キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「読書の日」だそうですよ。
読書週間(10月27日~11月9日)の一日目の日なのですね。
いわゆる長編小説とかは学生の頃は
結構読んでたけど大人になってからは
長編どころか小説自体読まなくなりましたねぇ…
あまり細切れで読んでても没頭できないから
読むならある程度の時間、集中して読みたいと思うのですが
社会人になってからそんなに本を読む時間が取れないですねぇ
あ、でもいいわけかな。。。
コミックは何時間でも読み始めると読んでるし。。。(苦笑)
小説とかは読まなくてもいろいろな資料や
本を買うまではないけど興味のある分野の知識を得るために
比較的近年まで図書館にも割と通っていたのですが
ここ数年はそれもご無沙汰です。。。
たまにはしっかり活字を読む時間も作らなくては…
ただ、寄る年波には勝てず小さな字が読みづらいのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノン初の本格的プロ向け一眼レフカメラです。
この分野では完全に独り勝ちだった「ニコンF&F2」の牙城を
崩すためにキヤノンが社運を賭けて開発した渾身の一作です。
悪条件下の酷使にも耐えうる信頼性を
最優先の目標として
測光機能の拡大や全システムの無調節互換性能、
マイナス60度~プラス60度までの
温度域に耐える環境性能、来るべき自動化露出への対応等々
あらゆる面に対応することが開発の焦点とされました。
そうして完成したF-1はプロカメラマンやハイアマチュアの
カメラマンに絶大に支持され
ニコンと並びいわゆる「一眼レフ2強時代」に突入していくわけです。

さすがに登場から50年以上経過するカメラであり
当時求められた極限の環境性能や堅牢性は
どうにも衰えていて
復活できない部分もありますが
それでも基本的には非常に丈夫なカメラです。
そして何と言ってもキヤノンらしいスマートさが魅力のカメラです。
特にデザイン的に低く構えたペンタプリズム部は
他のカメラとは一線を画する魅力にあふれています。
塗装色もブラックに統一されているのも
キヤノンらしい部分かと思います。

お預かりしているF-1はシャッターこそ
とりあえず作動しているのですが
スプロケットが常にフリーの状態で
フィルム巻上が正常に行えません。
いわゆる「巻き戻し状態」から復帰できないのかと思ったのですが
(他のカメラでもこの症状自体はたまにある)
どうやらスプロケットの軸はちゃんと動作しようとしているようです。
で、さらに調べてみると
どうやらスプロケットを軸に留めているネジが
無理矢理回そうとしてねじ切られているようです。
そのため軸は回っていてもスプロケットが回らないのです…
なんでまたそんなことになっているのか…(苦笑)

スプロケットの件は原因が分かったものの
シャッター周りにもいくつか問題を抱えています。
F-1はシャッター幕ブレーキ関連のトラブルが多いカメラで
その最たるものがいわゆるシャッターがバウンドする症状なのですが
シャッターバウンドまではいっていないものの
幕ブレーキが擦り切れている状態で
シャッタースピード(特に高速)が非常に不安定な状態でした。
測定器で計測してみないと
見た目にははっきりわからない部分ですが
できあがった写真には間違いなく悪影響が出ていると思います。
さらにレリーズ部の動きも妙に悪い症状が出ています。
どんな使われ方を以前にされてきたかはわかりませんが
いろいろと整備が必要な状態であることには間違いありません。

画像は一通り整備が終わった段階でのモノです。
動きが少し馴染むまでテストを行いながら様子見をしている段階です。
シャッターの精度も問題なく
スプロケットの動きはもちろんのこと
巻上・レリーズも非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズは当店のテストレンズですが
やはり旧F-1にはs.s.c刻印のある旧FDレンズが似合いますね!
これから最終テストを行いながら微調整を行い
問題なければ完成となります。

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キヤノンⅡD改のカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
柿の旬の時期でもあり
1895(明治28)年のこの日に
俳人・正岡子規が奈良旅行に出発し
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を詠んだとされることからだそうです。
言われてみれば今年はまだ柿を食べていないです…
普通に皮を剥いてそのまま食べられる甘柿は
ほのかな甘さとしっかりとした歯ごたえがいいですよねぇ
これぞ日本古来の甘さという感じがします!
また渋柿を利用した干し柿もいいですよねぇ…
現在、柿の生産量が多い県は
和歌山県、奈良県、福岡県の順で
生産量日本一の市町村は奈良県五條市だそうです。
ただ私の地元呉の北隣の東広島市では
中四国地方を中心に現在も多く栽培されている
西条柿の原産地であり
東広島市ではまとまった栽培が一時途絶えていましたが
近年では「原産西条柿」と銘打ち、栽培が増加傾向にあるのだそうです。
西条柿は完全渋柿なのでやはり干し柿がいいですねぇ
普通に生食の甘柿も干し柿も食べたくなってきました。
とりあえず今日の帰りにスーパーで探してきます!

さてさて

本日は「キヤノンⅡD改」のカメラ修理を行っています。
いわゆるキヤノンのバルナックコピーカメラですが
歴史は長く戦前は独自ねじ込みマウントを採用していましたが
戦後は一般的なライカLマウントになります。
マウントは標準仕様になりつつも機能的には独自の構造もいろいろと追加され
SⅡ(1946)では一眼式ファインダーとなり
ⅡB(1949)ではキヤノンお得意の変倍ファインダーが搭載されます。
50年代に入ると高級機から機能を若干省略した普及機まで
いろんなタイプのモデルをラインナップしていきます。
今回のⅡD改は1955年発売のモデルで
この時期になるとバルナックコピーキヤノンとしては
後期のものになり完成度も非常に高くなっています。
その当時の最高級機「Ⅳsb改」から1/1000シャッターと
フラッシュ接点付きレールを省略したものが
「ⅡD改」となります。
基本的な構造や造りは「Ⅳsb改」と同様です。
この時期のカメラのモデル名によく使われる「改」は
「改良版」の略でいわゆるマイナーチェンジ版という意味です。
ⅣSB改やⅡD改の場合の大きな改良点は
シャッタースピード設定が1/25、1/40、1/60、1/100、1/200という
それまでの並びから
その後一般的となる1/30、1/60、1/125、1/250という
いわゆる倍数系列になったことです。

毎度のことですがキヤノンのバルナックタイプモデルは
特に1950年代のモデルの種類が多い上に
モデル名の刻印は一切ボディ上にないために
慣れていてもぱっと見にモデル判別は困難です。
シャッタースピード設定だったりフラッシュ接点の有無
ノブのローレット、メモ表示板の有無等で判別しますが
Ⅳsb(改)以外はまぁ資料を見ながらでないと無理ですね(苦笑)

キヤノンに限らず、またレンジファインダー機でも一眼レフでも
50年代の布幕フォーカルプレーンシャッター機は
まずシャッター幕交換が修理の前提となる場合はほとんどです。
今回お預かりのⅡD改も幕は硬化してガチガチで
シャッター切ってもまともに走行できない場合がほとんどです。
さらに一部に擦れて穴の開いている部分もあり
間違いなく光漏れが起こる状況です。
さすがに幕交換を行わないとどうにも使えない状態です。

幕交換は重作業な上に
非常にデリケートさを要求される作業です。
わずかな幕位置のズレ等で
まともにシャッタスピ―ドが出なくなってしまうこともあります。
おまけにバルナックタイプは機種にもよりますが
普通にシャッタスピードテスターでSS測定ができないものも多く
キヤノン機もSS測定にちょっとした工夫が必要です。
それでもしっかり測定しながら微調整を行っていくと
幕交換を行えば大抵の場合問題ない精度を確保できます。
その上で巻上整備や距離計調整、ファインダー清掃を行えば
今でも十分撮影に安心して使用できるカメラに仕上がります。
画像は既に一通りの修理・整備を行った後のモノで
最終的なテストと必要があれば微調整を残すだけですが
非常に気持ちよく使えるカメラに仕上がっています。
早くご依頼者様にも存分にお楽しみいただきたいと思います。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
たっぷりマーガリンつけた焼きたてのトースト…美味しいですよねぇ
普段あまりトーストを食事に…っていうことは少なく
朝も基本的に白米なのですが
たまにやたらとトーストを食べたくなることがありますよねぇ
で、まぁ美味いのはバターがやはり上ですが
現実的な使い勝手を考えるとやはりマーガリンですよねぇ
ネオソフトのシェアが高いとは思いますが
私はラーマ派です!
でもマーガリンといえばトーストではないけれど
昔の給食のパンについてきた四角いヤツですよねぇ
銀紙に包まれたヤツ。。。
理想は一口分にあれ1個使いたいくらい好きで
周りの「いらない」っていうクラスメートにもらって
贅沢に塗って食べてました…(笑
あ、冬になると教室のストーブで
パンを軽く焼くとまた美味さ倍増なんですよねぇ…懐かしい…
ところで最近食パンを焼くトースターを昔ながらの
ボップアップトースターに買い換えました。
今まで使ってきたオーブントースターがボロボロになってきたことと
「いや、結局トースト以外に使い道ないじゃん」ってことで
今度はボップアップ式にしました。
うん、やっぱりデザイン的にも使い勝手も私にはこっちのほうがいいな…
「ポン」とパンが焼きあがって跳ねるのが馴染みがあっていいですねぇ
あ、いい歳なのでマーガリン塗り過ぎには注意します…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートEL系からの流れを汲む
電子制御シャッター搭載の中級機です。
ニコマート時代にはちょっと重々し過ぎて
機械制御機のFT系と比べても使いにくさもありましたが
FE/FM系に一新されてから一気に洗練されました。
適度にコンパクトなボディなって取り回しも良くなり
絞り優先で撮れる軽快さがより際立つようになりました。
そして何と言ってもファインダー内の露出情報が見えやすく
マニュアル時にも非常に使いやすいのです。
絞り値はAi対応機なのでレンズの刻印を直読する方式です。
そしてファインダー左側に露出計指針と
SS設定指針の二針式の露出計が表示されます。
露出計が示す値と現在のSS設定がどのくらい離れているかを
一目で確認することができ
あえて露出をコントロールするような場面でも
非常に使いやすくできています。
ここに関しては兄弟機のFMはもちろんのこと
後のフラッグシップのF3よりも使いやすいです。

基本的には丈夫にできているカメラで
電子制御機ということで
電装系のトラブルを心配される方も多いとは思いますが
FEは電装系のトラブルで修理不能といったパターンの
比較的少ないカメラです。
基板内ショートとかがなければまず大丈夫かとは思います。
今回お預かりしているFEは
その電子制御シャッターが全く作動せず
機械制御の「B」と「M90」以外では
レリーズしてもミラアップするだけでシャッターが作動してくれません。
さらにバッテリーチェックも露出計も不動です。
…ということは根本的に電源が全く入らない状態です。
電池室からまずチェックしてみると
電池室側に大きな腐食はないのですがやはり
かなり長い間、電池が入れっぱなしだったとみられ
若干の緑青が確認できます。
電池室側でこの状態だと電池室裏はやはり状態は悪いと予想され
そこで接触不良あるいは断線が起きていると考えられます。

まだ取り掛かったばかりですがまずはここから分解を進めて
電池室周りのハンダや配線の処置から行っていきます。
まずは電源を入るようにしないと
電子制御部に問題があるのかないのかもわかりません。
このパターンの修理でちょっと怖いのは
それなりに手間をかけて電源を入るようにしても
電子制御部に重篤なトラブルがあって結局修理不能…というパターンが
あり得るということですかね…
FEの場合はその可能性は非常に低いのですが…
過去に何度かそのパターンにハマりがっくりした記憶があります…(苦笑)
まぁそんなことを心配しても始まらないので
まずは電源が入るように処置を行っていきます。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が
冷気によって霜(しも)となって降り始める頃となっています。
朝晩の気温がグッと下がり
標高にもよりますが
平野部でもそろそろ紅葉・黄葉が進んでくる頃ですね
日中はそこそこ暖かくて緩い感じの空気が
早朝や夕暮れ時の冷たくなって
ピンと張ったようなこの季節独特の空気感が昔から好きです。
本格的な冬の到来を前に気持ちの良い時期ですね。
もう次の二十四節気は「立冬」です。
今日の「霜降」から「立冬」までの間に吹く寒い北風が
いわゆる「木枯らし」です。
いつからかさだかではありませんが
関東地方(東京)と近畿地方(大阪)において
毎秋最初の木枯らしを「木枯らし一号」として
気象庁より発表されていますね。
「一号」って台風か仮面ライダーみたいだから
「春一番」に習って「木枯らし一番」とかのほうがいいような気が…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
そのモデル名から「リチャード」の愛称で呼ばれるカメラです。
1970年発売
オリンパス35シリーズは歴史も長くいろいろなモデルが存在する
35mm判レンズ固定式レンズシャッター機のシリーズですが
1968年の「トリップ35」以降のモデルは
時代の流れに沿って非常に今pカウとなモデルが主流となっていきます。
この「RC」も同社のハーフ判「ペンシリーズ」さほど変わりない
コンパクトさが売りのカメラです。
ただ小さいだけではなく距離計もしっかり搭載し
シャッタースピード優先AEを装備しつつ
マニュアル露出でも撮影できる
一通り何でもできるカメラです。
ファインダー内情報もしっかりしており
オート時には設定したSSはもちろん
露出計連動で選択する絞り値をレリーズ連動で表示し
マニュアル時には露出計こそ使えないものの
設定している絞り値がファインダー表示されます。
ちょっとめずらしいのがレンズシャッター機なのに
シャッターダイヤルがフォーカルプレーン機のように
上カバー上に付いていることです。
個人的にはこちらの方が鏡胴にSS環があるタイプよりも
設定が見えやすいし良いと思います。
シャッターはペンと同様の2枚羽根のビハインドシャッターです。

お預かりしている「RC」は電池を入れて
シャッタースピードAEにしても
露出計が全く動かず常に絞り開放側に振り切ってしまう状態です。
電池室側から見る限りは接点や端子も
良好な見た目だったのですが
電池室を外して裏側をチェックすると
配線ハンダ部は緑青でびっしり覆われていて
配線は完全に断線している状態でした
これではさすがに露出計はピクリとも動けません。
他、距離計には大きなズレがあり
シャッター羽根にも若干の粘りがあるようです。
ビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に
露出しているので羽根に汚れが付着しやすい構造ではあります。
こちらもシャッターユニット整備と同時に羽根清掃を行っていきます。

35DC等と同様に露出計本体はボディの底部に配置されている
オリンパスらしい独特の構造です。
小さなボディに無駄なく詰め込まれている印象ですが
意外と整備性は悪くないカメラです。
これから本格的に各部の整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
1879(明治12)年のこの日に
アメリカの発明家トーマス・エジソンが
世界で初めて実用的な白熱電球を完成させたことに由来しています。
現在の世の中で当たり前のように明かりが灯っているのは
普通ではあるのですが
これほどありがたいものはないですよねぇ…
そういえば以前に毎週のように山に登っていた頃は
ちょっとした手違いやトラブルで
日没までに下山できず真っ暗な山の中を
ヘッドライトの明かりを頼りに下りたことが何度かあるのですが
そのときに登山口まで下りてきて
民家の明かりを発見したときにどれほどホッとするか…(苦笑)
まぁほぼ下りきっていて最後の30分くらいの
足場の良い道が残っているだけの状況ではあるのですが
明かりのない山の中を歩くほど不安なことはないですよ…
場合によってはあきらめてビバークすべきですものね…
そういうときに見る暮らしの明かりって
むちゃくちゃ暖かそうに見えて何だか切なくなるものです。
明かりがあって暖かい生活が
できることに本当に感謝ですね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
「1N」は1979年に発売されたカメラで
基本的な機能は「OM-1」とさほど変わりません。
アクセサリーシュー4と対応フラッシュを使用することにより
フラッシュ充電完了表示がファインダー内で可能になったくらいです。
1972年に発売された「OM-1」が7年後のモデルチェンジで
大きな変更がないということはそれだけ
「OM-1」の元々の設計が優れていたということかと思います。
しかしながら基本的構造は「OM-1」と同一とはいえ
細かな部品の変更は「OM-1」の頃からマイナ―チェンジで
何度も行われており「1N」になったタイミングでも
いろいろと細かな変更は行われています。
特にプラスチック部品の材質や強度は
最初の「OM-1」の頃のものを比べると全く異なります。
多少コストダウンされている部分も確かにありますが
それ以上にプラ部品の材質は向上していると思います。

でも相変わらずなのがプリズムと接眼レンズの間に
モルトプレーンを貼ることですね
今回もこのモルトが原因でプリズムはしっかり腐食してしまっています。
ファインダーから見ると視野の下部がモヤモヤして見える
OMならではの腐食のパターンです。
まぁモルトは定期的に交換するのが前提ですからしかたないですが
OMに限らずこの時代のカメラはモルトを原因とする
プリズム腐食が本当に多く困ったものです…

シャッターや露出計は一応は動作していますが
高速シャッターの精度は出ていない上に不安定で
1/1000はたまに開かないこともあるようです。
露出計も2段以上オーバー気味となっており
このままではとても信頼できる状態ではありません。
巻上やミラー駆動部の動きも渋めで
やはり全体的に整備が必要な状況です。

プリズムの腐食もしっかり写っていますね
先日のOM-1修理のブログでも書きましたが
OM-1はその他では類を見ないコンパクトさや静かさを実現するために
他の一眼レフでは見られないような工夫や独自の構造が多いカメラで
調整箇所も非常にデリケートな部分の多いカメラです。
絶妙なバランスの上に成り立っているような部分もあり
そういう意味ではなかなか整備の厄介なカメラでもあります。
それでもしっかり整備された個体は
その独特な使い心地の良さや上品なシャッター音を
存分に楽しむことができます。
整備するたび「これが人気のあるのはやはりわかるなぁ…」と
思わざるを得ないカメラですね!

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キヤノンFPのカメラ修理

今日は「頭髪の日」で
「ヘアブラシの日」だそうです。
どちらも「とう(10)はつ(20)」(頭髪)と読む語呂合わせが
由来となっています。
もう髪型もへったくれもない歳になってしましたが(苦笑)
まだ何とか毛髪量が確保できているのが救いですね…
ただここ数年で随分白髪が目立つようになりました…
白髪が目立つと老けて見えるのですよねぇ…
まぁあまり問題ないですが…
10代…とくに中高生の頃はむちゃくちゃ髪型気にしていましたねぇ
整髪料も髪型にもよるのですが
懐かしのデップやチックに始まり
髪を立てる必要があるとムースやスプレーだったかなぁ
ワックスなんてもう社会人になってからここ近年の話ですものねぇ
で、制服の胸ポケットには常に手鏡を入れていて
ヒマさえあればチェックして(笑
上着のポケットにはヘアブラシも常に入っていたかも…
懐かし過ぎる…
高校生の頃はヘアカタログもやたらチェックして
バイト代で美容院に通ってました…
髪立てるための根元パーマやヘアマニキュアも流行ってましたね。
その頃に比べると今はめちゃくちゃ無頓着です…
少しは気にしないといけないかな…いや今更どうでもいっか…(笑

さてさて

本日は「キヤノンFP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
「キャノンFシリーズ」第一号機である「FX」から
外光式内蔵露出計を取り除いたモデルです。
当時は内蔵の露出計はまだまだ装備され始めたばかりで
保守的なハイアマチュアには今ひとつ信頼されていない部分も多く
それに加え「FX」のように外光式だとシビアな測光に使いにくいという
部分も確かにありました。
そのためこの時代の一眼レフにはメインの機種には露出計内蔵でも
そういうこだわったユーザーのために
露出計レスのもでるというものも結構ラインナップされていました。
キヤノンだと「FX」に対する「FP」ですが
例えばニコンだと「ニコマートFT」に対する「FS」
ペンタックスだと「SP」に対する「SL」といった感じですね。
製造から50年以上経った現在でも
トラブルの原因となりやすく精度もあまり期待できない
当時の露出計は思い切ってないほうがいい…という考え方もあって
露出計レスモデルというのはそれなりに人気があるようです。
…といっても「FP」は意外と現存数も多くはなく
少しマイナーな存在かと思います。

「FP」に限らず初期の「Fシリーズ」は仕舞い込まれたままだと
まともに動かなくなっている個体が多いような気がします。
どこかが破損しているわけではなく固着等で動けなくなるのですね。
今回の「FP」も巻上できずシャッター切れず…という状態です。
幕位置から判断するとチャージはされておらず
巻上がロックされたままできない状態のようです。
まずは底板側から巻上部の様子を見てみると
かなり錆びついている箇所も多くこれはまずまともに動かすだけでも
かなり苦労しそうです。
後からわかりましたが巻上だけではなくシャッター幕軸
スローガバナー、ミラー駆動部等々
あちこちで固着が起こっておりなかなか大変な状況でした。

露出計がないせいもあり造り自体は非常にシンプルなカメラです。
とはいえ、フォーカルプレーンの一眼レフですから
それなりの構造ではありますが…
特に巻き戻し側の露出計や表示板が鎮座するスペースに
なにもいないのでちょっと寂しいような気もします。
プリズム周りにはまだモルトプレーンが使われている時代ではなく
加水分解を起こさないコルクが緩衝材として使われていますが
この時代になるとモルト云々ではなく
プリズムの蒸着自体が脆いので
残念ながらやはりプリズムは腐食しています。
FX/FP/FT系のキレイなプリズムは入手が非常に困難なのですが
今回は何とか確保できているので交換で対処します。
あとはひたすら各部の動きがスムーズになるように
洗浄・清掃・錆落としに最小限の注油です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「海外旅行の日」だそうですよ。
「遠(10)くへ行く(19)」と読む語呂合わせからだそうです。
もうとっくの昔にパスポートも切れちゃってるし
海外旅行はもう縁がないかな…あまり興味もないですし…
サラリーマン時代は報奨旅行や写真旅行で
海外(…とっても比較的近場ばかり)に行くこともあったけど
もうわざわざ海外にまでは行かないでしょうねぇ…
安心して気軽に旅行できる国内のほうがまだ興味が湧くかな…
…というか私、関東住みになってなんだかんだで
20年以上になるのですが
都内も含めてまだまだ行ったことないところが
近場で山ほどあるのですよねぇ
もう今の私には海外ところか日本国内でさえ広すぎるし
もっと身近に行けるところをしっかり楽しみたいかな…
でもそれさえも時間が取れなかったりで
なかなか実現しないのですが…
あんまり引きこもり気味なのも問題なので
たまの休みにはもう少し出歩きます。
でももう近場で十分です(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
やはりなんだかんだで依頼件数の多いカメラです。
このブログにも定期的に頻繁に登場します。
オリンパスはOIMシリーズだけに限らず
軽量コンパクトなカメラが得意なメーカーです。
さっとイメージできるだけでもOMシリーズを始め
ペン・ペンF、XA、トリップ35…
小ささが売りのカメラがたくさん存在します。
一般的な他メーカーのカメラより小さく造るために
各所にいろいろな工夫もされていて
構造的にも非常に独自性の強いカメラばかりです。
OM-1も例外ではなくシャッターや巻上
露出計連動…いろんな部分に他のメーカーでは見られない
構造が多く見られます。
そのため分解整備にはそれなりに慣れもノウハウも必要です。
調整や組み立てにコツが必要な部分もあり
なかなか大変なカメラです。
その上で小さく作るためにやはり若干華奢な部分もあり
他の一回り大きい堅牢さが長所のカメラに比べると
定期的に整備が必要な部分も多々あります。
それでもやはりこのコンパクトさと動作音の小ささ
そして独特の気持ちよい使い心地は魅力的です。
「OM以外の一眼レフは使う気になかなかなれない」と言われる
お客様もたまにいらっしゃいますが
その気持ちはわかるような気がします。

お預かりしているOM-1は
一通りは動作しているのですが
長らく使いっぱなしの状態とみられ
シャッターの精度、特に高速シャッターに問題があり
せっかくきちんと露出を測って設定しても
うなく写真に反映されないような状態です。
とくに1/1000、1/500だと
シャッターの両端で露光ムラが起こっており
写真の片側端が暗くなってしまうような状態です。
ミラー駆動部やスローガバナーにも少々動作不良が見られます。
定番のプリズム腐食はないものの
モルトは全滅でやはり全体的に整備の必要な状況です。

比較的後期のOM-1です。
もちろんMD対応で上画像を見てもわかりますが
露出計SW部がOM-1Nと同様の構造になっています。
それ以外にも初期・中期のOM-1とは
細かい部品もずいぶん変更されており
互換性のない部分も多いです。
今回は特に重要な部品の交換等は不要かと思われますので
問題はございませんが
部品の破損等があり交換が必要となると
生産時期によって部品が異なる場合も多く注意が必要です。

まだ上カバーを外しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ニコンFフォトミックFTNのカメラ修理

今日は「貯蓄の日」だそうですよ。
うーん、耳の痛い話題かも。。。(苦笑)
お金はたまりませんねぇ。。。
まぁ一人でやってる個人事業主で
手間仕事ですから稼ぎなんて知れてます。
そりゃなかなか貯まりませんよ。
まぁ私は独り者でもういい歳なので
自分が食えるだけ稼げればとりあえずは大丈夫ですし
働けなくなったら朽ち果てるしかないですな(笑)
まぁそうならないように
健康に気をつけながらできる限りがんばります!

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンFはまずアイレベルファインダーが基本形で設計開発され
後から露出計内蔵の「フォトミックファインダー」が
開発されたのだと思われます。
当初から露出計内蔵を念頭に開発されたF2フォトミックとは異なり
やはりデザイン的に後付け感が少し目立ちます。
それでもこの時代に当初から開放測光を実現し
最初は外光式だったフォトミックファインダーも
「フォトミックT」でTTL測光となり
「Tn」で中央部重点測光となり
さらに今回の「FTN」で開放F値補正操作(いわゆるガチャガチャ)も取り入れ
着実に使いやすく進歩しています。
やはり露出計は内臓が便利ですし
まずはTTLでないと正確性にも利便性にも欠けますものね…
特にPLフィルター等を多用する方はTTLでないと不便かと思います。
しかしながら「Fフォトミック」に使われている
内部摺動抵抗の抵抗体は材質的に剝がれやすく
露出計が不安定なものは抵抗体が剥がれかかっているものが多いのです。
その場合は残念ながら当店では修理不能となってしまいます。

お預かりしている「ニコンFフォトミックFTN」も
露出計が少々不安定なのですが
心配される抵抗体の状態は比較的良いと思われます。
これであれば抵抗体の軽い清掃と調整で何とかなると思われます。
ただ全体的にはかなり動作不良を起こしているところも多く
何とかシャッターは切れるのですが
高速シャッターの精度は全く出ておらず
スローシャッターは1/8以下で完全いシャッターが開いたまま
固まってしまうような状況です。
スローガバナーは結構強烈に固着してしまっているようです。
そうそう致命的な破損や故障は起きない「F」ですが
さすがに油切れや汚れ等による動作不良は
放置されていれば避けられません。
全体的にリフレッシュしてやる必要があるようです。

フォトミックファインダーの露出計やプリズムに関しては
どうしても脆い部分もございますが
シャッターや巻上、ミラー駆動部等の機械的動作部分においては
いつどの個体を見ても「さすが”F”だなぁ」と感心させられるほど
丈夫に精度高く造られています。
最初の「F」が発売されて既に60年以上経過していますが
各部品のクオリティはやはり高く
油切れや汚れのせいで動きが悪いことは起きても
部品そのものが変形したり劣化してるものは
水没品やショック品、粗悪な分解品以外ではまず見られません。
まさに当時の技術で最高のモノを
作り上げていることがよくわかります。
しっかり清掃して最小限の注油を行い
それぞれの駆動部が動きやすいように手助けを行い
各部を入念に調整してやれば
まだまだ現在でも全く問題なく使用できるカメラです。

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オリンパスペンFのカメラ修理

10月15日~21日は「新聞週間」で
その期間中の日曜日が「新聞配達の日」とされているのだそうです。
新聞配達。。。もう大昔の話だけど
10代の頃に少しだけバイトでやったなぁ…
朝刊だけならまだ良いのですが夕刊配達もセットだったので
小間切れに拘束時間が長くって
すぐに辞めてしまいましたが…
朝は3時半からチラシ折り込み作業があるんですよねぇ
なかなかしんどかったなぁ(笑
当たり前に毎朝新聞が来るのがスゴイことなんだとわかって
当時は感心しました…
いまや新聞もメディアの多様化でなかなか厳しいとは思いますが
新聞に限らず紙のメディアの良さもあるとは思いますけどね
確かに情報を受け取るだけなら
ネットにPCあるいはスマホで十分なのですが。。。
こういうのも時代の流れですねぇ
その新聞配達のバイトをしている頃には(80年代半ば)
こんなに情報が何でも気軽に手に入ることなんて
想像もできていませんでしたね(苦笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ペンFのおかげで「ハーフ判一眼レフ」というジャンルが
比較的国内ではそれなりに認知度のあるジャンルですが
世界的に見るとまずハーフ判自体が日本国内でしか
盛り上がっていなかったこともあり
「ハーフ判一眼レフ」というのはかなりレアな存在です。
それも既存の一眼レフの構造から流用したものではなく
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かした
構造をしている「ペンFシリーズ」は
正に孤高のハーフ判一眼レフだと思います。
いつも書きますが
その独特なファインダー光路と
そのおかげでペンタ部に出っ張りのないデザイン
スチルカメラではめったにお目にかかれない
ロータリーシャッターの採用
もちろんハーフ判ならではのコンパクトなボディに
コンパクトな交換レンズ群
どれをとっても他に類ずるものがない存在だと思います。
そういう意味からも「ペンF」というのは貴重なカメラだと思います。

ただし非常に独創的な構造をしている上に
やはりコンパクトさを最優先に作られているだけあって
製造から60年近く経過した現在となっては
動作不良も起こりやすくなっていると思われます。
やはり大きさに余裕のある通常の大きさの35mm判一眼レフに
比べると部品の堅牢性も少し劣る部分も見られます。
それでもその上で実現されている
この独特な構造のカメラはそれだけでも魅力は色あせないと思います。

お預かりしている「ペンF」は
これも「ペンF」の定番トラブルともいえる
「ミラーアップしたまま固着」という状態です。
シャッター側の動作不良が原因である場合と
ミラー駆動部側に問題がある場合、両方考えられるのですが
今回はミラー駆動部の動作不良が原因かと思われます。
ミラー駆動部もペンF以外ではまず見られない構造で
動作する仕組みになっており
ここが経年劣化もあり動作不良を起こしやすいのです。

とにかくバラシて動きの良くなる処置を入念に行います。
部品洗浄して最小限の注油を行います。
シャッターユニット側にもやはり動作不良が見られ
さらにトラブルの多いガバナもしっかり整備を行っていきます。
キチンと整備が行われた「ペンF」は
ダブルストロークらしい非常に軽やかな巻上が行えます。
こうしてみるとやはり「ペンF」は
通常の一眼レフとは全く異なる魅力をたくさん持ったカメラですね。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「きのこの日」だそうですよ。
まさに旬真っ盛りですねぇ…
やはり王様は「まつたけ」ですよねぇ
いろいろな味わい方がありますが
個人的にはシンプルに「焼きマツタケ」が好きですねぇ…
味は「ほんしめじ」も負けずに美味しいですよ
こちらも高級品ではありますが
「まつたけ」ほど高価ではないですし。。。
私はきのこ類全般どれも好きなので
もっと日常的に入手できる
シイタケでも十分です。。。鍋物には欠かせないですよねぇ
これが日本酒に合うのですよ
軸も旨味が濃くて歯ごたえもあっていいのですよねぇ
あぁ、マイタケの天ぷらとかもいいですね
もう頭の中がきのこでいっぱいになってしまいます
今日の晩酌のお供はとりあえずきのこ関連にします!
あ、その前におやつに
「きのこの山」も買ってこよう。。。(笑

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ機械制御シャッター機を代表するカメラですね。
1966年発売のカメラでミノルタ初のTTL測光機でもあります。
開放測光に対応するためにこのカメラと同時に
レンズも絞り連動が追加された
MCロッコールレンズにモデルチェンジされました。
測光方式がCdSを2個配置し上下に分割した
CLC(コントラスト・ライト・コンペンセーター)であること以外は
さほど目立ったスペックでもないのですが
ミノルタらしい使い心地の良さと高い信頼性が魅力のカメラです。
この後に出てくる「SR-Tスーパー」や「SR505/101」も
基本的な構造は「SR-T101」をベースとしていて
基本設計がかなり優れていたことがよくわかります。
「SR-T101」としても7年間生産が続けられた
ロングセラーモデルでもあります。
ヒット商品な上にロングセラーでもあるので
現存台数も非常に多く保管状況によって
コンディションは千差万別ですが
基本的にはかなり丈夫なカメラなので
未整備のモノでもとりあえずは
シャッターだけは切れる…というものも多いと思います。
しかしながらも元々が丈夫なだけに動きにくいところを
健気に動作しているだけの場合も多く
精度も狂っていて何だかしんどそうに動いている個体を見ると
ちょっとかわいそうになってきますね…

お預かりしている「SR-T101」も
長らく使われていない状態だと思われます。
比較的元気にシャッターは動作していますが
やはり幕軸に油切れの兆候もあり
動作音も少々耳障りで高速シャッターの精度も出ていません。
低速シャッターはガバナが粘り気味で
こちらも不安定です。
加えて露出計は電池を入れても露出計・BC共にまたく動きません。
電池室には腐食の跡も見えず
裏側の配線も比較的良好なのですが
ハンダに劣化があり電流が流れない模様です。
SR-T系はハンダ劣化によるトラブルが比較的多いカメラなので
他の箇所も含めてハンダ付けは全てやり直します。


プリズムに直接CdSを貼り付けているような構造で
これでプリズム腐食が多いカメラだと大変なのですが
SR-T系はプリズム腐食が少ないカメラで助かります。
ファインダー枠周りには結構モルトが使われているのですが
プリズムに接する面には使われていなのですよね。立派です!
プリズム前面に緩衝材は貼られているのですが
これもモルトではなく劣化しにくい素材が使われています。
これがX系になると、ここもモルトが貼られてしまい
それが原因で「XE」や「X-7」は大半の個体が
プリズム腐食を抱えてしまっています。
SR-T系は長く使うことを考えても
非常に良いカメラだと思います。
まだまだ分解途中なのでこれから本格的に整備を進めていきます。

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