ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「コスモスの日」なのだそうです。
由来や制定した団体等が全く不明なのだそうですが
ホワイトデーから半年経ったこの日に
プレゼントにコスモスを添えて交換する日なのだそうです。
そんなにプレゼントを必要とする記念日を
たくさん作られても。。。と思いますよねぇ。。。
まぁ私にはなんにしても関係ないことですが。。。(苦笑)
プレゼント交換はともかくちょうどコスモスが咲き始める季節ですね。
よく漢字で「秋桜」と書いてコスモスと読ませますが
これは1977年の山口百恵さんの「秋桜」からなのだそうです。
作詞作曲はさだまさしさんですが
なんとも上手いこというものですねぇ。。。こういうのはセンスですよねぇ
もう1977年といえば前にも書きましたが
「秋桜」ももちろん聴いていましたが
どちらかというと無限に「カルメン’77」が
頭の中でリフレインされる世代です(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年、最初のMシリーズである「MX」発売から1ヶ月後に
発売されたMシリーズ第二弾のカメラです。
「MX」が従来からの機械制御布幕横走りシャッター機だったのに対して
「ME」は電子制御縦走りシャッター機で
当時の最新の電子技術を採用したカメラです。
絞り優先AE専用機でそのポジションこそエントリークラスですが
その後、出てくるMシリーズのカメラは
基本的にこのMEがベースとなっています。
小型軽量なMXよりもさらに軽量にまとめられ
電子制御機のメリットが最大限に発揮されたカメラです。
使い心地もなかなか優秀で
きちんと整備されたMEの巻上フィーリングと軽快なシャッター音は
かなり官能的なレベルだと個人的には思っています。

ただ、コストの関係もあったのか
ミラー駆動部にゴムブッシュを多用したことにより
そのゴムブッシュの経年劣化により
ミラー駆動部の動作不良を抱えた個体が多く
ミラーアップした状態のまま
ジャンク箱に転がっている個体が多いのも事実です。
きちんと整備すればそこは直るのですがね。。。
ちょっと残念ですね

今回、お預かりのMEはミラー周りに関しては問題がない様子です。
ただ、巻上軸の動作不良が発生していて
きちんと巻き上げても巻上軸が反転して戻ってこず
巻上レバーがフラフラな状態で
シャッターも切れなくなるという症状です。
何回か巻上レバーをいろいろ動かしていると何かのはずみで
軸も戻ってきてシャッターも切れるといった状態です。
それを試していて気が付いたのですが
巻上レバーの引き出し予備角(完全にたたまれている状態から
実際に巻上が始まるまでの30度くらいの遊び角)に
クリック感が全くなくその領域ではレバーがフラフラです。
クリック感を出すための板バネが折れているものと思われます。
(ME系ではよくあるトラブル)
もしかしたら。。。というかまず間違いないような気がしますが
折れた板バネの先端が巻上軸に引っかかってしまい
巻上軸が戻ってこれないことになるのでないかと予想されます。
どちらにせよ、分解して破片を回収してみないと。。。

引っかかっていたかどうかまでは確認できませんでしたが
クリックバネの先端はやはり巻上軸周辺から出てきました。
おそらくこれが原因でしょう。。。
定番のミラー駆動部は対策済みとみられ
ゴムブッシュが使われている場所はプラスチック部品に
変更されていました。生産時期と分解歴から考えて
メーカー対策品ではないかと思われます。
それとはまったく別の問題でMシリーズのカメラは
内部モルトもかなり多いのでその辺りの交換もしつつ
シャッターや巻上、ファインダー周りの整備を行います。
オート制御がかなりアンダー目だったことも
最初のチェックでわかっているので
仮組した後で調整も行います。
今回も気持ちよく使えるカメラに仕上がりそうです。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は9月13日。。。
うーん、これと言った記念日等のない日ですねぇ。。。
あ、1985年にファミコン版の「スーパーマリオブラザーズ」が
発売されてますね。私この時16歳ですが
ファミコンは意外と興味なくって
友達の家とかで少し遊んだくらいの記憶しかないのですよねぇ
私がゲームに興味を持つのは実際にはもう少し後の
プレステの時代ですねぇ
その頃になると社会人になって多少自由なお金もあって
プレステ本体とそれなりのソフトくらいなら
気軽に買えるようになったからかな。。。
私のゲーム観ってプレステ2の時代で完全に止まっているのですが
今のゲームはすごいのでしょうねぇ。。。
スマホゲームとかじゃなくて
やはり大画面(あるいはVR?)のゲーム機で
最新のゲームをやってみたいという気は少しはあるのですが。。。
それ始めるとめちゃくちゃ時間を食われてしまうからなぁ。。。(苦笑)
慢性的な寝不足になりそうだし。。。
ダメだな。。。手を出したらいけないような気がします(笑)

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
キヤノンデミシリーズと言えばキヤノンのハーフカメラシリーズで
初代デミ等も相当な数が売れたものと思われます。
今回のEE17は初代の3年後、1966年に発売されたモデルです。
前年にラピッドフィルム用の「デミラピッド」が発売されており
それを35mm版に変更したのが「デミEE17」です。
受光素子は初代とは異なりセレンからCdSとなり反応速度や
暗所での性能も向上しています。
その露出計を利用したシャッタスピード優先AEを搭載し
絞りもオート時以外は任意設定もできるのでマニュアル露出も可能です。
ピント合わせが目測式なところは変わりませんが
初代のプリズムを使った特徴的な実像式ファインダーは
一般的なハーフミラーを使った
採光式フレーム付逆ガリレオファインダーとなりました。
デミシリーズの良いところの一つでもある
スムーズな巻き上げの巻上レバーはEE17も同様です。

お預かりしている「EE17」は
まずは露出計が電池を入れても全く動きません。
電池室そのものは一見キレイなのですが
電池室裏側のハンダ付けは緑青がびっしりついており
ほぼ断線している状態でした。
水銀電池の生ガスでやられてしまうのですよね。。。
たとえ液漏れしていなくてもこういうことになるので
やはり長期間しまっておく場合には電池は必ず抜いておきましょう
他、ファインダーは汚れが酷く
レンズはカビもさることながら
コーティングの傷みもかなりあるようです。
キヤノネットやFDレンズのSSCもそうですが
キヤノンのレンズはコーティングの傷みが激しいレンズが多いような気がします。
傷んだコーティングそのものはどうにもならないので
できる限りの清掃でなるべく影響のないようにしていきます。

このあと電池室の端子を磨き
配線を交換することで露出機は復活したのですが
露出計の値もオート時の絞り制御も
全く精度の出ない状態(大オーバー)で少々苦労しました。
最終的には申し分のない精度を安定して出せるようになりました。
やはり一度当たりの巻上量の少ないハーフカメラとはいえ
ちゃんと巻上レバーのあるカメラは良いですね。
それもデミシリーズはそのフィーリングがなかなか絶品です。
ちなみにEE17は初代デミと異なり
フィルムカウンターは毎回動きます。
(初代は2枚に一度、2枚分動く)
巻き戻しボタンもちゃんとロックが効き
押しながら巻き戻ししなくて大丈夫です。
そのあたりの利便性はいろいろと進歩しています。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「宇宙の日」だそうですよ。
宇宙って一言で言っても
あまりにも漠然としてしまいますね。
私たちから見て一番身近な宇宙は
やはり毎晩見ることのできる夜空でしょうか。。。
(都会だと明るい星すら満足に見えませんが。。。)
小学校3年生くらいの頃に理科の授業で
北極星だとか代表的な星座だとかを習って
一時期星空にすごくはまりました。
「星座ガイドブック」だとか
「全天星雲星団ガイドブック」だとかをじいさんにねだって買ってもらい
昼間のうちに読みふけってはいろいろイメージを膨らませ
夜になると
私が幼稚園の頃にばあさん曰く「まだ早すぎる!」と
夫婦げんかになりながら私のために買ったという
6cm屈折赤道儀望遠鏡を引っ張り出しては夜空を眺めていました。
しかしながら小学校3年生に当時の赤道儀の
極軸合わせは無理だったなぁ。。。(苦笑)
何度も説明書見ながらチャレンジしたのですが
なかなかうまくいかず適当に動かして
何とか目立つ天体なら(オリオン大星雲とかアンドロメダ大星雲とか)
導入できたかなぁ。。。という感じです。
でもその時に見たオリオン大星雲のトラペジウムと呼ばれる
4重星の美しさは今でもはっきりと覚えています。
まぁ望遠鏡がなくっても暗い空の下で
星座を繋いでいくだけでも非常に楽しいです。
その星座にまつわるギリシャ神話までわかってくると
さらに楽しくなります。
これからの季節は空気が澄んできて星空を見上げるには良い季節です。
私もどこか満天の星空が見えるところに行きたいですねぇ。。。
(その前に今の私は左目の視力が頭の後遺症で
安定しないのでちょと難しいかな(苦笑))

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系を前身とするニコンの中級機で
電子制御シャッター機のFEとは兄弟関係となる
機械制御シャッター機です。
堅牢さに定評のあるニコンの機械制御機ということもあって
現在でも非常に人気の高いモデルです。
当店ではどちらかというとFMよりFEの修理整備依頼が多いので
FMは久しぶりですね。
あくまでもシャッターの開閉タイミングを制御する部分が
電子制御なのか機械制御なのかという違いだけで
機械的に動作する部分はFMもFEも共通部分は非常に多いです。
(意外とミラ-ボックスリンク部分の部品に互換性がなくて
過去に苦労した経験がございますが。。。)
ただ露出計周りはFMとFEでは全く考え方が異なり
FMの露出計はLED表示で「+・〇・ー」を表示するもので
FEは二指針を持つアナログな追伸式です。
絞り優先AEを搭載するFEとしてはこの形態がベストなのだとは思いますが
FMも追針式にしてくれたほうが使いやすかったかもなぁ。。。とは思います。
おまけにこのLED式露出計、それほど壊れるものではないですが
制御部分が壊れると正直なところ修理不可能です。
普通に使っていて壊れることは少ないとは思いますが
分解時にうっかりショートさせてしまったりすると簡単に壊れます。
電子制御機もそうですがこのFMの場合も
分解時に静電気等によるショートに非常に気を遣うカメラです。
冬場は特に注意ですね。

お預かりしているFMは一応一通り動作しています。
ただし長い間使われずに眠っていたようで
モルトは当然全滅でファインダー内にもカビやモルト屑が結構見られます。
(プリズムにも接眼レンズにも)
シャッター羽根の汚れのせいだと思われますが
高速シャッターの精度もあまりよろしくなく少々不安定です。
先程の話の通りで実は一番気になるのは
露出計なのですがこちらは大丈夫そうです。
若干の値のずれがあるのですが調整で問題ない状態になりそうです。

まだ上カバーを外しただけの状態で
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
電気基板は露出計関連のものが巻き戻し部にあるだけで
やはりFEに比べると非常にシンプルです。
ではFMのほうがFEより分解作業が楽かと聞かれると
いやいや。。。そんなことはありません。。。
個人的好みもあるかもしれませんが
私はFEを分解するほうが気が楽です。
FMはSS表示部に連動糸がある関係上
その辺りの処理が非常に手間なのです。。。
何にしろ慎重に素早く取り掛かり
しっかり整備して素早く組み立てます。
(あまり長い間バラバラにしていると経験上ロクなことがないので(苦笑))
言い方を変えるといったん取りかかったら
なるべく集中して一気に仮組みまでは
終わらせることが大事だと思います。
(もちろん1日で終わらない作業等は仕方ないですが。。。)

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうです。
1900年(明治33年)のこの日に
日本初の自動公衆電話が
東京の新橋駅と上野駅の駅構内に設置されたのだそうです。
この頃の呼び名は「公衆電話」ではなく「自動電話」だったそうで
交換手を呼び出してからお金を入れ相手に繋いでもらうものだったそうです。
全く自動ではありませんね(笑)
交換手を必要としないダイヤル式の電話になってから
「公衆電話」と呼ばれ始めたそうです。
公衆電話に限らず電話に関することは
ジェネレーションギャップの出やすい事柄ですよね。
そもそも「ダイヤルを回す」という行為が理解されないでしょうし。。。
「かけ慣れた~ダイヤル~まわし~かけ~てぇ~♪」と歌った
名曲もありましたがこれも今となっては
ピンとこない歌詞になってしまうのですねぇ
そういえば家の黒電話にはかわいい柄のカバーと敷物が付けられたものも
多かったですよねぇ。。。うちの実家もそうでした
ドアノブにカバー付けるのと同じ感覚かな。。。
でもカバー付きの黒電話、今見るとお洒落でいいですよねぇ
公衆電話も赤電話、ピンク電話、青電話、黄色電話
そして今でも見る緑電話やグレー電話と
時代によっていろいろありましたよねぇ
ちょっと懐かしいのは駄菓子屋の店先なんかによくあった
赤電話かな。。。(笑)
電話に関するエピソードはちょっと考えただけでも
いろいろ思い出すのですが、キリがないのでこの辺で。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売されたカメラで
「ペンタックスMシリーズ」の最初のカメラでもあります。
ただ基本的に「Mシリーズ」は翌年に出る「ME」が
メインともいえるシリーズで
その後に続く「MEスーパー」や
「MV1」、「ME-F」、「MG」は
「ME」の派生モデルともいえると思います。
「MX」は他の「Mシリーズ」とは異なり
機械式制御シャッターで横走り布幕シャッターです。
MEよりは少しばかり重いですが
機械制御でコンパクトな一眼レフというコンセプトでも
先行する「オリンパスOM-1」にかなり対抗心が見えるカメラでもあります。
機械制御シャッター機ということで
壊れても壊れても修理が効くと思われている場合がありますが
機械制御だろうと電子制御だろうと
修理不能な場合は普通にありますのでご注意ください。
MXの場合で言うとシャッタ幕交換は当店では対応しておりません。
(できないことはないでしょうがコストとのバランスを考えると
現実的ではありません。)
他、露出計はLED式ですのでLED制御部の故障の場合は
修理不可能な可能性も高いです。
ネガティブな話題が続きますが
どうも「機械制御シャッター機」というだけで
何でもできると思われていることが最近多そうな気がしたので
少し書かせていただきました。

今回、お預かりしている「MX」はそんな困難なトラブルはなく
「MX」でよくある「ミラーアップしたままになってしまう」という症状です。
同じ「Mシリーズ」でも「ME系」のカメラでミラーアップであれば
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化等による動作不良が原因ですが
「MX」の場合はそのほとんどがミラー駆動部に原因があるのではなく
「シャッター幕の走行不良」が原因であることが多いのです。
同じペンタックスで「SP系」でも同様の症状が良く見られます。
シャッター幕が走行完了したタイミングで
後幕軸のリンクがミラーダウンレバーを蹴り
ミラーダウンが行われるというのが一般的なパターンですが
後幕の走行がスムーズでないため
最後にミラーダウンレバーを力強く蹴ることができず
ミラーダウンが行われないということになります。
そのため後幕の走行不良が起こりやすい
低速シャッター時にこの症状が多発することも多いのです。
シャッター幕の走行不良が原因ということは
この症状が出ている状況であれば
当然シャッタースピードにもその影響は出ていて
後幕の幕速が足りないがために
高速シャッターの精度が全く出ていない場合も多いです。
今回のMXも1/1000~1/250までは明らかに
撮影結果に影響が出るほどのせい精度不良が確認できました。
後幕走行不良の根本的原因は幕軸の汚れや油切れによる
動作不良です。
フォーカルプレーンシャッターは比較的強いバネ力で
シャッターを駆動しますがそれでも積年の汚れ等で
幕軸の動きは悪くなります。
幕軸の清掃ができるところまで分解してしっかり清掃し
古い油を落とし新しい油を適量注油します。
これだけで高速シャッターの精度もバネが傷んでさえいなければ
ほぼ戻るはずです。あとはテンションの微調整で精度を追い込んでいきます。
当然、ミラーアップの症状もすっかりおさまり
シャッター音も軽快な音に変わります。

写真は整備完了後ですが
もう少し新しい油が馴染むまで様子を見たいと思います。
それから最終的な微調整を行って完成となります。

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ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「カラーテレビ放送記念日」なのだそうです。
1960年(昭和35年)のこの日にNHK・日本テレビ
・ラジオ東京テレビ(現:TBS)・読売テレビ
・朝日放送の5局がカラーテレビの本放送を開始したのだそうです。
アメリカに次いで世界で2番目だったそうです。
今から60年前になるのですねぇ
でも実際にカラー放送が増えてカラーテレビが普及したのは
もう少し後の東京オリンピックの頃ですねぇ
私もかすかに覚えていますが
3歳くらいの頃までは家のテレビは白黒テレビでした。
で、その後、カラーテレビになったのですが
当時はもちろんリモコンもなくてチャンネルは
手で回すタイプ。。。懐かしいですねぇ
1-12chまでのVHFチャンネルは
メインのダイヤルをガチャガチャ回して
13-62chのUHFチャンネルはメインのチャンネルを「U」に合わせてから
別途のUHFダイヤルを回していた覚えが。。。
子供の頃に覚えたものは今も忘れないけど
UHFは「広島ホームテレビ(テレビ朝日系)」が24で
「テレビ新広島(フジテレビ系)」が26
VHFは1がNHK教育テレビで
5が「広島テレビ(日本テレビ系)」、9が「中国放送(TBS系)」
11がNHK総合だったなぁ。。。(広島県呉市の場合)
今は昔のようにチャンネル番号なんて
そんなに意識しないものねぇ。。。
東京は民放「4,5,6,7,8」か。。。意外と覚えてるな(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
今月も何台かエレクトロ35の修理の予定が入っています。
本当にちょっと意外なほど多いですね。
今月最初のエレクトロは「GL]です。
それまでの初代から続く少し大柄なボディを持つ「GSN/GTN」と
同等の機能を持ったまま小型化が進められたモデルです。
発売は1973年で、受光素子がCdSから
シリコンフォトダイオードに変更になっています。
これによって低輝度時の反応速度が劇的に改善されています。
レンズはカラーヤシノンDX40mmF1.7で
使用電池はいk全のエレクトロと同じHM-4Nです。
もうこの電池はエレクトロ専用と言っても良いですね。
(エレクトロのために開発されたと言われています)
アダプターは必須で4LR44やLR44x4で6Vで駆動します。

お預かりのエレクトトロ35GLは一応電源は入るのですが
オート制御が妙に不安定です。
たまに異様にオーバーな露出になってしまうようです。
(写真が間違いなく真っ白になってしまうほどの)
さらにシャッタ羽根の動きがいまいちで
スローシャッター時に確認するとよくわかるのですが
シャッター羽根が全開に開き切らないようです。
基本はレンズシャッター機なので
シャッター羽根や絞り羽根の清掃はもちろん
このタイプの電子制御機はとにかく接点がキレイで
きちんと通電してるかどうかが生命線なので
各接点の清掃を徹底的に行います。

基本的に電子部品関連は比較的丈夫でトラブルは少ないほうだと思います。
今回も接点の接触不良や機械的問題はありますが
電子部品的には全く問題ない状態です。
意外と内部モルトがあちこちに使ってあり
それが粉状になってあちこちに入り込んで悪さをするので
細かいところまでしっかり分解して清掃を行います。
基本的にオートの調整用のボリューム等はない構造ですが
しっかり接点で導通が取れていれば
それほど大きなオートのズレは出にくい構造だと思います。
逆にオートがどうにも合わない場合は
まだどこかに問題があるということです。
この後、仮組してオートの測定を行いましたが
まず問題ない精度が出ていました。
初期のモデルほどではないですが
このGLのシルバーもヤシカらしいちょっとギラついたシルバーです。
個人的な好みですがエレクトロはシルバーが良いような気がします。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は9月9日ということで
「重陽の節句(菊の節句」ですね。
奇数は陽の数であり陽数の極である9が重なることから
「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれ
旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。
邪気を払い長寿を願って菊の花を飾ったり
菊の花びらを浮かべた「菊酒」を酌み交わして祝ったりするそうです
お酒は常にあるから菊の花買ってきて花びらを浮かべなければ。。。
重陽の節句はいわゆる「五節句」のひとつなのですが
少々他の節句に比べると地味ですよねぇ
実際の菊の季節が旧暦でもう少し後なのもちょっと残念かな。。。
そういえば子供の頃、10月になると毎年のように
「菊祭り」みたいなのに連れていかれて
菊人形が子供心にちょっと怖かったことをかすかに覚えてるなぁ
たしか5歳くらいの頃だから場所も何も覚えてないけど。。。
あ、昔のアルバム見たらきっとあるような気がします。
こういう忘れかけの記憶を引っ張り出すアイテムとしても
写真は大事ですよねぇ。。。
やはり記録写真こそが最強ですね。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
実は作業自体はあらかた終わっているので
今日はいきなり写真から。。。

今回お預かりしているF-1が元々美品なこともありますが
やはりいつ見てもF-1はカッコ良いですねぇ
またSSC(スーパースペクトラコーティング)の
赤文字FDレンズが似合いますよねぇ
やはり低く構えたペンタ部がポイントなのでしょうね。
ライバルのニコンF2とは正反対のスタイリングですが
どちらも70年代を代表するカメラですね。

お預かりのF-1はやはり長らく整備されていなかった個体と思われ
シャッタ幕軸の油切れのため、何度かシャッターを切っていると
たまに高周波のノイズの混じった嫌なシャッター音がしていました。
高速シャッターの精度も不安定だったのですが
それは油切れというより調速カム周りの偏芯軸のネジが
緩んでしまっていることが原因だったようです。
さらんび低速シャッタ時にはシャッターがたまに開いたままになることが
あったのですがこれも単純にスローガバナの固着とかではなく
シャッタダイヤル裏で使われているチューブが外れ
これがスローガバナまで転がっていき引っかかっていたことが原因でした。
さすがにこういうのは分解してみないと予想はできないですね。
普通に動作するときにはガバナには何の問題もなさそうだったので
ガバナ自体の問題ではないかも。。。とは思っていましたが。。。

もちろん整備後は高速側低速側も申し分ない精度が出ています。
シャッター動作音や巻上感触もお預かり時に比べると
段違いに良くなったと思います。
もともと美品だった外観に中身も追いついて
非常に良い状態のF-1になったと思います。

もう少し様子見をしてから
最終チェックを行い問題なければ完成となります。
ご依頼者様は何度も当店をご利用いただいているお得意様ですが
今回のF-1でも早く撮影を楽しんでいただきたいと思います。

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オリンパスOM10のカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうです。
今年もこの日がやってきましたか。。。
今日が「CMソングの日」だとわかってから
「あらピンボケだ♪おやピンボケだ♪みーんなピンボケだ♪」という
恐怖の(笑)フレーズが脳内でリフレインされて止まりません(笑)
1951年(昭和26年)のこの日に
初めてCMソングを使ったラジオCMが流されました。
小西六写真工業(後のコニカ)の「さくらカラーフィルム」のCMで
流されたCMソングが先程のフレーズを含む
「ボクはアマチュアカメラマン」だったのですね。
でもこのCMソング、
歌の中に社名もさくらカラーの商品名も一切出てきません。
出てくるのはこの時代に良くあったであろう
写真撮影の失敗談ばかりなのです(笑)
まぁ時代を感じさせますね。
今のスマホとかの写真と違って
普通に映すだけでもそれなりにスキルが要求された時代の歌です。
1951年だからスプリングカメラが主流だったころですね。
それに加えてその頃のフィルムの性能を考えると
なかなか普通に撮ることもそれなりに難しい時代ですねぇ。。。
一応言っておきますが私はまだ生まれてませんよ(笑)
この「ボクはアマチュアカメラマン」youtubeで簡単に聴けるので
興味のある方はぜひ!意外と耳に残りますよ(笑)

さてさて

今日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
上記のCMソングから28年後の1979年に発売されたカメラです。
この時代になるとカメラもいわゆる高級な嗜好品ではなく
一般的な家電製品に近いものが主流になっていきます。
そうなってくるとカメラをあまり触ったことがない人でも
簡単に失敗なく撮影できるものが求められてきます。
あ、もちろんお求めやすい価格というのも大前提です。
そうした中、各メーカーから
「絞り優先AE露出専用機でボディ価格が4万円」というカメラが
次々と発売されそれぞれ大ヒットします。
それが今回の「OM10」であり「ミノルタX-7」であり
「ペンタックスMV1]であり「ニコンEM」であるわけです。
いわゆる70年代初期の一眼レフに比べると
軽量コンパクトで使いやすく操作もシンプルになりましたが
それでも、まだ手巻きですし感度設定やピントもマニュアルですし
露出も絞り優先AEなのでそれなりに写真に関する知識がないと
使いこなすことはそれなりに難しかったと思います。
それでもまだ引っ張りますが
上記のCMソングの頃よりは随分失敗が少なくなっていたはずです(笑)
OMシリーズのエントリー機でもある「OM10」ですが
ベースは同社の高級機「OM-2」が基本となっています。
OM-2の機能をいろいろと削り部品点数を少なく仕上げることにより
お求めやすい価格とシンプルな操作性を実現したカメラです。
。。。とはいえ、元が「OM-2」なので
修理する立場からするとかなり厄介なカメラです。
OM-2の最大の特徴であるTTLダイレクト測光を受け継いでおり
この辺りの回路にトラブルが発生するとまず修理不能です。
ちなみに余談ですが当店ではOM-1やOM10の修理は
今回のようにお受けできることもあるのですが
OM-2、3、4の修理は残念ながらお受けできません。

お預かりしているOM10はご依頼者のお父様が
元々お使いになっていたもののようです。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたようで
まずはボディ側の電源が不安定でシャッターが切れたり切れなかったりします。
おそらくメインスイッチたりの接触不良かと思われます。
シャッタスピードもオート制御も少々不安定です。
ファインダー内にはかなりのカビが発生しています。
一緒に50mmレンズと望遠レンズもお預かりしているのですが
レンズにも大量のカビが発生しています。
キレイにリフレッシュさせて
今度はご依頼者のお子さんがお使いなられるのだそうです。
それは安定して動作することはもちろん
ファインダーも清潔な状態にしないといけません。
よくあるのですが接眼レンズにカビが生えたままで
気がつかずに使っている方も結構多いのですが
目を近づける接眼レンズ周りは定期的な清掃で
本当に清潔さを維持しておきましょう

まだ現状チェックを行っただけです。
電子回路的な問題はなさそうなので
一通りの分解整備と調整で快適に津kさえるようになると思います。
ちょっと汚れた外装もできるだけキレイにしていきます。
このタイプのエントリー機は使い勝手も良くて
気軽に持ち歩ける良いカメラが多いのですが
分解整備する立場からいうとなかなか一筋縄ではいかぬものが多いのも事実です、
今回のOM10も慎重に分解整備に取り掛かります。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日は9月6日ということで「黒の日」だそうです。
それと同様に黒関係の記念日が今日はたくさんあって
「黒い真珠・三次ピオーネの日」とか
(広島県三次市名産のブドウです。お高いけどめちゃ美味いです!)
黒豆の日、黒酢の日、鹿児島黒牛・黒豚の日、
カラスの日、松崎しげるの日(笑)。。。等々
カメラも黒いものとシルバー2色ラインナップされているものが
フィルムカメラ時代は多くて色の選択で悩むことも多いですよねぇ
中古市場的にはやはり黒のほうが人気かな。。。
カメラにもよりますが例えばニコンFやF2あたりだと
黒も良いしシルバーも捨てがたいですものねぇ。。。
まぁ両方手に入れるのが正しい姿かと。。。(笑)
私、昔、クルマのディーラーで働いていたことがあって
そのときの流行にもよるのですが
やはりリセールを意識すると
ボディカラーは白か黒かの2択になるのですよねぇ。。。
でも黒は日頃の手入れを考えるとちょっろ手を出しにくいし
白を選ぶことが多かったかな。。。
そういえば黒いクルマって所有したことないな
昔はブルーとか濃紺が好きだったからそっちのほうが多いかも。。。
まぁ、クルマでもカメラでも
キレイに磨きあげた黒ボディはカッコ良いですね。
カメラの場合は適度にヤレた黒ボディもなかなか渋いですが。。。

さてさて

本日は「コニカオートレフレックスT3」のカメラ修理を行っています。
コニカがレンズ一体型コンパクトカメラ等でお得意としている
露出計指針挟み込み式のシャッタースピード優先AEを搭載した
一眼レフです。シャッター制御そのものは機械制御のまま
AEが搭載されたカメラです。
この構造自体は2世代前の「コニカオートレックス」から
採用されているもので
オートレックスや前身の「FTA」の頃には
指針を挟み込むこともありレリーズボタンのストロークがかなり長く
これが結構不評だったりしたのですが
「オートレフレックスT3」ではそれもt3」はずいぶん解消されています。
(それでもレリーズストロークは少々長めですが
感触はずいぶんよくなりました。
シャッターはコニカ一眼レフと言えばの「コパルスクエア」です。
堅牢世の高さでは非常に評価の高いお馴染みのシャッタユニットです。

お預かりしている「オートレフレックスT3」は
シャッターはさすがコパルスクエアといった感じで
快調に動作しているのですが
露出計が全く動きません。。。というより電源が全く入らない状態です。
こういう場合は一番に疑うのはやはり電池室なのですが
案の定、電池室底部の端子がグラグラです。
コニカのカメラは電池室の端子を樹脂(プラ)のカシメで止める方法を
採用しているものが多いのですが
(オートSシリーズ、オートレックス・FTA、C35等々)
当時の樹脂は強度もそれほどではなくその上経年劣化で脆くなっていることも多く
同じような状態のものは頻繁に見かけます。
修理としては新たに樹脂を成型して以前より頑丈に留めるのですが
それにしてもあまり長期間電池を入れっぱなしにしないほうが
良いかとは思います。(修理を行ったものでも行う前のものでも)
電池室周りの配線も一部傷んでいる部分があったので交換します。

他、シャッタユニット、ミラー駆動部、巻上機構部
ファインダー清掃、露出計・オート調整等々
一通りの整備を行いました。
付属のヘキサノンAR50mmF1.7は随分カビに覆われてしまっていたので
清掃を行い非常にクリアな状態になりました。
今回のオートレフレックスも「黒の日」にふさわしいブラック塗装です。
あまりピカピカな感じではなくちょっとマットな感じの塗装です。
それがまた妙に重厚感を感じさせてなかなか良い感じですね!

お預かり時に比べると操作感も含めて見違える状態になったと思います。
もう少し様子見を行った後で最終チェックを行って完成となります。
こちらも早くご依頼者様に使ってみていただきたいものです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「ベッドの日(Good Sleep Day)」なのだそうです
ふかふかのベッド(布団)でぐっすりと眠る
これほど気持ちが良いことはないですよねぇ。。。
(なんだかのび太の発言みたいです(笑)
ちなみに今日はドラえもんの誕生日でもあります)
あ、そういえば今も使った「ぐっすり」という言葉ですが
英語の「Good Sleep」に由来するという説もあるようです。
その一方で鎖国中だったころの江戸時代の書物に
「十分に」という意味で「ぐっすり」という言葉が使われており
英語に由来しないという説もあるようです。
話が逸れましたが
私は今は普通に安物の布団を敷いて夏でも毛布にくるまって
寝ているのですが(その代わり冷房は一晩中20度設定です)
でっかいベッド買ってよい布団も欲しいですねぇ
一時期はそんな組み合わせで寝ていて快適だったのですが
引っ越しの時に処分しちゃったのですよねぇ
やっぱり質の良い睡眠を十分にとっていないと
昼間、アグレッシブに行動できないですものねえ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するモデルです。
1966年の発売で約7年間にわたり生産された
大ヒットモデルです。丈夫な上に使用感も良く
非常にミノルタらしいカメラともいえると思います。
このSR-T101がミノルタとしては初のTTL測光モデルで
且つ初の開放測光モデルでもあります。
開放測光に対応するために
レンズ群もMCロッコールにモデルチェンジされました。
さらにSR-Tの測光方式が少々変わっているのが
受光体(CdS)を2個縦方向に感覚をおいて配置し
上下2分割で測光していることです。
現在の多分割測光の源流ともいえる考え方です。
ミノルタではこの測光方法を「CLC」と名付け
採用しているカメラには「CLC」の刻印を入れています。
大雑把に縦に2分割な上に基本的には平均測光なので
これであらゆるシチュエーションに対処するのは
なかなか難しいですが考え方自体は非常に画期的なものでした。

SR-T101はロングセラーモデルですが
いわゆる初期モデルはその後のモデルと異なり
内部部品が異なる部分も多く巻上の感触などもかなり異なります。
ただ、初期のSR-Tは既にシャッター幕やリボンに
ダメージを抱え込んでいるものが多いような気がします。
今回も初期のSR-Tですが後幕を引っ張るリボンが切れてしまったようで
シャッタを切っても後幕が出てこないような状態です。
リボンがそれほど傷んでいるということは
幕自体の劣化も進んでいることが想像されます。
今回は今のところ見えている部分で判断すると幕は平気そうなのですが
リボン交換の際に細かくチェックして問題がありそうであれば
幕交換まで考えないといけないかもしれません。
リボンだけ交換してしばらくして
今度は幕自体でトラブルが起こっているようでは困りますものね。

まだまだ分解途中ですが
相変わらずの連動糸だらけのカメラです。
とはいえ、さすがに頻繁に分解整備を行っているカメラですので
見慣れた光景でさほど神経は使いません。
確かに連動糸は厄介ですが
SR-Tの場合はしっかり手順通りに分解すれば
それほど厄介な存在でもありません。
ただ手順を間違うと糸を切ったりガイドから外れたりで
非常に困難な事態になるのでやはり注意は必要です。
今回も慎重かつ手早く修理・整備を進めていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は9月2日ということで「くじ」
「宝くじの日」なのだそうです。
ばあさんが晩年によく買ってたなぁ
まぁ10枚ずつくらいなのだけど。。。
ちょっとした娯楽ということでよかったのかな。。。
私自身は一度も買ったことがありません。
いや、だって、当たるわけないし(笑)
まぁでもどんなに小さな確率だったとしても
買わない限りは0%なので果敢に挑む気持ちも
わからんではないですが。。。。
リアルな知り合いからは意外に思われるのですが
宝くじどころかパチンコ、競馬も
いわゆるギャンブルをやったことがほとんどありません(汗)
パチンコだけは10代の頃に友達についていって
何回かはやったことはありますがほんの数回です。
まぁ、人生自体がギャンブルみたいなものだから
もうそれでいっぱいいっぱいです(苦笑)
みすみす丸損する可能性のあるところへ
お金をかけるのなら何か欲しいもの買っちゃいますよねぇ。。。
常にいろんな欲と闘いながらお金を使い続けているので
ギャンブルにまできっとお金も気持ちも回らないのです。
そういうことにしておこう(笑)
さぁ、今日も地道に仕事しなくては。。。(汗)

さてさて

今日も「ニコマートFTN」のカメラ修理です。
ここのところ本当に続きますね。
1日おきにニコマートFTNの修理を行っています(苦笑)
まぁ、それもこの1台が終わると
しばらくはなかったかな。。。

ここのところのニコマートはすべてシルバーでしたが
今回はブラックです。それも非常にキレイな状態です。
詳しくは聞けていないのですが
おそらく新品で買ってからずっと使用しているものと思われます。
それでこの美しさなのですから
非常に大切に扱っていらっしゃることと
ご依頼者様の几帳面さがうかがえるカメラの状態だと思います。
ずいぶん昔かもしれませんが分解整備も行っているのではないかと思われます。
モルトが劣化しておりますが定期的に過去に交換してたものと思われます、
ずいぶん昔のものにしては劣化度合いが少ないので。。。
お約束のファインダー内のモルト屑もありますが
それほど多くはありません。
先日も書きましたがニコマートはニコンのカメラとしては
比較的内部モルト(特に露出計周り)を使用しています。
全くの未整備だとかなりのモルト屑が
ファインダー内に混入していることが多いのですが
このニコマートはそれほど多くのモルト屑は見えないようです。
それよりも不思議なことになっているのは
フィルムカウンターで
通常裏蓋を開けるとリセットされて「S」の位置に戻るのが普通ですが。。。

何故かこの位置にリセットされてしまいます。
それでシャッターを切っていくとこの位置から動き始め
何も表示されないエリアを経由して「S」までたどり着きます。
この状態だと「1」まで行くために
7、8枚シャッターを切ることになってしまいます。
フィルムカウンター盤の位置関係がおかしいようですね。
さらに定番の露出計指針の不安定さとか
高速シャッターの精度不良とか
いつもよくある症状も抱えているので
一通りの整備をきっちり行っていきたいと思います。
まだ現状チェックを行っただけなので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
キレイな外観以上に中身もきちんとスムーズに動作するように
仕上げていきたいと思います。

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