オリンパスペンD3のカメラ修理

今日は「し(4)ゅみ(3)」(趣味)と読む語呂合わせから
「趣味の日」なのだそうです。
「趣味」ですか…私の扱っているフィルムカメラなんて
正に「趣味」ですよねぇ
簡単で便利なデジタルカメラ…いやスマホ全盛の時代に
あえて扱いの難しい手間のかかるフィルムカメラで
写真を撮る行為なんて「趣味」としか言いようがないと思います。
その手順だったり全て自分でコントロールするプロセスを
考えながら行うのは楽しいですよね。
それで思った通りの結果が得られればもちろん嬉しいですし
思っていたのとはちょっとばかり違っていても
それはそれで楽しかったり…と
なかなか思い通りにいかないからいいのだと思います。
何でもかんでもボタン一つで安定した結果が得られるのは
効率的ですがその行為自体は楽しめなくなってきますものね
でもフィルム時代からカメラはそういうところを目指して
発展し家電化していったのですから皮肉なものです。
こういうことを言い始めるとややこしいのでやめましょう(笑
趣味と一言で言っても私の扱っているカメラや写真だったり
音楽だったり何かのコレクターだったり、
スポーツや舞台を見ることや行うことだったり
その人にとって楽しいことであれば趣味と言えると思うので
いろいろなことが考えられますよね
で、これが高じて気分転換の範囲を超えてしまったり
それを行うことがプレッシャーになるほどのレベルになると
もう「趣味」というよりはもう1段違ったレベルのものに
なるのではないかと思います。
それを表すうまい言葉が見つかりませんが…(苦笑)
さらに進んでそれが「仕事」になってしまうと
それはもう「趣味」ではないですものねぇ
何だか話がとっちらかってきたのでこの話はこの辺で…(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
「ペンシリーズ」といえば言わずと知れた
オリンパスが展開するハーフカメラのシリーズです。
レンズ一体型コンパクトカメラである「ペン」を中核に
一眼レフの「ペンFシリーズ」だったり
できるだけ簡単に撮れるようにオート露出・固定焦点とした
「ペンEEシリーズ」だったり
派生モデルもいろいろと存在します。
「ペンDシリーズ」は基本的なペンをベースとしながらも
露出計を装備し、レンズは高級な大口径を装備し
シャッターユニットも高品位なものを搭載した
最高級版です。「D」は「デラックス」の「D」というわけです。
「D3」その名の通り「ペンD」としては3代目にあたり
1965年に発売されたカメラです。
前身の「D2」と同じく露出計はセレンではなくCdSを使用するものとなり
電池を必要としますが反応性・安定性・低輝度時の精度が
格段にアップしました
レンズはD2の32mmF1.9から32mmF1.7へと
少しばかりですが、より大口径へとグレードアップしています。

お預かりしているD3は
まず露出計が全く動きません。
新しい電池を入れて露出計SWを押しても
全く無反応です。
さらに巻上が1枚で止まらず2枚分進んでしまいます。
露出計は電池室に腐食跡もあり
電池室内の接触不良もある上に
電池室からの配線も腐食して通電しない状態です。
電池室の接触不良は軽微なものなので
清掃と磨きで通電するようにし
配線は全て交換で対応します。
巻上の問題はペンではよくある症状ですが
根本的な原因はシャッター羽根の粘りです。
シャッターが動作しないほどの粘りではないのですが
粘りのためにシャッター羽根が最後まで
キチンと閉まらず中途半端な位置に止まっている状態で
巻上を行うことになり巻上が止まらず
行き過ぎたところでやっとシャッター羽根が
キチンと閉まり切るので巻上も止まるといった状態です。
このまま放置していくといずれシャッターも開かなくなると思われます。

画像は一通りの整備が完了した状態です。
分解時に気が付いたのですが
以前に落下歴があると見られ
妙に鏡胴全体がガタついているな…と思ったのですが
ネジの緩みはともかくとして
シャッターユニットを留めているネジの1本が
結構変形していてまともに締められない状態でした
代用品のネジを使って対処しましたが
そうなると鏡胴本体やレンズユニットに
悪影響がないかと心配されましたが
特に問題となるようなこともなくホッとしました。

レンズ・ファインダーはできる限りの清掃ですが
実用上まったく問題ないほどにはクリアになっています。
シャッターは精度も含めて
もちろん快調に動作するようになり巻上も全く問題ございません。
露出計も修理の上、しっかり調整し
精度的にも問題ない状態になりました。
安心してお使いいただける状態になったと思います。
すこしばかり様子見して最終チェック後、完成となります。

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