月別アーカイブ: 2017年12月

ヤシカフレックスのカメラ修理

いよいよ、大晦日ですね!
とはいいながら、大掃除も終わったし
特にこれといって変わったこともない日なのですが。。。。
皆さまの2017年はどんな1年だったでしょうか?
私の場合はいろいろ苦労もありましたが
無事に元気に1年を通して仕事ができた、ということで
良い1年だったのではないかと思います。
来年はよりよい1年にしたいですね!

さてさて

2017年、最後の修理は。。。
「ヤシカフレックス」です。
二眼レフの中でも人気の高いモデルですね。
ヤシカフレックスもモデルがいろいろ細分化されているのですが
なかなか区別がつきにくいカメラです。
特に今回はいろいろ調べてもモデル名がちょっとはっきりしません。。。

特徴としては。。。
・ レンズはヤシコール75mmF3.5
・ シャッターはシチズンMXV、最高速は1/400
・ フィルター取付枠はバヨネット(Bay1)
・ フィルム装填はスタートマーク式のセミオートマット
・ ビューレンズとテイクレンズの間左右にSS・絞り設定のダイヤル有り
・ セルフコッキングはナシ

新B型かな。。。とも思ったのですが
シャッターはコパルじゃないのですね。
シチズン搭載なのはA2型のはずなのですが
A2は「赤窓式」なのですよねぇ。。。
A2の最終期にセミオートマットモデルがあったらしいとの話があるので
もしかしたらそれじゃないかなぁ。。。と思っています。
まぁ、整備・修理を行う分には全く問題ないのですが。。。

お預かりしたヤシカフッレクスは
シャッターに若干の粘りがあるものの
とりあえず一通りは動作しています。
しかしながら2眼レフでは定番のミラー腐食が
今回もかなり酷いです。

写真でわかるでしょうか?
ミラーの上半分が真っ白になって何も映りません。。。
クモリどころのレベルではないですね。
これではさすがにまともに使うことができません。
もちろん、ミラーは交換いたします。
ファインダースクリーンも随分汚れているので
できる限りの清掃を行います。
カビも少々見受けられるビューレンズ及びテイクレンズも
しっかり清掃し、シャッターユニットは分解して
きっちり整備いたします。

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ロードⅣBのカメラ修理

いよいよ年末も大詰めですね!
今日は「地下鉄記念日」だそうですよ。
1927年のこの日に日本初の地下鉄が開業したそうです。
(現在の銀座線(上野-浅草間))
そういえば上京してきたばかりの頃は
地下鉄も在来線も全くわからなくて
どこに行くにも苦労しました。
今もたまにわからなくなりますが。。。(汗)

さてさて

本日は「ロードⅣB」のカメラ修理を行っています。
ちょっとマイナーなカメラですよね。
岡谷光学機械という会社で作られていたカメラです。
35mmフィルムを使うレンズ一体型レンジファインダー機に
特化したメーカーです。
発売元は後のセイコーである服部時計店です。
もちろん搭載するシャッターはセイコーシャMXです。
発売は1955年なのですがこの頃は二眼レフ全盛時代です
この時代にちゃんとレバー巻上で
セルフコッキングも装備されたカメラなので
かなり高級な部類に入ると思います。
レンズは4cmのF2.8を搭載します。

ロードⅣBは2回巻上(ダブルストローク)のカメラです。
一度目の巻上がもし中途半端だった場合には
巻上レバーの逆戻り防止が働き巻上レバーは戻りません。
(ここで戻ってしまうとシャッターが開いてしまいます)
今回お預かりの個体は過去に逆戻り防止がかかっているときに
無理に戻してしまったことがあるらしく
逆戻り防止のツメがかなり変形しており破損寸前でした。
何とか処置はできていますが
使い方に気をつけなければいけませんね。
そして2回目の巻上を行うとシャッターボタンが
「ピョコン」と飛び出してきてシャッターが切れる状態になります。
なかなか個性的な造りですね。

この時代頃のカメラは巻き戻しボタンを押し続けながら
巻き戻さないとならないものも多いのですが
ロードⅣBはちゃんとボタンにロックがかかります。
ただし、次の巻上のときに勝手に戻ってくれるわけではなく
巻上レバー下のスライドレバーを押さないと
スプロケットにロックがかかりません。
これ知らなかったらさすがにわからないですよね(汗)

シャッターユニット整備、レンズ・ファインダー清掃等々
各部点検整備一式を行いました。
この時代のカメラなのでずっしり重いですが
コンパクトにまとまった質感高いカメラです。

リコーオートハーフのカメラ修理

今年も今日を入れてもあと3日!
実は今日はお店は一応閉めてはいますが
今日のこの修理だけ終わらせたら
1日かけてお店の大掃除です。
なかなか営業時間中には思い切った掃除ができないですからね。

さてさて

その大掃除の前に
今日の修理は「リコーオートハーフ」です。
オートハーフ自体はここのブログでもよく登場しますが
今回は初代オートハーフです。
これはブログに登場するのは初めてじゃないかな。。。
発売開始は1962年。私よりも少し年上ですね。
もともとはたばこの箱の大きさを目指して
作られたとのことです。
この初代のオートハーフのみ
シャッターボタンが前面に付きます。
後に出てくるオートハーフの代名詞のような存在である
前面アルマイト化粧板も初代にはありません。
ということでボディカラーもシルバーのみ
しかしながら、今見るとこのシンプルさが良いですよね!
レトロ感も満載です。

実は作業の大部分は既に終わっています。
もともとキレイなオートハーフでしたが
外装も清掃してよりキレイになったと思います。
お預かり時にはシャッターが全く切れない状態でした。
一部の部品に変形が見られ
巻上のギアのかみ合わせのタイミングによっては
レリーズロックが全く解除されないような状態でした。
加えてフィルムカウンターがある程度の枚数で
全く前に進まなくなるというトラブルも抱えていました。
どちらのトラブルも動作が悪くなっている状況で
動かしていため、部品の変形を起こしてしまったことが原因です。
古いカメラは現在、何とか動いていても
無理に動かしてしまっている場合は突然トラブルが起こるので
やはり何年かに一度の点検整備は行いたいところですね。

少し時間を置いて後日、最終的なチェックを行って完成とします。

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ニッカⅢAのカメラ修理

本日で「仕事納め」の方も多いのではないでしょうか。。。
当店も本日が年内最後の営業となります。
明日、12月29日から1月4日まで年末年始休業で
新年は5日からの営業となります。
今年も1年ありがとうございました。
。。。とはいえ、時間を見つけては休み中も
作業は行っていくと思います。
もしかしたらこのブログも更新するかもしれません。

さてさて

本日は「ニッカⅢA」のカメラ修理を行っています。
ニッカ。。。もともとの社名は「ニッポンカメラ」です。
カメラブランド名は「ニッカ」として
いわゆるライカコピーを主に製造していました。
ライカコピーを製造している会社は当時数多くありましたが
今回の「ニッカ」や「レオタックス」等々は非常に造りも良く
現在でも根強いファンが存在します。

今回、お預かりしているニッカは「タイプⅢA」と呼ばれるモデルです。
発売は1951年です。
板金ボディのバルナックタイプのカメラですが
非常にきちんと造られていて
現在でも人気の高いモデルです。
今回の個体は外装のコンディションも非常に良く
大切に扱われてきたことがよくわかります。

しかしながら現在は巻上途中で巻き上げられなくなっていて
シャッター幕を見ると先幕の竿が斜めになっていて
後幕との間に隙間もできてしまっています。
先幕を引っ張るリボンが切れてしまっているようです。
この時代のカメラはシャッター幕交換を前提として
お預かりするのが定石なのですが
分解してみると確かにリボンは切れてしまって
巻上ギアに巻き込んでしまっています。
(そのため巻上ができなくなっていたのですね)
ただし、幕自体は硬化もほとんどなく非常にキレイな状態です。
(随分前の話だとは思われますが過去に一度交換されてるようです)
リボン交換のみで今回は問題なさそうです。

まだ分解し始めたばかりで現状を確認しているところです。
リボン交換のみとはいっても幕のテンションや
シャッタースピード設定はゼロからやり直しなので
慎重に作業を行っていきます。

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ローライコードⅡのカメラ修理

ついに12月も27日になりました。
27日っていろいろ引き落としもあっていや~な日ですよね(笑)
明日で当店も年内の営業を終了いたします。
。。。とはいえ作業は黙々と休み中も行うような気がしますが。。。(汗)

さてさて

本日は「ローライコードⅡ」のカメラ修理を行っています。
ローライコードも種類がいろいろとあって判別が難しいのですが
今回、お預かりしているのはⅡだと思われます。
実は「Ⅱ」の中でも細分化されていて
銘板の違いだったり、シャッターの最高速が異なったりと
ちょっとややこしいのですが
今回の「Ⅱ」は比較的初期のものだと思われます。
レンズは初期のローライコードならではの
トリオター7.5cmF3.5、シンプルながら定評のあるレンズですね。
生産時期は1937年~1938年のものと思われます。

シャッター羽根・絞り羽根に若干の粘りがあるようですが
比較的、快調にシャッターは切れています。
ヘリコイドはちょっと重めのため、調整していきます。
生産時期を考えると非常に程度は良いと思います。

しかしながら今回何と言っても問題なのが。。。

わかりますかね?腐食して鏡面が剥がれ落ちたミラーです。
剥がれ落ちていない部分もかなり酷いクモリです。
こんな状態でも何とかファインダーは見えるのですから
それはそれで驚きですが
さすがにピント合わせには非常にツラい状況です。
もちろん新品の表面鏡を切り出して
交換させていただきます。

二眼レフのミラークモリ・腐食は定番中の定番ですが
今回はちょっとこのままではどうにもなりませんね。
時代が時代のなのでもともと明るいファインダーではないですが
ミラー交換することによって
かなりピント合わせは楽になったと思います。

もちろん、そこだけではなく
シャッターユニット、巻上、巻止機構、ピント精度
ヘリコイド、レンズ清掃。。。等々
各部点検整備一式を行っていきます。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

昨日のイヴに引き続き
今日の日没まではクリスマスですね!
12月25日といえば
昭和が始まった日でもあるのですね。
1926年(大正15年・昭和元年)の12月25日に
大正天皇が崩御し皇太子であった裕仁親王が践祚しました。
多感な時期を過ごしたのが昭和だったので
自分の人生の大半は「昭和」と思いがちなのですが
もうとっくに「平成」を過ごしている時間のほうが長いのですよねぇ
そんな「平成」の時代もあと少し。。。時の流れを感じますねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
少し前にもFTの修理をご紹介しましたね。
初代ペンFに露出計・セルフタイマーが追加され
巻上も2回巻上から1回巻上に改められたモデルです。
ペンFのボディ色はシルバーしか設定がありませんでしたが
ペンFTにはブラック塗装のモデルも存在しました。
シルバーに比べると現存する固体はかなり少ないと思われますが
今回、お預かりしているのはそのブラックのFTです。

やはりシルバーとは随分雰囲気が変わりますね!

まず、FTではよくあるトラブルですが
ハーフミラーがかなり腐食してしまっているようです。
ハーフミラーにより約半分の光量を露出計側に
持っていかれるので元々、ファインダーは少し暗めではありますが
腐食のせいでかなり暗くなってしまっています。
加えてその露出計ですが動作してはいるのですが
かなりオーバー目にしか動作せず正しい値から比べると
+4~5段といったところです。
いくらネガフィルム使用だとしてもこれでは写真が
真っ白になってしまいます。
その他、フィルムカウンターの戻りがかなり悪いようです。

ハーフミラーは中古ではございますが
まだ腐食していないものと交換いたします。
まずはシャッターユニット及び巻き上げ機構部から整備を行います。
その後、ペンF系ではトラブルの多いミラー駆動部
ファインダー光学系、露出計調整と進めていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

メリークリスマス!っていうことで
今夜はクリスマス・イヴですね!
とはいえ、独り者の私にはあまり関係ないですが。。。(笑)
正確には今日の日没からが
クリスマス・イヴだということです。
キリスト教会の暦では1日の始まりは日没からで
クリスマスは24日の日没から
25日の日没までなのですね。
で、24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼ぶそうです。
何にせよ、1大イベントですから皆さん楽しんでくださいね!

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
今月も何度か登場していますが
適度にコンパクトで使いやすい良いカメラですね。
電子制御シャッター搭載で絞り優先AEが使えます。
電子制御機とはいえ電子基板関連のトラブルは
かなり少ないモデルです。
何度も書きますが指針が2本付いて現在のSSと
露出計の示すSSとの関係が瞬時にわかる
指針式露出計はマニュアルで使う際にも非常にわかりやすく
じっくり使い込むにも最適なカメラだとも思います。

今回、お預かりしているFEは
シャッターは快調に切れているようなのですが
ファインダーにいろいろな汚れが付いています。
(モルト屑だったりカビだったり)
さらに測定してみると
1/1000が1/2000以下で切れていて
1秒も0.7秒あたりで切れています。
何らかの原因で全体的にSSが速過ぎるようです。
それも若干関係ありますが
オートも全域で-1段~-1.5段ですね。
現在のネガなら何とか拾える範囲内でしょうが
あまりよろしくはないですね。
全体的に整備を行った上での調整が必要と考えます。

ここのところ、修理に入るFEはシルバーが続いていたのですが
ブラックもやっぱりカッコ良いですね。
オースドックスなのですが端整なスタイリングで
これぞ1眼レフカメラ!というスタイルだと思います。
ニコンらしいデザインでもありますね。

シャッターユニット、ミラー駆動部、巻上
露出計、オート制御機構、ファインダー清掃
モルト交換。。。等々、一通りの整備を行った上で
調整を行い現在、少々様子見をしているところです。
新しい油を注油していることもあり
馴染んで動きが落ち着いた後に最終調整を行います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は言わずと知れた「天皇誕生日」で祝日ですが
「東京タワー完工の日」でもあるのですね。
1958年(昭和33年)のこの日に完工式が行われたそうです。
完成して59年になるのですね。
スカイツリーができたとはいえ、
まだ東京のシンボルであることに
変わりはありませんね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
それまでの一眼レフの「重い、大きい」のイメージを
払拭した最初のカメラだと思います。
この大きさ・軽さを実現するために
それまでの一眼レフにはなかった色々な工夫が
内部構造にも見受けられます。
そのため、ちょっと独特な構造になっている部分もありますが
使い勝手も使用感も良い非常に良いカメラに仕上がっていると思います。
発売開始は1972年です。

OM-1というとプリズム腐食や
巻上関連のトラブルが定番ですが
今回、お預かりしているOM-1は
プリズムもキレイな状態で巻上もスムーズに行われています。
ただし、フィルムカウンターの戻りが悪く
巻き戻しノブの戻りも異様に重いです。
加えて露出計はかなり不安定で指針がふらついている状況です。
巻上やシャッタートラブルの予防も含めて
全体的に整備を行いリフレッシュしていきます。

プリズムに腐食が起きないように対策がしてありました。
随分、昔だとは思われますが
一度、整備が行われていると思われます。

露出計のトラブルは大抵が電池室周りか
on/off・SW部なのですが
今回はそのあたりには全く問題がなく
不安定さの原因は露出計本体からの
ボディアースがしっかり取れていないことが原因でした。
やはり年月が経つと色々なところに汚れは溜まっていくものですね。

シャッターユニット、底部3連ギア、ミラー駆動部
スローガバナー、定番の整備箇所も引き続き
動作状況を確認しながら整備していきます。

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ミノルタSR505のカメラ修理

今日は「冬至」ですね。
「かぼちゃ」、「柚子湯」、「冬至粥」
「んの付く食べ物(運盛り)」。。。といったところでしょうか。。。
ちなみに冬至は昼の時間が一番短い日ですが
日没が一番早いのは冬至の約半月前
日の出が一番遅いのは冬至の約半月後だそうです。

さてさて

本日は「ミノルタSR505」のカメラ修理を行っています。
発売は1975年、SRTスーパーの後継機といった位置づけです。
この2年前には「ミノルタX-1」、前年には「ミノルタXE」が
発売されており、SRシリーズ最後のモデルとなっています。
つまりミノルタのメカニカルシャッター機として
最後のモデルということです。

基本的に丈夫なカメラで
ベースはSRT101ということもあって
実績のあるメカニズムです。
致命的な故障は非常に少ないカメラですが
さすがに発売されてから40年以上が経過しており
未整備だと色々不具合も出てきます。
今回、お預かりしているSR505も
シャッター幕軸の動きがかなり悪いようで
高速シャッターではかなり幕速のバランスが崩れています。
加えて何度かに一度はミラーアップしたまま
ミラーが降りてこなくなってしまいます。
ミラー駆動部の油切れもありますが
後幕がキレイに走りきらないのが主な原因だと思われます。
他、バッテリーチェックは動作していますが
露出計は針が踊るように上下に動き安定しません。
全体的な各部点検整備一式を行います。

基本的な構造はSRTシリーズ共通のものなので
相変わらず糸連動が多く
ちょっと手のかかるカメラではあります。
とはいえ、修理依頼件数が非常に多いカメラなので
見慣れた光景ではありますが。。。

これから本格的に分解を進めシャッター周りから
整備を行っていきます。

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ローライ35Sのカメラ修理

今日は「クロスワードパズルの日」だそうです。
随分昔に時間つぶしでよくやっていた時期がありました。
頭の体操にもなるからなかなか良いのですよね。
最近は「頭の体操」的なことを何もしていないから
何か簡単にできることからやらなくてはいけませんね。
頭も身体もしっかり使っていないと
油断していくと衰えてい一方ですしねぇ。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ローライ35S」のカメラ修理を行っています。
ローライ35シリーズ中でもゾナー40mmF2.8を搭載した
高級バージョンですね。発売は1974年です。

お預かりしたローライ35Sは
ご依頼者様が最近、入手されたものとのことですが
いろいろ問題を抱えてしまっています。
まず試し撮りを行ってみたそうなのですが
最初のほうは意図しない多重露光がかなりあり
コマかぶりも多発しています。
後半は少しばかりまともに撮れているのですが
今度は途中から巻上ができなくなったそうで
やむなく巻き戻したとのことです。

さらに露出計の絞り連動指針が動作しません。
フィルムカウンターも動きません。
さらにピントが大きくずれてしまっているようです。

。。。といった感じでなかなかトラブル満載の状態です。
フィルム送りのトラブルについては
巻き戻しレバーを戻してもスプロケットがロックせず
フリーの状態になってしまっているのが原因のようです。
途中から進み始めたのはその時点でやっと
スプロケットがロックされたからだと思われます。
途中で巻き上げられなくなったことに関しては
残念ながら再現ができなかったのですが
もしかしたら装填方法に問題があったのかもしれません。

どうやらこの個体、分解品らしく
露出計指針の動作不良は部品の組み付け間違いと部品の変形
カウンター不良はネジの緩みといった感じです。

不具合箇所の多さもさることながら
分解品ということで他に何かおかしなところがないか
より慎重に点検整備を行いました。

一通りの整備を終え、動作確認も行い
少し時間をおいて様子見をしている状況です。

今も昔も非常に人気の高いカメラですが
この小さくて精密な感じは確かにカッコ良いですよね。
しかしながら古いカメラでもありますし
間違った使い方をすると脆い部分もありますので
正しく優しく使っていただければと思います。

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