込まれたら本当に最悪です。
しかしフロントガラス&サイドウィンドウ+ドアがあるって最強ですね。
比較的ラフな格好でもオープンカーは割と気軽に
真冬でもオープンにできてしかも快適ですが
バイクはあんなに重装備に着込んでも
命に係わるほどの寒さです(苦笑)
あ、ちなみにジムニーの幌車は
四季を通じてそれなりにツラいことが多いです(笑)
乗っていた頃にあったことですが
GWに昼間は暑いほどでTシャツの上にシャツ1枚で
幌も家に置いたまま鳥取まで友達と二人で出かけたのです
で、帰りの夜に伯耆大山の麓で二人とも
寒くて寒くてたまらなくなりコンビニで新聞紙買って
シャツの下にめちゃくちゃ巻き付けてしのいだことがありました(笑
まぁそれはさておきオープンカーは確かに良いものです。
ヘルメット必須で常にしっかり着込まなくてはいけないバイクよりも
解放感では上回ります。
(バイクの魅力はそれ以外にたくさんあるのでいいのですが)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPの修理も毎月コンスタントに入ってきます。
現存台数が多い上にM42マウントでレンズ遊びに使いやすく
絞込測光で多少慣れは必要なものの
TTL露出計が装備されているということで
現在でも人気なのはわかるような気がします。
しかしながら現行モデルだった頃はすごい数が売れたのだと思われます。
(さすがにSPの最盛期は私の生まれる少し前の話なので
リアルタイムでは体験していません)
現在、これだけ中古市場でも数が溢れているということが
現行モデル時代のフィーバーぶりを表しているような気がします。
そのため中古部品であれば部品取りに苦労することもなく
比較的何でも修理に対応できるカメラでもあります
ただ、持病ともいえるプリズム腐食はちょっと困ったもので
代用できる同系のプリズムもほとんどなく
(高さが合わないものが多い)
かといって同じSPでプリズム腐食のない個体を探すのは
なかなか大変な状況です。
実は今回もファインダーを覗くと真ん中少し下に
ぶっとい黒帯が出現しており
明らかなプリズム腐食が確認できています。
今回は何とか交換用に腐食のない中古プリズムを確保できていますが
だんだんキレイなプリズムの確保も困難になっていくと思われます。

お預かりしているSPは今書いたように
まずはプリズム腐食が問題の一つですが
加えて頻繁にミラーアップしたまま降りてこない症状も出ています。
毎度、同じようなことを書きますが
これはミラー駆動部の動作不良ではなく
シャッター幕(後幕)の走行不良により
ミラーダウンレバーをシャッター幕軸リンク部分が
上手く蹴れないことによっておこる症状です。
そのためこの症状が起きている場合というのは
たまたまミラーダウンできたとしても
シャッターの精度は全く出ていないことがほとんどです。
今回も1/1000で計測してみると
走り始め(写真左端)の露光量が既に1/700
視野真ん中付近で1/500
走り終わり(写真右端)で1/300といった状況です。
後幕の動きが遅く走行しているうちに
スリットが広がっていくような状態です。
もちろんここで安易に後幕のテンションを上げるようなことをすると
無駄にバネに負荷をかけるだけで
最悪の場合、バネがバカになってしまい
その後、全くSS精度は出なくなりますので
テンション調整は最後に微調整程度にとどめ
まずは基本的に動きをよくするための
幕軸清掃をおこなうことが最優先事項です。

画像ではわかりにくいですが
プリズムはしっかり腐食して蒸着が剥離している状態です。
これもいつも書きますが
原因はプリズムの周りにぐるりと張られた
遮光材の加水分解が原因です。
プリズムは先述したように交換で対処します。
まずはここからさらに分解を進めて
シャッター周りの整備から行っていきます。
今回はこちらもトラブルの多い露出計は動作しているのですが
最後の調整の段階で1.5V電池で正しい値が出るように調整します。
現在は当然水銀電池1.3V使用の状態なので
1.5Vの電池をそのままセットすると
1.5段~2段ほどアンダーに指示してしまいます。
(要は指針が振れ過ぎな状態)

なかなか良い感じに使い込まれたブラック塗装のボディです
これからも安心して使い続けていけるように
今回もしっかり整備を行っていきます。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日は「し(4)ゅみ(3)」(趣味)と読む語呂合わせから
「趣味の日」なのだそうです。
「趣味」ですか…私の扱っているフィルムカメラなんて
正に「趣味」ですよねぇ
簡単で便利なデジタルカメラ…いやスマホ全盛の時代に
あえて扱いの難しい手間のかかるフィルムカメラで
写真を撮る行為なんて「趣味」としか言いようがないと思います。
その手順だったり全て自分でコントロールするプロセスを
考えながら行うのは楽しいですよね。
それで思った通りの結果が得られればもちろん嬉しいですし
思っていたのとはちょっとばかり違っていても
それはそれで楽しかったり…と
なかなか思い通りにいかないからいいのだと思います。
何でもかんでもボタン一つで安定した結果が得られるのは
効率的ですがその行為自体は楽しめなくなってきますものね
でもフィルム時代からカメラはそういうところを目指して
発展し家電化していったのですから皮肉なものです。
こういうことを言い始めるとややこしいのでやめましょう(笑
趣味と一言で言っても私の扱っているカメラや写真だったり
音楽だったり何かのコレクターだったり、
スポーツや舞台を見ることや行うことだったり
その人にとって楽しいことであれば趣味と言えると思うので
いろいろなことが考えられますよね
で、これが高じて気分転換の範囲を超えてしまったり
それを行うことがプレッシャーになるほどのレベルになると
もう「趣味」というよりはもう1段違ったレベルのものに
なるのではないかと思います。
それを表すうまい言葉が見つかりませんが…(苦笑)
さらに進んでそれが「仕事」になってしまうと
それはもう「趣味」ではないですものねぇ
何だか話がとっちらかってきたのでこの話はこの辺で…(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
「ペンシリーズ」といえば言わずと知れた
オリンパスが展開するハーフカメラのシリーズです。
レンズ一体型コンパクトカメラである「ペン」を中核に
一眼レフの「ペンFシリーズ」だったり
できるだけ簡単に撮れるようにオート露出・固定焦点とした
「ペンEEシリーズ」だったり
派生モデルもいろいろと存在します。
「ペンDシリーズ」は基本的なペンをベースとしながらも
露出計を装備し、レンズは高級な大口径を装備し
シャッターユニットも高品位なものを搭載した
最高級版です。「D」は「デラックス」の「D」というわけです。
「D3」その名の通り「ペンD」としては3代目にあたり
1965年に発売されたカメラです。
前身の「D2」と同じく露出計はセレンではなくCdSを使用するものとなり
電池を必要としますが反応性・安定性・低輝度時の精度が
格段にアップしました
レンズはD2の32mmF1.9から32mmF1.7へと
少しばかりですが、より大口径へとグレードアップしています。

お預かりしているD3は
まず露出計が全く動きません。
新しい電池を入れて露出計SWを押しても
全く無反応です。
さらに巻上が1枚で止まらず2枚分進んでしまいます。
露出計は電池室に腐食跡もあり
電池室内の接触不良もある上に
電池室からの配線も腐食して通電しない状態です。
電池室の接触不良は軽微なものなので
清掃と磨きで通電するようにし
配線は全て交換で対応します。
巻上の問題はペンではよくある症状ですが
根本的な原因はシャッター羽根の粘りです。
シャッターが動作しないほどの粘りではないのですが
粘りのためにシャッター羽根が最後まで
キチンと閉まらず中途半端な位置に止まっている状態で
巻上を行うことになり巻上が止まらず
行き過ぎたところでやっとシャッター羽根が
キチンと閉まり切るので巻上も止まるといった状態です。
このまま放置していくといずれシャッターも開かなくなると思われます。

画像は一通りの整備が完了した状態です。
分解時に気が付いたのですが
以前に落下歴があると見られ
妙に鏡胴全体がガタついているな…と思ったのですが
ネジの緩みはともかくとして
シャッターユニットを留めているネジの1本が
結構変形していてまともに締められない状態でした
代用品のネジを使って対処しましたが
そうなると鏡胴本体やレンズユニットに
悪影響がないかと心配されましたが
特に問題となるようなこともなくホッとしました。

レンズ・ファインダーはできる限りの清掃ですが
実用上まったく問題ないほどにはクリアになっています。
シャッターは精度も含めて
もちろん快調に動作するようになり巻上も全く問題ございません。
露出計も修理の上、しっかり調整し
精度的にも問題ない状態になりました。
安心してお使いいただける状態になったと思います。
すこしばかり様子見して最終チェック後、完成となります。

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ミノルタXG-Eのカメラ修理

今日は「500円札発行記念日」なのだそうです。
1951(昭和26)年のこの日に政治家・岩倉具視の
肖像の500円札が日本銀行より発行されたことに由来しています。
当時の1000円札と100円札の間を埋めるべく
登場した500円札(B号券)です。
ただ、私が個人的になじみがあるのは
この後(1969年11月)にマイナーチェンジされた
C号券のほうですかね。
B号券と同様に表面は岩倉具視、裏面は富士山ですが
印刷はより精緻になり透かしは桜花と波線で
その部分には印刷がされていないため容易に確認できました。
加えてC号券は全体的に青みがかっていて
B号券とも他の1000円札や5000円、1万円札とも明らかに
イメージが異なるのを子供心によく覚えています。
1982(昭和57)年に500円硬貨が発行され
1994年に支払いが停止されるまでは引き続き流通していました。
…意外と最近まで使われていたのですね…とはいえ30年近く経つのか…
懐かしいですね。
当時のお札、記念にピン札で取っておけばよかったな…

さてさて

本日は「ミノルタXG-E」のカメラ修理を行っています。
カルメン’77でお馴染みの1977年発売のカメラです。
同じ年に「XD」がデビューしており
位置づけとしては「XD」の普及版といえますが
中身は全く異なるカメラです。
まずXG-Eは布幕横走りシャッターです。
縦走りのXDとは基本的な部分が異なります。
で、この横走りシャッターなのですが
ミノルタ独自のユニット工法で作られており
非常に効率的に生産できるシャッターユニットだそうです。
縦走り機のシャッターはその多くがシャッターメーカー製のもので
ユニット化されていることがほとんどなのですが
横走り機でユニット化されているのは珍しいと思います。
ミノルタはSRの時代にも横走りシャッターをユニット化していた
時期があったのでそのノウハウもあったのでしょうね
で、多くのメーカーがしゃったーめーかーでユニット化され
生産効率の良い縦走りシャッター機に移行する中。
ミノルタはこのXG系フレームで横走り機のユニット化に成功したことで
後に続くX-7、X-700も横走りシャッターを採用し
逆にMF機としての縦走り機はXD系が最後となってしまいました。
オートフォーカスのαシリーズになると
他メーカー同様に縦走りシャッターのみの展開となります。
高速SSに対応しようとすると縦走り機が圧倒的に有利ですから
時代を考えると当然の流れではありますね。
…ということでこのXG系というのはミノルタにとって
非常に重要な位置づけのカメラだったわけですね。

お預かりのXG-Eはまず電源が非常に不安定です。
電源が入らないと全くシャッターの切れないカメラなので
まずは電源が安定しないことには話になりません。
で、SW部もクリック感が全くなくスカスカになってしまっています。
さらにミノルタX系では定番のプリズム腐食です。
プリズム前面に貼られているモルトが加水分解を起こすことが原因ですが
今回のXG-Eはファインダー視野の1/3以上が真っ黒になってしまっています。
これではさすがに撮影に支障があります。
腐食したプリズムはもうどうにもならないので
今回は中古良品のプリズムと交換で対処いたします。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
今回のXG-Eはご依頼者様のご実家で
長らく眠っていたもののようで
外装も随分くたびれてしまっていますが
もちろんそれも含めてしっかり整備していきます。
まだ現状チェックを行っただけの状態で
これから本格的に作業に取り掛かっていきます。

XG-Eは基本的に絞り優先オート露出で撮るカメラという
位置づけで露出計はオートの時のみオンになり
現在の絞り設定でこれからいくらのSSで
シャッターを切るかを知らせてくれるものです。
マニュアル時には完全に露出計はオフになるので
基本的に絞り優先オート専用機と考えたほうが良いと思います。
ちなみに後継のXG-Sになるとマニュアル時にも露出計が使えます。

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ミノルタSR101のカメラ修理

今日は3月31日…
「さん(3)さ(3)い(1)」(山菜)ということで
「山菜の日」なのだそうです。
ちょっと苦みがあって野性味溢れる山菜の
素朴な味は何ともいいですよねぇ…
…と今ならば言えますが…
子供の頃~若い頃(20代くらいまで?)は
ちょっと苦手だったかな…あの苦みと青臭さが…
基本的に本来、野菜そのものがあまり好きではなかったのですよねぇ
魚もそうですが…
それがいつの間にか野菜も魚も大好物になってしまいました。
逆にものによりますが脂っこいものと
味が濃すぎるもの(マヨネーズ系、味噌味の濃いものとか)は
年々に苦手になっていきます。
味覚って変わるものなのですねぇ…というか
加齢により食べ物の好みが変わってしまっただけなのか(笑)
山菜の話に戻りますが
タラの芽とかわらびとかふきのとうあたりが王道ですが
やはり美味しいですよねぇ
その独特の香りと苦みを味わえるのも
この春先だけなのです…
山菜そばとか山菜おこわとか無性に食べたくなってきました。
今度の休みにそういうのが食べられるとこまで行ってくるかな…

さてさて

本日は「ミノルタSR101」のカメラ修理を行っています。
1975年に発売されたミノルタとしては最後の機械制御シャッター機です。
SRシリーズの最後のカメラでもありますね。
正確に言うと「SR505」とこの「SR101」が同時に発売されたので
この2機種が最後のSRシリーズとなります。
「SR505」が「SR-Tスーパー」の後継機で
「SR101」が「SR-T101」の後継機です。
大きな違いといえばファインダー内絞り表示の有無といったところです。
このファインダー内絞り表示の関連でペンタ部のデザインも微妙に異なります。
この「SR101」&「SR505」が発売される2年前には「X-1」が
前年には「XE」が発売開始されています。
これ以降、ミノルタは電子制御機であるXシリーズに移行し
1985年にα7000が出るまでは「Xシリーズ」を主力として販売していきます。
メンテナンス性の良さでいうとやはり「SRシリーズ」ですね。
X系の修理も当店は行いますが
やはり修理不能と判断せざるを得ないことがやはりある程度はございます。
動きの正確さや安定性をいえば電子制御機に軍配が上がりますが
整備的に「少々何があってもなんとかなる」という面と
電池がなくったって「なんとかなる」という面では
やはり機械制御で基本的にシンプルなSRシリーズが有利かと思います。
どちらもそれぞれ良さがありますけどね

お預かりしているSR101は「全体的に整備してほしい」という要望と
「連動糸が切れたようなのでそれの修復もお願いしたい」ということで
お預かりしています。
連動糸が切れたと聞いたときには
シャッタスピードダイヤルに連動しているほうの糸かと思いましたが
今回はそちらではなくレンズの絞り連動爪とリンクする
マウント部のほうの連動糸のようです。
レンズ絞り連動爪部分がテンションゼロでスカスカになっています。
どうしてそうなったか詳細はお聞きしていませんが
どちらにしても普通に使っていて切れるような糸ではないので
ご依頼者様かどうかはわかりませんが
分解しようとして切ってしまったのだろうなぁと思われます。
(上カバーに開けた形跡もあり)
まずは糸の状況を確認したいのでマウント部を少し分解してみます。
あれ、連動糸自体はいますし切れている風でもありません。
でもテンションは全くかかっていません。
どうなってるんだ?と思いつつ
上カバーも開けてみます。
シャッターダイヤルを外すときに連動糸のテンションが
目いっぱい緩んだ位置にしておかないと
ダイヤルを外した瞬間にかなり高い確率で糸が切れてしまいます。
今回はそこは大丈夫そうなのでそれは知っていたのかな…
で、上カバーを外してみると何となく状況が理解できました。

上の画像でも取り付けてあるのですが
上カバーを外すと巻き戻しクランク下の
テンションを作っているプーリーが
何も抑えられていない状態になり
ちょっとしたことで外れてしまいます。
それを防ぐ為、カバーを外したらすぐに上カバー上に付ける
抑え蓋をすぐにつけて軽く締めておくのです。
おそらくそれをしていなくて
テンションプーリーが外れてしまい
連動糸も外れてテンションがゼロになってしまったものと思われます。
こうなるとちょっと厄介です。
まぁ原因がわかったので後はじっくり時間をかけて
正しい状態に組みなおします。
それにある程度目処がたったら
並行してシャッターや巻上関連の整備、ファインダーの清掃等々
一通りの整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「マリモの日」だそうです。
1952(昭和27)年のこの日に
北海道・阿寒湖のマリモが
国の特別天然記念物に指定されたことが由来となっています。
マリモと言えば阿寒湖ですよねぇ
子供の頃、うちにもマリモがいましたが
何年かかっても直径1.5cmくらいで大きくはならなかったなぁ
割と最近知ったのですが観光地等で売られているマリモは
人工的にマリモの糸状体を人工的に丸めただけのものだそうです。
そりゃ大きくはならないですよねぇ
マリモはあの丸い姿が一個体単位というわけではなく
球状体を構成する細い繊維(糸状体と呼ぶ)が
マリモの個体としての単位なのだそうです。
で、糸状体のマリモは阿寒湖だけではなく
北海道から関西地方までの湖沼に分布し
多くの生息地では糸状体の形態で暮らし
球状の集合体を作らないのだそうです。
国内で球場の集合体を作るのは阿寒湖と
小川原湖(青森県)だけだそうです。
何とも不思議な植物なのですねぇ…
阿寒湖のマリモ集合体は大きいもので30cmくらいになるそうです。
一度は本場阿寒湖のマリモ、見てみたいですねぇ

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
一時期m非常に修理依頼の多かったFTbですが
今回はしばらくぶりですね
1971年に発売された機械制御シャッター機の中級機です。
同年にプロ仕様フラッグシップ「F-1」が発売されており
「Fー1」とほぼ同時にキヤノン初のTTL開放測光機ともなったわけです。
それに伴ってレンズラインナップも開放測光に対応した
「FDレンズ群」にモデルチェンジされています。
F-1とほぼ同時開発ということもあり
構造的に共通している部分も多いのですが
スタイリング的には前モデルの「FT]を継承したものであり
FXから続く「Fシリーズ」の本流と思えるカメラです。
「FT」の開放測光対応機とも言えると思います。
発売から2年後の1973年にマイナーチェンジが行われ
巻上レバーやセルフタイマーレバーのデザイン変更が行われ
機能的にもファインダー内に設定されているシャッタースピードが
表示されるようになりました。
旧F-1を除けばキヤノンの最後のマニュアル露出専用機であり
機械制御シャッター機ということになるのですね
F-1は別格とするとキヤノン普及機クラスでは早々に
マニュアル専用機から手を引いたというのがわかると思います。
これも結果論ですが電子制御機の「Aシリーズ」を成功させるために
「選択と集中」を行った結果なのでしょうね。

お預かりしているFTbはマイナーチェンジ後の
いわゆる「FTb-N」とも言われるモデルです。
シャッターは切れてはいますが油切れの兆候が出ていて
シャッター音も高周波の強い「ギャイン」という音をたまに発します。
案の定、高速シャッターの精度は全く出ておらず
1/1000はほぼ全閉、1/500も一部開いていない状態です。
幕走行不良で先幕の幕速が遅く後幕に追いつかれてしまう状態です。
その上、後幕の幕速も非常ぬ不安定で
計測するたびに大きく数値が変わります。
ファインダー内はゴミや汚れが多いですが
心配されるプリズム腐食はないようです。
電池は1.5Vの625A電池が装着されていますが
そのまま1.5Vだとやはり振りすぎで
露出計の言うとおりに絞り・SSをセットすると
結果的に2段程度アンダーな設定になってしまいます。

レンズはFD50mmF1.8 s.c が装着されていたのですが
これがFDレンズお約束の絞りの固着が発生しており
絞り羽根が全く出てきません。
ちょっと状況が気になるので先にレンズを少しばらしてみます。
上の画像ではレンズは全て外してマウントも外し
絞り駆動部を直接操作すると
「ズルッ」という感じで絞り羽根が出てきました。
画像ではわかりにくいですが
羽根には油がべったり付着しています。
しっかり羽根清掃を行わなければならないようです。
ここまで確認したのでこれから先にレンズの整備清掃を行い
それからボディ側の分解整備に取り掛かりたいと思います。

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