ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「オープンカーの日」なのだそうです。
日付は「4月」が桜の舞う中を走れる
オープンカーにとって最高のロケーションの時期であることと、
オープンカーは「五感」に訴えかける車であることから
4月5日になったのだそうです。
うーん、花粉症でなければこの季節もいいですが…(苦笑)
いわゆるスポーティーなオープンカーと
ジムニーの幌車を過去に所有したことがありますが
シートヒーターが付いていて
風の巻きこみの少ない今どきのオープンカーなら
間違いなく秋冬がお勧めです。
背中は超あったかで足元もヒーターで温かくて
顔にだけ冷たい風が少し当たるのはめちゃくちゃ気持ち良いです。
反対に最悪なのは真夏でもしレザーシートであれば
まず陽射しでレザーがめちゃくちゃ熱くなります。
で、まだ風を切って走っているのであれば
陽射し対策をしっかりしてサイドウィンド上げて
オープンでもエアコンをつければ何とか耐えられますが
渋滞なんかに巻き込まれたら本当に最悪です。
しかしフロントガラス&サイドウィンドウ+ドアがあるって最強ですね。
比較的ラフな格好でもオープンカーは割と気軽に
真冬でもオープンにできてしかも快適ですが
バイクはあんなに重装備に着込んでも
命に係わるほどの寒さです(苦笑)
あ、ちなみにジムニーの幌車は
四季を通じてそれなりにツラいことが多いです(笑)
乗っていた頃にあったことですが
GWに昼間は暑いほどでTシャツの上にシャツ1枚で
幌も家に置いたまま鳥取まで友達と二人で出かけたのです
で、帰りの夜に伯耆大山の麓で二人とも
寒くて寒くてたまらなくなりコンビニで新聞紙買って
シャツの下にめちゃくちゃ巻き付けてしのいだことがありました(笑
まぁそれはさておきオープンカーは確かに良いものです。
ヘルメット必須で常にしっかり着込まなくてはいけないバイクよりも
解放感では上回ります。
(バイクの魅力はそれ以外にたくさんあるのでいいのですが)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPの修理も毎月コンスタントに入ってきます。
現存台数が多い上にM42マウントでレンズ遊びに使いやすく
絞込測光で多少慣れは必要なものの
TTL露出計が装備されているということで
現在でも人気なのはわかるような気がします。
しかしながら現行モデルだった頃はすごい数が売れたのだと思われます。
(さすがにSPの最盛期は私の生まれる少し前の話なので
リアルタイムでは体験していません)
現在、これだけ中古市場でも数が溢れているということが
現行モデル時代のフィーバーぶりを表しているような気がします。
そのため中古部品であれば部品取りに苦労することもなく
比較的何でも修理に対応できるカメラでもあります
ただ、持病ともいえるプリズム腐食はちょっと困ったもので
代用できる同系のプリズムもほとんどなく
(高さが合わないものが多い)
かといって同じSPでプリズム腐食のない個体を探すのは
なかなか大変な状況です。
実は今回もファインダーを覗くと真ん中少し下に
ぶっとい黒帯が出現しており
明らかなプリズム腐食が確認できています。
今回は何とか交換用に腐食のない中古プリズムを確保できていますが
だんだんキレイなプリズムの確保も困難になっていくと思われます。

お預かりしているSPは今書いたように
まずはプリズム腐食が問題の一つですが
加えて頻繁にミラーアップしたまま降りてこない症状も出ています。
毎度、同じようなことを書きますが
これはミラー駆動部の動作不良ではなく
シャッター幕(後幕)の走行不良により
ミラーダウンレバーをシャッター幕軸リンク部分が
上手く蹴れないことによっておこる症状です。
そのためこの症状が起きている場合というのは
たまたまミラーダウンできたとしても
シャッターの精度は全く出ていないことがほとんどです。
今回も1/1000で計測してみると
走り始め(写真左端)の露光量が既に1/700
視野真ん中付近で1/500
走り終わり(写真右端)で1/300といった状況です。
後幕の動きが遅く走行しているうちに
スリットが広がっていくような状態です。
もちろんここで安易に後幕のテンションを上げるようなことをすると
無駄にバネに負荷をかけるだけで
最悪の場合、バネがバカになってしまい
その後、全くSS精度は出なくなりますので
テンション調整は最後に微調整程度にとどめ
まずは基本的に動きをよくするための
幕軸清掃をおこなうことが最優先事項です。

画像ではわかりにくいですが
プリズムはしっかり腐食して蒸着が剥離している状態です。
これもいつも書きますが
原因はプリズムの周りにぐるりと張られた
遮光材の加水分解が原因です。
プリズムは先述したように交換で対処します。
まずはここからさらに分解を進めて
シャッター周りの整備から行っていきます。
今回はこちらもトラブルの多い露出計は動作しているのですが
最後の調整の段階で1.5V電池で正しい値が出るように調整します。
現在は当然水銀電池1.3V使用の状態なので
1.5Vの電池をそのままセットすると
1.5段~2段ほどアンダーに指示してしまいます。
(要は指針が振れ過ぎな状態)

なかなか良い感じに使い込まれたブラック塗装のボディです
これからも安心して使い続けていけるように
今回もしっかり整備を行っていきます。

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