コニカFTAのカメラ修理

今日は「音の日」だそうですよ。
1877年のこの日にエジソンが自ら発明した蓄音機で
録音・再生に成功したとのことです。
気がつけば最近、レコード、CD、買ってないなぁ。。。
最近のCDを欲しいとはあまり思いませんが
ひとたび中古レコード屋さんに足を踏み入れれば
おそらく4、5枚はアルバムを衝動買いする自信はあります(笑)
新宿に行くたびに「レコード屋さん寄ろうかな。。。」と
いつも頭の片隅には思っているのですが。。。
時間のあるときにゆっくり見たいですねぇ。。。

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
コニカというとやはりレンズ一体型の
コンパクトカメラのイメージが強いですが
1960年のコニカFから一眼レフも生産しています。
今回のFTAは1968年の発売です。
ARレンズとの組み合わせでシャッタースピード優先オートが使えます。
コンパクトカメラで当時よく採用されていた
露出計の針を挟み込むタイプのオート露出です。
シャッターは機械式制御のコパルスクエアです。
露出計指針挟み込みの構造上の理由もあるとは思いますが
シャッターレリーズがちょっと深め(長め)のカメラです。
おもしろいのは装着するレンズによって
測光範囲が微妙に変化します。
広角レンズでは中央部部分測光、
標準レンズでは中央重点測光
望遠レンズでは平均測光となります。
前期型と後期型が存在し
背面にON/OFFスイッチがあるものが前期型です。

お預かりしているFTAはまず露出計が動きません。
それもそのはずで電池室を見ると
マイナス側の端子が外れて中に入り込んでしまっているようです。
マイナス端子はカシメて電池室に取り付けられているのですが
ここが少し構造的にも弱いようで
電池室のプラスチックが劣化してくると
外れてしまうものが多いようです。
もちろん電池を入れっぱなしで腐食させてしまうと
まず間違いなくここの端子も脱落します。

加えてFTAに多いのは接眼レンズのクモリです。
張り合わせレンズの内側が曇っている場合が多く
交換するしか方法のない場合が多いです。
。。。とはいえ、中古でクモリのない接眼レンズが
なかなか見つからないのが実情です。
当店ではできる限りの清掃で対応しています。
今回のFTAもかなり激しく曇っていたのですが
張り合わせ内側でなく内側表面のクモリだったので
今回は清掃で問題ないレベルまで
キレイにすることができました。

一通りの整備を行って少し様子見の状態です。
露出計は当然、普通に作動するようになり
オート露出の精度も含め申し分ない状態になりました。
シャッターはもともとそれほど悪い数値ではありませんでしたが
やはり羽根汚れのため先幕・後幕のバランスが
少し崩れている状態でしたが
こちらも問題ないレベルまで改善しています。
写りの評価が非常に高いヘキサノンレンズを
存分に楽しんでいただけれる状態になったと思います。

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ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「バミューダトライアングルの日」だそうです。
これ。。。最近の人は知りませんよね。
フロリダ・バミューダ・プエルトリコを結ぶ三角形のエリアで
船舶や航空機が行方不明になる事故が多発するということで
私が子供の頃に随分話題になっていたと思います。
そのエリアで磁気が乱れるのではないか?とか
正体不明の巨大海洋生物がいるのではないか?とか(笑)
いやいや宇宙人の仕業ではないか?とか。。。。(苦笑)
実際にはそのエリアで事故が異様に多かったわけではなく
周辺で起きた事故まで関連付けられて
だんだん騒ぎが大げさになっただけのようです。
でも子供の頃は「そんな不思議で怖いところがあるんだなぁ。。。」と
素直に思っていました。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
ガチャガチャ(開放F値補正機構)がついたFTNから
さらに使いやすく変更が行われたモデルです。
FTNからの変更点は電池が現在でも入手可能な
SR44(LR44)2個の仕様になり
アクセサリーホットシューが追加されました。
(シンクロ接点もX接点のみになりました)
個人的にはASA(ISO)感度ダイヤルが
ロック式になり設定しやすくなったのが非常に良い改善点だとも思います。
(修理品テストで頻繁にASA設定変えるときに
まわしにくいFTNはほんの少しだけ煩わしいと思っていました(笑))

お預かりしているFT2は露出計がどうもおかしいようです。
動作はしているのですが明るさによっての
変化が少なく低輝度になると全くあっていないような状態です。
この時代の露出計はどれも抵抗や受光体の劣化も
多少なりは必ずあり、なかなか高輝度~低輝度まで
完璧に合わせるのは正直にいって非常に難しく
高輝度を中心にそれほど問題のない範囲に調整する。。。というのが
現状できる整備ではあります。
しかしながら今回のFT2はLV15(日中の明るい日なたくらい)では
合っているのですがLV12(曇天・日陰くらい)では既に2段アンダーと
ちょっと普通に使うのにも問題がありそうな状態です。

ニコマートFT系の露出計といえば心配されるのは
マウント部のマイラー抵抗の劣化ですが
今回はここは問題なさそうです。

先にシャッターユニット、巻上部、ミラー駆動部等々の整備を行った後で
露出計の修理・整備を行います。

いろいろ検証してみた結果、原因はCDSの劣化にあるようです。
CDSを他の個体から交換すると
固定抵抗も基板も全て一緒に移植します。
というのも基板にセットされている固定抵抗は
おそらくそのCDSの特性に合わせてセットされているもので
CDSのみを交換すると尚のこと露出計がおかしくなるためです。
ちなみに巻き戻しクランク部にある小さな基盤は
FT2になって追加されたものでFTNにはありません。
写真ではここに半固定抵抗がセットされていますが
これはおそらく後から付けられたものです。
通常はここも固定抵抗です。
アイピース上の基板と合わせてこちらの基板も交換します。

(写真のレンズは当店のテスト用レンズです)

何とかうまくいったようで
まずまず通常の使用には問題ないレベルに
露出計の値もまとまりました。
各部清掃・注油を行っているので
いつものことですが少し様子見を行ってから最終チェックを行います。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「カレンダーの日」だそうですよ。
明治5年(1872年)12月3日(旧暦)が
太陽暦の採用により明治6年1月1日に変更されたことに
由来するものだそうです。
それまで使っていた太陰太陽暦から太陽暦に変更すると
決まってからわずか20日あまりで導入されたでそうです。
昔のこととはいえ当時は大混乱だったでしょうね。。。。
あ、来年のカレンダーそろそろ買っておかなくては。。。

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
「オートハーフシリーズ」は
「オリンパスペン」と人気を二分する
ハーフ判カメラの定番モデルです。
「SE」はオートハーフEにセルフタイマーが付いたモデルですね。
オートハーフは「50歳の自分の母親でも撮れるカメラ」という
基本思想に基づいて作られています。
そのため巻上、ピント、露出は可能な限り自動化され
構えてシャッターを押すだけで撮影ができるように作られています。
加えて女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに
収まる大きさを目指して作られています。
総金属製のボディは現在の感覚からすると大きさの割りに
重いのは事実ですが凹凸の少ないコンパクトな四角いボディは
非常に持ち歩きに便利です。
ゼンマイ仕掛けの自動巻上も使っていて楽しいカメラです。

オートハーフの露出はセレン光電池を使用した
露出計の針を挟み込み、
その位置で絞りやシャッタースピードを制御する仕組みです。
この時代のオート露出カメラではよく使われている手法です。
やはりこの露出計関連のトラブルが多く
露出計が反応していないため常に絞り開放・1/30で
シャッターが切れてしまうという状態のものが多いです。
今回、お預かりしたオートハーフSEも
常に開放絞りで露出され
ファインダー視野内に組み込まれている
露出警告マーク(光が不足していると赤、OKなら黄緑色)も
明るいところへ向けても赤のままです。
この場合、セレン光電池が劣化のため起電しないパターンと
セレンは起電しているのですが露出計本体が動作しないパターンに分かれます。
これまでの感覚では半々といった感じでしょうか。。。
今回はセレン光電池が劣化して起電していないパターンでした。

写真は一通り整備が終わったあとのものです。
少し様子見をしてから最終チェックを行います。
オートハーフのシャッターは非常に小型で
ほんのわずかなバネの力で駆動しています。
今回ももちろん整備していますが
シャッター羽根にわずかな油や
駆動部に汚れがあれば簡単に固着してしまいます。
コンパクトに作られているが故のデリケートな部分です。
しかしながら構造自体はシンプルで
非常に考えられて造られているカメラです。
整備するたびに個人的に1台欲しい。。。と思うカメラでもあります。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」らしいですよ。
ビフィズス菌といえば真っ先にイメージするのは
「ヤクルトミルミル」かなぁ。。。
子供の頃、毎日飲んでました。
ミルミルもですが一般的には
ヨーグルトで摂取するのが一般的ですよね。
一時期、(割と最近)ヨーグルトを意識して
毎日食べていた時期もあったのですが。。。。
うーん、もう一度、始めようかな。
腸内環境は大事ですものねぇ~

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
AE-1の修理も結構コンスタントにありますね。
世界初のマイクロコンピュータを搭載したカメラです。
AE-1と同様のシャッタースピード優先AEを装備した
電子制御シャッター機というカメラは
それまでにもありましたが
マイクロコンピュータによる中央集中制御方式や
徹底して見直された生産ライン等々の効果もあり
大幅なコストダウンを成功させたカメラです。
当然のごとく大ヒットとなり現在でも非常に数多くの
個体が残っているカメラでもあります。
時代を席巻することになる「キヤノンAシリーズ」の始まりのカメラでもあり
その後、出てくる全ての「Aシリーズ」のベースとなるカメラです。

電子制御シャッター機ということで
電子部品の故障や劣化が心配されるところでもありますが
AE-1は比較的、電子部品トラブルの少ないカメラです。
ただし、中古市場にお求め易い価格で出回っているものは
中途半端な分解品も多く、フレキが切れているものや
基板をショートさせてしまっているもの
連動糸が切れているものもたまに見かけます。

お預かりしているAE-1は
ご依頼者様のお父さまがお使いになっていたものだそうです。
おそらくご依頼者様が生まれた頃に購入したものだということです。
このAE-1はご依頼者様の成長を見届けてきたカメラということですね。
非常に丁寧に扱われていたカメラのようで
外装にアタリや大きな傷は見当たりません。
動作も一通りは動作しているのですが
あちこちに油切れの兆候が出始めています。
定番のシャッター鳴きこそ発生していませんが
巻上時には「ギャッ」とちょっと耳障りな音がします。
巻上軸の油切れかと思われます。
メーターはオーバー気味、オート露出はアンダー気味で
オートは不安定です。
オート時に絞り制御を行うマウント部のレバーの動きが重いようです。
シャッタースピードも不安定で幕速も安定しません。
これは幕軸の動きが悪いためと思われます。
不調部分は全て機械的な問題で
電子制御部分に関しては何の問題もないようです。
これであれば通常の各部点検整備一式で
安定した動作を取り戻せると思われます。

フレキが使用されているといっても
この時代ではまだリード線による結線もまだまだあります。
フレキを外す際にはとにかくフレキを傷めないように
注意して行います。
AE-1は連動糸もあるのでそれももちろん細心の注意を払います。

今年も静電気の発生しやすい季節がやってきましたが
帯電した指でうっかり基板に触ってしまうと
場合によっては一発で基板が死んでしまいます。
アースをしっかり取ってピンセットも通電しないものを使います。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日からいよいよ12月!
12月1日は「カイロの日」だそうですよ。
カイロといえば使い捨てカイロを連想される方が
多いとは思いますが
やはり昔ながらの「ハクキンカイロ」が最高だと思います。
暖かさも全く段違いに違います。
一度オイルを満タンにすれば24時間以上使えますし
寒い日はこれを腰辺りに入れておけば1日快適です。
。。。とはいえ。。。まだちょっと気温的に早いかな。。。
(通勤時間5分ですがまだ上着も着てません。。。(笑))
昨年のあまりのオイルもあるけど
今のうちにもう1本買っておかなくては。。。

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年に登場し、18年間もの間、発売され続けたモデルです。
αシリーズが発売されてからも
長年ミノルタのMF機のトップとして君臨したカメラです。
80年代の中級機なので
カバー類はプラスチックですし、コストが抑えられている部分も多いですが
ロングセラー機だけあってミノルタらしい使い心地のよさと
とにかくキレの良いファインダーが魅力のモデルです。

X-700は正直に言うと
電子基板関連のトラブルが出ると修理不能なことも多いカメラです。
今回、お預かりしているX-700は
一通り動作はしてますのでその心配はないようです。
ただしオート、露出計に少々のズレ
巻上に若干の油キレ、ミラー受部のモルト劣化、
それによるファインダー内へのゴミ等々
いくつか手を入れたほうがいい箇所があります。
ご依頼者様はこのX-700を最近、手に入れたということですが
一通りの整備を行った上で安心して使いたいとのことで
各部点検整備一式でお預かりいたしました。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから分解整備に取り掛かります。

私も個人的に1台、X-700を持っていて
今でもたまに使っていますが
適度にコンパクトでピント合わせの楽しい
非常に良いカメラだと思います。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

さて11月も今日で最後ですね。
最後を飾る「いい〇〇の日」は何かな。。。と思って調べたら
意外とないのですね。
そんな中、今日は「鏡の日」だそうです。
い(1)い(1)ミ(3)ラー(0)ということですが
うーん、ちょっと苦しいかな(笑)
こんないい歳したおっさんでも
さすがに毎朝、鏡はしっかり見ますよ
いくら眺めてても残念ながらブサイクなのは変わりませんが。。。(苦笑)
まぁ、もう気にする年齢でもないし、いいか。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
EESということはペンEEのゾーンフォーカス版です。
固定焦点の気軽さも魅力ですが
やはり目測とはいえピントを調節できるほうが安心感はありますね。
そのかわり、ピント設定を間違えたまま撮影したときの
ダメージは大きいですが。。。
EES-2もEE-2と同じく2代目になったことで
裏蓋は蝶番式になり、フィルムカウンターも自動復元式になりました。
良いところはそのままに使い勝手が良くなったということですね。

お預かりしているペンEES-2は
ご依頼者様が比較的最近、手に入れられたものだそうです。
光線漏れがあるとのことですが
モルトはやはり全滅なので原因はこれだと思います。
受付時に簡単にチェックしてみると光線漏れも問題ですが
オートが全く効いていないようです。
明るさを明るくしても暗くしても
シャッタースピード(2速)も変わらず絞りもF5.6あたりで変わりません。
何度かシャッターを切っていると思い出したように
絞りが少し変化します。
露出計が完全に死んでいれば開放のままになると思うので
露出計本体ではなく絞り・SS制御が固着気味なのだと思われます。
さらに作業前のチェックで発覚したのですが
ピントリングを回しても実際にはピントは変化していません。
絞りリングと前玉回転のリンクが外れてしまっています。
以前にレンズ清掃を行った形跡が見られるのですが
再組み立て時にきちんと組み立てられていないようです。

よくあるシャッター羽根の粘りはないのですが
シャッター駆動部、絞り制御部等々、あちこちの動きが悪いです。
セレン、露出計は非常に元気な状態で一安心です。
これから各部を調整しながら
再組み立てしていきます。

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ミノルタXG-Eのカメラ修理

11月。。。いろいろあった「いい〇〇」記念日
今日は29日ということで「いい肉の日」です!
肉といっても豚肉、鶏肉、魚肉、全て肉ですが
ここでいう「肉」はやはり牛肉ですよね!
もう考えただけで焼肉行きたくてたまりません(笑)
ロース→ハラミ→ホルモン→ミノ、この繰り返しで延々焼きたいです。。。
加えてビールをジョッキで5杯くらいに
大ライス2杯なんてあったら究極に幸せです!
(実際は現在糖質制限中のため白米そんなに食べてはいけません(汗))
ひとり焼肉行ってこようかな。。。

さてさて

本日は「ミノルタXG-E」のカメラ修理を行っています。
絞り優先オート搭載の中級機です。発売は1977年。
前年に登場した両優先AE機XDの弟分といった位置づけですが
XDは縦走り金属羽根シャッターで
このXG-Eは布幕横走りシャッターです。
独特のユニット工法で作られたシャッターユニットです。
このXG系のボディは後にX-7のベースとなり
さらに82年に発売されたX-70にも受け継がれていきます。
70年代から80年代にかけての
ミノルタ中級機を支えたボディと言えると思います。
XG-EはAE使用時には当然露出計は使えますが
マニュアル時には露出計は自動的にオフになります。
少々注意の必要なポイントです。

お預かりしているXG-Eはシャッターが開いたままの状態で
当店にやってきました。
電子制御シャッター機なので
例え開きっぱなしになったとしても
電源を切ればシャッターは閉じるはずなのですが
今回は電池を抜いてもシャッターは開いたままです。
。。。ということは。。。電子制御の問題ではなく
機械的な問題でシャッターが閉じないものと考えられます。
ちょっと大変そうな予感がします。

通常の一眼レフは前板を外すと
ミラーボックスが外れシャッター部分はボディ側に残ります。
このXG系のフレームの場合は
前板を外すとシャッターユニットまでごっそり外れます。
ボディ側に残るのは巻上機構とフレームのみです。
このフレームはプラスチック製なので
シャッターユニットとミラーボックスをユニット化することで
強度を出し、生産コストも下げているのだと思います。
ただし、後からメンテンナンスするには
かなり厄介な構造です。
ミノルタはSR-1の一部モデルでもミラーボックスと
シャッター機構をユニット化させていましたから
以前からあった考え方の進化系なのでしょうね。

上写真ではまだシャッターは開いたままですが
この状態でいろいろチェックしていくと
どうやらシャッター幕を引っ張っているリボンが
絡まってしまっているようです。
これから何とかそれを修理していきます。

ご依頼者様のお孫さまが使ってみたいということで
渡したところこの症状で使えなくなってしまったとのことです。
お孫さまは「使い方が悪かったのでは?」と
心配してらっしゃったとのことですが
いえいえ、使い方の問題ではなく
もともと経年劣化で動きが悪かったところへ
たまたまこのタイミングで発症しただけです。
何とか安心して使っていただけるように整備していきたいと思います。

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ミノルタSRTスーパーのカメラ修理

11月は語呂合わせで
「いい〇〇の日」が非常に多い月ですが
今日は「いい風呂の日」だそうです!
季節柄、温かいお風呂に
ゆっくり入りたくなる季節ですよね。
たまには温泉でのんびり過ごしてみたいものです。
まぁ、なかなかそうはいかないので
しばらくご無沙汰してしまっていますが
お店の帰りに近所の銭湯に行って
とりあえずゆっくり温まってくるとしましょう。
子供の頃は毎日銭湯に通っていたので
やっぱりちゃんと足が伸ばせる湯船じゃないと
入った気にならないのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSRTスーパー」のカメラ修理を行っています。
毎月、コンスタントに修理依頼のあったSRT系ですが
今回は少々久しぶりですね。
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラです。
SRT(101、スーパー)やSR101、SR505は
基本的な部分は全て共通です。
もちろん細かいマイナーチェンジ等を繰り返していて
今回のSRTスーパーは前モデルのSRT101に比べると
ファインダー内で絞り値が読み取れるようになり
スクリーンがスプリットイメージになりました。
他、上カバー部のデザインや巻上レバーの形状等々が変更されています。
ミノルタらしい使い心地の良さはSRT101と変わりません。

今回、お預かりしているSRTスーパーも
やはり各部の動きが悪く
低速シャッター時にはミラーアップしたままになってしまいます。
それもそのはずで
低速シャッター時には後幕が最後まできちんと走りきってなく
時には少し隙間が空いたまま走行が止まっています。
シャッターが走りきらないのでミラーも上がったままになってしまうわけです。
高速シャッターでは一見、普通に動作しているようですが
これほど後幕の動きが悪いということで
影響がないわけがなく
測定機で測ってみると
1/1000の場合で走り始めが既に1/500
視野中央で1/350、走り終わりには1/250といった感じで
後幕がかなり遅れてしまっていることがわかります。
シャッター幕軸だけでなく全体的に動作部は
清掃注油が必要な状況です。
加えて露出計はバッテリーチェックを含めて全く動きません。
電池室周りはハンダ付け部分も含めて
導通は良好な様子なのでCDS周辺のハンダ付け不良を疑います。
(SRT系はCDS周辺のハンダ劣化によるトラブルが多い)

(装着レンズは当店のテスト用レンズです)

とりあえずまだ現状チェックを行っただけの状況です。
動作部分がスムーズに稼動するようになれば
快適に撮影に使えるようになると思います。

それではこれから本格的に分解整備に取り掛かります。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「いいえがおの日」だそうですよ。
笑顔。。。大事ですよねぇ。。。
毎日毎日面白いことばかりじゃないから
ついつい、ムスッとしてしまうのですが
常に笑顔でいたいですよねぇ
ほら、この歳になると意識して口角上げとかないと
重力に負けて自然と口が「へ」の字になっちゃうから。。。(汗)
実は朝、歯磨きのときに
鏡見ながら無理やり口角を上げています(苦笑)
無駄な努力かもしれませんが。。。

さてさて

今日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
デミシリーズはキヤノンのハーフサイズ判カメラのシリーズです。
その中で「EE17」はシャッタースピード優先AEを装備し
レンズにも大口径の30mmF1.7を搭載したモデルです。
ベーシックなデミに比べるとさすがに少し大きくなっていまいますが
薄暗い場面でも頼りになるF1.7のレンズは魅力ですね。
もちろんデミシリーズの魅力のひとつでもある
感触の良い巻上レバーは健在です。
(ハーフ判はダイヤル式の巻上が多い中
デミシリーズはちゃんとした巻上レバーを装備しています)

お預かりしているデミEE17は
レンズシャッター定番のシャッター羽根の固着のため
レリーズボタンを押しても
うんともすんともいいません。。。
見た目には油シミ等は見えないのですが
おそらく根元付近に油付着があると思われます。
露出計は一応、生きてはいるのですが
本来1.3Vの水銀電池使用のところに
1.5Vの電池を入れてみても
露出計の値は3段オーバー
いくらなんでも振れなさ過ぎでは?と思いつつ
電池室周りのチェックを行ってみると
電池室裏のハンダ付けは粉をふてしまっている状態で
ピンセットで軽くリード線に触れたらあっけなく断線してしまいました。
おそらく電圧はきちんと伝わっていなかったと思われます。

まずはシャッターユニット周りから本格的に整備に取り掛かります。

余談ですが
このタイプのコンパクトカメラ(ハーフ判に限らず)は
コストの関係もあって裏蓋はモルトを大量に貼り
遮光をモルトに頼ったカメラが多いのですが
(スタンダードデミも同様)
デミEE17は裏蓋にモルトはほんの少しです。
モルト無しでもある程度遮光できるような作りになっているのですね。
新品の頃はどちらでも変わらないとは思いますが
何十年と経過した現在では
モルトは少ないほうがやはり助かりますね。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「鰹節の日」だそうですよ。
鰹節は「世界一硬い食品」としてギネスブックにも出ているそうです。
確かにそのままだとそうですよねぇ。。。
おむすびの具や出汁の元、
お好み焼きやたこ焼き、冷奴にも欠かせませんね。
あぁ。。。熱々のご飯に鰹節と生卵。。。
鰹節ご飯が無性に食べたくなってきました(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズは1976年11月発売のMXが最初で
その翌月12月にMEが発売されました。
それ以降のMシリーズ(MV1、MEスーパー、MG、MEF)は
全てこのMEがベースとなっています。
シャッターユニットはセイコー製縦走り電子制御シャッターです。
この小型シャッターユニットのおかげもあり
重量は460gと非常に軽量コンパクトなカメラです。
露出は絞り優先オート専用機です。
操作系も軽快で非常に使い心地の良いカメラです。

お預かりしているMEは
常に露出計が「UNDER」表示になってしまいます。
明るいところに向けても絞りを開けても変わりません。
そのためシャッターを切っても
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
基板周辺のリード線かハンダ付けの断線か
基板不良かと予測されます。
ME系は比較的、電子基板関連のトラブルは少ないほうではありますが
こういう症状もたまに見受けられます。

色々調べてみたところ
基板周りの導通やハンダに問題はないようです。
となれば後は基板内の問題と思われます。
MEは生産時期によって基板のバージョンがいろいろ異なるのですが
今回は中古部品のストックに同じ時期の基板があったので
交換で対応します。
整備完了後の動作チェックでも問題なく動作するようになりました。

MEといえばミラーアップしたまま固着。。。というトラブルが
非常に多いので有名ですが
このトラブルの原因はミラー駆動部のゴムブッシュの劣化が原因です。
今回の個体はシャッターそのものの動作はなかなか快調だったのですが
ミラー駆動部をチェックしてみると
問題のゴムブッシュの部分は既に対策品に交換されていました。
はっきりしたことはわからないのですが
MEの末期モデルはもしかしたら最初から
この部分はメーカーで対策済みかもしれません。
。。。というのも製造番号で末期のもので
ゴムブッシュのトラブルが発生している個体を
これまで見たことがないのです。。。

話が逸れました。。。
基板トラブルは何とか解消する目処が立ったので
シャッター周り、ミラー駆動部等々の整備を行っていきます。
MEも内部モルトの多いカメラなので
もちろん交換も行っていきます。

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