コニカC35FDのカメラ修理

今日は11月10日
い(1)い(1)おと(十)ということで
「いい音・オルゴールの日」なのだそうです。
オルゴールの音色って何とも癒されるいい音ですよねぇ。。。
18世紀の初めには
時計職人の手によって作られていたとのことですが
当時は完全に手工芸品で
家が買えるくらいの価格がしたそうです。
当時とほぼかわらない原理であるシリンダー型のオルゴールは
現在では随分、身近になりました。
ちょっと調べてみるとこれがまた奥の深そうな世界です。
でもちゃんとしたオルゴールが一個くらい
リビングにあるとオシャレですよね。。。
ちょっと、また後で調べてみよう。。。(苦笑)

さてさて

今日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「じゃーに~コニカ」こと「コニカC35」に
38mmF1.8の大口径レンズを搭載し
コパル製のシャッターユニットを装備することで
シャッター速度優先AEで使えるようになったカメラです。
こちらの愛称は「すご腕じゃーに~」です。
露出に関してはコントロールがほぼできなかった
C35に比べると撮影者の意図した露出を反映できるようになりまいした。
ノーマルのC35は手軽さが長所だから
それでよかったと思いますが
C35FDになるとまたこれはこれで
いろいろ考えて使うのが楽しいカメラです。
大口径レンズを搭載したため
少々レンズが大きくなりましたが
それでも十分に軽量コンパクトなカメラです。

お預かりしているC35FDは
まず、露出計が全く動きません。
AEで使うカメラとしては致命的です。
さらにシャッターを押してもうんともすんとも言いません。
その上、レリーズボタンを押さなくても
何度でも巻上ができてしまいます。
とにもかくにも現状では全く使えない状態です。

露出計が不動なのはいつものごとく
電池室からの配線断線かと思いきや
そこは問題ないようです。
CDSの入りと出のリード線を直接繋ぐと
元気よく露出計が反応するので
どうやらCDSに問題がありそうです。

シャッターが切れない件は
どうやらシャッターチャージがきちん完了しないようです。
チャージができていないからレリーズしても何も起こらず
何度でも巻き上げられるようです。

ある程度、トラブルの原因の察しもついたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッターユニットからです。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「11/9」とうことで「119番の日」だそうです。
1月19日ではなく今日なのですね。。。
1月は1月10日に「110番の日」があるからかな。。。
119番。。。消防と救急ですね。
天災ももちろん怖いですが火事も怖いですね。
よそが火元だとどうしようもない部分もありますが
絶対に自分のところが火元になることだけはないように。。。と
気をつけているつもりではあります。
救急車はこれまでの人生の中で2回ほど乗せられたことがありますが
これもなるべくお世話になることのないようにしたいです。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
初代ペンの高級版として発売されたモデルです。
シャッターはコパル製で初代ペンでは2枚羽根でしたが
ペンSでは5枚羽根になりました。
当時このペンS用の超小型5枚羽根シャッターユニットを
開発するためにコパルでは大変な苦労があったようです。
その5枚羽根シャッターユニットのおかげで
シャッター速度も初代ペンでは25,50,100,200の4速+Bでしたが
ペンSでは8,15,30,60,125,250の6速+Bとなりました。
倍数系列なのも使いやすいですね。
現在でも使いやすいスペックと写りの良いレンズのおかげもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしているペンSはペン。。。というか
レンズシャッター機定番のシャッター羽根粘りです。
高速シャッターでも羽根がゆっくりとしか開きません。
これでは何をとっても露出オーバーになってしまいます。
さらにスローシャッターではガバナが固着しているようで
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
ご依頼者様のお話によると
たまに巻上が止まらずに
2コマ分巻上ってしまうことがあるとのことです。
これもシャッター羽根粘りが原因だと思われます。
シャッター羽根がきちんと最後まで閉まっていないので
巻き止めが効かないのですね。
巻き上げている途中でやっと最後まで閉まるので
2コマ目で何とか止まる。。。という状況です。
これもペンでたまに見かけるトラブルです。

まだ現状をチェックしたのみで
本格的な作業はこれからです。
以前にも書いたような気がしますが
ペン、ペンS、ペンD、ペンEE、ペンEES等は
着脱式の裏蓋になっていますが
この裏蓋の下にU字上に貼られているモルトは
非常に大事です。
今回ももちろん交換ですが
ここが劣化するとすぐに光線漏れを起こしてしまいます。
加えて他の箇所によく使われる1.5mm厚のモルトでは
厚さが足りません。これでは張り替えても光線漏れしてしまいます。
2.5mm厚のモルトを使います。

現在でも人気で写りもよく、使いやすいペンSですが
さすがに生産されてから60年近く経つカメラです。
未整備のものはまず間違いなく整備が必要です。
きちんと整備をすればレンズに致命的なダメージがない限り
現在でも立派に通用する1台だと思います。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は11月8日。。。「いいは」ということで
「いい歯の日」、もうひとひねりして「刃物の日」だそうです。
自分の歯が大切で手入れも怠ってはいけないのは
当たり前ですが。。。
仕事でもカッターナイフやら刃物を使うことも多くありますが
本当に切れない刃で作業するほど危ないことはないと思います。
その作業を失敗する確率ももちろん高くなりますし。。。
カッターナイフだけでも3種類は使いますが
少しでも「切れなくなったな。。。」と思ったら
躊躇せず取り替えるようにしています。
ハンダコテの先も同様です。
ここでケチケチすると結果的に大変なことになってしまいます(汗)
あ、仕事の道具はいいのだけど。。。
自宅の包丁が研いでも全く切れないのだった。。。(苦笑)
思い切ってちょっと良い包丁買おうかな。。。

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
発売は1961年です。
この頃になると市場では既に一眼レフ機への移行も進みつつあって
各メーカーからも一眼レフモデルが登場しています。
とはいえ、まだまだレンズ交換式のレンジファインダー機の人気も高かかった時代です。
キヤノンは30年余りレンズ交換式レンジファインダー機を生産しましたが
この「7シリーズ(7・7S)」が、その集大成ともいえると思います。
生命線ともいえるファインダーは張り合わせプリズムを使用した
非常にコストのかかったファインダーです。
等倍ブライトフレーム切替式で
35/50/85+100/135mmのフレームを表示することができます。
もちろんパララックス補正機能付きです。
セレン光電池を使用した露出計を装備し
露出計感度は高低2段階切替式です。
さらに当時、開発されたばかりの50mmF0.95という大口径レンズを装着するために
通常のねじ込みマウントに加え専用の外爪を装備しています。

お預かりしている「7」は
心配されるセレンの感度はまずまず問題ないレベルなのですが
シャッター幕の動きが悪く
1/1000はほぼ開かず、1/500も1/3は閉じてしまいます。
測定機で測ってみると先幕の幕速が異様に遅いようです。
昨日も書きましたがテンションが足りないというよりは
幕軸の汚れだと思われます。
スローシャッターも1/4以上のSSだと
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
ファインダープリズムの状態は問題なさそうですが
距離計にもズレが出ています。

シャッター幕は金属製で破れ等あると
残念ながら当店では対応できません。
もちろん今回はシャッター幕そのもには問題ありません。
今回の個体はご依頼者様のご実家から出てきたものということで
まぎれもなくワンオーナー品で
非常に大切に使われてきたカメラだというのがよくわかります。
長らく動かさなかったことと経年劣化で
動きが悪いところは確かに多いですが
きちんと整備してやればまだまだ問題なく使えます。

キヤノンは国産レンズ交換式レンジファインダー機としては
間違いなくトップメーカーだと思いますし
こうして分解整備しているとその造りの精密さに驚かされます。
現在でももっと評価されても良いと思います。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「立冬」であり「鍋の日」でもあるのですね!
少しずつ冷え込んできて
お鍋の美味しい季節になってきました!
自分の好きな具材を
放り込んでおけばすぐ完成!ということもあり
(本当はいろいろ出汁の取り方とか
あるのはわかっていますが。。。(汗))
冬になると頻繁に作るメニューになってしまいます。
。。。で、鍋となれば文句ナシに「日本酒」ですよね!
冷酒でも常温でも燗でも非常に美味しくいただけます。
実は昨日の夜も鍋だったのですよねぇ。。。
今夜も鍋でいいかな。。。(笑)

さてさて

今日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
Ai化される前の指針式のフォトミックファインダー。。。
一番最初に発売されたフォトミックファインダーの付いたF2です。
アイレベルファインダーの潔さとスマートさも
文句ナシにカッコ良いですが
フォトミックファインダーが装着されると迫力も増し
非常に力強いイメージになり個人的にも好みです。
フォトミックファインダーはAi対応のものやLED表示のもの等々
5種類が存在しますが
シンプルでファインダー内絞り表示も見やすい指針式の
最初のフォトミックファインダーが魅力的に思えます。
LED表示のものは修理不能な場合もありますしね。。。

お預かりしているF2フォトミックは
フォトミックファインダー側に露出計の多少の狂いもございますが
一番の問題は高速シャッターの精度が出ておらず
1/2000は走り始めの1/4程度しか開きません。
昔と違ってISO400のフィルムが標準の現代だと
高速シャッターはしっかり精度が出ていないと困りますね。
1/1000も走り始めはほぼ1/1000なのですが
走り終わりには1/2000になってしまっています。
つまり、幕走行中に後幕が先幕に追いついてしまうのですね。
F2に限らず横走りシャッター機にはよくあるトラブルです。

今回は違うのですがこのトラブルを回避するために
とりあえず幕のテンションを上げてある個体にたまに遭遇します。
必要以上に幕のテンションを上げれば各部の負担は大きくなりますし
酷いものだと巻上げが重くなってしまいます。
幕テンションの調整はあくまで微調整程度に留めておくべきだと考えます。
シャッター幕の走行不良のほとんどは
長い時間の間に経年劣化した古い油や汚れのために
幕軸の動きが重くなっているためです。
今回も幕軸の清掃を行い注油することで
ほぼ正しいシャッタースピードに戻りました。
もちろん最終的には幕テンションを微調整して精度を出していきます。

ボディ側がひと段落したところで今度はフォトミックファインダーの整備です。
基本的な構造自体はFフォトミックとほぼ同じです。
ただ、ファインダー上側にある摺動抵抗の耐久性はよくなっていて
多少、清掃しても大丈夫です。
(Fフォトミックの摺動抵抗は少し強く拭くと抵抗が全て剥がれ落ちます)
今回も露出計が不安定だったのですが
この摺動抵抗とそれに接するブラシを清掃することで改善されました。
最終的には半固定抵抗を調整して精度を出していきます。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は11月5日。。。「電報の日」だそうです。
電報の申し込み電話番号が「115」だからですね。
電話が一般的に普及するまでは
緊急の連絡に重宝された電報ですが
電話だけでなくあらゆる連絡手段のある現在では
緊急連絡に使われることはなくなりました。
私が子供の頃でさえ、固定電話は既に
各家庭に普通にありましたからね!
(黒電話でしたが。。。)
でも今でも電報サービスは残っているのですね。
モールス信号で中継していた昔とは様変わりして
祝電等で使われているようです。

さてさて

本日はニコンFMのカメラ修理を行っています。
普段、FEばかり入ってくるので
FMは少し久しぶりですね。
機械制御縦走りシャッターのマニュアル露出機です。
前モデルにあたるニコマートFT系に比べると
随分コンパクトになり使いやすくなりました。
それほどトラブルの多いカメラではありませんが
LED式の露出計は修理不能の場合も多々ございます。

今回、お預かりしているFMは
電池室が一部破損していて露出計が動かない状態です。
電池室ごと中古良品と交換するしか手段がございませんが
FMの場合は電池室を交換するためには
ミラーボックスを外す必要がございます。
ちょっと意外に思われるかもしれませんが
ミラーボックスを外すための手間は
電子制御機のFEより大変です。
ミラーボックスを外す際に
同時にシャッターユニットの整備、ミラー駆動部整備
ファインダー清掃等々
一通りの整備一式を行います。
組みなおして完了。。。と思いきや
電源は安定供給されるようになったものの
露出計が妙に安定しません。
基板周りのハンダが一部劣化しているようです。
これも対処して一通りの整備完了です。

初代FM・FEはAi連動爪が可倒式なので
非Aiレンズも装着可能です。(FM2・FE2は固定式)
当然、露出計は開放測光で使えませんが
交換レンズ選択の幅が広がるのは非常に良いことですね。

少し時間をおいて動きが安定してから
最終チェックを行い、問題がなかれば完成です。

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日はもちろん「文化の日」ですが
「レコードの日」でもあるのですよ。
私が子供の頃はまだCDはなくて
音楽を聴くのはもっぱらレコードとカセットテープでした。
CDに切り替わっていったのは高校生くらいの頃だったかな。。。
中学生の頃に買ったレコードは
未だに持っていますしたまに聴いています。
欲しかったけど当時買えなかったレコードも
大人になってから結構買い集めました。(お安いですし。。。)
あのLP盤のジャケットを眺めながら
レコードクリーナーの匂いを嗅ぐと
何だか昔のことをいろいろ思い出すのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットシリーズとしては最終モデルにあたるカメラです。
発売は1972年です。
初代の発売から11年余り。。。
シャッタースピード優先AEを搭載しマニュアル露出も可能
明るい大口径のレンズを搭載し
お求め易い価格で高性能。。。というコンセプトは
初代から全く変わっていませんが
随分と軽量コンパクトになりました。

またまた偶然にも
全く別のご依頼者様から
同じ日に立て続けに2台入ってきましたので
一気に2台、整備していこうと思います。
2台共にレンズにカビクモリ、ファインダーにカビ・クモリ
露出計が不動のためオートも不動。。。といったところです。
1台目のほうは絞りも粘り気味です。
キヤノネットは初代からG-Ⅲまで
オート時には巻き上げるまではその前に絞られた状態のままで
巻き上げた時に開放に戻ります。
それでまたレリーズ時に露出計と連動し
絞り込んでいくような構造になっています。
マニュアル時にも絞り込んでいく方には
巻き上げていなくても絞りリングと連動して絞り込んでいきますが
絞りを開けていく方向にリングを回しても
絞りは連動してくれません。
巻き上げた時に絞りリングで設定された絞りにセットされます。
文章で書くとわかりにくいですね(苦笑)
今回の1台目はオート時に巻き上げても
絞り羽根が開放に戻りません。キヤノネットではよく見かけるトラブルです。

キヤノネットG-Ⅲでは定番なのですが
今回の2台もやはりレンズコーティングには
傷みがそれなりに見受けられます。
あまり強くないのかカビが発生すると
清掃してもほぼ間違いなくカビ跡が残ります。
今回はそこまでではありませんが
酷いものになると白濁したようなクモリが発生しているものもあり
どうにも除去できません。
できる限りの清掃で対処いたします。

まずは1台目から。。。これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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マミヤ6オートマットのカメラ修理

今日はキリスト教でいうところの「死者の日」だそうです。
全ての死者の魂のために祈りを捧げる日とのことです。
霊魂が存在するかあの世がどうかとかはおいておいて
(個人的にはないとは思っていますが。。。。)
亡くなった方へ思いを馳せることは
その方との思い出を自分の心の中で
鮮やかに生かすためにもとても大切なことだと思います。
あぁ。。。墓参りくらいは行かなくちゃいけないかなぁ。。。(汗)

さてさて

本日は「マミヤ6オートマット」のカメラ修理を行っています。
国産スプリングカメラ(フォールディングカメラ)も
1950年代に数多くの種類が作られましたが
マミヤ6シリーズはその中でも当時から人気の高いカメラです。
少々独特なのがピント合わせにバックフォーカス方式を
採用しているところです。
ほとんどのカメラはピント合わせの際に
レンズ側を前後に動かしてピント調整を行いますが
マミヤ6はフィルム面を前後に動かし
ピント調整を行います。
そのためピントダイヤルはシャッターボタン側の
背面に配置されています。
今回、ご紹介する「マミヤ6オートマット」は
マミヤ6シリーズの中でも
オートマット(正確にはスタートマーク合わせ方式の
セミオートマット)を搭載し
折りたたみ式カメラとしてはおそらく世界初となる
セルフコッキング(一度の巻上でフィルム巻上と
シャッターチャージを行う)を可能としました。
どれもその後のカメラでは当たり前となる装備ですが
この時代では先進の技術だったわけですね。

お預かりしているマミヤ6オートマットは
その自慢のセルフコッキング機能が動作せず
巻き上げてもシャッターがチャージされません。
蛇腹の下に配置されているリンケージに問題がありそうです。
加えてファインダーにかなりクモリが見受けられます。
装備されているD.ズイコー7.5cmF3.5レンズは
白濁したクモリが発生している個体が多く
そうなるとそれに関しては修理不能なのですが
今回の個体はめずらしくかなり良い状態です。

写真は一通り整備が終わり少し様子見中の状態です。
この後、最終チェックを行い必要があれば微調整を行います。

セルフコッキングのリンケージがもちろん
シャッター羽根、絞り羽根の洗浄、シャッターユニットの整備
ピント調整、ファインダー清掃、距離計調整等々を行い
非常に快調に動作するようになりました。

スプリングカメラ、私も以前から1台欲しいのです。
ヤマリマミヤ6がかなり魅力的ですね。
これでもう少し広角ならば山カメラとしても文句ないのですが。。。
構造上、標準レンズしか無理なのですよね。。。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「本格焼酎の日」だそうですよ。
ここでいう「本格焼酎」というのは「焼酎乙類」のことですね。
焼酎には大きく分けて
「連続式蒸留焼酎」(焼酎甲類)と
「単式蒸留焼酎」(焼酎乙類)にわけられるのですが
甲乙と表現すると乙のほうが甲より劣ると誤解されかれないため
乙類のほうを「本格焼酎」と呼ぶようになったそうです。
個人的には「乙類」のほうが焼酎として飲むには
味わい深くてよいですね。
甲類となると焼酎単体というより
チューハイや梅酒のベース。。。といった印象があります。
いわゆる麦焼酎、芋焼酎、黒糖焼酎は基本的に乙類です。
泡盛も乙類に分類されるのですね。
ロックで飲むのが基本だと思っていますが
お湯割が美味しい季節になりましたね。。。
今夜は芋焼酎お湯割でいこうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系も毎月、何台かは依頼のあるカメラです。
いわゆる中級機としてのポジションで
ニコマートというブランド名を与えられたモデルですが
まだまだカメラは嗜好品の時代です。
中級機と言えども効果ですし
この時代のニコンのカメラですから非常に丈夫に造られています。
さらに組み合わされるコパルスクエアシャッターが
非常にタフなシャッターで
「動かない」という状況になりにくいシャッターです。
。。。とはいえ、以前も他のカメラのブログで書きましたが
動きにくい状況の中、必死で動いている。。。という状態の個体が
多いのも事実です。
やはり発売から50年近く経過するカメラですから
どこかで一度きちんと整備をしなくてはならないと思います。

お預かりしているニコマートFTNは
外観の非常にキレイなブラックボディです。
シャッターも露出計もとりあえずは動作していますが
じっくり現状をチェックしてみると。。。

まずはレリーズして実際にシャッターが切れるまで
妙なタイムラグがあります。
「あれ?」と思って動きをよく観察すると
明らかにミラーの動きが遅く
そのため実際にシャッターが動作するまでに
タイムラグができてしまうようです。
シャッタースピードはまずまず精度は出ていますが
羽根に汚れがあるようで妙に幕速が遅いようです。
マートFTNといえば「ガチャガチャ」ですが
「ガチャガチャ」を行ってもレンズの開放F値がセットされません。
これでは露出計も正常に動かないです。
その露出計はマウント部の抵抗に問題があるのか
絞り、SSリングを動かすと非常に不安定になります。
やはり結構、問題は抱えている状態です。

取り掛かったばかりで本格的な分解はこれからです。
後ろに写っているのは同じご依頼者様から
一緒にお預かりしているFTNの後継機「FT2」です。
FTNの後にこちらも整備を行います。
ちなみに「ガチャガチャ」で開放F値がセットされない症状の原因は
大抵の場合、「Nikomat」の銘板裏の部分の動作不良です。
上の写真にも写っていますね。
これからミラー駆動部の動作不良とシャッター周りの整備を行うため
本格的に分解整備に取りかかります。

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は10月31日ということで
いわゆる「ハロウィン」ですね。
うーん、いつから「ハロウィン」は
こんなに日本で祝われるようになったのでしょう???
全く実感というか、習慣がないのですが。。。。(汗)
まぁ、クリスマスだって昔は「なんだそれは?」って
感じだったのでしょうから
それだけ私が歳をとっただけでしょうねぇ(苦笑)
まぁ街の子供たちがハロウィンの仮装をして
駆け回っている姿はそれだけで何だか和みます。
いい大人の行き過ぎたハロウィンはどうかと思いますが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスもコンスタントに修理の依頼のあるカメラです。
プレスボディにシンプルな構造で
6x6判二眼レフとしては非常に軽量なカメラです。
当時としては安価に発売されたこともあり
当時の二眼レフブームを牽引するヒット作でした。
リコーフレックスも色々な種類があり
今回のⅦは1954年に発売となったモデルです。
Ⅶにはコンツールファインダーと呼ばれる
アイレベルで見るためのファインダーが組み込まれています。
要はアイレベルで素通しで見るためのファインダーなのですが
片目でファインダー、片目で普通に目の前を見ると
ブライトフレームが視野の中に浮き上がってくる仕組みです。
この状態ではピント合わせが目測でしかできないので
今ひとつ実用的ではないのですが
なかなか面白い機能です。

リコーフレックスⅦには
セイコーシャやシチズンのシャッターが装備されたものもあるのですが
今回お預かりしているのはリコー製シャッターが装備されたモデルです。
シャッタースピードは25・50・100の3速にBです。
リコーフレックスの未整備品の大部分はそうですが
今回もピントリングが重くて重くてとても回せません。。。
さらにミラーの劣化のせいで
ウエストレベルファインダーを覗いても
ピントが合っているのか合っていないのか全く判別付きません。

ピントリングやミラーの処置はもちろん
シャッターユニットの整備、レンズ清掃
ファインダー清掃を一通り行いつつ
各部の調整も行っていきます。

写真は一通り整備が完了した後での写真です。
外装もキレイに仕上がったリコーフレックスは
メッキ部も美しくて眺めているだけでも楽しめますね。
ピントリングはもちろん軽快に回り
レンズもファインダーもかなりキレイになりました。
こういうカメラを持って歩き
1枚1枚、丁寧に撮り歩くには非常に良い季節です。
ご依頼者様にも存分に楽しんでいただければと思います。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうです。
1969年(昭和44年)のこの日に
世界初の家庭用ビデオの規格「U規格」を発表したそうです。
実家に初めてビデオ(VHS)が来たのはいつ頃だったかな。。。
中学生くらいの頃だったかな。。。
当時はテレビ番組が録画できる!と喜んで録画ばかりしていましたねぇ。。。
そのうち深夜にやっていた「MTV」やら「ミュージックトマトジャパン」を
録画しては見るようになったかな。。。
実は当時のテープまだあるのですよ。。。デッキがないのですが。。。
見られるうちにDVDにダビングしておかないとなぁ。。。
特に確か1986年のシンディローパー初来日公演ライブの録画
(テレビで放送されたもの)はちゃんと保存しておかなくては。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
キヤノン初のフラッグシップ機F-1と同じ年に発売され
共通する部分も多い中級機です。
デザインはF-1というよりは
従来のFシリーズ(FT、FP等)に近いものがありますね。
この頃はまだ中級機クラスには
キヤノンお得意の「QL」(クイックローディング)が搭載され
フィルム装填も簡単にできるようになっています。
「Aシリーズ」の時代になると「QL」は姿を消し
普通の装填方法になってしまうのですが
「Aシリーズ」の時代になるとデータバックとの兼ね合いで
裏蓋が簡単に交換できるようにしたためなのですね。。。

お預かりしているFTbは
正確に言うと後期モデルともいえる「FTb-N」です。
最大の変更点はファインダー内に
シャッタースピードが表示されるようになりました。
他にも巻上レバー、セルフタイマーレバー
シャッターボタンの変更が行われています。
実はキヤノンの純粋なマニュアル露出機は
このFTbが最後なのですね。
(これ以降は全ての機種にオート露出が搭載されます。
もちろんマニュアル可能なモデルはたくさんありますが)

現在わかっているトラブルとしては
スローガバナは固着気味、露出計は大幅にアンダー
バッテリーチェックが不動、高速シャッターは露光ムラ
レンズにカビ、ピントリングが少々重い。。。といったところですが
加えて作業前の現状チェックで気がついたのですが
ASA1600にするとシャッタースピードダイヤルが1/8までしか回らず
ASA25にすると1/250までしか回りません。
どうやら露出計との連動ギアの噛み合わせが狂っているようです。
いずれにせよ、これから分解整備一式ですから
組み立て時に正しい位置に組みなおします。

それではこれか本格的に分解整備に取り掛かります。

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