ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「勤労感謝の日」。。。は当たり前なので
何かあるかな。。。と思って調べていると
一昨日、「カキフライの日」だったのに
今日は「牡蠣の日」らしいのです。
旬の走りとはいえ同じような時期に設定されているのですね。。。
ちなみに昨日は「いい夫婦の日(11・22)」でしたが
今日は「いい夫妻の日(11・23)」だそうです(苦笑)
それはともかく他にも今日は「あんこうの日」だったりします。
牡蠣もあんこうも鍋のメイン具材ですね!
寒くなってきたし鍋が美味しい季節です。
私はシンプルに水炊きに味ぽんが好きで
実は昨夜は今シーズン初の牡蠣鍋を
ひとりで深夜に美味しくいただきました。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
二眼レフに興味を持たれる若い方も多いと聞きますが
初めての二眼レフがヤシカフレックスだと言う方も多いと思います。
ヤシカ(当時は八洲光学精機)は
1950年代の二眼レフブームの最中
ピジョンフレックス、ヤシマフレックス、ヤシカフレックスと
立て続けに二眼レフを発売し、カメラメーカーとして発展していきます。
ひとことでヤシカフレックスと言っても
これがまたいろいろ種類がある上に
基本的に全てモデル名は「ヤシカフレックス」なので
なかなか慣れないと判別が難しいと思います。

今回、お預かりしているヤシカフレックスは
まずレンズ前面枠にバヨネットがありません。
シャッターレリーズはシャッターボタンではなく
シャッターユニットからリンクしているレバーで行います。
フィルム送りはいわゆる「赤窓式」
シャッター速度はB、1/10~1/200
レンズはヤシマー80mmF3.5です。
こういったところから、おそらく「旧A型(A前期型)」かと思われます。

状態としてはシャッターは動作しているのですが
シャッタースピードリングが異様な重さです。
相当力を入れないと回りません。
分解すれば直ると思われますが
この状態であまり無理に回すのは止めておきましょう。
ファインダーミラーは他の二眼レフでもそうですが
強烈に曇っていて使い物にならない状況です。
ここは新品の表面鏡を切り出して交換します。
問題はレンズでかなりのカビとクモリです。
表面に拭きキズもそれなりにありますが
できる限りの清掃を行っていきます。
何とか撮影にあまり支障のないレベルになれば良いのですが。。。

通常はシャッターユニットから整備を始めるのですが
今回はレンズの状況が気になるので
テイクレンズの清掃から取り掛かります。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」です。
「こゆき」じゃなくて「しょうせつ」です。
「こゆき」だとキレイな女優さんになってしまいます(笑)
わずかながら雪が降り始める頃。。。ということですが
都内では初雪はもう少し先ですね。
先日、20日に新宿御苑に行ってみましたが
モミジの紅葉もまだこれからという感じで
イチョウにいたってはまだほぼ緑色です。。。
今年は少し遅いようですね。。。。
写真を撮る場合の「見頃」(撮り頃?)は
おそらく1週間もないほどの短さだと思うので
タイミングが合えばしっかり写真に撮っておこうと思います。

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
SVの修理依頼もコンスタントにありますが
そのほとんどがシャッターが切れない、ミラーアップしたまま、
巻上ができない。。。等々、
現状では何もできない状況のものが多いような気がします。
1962年発売のカメラですから。。。56年前ですね。
さすがに未整備のものだと動かなくなっていても
不思議ではありません。
前モデルのS2やS3も人気モデルでしたが
S3の1年後に発売されたこのSVはさらに人気のあるカメラでした。
S3をベースにセルフタイマーが追加され
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
露出計がないことを除けば
近年の一眼レフと変わりなく使えるようになったモデルだとも言えると思います。

お預かりしているSVは
巻上ができない状態です。
最初はレリーズができないのかと予想したのですが
幕の位置を確認すると
幕はリリース状態のため巻上ができないようです。
巻上ロックが固着しているものと思われます。
SVというとシャッター幕が硬化しているものが多く
破れや穴がなかったとしても
幕交換しないとシャッターがまともに走らないものが
多いのですが
今回の個体は幕はまだしなやかさを保っています。
ただカビだらけなのでできる限りの清掃を行います。

巻上ロックは解消できたのですが
その時点でシャッターの動きを確認してみると
まぁ、予想通り、全くまともに走りません。
高速シャッターは開かず、低速シャッターは
スローガバナが効かず全て1/30くらいで切れてしまいます。
幕軸・ミラー駆動部、スローガバナ、
それぞれ清掃・注油が必要な状態です。

これから幕軸の清掃からまず取り掛かります。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「カキフライの日」だそうですよ。
確かにそろそろカキの季節ですよねぇ。。。
カキフライももちろん美味しいですが
カキ鍋、焼きガキ、酢ガキ。。。どう調理しても美味しいですね。
私は広島・呉の出身なので
海に行くと沖にはカキイカダ、
浅瀬にはカキ養殖の杭打ちが並び
その周辺にあるカキ打ち場からは
強烈な潮の香りが漂ってくる。。。なんてのが見慣れた光景でした。
中学生くらいの頃には浅瀬の岩にくっついているカキを剥がして
その辺で拾ってきた鉄板で適当に焼いて食べてたました。。。
火力も全然足りなかったと思いますが
今考えるとよくあたらなかったですね。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1966年です。
キヤノンFシリーズの中では比較的初期のモデルで
当時、対応するレンズはFLマウントレンズです。
まだ絞込み測光の時代ですが
ファインダープリズム直下のコンデンサレンズの
中央12%をハーフミラー化し、
コンデンサレンズの直後にある受光素子で測光を行います。
そのため測光方式は平均測光や
中央部重点測光ではなく中央部部分測光です。
通常、一眼レフの受光素子は接眼レンズ周辺に置くことが多いのですが
こちらのほうが厳密な測光ができるそうです。
この構造は後のF-1やFTbにも引き継がれていきます。

お預かりしているFTは
シャッターを切ったときに「ギャン」というちょっと嫌な音がします。
Aシリーズのシャッター鳴きとはまた違ったものです。
原因はシャッター幕軸の油切れですが
この時代のキヤノン機でよく見受けられる症状です。
そんな状態のなので当然シャッタースピードも出ておらず
1/1000の設定で1/250程度しか出ていません。
加えて露出計は全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
どのカメラでも現状チェックの時に
1秒や1/1000でもASA感度ダイヤルが
端から端まできちんと回るかどうかを確かめるのですが
この個体の場合はSSが両端だと感度ダイヤルが回りきりません。
FTbでもよくあるのですが
SSダイヤルと露出計の連動を行っている
ノコギリ状の歯がズレてしまっているようです。
このまま露出計を調整しても正しい値にはなりません。
分解歴がある個体だと思われますが
分解時にノコ歯がズレたのに気づかず組みつけてしまっているようです。

FTの場合の露出計不動は
大抵SW部の接触不良なのですが
テスターでSW部周辺をあたってみても
問題はないようです。
上の写真の状態で露出計に直接電圧をかけても
全く針は動きません。
「あぁこれは露出計そのものがダメか。。。」と思いつつ
先に部品取用のボディから動作している露出計を取り出し
「よし準備OK」、露出計は後回しにして
先にシャッター周りからやらなくては。。。と
ボディから露出計を外して
念のため露出計単体で電圧をかけてみると。。。。
「あれ?動くじゃん。。。(汗)」
どうやら以前の分解でファインダー清掃等を行ったときに
針を少し曲げてしまっているようで
針がファインダー枠に接触していて動かなかったようです。。。
外すまでこれに気づかなかったとは。。。不覚です。。。

露出計の件は解決したようなので
これからさらに分解を進めてミラー駆動部、
シャッター周りの整備を行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「鉄道電化の日」だそうです。
1956年(昭和31年)のこの日に
東海道本線の米原-京都間が電化され
東海道本線全線が電化が完成となった日だそうです。
電車も良いですが。。。
架線のないすっきりとした景色の中を
ゴトンゴトンと気動車が進んでいく
非電化路線の風景が個人的には好きです。
都内から比較的近いのは
小湊鉄道・いすみ鉄道、久留里線、
関東鉄道常総線の取手~下館、真岡鉄道、
ちょっと遠いけど、わたらせ渓谷鉄道、。。。といったところでしょうか。。。
どれも行ったことないのですよねぇ。。。
来年こそは行ってみたいなぁ

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
月に何台かは修理・整備依頼のあるカメラです。
適度な大きさと使いやすさで
非常に魅力的なカメラです。
さすがにF一桁機と比べると華奢なところも多く
長年使っているとそれなりにトラブルに
巻き込まれることもあるかとは思います。
それでも他メーカの中級機に比べると
やはり壊れにくいカメラだとは思います。

お預かりしているFEは
まずシャッターが開きっぱなしです。
もちろんミラーアップした状態です。
電子制御シャッターだからというわけではないようです。
何とかチャージ状態にして
M90やバルブでレリーズしても
ミラーアップして先幕は開くのですが
後幕が全く出てきません。
ちなみにFE/FMのシャッターは
下から上に走るタイプのシャッターです。
何らかの原因で後幕が固着してしまっているのですが
少々の羽根の汚れとかではないようです。
多少の羽根の汚れで固着することは多々ありますが
その場合はちょっとした応急処置をすれば
とりあえず動かせることができるものなのですが
今回はビクとも動きません。

とりあえずこの状態にして動きを確認しています。
縦走りシャッターには何箇所かゴムブッシュを使っている箇所があるのですが
どうやら劣化したブッシュが悪さをしているようです。
まずはメカニカル制御で普通に動作するように
これからさらにシャッターユニットの整備を行っていきます。

余談ですがFEのミラーボックス組み込みには
ちょっとしたコツがあってそれを知らないと
結構苦労すると思います。
ミラーダウンレバーが上手く本体側のリンケージの下を
くぐってくれないのですね。。。
今でも少々時間はかかってしまいますが
昔はミラーボックスを組み込むだけで
何時間もかかってしまって頭を抱えていたなぁ。。。
なんてことを思い出しました(笑)

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「雪見だいふく」の日だそうですよ。
雪見だいふくに限らず
ストーブで暖まった部屋で
コタツに入りながら食べるアイスは美味しいですよねぇ~
やっぱり私は昭和の人だからストーブは
昔ながらの石油ストーブがいいなぁ。。。
常にやかんをかけておいて加湿器がわりにもなるし。。。
まぁ、今の私の部屋には
石油ストーブはもちろん、コタツさえもありませんが。。。(苦笑)
そういえば数年前に火鉢を買おうとして断念したな。。。(汗)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
世界初のマイクロコンピュータを搭載したカメラです。
1976年発売のカメラですが
その3年前に発売した「キヤノンEF」と同等の露出制御を
コンピュータで行うことにより
300点もの部品削減と
生産の効率化によるコストダウンを実現したモデルです。
「キヤノンAシリーズ」の最初のモデルでもあり
その後に続くAシリーズの全てのモデルの
ベースとなっているカメラです。
開発にはキヤノンが電卓やコピー機等で培った
カメラ設計以外の分野の技術によることろも大きいということです。
ある意味、非常にキヤノンらしいカメラであり
これ以降の他メーカーの一眼レフにも
相当な影響を与えたモデルではないかと思います。

お預かりしているAE-1は
ご依頼者のお父さまが使っていたカメラとのことです。
長らく使われていなかったのか
外装にはそれなりに汚れがありますが
大きなキズやアタリは全くありません。
清掃を行えばかなりキレイな1台になると思います。

キヤノンAシリーズといえば
シャッター鳴きのトラブルが有名ですが
現状チェックを行ってみたところ
シャッター鳴きは今のところ起こっていないようです。
しかしながら、5回シャッターを切ると
1回はミラーアップしたままになってしまいます。
シャッターはちゃんと走りきっている様子で
絞込みレバーもきちんと戻っているので
何らかの理由でミラーダウンそのものができないものと思われます。

露出計、オート露出もチェックしてみたところ
露出計・オート共に2段以上オーバーのようです。
さすがにこれは写真が必要以上に明るくなってしまいます。
シャッタースピードは高速側で少々露光ムラが見られます。

幕軸の清掃・注油はもちろん
ミラー駆動部の整備を行います。
例のシャッター鳴きの原因もミラーボックス周りなので
もちろん予防を行っておきます。
加えてこれもミラーボックスに組み込まれている
オート時の絞り制御ステーもトラブルの多い箇所なので
清掃・注油を行い動作を入念にチェックします。

写真には写っていませんが
付属するFD50mmF1.8s.cは
絞り羽根が開放のまま全く出てきません。
分解してみると予想通り羽根にべったり油が付着していました。
こちらもレンズ清掃を含め一通り整備を行います。

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ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は「録音文化の日」らしいです。
録音。。。といえば小学生~中学生の間にいろいろ
試行錯誤した思い出が。。。
最初はベストテンとかで流れている曲をカセットに録音したくて
ラジカセの内蔵マイクで録音したり。。。
でも音質最悪なことにがっかりし
ライン入力で録音することを覚え。。。
そのうちテレビからじゃダメだ!ってことで
FMエアチェックにはまり。。。
それと並行して家にあった木目の家具のような
古いステレオ(レコードとラジオしか聴けない)で
レコードをカセットに録音することもマスターし
そうこうしているうちにレンタルレコード店がオープンし
エアチェックの頻度は激減
高校生になったころにはついにレコードからCDへ。。。
CDラジカセでCDからカセットに簡単に録音できるように。。。
(簡単といっても今のituneなんかに比べればかなり面倒でしたが)
今でもたまにレコードからのipodへのデータ化で
当時とあまりかわらないような面倒なことをしていたりしますが。。。(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
この頃のレンズ固定式コンパクトカメラとしては
少々めずらしく35mmF1.8という大口径の広角レンズを搭載したカメラです。
大口径のレンズを搭載したレンズ固定式カメラは
この時期に各社ありましたが
35mm広角レンズというのはあまりないと思います。
おまけに目測ではなくレンジファインダーを装備しています。
そのわりには非常に軽量コンパクトにまとめられており
お散歩カメラとしても非常に使いやすいカメラだと思います。
頻繁に修理依頼のあるわけではないですが
根強い人気はあるカメラで何ヶ月かに1台は預かることのあるカメラです。

エレクトロ35シリーズには色々なモデルがあり
初期のモデルに比べるとこのCCの時期になると
サイズもコンパクトになってきましたが
基本的な構造は初代からそんなには変わっていません。
シャッターユニットはコパルエレクで
絞り優先AE専用機というところもほぼ全モデル共通です。

お預かりしている35CCは
ご依頼者様のおじいさまのカメラだそうです。
おじいさまと一緒にファインダー清掃は行ったそうなのですが
肝心の電源が入らずシャッターは常に一定のスピードでしか切れません。
バッテリーチェックも点灯しないので
電池室から電流が基板まで流れていないと思われます。
ある程度分解して調べてみると
やはり電池室からの配線のハンダ付けが劣化してしまっているようです。

この写真を撮った後、レンズボードを外し
シャッターユニットの動作チェックを行ったのですが
動作はするのですが。。。かなり不安定です。
原因はいろいろ考えられますが
ちょっと苦労しそうな予感がします。
まずは電気接点部分の清掃やハンダやり直し等で
様子を見ながら進めていこうと思います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「のど飴の日」らしいですよ。
普段あまりのど飴なんて口にしないのですが
ここ1ヶ月くらいはよく舐めています。
というのも一ヶ月程前にちょっと風邪気味になり
咳が出始めてから
風邪はとっくに治ったのに咳だけがいつまでも止まらない。。。
で、気休めにのど飴をよく舐めているのですね(苦笑)
まぁ、しかし。。。怪我も病気もそうですが
治るまでに時間がかかるようになりました。。。
これも年齢のせいなんでしょうねぇ。。。
大体、風邪なんてここ20年くらいひいた覚えなかったのになぁ。。。

さてさて

本日はニコンEMのカメラ修理を行っています。
1980年にフラッグシップのF3と同時期にデビューした
絞り優先AE専用のエントリー機です。
ニコン初のエントリー機でもありますね。
当時の物品税の関連もあり
ボディの価格、40,000円以下のエントリー機が
この時期には各社から発売されていました。
これまでのニコン機といえば
質実剛健で信頼性が高いイメージではあったのですが
そのデザインも頑強さを前面に押し出したものが多かったと思います。
EMはそんなそれまでのニコンのイメージとは
全く違うスタイリッシュなカメラです。

EMはエントリー機であるが故に
さすがにコストを抑えた面も見え隠れします。
この頃のニコンのカメラは少々モルトが劣化しても
なかなか光線漏れが起こらないカメラが多いのですが
EMの場合はモルトが劣化すると確実に光線漏れを起こします。
特に裏蓋の蝶番部分のモルトから光線漏れが起こることが多いようです。
その他、高速シャッター動作不良、オート不良を
起こしている個体も多く見かけます。

今回、お預かりしているEMは
ご依頼者様が30年程前にお父上から譲り受けたお品だそうです。
状態としては悪くなく、一通り動作もしています。
ただ動いていない期間も長かったようで
オートや露出計にはそれなりにズレが見られ
高速シャッターも少々不安定です。
モルトはやはり全滅でいつ光線漏れが起こってもおかしくない状態です。
電子制御シャッター機ではあるので
突然電子部品がダメに可能性はわずかながらあるのですが
このあたりで一通り整備をしておくと
安心してまだまだ使える状態を維持できると思われます。。

シャッターユニット、巻上部、ミラー駆動部等々の整備を
一通り行い、ほぼ組み上げた段階です。
これから露出計、オートの調整を行います。
写真には写っていませんが
付属するシリーズE50mmF1.8には
レンズにカビが見られるので清掃を行います。

ジウジアーロデザインの優美なデザインは
さりげなく肩から提げて歩くだけでも絵になると思います。
そういえばオート専用のニコン一眼レフ機は
このEMだけなのですね。(APS一眼は除いて)
電子シャッター機ゆえに
電池がないとオート露出はできませんが
機械制御の1/90とバルブをしっかり装備している点が
非常にニコンらしいな。。。と感じるカメラです。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「アンチエイジングの日」だそうですよ。
まぁ、年齢とともにいろいろ衰えるのは
しかたがないことだと思いますが
できることなら何とかしたいとは思いますよね。
見た目が老けただとか
そんなのはどうでもいいいのですが
やはり体力が落ちてしまっているのが
結構、ショックですね。
十数年前に楽々できたことが
今、びっくりするほどできない。。。なんてことが
最近も実はあったのですが
かなり積極的に対策を打たないと
やはりダメみたいですねぇ。。。。
さぁ、毎日少しずつでも鍛えないと!

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
F2フォトミックも登場回数の多いカメラですね。
つい数日前にも紹介した気が。。。(汗)
数年前あたりは依頼・お問い合わせ共に
アイレベルもかなり多かったのですが
最近はF2はフォトミックが圧倒的に多いですね。
それも初期のフォトミックファインダーが装着されたものが多いです。
先日も書きましたがAi化で直読式になった絞り値より
初期のガチャガチャのファインダーのほうが絞り値は見えやすいです。
そしてLED化されたものは修理不能の可能性も高いので
必然的に初代フォトミックが無難。。。ってことになるような気もします。
(もちろんあくまで個人的な見解です。)
とはいえ、落ち着いて考えてみれば
そんなことは小さなことで
F2ならではの使い心地や精密さ、頑強で頼りがいのあるところとかが
どのモデルでも共通した最大の魅力ですね。

お預かりしているF2フォトミックは
もはや定番ですがガチャガチャ(開放絞り値補正機構)が働きません。
加えて露出計が不安定です。
シャッタースピードは軸汚れのため精度が出ておらず
ファインダーの脱着レバーも破損しています。
この部分が破損しているフォトミックファインダーは
結構見かけますね。プラスチックの劣化で脆くなっているせいもあると思います。
今回は中古良品と交換することで対応します。
ガチャガチャの動作不良は銘板裏側の機械部分の固着です。
露出計不安定の原因は
ファインダー側、ボディ側、それぞれにあり
電池室の端子ステーの破損と
ファインダー内の摺動抵抗の汚れのせいだと思われます。

付属しているニューニッコール35mmF2.8は
どうみても撮影に影響が出るほどのカビ・クモリがございましたので
こちらも清掃を行いました。
レンズのクモリはコーティングやレンズそのものの変質で
起こっているものも多く、
その場合には当店では修理不能ですが
今回はわずかな薄クモリは前玉の裏側に残りましたが
まず通常の撮影では影響がないレベルにはなりました。
他の整備も一通り完了し
少し動きが落ち着くまで様子見をしている状況です。
シルバーのF2フォトミックはしばらくぶりですが
これはこれで質感高くて良いですね!

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フジカST801のカメラ修理

今日は「い(1)い(1)ひ(1)ふ(2)」ということで
「皮膚の日」ということです。
皮膚。。。というか。。。肌。。。
本当に年齢と共に確実に衰えていきますね。。。
たまにまじまじと眺めているとイヤになってきます(苦笑)
これも最近、気がついたのですが
ちょっとした切り傷とか擦り傷ができても
完全に治るまでに妙に時間がかかる!
場合によってはすぐ痕になる。。。
あぁ。。。歳はとりたくないものですねぇ。。。
まぁしかたないのですが。。。

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
フジカのブランド名は既に使われなくなって久しいですが
「富士フイルム」さんのブランド名です。
フィルム一眼レフの分野では少々地味ではありますが
なかなか魅力的なカメラを造り続けていました。
どちらかといえば中判カメラのほうでの存在感のほうが
イメージが残っているような気がします。
今回、修理を行っている「フジカSTシリーズ」は
1970年発売の「フジカST701」から始まりました。
当初のレンズマウントは汎用性の高い「M42マウント」でしたが
今回、ご紹介する「ST801」発売時に
開放測光に対応するためにレンズ側に絞り伝達用のツメを備えた
「STマウント」に変更となります。
基本的にはM42マウントなのですが
他のM42マウント用カメラに使うと
ツメが干渉することもあるので注意が必要です。

ST801は1972年の発売ですが
この当時ではまだめずらしかったLED式の露出計を搭載しています。
それに加え、シャッターの最高速度は1/2000秒です。
布幕横走りシャッターで1/2000は
その後のカメラも含めてもなかなかないですね。
歯切れの良いシャッター音で使い心地もなかなかのものです。

お預かりしているST801はシャッターは動作しているのですが
さすがに先幕・後幕のバランスがかなり崩れていて
1/2000の場合で走り始めが1/1300、中心付近で1/1200
走り終わりで1/750。。。といったところです。
このタイプのシャッターだと経年劣化を考えるても
整備を行ったからといって
完璧に1/2000が出るようにはなかなかならないのですが
まずはバランスをもう少し整えないと写真に悪影響が出ます。
反対にスローシャッターはスローガバナ動作不良で
1秒のSSで3秒以上かかってしまいます。
トラブルが起こると修理の難しいLED式の露出計は
まずまず問題のない状態のようです。
あとはとにかく全体的にカビ・汚れが酷い状態です。

それほど軽量コンパクトなわけではないのですが
意外と取り回しの良いサイズで
質感もなかなか高く良いカメラです。

付属しているEBCフジノン55mmF1.8も
内部にかなりカビが発生しているので清掃を行います。
まだ現状チェックを行っただけなので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「11月11日」、ゾロ目ということもあり
たくさんの記念日が設定されています。
ざっと調べただけで30個近い記念日があるようです。
そんな中に「電池の日」というのがありました。
乾電池の「+-」を十一に例えたものとのこと。
この仕事しているとカメラ用の電池の消費量もなかなかのものです。
使う電池はほぼLR(SR)44ではありますが。。。
AFカメラなんて扱っていると色々な種類のリチウム電池も
必要になってくるから大変でしょうね。
ところでLR44のようないわゆるボタン電池ですが
側面も電極(+)となっているため
使い方が間違っているとショートさせてしまうこともあります。
特に「-」側の外周は既に「+」電極なので
(外枠の内側だけが「-」端子)注意が必要です。
ショートさせたままにしておくと
電池はすぐに熱を持ちます。
そしてだんだん膨らんでいき、場合によっては数時間で破裂します。
一度、うっかり破裂させてしまったことがあるのですが、かなり危険です。
手軽に使えるボタン電池ですが
取り扱いには気をつけましょう。。。

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
「M-1」の生い立ちについては
以前も少し書きましたのでここでは割愛します。
要は最初期の「OM-1」だと思っていただければと思います。
実際に最初期のOM-1とM-1は上カバーロゴを除けば
他はまったく一緒です。

この時期のM-1は何も対策をしていなければ
まず間違いなくプリズムは腐食しています。
今回のM-1はめずらしく
ファインダーから見える腐食はわずかなのですが
おそらくかろうじて持ちこたえているだけで
プリズムに張り付いているベタベタのモルトを剥がすと
蒸着も一緒に剥がれ落ちてしまうと思われます。
これはM-1(OM-1)だけではないですが
プリズムにモルトが直接接しているカメラ
(ペンタックスSP系、ミノルタXE、X-7等々)では
ファインダー内で腐食が確認できなくても
加水分解でボロボロになったモルトを除去するだけで
蒸着も一緒に剥がれてしまうことが多々あります。
今回はファインダー視野にも腐食が確認できているので
プリズム交換で対処します。

M-1(極初期OM-1)はその後の生産品に比べると
プラスチックの劣化が早いように感じます。
外観で多いのは巻上レバーで
今回も指当て部分がボロボロになっているので
ご依頼者様に許可をもらった上で
OM-1の中古良品と交換します。
細かいことを言うとM-1(初期OM-1)と
その後のOM-1では造りが少し異なります。
実用上は全く変わりありませんが。。。

上がM-1(極初期OM-1)
下がその後のOM-1

当店に入庫する「M-1」でも
既に巻上レバーが交換済みなものもよく見かけます。
巻上レバーあたりならまだ良いのですが
OM-1はプリズムや露出計、on/offスイッチ、接眼レンズ等々を
支えている台座が一体型のプラスチック製です。
ここが脆くなっているのをたまに見かけるのも
ほぼ間違いなくM-1及び初期のOM-1です。
酷いものになるとネジを緩めるだけで
崩れてしまうものがあります。
同じようなプラスチックなのですが
何か違うのかもしれないですね。
そういう部分も含めてM-1や初期OM-1の分解は
その後のモデルに比べると多少神経を使います。

今回、お預かりしているM-1はその巻上レバー以外は
外装は非常にキレイです。
あまり使われることなく大切にしまってあったのかもしれません。
さすがにシャッタースピードには随分ムラがありますし
露出計は動作はしていますが2段ほどオーバーです。
まだ現状チェックを行っただけなので
これから本格的に各部の整備に取り掛かります。