月別アーカイブ: 2021年5月

ニューキヤノネット28のカメラ修理

今日は語呂合わせで「ごみゼロの日」。。。で
それに関連して「古民家の日」なのだそうです。
古民家の再利用や古材の活用を推進したいとの想いから
「ごみゼロの日」と同じ日にしたということと
「こ(5)みん(3)家=おうち(0)」の語呂合わせということです。
今はネットで何でも調べられるから
私も一時期。古民家に住んでみたいなぁ…と思っていろいろ調べたのですね
古民家は程度によっては比較的気軽に買えそうな価格のものも
存在するのですが、そういうものはまず修復が大変そうです。
それ以外のものも含めて維持費は相当にかかりそうです。
そして何よりも若くて体力があればともかく
いちいちいろいろなことに手間がかかり
当たり前ですが立地が非常に不便です(苦笑)
。。。よく言うじゃないですか
歳とったら田舎でのんびり暮らしたいとか。。。
それ実際に歳とってくるとわかりますが
都会生活に慣れた身体は田舎に簡単には適応できないと思います。
人間関係だってなかなか面倒そうですよ(苦笑)
私だったら強いて言えば生まれ育った呉くらいであれば
何とか暮らしていけるかもしれませんが
未知の田舎に住むなんてもう無理ですねぇ(汗)
風通しの良い縁側とか囲炉裏のある古民家に
あこがれはあるのですが現実はなかなか厳しいようです…
まぁ私はこの仕事をしている限り
東京から離れることはまずないとは思いますが…(笑

さてさて

本日は「ニューキヤノネット28」の」カメラ修理を行っています。
初代キヤノネットの登場は1961年で
当時から大口径レンズにシャッタースピード優先オート搭載の
レンズ固定式カメラという点では基本的に
シリーズを通じて共通です。
ただ時代が進むにつれて小型は当然のように進んでいき
1969年のニューキヤノネット系の登場で
機能はそのままに大幅に小型化されます。
今回の「ニューキヤノネット28」も
いわゆる「ニュー」になってからの派生モデルです。
基本的にはボディは「ニューキヤノネットQL17」のものをベースとして
レンズが40mmF2.8に変更され
露出はマニュアルが不可(フラッシュモード時にSS固定で絞り変更は可)となり
プログラムオート専用となりました。
SS設定も含めてカメラにお任せということです。
さらにQL(クイックローディング)も省略となっています。
本流のキヤノネットをよりシンプルに仕上げたカメラという感じです。
スペックに余裕のある40mmF2.8レンズの写りが
個人的には非常に気になります。

お預かりしているニューキヤノネット28は
長らく使われずに仕舞い込まれていたもののようで
いくつかの問題を抱えています。
まずはこのカメラはプログラムオート専用機なので
露出計がきちんと作動していないと
まともに露出ができませんが
新しい電池を入れても
全く露出計が動きません。
電池室内は一見キレイなのですが
お預かり時には古い水銀電池が入ったままになっていたので
電池室裏側端子や配線が
断線状態になっているのではないかと予想されます。
シャッターは一応切れてはいます。
レンズ後玉にはかなりのカビが確認でき
ファインダーもずいぶん曇ってしまっています。
さらに巻き戻しクランクは一部破損していて
クランクつまみ部分が脱落してしまっています。
もちろんモルトは全滅です。
露出計周りが一番大きなトラブルですが
それ以外にも一通りの整備を行わないと
まともに使えない状態です。

ニューキヤノネット系共通の
凝縮感のある良いデザインです。カッコ良いですね。
まだ現状を確認しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
キチンと整備して気持ちよく使えるようになれば
このコンパクトさも相まって
どこにでも連れていける良い相棒となると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「こんにゃくの日」だそうですよ。
由来はこんにゃくの種芋の植えつけが5月に行われることと
「こ(5)んに(2)ゃく(9)」と読む語呂合せからだそうです。
食物繊維が豊富なことと低カロリーなことが有名ですねぇ
でも、普段はそんなに食べる機会は少ないかな。。。
「おでん」の季節だと「板こんにゃく」は外せない定番ですね!
子供の頃は煮物のおかずにやたらとこんにゃくが入っていたような気がします。
で、子供の頃はあまり好きではなかったのですよねぇ
でも、ばあさんに
「こんにゃく食べると体の中の砂が出ていくから食べなさい!」って
よく言われていました。
ただ、子供心に「いやいや、普段砂食べるわけじゃないし
身体の中に砂ないでしょ?」と思っていました(笑
砂。。。というよりは
体の中の老廃物を体外に出す作用があるのですよね。
こんにゃくもどちらかといえば大人になって
お酒飲むようになってから好きになった食べ物ですね
やはり「おでん」だと思うのですが
子供の頃は「だいこん」と「こんにゃく」は
あまり進んで箸をつけなかったです。
それがお酒飲むようになったら
「だいこん」と「こんにゃく」が
すっかり主役クラスになってしまいました(笑
でも今も昔もおでんの具の王者は
「牛赤身スジ肉」と「牛アキレス」です。(地域性でますね)
もう、どちらもたまらなく美味しいです!

さてさて

おでんの定番は「牛すじ肉」や「こんにゃく」、「だいこん」ですが
当店でカメラ修理の定番と言えばやはり「オリンパスOM-1」です。
今月も何台か行っていますが
カメラ自体が人気なことがまず依頼数の多さに繋がっているのだと思います。
前回も書きましたが
この大きさと作動音の静かさを実現したのは「OM-1」が最初です。
現在から遡ると同じような、あるいはOM-1よりもコンパクトな
一眼レフはないこともないですが
それらは実際にはOM-1よりずいぶん遅れて登場したカメラです。
さすがにこの軽量コンパクトさを実現するにあたり
当時の他メーカー一眼レフに比べると
少しばかりデリケートな部分だったり数十年経過した今見ると
少し華奢な部分もありますが基本的にはしっかりできたカメラなので
きちんと整備さえ行えばまだまだ現役で使えるカメラです。

お預かりしているOM-1はMD対応前の前期型です。
フィルム室のスタッドは2本のタイプで
圧板もそれに合わせて横長のタイプです。
でも内部を見るとOM-1の前期途中で省略された
「低照度自動警告スイッチ回路」が組み込まれているのですね。
このあたりはどのタイミングで省略されていくのか
なかなかはっきりわかりませんね
プリズムの留め具や巻上レバー等は
中期以降のOM-1の仕様です。
中身や外装の仕様はともかく現在の状況は
まず定番於プリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの間に当たる部分に
しっかり劣化したモルトが貼り付いて
プリズムの蒸着をすっかり」剥がしてしまっています。
もうこれはプリズム交換で対応するしかありません。
加えてやはり高速シャッターの精度は全く出ていません。
ただこれは単純に幕軸や底部3連ギアあたりの
動きが少しずつ悪くなっているだけと思われますので
安易にテンション調整などは行わず
まずは本来のテンションで軽く動けるように
各部を清掃して古い汚れを落としていくことから行います。
加えてこれも定番ですが
露出計がまともに動きません。
全く動かないというわけではなく
電池を入れてSWをオンにして
明るいところに向けると指針は反応するのですが
明るさは変わらないのに針が上に行ったり下に行ったり
踊ってしまっているような状態です。
回路をチェックしてみると
やはり電池室からのリード線は腐食気味で
ハンダ付けも劣化しており安定して導通していません。
電池室~SW部への配線交換で対処した上で調整を行います。

画像でもプリズム腐食がはっきり見えていますね。
現状と原因、対処法がだいたい決まったところで
これから本格的に分解整備を行っていきます。
いくつかトラブルは抱えていますが
原因ははっきりしていますしOMでは定番のものばかりなので
それほど大変な状態ではありません。
これがトラブルシューティングを行いながら
分解するような事態になるとOMは本当に大変です。
今回はそんなことにはならないかとは思いますが
油断は禁物なので慎重に整備を進めていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「花火の日」だそうですよ。
1733(亨保18)年のこの日に
隅田川の両国橋付近で水神祭りの川開きが行われ
慰霊を兼ねた花火が打ち上げられたそうです。
この年は第8代将軍・徳川吉宗の治世で
全国的に凶作に見舞われ、大飢饉になったうえに
コロリ(コレラ)が大流行して多くの死者が出ました。
この犠牲者の慰霊を兼ねて打ち上げられた花火は
やがて庶民の楽しみとして定着したのだそうです。
コレラではないですが
コロナのせいで昨年から打ち上げ花火関連は
残念ながら良い話がありませんね。
典型的な人が密になるイベントですし
今後もなかなかムzkしくなると思われます。
私が昔、広島にいた頃は毎年のように
現地に見に行っていた「宮島水中花火大会」も
昨年・今年だけでなく、当面企画そのものが中止になりました。
いつかはまた復活してほしいものですねぇ
そうしたら何とか時間作って宮島に渡って鑑賞したいものです。
花火撮影も一時期はかなりこなしましたが
夜景とか星空とはまた異なる撮影方法が必要です。
まず明るいうちにピントは無限遠にセットして
テープか何かで固定しておきます。(特に大口径望遠レンズは注意)
花火は思ったよりも強烈に明るいので
ISO100のフィルムの場合で絞りはF8かF11にセット
シャッターはバルブで打ち上げのタイミングに合わせて
レリーズしますが一度、シャッターを開いたら
いくつかの花火が重なって写るように開きっぱなしにしておきます。
(一発ずつでは写真上で寂しいので)
この時、間隔が空くようだったら
あらかじめ用意しておいた黒い厚紙でレンズをふさぎます。
(余計な光が映り込まないように)
で、どのくらい重ねるかはもはや「勘」です。
あまり重ねすぎると重なった部分は真っ白に飛んでしまいます。
相反則不軌の問題やいつの間にか余計な光が入ったりするので
あまり長時間一コマ開けっ放しは良くないかとも思います。
そして慣れてくるとその中で
わざとピントをぼかした花火を入れたり
花火が開いてる最中にズーミングとかをして
幻想的な写真を狙って写していきます。
まぁ、慣れるまではわけがわかんないうちに終わります(笑
私もある程度思ったように撮れるまでに
かなり時間がかかったような記憶があります。
もう今は無理だろうな…長らくそんな撮影していません(汗)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売の「キヤノンAシリーズ」第一号となるカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載機で
従来の電子制御機と同等以上の性能を
コンピュータで実現し、部品も300点以上削減することに
成功したのだそうです。
その部品削減や組み立て作業の効率化は
もろにコストに跳ね返り
AE-1は当時の最新のカメラでありながら
FD50mmF1.4SSCの大口径標準レンズを付けて
81,000円というリーズナブルな価格で売り出されました。
当然のごとく大ヒットしました。
キヤノンはこういう節目節目でブレイクスルー的なカメラを
登場させ市場を一変させたことが過去にもありました。
初代キャノネットが登場したときですね。
その時ほどではないにしてもAE-1の登場は
他の各メーカーにかなりの衝撃を与えました。
キヤノネットの時と同じく
AE-1登場後にカメラの高機能化・高効率化についていけなくなった
メーカーが随分と35mm判一眼レフ市場から
撤退・縮小したと思います。

そんな当時は革新的なAE-1も大ヒットしたせいもあり
現存数は多く、市場価値的にはそれほど高くはありません。
おまけに電子カメラの常で壊れたまま放置されている
個体も多いのではないかと思われます。
確かに無茶な分解等をした個体には修理不可のものも良く見かけますが
自然に電子回路が壊れるなんてことは
それほどないのではないかと思います。
ただ、接点の汚れとか電池の入れっぱなしによる腐食とか
そういうトラブルは多いかと思われます。
さらにすべてのAシリーズのベースとなるAE-1ですので
当然のことながらAシリーズ共通の定番トラブルである
シャッター鳴きは多発します。
これも放っておくと異音だけではなく
ミラーがだんだん上がらなくなり
最後にはシャッターそのものが切れなくなる…ことにもなってしまいます。
登場から45年。。。さすがに未整備でも動作OKとは
いえなくなる時期でもあると思います。

お預かりているAE-1は保存状態は決して悪くなく
持病であるシャッター鳴きはほとんど起こっていません。
ただし、これもAE-1の泣き所ですが
電池室蓋のロック機構が破損しており
電池室が閉まりません。
さらに高速シャッターはさすがに精度不良で
露出計・オートはかなりオーバー目(+2.5段)と
やはり全体的に整備を行わなくてはならない状況です。
もちろんせっかく分解するので
持病のシャッター鳴きの予防処置も行っておきます。

シャッター優先AE時の絞り制御も行うので
ミラーボックス周りはかなり複雑になっています。
シャッター鳴きはこのミラー駆動部のギア部の油切れが原因ですが
ミラーを挟んで反対側にある絞り制御部も
動きが重くなっていたり異音が出ている場合が多いので
必ず清掃注油を行います。
これをしていないと露出計が正しくてもオート制御がおかしくなり
まともに露出できないことになります。(オート時)
世界初のマイクロコンピュータ制御カメラですが
意外と機械的な部分はまだ多いカメラです。
何といってもSSダイヤル連動はまだ糸連動も残っていたりします。
そのため整備必須項目は意外と多く
調整もややこしいカメラです。
AE-1Pになると電子化がさらに進み
手を出しにくいところもずいぶん増えてきます。
ただしAE-1はフレキが意外と脆いので
経年劣化もあり取り扱いには細心の注意が必要です。
フレキが切れた分解品を目にすることも多いです。
もちろん今回の個体はそんな心配もなく
安心して使っていただける状態にできそうです。
これから本格的に整備調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「百人一首の日」です。
1235(文暦2)年のこの日に
公家・歌人の藤原定家によって
『小倉百人一首』が完成されたことに由来しています。
。。。「ちはやふる」っ競技カルタを題材にした
大人気コミック(アニメ化も実写化もされている)があって
数年前にめちゃくちゃはまって今でも読み続けています。
。。。で影響されやすい私は当然のごとく
「やってみたい!」と思って
今更ながら百人一首きちんと覚えようと思って
資料等々も出に入れたのですが。。。
あれから早くも2年。。。まぁ頭壊れたり
いろいろあったせいもありましたが
全く覚えられていません。
1/3くらいまでは覚えたのだけど
それも今や忘れそうです。
そろそろもう一度チャレンジしてみようかと思います
10代前半の頃ならこのくらいすぐに覚えられたし
その頃覚えたものはなかなか忘れないのになぁ
なんでその頃に覚えておかなかったのだろう(苦笑)
単に「かるた」がやりたいだけなら決まり字と下の句の一部だけ
とりあえず覚えればいいのでしょうが
いろいろ調べていると一句一句が非常に美しく
日本語が本来持つ美しさを感じられるし
その歌が詠まれた情景もわかってくるので
ちゃんと意味も踏まえて覚えてみたいなぁ。。。と考えています。
はてさて、いつのことになるのやら。。。(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
1973年に発売されたカメラです。
初代エレクトロからの流れを汲む本流があるとするならば
「GL」はその本流を受け継ぎつつも
時代に合わせて小型化されたカメラです。
「GSN」(基本的な部分が初代と同じ大柄なモデル)から
「GL」登場までに広角レンズの「CC」や目測の超小型の「MC」が登場しますが
これらはやはり派生モデルといった位置づけになり
本流の後継機はこの「GL」なのではないかなぁと思います。
電池もエレクトロ定番の「HM-4N」だし。。。(苦笑)
おそらくコニカC35等の小型で気楽に持ち歩けるカメラが
大ヒットしていることを意識せざるを得なかったのだと思いますが
超小型路線は「MC」に任せて
「GL」は「GSN」に比べると随分小型化されましたが
それでもある程度のボリュームは保っています。
エレクトロシリ-ズならではのF1.7大口径レンズを搭載するため
バランスを考えるとこのくらいなのかな…と思います。
「GSN」までは装備されていた「バルブ」がなくなっているので
夜景撮影等で長時間露光をする方には残念な仕様になってしまいました。
かなり少数派だとは思いますし
これまでのエレクトロのバルブは電子制御で電池もかなり消耗しますから
ないならないで問題ないかとも思います。
ただ、私の立場で言うと
レンズの状態がその場で確認しにくくなりました(苦笑)
他は基本的に従来のエレクトロと同じような仕様です。
いろいろ細かい変更はされていますが
相変わらずのコパルエレクシャッターで最高速1/500も変わりません。

お預かりしている「GL」はまず電源が安定しないようです。
同じ明るさの光源に向けていても
オートが効いてみたり効いてみなかったり…
バッテリーチェックも元気よく光るときもあれば
妙に薄暗かったり。。。
電池室は一見キレイで問題なさそうなのですが
電池室裏のハンダや配線に問題がありそうです。
さらにオートが効いているときは効いているときで
問題がないわけではなく異様にオーバ-目の制御をしているようです。
ASA100・LV15・絞りF16設定で1/125で切れて欲しいのですが
黄色ランプ(スロー警告)が点灯して明らかなスローシャッター(1/8)程度で
大オーバーだったかと思いきや
今度は同じ環境下で「赤ランプ」(露出過多)が点灯し
最高速(1/500)で切れてかなりアンダーなんてことになったります。
要は不安定でハチャメチャです。
接点や抵抗の汚れが原因ではないと思われます。
加えて元々妙に青くて暗めの「GL」のファインダーが
汚れて曇ってしまっていてさらに暗くなってしまっています。
これでは元々見えやすいとは言い難い「GL」の二重像が
かなり見えにくい状態です。
ここはできる限りの清掃でクリアにしていきたいと思います。
レンズもかなりカビが生えています。

まずはまともに動作しないと話にならないので
電池室からの配線交換とシャッター周りの接点の清掃や
シャッター駆動部の整備等を行います。
もちろん羽根洗浄やレンズ清掃も並行して行います。
結果から先に言うと
問題なく安定して適正露出が得られるようになりました。
やはり積年の汚れはかなり悪影響があったようです。
レンズは後玉のカビがかなり酷く
若干のカビ跡が残りましたが実撮影に影響はない程度だと思います。
ファインダーは問題なくクリアになりそうです。

エレクトロ35シリーズは初代から最終のGXまで
大人気!というほどではないですが
根強いファンが一定数いて
そのモデルもそこそこ人気があるのです。
やはり搭載されているレンズの良さによるものが大きいのでしょうね
私は前期だけではなくどのモデルも
妙に懐かしさを感じるそのボディデザインに非常に魅力を感じます。

今回の「GL」も何とか問題ないレベルに仕上げることができそうです。
エレクトロ35シリーズは稀に修理不能のものもあるので
ある程度、結果が予想できる状態になるまでは
毎回ちょっとドキドキものです(苦笑)

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「東名高速道路全通記念日」だそうですよ。
1969年のこの日に神奈川県足柄上郡大井町の
大井松田IC~静岡県御殿場市の御殿場ICが開通し
東京から小牧まで346kmにおよぶ
東名高速道路(東名高速)が全線開通したのだそうです。
うーん、私が生まれてから2ヶ月くらいなのですね
そう考えるともう随分昔の話ですねぇ
4年前の1965(昭和40)年に開通していた
名神高速道路(名神高速)とも小牧ICで接続し
東京と西宮の536kmが高速道路で結ばれ
関東・中京・関西を結ぶ日本の大動脈となりました。
私的にはここからがなかなか進まなかったイメージで
生まれ故郷広島が結ばれる「中国縦貫道」が全線開通するのは
1983年のことなのですね。さすがにこれはしっかり覚えています(笑
高速道路があるとやはり便利ですよね
私、今はクルマ持っていませんが
高速で100km先って言われてもそんなに遠く感じませんが
下道で100km先って言われたら「遠いなぁ」って感じますものね
。。。それよりも常時渋滞している平日昼間の都下23区内の
「20km先」のほうが遠く感じるかも。。。(笑

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のミノルタ中級機です。
このX-700の登場以降、ミノルタのマニュアルフォーカス一眼レフは
いわゆるX3桁シリーズになっていくのですが
X-700はオートフォーカスのαシリーズ発売後も生産し続けられ
登場から18年間に至って生産が続けられました。
まさにミノルタのマニュアルフォーカス機末期を代表するカメラです。
さすがに細部に渡ってコストダウンも行われ
外装はプラスチックとなりXDあたりと比べると
質感や巻上フィーリングでは劣る部分もありますが
内部の電子制御回路はかなり熟成され
XDやX-7に比べてもその安定性は段違いです。
さらにミノルタお得意のアキュートマットスクリーンは
さらに熟成されファインダー倍率の高さ(約0.9倍)も相まって
ファインダーのキレの良さ、ピントの山の掴みやすさでは
この時代のカメラ№1だと思います。
ミノルタ機は昔からファインダーの見やすさには定評がありますが
その頂点ともいえるのがX-700だと思います。
オーソドックスな横走り布幕シャッター機であり
XE、XDで採用していた縦走りをあえて手放し
横走り機をユニット化することにXG系で成功している
ミノルタらしい選択だと思います。
X-700はそのXG系からさらに進化したフレームとして
内部から根本的に新開発された新フレームです。
布幕横走りなのでSS最高速は1/1000とこの時代としては控えめですが
それよりも確実性・安定性を取ったのだと思われます。

非常に長く生産されたカメラなので
その程度やコンディションも個体によってバラバラです。
電子制御機としては安定して動作するカメラだとは思いますが
それでも回路上のトラブルで修理不可能なものも
中には存在します。
今回お預かりしているX-700はこれまで長らく普通に使えていたそうですが
撮影中にミラーアップしたまま戻らなくなったようです。
ミラーアップしたままなので電源周りがどうなのかも確認できません
X-700は緊急用の機械シャッターを全く持たないカメラなので
いったんトラブルと状態の確認もそのままではできないことが多いのです。
それでも何とか強制的にミラーダウンしてみると
電気的な問題はないようです。
機械的にシャッターが動作した後のミラーダウンが
上手く行えないことがあるようです。
多くの電子制御機がそうですが
トラブルの大半は機械的動作のトラブルです。
次に多いのは接点・マグネットの接触不良です。
致命的な回路上のトラブルはかなり少ないのではないかと思われます。
ただし、分解整備できるものこのX-700あたりが限界で
これより新しいものになるとファインダー内や
カバー部に液晶が採用され始めます。
こうなるとメーカーサポートのない現状ではもはや何もできなくなります。

まだ上カバーを外しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この時点での眺めで
ここからの作業が大変なことは容易に想像できるかと思います(苦笑)
今回はミラー駆動部、シャッター連動部の
機械的なトラブルが原因ですから
そこのメンテナンスができるところまでは最低でも分解します。
そこまでいくとシャッター幕軸の清掃整備もできますので
一通りの整備を行うことができます。
後から発覚しましたが高速シャッターの精度が
ずいぶん狂っておりその対処も行いました。
環境による個体差もずいぶんありますが
X-700はまだまだしっかり使えるカメラだと思います。
当店のツイッター等をご覧になっていられる方はご存じだと思いますが
私が最近、主に使っているのもX-700です。
使いやすくて大き過ぎず非常に良いカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「菌活の日」だそうですよ
菌活ってビフィズス菌とかそういうものかと思ったら
きのこの「菌」ですね
確かに「菌」っていう字は訓読みで「きのこ」なんですよ
「きのこ」は、菌そのものだけを食べる唯一の食材であり
「菌食材の王様」と呼ばれているのだそうです。
きのこかぁ~美味しいものが多いですよねぇ
マツタケ、ホンシメジ、シイタケ、エリンギ、
マイタケ、ブナシメジ、ナメコ、エノキ、ヒラタケ
単独で焼いたり茹でても美味しいし
いろいろな料理の具材としても美味しいですよねぇ
そういえば昔会社勤めだった頃に
私の周りにやたらと「しいたけ」が苦手だった方が多かったのですが
割と一般的にも苦手な方多いんかな?
確かに独特の食感と香りがありますよねぇ。。。
私も実は子供の頃、あの「ぬめらっ」とした食感が苦手で
その頃、大好きだった近所の出前のざるそばの薬味に
入っていたしいたけをよけてた記憶があります(笑
でも大人になるうちにいつの間にか大好物になったんですよねぇ
スープやみそ汁の中に入っていても美味しいし
鍋物の具材には欠かせないですよねぇ
肉厚なものは食べ応えもあって旨味のかたまりいですね!
あぁ。。天ぷらとかもいいですよねぇ
ちゃんとした天ぷら屋さんで目の前であげてもらった熱々を
日本酒と一緒にいただきたいですなぁ・・・
早く普通に外食できるようにならないかなぁ…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理です。
今月もOM-1が何台か入ってきています。
一般的な中古カメラ市場でも人気№1かと思われるカメラです。
当店での修理依頼台数も
ここ数年おそらくぶっちぎりのトップかと思われます。
軽量コンパクトで使い心地も良くて静かな一眼レフです。
最初の登場は「M-1」として発売された1972年です
意外と新しいといえば新しいほうですね。
同じ時代の他メーカはニコンはフラッグシップはF2で
中級機ではニコマートELが出た年ですね。
キヤノンはその前年にF-1が出て中級機はFTbですね
ミノルタはSR-T101の末期で翌年にSR-TスーパーやX-1が出てきます。
ペンタックスは前年にESが出て翌年にSPFやES2が出てくる頃ですね。
時代としては少しずつ機械制御オンリーの時代から
じわじわと電子制御のものも出てきている時代…といった感じです。
でも今あげた他メーカーの一眼レフはどれも
OM-1より圧倒的に大きくて重いカメラばかりです。
本当にこの軽量コンパクトさは
当時、度肝を抜くほどのインパクトがあったと思います。
他メーカができないことを実現しているわけですから
当然、独自性も高く、現行モデルの頃には問題なかったとしても
50年経過した現在ではさすがに経年劣化で
華奢になっている部分があるのも事実です。
その辺りも修理・整備依頼が多い原因かもしれません。

お預かりしているOM-1は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの隙間を埋めるように貼られたモルトが
加水分解を起こしプリズムの蒸着を剥がしてしまうことで
起こるトラブルです。
いったん剥離したプリズムは基本的には元に戻すことはできません。
幸いOM-1は腐食のない中古プリズムが手に入りやすいほうなので
当店では交換で対応いたします。
もちろんトラブルはそれだけではなく
これも定番ですが露出計が全く動きません。
今回のOM-1はいわゆる中期のMD対応モデルで
上カバーに「MD」のシールも貼ってある頃のものです。
この時期のものだと電池室の端子留めに
樹脂ネジが使われているものが多く
それが劣化で折れてしまい接触不良を起こすものが多いのですが
根気あのOM-1は樹脂ネジではなく金属ネジに絶縁スペーサーが
噛まされているタイプです。
しかしながら水銀電池が長く入れたままになった時期があったらしく
電池室端子のハンダは劣化しており
軽くリード線をピンセットでつまんだだけで切れてしまいました。
さらにこのリード線も中身に腐食が進んでおり
とても再ハンダだけで再利用できる状態ではないため
電池室⇒上部SWまでの配線は丸ごと交換します。
他、幕軸の汚れによる高速シャッターの精度不良等も見受けられます。

まだ分解途中での画像です。
これからミラーボックスを分離し
シャッター・巻上周りの整備と
配線の交換を行います。
いろいろデリケートな部分の多いカメラなので
毎回、何度同じことをやっていても
それなりの緊張感を感じながら作業を行います。
他のカメラでも同じような感じではありますが…
仮配線でチェックした感じでは
CdS等には大きな問題はないようです。
それだけでも少し安堵できますね(苦笑)

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFEのカメラ修理

今日は「世界亀の日」ということみたいです。
今日のような梅雨の(まだ関東は梅雨入りしていませんが)
間の晴れ間には池の石の上で甲羅干ししている亀が
良く見られますよねぇ。。。
あんな姿を眺めていると何とも癒されますね。
それにしても亀ってその甲羅があまりにも特徴的なために
他の爬虫類とは扱いがちょっと異なりますよね。
縁起物や長寿の象徴とされたかと思えば
動きの遅いものとして侮辱的な表現に使われたり
かと思えば動きが遅くても着実に進む
いわゆる「勤勉さ」の象徴として扱われたり
でも気持ちよさそうに日向ぼっこしている亀を見ていると
人間のそんなあれこれなんてどこ吹く風といった感じで
飄々とマイペースでいいですね
私も歩みの早い遅いは気にせずに
自分のペースで残り1/3くらいの(1/3もないかも?(汗))
人生を歩みたいものです(笑

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
FE/FMシリーズはニコマートシリーズを前身とする
ニコンの中級機シリーズです。
ニコマートの時代にはかなり大柄で重いボディでしたが
FE/FMにモデルチェンジされて随分スマートになりました
(それでもそれなりに重量感はありそれが堅牢性に繋がっていますが)
特にニコマートEL時代には電気系のトラブルも比較的多かった
電子制御周りはFEになって格段の進歩を遂げることとなり
信頼性・安定性という意味では全く別次元のカメラになったと思います。
ニコマート時代であればFTとEL、どちらかを…と言われれば
迷わずFT系を選びますが
FE/FMであれば少し悩んでFEを選ぶかな…と思います
(あくまで個人的好みです)
FMと比べてFEが有利なのはやはりそのファインダー内情報です。
二針式のアナログメーターは現在の設定と露出計が示す適正露出との差が
瞬時に見極めやすく露出補正やマニュアル時に
あえて露出をコントロールする際にも非常に使いやすい仕様です。
それに加え電子制御シャッターの恩恵で
絞り優先オート露出が使えるのはやはり便利です。
電子制御機ということでトラブルを心配されることも多いと思いますが
FEのトラブルの大半は機械的トラブルです
確かに稀に電子基板内トラブルで修理不可能な場合はありますが
その頻度はFMでLED制御の露出計が修理不可能になる頻度と
あまり変わらないほど少ないと思います
(ちなみにFMでLED制御周りがトラブルとほぼ修理不可能です)

お預かりしているFEは
まずシャッターが切れません。
電子制御シャッターだけでなくM90やバルブ(機械制御シャッター)も
全く動作しません。
…ということはに何はともあれ機械的トラブルを直さないことには
電気的トラブルがあるかどうかもわかりません。
とりあえずバッテリーチェックは点灯しますし
露出計も動作しているようです。
いろいろチェックしているとどうやらシャッターが切れない原因は
巻上軸が巻上完了後に元の位置に戻らないことが原因のようです。
そのためレリーズロックが解除されずレリーズできないのですね。
試しに底部ワインダーリンク部からコイン等で
強制的に巻上軸を戻してやるとシャッターがとりあえず切れました。
でもまた巻き上げると同じ状況に戻ってしまうため
巻上軸が汚れ等で粘っていることが原因のようです。
で、巻上軸を仮に応急処置した後に動作チェックを行ってわかったのですが
露出計の値はまずまず良いのですが
オート露出は1.5段以上アンダーのようです。
ネガであれば何とか救えるでしょうが
1.5段アンダーはあまりよろしくないですね
もちろん一緒に整備を行っていきます。
SSも全体的に少し早すぎるので(1/3段程度)整備の上調整を行います。

写真は一通りの整備が完了した状態で
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
巻上・レリーズは非常にスムーズに動作するようになりました
SS・オートも申し分ない精度を確保できています。
ただ、各部注油や接点・摺動抵抗清掃も行いましたので
少し時間をおいて動きが安定しているかどうか
様子見を行います。
この後、最中チェックと
必要であれば微調整を行い完成となります。
FEは電子的な部分とまだまだアナログ的な部分が
混じりあった時期のカメラですが
その程よいアナログ感が
何とも良い使いやすさになっているのではないかと思います。
フィルムカメラをこれから始める方だとしても
FEはお勧めできる1台です
ただししっかり整備・調整済みのものに限ります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「たまご料理の日」ということですよ
たまご料理。。。比較的簡単で身近なものが多いですが
奥が深くて美味しいものばかりですよねぇ
目玉焼き、玉子焼き、オムレツ、ゆで卵、茶わん蒸し、親子丼…
シンプルで美味いのはやはり「たまごかけご飯」でしょうか
麺類にもたまごは欠かせませんよねぇ
ラーメンに煮たまごはもちろんですし
うどんにも、そばにも、パスタだってカルボナーラは定番です
何でも卵でとじちゃえば美味しいですものねぇ
あ、忘れちゃいけない、牛丼やすき焼きにも欠かせません
こうやってみてみると
本当にたまごって毎日の食事に欠かせないですよねぇ
でもこうやって書いていると
やっぱりTKGが食べたくなりますね
(糖質制限中なのに。。。(苦笑))
熱々ごはんに卵の組み合わせは最強です。
あ、濃い味のたまごに少し醤油にこだわると
さらに美味しさがアップします
あぁ、いけん、いけん
年とってくると美味しいものは身体に悪いものだらけだ(汗)
。。。食べ過ぎなければいいのですけどね(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
最近、また修理依頼が多いような気がしますね。
いつも書きますが非常にオリンパスらしい独創的なカメラです。
ハーフ判でありコンパクトに作れることを最大限に発揮するため
ミラーは横置きとし光路も正面向かって左側に展開し
第二反射面にプリズムを使用しボディ上面で
第三反射面のミラーで折り返し
第四反射面の小プリズムとの間にルーペを置き
ファインダー像を拡大させます。
こんな構造のファインダーは他のカメラでは見ることができません。
さらにシャッターもめずらしいロータリシャッターを採用
パックマンのような一部が欠けたチタン製円盤状の
シャッター幕がくるんと1回転することにより露光されます。
何も抵抗を掛けずに1回転するのが最高速の1/500で
当然、最高速でも瞬間的に全開なので
全速でフラッシュがシンクロ可能です。
1/500以下のシャッタースピードでは全速で
ガバナーが介入しシャッタが全開した状態で一瞬動きを止め
シャッタースピードを調整します。
なのでSS調速機構はガバナーが生命線です。
巻上はストロークが短くて済むダブルストロークを採用し
整備済みの本来の状態だと非常に軽快な巻上フィールです。
これだけ独自性の強いメカニズムが詰まっていると
それだけで手元に1台持っておきたくなるカメラだと思います。
私も整備すれば使えるペンFを1台キープしてはいるのですが
整備して使うのはいつになるのやら…(苦笑)

お預かりしているペンFは
定番のミラーアップしたままになるトラブルですが
レンズを付けた時にだけその症状が出ます
それもシャッターが作動した後、ミラーダウンができないわけではなく
ミラーアップするだけでシャッター作動までに至りません
…ということはレンズ側の絞り固着ではないかと思ったのですが
今回はレンズ側の絞りは十分に軽快に動作していても
レンズを装着すればほぼ100%ミラーアップしてしまうようです。
ミラー駆動部のトラブルというよりは
ボディ側絞込レバーの動作不良のようです。
ここに少しでも抵抗がかかると(レンズ装着により)
もうミラーアップさせることだけでギリギリ精一杯で
シャッターを動作させるまでには至らないようです
どちらにしてもミラーボックス周りの清掃注油調整が必要です。
さらにシャッタースピード調整の生命線である
ガバナにも粘りがあるようで
スローシャッター時だと途中で止まりかけてしまうようです
高速時には今のところ問題はなさそうですが
これも放っておくと大きなトラブルに発展するので
今回の分解時にしっかりガバナやシャッター周りの整備を行います。

分解自体はそれほど難しくはないカメラですが
各部の整備調整はオリンパスらしくデリケートで面倒です。
これからシャッターユニットの脱着を行って
整備を行い再組立てを行ったのですが
今回の整備で少し重かった巻上も
ペンFらしい軽快な状態に改善することができました。
ここに関して言えばシングルストロークで
巻上角が大きくストラップ留め具に引っかかりがちな
FT・FVよりも「F」の方が数段快適です。
FT系はゴリゴリ感も強いですし…
再組立て後はミラーアップの症状はもちろん出なくなりました。
…とはいえ少し時間をおいて様子見してから
最終チェックを行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカミニスターⅡのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小満」です。
「万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ」と言われ
この頃に麦畑が緑黄色に色付き始めます。
人々の生活の糧(かて)である麦などに穂が付き
ほっと一安心(少し満足)という意味から
「小満」になったという説もあるそうです。
まぁ確かに都内でも梅雨入りはまだですが
毎日のようにシトシト雨が降り
いろんな植物が育ってきそうな気がしますね
。。。でもまだ5月なのです
もう少し五月晴れが続いてもいいのでは???
そんなことを思いながら
店の入り口から濡れた道路を眺めています。
静かな雨の日は外に出なければ意外と嫌いではないです(笑

さてさて

本日は「ヤシカ・ミニスターⅡ」のカメラ修理を行っています。
初代のミニスターが1960年に発売され
その続編となる「ミニスターⅡ」は1962年に発売されます。
初代と同じくLV表示・非連動のセレン式露出計を装備し
露出の設定もLVリングを使って設定します。
少々慣れは手間は要しますがSSリング・絞りリングで
LV関係なく設定することも可能です。
この「Ⅱ」からはボディダイキャストが
リンクスと共通化されています。
そのため外寸は一回り小さくなりました
距離計は初代のハーフミラー仕様と異なり
プリズムを使用して作られています。
レンズは4.5cmF2.8でスペック的には初代のものと変わりませんが
3群4枚と少しシンプルなものになりました
シャッターは初代と変わらずコパルSVLで最高速は1/500です。

お預かりしている「ミニスターⅡ」は
随分長い間眠っていた個体と思われます。
全体的に程度は悪くなく
心配されるセレン光電池もしっかり起電しているようです。
ただ長期間全く動かしていない影響はいろいろ出ていて
LVリングをはじめとする鏡胴のリング類の動きは固く
シャッター・絞りにも少しばかりの粘りが見られます。
巻上のフィールも今ひとつです。
ファインダーはプリズムの表面と接眼レンズに
随分汚れがありますが
ハーフミラーではないのでおそらくキレイになると思われます。
プリズムに目立つ腐食等はなさそうです。
レンズは意外とカビは少なくこちらも清掃で
十分にキレイになりそうです。

まだ取り掛かったばかりですが
一通りの整備を行っていきます。
程度は良い方だとは言えども
いろいろと動きの悪いところ汚れの多いところ等々あるので
一通りの整備を行うことで
当分の間、快適に使える状態になると思います。
それでもやはり定期的に使ってやらないと
調子を崩していしまうこともあるので
整備後も1ヶ月に1回は優しく「ある程度」は
動かしていただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンEXEEのカメラ修理

今日は「森林の日」だそうですよ。
ここでいう「森林」は「もり」と読むのだそうです。
5月20日である由来は「森林」の中に
「木」が5つ入っていることから
20日は「森林」の総画数が20画であることからだそうです。
岐阜県美並村など、村名の頭に「美」の字がつく村
10村で結成した「美し村(うましさと)連邦」が制定した記念日です。
山深い森林っていいですよねぇ
登山で森林限界超えるまでは
鬱蒼とした森林を歩くことが多いのですが
やはり印象深いのは苔むす北八ヶ岳エリアですかね。
薄暗くて湿度も高くて
不快指数は高いはずなのだけど
空気が美味いからか妙に快適なのですよねぇ
あまり気温が高いと参ってしまいますが…
ここ数年、体調が優れないこともあって
あまり人里離れたところに行くのは不安があるのですが
ほんの入り口だけでも森を歩いてみたいですねぇ
あ、ただ色んな生き物が生活しやすい環境なので
秋冬以外は虫はどちゃくそいますよ(苦笑)
そうそう八ヶ岳エリアってなんであんなにアブが多いんでしょうねぇ
立ち止まるとすぐにかならず数匹くっついてくる(苦笑)

さてさて

本日はキヤノンEXEEのカメラ修理を行っています。
EXシリーズはキヤノンFシリーズの一員でもありますが
ちょっと異端児的なモデルです。
シャッターユニット等はFシリーズの基本構造と同じなのですが
レンズの後玉部分をボディと一体化して固定し
前玉を交換するのみでレンズ交換を行います。
標準は50mmF1.8ですが
35mmF3.5、90mmF3.5レンズが用意されていました。
その後、マイナーチェンジが行われ
レンズの開放値設定を行わないでよい「EXオート」になるのですが
そのタイミングで125mmF3.5が発売されます。
モチロンEXEEにも使用可能です。
基本的にシャッタースピード優先AEで撮影するカメラです。
オート機構はこの時代お馴染みの指針挟み込み式で
露出計には電池が必要なもののオート機構そのものは機械的に
露出計指針の位置によって制御されます。
マニュアル時には強制的(機械的)に露出計指針を動かすことによって
指針挟み込み機構を使って絞りを制御します。
そのためマニュアル時にファインダー内に支持される絞り値は
露出計の値ではなくマニュアル設定する絞り値を表します。
これもなかなか他のカメラでは見られない構造です。
さらにそのファインダーも変わっていて
いわゆるマット面を持たない空中像式ファインダーです。
ピント合わせはファインダー中央のマイクロプリズムで行い
それ以外の周辺部はほぼ素通しでピント合わせは行えません。
レンジファインダーの二重像がマイクロプリズムになったようなイメージです。
ほぼ素通しのファインダーなのでとにかく明るいです。
。。。という感じでいろいろと普通ではないカメラですが
なかなかおもしろいカメラです。

お預かりしているEXEEはまず露出計が全く動きません。
電池室にもかなり緑青が発生しており
電源も露出計まできちんと電圧がかかりませんが
それ以前に露出計本体も内部で断線しており不動のようです。
露出計は中古良品と交換で対応いたします。
その上で配線交換、電室端子のさび落とし再ハンダ等々を行い
普通に導通する状態に修理していきます。
シャッターは動作していますが
Fシリーズで油切れが起こっているとき特有の
「ギャイン」といった高周波の音がシャッター音に混じっています。
この音が出ているときは、まずシャッター精度はボロボロですが
今回もまともに精度は出ていない上に非常ぬ不安定です。
幕軸や調速カムの清掃・注油を行っていきます。
そしてファインダー・レンズ内はカビだらけです。
プリズムにも少し腐食が見られますが
FX/EX系のプリズムは既に腐食のないものの入手が非常に困難なため
腐食はそのままで再利用します。
ただ、腐食はわずかでそれほど気になるレベルではありません
それよりもプリズム・接眼レンズ・コンデンサレンズ
撮影レンズ後玉部、50mmレンズ前玉部。。と
あらゆるレンズ部ガラス部にカビが大量に発生しています。

一通りの整備を要する状態ではありますが
致命的なトラブルはありません
経年劣化的なものばかりで物理的に壊れているところは
ないのは不幸中の幸いです。
きちんと整備されたEXEEはその明るいファインダーも武器になり
なかなか軽快に撮れるカメラです。
交換レンズ群は少々使いにくい面もございますので
個人的には50mm固定で使う方がストレスないかな…とも思います。
ちょっと風変わりな一眼レフですが
ご依頼者様には存分にお楽しみいただきたいと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。