今日は6月2日ということで
「路地の日(6・2)」だそうです。
昔ながらの小さな路地や裏道って
何ともいえない生活観の溢れた雰囲気が良いですよね。
自転車すら入れないような細い路地や
長屋の裏を通るような路地
石を積み上げた不揃いの階段
どれも子供の頃は格好の遊び場になりました。
まだ生まれ育った田舎町に行けば
結構当時のまま残っていたりするのですよね。
今度、呉に帰ったときには
そういうのも今のうちに撮っておこうかな。。。
さてさて
本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカは国産初のカメラを発売したカメラメーカーでもあり
国産初のカラーフィルムを発売したフィルムメーカでもあります。
2003年にはミノルタと合併し「コニカミノルタ」となり
2006年には残念ながら写真関連分野から撤退ということになりました。
今回のコニカⅢは1956年の発売で
コニカ初の135フィルム使用カメラであるコニカスタンダードを源流とした
レンズ固定式のレンズシャッター機です。
このⅢからセルフコッキングが採用され
使い勝手が格段に向上したモデルです。
総金属製で大きさの割りにずっしりと重いですが
そのレトロなデザインと高い質感で
現在でも人気のカメラです。
レンズはヘキサノン48mmF2を搭載し
シャッターユニットはセイコーシャMXLです。
お預かりしている「コニカⅢ」は
このカメラ。。。というよりレンズシャッター機であれば
定番のシャッター羽根粘りが発症しています。
羽根に油が滲み出てしまい固着してしまう症状です。
シャッター羽根粘りは単純にレリーズしても
シャッターが開かない、或いはシャッター羽根が
ゆっくりとしか動かない。。。などの症状なのですが
シャッター羽根粘りが起こっている個体は
高い確率で絞り羽根の粘りも発症しています。
今回も絞り羽根にも粘りが見られました。
絞り羽根が固着、あるいは絞りリングが動きにくい場合は
決して無理して絞り操作をしてはいけません。
単純に油や汚れで粘っているだけであれば
清掃で解決できますが
絞り羽根は無理に動かしていると
絞り羽根を留めているピン(ダボ)が破損する場合も多く
そうなると修理の工数は格段にかかることになります。
コニカⅢは特にダボが破損した個体を見かけることも多いので
未整備のⅢをお持ちの方は
そのあたりもよくチェックしてみることをお勧めします。
シャッター羽根や絞り羽根には油シミですが
他動作部分は逆に油切れで全体的に動きがイマイチでした。
距離計二重像にもズレが見られました。
全体の整備一式を行い軽快に動作するようになりました。
招き猫のようなレバーを2回押し下げて
チャージと巻上を行いますが
この操作も何とも楽しいカメラです。
実は私も個人的に1台持っています。
最近出番があまりありませんが
整備しているとまた持ち出したくなりました。
冒頭のお話ではありませんが
こういうカメラを持って路地とかを歩くとかなり楽しそうです。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。