ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「立冬」ですねぇ
秋が極まり冬の気配が立ち始める頃なので「立冬」とされています。
確かに随分冷え込んでくるようになりましたねぇ
晩秋のこの気温と空気感は個人的には非常に好きですが…
で、立冬に関連して今日は「鍋の日」さらに「鍋と燗の日」とされています。
寒くなってくると鍋が美味しいですし
具材さえ買って来れば簡単にできますものねぇ
〆の雑炊まで考えると一人だと簡単に3日分くらいになりますし…(笑
で、鍋にはやはりに日本酒が合いますねぇ
季節柄、やはり熱燗…個人的にはぬる燗くらいが好みですねぇ
鍋と言えば季節柄も手伝ってやはり牡蠣ですね!
今年も広島から美味い牡蠣をお取り寄せしなければ!!!
さらに最強の食中酒と個人的に思っている
呉の名酒「雨後の月」も!!!

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたM42マウントの一眼レフです。
元々は既に発売されていた「AP」や「K」の普及機として
発売されたカメラですが
後に当たり前の装備となった「一軸不回転式シャッターダイヤル」を採用し
機能的には上位機種以上の使いやすさを持ったカメラです。
シャッタスピードこそ1/500までですが(後期では1/1000も搭載)
その高機能と大幅にお求めやすくなった価格もあり
かなりのヒット作となったカメラです。
SP以前のカメラなので露出計こそ搭載されていませんが
当時の元々精度の甘い上に劣化の心配な露出計を使うよりも
「露出計は外部で現在のモノを…」と割り切れば
そこは短所にならないと思います。
シンプルで扱いやすくM42マウントでレンズの選択の幅も広い「S2」は
現在使ってもなかなか良い選択だと思います。

ただし…今回もそうですが
SPより前のペンタックス機はとにかく問題はシャッター幕です。
今回もガチガチにシャッター幕が硬化しており
先幕は何とか動作はするもののまともには走り切らず
後幕はもはた一切出てこないような状態です。
後で幕交換時に確認できましたが
後幕はリボンが2本とも切れていて何も引っ張られない状態の上に
幕の一部は切れかかっていました…これでは動くわけもありません…
「AP」「K」「S2」「S3」「SV」このあたりは
過去に幕交換が行われていない限りは
もはや幕交換が使用するための大前提となっていると思われます。

外した状態で写っているのは先幕で
後幕はリボンが切れてぶら下がっている状態です。
当然ながら幕交換はそれなりの重作業です。
露出計回路もなくシャッター、巻上、ミラー駆動部、ファインダーと
一眼レフとしてはシンプルなカメラなので
比較的幕交換を行うカメラとしては楽なほうですが
それでも張替え後の調整も含めてかなり大変です。
しかしながらシンプルなカメラ故に
幕交換を行うということは幕軸のメンテも当然行い
全ての駆動部の清掃整備を行うわけなので
キチンと行えば機能的にも精度的にも
非常に良い状態にすることができます。
さすがに金属部品も劣化も多少はありますが
それでも当分の間は何も心配なく使える状態になります。
しっかり整備されたアサヒペンタックス系一眼レフは
M42マウントレンズのボディとして
非常に頼りがいのある相棒となりうると思います。

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キヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが完成したことが由来だそうです。
そのアパートは「上野倶楽部」という名前で
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートだったそうです。
上野公園に隣接しており、洗面所・浴槽・電話は共同でした。
実際に住んでいた人たちの職業は
公務員や会社員、教師が主で、独身者はおらず
日本人だけでなくロシア人やフランス人の外国人も住んでいたのだそうです。
結構な高級アパートだったのでしょうねぇ
それまではいわゆる「長屋」ですよねぇ
私も生まれ育った実家が昔ながらの賃貸の長屋でした…
今考えるとあれはあれでいろんなところに古き良き趣が…(笑
私は独り者ですし、この先もずっと
気軽に住み続けられる賃貸アパート在住だと思いますが
気軽さ故に数年に1回、無性に意味もなく引っ越したくなるのですよねぇ
きっと何かをリセットしたいのだと思いますが…(苦笑)
思い立つたびに本当に引っ越していては
明らかに「引っ越し貧乏」への道へ一直線ですし
今の仕事や環境を考えるとそう簡単に引っ越せるわけがないと
冷静になると落ち着くのですが
たまにやたらとネットで不動産情報見てしまいます。
それも近所じゃなくて縁もゆかりもない地方のモノを…(笑
まぁもちろん現実的ではないのですが
地図と併せて見ているだけでちょっとした気分転換にはなるかな

さてさて

本日は「キヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットQLと聞けば小型化された「ニューキヤノネット」や
「G-Ⅲ」を思い浮かべる方も多いと思いますが
今回は「ニュー」より前のタイプで
初代キャネットから流れをくむちょっと大柄な
「キヤノネットQL17」です

社会現象になるほどの大ヒットを記録し
コンパクトカメラの歴史を大きく変えたと言って良い
「初代キヤノネット」のデビューが1961年
その後、少し風変わりな廉価版「キヤノネットジュニア」が追加され
1964年には実質的な後継機の「キヤノネットS」が発売されます。
さらにその翌年の1965年に
「キヤノネットS」をベースに当時のキヤノンカメラの
お家芸ともいえる「QL(クイックローディング)」を搭載し
登場したのが今回の「キヤノネットQL17」です。
初代と比べて大きな変更点をあげると
まず巻上は底部トリガー式から一般的な上カバー部巻上レバーになりました。
そして露出計はセレン光電池を使用するものから
CdS使用のモノへと変更され、それに伴って電池が必要になっています。
レンズもキヤノンレンズSE45mmF1.7になっています。
シャッタユニットは変わらずコパル製を搭載します。
初代と同じく基本的には露出計連動の
シャッタースピード優先オートで撮影するカメラですが
マニュアル露出も露出計はオフとなりますがしっかり使えます。
この時代のコンパクト機なので現在の感覚で
コンパクトと言うにはかなり大柄ですが
その分しっかり造られていて信頼性も高いのです。
当然、修理する立場からすると内部スペースに余裕もあるので
整備性も高く調整も行いやすいカメラです。
CdS使用になったことで露出計・オートの調整も行いやすくなっています。

お預かりしている「キヤノネットQL17」は
ご依頼者様のご実家でかなり長い間仕舞い込まれていたようです。
使っていた頃はかなり丁寧に扱われていたと思われますが
いかんせん仕舞い込まれてからは誰にも触られることもなく
長い時間を経過してしまったようです。
シャッターを始めとしてあちこちで固着が起こっていて
まずはスムーズに動けるように整備を行わなくていけませんが
それに加えてちょっとマズかったのが
当時の水銀電池をそのまま入れたままで仕舞ってしまったことです。
水銀電池はガスを発生し液漏れが起きなかったとしても
周りの金属部品を腐食させます。
今回も電池自体も真っ黒に腐食してしまっており
電池蓋の一部は腐食により破損、
電池室周りの端子・接点・配線は全て全滅です。
この辺りは一部は代用品で交換、配線は全て交換
使えそうな部品も徹底的に磨きこんで腐食部分や緑青を落とします。
行うことはシンプルですがなかなか手のかかる作業です。


初代ではシャッターユニット部のASA設定やSS情報を
露出計側に伝える機構が
少々調整の厄介なデリケートな造りだったのですが
QL17になってそのあたりも改善されています。
初代もそうですが指針抑え式SS優先オートの
お手本のような造りをしています。
見た目にも制御はわかりやすく調整機構や
露出範囲外の場合のシャッターロックも非常によくできています。
さすがはキヤノンですねぇ

電池室まわりの処置がひと段落したら
シャッターや巻上、オート制御機構の整備を行っていきます。
普通に撮影に使えるのはもちろんですが
なるべく違和感なくスムーズに取り扱えるように
しっかり仕上げていきます。
ご依頼者様はこのカメラを使うのは
きっと初めてなのだと思いますが
気持ちよく使っていただければと思います。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「いいりんごの日」だそうですよ。
「いい(11)りんご(5)」と読む語呂合わせからだそうです。
そのまま食べても甘くて美味しいですし
アップルパイも美味しいですよねぇ
でもりんごと聞くと一番にイメージしてしまうのは
ばあさんが作ってくれるお弁当にいつも入っている
「うさぎさんりんご」ですねぇ(笑
消化を助けるから良いとその当時から言われていて
お弁当の隅に必ず入っていたのですよねぇ…
品種もたくさん存在しますが
私たちが普段口にする「西洋りんご」は
1871(明治4)年に日本に伝わってきたものだそうです。
現在の生産量は青森県が57.9%、長野県が19.4%、となっており
この2県で全国の77.3%を占めているのだそうです。
青森県で栽培されているりんごの品種は
「ふじ」が5割を占め、次いで「王林」「ジョナゴールド」「つがる」が
それぞれ1割程度となっています。
やっぱり「ふじ」のイメージが強いですねぇ
世界的にも最も多く生産される品種なのだそうです。
あと「陸奥」や「紅玉」もよく見かけるような気がします…
旬はまさにこれから冬にかけてですよねぇ
こうやって調べながら書いていると
やたらとりんごをかじりたくなってきました(笑
大丈夫かな…歯ぐきから血が出ないかな…
(このCMをリアルタイムで見て
知っている人ももう少ないですよねぇ)

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
こちらも懐かしの宮崎良子さんのCMでお馴染みのカメラですね…(笑
1980年に発売されたこの時代に多い
「絞り優先オート露出専用」のエントリー機です。
上記のCM効果もあり大ヒットしたカメラです。
各社「絞り優先オート専用で4万円」というカメラを
ラインナップして熾烈な販売競争を繰り広げていましたが
(ニコンEM、オリンパスOM10、ペンタックスMV1等々)
X-7は間違いなく成功したカメラだと思います。
シルバーボディとブラックボディのX-7が存在しますが
単純にボディカラーが異なるだけではなく
ブラックボディのほうにはグリップが付けられ
ファインダースクリーンもミノルタ自慢の
明るい「アキュートマットスクリーン」が装備され
販売価格も数千円高く設定されていました。
どちらののボディカラーも現存台数は多いのですが
このカメラもミノルタ定番のプリズムの前部に
モルトが配置されているカメラで現存している個体のほとんどが
プリズム腐食を起こしているものが多いです。
比較的新しい(それでも40年経過していますが)こともあり
電子制御回路自体は安定しているものも多いと思います。
ただし基本的にはエントリークラスで
使っているプラ部品の強度が足りない部分等も散見され
部品の破損を抱えたままの状態の個体もよく見かけます。

お預かりしているX-7は
心配されるプリズム腐食はなくファインダーの視界は
いくつか汚れやゴミの混入があるものの
比較的良好です。
しかしながら今回は動作が全くダメな個体です。
よくわからないままに分解した形跡があることは
受付時からわかってはいるのですが
この分解の影響もあり
シャッターが切れたり切れなかったり
切れても勝手にセルフタイマーモードになってみたり
露出計はほぼ正常に反応しているのに
シャッターが開きっぱなしになってみたりと
なかなかハチャメチャな動きをする状態です。
それでもある程度、こちらで分解して判明しましたが
前回分解時の処理が悪いことが主な原因で
電子回路には問題ないようです。
とりあえず一安心です。
さらに前回の分解とは関係なく
過去にかなり派手に電池の液漏れを起こしたことがあるらしく
電池室周りにかなり腐食が進んでいます。
電源が入らないほどではないのですが
電圧はかなり不安定です。

まだ分解整備に取り掛かったばかりの状況ですが
これからさらに分解を進めて一通りの整備を行っていきます。
プリズム部のモルトは案の定劣化が進んでおり
このままあと数年放置していれば
確実にプリズムが腐食してしまう状態でした。
もちろんこちらも処置を行います。

ところでミノルタカメラに刻印されるロゴは
X-7販売中に小文字をベースとしたものから
大文字をベースとしたデザインに変更されました。
現存するX-7の多くは古い小文字のロゴのものが
多いのですがそれほど数は多くはないですが
大文字のものも存在します。
今回も大文字の新しいロゴの個体ですね。
当店に入ってくるものは比較的大文字の個体が多いですね。
小文字ロゴはいかにも60~70年代のイメージですし
大文字ロゴはモデル名の書体も相まって
80年代のイメージを個人的には強く感じます。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「かき揚げの日」だそうですよ。
そばやうどんに乗せることの多い「かき揚げ」…美味しいですよねぇ
でも実は「かき揚げ」の乗った「天ぷらうどん・そば」を
身近に感じたのはこっち(関東)に来てからなのですよねぇ…
ちょっと詳しくどうなのかはわからないのですが
広島在住時代(今から20年くらい前)までは
「天ぷらうどん・そば」というと
乗せられているのは「かき揚げ」ではなく
「海老天」が当たり前だったのですよね…
で、こっちに来て「天ぷらそば」(ちょっとこっちのうどんは未だに苦手)を
頼むと、ほぼ間違いなく「かき揚げ」が乗ってくることに
ちょっと戸惑った記憶があります…
「かき揚げ」も美味しいのですが…
うーん、やっぱりうどん・そばには「海老天」が最強かな!(笑
海老天乗せは「海老天そば」で別にちゃんと用意されていることも多いので
そちらを頼むことも多いですねぇ…
「箱そば」の「海老天そば」食べたくなってきたな…(笑
うどん・そばに良く乗せられる
芝海老や野菜がいろいろ混ざった「かき揚げ」も美味しいですが
昔、実家でたまに出てきた玉ネギだけで揚げた
「かき揚げ」が好きだったなぁ…
ほんのり甘くって美味しいのですよねぇ…
自宅で天ぷらはなかなか面倒だから
ちょっといい天ぷら屋さんにでも行きたいなぁ…

さてさて

今日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
あれ???ついちょっと前にも「FT」の修理ブログ書いた気が…
以前も「最近FTの修理が多い」って書きましたが
かなり頻繁にFTの修理をしているような気がします…
逆に最近めっきり「FTb」を見ないですねぇ…
以前は「FTb」のほうが多かったのに…
いずれにせよ、キヤノンFシリーズの中核をなす
主力機種です。FLマウントで絞り込み測光の「FT」に
FDマウントで開放測光対応の「FTb」ともに
使いやすく質感も高い良いカメラです。
やはりこの「FT」から始まった
コンデンサレンズ内のハーフミラー配置及び
コンデンサレンズ背後へのCdS配置による
中央部部分測光が構造的にはハイライトです。
マニュアルでの露出決定方法がある程度分かっている方なら
視野の中で輝度差の激しい難しいシチュエーション時に
「中央部重点測光」より「中央部部分測光」のほうが
使いやすいと思います。
露出計以外の部分はFXを基本とする
よく考えられたシャッター&巻上構造で
本来はキヤノン機らしい歯切れの良いシャッター音を
聴かせてくれます。
ですが…今回の「FT」もそうですがシャッター幕軸の
動作不良を抱えている個体が多く
未整備のモノは濁ったノイジーな
シャッター音を響かせている個体が多いのも事実です。
こうなっていると当然ながらシャッタースピードの精度も出ていません。
「Fシリーズ」のシャッターは幕ブレーキに問題を抱えているものも多く
ちょっと整備にコツも必要ですが
大概の場合、しっかり整備すれば
再び歯切れの良いシャッター音を聴かせてくれます。

キヤノンFシリーズはどれもそうですが
プリズムの腐食がかなり多いカメラです。
上の画像でも確認できますが
今回もとてもそのままでは使い物にならない程
プリズム中心縦方向に大きな腐食が出てしまっています。
特に「FX」「FP」「FT」は交換用の
キレイなプリズムの確保が難しく
毎度頭を抱えるところなのですが
今回はご依頼者様の方で比較的腐食の少ないプリズムを
ご用意いただいたためそれと載せ替えることで対処します。
あまり気にならないレベルで腐食の少ない「FT」は
本当になかなか見つかりません…困ったものです。
FTは露出計のSW構造で前期・後期に分けることができ
絞り込みレバーと連動して露出計SWがon/offされるのが前期で
後期は基本的に露出計のSWは常にonとなっていて
絞り込むことによって明るさに応じて正しい位置に指針が動きます。
ただ、バッテリーチェック時の「ASA100/シャッタスピードX」の
位置だとBCを巻き戻し部レバーでonにしない限りは
露出計もoffとなります。
FT後期を使っている方で
電池消費が気になる方は知っておいていただければと思います。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッター周りの動きを改善していきます。
その後、ミラー駆動部・巻上機構整備
ファインダー清掃、露出計調整と一通りの整備を行います。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
「文化の日」の由来は
平和と文化を重視した日本国憲法が公布されたことを記念してとのことですが
日本国憲法がこの日に交付となったのは
この日が明治天皇の誕生日であることが理由でもあるようです。
個人的には「文化の日」と言えば
私の生まれ育った呉市の「小祭り」の日で
私の実家から最寄りの「平原神社」でお祭りが行われ
神輿に太鼓や笛、「やぶ」が町を回り昔は
1日中賑やかでした。
「呉の小祭り」の話をし始めると
止まらなくなりそうなので話をかえますが
「文化の日」にちなんで今日は
「レコードの日」、「文具の日」、「まんがの日」
「ビデオの日」、「クラシックカーの日」等々の
文化的なジャンルの記念日が制定されています。
この中で一番縁があるのはやはり「レコードの日」ですかねぇ
オーディオマニアではないですが
レコードは昔から買い集めたものが大量にあるので
レコードを聴ける環境だけは未だにキープしています。
アナログ盤の音は趣があってよいですよ。
一時期は新しいレコードなんて全く出ることがなかった時期もありましたが
最近は新譜や復刻盤がレコードで新しく出てくることも多く
嬉しい限りです。
フィルム写真もレコードと同様に何とか生き残ってほしいものですねぇ
「フィルム写真文化の日」とか制定されてもいいですよねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
70年代~80年代の一眼レフ普及機クラスを
まさに牽引としたともいえる「キヤノンAシリーズ」の
一号機でもあり全ての「Aシリーズ」の基本形ともなるカメラです。
1976年4月に発売されました。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラで
これ以降のカメラの電子化・自動化への道筋を付けたカメラだと思います。
TTL開放測光によりシャッタースピード優先オート露出を搭載します。
それまでの「SS優先機」というと
露出計の指針を物理的に挟み込んで連動する絞りを設定する形式でしたが
それを完全に電子制御で行います。
中身や生産ラインの効率化もますます進み
同様の機能を持つ前モデル「キヤノンEF」に比べ
300点もの部品を削減しています。
価格もFD50mmF1.4s.s.c付きで81,000円と戦略的で
AE-1の登場によりまたもやついてこれなくなった
一眼レフメーカーの撤退が相次ぎ淘汰されていきます。
こう書くとバリバリの電子制御の塊の最新鋭機種とも感じられますが
確かに当時の最新鋭ですが
中身を見るとフレキは採用されているものの
まだまだ機械的制御も多く残っていたりします。
一番それを感じるのはSSダイヤルから摺動抵抗に連動する
「連動糸」がまだ残っていることですかね…
A-1になるとこういう部分もなくなっていくのですが
なかなか機械的部分と電子制御が絶妙に組み合わされた構造になっています。

基本的に電子制御部分は意外に丈夫にできていて
妙な分解品で電子部品をショートさせたり
フレキを切ってしまわない限り
電子制御部に致命的なトラブルが起こることは少ないカメラかと思います。
もちろんこれからさらに経年劣化が進むと
何とも言えない部分がありますが
現存している未整備の個体でそれほど致命的な問題が起こっている個体は
少ないのではないかと思われます。
電子制御カメラは電子部品そのものの問題より
それに関連する接点や機械的連動部、シャッターを制御するマグネット部に
関連するトラブルが多くを占めると思われます。
今回お預かりしているAE-1も電池を入れると
電源は入り露出計も動作するのですが
どうにもシャッターが切れない状態です。
結論から言うとマグネットの固着が原因でした。

マグネット及びそれに関連する接点の清掃で
シャッターは安定して切れるようになったものの
定番のシャッター鳴きやオート時の絞り制御の不具合
さらに露出計も不安定とやはりそれなりのトラブルは
いくつか抱えてしまっている状態でした。
しかしながらどれも積年の汚れや油脂類の経年劣化によるものがほとんどです。
分解して隅々までキチンと清掃し
動きやすい環境を整えた上で機械的・電気的な調整を行えば
安定した動作を取り戻すことができると思われます。
A-1まで機能が膨らむとなかなか難しい部分もかなり増えるのですが
AE-1はある意味、シンプルな部分も多いので
この類のカメラとしてはかなり丈夫なほうに入ると思います。
しっかり整備してこれからも長く楽しんでいただけると思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「いい血圧の日」なのだそうです。
「いい(11)けつあつ(two=2)」(いい血圧)と読む
語呂合わせからだそうですが…だいぶ苦しいな(苦笑)
でも私もそれなりの年齢になってからは
血圧にはかなり気をつけています。
高血圧が引き起こす病は
動脈硬化からの脳梗塞・脳出血、心筋梗塞等々
命の存続に直結する重篤なモノばかりですものね…
一時期少し血圧高めなこともありましたが
すぐに対処したのがよかったのか
ここのところは比較的良好な値をキープしています。
50歳過ぎると1日数回の血圧測定はもはやルーティンですねぇ(苦笑)
でも血圧ってほんのささいなことでも数値は激しく上下するので
何が正解なのかわからなくなるのですよねぇ
私は糖尿病持ちでもあるので血糖値も小まめに計測していますが
ここ数年は普段の食生活もそれなりに節制しているので
どの数値も比較的落ち着いています。
まぁあまり長生きできるとは思っていないですが
ギリギリまで元気に仕事できていないと
まともに生活できないですからねぇ
生涯現役が貫けるように気をつけて頑張ります!

さてさて

本日はペンタックスMEのカメラ修理を行っています。
「ペンタックスMシリーズ」の基本形ともいえるカメラですね。
1976年12月発売のカメラです。
シリーズのコンセプトである
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」に
忠実に沿ったカメラです。
絞り優先オート専用機ということで
機能はかなり絞り込まれてはいますが
軽快な操作感ややはりそのコンパクトさがかなり魅力的です。
人気も高くヒット作となり現存する台数も多いのですが
コンディションは千差万別です。
ME系のカメラで定番なトラブルはミラー駆動部のゴムブッシュ劣化による
「ミラーアップしたまま固着」というものが有名ですが
対策を行ってしまえば直るトラブルでもあります。

今回お預かりしているMEはミラーの動きも問題なく
精度はともかく一通り動作はしているのかと思ったのですが…
いやいや、なかなかそうはいきませんね…
露出計のチェックを行うと
設定・明るさに全く関係なく常に「OVER」が表示された状態で
シャッターも最速(1/1000)でしか(オート時)切れません。
CdSからの信号が断線かなにかで全く来ない状態かと思われます。
これはなかなか厄介な状況かと思われます。


基板内異常があると正直なところ相当苦しい状況なのですが…
調べてみたところ基板内に問題はなさそうで
やはりどこかのハンダか接点かで接触不良が起きているようです。
シャッターユニットやミラー駆動部の整備を並行して行いつつ
電気的な整備も行っていきます。
おそらく何とかなると思われます。
分解品でフレキが切れたり破損している個体は問題外ですが
普通に扱われているME系はそんなに致命的なトラブルを
抱えている個体は少ないと思います。
キチンと整備してやれば多くの場合は快適に使えるようになると思います。
今回もこのままではとても撮影できる状態ではありませんでしたが
快適に使える状態に仕上げてご依頼者様にお渡しできればと思います。

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コニカC35フラッシュマチックのカメラ修理

まぁ今日は「ハロウィン」ですね。
私が子供の頃には
まだ「ハロウィン」を祝う習慣は
なかった時代なので
全く持って縁がありませんな(苦笑)
とりあえず今日は渋谷はもちろんのこと
(まぁ渋谷に行く用事なんてめったにありませんが)
人の集まりそうな繁華街に近づくのは避けましょう
「ハロウィン」はまぁ置いておいて
今日は「日本茶の日」だそうです。
やはり何でもないときに通常飲む飲み物は
「日本茶」が落ち着きますね。
仕事中もお昼と午後3時には少し甘いモノを飲みますが
それ以外はお気軽なお茶パックですが
「緑茶」を飲んでいます。
「日本茶」とは、日常の会話で用いられる用語で
茶の植物学的な分類として定義された言葉ではなく
「日本のお茶」つまり「日本で作られたお茶」あるいは
「日本でよく飲まれる種類のお茶」と言った意味合いの言葉だそうです。
ほとんどの日本茶は不発酵茶である緑茶であり
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
緑茶の多くは、蒸すことで加熱処理をして
酸化・発酵を止めた後、
揉んで(揉まないものもある)、乾燥させる製法をとります。
この方法は日本独自で発展したものであり
世界的に見ても製茶過程で「蒸し」という工程が
行われている国は他に類を見ないのだそうです。
普通に飲むお茶も美味しいのですが
たまに無性にただ緑茶をかけただけの
「お茶漬け」が無性に食べたくなるのですよねぇ(笑
これに菜っ葉(野沢菜や広島菜)の漬物が合うのですよねぇ…

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
最初のコニカC35が1968年の発売ですが
その3年後の1971年にフラッシュマチック機構が搭載されたモデルです。
それ以外は基本的に最初のC35と大きな違いはありません。
C35はコンパクトカメラ界を大きく変えたカメラだと思います。
それまでのレンズ一体型のカメラは
それほど小さなものは多くなく
逆にちょっと大きめで重いほうがしっかり丈夫に造られているということで
売れていた状況だったのです。
それがこのC35が「じゃーに~コニカ」の愛称で
旅行等にどこにでも気軽に持ち歩ける小さなカメラというジャンルを確立し
大ヒットに結びつけたわけです。
C35以降の各メーカーのレンズ一体型のカメラは
C35のヒットに習って
それまでは大きめのボディだったものも次々と小型化が進められていきます。
ハイマチックやキヤノネット、エレクトロ35あたりもそうですね。
ただ単純に小さいだけではなく
プログラムシャッター+プログラム露出を搭載することにより
撮影も簡単・気軽にできるカメラでもあります。
加えてコンパクトなボディにマッチングの良い
ヘキサノン38mmF2.8レンズの写りの評価は非常に高く
距離計も搭載されており気軽で簡単なだけではなく
キチンとした写真がしっかり撮れるカメラでもあります。

大ヒットしたモデルで現存する台数も多く
修理依頼も多いカメラですが
やはり使いっぱなしで未整備な個体も多く
さすがに50年以上経過するカメラなので
そのままでは問題を抱えているものも多い印象です。
今回お預かりのC35もまず光漏れが起きていることと
距離計のズレ、露出計の精度もいまひとつで
シャッター羽根に若干の粘りがあるようです。
やはり全体的に整備の必要な状況です。


このタイプのコンパクトカメラは
フィルム室の遮光を大量のモルトに頼っている場合が多いです。
今回のこのC35もそこはどこかで気づいて
どなたかがモルトの代わりに腐食しない素材の
遮光材を貼ってはいるのですが
いかんせん厚みが足らない上に貼り方も悪く
光線漏れが起きてしまっている状態でした。
やはりここはモルトプレーンをしっかり正しい場所に貼り
劣化が起きればまた交換する(10年くらいは平気だと思いますが)という
スタンスが正解かと思います。
モルト以外の部分もこれからしっかり整備して
各部がスムーズに動くように整備を行っていきます。

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ヤシカミニマチックSのカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ
日付の由来は2005(平成17)年のこの日に
雲南市で「第1回日本たまごかけごはんシンポジウム」が開催されたことと
この時期はたまごの品質が良いと言われており
また美味しい新米が出回る時期でもあることからだそうです。
TKG美味しいですよねぇ~
もともと白米大好きななので大好物です!
ここのところお米は糖質制限の関係もあり
朝だけしか食べないようにしているのですが
ごはんのお供はたいていが野沢菜(本当は広島菜がいいのですが)と
はごろも煮で軽く食べて最後はたまごかけごはんです!
私はシンプルにお醤油だけですが
いろいろな具材を入れる方も多いのですよねぇ…
ちょっと調べてみると…
海苔やネギ、かつお節、ゴマ、納豆、鮭フレーク、
豚肉、キャベツ、チーズ、ごま油、キムチ、塩こんぶ、バター…等々
中には「うーん???」と思うものもありますが
ごま油に海苔とネギなんて合いそうですねぇ…
ちょっと試してみようかな…

さてさて

本日は「ヤシカミニマチックS」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
それほどメジャーな機種ではなく私も見かけることはあまりない機種ですが
大ヒットしたヤシカリンクスの派生モデルと言えるカメラです。
リンクスはセレン光電池使用の露出計を搭載する
マニュアルカメラですが
ミニマチックSはもっと簡単に撮影ができるように
考えられたカメラで
シャッターをコパルユニーク・プログラムシャッターに変更し
セレン式露出計と連動したプログラム露出専用機となっています。
通常のプログラム露出時には2枚羽根のシャッターが
絞りを兼ねる方式となります。
コニカC35やオリンパス35DCあたりと同様ですね。
フラッシュ対応の為、SSは1/30固定で絞りを単独で設定することもできますが
この場合のみ、シャッターとは別個の絞り羽根を使用します。
こちらも2枚羽根です。
基本的にプログラムオート露出で使用するカメラなので
セレンがもしダメであればいきなり修理不能です。
お預かりの時に入念に確認したのですが
精度はともかくとしても何とか露出計は作動はしている様子です…
これであれば何とかなるか…ということでお預かりしました。

かなり長い間、仕舞い込まれていたカメラと思われ
セレンは生きているもののその他にいろいろと問題は抱えています。
まずシャッター羽根には粘りが見られ
明らかに動きが鈍いことが目視でもわかります。
レンズにもそれなりにカビが見られます。
加えて最大の難点は
ファインダー距離計二重像がほぼ見えません…
室内で照明等の光源を見ると何とか確認できるという程度で
とても通常のピント合わせが確認できる状態でありません
さらにファインダー全体もかなり曇っています。
これは二重像やブライトフレームをファインダー内に映し出す
ハーフミラーの劣化が原因と思われます。
既にハーフミラー蒸着部がかなり激しくカビ等で曇っています。
そのためブライトフレームや二重像が見えないのですが
これを清掃しようとすると間違いなく
蒸着部は剥がれてしまいハーフミラーが
ただの素通しガラスになってしまいます。
残念ながらもうこのハーフミラーは使用不可な状態です。
キレイなハーフミラーを切り出して移植する方法で
対処していきたいと思います。

ファインダー部の現状は確認しましたが
ハーフミラー移植は後で行うとして
これからシャッターユニットの整備からまずは取り掛かります。
ボディサイズが余裕のある大きさなので
整備性はなかなか良好なカメラです。
鏡胴の塗装色がありがちなシルバーではなく
ちょっとグレーがかった色でなかなか質感も高く良い感じです。
レンズをヤシノン45mmF1.8を搭載します。
レンズのコンディションもそれほど悪くなさそうなので
清掃後は存分に良い写りを楽しむことができそうです。

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リコー35のカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうです。
ホームビデオと言っても
8mmや後に普及するVHSとかではなく
VHSやβより以前に開発された「U規格」で
ソニー・松下電器・日本ビクターが参画した
世界初の家庭用VTRの規格です。
それが1969年のこの日に発表されたのです。
これ以前のVTRはいわゆるオープンリールで
8mmとかも家庭用に存在しましたが
とても家庭で気軽に楽しめるものではありませんでした。
(そういえばオープンリールの8mmも
幼いころに家にあったなぁ…)
しかしながらこの「U規格」も
テープ幅は3/4インチ(後のVHSは1/2インチ)
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mmで
非常に巨大であったことから
「ドカベンカセット」などの通称もあった。
ちなみにVHSのカセットテープ寸法は
188×104×25mm…え?意外と変わらんな…(苦笑)
残念ながらこの「U規格」は一般家庭に普及することはなく
本格的なホームビデオの普及は後のVHSやβ登場まで待つことになります。
それも今や昔の話で今やビデオテープそのものが
過去の遺物ですものね…もはや記録メディアは据え置きならHDD
記録媒体は光ディスク、
持ち歩くならSDカードあるいはマイクロSDカードの世界ですものねぇ
これもリアルタイムで体験した
VHS登場の当時からするととんでもない進歩ですよねぇ…

さてさて

本日は「リコー35」のカメラ修理を行っています。
リコー35シリーズはいわゆるレンズ固定型の
レンズシャッター搭載距離計カメラです。
1954年に最初のリケン35が発売され
翌年に改名し搭載するリケンシャッタの最高速が
1/100→1/200になった「リコー35」が発売されます。
そして同時にその「リコー35」をベースとし
当時の最高級宇シャッターユニット
「セイコーシャラピッドシャッター」を搭載し
さらにレンズもF3.5からF2.8へスペックアップした
「リコー35セイコー付き」が発売されます。
今回のカメラはこの高級版とも言える
セイコーシャラピッド搭載の「リコー35」です。

発売から67年が経過するカメラであり
さらに今回の個体はおそらく数十年に渡り
使用されていないものとみられます。
特徴的な底部トリガー式の巻上レバーの先端部は
欠落しており中古部品から補充いたしました。
シャッター羽根や絞り羽根にもかなり粘りが見られましたが
羽根自体には破損等がなかったのは不幸中の幸いです
ファインダーやレンズはできる限りの清掃で
コーティング等に劣化は見られますが
かなりクリアにすることもできました。
何とか快適に使える状態に仕上げられたと思います。

最初のリケン35もこのリコー35も
レンズは富岡光学製で非常に評価の高いレンズです。
経年の劣化はあるにしても
写りにはかなり期待できると思います。
セイコーシャラピッドは最高速1/500で
現在のカメラとあまり変わりなく使うことができ
独特の操作性やルックスも使っていて楽しいカメラだと思います。
ご依頼者様には存分に楽しんでいただきたいと思います。
これから最終的なテストを行い
もんだいなければ完成となります。

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コニカオートレックスのカメラ修理

今日はこれといってネタになるような
記念日がないですねぇ
で、過去の10月28日にあった出来事を調べてみると…
1972年に中華人民共和国との国交恢復を記念して
日本に贈られた雌雄2頭のジャイアントパンダ
「カンカン」「ランラン」が上野動物園に到着した日で
ちょうど50年の節目ですね!
さすがに当時、私は3歳なので詳しくは覚えていませんが
パンダと言えば「カンカン」「ランラン」で
連日テレビでも大ブームだったのは覚えています。
もちろん私はそのときは広島・呉在住ですし
東京・上野動物園なんて雲の上のような遠い世界でしたが…(笑
昨日から松坂屋上野店ではパンダ来日50年を記念して
当時と同じように記念のアドバルーンを揚げているようです。
30日まで揚がっているそうですよ。
アドバルーンも懐かしいですねぇ
えっと…現在の上野動物園のパンダは…
2005年中国生まれのリーリーとシンシン、
2017年上野生まれのシャンシャン
去年ニュースを賑わせた2021年6月生まれの
シャオシャオとレイレイですね。
言われてみれば上野動物園も20年近く行ってないなぁ…
平日空いてそうな日にフラッと行ってみなくては…

さてさて

今日は1965年発売の「コニカオートレックス」の
カメラ修理を行っています。
いわゆるARマウントの最初のカメラです。
これが後のFTAやオートレフレックスT3、Acom-1の先祖となるわけです。
外光式のCdS露出計を装備し
それと連動するシャッタースピード優先オートも装備します。
これを実現するためにレンズマウントは新開発となったわけです。
ARレンズの「AR」はオートレックスの頭文字でもあります。
さらにこのカメラの特徴的な機能といえば
やはり35mm判、ハーフ判を切り替えて使用可能な点ですね。
それもフィルムの途中でも切り替え可能です。
ただ、35mmフルサイズとハーフが入り混じった撮影済みフィルムは
現像はともかくスキャンやプリント時にはいろいろ制約もあるはずなので
写真屋さんに預ける場合には要確認だと思います。
コマ重なりを防ぐため35mm判→ハーフ判の変更は巻き上げてから
レバーで切り替え、ハーフ判→35mm判への変更は
レバーで切り替えてから巻き上げします。
ここには注意が必要です。
シャッタースピード優先オートはコニカお得意の
露出計指針挟み込み方式の為もあり、
シャッターレリーズのストロークがかなり深くなっています。
ここも少々慣れが必要な部分かと思います。

このオートレックス、いろいろな機能が満載で
面白いカメラではあるのですが
その分、いろいろなトラブルも起きやすいカメラだとも言えます。
特に露出計関連や巻上関連にトラブルの多いカメラです。
プラスチック部品の使用も意外と多く
その部分の劣化の為に部品入手不可で修理不能になる場合もございます。
搭載されるシャッタユニット・コパルスクエアは
他にもいろいろなカメラに搭載され
信頼性の高いユニットですが今回はそのシャッターにも問題があるようです。
今回のオートレックスはお預かりした時点で
ミラーアップしたまま固着した状態でシャッターは切れなかったのですが
ミラー駆動部の動作不良で固着している上に
シャッター羽根の錆や汚れもかなり酷く
できる限り分解してひたすら錆を落とし清掃する作業が必要でした。
さらに電池室のプラスチック部品は破損しており
接点の固定もままならない状態で
ここも何とか代用部品等で何とか機能する状態に改善していきます。
さらに装着されている52mmF1.8レンズのカビ・汚れも酷く
こちらも入念に清掃していきます。

細かく書き始めるとキリがないくらい
いろいろな処置を行ったのですが
何とかシャッターの精度も露出計の精度も確保できて
オート露出も安定して動作するようになりました。
巻上も切替も含めて問題なく動作します。
レンズや外観もできる限り清掃しました。
これであれば安心して気持ちよくお使いいただけると思います。
モデル名がペンタ部に刻印されているのは
それだけこのモデルにメーカー側にも思い入れがあるのだと思います。
コニカの記念碑的なカメラでもあるので
ご依頼者様には存分に楽しんでお使いいただければと思います。

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