月別アーカイブ: 2022年2月

リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「ビスケットの日」だそうですよ
私の中では「ビスケット」とは
ちょっと固めの歯ごたえで
ほんのり優しい甘さの焼き菓子…というイメージですが
それってクッキーとも言えますよね…
ビスケットとは???
主に小麦粉、砂糖、油脂、乳製品から作られる焼き菓子のことで
これにはクッキーのほかクラッカーや
乾パン、パイなども含まれるのだそうです。
日本では公正取引委員会による取り決めのなかで
ビスケットのなかで以下の条件に当てはまるものを
クッキーと呼んでもよいとされています。
・糖分と脂肪分が全体の40%以上を占めるもの
・見た目が「手作り風」であること
調べて初めて知りました…(苦笑)
ちなみに英語圏では
日本でいうところのクッキー(cookie)との区別は存在せず
イギリスでは両者をビスケットと呼び
アメリカでは両者をクッキーと呼びます。
アメリカのビスケットはイギリスのスコーンに近いものを指すのだそうです。
うーん、世界的にも区別はあいまいですね(笑
でも「クッキー」より「ビスケット」のほうが
甘さ控えめで腹持ちが良い感じが…
あ…ほぼ「乾パン」に近いイメージなのかも…年齢と育った環境が…(笑

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンシリーズと並んで
ハーフカメラを代表するカメラですね。
オートハーフは開発者の安宅さんの
「自分の50歳の母親でも撮れるカメラ」という基本構想から
可能な限りの撮影自動化と
女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに入るサイズの
小型化を目指して設計されたカメラなのだそうです。
コンパクトさはもちろんのことですが
ほぼ真四角でレンズの出っ張りのない形状は
どこに入れるにしても非常に持ち歩きに便利です。
さすがにこの時代ですからボディは金属製で
重さは意外にずっしりとしています。
撮影の自動化も非常に進んでいて
露出は内蔵されたセレン光電池を使用した露出計と連動し
プログラムオートで自動化されています。
ピントは2.5mの固定焦点で絞り値によりますが
被写界深度で1.5mあたりから無限遠までをカバーします。
そして何といってもゼンマイ仕掛けの自動巻上
これがあるから重さがあるともいえますが
最大の特徴であり魅力と言えると思います。
機能面もさることながら
先述した真四角な形状と何ともレトロさを感じさせる
デザインが最大の魅力だと思います。
特にオートハーフEは前面のアルマイト板の
デザインのバリエーションが非常に豊富で
そのあたりにハマると収集癖のある方は
抜けられなくなるカメラともいえると思います。
いろいろ危険な魅力を備えたカメラと言えると思います(笑

お預かりしている「オートハーフSE」は
ポップなデザインやサイケなカラーリング等ではなく
精悍なブラック仕上げです。

これはこれで渋くっていいですね。
「SE」はこのブラックと鏡面仕上げのシルバーが発売されています。
巻上の動きの少々問題があり
単純に油切れかとも思いながら分解してみると
内部部品の変形でレリーズロックが外れにくくなっている
トラブルが発見されました。
そこは修理を行い、他動きが悪い部分の清掃・注油を行った上で
各部の調整を行っています。
オートハーフの修理時にはいつも書いてしまいますが
もともとレンズシャッター機は小さなバネの力で
シャッターを駆動するため汚れや油の付着で
すぐに動作不良を起こしてしまいますが
オートハーフは通常のレンズシャッター機以上に
非常に小さなバネ力でシャッターを駆動し
絞りの制御まで行っています。
当然、内部の汚れや油分には敏感で
わずかな余計な油分の付着で簡単にシャッターがスタックします。
…とはいえ駆動部には最低限の油は必要なので
清掃後の注油に非常に神経を使うカメラです。
コンパクトで手軽に扱えるため
雑に扱われている個体も見かけますが
その中身は非常に繊細な精密機械です。
そのくせゼンマイ巻上は大きなバネの力で
ワイルドに巻き上げるのです。
そういう両極端な部分も機械的に非常に面白いカメラだと思います。
中身が繊細ということは内部のゴミ混入も厳禁です。
でも裏蓋部には大量のモルトが貼られていて
劣化してボロボロになってくると
大量のモルト屑が内部に入ります。
いろいろと気の抜けないカメラですね(苦笑)
今回もモルトは全滅なので
もちろん全て交換してあります。
全く問題なく快適に使っていただける状態になっていると思います。
これから最終テストを行って
問題なければ完成となります。

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キヤノンⅣsbのカメラ修理

今日は「国際ホッキョクグマの日」だそうです。
ホッキョクグマ(Polar bear)の絶滅の危機や
彼らが直面している現状を
より多くの人に知ってもらうことが目的なのだそうです。
地球温暖化のため北極圏の海氷は年々小さくなり
そこに暮らしているホッキョクグマも
棲み家や餌を失いつつあるそうです。
そのためもあり元々オスの大きい個体では体長250cm、
体重600kgにもなるそうなのですが
小型化が進んでいるそうです。
分岐分類学的にヒグマに極めて近い位置にあるそうです。
でもホッキョクグマはその白い体毛もそうですが
長い首が特徴ですよね。
幼いころに動物園でホッキョクグマを何度か見ましたが
その大きさと風貌がやたrとお気に入りでした。
大人になってから「あれが常同行動だったのか…」とわかりましたが
飼育スペースの隅から隅までグルグル回り続けて
その橋でターンする動きが非常に特徴的で
家に帰ってからも「シロクマのマネ」と言って
その動きを家の中で真似ていたのも懐かしい思い出です。
楽しく見てたけどきっとストレスたまってたんだろうなぁ…
たまには1日、動物園でいろんな動物見たいですね
ひとりだとなかなか億劫で行けませんが…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンⅣsb」のカメラ修理を行っています。
いわゆるバルナックライカコピーのカメラですが
キヤノンのそれは一眼式ファインダーに
変倍ファインダーを搭載しかなり独自の進化を遂げています。
その当時のキヤノンレンジファインダー機の
最高級機として登場したのが今回の「Ⅳsb」です。
1952年の発売となります。
世界初のX接点によるスピードライト同調を実現し
シャッター速度の最高速も1/1000を搭載し
ついにベンチマークとなっていたライカⅢfを超えたとも言われ
キヤノンを一流のカメラメーカーとして
世界に認知させることに大いに貢献したカメラです。
ボディの作り込みや機能・精度も高次元でバランスがとれていて
当時のキヤノンの技術の高さをよくわかるカメラでもあります。

しかしながらこの時代のカメラは
さすがに70年経過することもあり
まずはシャッター幕の劣化が酷いものがほとんどです。
当時から一度もなく交換がされていないものは
まず間違いなく幕の劣化・硬化で
使い物にならないと思われます。
今回の「Ⅳsb」も例外ではなく
一度溶けたゴム引き部分が再び固まったような状態で
幕に穴こそ開いていないものの
ガチガチに硬化しておりまともに動作できる状態ではありません。
何とか幕走行できたとしても
先幕と後幕が重なっている部分で
結構強力に幕同士が接着されているような状態で
当然シャッターは開くことはできません。
ゴム引きが溶けた時点で接着剤の役目となってしまったようです。

まずは何はともあれ幕交換を行います。
上画像は先幕を外した時点でのものですが
画像でも幕の状態が悪いのがわかると思います。
ちなみにこれはわかりにくいですが
まだカメラ側に巻き付いている後幕も
気泡ができたように表面がボコボコになっているのが
上画像でも何とか確認できます。
巻張り替え自体もそれなりの重作業ですが
その後の調整もなかなか大変な作業です。
とくに裏蓋のないこのタイプのカメラは
シャッタスピードを計測するもの大変です。
焦ってもロクなことはないので一つずつ
しっかり正確に作業を行っていきます。

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リコーXR500のカメラ修理

今日は「ヱビスの日」だそうですよ。
ここでいう「ヱビス」とは
「ヱビスビール」のことで
1890年(明治23年)2月25日に
「ヱビスビール」が初めて発売されたことが由来となっています。
麦芽100%で余計なものが一切入っていない
ちょっと高級なビールですね。
近年の軽やかで口当たりの良いビールとは違い
昔ながらのドシッとした重厚な飲み口と
強めの苦みが何とも美味いですよねぇ
個人的な好みですが
私、ビールの中ではヱビスが圧倒的に好きで
なるべく普段買う時もヱビスを買うようにしています。
まぁ最近はそれほど大量に飲めないから
このくらい濃くて重いほうが飲みごたえがあっていいですねぇ
そして焼き肉や焼き鳥とかの味が濃いものに合うのですよ!!!
焼きもの系にヱビスの組み合わせは正に最強です。
こんなこと書いてたらヱビスが選べる焼き鳥屋さんに
無性に行きたくなってくるなぁ…
早くマンボウ終わってくれないかな…

さてさて

本日は「リコーXR500」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラですが
前年に登場したXR-1の機能を限定し
価格を抑えたモデルです。
一眼レフカメラとしては革命的な低価格で
50mmF2レンズとケース込みで39800円を実現し
「サンキュッパ」の謳い文句で非常にヒットしたカメラです。
確かに最高速は1/500で少し物足らない場面もあるでしょうが
普通にASA100のフィルムで昼間、撮影する分には
シンプルで非常に扱いやすいカメラです。
シンプルな故に信頼性も高く
機械的・電気的な大きな弱点もありません。
スタイリングも奇をてらわないオーソドックスなもので
好感度は高いと思います。
どこにでも気軽に持っていって
ガシガシ使ってやるタイプのカメラだと思いますし
そういう使い方に応えてくれるカメラだと思います。

基本的には丈夫なカメラですが
さすがに登場から40年以上経過していて
さすがに経年劣化で動きの悪いものも多数存在します。
今回、お預かりしているXR500も
長年仕舞い込まれていたようで
ファインダーや装着されているXRリケノン50mmF2レンズには
カビが大量に発生しています。
さらにミラーの動きが悪いようで
シャッターを切るとミラーが上がり切る前に
途中で止まってしまいます。
指で少し助けてやると上に上がり切り
シャッターも切れるのですが
さすがにこれでは普通に使えません。
シャッター羽根の動きもいま一つで精度が出ていません。
さらに電池を入れても露出計は全く動きません
電池室の問題かよくあるSW部の接触不良かと予想していたのですが
どうやら露出計本体内で断線しているようです。
こうなると中古良品の露出計本体と交換するほうが無難です。


機能がシンプルなので整備性も良いかと思いきや
このカメラ、なかなか厄介な構造なのです。
上カバーを外すのも少々、手間が多いですが
ここから基板を降ろすとなると
まず巻戻し側、巻上側のプレートを外し
メーター類や基板がセットされたユニットごと
一気に外す必要があります。
そうしてやっとファインダースクリーンの清掃等が可能となります。
もちろん今回はそこからさらにミラーボックス脱着まで
必要となりシャッターユニット、ミラー駆動部の整備を行います。
そしてこのメーター・基板のユニット台座
再組立ての時にもちょっとしたコツがあって
上手く組まないと露出計連動指針が動かなくなります。
他のカメラではあまりみない構造なので
初見だとなかなか大変かとも思います。
私も昔、ちょっと苦労したなぁ…
なんてことを思い出しながら
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ふろしきの日」だそうですよ
風呂敷」を「包み」と読み替えて
「つ(2)つ(2)み(3)」と読む語呂合わせからだそうです。
風呂敷。。。私が幼いころの実家にはいろいろあったなぁ
キレイな濃い紫色とかがあって
手触りがいいからよく触っていたかすかな記憶が…
私はじいさんはあまり使いませんでしたが
ばあさんは銭湯(うちの長屋には風呂なかった)行くのに
風呂道具をちゃんと風呂敷に包んで持っていってました。
洗面器に水切りかごを重ねて
(うちはプラじゃなくて金属製だった、穴の開いた小さなたらいみたいなヤツ)
その中に石鹸箱、シャンプー、リンス、軽石、ヘチマを入れて
その上に風呂場から脱衣場に上がるときにざっと体を拭くためのタオルを重ね
さらにその上に着替えの下着を包んだバスタオル
私はそれをそのまま抱えて銭湯に行っていましたが
ばあさんはそれを風呂敷に包んで行ってたなぁ…懐かしい
それが今では仕事終わりに銭湯行くときは
基本的に手ぶらです(笑
まぁ頭おかしくなってからは半身温痛覚障害で
あまり気持ちよくないから行かないのですが
それ以前はこの季節には2,3日に一度は行ってました
今の銭湯はシャンプーもコンディショナーもボディソープも
備え付けのところが多いですし
番台でタオル1枚10円で借りてそれですべてを済ませます
洗うことだけなら家で済むし
大きな湯船であったまることがメインだからそうなりますよねぇ
少なくなってきたとはいえ都内にはまだまだ銭湯が多くていいですね!
私もそろそろまた行ってみるか…

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
1950年代の国産二眼レフを代表する1台だと思います。
この時代に最も売れたのは間違いなく
「リコーフレックス」だとは思いますが
シンプルで軽くお求めやすいクラスの代表がリコフレなら
国産高級機の代表はこの「オートコード」だと思います。
テッサー型のロッコールレンズの写りは非常に評価が高く
平面性を考慮して上から下へ巻きあげるスタイルも
ミノルタ独自のものです。
前身のミノルタコードからのお決まりでもある
ハラキリ型ピントレバーの操作感も秀逸です。
絞り値、SS値はビューレンズ上部に集中表示し
構えた状態のままで確認ができます。
巻上はクランク型でセルフコッキングで
フィルム巻上とシャッターチャージも同時に行います。
当然、巻き止めも自動で
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
ミスなく普通に違和感なく撮影に使えるための機能が
非常に効率よく備わっているカメラです。
私も前期型「L」を持っていて
今でもコンスタントに使っていますが
非常に気持ちよく使える上に文句ない写真が撮れるカメラです。

お預かりしているオートコードは
巻き上がってチャージした状態のままで固まっているようです。
レリーズボタンを押しても
うんともすんとも何も起こりません。
当然、チャージしたままなので巻上クランクは動きません。
毎度お決まりのシャッター羽根固着かと思われます。
かなり強力に貼り付いてしまっているようです。
絞り羽根の動きも重いので
清掃を行うまではあまり動かさないようにしておきます。
絞り羽根は無理に動かしていると
破損する可能性もあるので
動きの重い場合に無理は禁物です。

二眼レフはいつものことですが
ファインダーミラーのクモリが今回も半端なく酷いものでした。
画像では光ってしまってわかりませんが
これじゃファインダーがまともにみえるわけないよねぇ…と
ひと目でわかるほどの状態です。
ここは新品の表面橋を切り出して交換します。
そしてこれはオートコードの定番ですが
テイクレンズ後玉ユニット前から1枚目のレンズの
コーティング劣化がそれなりにありました。
これは清掃ではどうしようもないので
残念ながらできる限りの清掃でしか対応できません。
順光であれば全く問題ないでしょうが
強い逆光だと少しフレアは出やすいと思われます。
さらに今回は巻き止め機構にも結構な問題があり
こちらもなかなか苦労させられました。
何とか対応して現在、少し様子見の状態です。
シャッターユニット、巻き止め機構等に
かなり手を入れたので少し時間をおいて
動作状況を確認していきます。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は2月20日でキリの良い日付だから
たくさん記念日が制定されているのですが…
何だかお固いものばかりでちょっとネタにしづらいかも…
そんな中に化粧品販売会社が制定している
「アイラブミー記念日」なんてものがありました。
「自分をもっと好きになり、
すべての人ももっと好きになってほしい」というメッセージが
多くの人に広がり、自分を愛することの素晴らしさを
改めて思い出す日にとの願いが込められているのだそうです。
私は言われなくても自分大好きなタイプだと思います(笑
まぁ、こんないいかげんで
行き当たりばったりに生きている私を
私自身が見捨てるわけにはいかないじゃないですか(苦笑)
自分のことは確かに大好きですが
同時に意外と信頼できないのも自分自身なのですよねぇ
「あのときあんなにちゃんとするって言ったじゃない???」と
何度これまで自分自身に思ってきたことか…(汗)
人生の2/3いや4/5以上はもう終わってしまっていると思いますが
あまり自分にいいわけしないですむ毎日にしたいですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラで
世界初の両優先オート(絞り優先AE、SS優先AE)搭載機として
当時は最先端のカメラでした。
この翌年にはライバルのキヤノンA-1が発売され
いわゆるマルチモード機全盛期へと時代は進んでいきます。
今となってはそんな多機能な部分より
ミノルタらしい使い心地の良さや端正なデザインが評価され
現代でも非常に人気の高いカメラです。
特にアキュートマットスクリーンを採用した
明るくキレの良いファインダーは高評価です。
ただし、現行モデルだった頃から電気関連のトラブルが
多いことが有名だったカメラでもあります。
他メーカに先んじて最先端な機能を詰め込んだ分
なかなか難しい部分があったのかもしれません。
現存している個体でそれなりに使われているものは
そういう電気的問題もクリアとなっている個体が多いと思いますが
ほとんど使われずに眠っていた個体は
何かしらの大きなトラブルを抱えている可能性もあるので
油断できないカメラだと思っています。

ただ、今回お預かりしているXDは
そういう電気的な部分のトラブルは全く心配なさそうです。
露出計・オートのみならず
XDならではのサイバーネーションシステムも
問題なく制御できている様子です。
しかしながら機械的な動きの部分で
いくつか問題が出ているようです。
まずご依頼者様からもご指摘いただいているのですが
お預かり時にはシャッターが切れない状態でした。
言葉で書くと非常に伝わりづらいのですが
巻き上げた時に見かけ上は巻上レバーが戻ってきているのですが
連動する巻上軸がめいっぱい巻き上げた状態で
固着して戻ってこないような状態になっていました。
そのためレリーズすることはできず
巻上レバーも回るものの手ごたえはスカスカな状態です。
この症状、XDに限らず縦走りシャッター機に
比較的良く見られるトラブルです。
巻上軸の汚れや油切れによる動作不良が原因です。
巻上機構部の分解清掃調整で対応していきます。
加えてシャッター羽根の動きもあまり良くない状態で
特に高速シャッターの精度が切るたびに不安定です。
縦走り金属羽根のシャッターは
非常に薄い金属羽根を比較的小さなバネの力で
非常に素早く正確に動作させます。
その構造上、羽根の駆動部にわずかにでも汚れやゴミ等があると
精度に影響してしまいます。
おそらく既に壊滅状態のモルトの屑等が入り込んいるものと思われます。
これもシャッターユニットの清掃整備で対応していきます。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
これから本格的に整備を行っていきます。
シルバーも良いですが
XDはこのネオブラックの人気が高いですね
もともと端正な佇まいのXDをより引き立てるような気がします。
艶消しのブラックっていうところが明らかに
他機種と異なるのですよねぇ
これも当時提携していたライツからの影響と思われます。
純国産万歳の私としてはちょっと悔しいですが…(苦笑)

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「雨水」ですね。
雪や氷が解けて水となり
雪に代わって雨が降り始める頃という意味で
「雨水」とされています。
実際は積雪のピークでもありますが
この時節から寒さが峠を越え
暖かくなり始めると見ることもできます。
植物の草や木も芽を出し始め
日ごとに春を感じさせます…ということですが…
まだまだ2月ですものねぇ…寒いですよ(笑
とはいえ、ピークは超えた感じもしますし
近所の公園では梅の花が咲いています。
例年より少し遅れていますが
河津桜も各地でそろそろ見頃になってきそうです。
都内は今日はあいにくの曇り空で
午後からは雨の模様ですが
もう「雪」ではないようです。
少しずつでも暖かくなってもらいたいものです。
もう寒いのはいいですよー(笑

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」の
カメラ修理を行っています。
一昨日もSR-T修理したばかりですね…
元々SR-T101は修理依頼の多いカメラではありますが…
SR-Tス-パーやSR505あたりも含めると
SR-T系の修理は頻繁に行っているような気がします。
それだけ人気がある上に現存台数も多いということですね。
スペック的には60年代の一眼レフとしては
突出してるわけではないのですが
MCロッコールとの組み合わせで開放測光にも対応した
TTL露出計を搭載し、使い勝手の良い上に
ミノルタらしく使い心地の良いカメラで
何といっても丈夫です!
さすがに当店で預かるものは動きが悪くなっているものばかりですが
それでも致命的な破損や故障はめったにないカメラです。
ただし、現存台数が多くジャンク的扱いを受けている
個体も多く、分解品の中には連動糸が切れてしまっているものを
見かけることも多く、そうなると修理はかなり大変なことになります。

今回、お預かりしているSR-Tは
外装コンディションの良いブラックボディです。
妙な分解歴もなく、安心して扱える個体かと思われます。
逆にこれまで全く整備らしい整備は受けていないものとみられ
フィルム室のモルトももちろんですが
スクリーン周りに使ってある内部モルトも当時のままで
さすがにもうボロボロで用を成していない上に
その劣化したモルト屑があちこちに入り込んでいるようです。
当然、シャッターや巻上の動きは悪く
高速シャッターの精度は全く出ておらず
低速シャッター時には頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
露出計はまずまず動作はしていますが
少々不安定なことと精度には問題がありそうです。
それでも通常の一通りの整備で
気持ちよく使える状態になると思われます。

画像にも少しだけ写っていますが
SR-T系はスローシャッターを制御する
スローガバナが巻上レバーと
シャッタダイヤルの間あたりに配置されています。
横走りシャッター機の場合は
ミラーボックス底部に配置されているのが
ほとんどだと思いますが
このあたりは少々独特な構造ですね。
整備する側としては状況が確認しやすくて良いのですが…
いつものことですがSR-T系の場合は
張り巡らされた連動糸に注意しながら
ここからさらに分解を進めて整備を行っていきます。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「嫌煙運動の日」らしいですよ
1978(昭和53)年のこの日に
東京・四谷で約40名の有志が集まり
「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が
設立されたことに由来するそうです。
78年ですか…意外と昔ですねぇ
まだその頃は喫煙者の方が圧倒的に多い頃ですね
バスや電車の車内でもタバコが吸えていましたし
座席に灰皿がセットされていましたものねぇ
これも時代の流れですが今から考えると
少し前の「どこでも据える」環境はすごかったなぁ(苦笑)
私が社会人になった頃は会社のデスクで
タバコが吸えるのは普通でしたし
くわえタバコで端末やPC操作していましたもの…
その頃は私も喫煙者だったので
何とも思っていませんでしたが
タバコの煙が苦手な人は
その頃は本当に大変だったでしょうねぇ
私もタバコ止めて随分経ちますが
自分が吸わないとタバコの匂いって遠くからでもわかるのですよ
風下だと10m離れていても
前の人が歩きたばこしているのがわかりますし…
まぁ私は自分が吸っていたこともあり
そこまで不快には感じませんが…
あまり喫煙者いじめのようになるのもどうかと思いますが
もうプライベートな場所以外で吸えないのは
時代の流れでしょうねぇ…
ところで私、いまだにたま~に
「あぁ、こういうときにはタバコだよなぁ」と
妙に吸いたくなる時があるのですが…(苦笑)
まぁ我慢できるレベルではあるのですが…
さすがにもう吸うことはないでしょうねぇ
それこそ血管収縮して詰まっちゃいます(汗)

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」の
カメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラで
ロッコール38mmF2.7レンズ搭載の非常にコンパクトな
距離計連動カメラです。
この時代のこのジャンルのカメラは全てそうですが
ライバルは先行する「コニカC35」です。
ハイマチックは電子制御シャッターで
C35では対応の難しい低輝度の場面でも
スローシャッターで対応できる強みがありますね。
ただし当然三脚必須となってしまうので
どこまでこのカメラを気軽に使う層が
恩恵を受けることをできるかは少々疑問ではありますが…
C35と同様にプログラムオート専用機なので
ピントだけ自分で合わせれば露出はカメラ任せです。
それでもこの小さなボディに
しっかり距離計を載せているのは
目測の苦手な私としては大賛成です。
搭載するセイコーESLシャッターの関係で
レリーズストロークが長い上に
ジャキーンといった感じで切れるシャッターは
少し好みが分かれるかもしれませんが
個人的にはこれはこれで個性的でいいような気もします。
写りはさすがのロッコールで文句ない秀逸な写りを楽しめます。

お預かりしている「ハイマチックF」は
精悍なブラックボディです。
一通り動作はしているようなのですが
ご依頼者さま曰く
オートが合っていないような気がするということでしたので
測定器にかけてみると明るさにもよりますが
ほぼ全域で3段前後アンダーです
これはさすがにネガだとしても写真に影響してしまいますね
シャッターの動きは悪くなさそうなので
制御の問題かと思いますが…
加えてこれは受付時に気が付いたのですが
ファインダーを覗くと距離計二重像の見える範囲が
ファインダー中央にひし形に見えるはずなのですが
その範囲が妙に狭くひし形が欠けているように見えます
カメラを振ってみるとたまにキレイにひし形に見えるので
何かファインダー内で部品が外れていて光路を邪魔しているようです。

ファインダーはやはり距離計象導入部の
部品が外れてぶら下がっている状態でした
上画像でファインダーの前に転がっている部品ですね
まずはシャッター周りの接点をキレイに清掃していきます。
電子シャッターは接点の状態が悪いと
いろいろなトラブルが発生します。
もちろんマグネット吸着部も念入りに清掃します。
その上で電気的調整で何とか問題のない
オート制御範囲にまとめていきたいと思います。
もちろんレンズ・ファインダーは外した際に
キチンと清掃していきます。
電子制御機はなかなか調整に難しい部分が多いのですが
何とかうなく仕上げていきたいと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「天使の囁き記念日」だそうですよ
なんのこっちゃ?と思いますが(笑
ここでいう「天使の囁き(てんしのささやき)」とは
マイナス20℃以下になると
空気中の水蒸気が凍ってできる氷の結晶
「ダイヤモンドダスト」のことなのだそうです。
1978(昭和53)年のこの日に
北海道幌加内町母子里(ほろかないちょうもしり)で
気象庁の公式記録の対象から外れていたため
非公式ではあるが
国内最低気温のマイナス41.2℃を記録したのだそうです。
これにちなみ、同町の「天使の囁き実行委員会」が
1994年(平成6年)に制定した記念日なのだそうです。
マイナス20℃以下とかマイナス40℃とか
瀬戸内育ちの私には想像ができないのですが…(苦笑)
ダイヤモンドダストは見てみたいとは少し思いますが…
でも山に登っていた頃は
マイナス十数℃までは経験しているのですよねぇ…
それでも何もかも凍って大変だった記憶がありますが…
もう今は、身体を冷やす→血管が収縮する→どっか血管が詰まる…と
連想してしまうので(笑
身体が冷えるような場所には近づきたくないかなぁ…
そう考えると冬は比較的暖かくて雪が積もることもなく
夏も馬鹿みたいには暑くならない
私の生まれ育った呉はいいとこなのですよねぇ…うーん…

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタの機械制御シャッター機を代表する1台だと思います。
ミノルタ初のTTL測光機で且つ開放測光に対応するため
レンズ群も合わせてMCロッコール群にモデルチェンジされました。
さらにCDSを二個上下に配置し写真の上下でそれぞれ測光する
分割測光の走りともいえる「CLC」を採用しました。
単純にCDSを直列に配線するため
結局は平均測光と大差ないような気がしますが
考え方としてはかなり先進的でした。
機能面も素晴らしいですが何と言ってもその使いやすさと
信頼性の高さが売り上げにも反映され
約7年間にわたって生産が続けられたロングセラーモデルです。
「生産台数が多い→現存台数も多い」ために
中古市場では少々不遇な扱いとなっていますが
一眼レフカメラとして非常に優れたモデルだと思います。

お預かりしている「SR-T101」は
低速時シャッター時にミラーアップしてしまい
高速シャッターは精度が全く出ていないという
典型的な油切れ及び幕軸の汚れで
シャッターが上手く動作できない状態です。
それでも精度はともかく
健気にシャッターだけはしっかり動作はしているのですねぇ
ここがまさにSR-Tらしいところだとも思います。
巻上も油切れで少しキィキィ音を立てている状態です。
露出計はとりあえず動作していますが
バッテリーチェックは非常に不安定で針が踊りまくります。
やはり一通り整備が必要な状態です。

露出計が動いていても
精度のバランスがなかなか取れないい場合は
CDS周りのハンダ不良が疑われます。
SR-T系で比較的多いトラブルなので
例え問題なくても
CDs周りのハンダは全て一度吸い取ってやり直します。
他はいわゆる横走り機の一通りの整備を行います。

ちなみに画像にはありませんが
一緒にお預かりしたMCロッコール50mmF1.7は
レンズは比較的キレイなのですが
分解品で無限遠までピントリングが回らない状態でした。
ヘリコイド弄られているかなぁ…と思っていたのですが
よく見ると絞りも常に最少絞りで絞りリングの設定が
効いていない状態でした。
これは…と思い慎重に現状を調べてみると
絞り連動部のツメが外された上に逆に取り付けられていて
絞りリングとの連動ができず
且つ、無限遠近くで鏡胴が縮むと
鏡胴に干渉してしまう状態であることわかりました。
結果を書くと簡単ですが
結構そこまでわかるまでが大変でした…(苦笑)
分解清掃後再組立て時には元通りに正しく再組立てしましょう…

キヤノネットG-Ⅲ17のカメラ修理

今日は「似合う色の日」だそうですよ
「似(2)合う色(16)」の語呂合わせですね。
どんな色が似合うかはなかなか難しい判断かと思いますが
服や持ち物の色って大事ですし
その色が変わると気分も変わりますよね!
当店にご来店いただいたことのある方は
お気づきだと思いますが店内はオレンジ色が多いです
いわゆるビタミンカラーは元気が出る色ですね!
個人的な持ち物には赤系統が多いかな…
でもこれはカープ関連商品が多いからか…(苦笑)
10代後半から20代にかけての頃は
やたらとブルーとか紫の寒色系が好きで
まぁ、要はカッコつけて
クールなイメージが欲しかったのですが…(笑)
まわりから
「いやブルーとかじゃなくてイメージ的に黄色でしょ!」と言われ
「それ!カレーばっかり食べてるみたいじゃん!!!」って
言い返して笑われたことを思い出しました…
うーん、黄色ねぇ~嫌いじゃないけどねぇ…
まぁできるだけ気分によっていろいろな色のものを
身に着けるようにしたいですね!

さてさて

今日は「キヤノネットG-Ⅲ17」のカメラ修理を行っています。
社会現象ともなった衝撃の初代キヤノネットが1962年に発売されて
1972年発売のこのG-Ⅲがキヤノネットとしての最終モデルとなります。
モデル名の「G」は品質の向上を意味するグレードアップの頭文字で
「Ⅲ」は初代キヤノネット系を第一世代、
小型化されたニューキヤノネット系を第二世代と捉え
このG-Ⅲが第三世代という意味だそうです。
そうは言ってもこの「G-Ⅲ」
基本的にはニューキャノネットとほぼ同じです。
ニューキャノネットQL17-Lのバッテリーチェックを
指針式からランプ式に変更した機種と言えると思います。
ただ、この「G-Ⅲ」、キヤノネットの最終モデルとして
ふさわしい超ロングセラーモデルで
1972年3月の発売から1982年の夏までの11年間にわたって生産販売され
この1機種で約120万台がユーザーの手に渡ったのだそうです。
今でも非常に人気の高いカメラです。
コンパクトなボディにF1.7の大口径レンズを搭載し
基本的にはSS優先オートで撮影しますが
いざとなればマニュアルでも使える万能機です。
(マニュアル時には露出計はオフとなります)
ファインダーも非常に明るく距離計も使いやすいカメラです。
人気があるのも納得の内容です。

お預かりしている「G-Ⅲ17」は
まずシャッターが切れません、レリーズを押しても何も起きません
もちろん巻き上げることもできません。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着です
非常に薄く軽いシャッター羽根をわずかなバネの力で
駆動するので羽根に汚れや油が付着すると簡単に固着します。
特に油分は大敵なのですが
シャッターユニット内には当然油分があり
ヘリコイド部にはグリスが使われています。
それが何らかの理由でシャター羽根に付着すると
水に濡れたガラス板がピタッとくっつくのと同様の原理で
シャッター羽根がくっついてしまうわけです。
構造上、長い時間が経つとある意味避けられないトラブルなので
もう定期的にメンテナンスしていくしかありません
さらに絞りにも粘りが発生していて
この状態ではシャッターが仮に動作しても
オート時に絞りがコントロールできないものと思われます。
このタイプのSS優先オート機は
オート時にシャッター羽根以上に小さな力で
絞り羽根を動かします。
少しでも汚れがあって粘っているとまともには動作できません。
加えてファインダー距離計二重像にもズレが見られます。
全体的に整備・修理の必要な状態です。

露出計は動作していますが
1.5Vで駆動すると2段近く指針は振り過ぎになり
そのまま撮ると大幅にアンダーになってしまいます。
電圧変換型の電池アダプターを使えば
そこそこの値になりそうですが
以前にも書きましたがこのカメラの場合、
電圧変換型アダプタを使うと
抵抗の問題でバッテリーチェックが点灯しなくなります。
今回はせっかく分解整備するわけですから
1.5Vで最適な値が出るように調整も行います。
まだ上カバーを開けただけの状態ですが
これから本格的に整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日はいわゆる「バレンタインデー」ですねぇ
さすがにこの歳でひとりものでいて
さらに普段も一人で仕事している訳ですから
いつのまにか全く縁のない日になってしまいました(苦笑)
もちろん私は大の甘党で
チョコは大好きなので
欲しければ自分で買って食べることにします(笑
(糖尿病持ちなのでほんの少ししか食べられませんが)
関連する記念日として
「チョコレートの日」、「ネクタイの日」
「ふんどしの日」、「イケメンの日」
「恋の神様の日」、「日本酒女子会の日」等々が
制定されています。
どう考えてもイケメンじゃないし
ネクタイもふんどしもいらないなぁ(笑
ほんの少しだけチョコ食べて
夜は日本酒をいただくかな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
前モデルとなる「FT」をFDレンズ使用時に
開放測光に対応したモデルと言えます。
発売開始となった1971年には
キヤノン初のプロ向け一眼レフと言える
「F-1」が発売されており
同時期に開発された「FTb」には
内部的には「F-1」と基本仕様が変わらない部分も多くあります。
外観のスタイル的にはこれまでの「FT」的であり
旧FLレンズ使用時は絞込測光で対応も可能です。
F-1のサブカメラ的立ち位置でもあり
当時のキヤノンの主力機種であったカメラです。
中級機ということでこの時代のキヤノンお得意の
「QL(クイックローディング)」を搭載しており
フィルム装填はかなり簡単です。

お預かりている「FTb」は
まず露出計が電池を入れても全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
プリズムにはわずかですが腐食もあり
ご依頼者様のご希望もあり交換で対応いたします。
全体的にやはり油切れの兆候もあり
シャッタースピードの精度も出ていません。
1/1000はいまにも閉じてしまいそうな状態です。

FTbやF-1の露出計不動は大抵の場合、
SW部の接触不良であることが多いのですが
今回はメーター本体に直接電圧をかけても
メーターは全く反応せず
メーター内部で断線してしまっているようです。
上画像でころんと転がっているのが
メーター本体ですがこれは中古良品のメーターと
交換で対応したします。
他は通常の整備ひととおりで快適に使える状態になりそうです
ただ、本体以外にもうひとつ問題があって
装着されているレンズが右上に映っている
NewFD100mmF4マクロなのですが
めいっぱい無限遠までピントリングを回しても
ファインダー上で確認しても全く無限遠に届きません。
最初は「あれ?ボディ側に問題あるのか?」と思ったのですが
いろいろテストして確認したところ
レンズ側に問題があることが確認できました。
2mで確認するとピントリング上は3mを指す状態で
かなり大きくズレていることがわかります。
いくら年月が経っていてもこんなに大きくズレることはありません。
それでいてレンズ自体はやけにキレイです。
まぁ明らかに分解していると思われます。
通常、ピントがズレているレンズはヘリコイドの位置調整等で
修正するのですがこれはそういう問題ではなさそうです。
構造から考えて「たぶんあそこだろうな。。。」と予想し
レンズを外していき、該当箇所と思えるレンズを
ひっくり返して仮組します…そしてチェック…
予想通りピントは正しい位置に直りました。
分解清掃自体は良いのですが
正しく再組立てしてください!ということですね
どう考えてもプロの仕事ではないでしょうから
素人分解かと思われますが
せめてちゃんとマーキングして
正しく組み立てておいてほしいものです(苦笑)
今回はわかりやすい部分で発見が比較的早かったですが
複雑でわかりにくい構造のレンズだと
1枚ひっくり返っていてもそれを発見するのは本当に大変なのです。
何はともあれご依頼者様に
安心して使っていただける状態になって何よりです…

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