オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうですよ。
1900年(明治33年)のこの日に
上野駅と新橋駅の構内に
日本初の自動公衆電話が設置されたそうです。
当時は自動電話と呼ばれていて
交換手を呼び出してからお金を入れて相手に繋いでもらうものだったそうです。
ダイヤル式で交換手を不要とする電話が登場してから
「公衆電話」と呼ばれるようになったそうです。
中学生くらいの頃は家で聞かれたくない電話は
10円玉をたくさん握り締めて
よく近所の公衆電話に行きました。
10円で3分、100円玉で30分(おつりは出ない)だったなぁ。。。
携帯電話なんてもちろんない時代で
お互いに家電だったからいろいろ大変でした。
最近年取ったせいかその頃のことを
よく思い出すのですよねぇ。。。(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
その名の通り3代目のペンEEで
発売開始は1973年です。
ペンEE-3は非常に長く製造され続けたカメラで
他のペンシリーズが次々と生産中止になる中で
1986年まで生産されました。
後から発売されたペンEF(1981年発売)が生産中止となった後も
生産が続けられたカメラです。
固定焦点でオート露出、巻き上げて構えてシャッターボタンを押すだけで
簡単に撮影ができるというセールスポイントでヒットしたカメラです。
ペンEEシリーズ全体としても
初代からEE-3まで基本的な構造やデザインを変えずに
25年に渡って生産され続けたカメラです。
それだけ最初の設計や考え方が優れていたということですね。

お預かりしているペンEE-3は
ご依頼者さまが2年余り使い続けているカメラで
愛着のあるものだそうです。
普通に使えていたのですが
最近、赤ベロ(光量不足のときにファインダー内に出る警告)が
明るいときにも出たままになりシャッターが押せなくなることがあるそうです。
お預かり時にすぐ気がついたのですが
赤ベロの件もそうですが
それよりもレンズ鏡銅全体がグラグラで何かの拍子に外れてしまいそうです。
こちらのほうが大問題ではないかと思われます。

改めてじっくり観察してみると
フィルム室から見えるレンズ・シャッターユニットをボディに留めている
4本のネジには全く緩みはございません。
。。。ということはシャッターユニットを留めているネジが
緩んでいるものと思われます。
ペンEE系はこのあたりのネジの緩みが非常に多いですね。

早速、分解してみると予想通りで
写真真ん中左にあるシャッターユニットカバーのネジ3箇所のうち
2箇所が外れていてゆるゆるの1箇所でかろうじて留まっている状態でした
(この間にシャッター羽根が本来あるのですが
写真では取り外してあり写っていません)
外れたネジのうち1本はシャッターユニットとボディの間で
発見されましたが1本は外に落ちてしまったのか見当たりません。
このネジが妙なところに挟まってしまうと
とんでもないトラブルに発展することもあるので
このくらいで済んでいてまだ良かったほうです。
おそらく赤ベロの作動不良もこれが原因なのではないかと思われます。
原因がわかったところでシャッターユニット、絞りユニットの整備
レンズ清掃等々を行い
オート露出やピントの調整を行っていきます。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「温泉の日」だそうですよ。
大分県の九重町というところが制定した記念日で
町内に数多くの温泉があり「九重九湯」(ここのえきゅうとう)と
呼ばれたことが由来となっているそうです。
この日は九重町内の多くの温泉施設で
入湯無料なのだそうです。いいなぁ。。。
これから少し肌寒くなってくるといよいよ温泉シーズンですね。
去年は全く行けなかったから
今年こそ少しくらいは。。。日帰りでもいいから温泉に行こうと思います!

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
愛称は「リトル・ニコン」ですね。
それまでいわゆるエントリー機をほとんど作ってこなかった
ニコンが満を持して発売した
絞り優先AE専用のエントリー機です。
そのため、それまでのとにかく堅牢なニコン機と比べると
全くイメージが異なる部分も多いのですが
適度にコンパクトで軽くて使いやすいEMは
当時も市場に歓迎されヒット作となりました。
ジウジアーロデザインのちょっと丸っこいデザインも
それまでのニコンとは全く違うイメージですね。
絞り優先AE専用機ということで電子制御シャッターなのですが
エントリー機でも機会制御で動作する「M90」と「B」を装備しているのは
さすがニコンと思ってしまいますね。
私も個人的に非常に好きなカメラです。

お預かりしている「EM」は
まず巻戻し部のASA感度設定盤が外れてしまっています。
支えているのは巻戻し側の軸も支えている筒状の部品ですが
EMは軽量コンパクトなローコスト機ということもあり
ここが樹脂製なのですね。これが折れてしまっています。
何らかの無理な力が加わってしまったものと思われまが
こうなると中古部品と交換するしか手段はございません。
ここが破損してるのは比較的めずらしいですが
これよりもEMは巻戻しクランクの円盤が
破損しているものを非常に多く見かけます。
経年劣化で脆くなっているせいもありますが
動かない状況でちょっと無理に回転させると簡単に割れてしまいます。
まぁ、これも樹脂製だからしかたがないのですが。。。
今回はその部分は無事でほっとしました
(当店の部品取り用のEMはことごとく巻戻しクランク部が
使われてしまって既にない状態なので。。。(汗))

他、電池室及び配線の腐食があり
電源が非常に不安定です。
さらにEMではめずらしいのですが
プリズム腐食がありファインダー視野真ん中に
横線が入ってしまっています。
プリズムは交換で対応します。

1980年発売の電子制御シャッター機なので
しっかりフレキで覆われています。
まだ取り掛かったばかりですが
下に転がっているのが破損してしまっている
巻戻し部の樹脂部品です。
これから分解を進めて本格的に整備に取り掛かっていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「白露」です。
季節はいよいよ秋に移り始め大気も冷えてきます。
夜間に気温が下がり、
大気中の水蒸気が草花に朝露となってつくようになります。
光によって白く見える露ができ始める頃という意味で「白露」と言うそうです。
空を見ても少しずつ秋の高い空に近づいている気がします。
日によってはまだまだ暑いですが。。。
ところで今夜、関東は台風の直撃を受けそうです。
猛烈な風雨が予想されていますので
皆さま本当にお気をつけください。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
同年にF-1とFDレンズが発売されており
従来のFTをFDレンズ対応として
開放測光になったものがFTbです。
それだけではなく内部の基本仕様はF-1と共通の部分も多く
色々な意味でFTからブラッシュアップされています。
しかしながら外観はF-1ではなく
従来のFTのイメージを引き継いでいるのも良いと思います。
機械制御の布幕横走りシャッターで
少々重いですがその分、非常にしっかり造られています。
この当時のキヤノンお得意のQL(クイックローディング)を装備し
フィルム装填は当時の他のカメラに比べて随分楽にできます。

FTbには1973年にマイナーチェンジを行います。
巻上レバーに指当てを装着し
セルフタイマーレバーもF-1に近いものに変更され
シャッターボタンも変更されています。
最大の改良点はファインダー内にシャッタースピードが
表示されるようになりました。
マイナーチェンジ後のモデルはFTb-Nとも呼ばれます。

今回、お預かりしているのもマイナーチェンジ後の「FTb-N」です。
もともとご依頼者様のお父さまが使われていたカメラだそうです。
外観の状況で何となく予想できるのですが
丁寧に大切にかなり使い込んでいるカメラかと思われます。
ご依頼者様の小さな頃の写真もこのFTbで
相当な枚数を撮っているのではないかと思われます。
さすがにここ10年くらいは全く使われずに
仕舞いこまれていたものと思われます。
まず、高速シャッターは開きません。
先幕と後幕の動きのバランスが崩れてしまっているようです。
スローシャッターはスローガバナが固着気味で
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーアップしたままになってしまいます。
露出計はわずかに反応するもののほぼ不動です。
後から気づいたのですがミラーも外れかかっているようです。
この時代の80年代以降の普及機と違って
一眼レフのミラーは接着剤で付けてある上に
金具でずり落ちないように固定してあるので
ミラーがずりおちることはまずないのですが
ミラーを清掃しているとズルッとミラーが動いたので気がつきました。
もちろん再接着し、ファインダー上のピントも再調整します。

まだ上カバーを開けただけの状態です。
FT系ならではの露出計連動のノコギリ歯が見えていますね。
これから分解を進めて
シャッター幕軸、スローガバナー、ミラー駆動部あたりの整備から取り掛かります。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうです。
昨日のブログで「日本初のCMソングはコニカのCMです」と書いたのですが
まさにそのCMがオンエアされた日が1951年のこの日なのですね。
正確にいうと「小西六写真工業」(現コニカミノルタ)の
サクラカラーフィルムのCMで
流れていたCMソングは「ボクはアマチュアカメラマン」という曲でしたが
曲中に商品名やメーカー名は一切出てきませんでした。
この曲、一度聴くと妙に後に残るのですよねぇ
「あら、ピンボケだ♪おや、ピンボケだ♪ああ~みーんなピンボケだ♪」
実際にその状況に陥ると真っ青になりそうですが。。。(笑)
さすがにこのCMソングは私が生まれるよりずっと前の話ですが
CMソングって記憶に残るものが多いですよねぇ~
ここ数年、テレビはほとんど見なくなってしまったのでわかりませんが
昔は化粧品メーカーのCMソングに良い曲が多かった気がします。
「い・け・な・いルージュマジック」とか「春先小紅」とか
「夢恋人」とか「赤道小町ドキッ」とか。。。
あ、気がつけば、YMO絡みの楽曲ばかりだ。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
当時の最高級機であり前年に発売された「ペンタックスK」の
普及版にあたりますがSS最高速こそ1/500までで
(S2の後期には1/1000のものも存在します)
1/1000のKに譲るものの
「一軸不回転シャッターダイヤル」等の採用により
使いやすさにおいては「K」を上回るスペックを持ったカメラです。
この時代のペンタックス機なので
マウントはM42マウントです。
世界中の他メーカーのM42レンズをも使え
色々な楽しみ方ができるカメラだと思います。

SV以前のペンタックスSシリーズは
まずシャッター幕の状態が心配されます。
今回、お預かりしているS2も
やはりシャッター幕が硬化して使いものにならない状態でした。
かろうじてシャッターが動作していても
良く見ると幕に穴が開いていたり
硬化してしまっているためシャッタースピードの精度が
全くでない個体も多く
AP~SVあたりまでのSシリーズは
それまで未整備であればまずシャッター幕交換が前提となります。

写真は作業が一通り終わって最終チェックを残すのみの状態です。
基本的にはシンプルで丈夫なカメラなので
幕交換を行い、動作部分をしっかり清掃し
必要最小限の注油を行えば快適に使える状態に復活します。
(妙な分解品や水没品、ショック品はさすがに無理ですが。。。)
幕交換の効果もあって巻上も非常に軽く
気持ちよいものになっています。
これであれば快適に撮影に使っていただけると思います。
今回は装着されているSMCタクマー24mmF3.5も
カビ取り清掃を含む整備一式を行いました。
スナップに風景に大活躍してくれることと思います。

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コニカFPのカメラ修理

今日は9月6日ということで
「黒の日」だそうです。
当店に入ってくるカメラにも黒のものが多いですね。
カメラの色はもともとはシルバーが多かったのですが
1960年代あたりから黒のものも増え始め
現代のデジタル一眼だと黒のほうが圧倒的に多いですね。
私も昔は黒のボディに憧れましたが
今はどちらかといえばシルバーのほうが好みかな。。。
ところで、黒と言えばカメラの色、というより
「スズメバチが寄ってくる色」というイメージのほうが強いです(苦笑)
昔、黒い幌のオープンカーに乗っていた頃、
山に出かけてクルマを駐車場において撮影し戻ってきたら
10匹以上のスズメバチが黒い幌に集まっていて
クルマになかなか近寄れなかったことが
妙にトラウマになってしまっています(汗)

さてさて

本日は「コニカFP」のカメラ修理を行っています。
今(現在はコニカミノルタ)は2003年を最後に
カメラ事業から撤退していますが
かつてのコニカ(前身の小西六写真工業を含む)は
国産初のカラーフィルムを発売し
国産初の商品名を持ったカメラを発売した
歴史のあるメーカーでした。
あ、そうだ、日本初のCMソング(ボクはアマチュアカメラマン)も
コニカのCMでしたね。
今回ご紹介するコニカFPは1962年に発売されたカメラです。
当時の高級一眼レフ、コニカFシリーズの一員です。
シャッターユニットは金属羽根縦走りのコパルスクエアです
露出計は標準装備せずCdS露出計を外付けで
装着することができました。

お預かりしているFPはレリーズボタンを押しても
無反応で巻上もできません。
裏蓋を開けてみるとシャッターはチャージ状態のようです。
(ちなみにコニカFPはリリース状態だと
シャッター部に誇らしげに「Copal Square」の文字が
見えるのでわかりやすいですね)
レリーズボタンはしっかり最後まで押せるようです。
この状況からみておそらく
シャッターはチャージされているものの
ミラーがチャージされていないものと思われます。
ミラーがチャージされていないから
レリーズボタンを押しても
ミラーは動くことができず当然シャッターも動かないわけですね。

まずはミラーボックスを外してみて
現状を確認します。
やはりミラーはチャージされていない状態でした。
チャージを行う巻上部には問題なさそうで
改めてミラーボックス側で直接チャージしてみると
チャージはできるのですが
チャージロック部品の動きが少し悪いことと
その周りにたくさんのスレ跡が見られます。
チャージロック部品の変形が少しあるようで
そのために稀にチャージロックしないものと思われます。
シャッターが切れるようになったので
シャッター側の動きを見てみると
羽根に汚れがだいぶあるようで
高速シャッターの精度はあまりよろしくおりません。
ミラー駆動部、巻上部、シャッターユニット
それぞれ清掃と必要な部分には注油をしていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「石炭の日」だそうですよ。
石炭って植物の化石のようなものなのですね。
調べてみるまで知らなかった。。。(汗)
石炭といえばイメージするのは「蒸気機関車」ですよねぇ。。。
でも私、実は実際に走っているSL、見たことないのです。
広島にいた頃も「SLやまぐち号」見に行きたいなぁ。。。と
思いながら結局行かないままで。。。(汗)
比較的アプローチが楽そうなのは
都内からだと、秩父、真岡、大井川あたりなのかな
もうすぐ涼しくなってくるでしょうし
今度こそ見に行きたいですねぇ。。。
(。。。といいながらなんだかんだ後回しになるような気が。。。)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず修理・整備依頼数が圧倒的に多いカメラです。
誤解のないように言っておくと
それだけ壊れやすい、という意味ではなくて
それだけ人気があって使っている方が多いということですね。
機械制御シャッター機で基本的には丈夫なカメラです。
ただ、その人気の一番の要因である軽量コンパクトなボディを
実現するために多少、デリケートな部分もあるので
長期間使われないで放置されていた個体は
まず何らかの整備は必須となるカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は
元々、ご依頼者様のお母様のカメラなのだそうです。
やはり随分長い間、仕舞いこまれていたものらしく
お預かり時には外観にもだいぶ汚れの多い状態でした。
装着されていたFズイコー50mmF1.8も
盛大にカビが発生しています。
プリズムはやはり腐食のため交換ですが
今回はいつものモルトによる腐食ではありません。
(分解してみるとプリズム周りにモルトは貼られていませんでした)
単純に蒸着の劣化による点状の腐食が
何箇所かに見られ、ファインダー視野でも少し気になるレベルです。
このままでも撮影そのものには問題なさそうではあったのですが
今回はご依頼者様の打ち合わせの上、交換で対処します。
機能的には高速シャッターの精度はやはり出ておらず
スローシャッターはガバナが固着しています。
このあたりは未整備であれば当然の状況です。
それでも保管状態は悪くなく
電池もきちんと抜いて保管されていたようで
露出計回路にはさほどの問題は見られません。

まだ分解途中ですがこれからミラーボックスを外し
シャッター周りの整備や電池室からの配線をチェックしていきます。
写真にはないのですが
もともとアクセサリーシューがついていたのですが
これが長年装着されたままになっている個体の多くは
シューの内側のゴムの劣化で上カバーにもダメージが出ているものが多いです。
今回はさほどのダメージではなかったのですが
酷いものになると上カバーが錆びてしまっているものあります。
今更、言っても遅いかもしれませんが
長期保管する場合はシューは外しておいたほうが良いですね。

ご依頼者様はこのカメラを実際に使ったことはないそうです。
納品時には使い方も簡単にお話させていただく予定です。
お母様が使っていたOM-1で
是非、ステキな写真をたくさん撮っていただければと思います。

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ニッカ5型のカメラ修理

今日は「串の日」だそうですよ。
串カツ、焼き鳥、お団子、焼き魚、蒲焼。。。
串で刺して調理するもの、あるいは串で刺したまま
食卓に出されるもの、いろいろありますが
どれも美味しいですよねぇ。。。
そういえば渓流のある観光地とかに行くと
ヤマメの串焼きがよく販売されていますが
あれがまた美味しいのですよねぇ。。。
そういえば、最近、アユもヤマメも食べてないな。。。
まだ季節的に間に合うかな。。。
日本酒がめちゃくちゃ合うのですよね
どこかに食べに行かなくては。。。

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
ニッカカメラは現在では既に存在しないメーカーですが
一眼レフ全盛の前の時代では
非常に人気の高いカメラメーカーでした。
いわゆるコピーライカが主となりますが
独自の進化を遂げていて品質も非常に高く良くできています。
1958年にはヤシカの子会社となり
1966年に完全に吸収合併されました。
ニッカ5型は1955年の発売で
それまではプレスボディでしたが
この5型でダイキャストボディに進化しています。
大きな特徴は底板を外した状態で
裏蓋の一部が開くようになり
フィルムの装填が非常に楽になりました。
使ったことがある方は重々ご存知だと思うのですが
バルナックタイプのカメラは
そのままだとフィルムがスプロケットに引っかかるため
フィルムを10cmくらい細く切ってしまうか
薄いカードとかを使ってフィルム装填を行います。
それでも装填ミスになってしまうこともあると思うのですが
ニッカ5型は開いた裏蓋部分から
スプロケット部分が確認できるので
フィルム装填の確実性がとても高くなっています。
整備する立場としてもこの裏蓋は便利で
通常、裏蓋のないバルナックタイプのカメラは
ある程度分解しないとシャッタースピードの計測すらできないのですが
このニッカ5型は裏蓋を開けて測定がそのままできるのです。

バルナックタイプのカメラといえば
シャッター幕交換が前提となることがほとんどなのですが
今回、お預かりしているニッカ5型は
シャッター幕に関してはまだ大丈夫そうで
シャッターもそれなりに動作しています。
ただ、スローガバナーは固着気味で
シャッタースピードを1秒にセットすると
ときどき止まりながらようやくシャッターが閉じるといった状態です。
加えて、ちょっと不思議な現象が出ていて
36枚撮りのフィルムで撮影すると
最後の数枚で巻止めが効かなくなり
撮影できないままフィルムの最後まで巻き上がってしまうという症状です。
何らかの原因でフィルムの巻太りが起きているのかな。。。と
予想しながら分解し整備を行っていきます。

写真は整備が完了して最終チェックを残すのみの状態です。
巻止めが効かなくなる原因は
スプール軸にやたらと油が差されていて
スプールが滑ってしまうことが原因でした。
そのためフィルムの巻太りが起こっていたのですね。
さらに分解時に発覚したのですが
先幕に異常なテンションがかけられており
「こんな状態で使っていると軸バネがダメになっちゃうよ」という状況でした。
おそらくシャッター幕が高速で開かない時期があり
その際にとりあえず先幕のテンションを上げまくって
開くように処置し、さらにあちこちにやたらと注油したのではないかと思われます。
まぁ、何とか大事にいたらず良かった。。。
スプロケットにも妙なガタがあり
それも巻止め不良の原因と思われたのでそちらも整備しています。
これで今後、快適に使い続けていただけると思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は9月2日で「靴の日」だそうです。
靴って機能的にも見た目的にも大切ですよねぇ。。。
例えば登山靴で機能やサイズが合っていないものだと
極端な話、命に関わりますし
バイクに乗るときのライディングシューズとかもそうですよねぇ
そういう機能性重視のものではなくても
普段でも靴って意外と目が行くもので
サラリーマン時代にはそれなりに気を使っていました。
今でも電車で座っていたりすると
人の靴に自然と目がいきますね。。。
そういえば思い切って登山靴を新調してから
あっという間に3年が経ってしまいましたがほとんど活躍していないな(汗)

さてさて

本日はオリンパスペンFTのカメラ修理を行っています。
先日のOM-1のブログでも少し書いたのですが
オリンパスは通常の35mm判一眼レフよりも
世界初のハーフ判一眼レフであるペンFシリーズの方が
先に発売されているのですね。
さすがオリンパスといった感じがしますね。
「ペンFT」は先に発売されていた「ペンF」をベースに
露出計・セルフタイマーを装備し、
巻上を2回巻上から1回巻上に変更、
その他ファインダースクリーン等を変更して発売されたモデルです。

ペンFTは露出計に光を取り込むために
ペンFでは普通の反射鏡だった内部ミラーを
ハーフミラーに変更しています。
そのため元々、ファインダーはペンFに比べると暗いのですが
このハーフミラーが経年劣化でダメになっているものが非常に多く
当然、ファインダーも見辛くなっているものが多いわけです。
今回、お預かりしている「ペンFT」も
ハーフミラーの蒸着はかなりの部分が剥げ落ちてしまっていました。
今回のペンFTはそれ以外にも
ファインダー内の汚れが酷く視野はかなり曇った状態です。
セールスポイントのひとつである
露出計は全く動かず、外装にも内部にもサビが多く
いろんなところの動きが悪い状態です。
落下歴もあるようで上カバーは変形しています。

写真は一通りの作業が終わった後のものですが
お預かり時に比べると見違えるほどキレイになったと思います。
露出計不動の原因は内部のサビや汚れが原因でした。
ハーフミラーは交換しています。
ペンF系はミラー駆動やスローガバナにトラブルが起こることが多いのですが
そういうウィークポントもしっかり整備を行い
安心して使っていただける状態になったと思います。

このペンFTはもともとご依頼者様のお母様のカメラなのだそうです。
是非、受け継いでいただいて
ステキな写真をたくさん撮っていただければと思います。

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ゲルトフレックスのカメラ修理

今日は「防災の日」ですね。
1923年9月1日の「関東大震災」が由来となっている日です。
防災グッズとか何にも準備していないのですよね。。。
忘れた頃にやってくるのが災害ですから
日頃からある程度の対策をしておかなくてはいけないのはわかっているのですが。。。
そういえば最初に広島から東京に来たときに
「こっちは頻繁に小さな地震が起こるなぁ。。。」と
ちょっとびっくりしたのを思い出しました。
広島だと滅多に地震が起こることはなかったので。。。
地震も台風も大雨もそのものを防ぐことはできないので
起きてしまったときの対処は考えておかないといけませんね。

さてさて

本日は「ゲルトフレックス」のカメラ修理を行っています。
あまり聞きなれない名前の二眼レフです。
調べてもなかなか情報がないのですが
東亜光機というメーカーで作られたもののようです。
1952年頃のカメラと思われます。
この頃はスプリングカメラや二眼レフのメーカーが
たくさんあった時代なので
まだまだ馴染みのないものも多いですね。
リコーフレックスと同じような前玉ごギアで
回転させピントを合わせる二眼レフです。
レンズはGRIMMEL 80mmF3.5
シャッターユニットはGKK-Sとなっており
B・1秒~1/200となかなかのスペックです。
モデル名やレンズ名を見ていると
なんとなくドイツ製っぽく感じますね。

お預かりしているゲルトフレックスは
おそらくご依頼者様のお宅でかなり長い間眠っていたと思われます。
レンズはカビ・クモリが酷く
ファインダーミラーもかなり曇っていて
ファインダーを覗いてもぼんやりとした感じでしか見えず
厳密なピント合わせは現状では無理かと思われます。
リコーフレックスでよくあるように
このゲルトフレックスでもピントギアは固着気味で
回すためにかなりの力を必要とします。
これでは快適にピント合わせはできません。
シャッター、絞り羽根共に粘りが見られ
スローガバナは固着してます。
こうして書くと二眼レフでありがちなトラブルがほぼ全て出ている感じですね。
とはいえ、部品が破損しているとかの
重篤なトラブルはないようです。

分解して固着部分や動きの悪い部分をひたすら洗浄し
新たに注油やグリスアップを行い調整していきます。
二眼レフはどのメーカーのものも
大体の構造は同じようなものなので
今回のようにめずらしいカメラでもやることに大差はありません。
外装も随分くたびれていたのですが
最終的に外装も清掃し、見た目もシャキッとした感じになりました。
もちろんピントギアやシャッターも快調に動作するようになりました。
毎度のことですがファインダーミラーは
さすがにそのままではどうにもならないので
新品のミラーに交換してあります。
ちょっと難儀だったのではやはりレンズのクモリでした。
今回は撮影に影響のないレベルにはキレイにできましたが
レンズのクモリはガラスの変質により
どうにもならない場合も多くあります。
今回の整備で再び快適に撮影に使えるようになりました。
是非、ご依頼者様に気持ちよく使っていただきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は8月31日ということで
野菜(8・31)の日だそうです。
食べなきゃいけないと思っていても
ついつい食べずに過ごしていることが多いですねぇ。。。
自炊することもたまにはありますが
大抵、コンビニやお弁当屋さんで
食事を済ませてしまいがちで
気がついたときには野菜サラダを追加で買うようにしているのですが
絶対的に不足しているでしょうねぇ。。。
野菜(草?)は牛が食べているのだから
牛を食べていれば十分食べたことになればいいのに。。。(笑)
ちなみにカレンダー上で8/31の真上にくる
8月24日は「ドレッシングの日」なのだそうです。

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もOM-1の修理はコンスタントに入っていますね。
この数台後にも確か2台続けて入っていたような気が。。。
相変わらずの人気を誇るオリンパスを代表する一眼レフです。
オリンパスの一眼レフはOMより先に
ペンFが1963年に発売され
1971年(国内は72年)に35mm判一眼レフの「FTL」が発売され
OM-1の発売は1972年です。
他の大手メーカーに比べると35mm判一眼レフへの参入は
少し遅いほうだったのですね。
当時の他メーカーの一眼レフといえば
ニコンF2やニコマート、キヤノンF-1やFTb
ミノルタSRTスーパー、ペンタックスSPF。。。等々なので
やはりOM-1の軽さや小ささ、静かさは
群を抜いていると思います。
今も昔も大人気なのは当然と言ったところでしょうか。。。

お預かりしているOM-1はいわゆるMDモデルです。
ご依頼者様がフリーマーケットで入手したものだそうです。
外観のキレイなブラックモデルで
おいくらだったかまではお聞きしていませんが
フリーマーケットであればおそらくかなりお買い得だったものと思われます。
シャッターは一応、動作していますが
さすがに先幕と後幕のバランスは崩れていて
1/1000でシャッターを切ると
走り始めは1/1500、走り終わりは1/3000くらいの露出になってしまいます。
先幕の動きが悪く、走行中にスリットがどんどん細くなってしまうのですね。
1/125くらいの設定になると気にならない差になってきますが
スリットが細い高速シャッターになると
ちょっとこのままではよろしくないと思います。
加えて露出計は全く動きません。
生産時期的に電池室端子留めに
樹脂ネジが使われている個体だと思われますが
折れてしまっているようで端子がグラグラです。
これが原因で導通しないものと思われます。
他、定番のプリズム腐食は交換で対応し
ミラー先端も劣化したモルトの影響で
ミラー蒸着が剥がれてしまっているため交換で対応します。

おそらく長い間使われていなかった個体でしょうから
整備は当然必要ですが
元々は丁寧に扱われていた個体だと思われます。
一旦整備してしまえば当分快適に使えるようになりそうです。
ご依頼者様が新しいご主人となるわけですが
存分に実力を発揮してくれることと思います。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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