キヤノンTLbのカメラ修理

今日は「テレビCMの日」だそうですよ。
日本初のテレビCMが
1953年のこの日に放映されたことが由来となっています。
初のCMは初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店の時報だったそうです。
精工舎(現セイコーホールディング株式会社)は
セイコーブランドの時計で誰もが知るメーカーですが
古いカメラのレンズシャッターでもお馴染みの時計メーカーですね。

さてさて

本日は「キヤノンTLb」のカメラ修理を行っています。
1976年の発売でFTbをベースに
機能簡略化を施したモデルです。
基本的な構造はFTbと同様の作りです。
機械制御シャッターでシンプルで使いやすいカメラですね。
お預かりしているTLbはまずファインダーを覗くと
一目瞭然なのですが視野内縦方向に
何か液体が流れた跡のような
大きなプリズム腐食が左右に2本見えています。
キヤノンFシリーズではよく見かけるタイプのプリズム腐食です。
少し話が逸れますがFTbやTLbだと
交換するための腐食のない中古プリズムが
比較的入手しやすいのですが
微妙にサイズの異なるFTbより前のFシリーズ
(FTやFP、FX等々)は腐食のない
プリズムの入手がかなり困難です。

お預かりしているTLbに話を戻しますが
今回のTLbはご依頼者さまの親御さんが
高校生の頃に入手されたカメラなのだそうです。
大切に保管してあったようで
外装も非常にキレイです。
動作も一通りは動作するのですが
さすがに各所に油切れの兆候があり
高速シャッターは精度不良、
低速シャッターはスローガバナに粘りがあり
1秒に設定すると最初の1回目は5秒近く
開きっぱなしになってしまいます。
再び切ると2回目以降はほぼ1秒で作動するのですが
また少し放置しておくとやはり1回目は5秒くらいかかってしまいます。
露出計も動作していますが
電池室にはほぼ新品のヴァルタ電池
(水銀電池と同じ大きさのアルカリ電池1.5V)が入っており
そのまま使用すると水銀電池より0.2V電圧が高いため
露出計は振り過ぎてしまい1.5段ほどアンダーになってしまいます。
今回は1.5Vで適正の値になるように調整いたします。

FTbでもお馴染みの露出計連動のノコギリ歯が見えていますね。
FTbとは異なり受光体(CdS)は
接眼レンズの上部に取り付けられています。
このため中央部部分測光ではなく
TLbの場合は中央部重点平均測光となっています。
まだ取り掛かかり始めですが
これから本格的に分解整備を行います。

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フジカST801のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジ開通記念日」だそうです。
今年で開通してから26年なのですね。
バイクやクルマ持っていたときには
お台場に行くことも多かったからよく通りました。
お台場から見るライトアップされたレインボーブリッジも良いのですが
レインボーブリッジ上から見る都内の夜景がまたいいのですよねぇ
お台場パレットタウンの観覧車の側に
今はもうないのですが大きなゲームセンタ-があって
一時期、夜中にやたらと行っていたことを思い出しました。。。
そういえばレインボーブリッジ、歩いて渡ったことはないですね。
遊歩道があるので一度は歩いてみようかな。。。

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
フジカSTシリーズは元々、M42マウントを採用していて
露出計は絞込み測光だったのですが
STシリーズ第二弾となった「ST801」で開放測光機能が採用されました。
当然、通常のM42マウントでは絞り情報の伝達ができないので
開放測光に対応するためにレンズも
M42マウントに絞り情報伝達用のピンを備えた
「フジカSTマウント」のレンズが発売されました。
基本的な部分はM42マウントなのですが
絞り伝達用のピンが干渉しトラブルの元になることもあるので
M42マウントと考えないほうが良いと思います。
ST801ボディ側の話に戻りますが
1972年発売のカメラですがファインダー内露出計表示は
既にLEDが使われています。
機械制御シャッターの最高速は1/2000秒で
布幕横走りシャッター機としては唯一のものではないかと思います。

お預かりしているST801は
長年仕舞いこまれていたものをご依頼者さまが見つけてきたとのことで
かなり長い間使われていなかったものと思われます。
4LR44電池を使用する電池室は腐食して緑青がかなり付着しており
露出計は残念ながら動作していません。
ファインダーを覗くとおそらくプリズムに発生していると思われるカビが
はっきりと確認できます。
シャッターはとりあえず動作していますが
自慢の1/2000は1/750程度しか出ていない状態です。
装着されているEBCフジノン55mmF1.8レンズは
カビがびっしり内側まで付着していて
とてもこのまま普通に撮影できる状況ではございません。
全体的にリフレッシュが必要な状態ですが
整備していけば十分に快適に使えるようになると思います。

まだ現状を確認しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
意外としっとりしたシャッター音が非常に心地よいカメラです。
実は整備する立場としては
なかなか手のかかるカメラだったりしますが
がんばってしっかり整備していきます。

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ヤシカ35のカメラ修理

今日は「即席ラーメン記念日」だそうです。
世界初の即席ラーメン「日清チキンラーメン」が発売された日だそうです。
即席(インスタント)ラーメンといえば
ツイッターで何度か書きましたが
個人的には子供のころから親しみのある
イトメンの「チャンポンめん」がベストです。
あっさりした優しい味がとても美味しいのです。
ただ、スーパー等で売っているエリアが非常に少なく
(近畿・中国地方のごく一部)
こっちだとネットで買うしか方法がないのが困ったものです。
今年で発売57周年だそうで
今、限定商品でミルク味の「ホワイトチャンポンめん」が販売されているようです。
まだネットなら買えるみたいですね。
食べてみたいから注文しておこうかな。。。

さてさて

本日は「ヤシカ35」のカメラ修理を行っています。
ヤシカとしては最初の135フィルムカメラとなるのですかね。
1958年の発売開始です。
コンタックスⅡaをかなり意識していると思われるデザインです。
でも確かにカッコ良いですね。
レンズ固定式のレンズシャッター機で
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
もちろんレンジファインダーを装備します。
レンジファインダーはよくあるハーフミラーを使用したものではなく
贅沢にプリズムを使用したものです。
レンズはヤシノン4.5cmF2.8を搭載します。
(4.5cmF1.9搭載機も存在するようです)

お預かりしているヤシカ35は
非常にキレイな外観です。
動作も一応、一通りは動作しているようなのですが
シャッタースピードダイヤルが非常に重いです。
加えてシャッター、絞り羽根に若干の粘りがあるようで
絞りリングも少々重く感じます。
高速シャッターの精度も粘りの影響で
あまりよろしくはないですが
スローガバナは固着気味で
1秒のシャッタースピードでシャッターを切ると
20秒以上シャッターが開いたままになります。

まずはスローの不調とSSリングが異常に重いことの原因探るため
本格的に分解する前にシャッターユニットの動きを
確認しておこうと思います。
レンズを外してみてはっきりわかりましたが
意外とカビが多く発生しているようです。
一通りの確認後、シャッターユニットを降ろして
シャッター羽根、絞り羽根の清掃から取り掛かります。

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ニコンFE2のカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうです。

「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり」

酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の誕生日が由来となっています。
牧水は毎日1升ほどお酒を飲んでいたそうです。
私もお酒は好きですがとてもとてもそんなには飲めません(汗)
日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキー
世の中には色々なお酒があり、どれも美味しいですが
私が一番好きなのはやはり日本酒かな。。。
香り高い大吟醸酒をチビチビ楽しむのも良いですが
やはり美味しい食べ物(特に海産物)と合わせて飲む
純米酒が一番好きかもしれません。
何にせよ、量はほどほどに。。。
若山牧水の主な死因も肝硬変で
夏の暑い盛りに亡くなったのに
しばらくたっても遺体から腐臭がせず
そのままアルコール漬けになっているのでは?と医師を驚かせたそうです。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に発売されたカメラです。
史上初の1/250シンクロを備え、シャッターの最高速は1/4000
当時としては非常に画期的なスペックを誇ります。
シャッタースピードやシンクロ速度に関しては
当時のフラッグシップであったF3を越える性能であり
当時、私は中学生だったのですが
カメラ屋さんからカタログをもらってきて
毎日眺めていたのを思い出します。
既にカタログはもう持っていないのですが
カタログに載っていた作例写真がどれもカッコ良くて
コレを手に入れればこんな写真が撮れるのかぁ・・・と考えていましたね
(実際はそんなに甘くはないですが。。。(笑))
前モデルである「FE」同様に
指針式の非常に使いやすい露出計を装備し
絞り情報を含めたファインダー情報はマニュアル露出でも
抜群に使いやすいと思います。
Ai連動爪はFEと異なり固定式になってしまったので
いわゆる非Aiレンズの装着はできないのでそこは注意が必要です。

お預かりしているFE2は外装もキレイで
一通り動作はしています。
シャッター速度は全速で問題ないレベルですが
露出計+オートはオーバー傾向でここは調整が必要です。
モルトはやはり全滅で内部モルトも含め交換を行います。
何故かセルフタイマーレバーが欠損していて
セルフタイマーが使えない状況なので
これは中古部品を使って補修します。

まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

性能もさることながら
ニコンらしい端正なデザインも非常に魅力的です。
フラッグシップF3に比べると華奢な部分もありますし
ハニカムエッチングのチタンシャッター羽根は
カシメ部分の強度が少し足りないようで
耐久性に不安な部分も正直ありますが
使い心地や性能、技術的な部分も含めて
1台は持っておきたいカメラのひとつだと個人的には思います。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
暑さが峠を越えて後退しはじめる頃、ということです。
今日の都内は朝から雨降りで
暑さもそれほど感じません。
晴れればそれなりに暑いのでしょうけど
これから一雨ごとに涼しくなっていくでしょうね。
夏が苦手な私としては大歓迎ですが
強烈に暑い夏の日々は今年は短かったような気もします。
早く朝の空気がピンと張り詰めるような
秋らしい気候になってほしいですねぇ。。。
でも冬はまた寒すぎるからずっと秋ならいいのに。。。(笑)
ま、それだとメリハリなくてまた物足りないのでしょうが。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作の「SP」に開放測光機能を追加したモデルですね。
(対応するSMCタクマーレンズ使用時のみ)
加えてレンズキャップをして光が入らないようにすると
露出計のSWがオフとなり、光が入るとオンになるという
「フォトスイッチ」と呼ばれる独特の露出計SWを搭載しています。
1973年発売のカメラです。
機械的な構造や造りはほぼ「SP」と同様です。
ただし、開放測光を採用したため
レンズからの絞り情報を受け取らなくてはならないため
露出計及びその回路に関しては全くの別物です。

お預かりしているSPFは
ご依頼者さまのお父さまが使っていたカメラだそうです。
外装を見る限りでは非常に良いコンディションで
大切に使われていたことがわかります。
ただし、さすがに経年劣化に伴うトラブルはいろいろあるようで
まずSP同様に持病とも言えるプリズム腐食が発生しています。
これはプリズム周りに巻かれた遮光用のモルトが
加水分解しプリズムの蒸着にも侵食してしまったもので
SP&SPFの場合はファインダー視野内に黒い横線が
見えるようになっていまいます。
今回はまだそれほど撮影の邪魔になるほどではないのですが
ご依頼者様と打ち合わせの上、今回はプリズム交換で対応します。
加えてシャッターは1/1000~1秒まで一通り作動はしていますが
幕軸の汚れや油切れの影響があるようで
高速シャッターでは全く精度が出ていません。
さらに少し時間を置いてシャッターを切ると
ミラーが上がりきらずシャッターが動作しないことがあるようです。
一旦、動作し始めるとしばらくは大丈夫なのですが
また数時間おくとまた上がりきらなくなってしまいます。
比較的、トラブルの多い露出計は
やはり問題ナシとはいかず
電池を入れると明るさに関係なく常に振り切ってしまっている状態です。
SPFの露出計は少し変わった構造で
電圧がかかっていないときは指針はほぼ真ん中にきます。
露出計からはリード線が3本出ていて
1本はアースで1本は受光体(CdS)経由で指針を引っ張ろうとしています。
残りの1本はシャッタースピード、絞り設定の抵抗を経由していて
指針を反対側に引っ張ろうとしています。
これのバランスが取れたところが適正露出となるわけですね。
今回はおそらくSS・絞り情報からの電流が何らかの原因で
きていないのではないかと思われます。

まだ、現状を確認したのみでこれから本格的に
分解整備に取り掛かります。
装着されているSMCタクマー50mmF1.4レンズも
内側にかなりカビが発生しているので
清掃を行います。
ご依頼者さまご本人はこのカメラを使ったことがないそうなので
納品時には簡単に使い方からご説明する予定です。
気持ちよく撮影を楽しんでいただけるように
きっちり整備していこうと思います。

オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうです。
「チンチン電車」=「路面電車」のことですが
これとは別に6月10日も「路面電車の日」なのですね。
「チンチン電車」の由来はいくつかあるようなのですが
車掌さんが運転手にベルを鳴らして
(「チン」と1回だったり「チンチン」と2回だったり)
合図を送っていたからという理由が個人的には
しっくりくるような気がします。
でも現在の路面電車内ではベルで合図をすることは
さすがにもう少ないのではないかと思います。
(5月に広島で路面電車に乗りましたが
さすがにベルの合図は聞かれませんでした)
昔はよく聞いていたと思います。
広島市内ではまだ昔ながらの路面電車が結構残っていて
そういう電車に乗るだけでも
ちょっと懐かしい気分に浸れます。
また時間があったら乗りに行きたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
機能的にはOM-1NはOM-1MDに
フラッシュ充電表示確認や
フラッシュ適正発光表示確認が追加されたモデルです。
他は機能的には変わりないのですが
電源SW部や露出計基板、ファインダー枠等々
中身もかなり改良されています。
とはいえ、シャッター周りや巻上部等、主要な機械部分は
OM-1(MD)とほぼ変わりません。
相変わらず軽量コンパクトで使っていても気持ちよいカメラです。

お預かりしているOM-1Nは
ご依頼者様が昔から使っていたものなのですが
最近、落下させてしまったそうです。
外装はあちこちに凹みやキズがついてしまい
レンズに装着していたフードは大きく変形してしまい
レンズから外れなくなってしまいました。
もうフードはどちらにしても使い物にはなりませんが
まずは何とかして外さなくてはなりません。
さらに落下以来露出計が全く動かなくなっているようです。

通常は露出計不動となると
電池室からの配線やSW部をまず疑うのですが
今回は落下させるまでは使用できていたということなので
真っ先にメーター本体が動作するかどうかをチェックします。
上カバーを外してメーター本体に直接電圧をかけてみますが。。。
うーん、やはり全く動かないですね。
おそらくメーター内部で断線しているものと思われます。
メーターは交換前提で修理していきます。
もちろんSW部、配線等も入念にチェックしていきます。

通常、こういう場合には外装の修復は大きな凹みに関しては
できる限りの修復で、たいしたことはできないのですが
今回はご依頼者様が用意した外装部品と交換していきます。
上カバー、底カバー、裏蓋なのですが
なんと全て交換用部品の未使用品です。
まだ探せば手に入るものなのですね。
整備完了後には新品のような外観になると思います。
気分も新たに気持ちよく使っていただける1台になると思います。

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コニカAcom-1のカメラ修理

今日は「パーフェクトの日」だそうです。
1970年に中山律子さんが女子プロボウラー初の
パーフェクトゲームを達成したことが由来となっています。
中山律子さん、懐かしいですねぇ。。。
じいさんがボウリング好きだったこともあって
うちにも中山律子さんのでっかいパネルが飾っておりました。
中山律子さんがパーフェクトゲームを達成した年は
さすがに私はまだ1歳なので全く記憶はないですが
物心ついた頃もまだボウリングブームの余波が残っていて
人口20数万人の呉市内に今ざっと思い出しただけでも
7箇所のボウリング場がありました。今は2箇所のみですね。
ちなみに野球のパーフェクトゲーム(完全試合)を記念した
「パフェの日」も6月28日に制定されています。
「パフェ」っていうと甘党の私としては
スイーツのパフェを連想してしまいますが
スイーツの「パフェ」も語源はフランス語の「Parfait(パフェ)」で
意味は「完全」、「完璧な」ということだそうです。
初めて知りました(笑)

さてさて

本日は「コニカAcom-1」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売された一眼レフです。
コニカオートレックスから続くお得意の指針挟み込み式の
シャッタースピード優先AEを搭載します。
大柄だったオートレックスやFTAあたりに随分軽量コンパクトになり
シャッター音もマイルドな感じになりました。
巻上レバーにちょっと特徴があり
巻上レバー下のスイッチを押すと
レバーが完全に格納され露出計の電源も切れ
シャッターロックがかかります。
引き出せば露出計電源オンでスタンバイ状態となります。
貼り革は本革で手触りが柔らかく快適ですが
経年劣化で縮んでしまうのはどうしようもない部分です。

お預かりのAcom-1は露出計にトラブルを抱えています。
全く動かないわけではないのですが。。。
例えば、最初は薄暗い光源に向けて
ファインダー上でF2.8を指針が指す位置だったとします。
少しずつ光源を明るくしていくと
指針もF4、F5.6、と上から下がっていきます。
で、F8に達したところでそれ以上明るくしてもしばらく動かなくなります。
それでも光源をどんどん明るくすると
あるタイミングでいきなり一番下の赤エリアにはりが飛び込んでしまいます。
言葉で書くとややこしいのですが
現象を見れば一目瞭然で明らかに途中で針が引っかかって
F11~F16あたりを指すことができないようです
針挟み込みAE搭載のカメラでは稀に見る症状ですね。
毎回挟み込んでいるわけですから
微妙に針が変形しているのではないかと予想します。
コニカオートレフレックスやAcomでは比較的良く見る症状です。

後から気がついたのですがマウント部にある
AE切替ピンの戻りが非常に悪く
マニュアル時にレンズを絞らない。。。という症状も確認できました。
もちろん露出計のトラブル共々解決済みです。
他、AE調整、ファインダー清掃、モルト交換等々
各部点検整備一式を行いました。
これから少し時間をおいて様子見です。
装着されているヘキサノンAR40mmF1.8は
ご依頼者様のものですが
このレンズ、コンパクトでAcomに非常に似合いますね。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は8月19日ということで「バイクの日」です。
アプリリアRS250を手放してから
5年経ちますがまたバイクは乗りたいですねぇ。。。
2ストには未だに魅力を感じますが
さすがに次はもっと普通の(?)バイクがいいなぁ。。。
冬は寒いし夏はめちゃくちゃ暑いし
いろいろ不便なこと満載ですが
それでもバイクならではの一体感と
爽快感は捨てがたいです。
実は近々、何かしらのバイクを手に入れようと
いろいろと画策中です。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のレンジファインダー搭載のコンパクトカメラです。
シャッターは電子制御のセイコーESLを搭載し
レンズはロッコール38mmF2.7です。
非常にコンパクトで写りにも定評のあるカメラです。
個人的にも好きなカメラで一時期、お散歩用として持ち歩いていました。
ストロークが長く独特のフィーリングのシャッターレリーズは
好みが分かれるところかもしれませんが
個人的には悪くないと思っています。
修理依頼としては年に数件あるかないかといったところですが
今回は同じ日に黒とシルバーのハイマチックFが
立て続けにやってきました。
もちろん全く別のご依頼者さまです。

まずは黒ボディのほうから取り掛かります。
こちらは一応、一通り動作はしているのですが
オートが非常に不安定でASA100・LV15時に
-0.3~-2.5の間で露光が一定しません。
10回シャッターを切ってそのうち7回が-2段といった感じの傾向です。
おそらく電位制御部の接点の汚れが原因かと思われます。
さらにレンズ前玉に明らかなキズがあり
これはご依頼者さまと打ち合わせの上、部品取りの中古から
レンズユニットを載せかえることになっています。
まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。

シルバーのほうは全く電源が入りません。
電池をいれてもバッテリーチェックも点きません。
構造上、バッテリーチェックは電池室から
ダイレクトに結線されているので
電池室から電気が来ていないものと思われます。
最初に疑うのは電池室の状態ですが
電池室そのものは端子もキレイで問題なさそうです。
少し分解して電池室裏側の結線をチェックしてみると
マイナス側の電池端子裏が激しく腐食していました。
おそらく長い間電池を入れたままの時期があったものと思われます。
腐食はハンダ部だけにとどまらず
電池室からバッテリーチェック部までの配線は全てダメで
さらにバッテリーチェック部の端子までも緑青が付着していました。
配線貼りなおしの上、緑青を落として対応します。
で、とりあえず通電はするようになったのですが
シャッターユニットの調子も悪いようで
しばらく快調に動作していたかと思うと
電池が入っていないときのようにシャッターが開かなくなる症状が
頻繁に出ていることも判明しました。
シャッターユニットに直接、電源を繋いでも同じ兆候です。
これも接点の汚れが原因かと思われます。
2台ともシャッターユニット接点は徹底的に清掃し
電気的調整も行ったところ、動作は安定するようになりました。
それでも少し時間を置きながら動作チェックしないと
本当に直っているかどうかわからない状況です。
しばらくおきに何回か動作チェックを行い、
数日置いた後に最終チェックで完成となります。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「米の日」だそうです。
「米」の字を分解すると「八十八」になることからですが
これ以外にも「八月八日」を「米の日」としている場合や
八が付く日(毎月八日、十八日、二十八日)すべてを「米の日」としていたり
いろいろバラバラなようですね。
何にしろいつ食べてもお米は美味しいのでいいのですが。。。(笑)
きっと現代の普通の人よりはお米好きなほうだと思います。
普段の食事もご飯に合うおかずが一品あれば
何も考えなければ一合半くらい軽く今でも平らげます。
しかし。。。この歳になってからの炭水化物の取りすぎは
ろくなことがありません。。。(大汗)
思いきりご飯をほおばりたい欲求を抑える毎日ですね(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
前モデルとなる「S3」の後継機となりますが
基本的な構造はS3と同様でセルフタイマーが装備されたことと
フィルムカウンターが自動復元式になったモデルです。
露出計は未装備でいわゆる電気的なものは
フラッシュ接点が存在するのみの完全な機械式カメラです。
現存するSPより古いペンタックスSシリーズは
それまで未整備であればほぼ間違いなく
シャッター幕に問題を抱えているものが多く
今回お預かりのSPもガチガチに幕が硬化しており
シャッターを切っても後幕が全く動かない状況でした。
幕が動かないまでに至らなくても
シャッター幕の硬化のためSS精度が全く出ていなかったり
頻繁にミラーアップしたままになってしまう個体も多いと思います。
SVの場合で1962年発売なので50年以上経過しているカメラです。
保管状況にもよるとは思いますが
ゴム引きのシャッター幕は劣化が起きて当然とは思います。

シャッター幕の交換、幕軸の清掃・注油、
ミラー駆動部の整備、巻上部の清掃・注油
ファインダー清掃等々、各部点検整備一式を行いました。
装着されているスーパータクマー55mmF1.8も
カビ取り清掃、絞り羽根粘りのため羽根清掃等行いました。
おそらく何十年単位で使われていなかったものかと思われますが
使われている間は非常に大切に使われていたようで
汚れこそありましたがボディ外装のコンディションは非常に良く
整備後に外装清掃したところピカピカの良コンディションのSVとなりました。
シャッター幕交換で巻上にかかる力が少なくなったこともあり
巻上も軽く非常にスムーズです。

このSVは元々ご依頼者様の叔母さまのカメラだそうです。
ご依頼者様自身はお若い方で
おそらく本格的なフィルム一眼レフを使うのは
これが初めてになると思われますが
この状態であれば気持ちよく撮影を楽しんでいただけると思います。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

夏から秋にかけては色々美味しい果物が旬を迎えます。
桃、葡萄、梨、バナナ、メロン、マンゴー。。。
あ、忘れちゃいけないのがパイナップル!
。。。ということで今日は「パイナップル」の日だそうです。
パイナップルは今や夏だけではな1年中入手可能ですが
やはり旬は夏なのですね。
なかなか丸ごと1個買うことは少ないのですが
スーパーに行けばカットした状態でもよく売られていて
私もよく買って食べています。
甘くてジューシーで美味しいですよねぇ。。。
直接関係ないけど「パインアメ」も食べたくなってきました(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンシリーズと並んで現在でも非常に人気のある
ハーフカメラだと思います。
他のハーフカメラと大きく異なる点は
「とにかくかんたんに撮れる事」を最優先として作られていることだと思います。
露出はもちろんプログラムオート
ピントは固定焦点でピント合わせの必要がなく
巻上もリコーお得意のゼンマイ仕掛けで自動で巻き上げます。
(ゼンマイは巻いておかなくてはいけませんが)
その上、露出計もセレン光電池のため
電池を改めて用意する必要もありません。
すなわち電池切れを心配することもないのですね。
とにかく手のかからないカメラです。
しかしながら手のかからないのは快調に動作する個体で
撮影している場合のみで
さすがに登場から50年経過するカメラなので
未整備のものはそのまま簡単に撮影ができる。。。とはいきません。
コンパクトなボディに多機能なせいもあり
整備を行うと意外と大変なカメラでもあります。

お預かりしているのは「オートハーフSE」
「S」がついているのでセルフタイマー付ですね。
この「SE」からオートスタート機能が加わっており
フィルムをセットしてゼンマイを巻き上げると
空写しの必要もなく1枚目に自動でセットされます。
これはなかなか便利で
機械的にも非常に良くできた機能だと思います。
しかしながらお預かりしているオートハーフSEは
巻止めが上手く作動せず、1枚巻き上げたところで止まるところで
うまく止まることができず2枚巻き上げたところで止まってしまいます。
このまま撮影すると1コマずつ飛んでしまうわけですね。
加えて露出計は作動しているようなのですが
オート制御が動作不良のようで2段以上オーバーになってしまうようです。
他、モルトは全滅でレンズにはかなり汚れもあるようです。

写真は一通り整備が完了した時点でのものです。
レンズ、ファインダーとも非常にキレイになりました。
オートも適正な値で露出できるようになり
巻上もきちんと作動します。
シャッターや絞りにはやはり粘りがあり作動不良の状態でした。
小さなバネの力で動作するレンズシャッターの中でも
オートハーフのシャッターはさらに小さなバネの力で駆動します。
そのため羽根や駆動部にちょっとした汚れがあるだけでも
すぐに動作不良を起こしてしまいます。
そういう意味では非常に繊細なカメラということができると思います。
とはいえ、一度しっかり整備してしまえば
普通の環境で使っている分にはそうそう簡単に壊れないとは思います。
今回のオートハーフSEは
元々はご依頼者様のおじいさまのカメラなのだそうです。
是非、ご依頼者様にも楽しく撮影に使っていただきたいものです。

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