キヤノンAE-1のカメラ修理

今日はまたなかなかピンとくる
記念日のない日ですね…
ということで…過去の出来事を調べてみると
1978年4月27日(日本時間)に
日大遠征隊が日本人初の北極点に到達しています。
ここで少し気になったのですが
極点の現地時間ってどうなるの???
で、調べてみると
「現地時間は経度によって、つまり空の太陽の位置にあわせて決められる。
しかしこの方法は、経度の存在しない特異点である北極点および
南極点においては適用することが不可能である。
さらに、北極点には南極点と違い常住人口が存在しない。
そのため、北極点には特定のタイムゾーンが割り当てられていない。
このような理由により、北極点訪問のときには、
訪問者は任意のタイムゾーンを使用することができる。
多くの場合、グリニッジ標準時
または出発国のタイムゾーンを使用するのが一般的である」だそうです。
やはり極点って特殊な場所なのですねぇ
全然北極点とはスケールが全く違いますが
子供の頃に住んでいる町の最北端とか最南端とか
とにかく端っこにやたらと行きたがりましたよねぇ(笑
今でも三浦半島とか房総半島の端っこに行きたがりますものねぇ…
最「〇」端ってワードに弱い傾向があるようです。
まぁでも身近で気軽に行ける範囲しか行こうなんて思いませんが…

さてさて

今日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
「AE-1」の修理整備依頼も比較的多いですね。
やはり相当な数が売れた大ヒット商品なので
現存数も多く、家で眠っていたカメラが「AE-1」なんて
パターンは多いのかもしれません。
当時としては革新的な電子制御カメラです。
「電子制御シャッター機」や「シャッタースピード優先オート」自体は
「AE-1」登場よりももっと以前から存在した機能ですが
世界初のマイクロコンピュータ搭載機で
電子制御技術を一気に身近なものにして
いわゆる普及機クラスに一気に浸透させたのが「AE-1」だと思います。
キヤノンは時代の節目節目にこういう
ブレイクスルー的カメラを登場させることが多いですね。
事実、「AE-1」の登場やそれに続く「Aシリーズ」の各モデル登場により
時代は一気に電子制御機さらにマルチモード機へと進み
低価格化・高機能化についていけなくなった
中堅メーカがいくつも一眼レフの開発製造から撤退することにもなっています。
そういう意味でも「AE-1」の登場は衝撃的だったと思います。

中身を見てみると意外な程にアナログな部分もまだ残っていて
後の「AE-1P」あたりと比べると時代の差をかなり感じます。
電子回路自体はトラブルも少なく
ショック品や水没品、妙な分解品でない限り
それほど致命的なダメージを抱えているものは少ないかと思われます。
それでも今回お預かりの「AE-1」もそうですが
定番のシャッター鳴きや各部駆動部の動作不良は
経年劣化もあり整備の必要な状態です。
今回の「AE-1」はそれに加えてシャッタースピードが非常に不安定です。
高速シャッターだと計測器と測らないとわかりませんが
わかりやすい低速シャッターで切っていても
切るたびに明らかにシャッタスピードが異なるのがわかります。
そしてバルブが全く効かず高速シャッターで切れてしまいます。
後幕制御のマグネットの吸着不良に加え
レリーズ機構に動作不良があるようです。
これも症状で原因はある程度把握できるので
それを踏まえて分解整備を行っていきます。

フレキの扱いもそうですし
気軽に触れてはいけない部分もあるので
やはりそれなりに神経は使うカメラです。
それでもこの類のカメラとしてはかなり整備性は
良好なほうだと思います。
こういうカメラを扱う時はいつも以上に
はんだごての小手先の手入れも入念に行って
素早く最小限でハンダが行える状態で取り掛かります。

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