月別アーカイブ: 2022年8月

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は8月31日…「野菜の日」だそうです。
日付は「や(8)さ(3)い(1)」(野菜)と読む語呂合わせからです。
栄養たっぷりで美味しい野菜ですが
野菜とひとくくりで言っても
いろいろな種類がありますよねぇ
食用する部位で分別したとしても…
根菜類(ダイコン・ニンジン等)、
茎菜類(タマネギ、アスパラガス等)
葉菜類(キャベツ、レタス等)
果菜類(トマト、ナス等)
花菜類(ミョウガ、ブロッコリー等)
こんなにあるのですよねぇ
これからをなかなかバランスよく食べるなんて
難しいに決まってます…(苦笑)
特に私みたいな一人暮らしだと…うーん…
まぁ野菜ジュース等を使いながら
なるべく意識して野菜を摂るように心がけます…
嫌いなわけじゃなくて
美味しいのはわかっているのですがねぇ
もう少し涼しくなって鍋の季節になってくると
野菜摂取量も自然に増えてくるのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラで「キヤノンAシリーズ」の最初のカメラでもあり
全てのAシリーズのベースとなるカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラでもあり
電子化と生産効率化を一気に進めたカメラです。
従来の一眼レフカメラより約300点の部品削減に成功し
大量生産が可能となり、他社の同クラスのカメラより
2万円近く安い価格設定が実現できたとも言われています。
実際、このAE-1登場後、大手各メーカ一眼レフの
電子化・自動化・高機能化・低価格化は大きく飛躍し
これについてこれなくなった中小のメーカーが
一眼レフ市場から撤退することにもなっています。
業界的にもターニングポイントなったカメラだと思います。

効率化や低コスト化は進み
上下カバーはABS樹脂製ともなったものの
それまでの一眼レフに比べて決して安っぽい質感には
なっていないと思います。
内部はさすがに電子化はかなり進んでいますが
それでもまだSSダイヤルからの連動部に糸が使用されていたりと
完全電子化への過渡期であることがよくわかる構造です。

お預かりしている「AE-1」は
電源は安定しているのですが
シャッターが切れたり切れなかったりしている状況です。
レリーズ部のSW接触不良か
マグネット吸着部の汚れによるものだと思われます。
加えてシャッター作動時には
「Aシリーズ」全般でお馴染みのシャッター鳴きが発生しています。
「シャッター鳴き」とはいいますが
正確にはミラー駆動部のギアが油切れで作動時に
ギャインと異音が出ている状態です。
音が出ている時点でミラーの動きが悪いのは間違いないですが
症状が進んでくると明らかにミラーの動きが緩慢になり
最終的にはミラーが動かなくなり
シャッターも切れなくなってしまいます。
オート・露出計もかなりオーバー側にズレていて
精度も不安定なので全体的に整備が必要な状態です。

フレキの処理には少々神経を使いますが
電子制御カメラの割には整備性は悪くありません。
ただラフに扱って電子部品やフレキにダメージを与えると
それが致命的となり修理不可能になる可能性もあるので
やはりかなり慎重に作業を行わなくてはならないカメラです。
オート時の絞り制御のためにミラー周りの機械制御も
相当複雑な構成になっており
限られたスペースに精密に組まれている様子は
ちょっと見とれてしまうほどです(笑

これから必要な機械的部分の清掃・注油・調整を行い
電気的な調整も行って仕上げていきます。

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オリンパスペンSのカメラ修理

毎月29日は「肉の日」なのですが
今日、8月29日は
「や(8)きに(2)く(9)」(焼き肉)と読む語呂合わせで
「焼肉の日」なのですね!
焼肉いいですよねぇ~肉の好みは歳を重ねて
変わってはきましたがそれでも焼肉は最高です!
でも今はカルビなんて全く頼まなくなってしまい
ロースやヒレがメインになってしまいます。
脂の重いものはしんどいのです。
でもおかしなものでホルモンはどうしても
少しは食べたくなるのですよねぇ(笑
で、焼肉といえばやはりビールですよねぇ…
苦み走って少し重めのエビスビールが最高に合いますね!
量も以前程は食べられなくなりましたが
それでも頻繁に食べに行きたくなりますね!
少し前に流行った例のひとり焼き肉の
お安い店でも行ってみようかな…(笑
たいした量食べないからお家焼肉でもいいでのすが…
こんなこと書いてたら
平日昼間っからビールと焼き肉モードになってしまいます(笑

さてさて

本日はオリンパスペンSのカメラ修理を行っています。
1960年発売のカメラです。
前年に発売されたノーマルのペンの高級版といった位置づけです。
シャッター2枚羽根でB・1/25-1/200の4速だったノーマルペンに対し
5枚羽根のシャッターとなりB、1/8-1/250秒の6速となっています。
レンズもDズイコー3cmF2.8に変更されています。
撮影・表現の幅もかなり拡がったと思われます。
ペンと言えばEEシリーズが台数も多く人気ではありますが
ペンS系は露出計もないマニュアル機で
少々通好みといったイメージです。
それでもそのシンプルさ故に人気は根強く
当店にも多くの個体が修理依頼されるカメラです。

お預かりしているペンSは
まず巻上が妙に重いことが気になります。
例のダイアル式巻上は巻上が重いとかなり使いにくく感じてしまいます。
巻上のトルクが一定でなく途中から重くなるのは
構造上仕方ない部分でそれ自体はそれほど気になりませんが
この個体の場合は巻上当初からいきなり重く
途中からさらに重くなるようなイメージです。
シャッターユニット云々の問題ではなく
巻上ギアそのものの動きにもんだいがあるようです。
加えてスローガバナの動きが粘りがある上に不安定で
スローシャッターである1/8でシャッターを切ると
ガバナが効くと途中で止まりながら1秒弱で切れる感じで
繰り返して切っているとガバナが全く効かず
1/30くらいで切れることも多くあるようです。
シャッター羽根自体にも粘りがあり
シャッターは各速全域で問題が出ている状態です。
こちらはシャッターユニット内の清掃整備で
本来の動きを取り戻せるとは思います。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
ところで今回もそうですが
裏蓋取り外し式の初期のペン、ペンS、ペンD、ペンEEに
共通しますが裏蓋底部のモルトは劣化すると確実に
光線漏れを起こします。
画像ではモルトを除去した状態のなので
シルバーの地金の出ている部分ですね。
フィルム室のモルトは1.5mm厚のモルトを使うことが
他のカメラでは多いのですが
このタイプのペンの裏蓋底部に関しては1.5mmは全く厚みが足りません。
1.5mmを貼ってしまうと張り替えたばかりでも
光線漏れする可能性がかなり高いと思われます。
今回もこの部分にはモルトではなく
腐食しない材質の薄い遮光材が貼ってありましたが
劣化はしていませんが非常に不安な状態だったので
貼り直して厚手のモルトで対応いたします。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジ開通記念日」だそうです。
1993(平成5)年のこの日に
東京で東日本最大のつり橋「レインボーブリッジ」が開通しました。
今や東京タワーとかに負けないほどの東京のシンボルですねぇ
上層が有料の首都高速道路11号台場線で
下層が無料の臨港道路・遊歩道とゆりかもめの二層構造になっています。
上層の首都高11号線を車やバイクでマジックアワーとかに走ると
トワイライトに浮かぶ夜景がめちゃくちゃキレイなのですよねぇ
今やクルマもバイクもないので
随分ご無沙汰してしまっていますが…
台場あたりからライトアップされた姿を見るのもなかなかステキです。
ただレインボーブリッジって
力学的にはとてもバランスが悪いつり橋なのですよね。
ケーブルで構成される中央のアーチ部分が長いのに対して
両脇のアーチ部分が異様に短いのです。
東京湾の周辺の土地が狭く両脇のケーブルを長く引くための
間隔を取ることができなかいことと
東京湾は船が頻繁に通るため、
海上に立つ柱の間隔を500m以上あけなくてはならなかったためです。
いろいろな制約の上で苦労して成り立っていることがよくわかります。
それでも美しい橋であることにもちろん変わりはないですが…

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
先行発売されていたペンタックスAPやペンタックスKの
普及版としてデビューしましたが
生産設備や生産効率の見直しでかなり価格も抑えられていたため
非常にヒットしたモデルです。
普及機ということでSS最高速は1/500に抑えられているものの
前面にあった低速側シャッターダイヤルを廃し
その後の標準仕様となる低高速を統合した
「1軸不回転式シャッターダイヤル」を採用し
機能性ではペンタックスKを上回っています。
最終的にはマイナーチェンジでSS最高速も1/1000に変更されます。
非常にコストパフォーマンスに優れたカメラです。

しかしながらSPより前のペンタックス機は
既にシャッター幕の劣化が進んでいるものが非常に多いのです。
今回のS2も全体的なコンディションは悪くなく
外観もなかなかキレイなのですが
シャッター幕の劣化…というか硬化がかなり進んでおり
シャッター幕がまともに走行できない状態になっています。
酷いコンディションのものになると
幕が破れたり穴が開いていたり裂けていたりと
明らかに撮影できないと一目でわかるようになるのですが
今回のS2はそこまでは酷い状態ではありません。
とはいえ、正確な露出で普通に撮ろうとすると
この状態でもさすがに無理かと思われます。
特に後幕の走行状態が幕が硬いため不安定で
測定しなくても見た感じでも明らかに走行スピードが遅いのがわかります。
やはり近年に幕交換されているものでもない限り
AP~SVあたりのカメラは
幕交換を前提とした方が良いかと思われます。


これから幕を外して交換していきます。
今回のように従来のシャッター幕が裂けたりせずに
形として残っている場合には
単純に全く同じ形状の幕を切り出して
全く同じ位置に貼れば交換は完了するはずです。
。。。と言葉で言えば簡単なのですが
これがなかなかの重作業です。
作業自体が難しいとか特殊な技術が必要なわけではなく
慎重に丁寧に根気よく行うことが要求されます。
それではこれから集中して取り掛かっていきたいと思います。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうですよ。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の
誕生日であることに由来しています。
牧水さん、一日一升程度の酒を呑んでいたといい
やはりというかなんというか
死の大きな要因となったのは肝硬変だったそうです。
夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と
医師を驚嘆させたとの逸話があるそうです。
私もお酒は種類に関わらず好きなので
気持ちはわからんでもないですが
やはりお酒の量はほどほどにしないといけませんねぇ
…というか私、ここ数年で
めっきり飲める量が減ってしまって
少し飲むと眠くてたまらなくなるし
自宅でいつでも寝られる体制で安心して
少し多めに飲むと確実に二日酔いで翌日に影響が出るのですよねぇ
いい酒とそれに合う上質な肴を少々…くらいでいいようです
ある意味上品でいいかもしれません(苦笑)
まぁ、いろいろと衰えて無茶できなくなりました…
何だか寂しいですねぇ

さてさて

本日は宮崎美子さんのあのCMでお馴染みの
「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
1980年のカメラです。
絞り優先オート露出専用のエントリーモデルです。
この時代は物品税の関係もあって
絞り優先オート専用・価格4万円というカメラが各社から出ていて
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
ニコンEM、ペンタックスAV-1及びMG、オリンパスON10あたりですね。
各モデルともにテレビCMもバンバン流れてて
そのCMがX-7は宮崎美子さん、OM10が大場久美子さん
ペンタックスMGが歌手デビュー前の早見優さんでしたねぇ
何とも懐かしい。。。(笑
販売ボリューム的にも重要なクラスなので
コストカットも効率化も進んでいますが
カメラとしても非常に使いやすく優れたモデルばかりでした。
もちろんX-7もそうです。
エントリーモデルとはいえ
やはり使い心地は秀逸でXシリーズらしい上品なシャッター音に
キレの良いファインダーはさすがこの時代のミノルタ機といった感じです。

「X-7」といえば最大の問題はプリズム前面に貼られた
モルトを原因とするプリズム腐食なのですが
今回お預かりしている「X-7」はめずらしくファインダーから見る限り
プリズムの腐食は確認できません。
それでも安心できないのもいつものことで
かろうじてプリズム蒸着が剥がれていないだけで
整備分解でプリズムを降ろそうとした瞬間に
一気に蒸着が剥がれるパターンも多いので油断できません。
まぁ、そうなれば交換するしかありません…
X-7は比較的、プリズム交換は何とかなるカメラなので
そこだけは少し安心ですが…
今回のX-7はプリズム云々ではなくシャッターに問題を抱えています。
それも電子制御関連ではなく機械的な問題です。
後幕の動きが異様に悪くシャッタースピードの精度が出ていない上に
何度か作動させているとシャッタ幕が途中で止まってしまい
隙間が空いた状態で固着してしまいます。
当然ミラーアップしたままになってしまいますし
この状態だとその撮影コマだけでなく周辺のコマにも光漏れしてしまいます。
いずれにせよ、まともに使える状態ではありません。
異物の挟み込みとか部品破損等ではなく
単純に汚れや古い油の影響で動きが悪いようです。
一通りの分解整備の上での調整で改善できるかと思われます。

スッキリしたシルバーも何とも良い佇まいです。
同じカメラでシルバーとブラック2色が
存在するのは珍しくもなんともないですが
X-7の場合は色の違いだけではありません。
後から追加されたブラックX-7はグリップが追加され
ファインダースクリーンも
ミノルタ自慢のアキュートマットスクリーンに変更されます。
価格も5,000円アップでした。
グリップの付いたブラックの外観はいかにも80年代的で
それはそれでよいのですがシルバーのこのシンプルなデザインが
妙に好感度が高いような気もします。
アキュートマットは確かに明るくて良いですが
直接比べない限りはこのシルバーのスクリーンも
十分な明るさとキレを備えています。
話が少々逸れました…まだ現状を確認しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
1903(明治36)年のこの日に
東京電車鉄道の路面電車が新橋~品川で営業を開始し
「東京で」初めて路面電車(チンチン電車)が走ったことに由来しています。
ちなみに日本で初めて路面電車が走ったのは
1890(明治23)年5月4日に上野公園で開催されていた
第3回 内国勧業博覧会の会場内だったそうです。
また、日本で最初の一般道路を走る路面電車は
1895(明治28)年2月1日に開業した
塩小路東洞院~伏見京橋の京都電気鉄道だったでそうです。
あくまで今日は「東京で」初めてチン電が走った日なのですね…
これとは別に「ろ(6)でん(10)」(路電)と読む語呂合わせで
6月10日が「路面電車の日」となっています。
私は広島(正確にはお隣の呉市)出身なので
広電のチン電にはいろいろ思い出がありますねぇ。。。
そういえば路面電車ではありませんが
今日で広島電鉄宮島線は開業100周年だそうです
1922年に現在の広電西広島~草津間で開業されています。
100年経つと沿線の景色は
さすがに全く違ったものになっているでしょうねぇ

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売の中級機です。
それまでのミノルタの主力であったXG系のフレームを一新して
新設計で登場したモデルでX3桁シリーズとしては
最上級のモデルです。
このX-700をベースとして
後にX-500やX-600も生まれましたが
登場以来ミノルタマニュアルフォーカスのトップモデルとして
18年間存在し続けました。
この間にはαシリーズの登場もあり主力はオートフォーカス機へ
大きく変遷していくのですが
根強い人気を最後まで保ち続けた名機です。
さすがに時代を反映して効率化の名のもとに
コストカットされた部分も多く
外装部品の多くはプラスチックで巻上やシャッター音は
以前のXEやXDの上質さまでは届きませんが
それでもミノルタらしい使い心地の良さは継承しており
何といってもお得意のアキュートマットスクリーンによる
ファインダーの明るさとキレは素晴らしいものがあります。
それに加え電子回路も熟成されているため
以前のXシリーズに比べると電子回路関連のトラブルも少なく
安定して動作するカメラでもあります。

それでも登場から40年を超えているカメラです。
いくら電子回路が「比較的」安定しているカメラとは言え
トラブルはいろいろ起こって当たり前だと思います。
使いっぱなしで未整備だとなおのことです。
お預かりしている「X-700」はAEロックの付いたブラックモデル
いわゆる「ニューX-700」です。
外観から判断した感じでは
かなりしっかり使い込まれた個体のようです。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
フィルムカウンターが36枚目で固まったまま
裏蓋をあけても戻らない状態になっていることです。
X-700は電子制御満載のカメラですがカウンター絡みの
電気的制御はないので単に枚数がわからないだけで済んでいますが
電子制御カメラの場合、カメラの種類によっては
カウンターが動かないことで
シャッター制御ができなくなることもあります。
いずれにしても点検整備一式を行うため
一通りの動きを確認したのですが
電源が少々不安定でたまに全く電源が入らなくなることがあるようです。
さらにそれとは別の原因で露出計が不安定なことと
高速シャッターの精度不良が確認できています。
カウンターの件がなくてもそろそろ一通りリフレッシュさせた方が
良い時期になっていたようです。
フィルム室のモルト交換歴はあるようですが
そのモルトの貼り方がいまひとつのため
裏蓋が妙に開きづらい状態にもなっています。

まだ現状確認を行っただけの状態です。
これから分解整備に取り掛かります。
大文字「MINOLTA」のロゴもそうですが
「X-700」のロゴだったりボディのデザインも
どことなく80年代を感じさせるデザインで
個人的には非常に好みのデザインだったりします。
自分が10代を過ごした頃の空気感みたいなものが
感じられるのですよねぇ…
まぁその個人的な感覚は差し引いても
非常に良いカメラであることに間違いはないと思います。
私も個人的に現在普段使いしているカメラでもあります

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「噴水の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に
日本初の西洋式の噴水が作られたことが由来になっているそうです。
噴水はいつまでも眺めていられますよねぇ
子供の頃に呉市中央公園の噴水広場で良く遊んだなぁ…
ここの噴水、今でも基本的に50年前と変わらないのですよね
今度、呉に戻ったときにもっと写真撮っておかなくては…
そう考えると昔ほど公園で噴水を見なくなったような気がします。
気のせいかな…都内だとぱっと思い出すのは
日比谷公園くらいしか浮かばないですねぇ…
最近だと夜ライトアップされる噴水とかもあると思うのですが
ここ10年くらいそんなオシャレなスポットには行く機会がないな…
ちょっと都内の気軽に行けるところで噴水があるとこ調べてみます…

さてさて

本日はキヤノンFTのカメラ修理を行っています。
キヤノンFLマウントの絞込測光機ですね。
1966年発売のカメラです。
これの開放測光機がFDマウントのFTbとなり
以前はFTbのほうが当店にやってくることが多かったのですが
最近はやたらとFTが多いのですよね
先月もFTの修理ブログ書いたような気がします…
シャッター、巻上、ミラー駆動等の
基本的構造はFシリーズ初代の「FX」から引き継いだものですが
もちろん細部はブラッシュアップされていて
非常に精度高く安定した動きをするカメラです。
FXでは外光式だった露出計はTTL測光となり
その受光体はコンデンサレンズの背後にセットされます。
コンデンサレンズ内にハーフミラーが組み込まれており
ファインダー視野の12%にあたる中心部の光のみをCdSに導きます。
そのためこの時代の多くのTTL測光機が採用していた
平均測光や中央部重点測光ではなく中央部部分測光となります。
受光体の取り付け位置も外光に影響されにくい部分で
非常に精度の高い測光方式と言えると思います。
露出計の構造を理解している方なら
部分測光の方が露出の難しい場面でも予想しやすいと思います。
このコンデンサレンズの背後に受光体を置くキヤノン独特の構造は
後のF-1やFTbにも受け継がれます。
さらにこの時代のキヤノンお得意の機能となる
QL(クイックローディング)も搭載され
フィルム装填が簡単に行えます。

お預かりしている「FT」は
まずお決まりのプリズム腐食を抱えています。
Fシリーズのカメラもプリズム腐食の非常に多いカメラですが
パターンとしては視野内縦方向に水が流れたかのような
モヤモヤが出現しているパターンです。
プリズム交換するのが最適な対処法ですが
FT、FP、FXの腐食のないプリズムは
もはや入手が非常に困難になっています。
今回は何とか交換で対処できそうですが
今後はだんだん難しくなると思われます。
加えて低速シャッター時にかなり高い確率で
ミラーアップしたままとなってしまいます。
SSを「B」に設定して動きを何度か確認したのですが
普通にシャッター幕が走行して
ミラーダウンまで何事もなく完了することもあれば
後幕が…するする…するっ…とゆっくりとしか出てこずに
その後、最後1/4を残して
開いたまま止まってしまうようなこともありました。
もちろんミラーはアップしたまま固まってしまいます。
後幕の動きがかなり悪いようです。
そのために起こるミラーアップですね。
当然この状態で高速シャッターでの精度も出ているわけもなく
シャッター幕軸の清掃注油の上の調整が必要です。

ちょっとわかりにくいですが
プリズムの縦方向の腐食が2本見えていますね。
こいつの原因はその横に写っている
プリズム抑えの金具の裏に貼られている
モルトプレーンの加水分解が原因です。
プリズムカバーが一応あるとはいえ
隙間もあるので長い時間をかけて
プリズムを腐食させてしまいます。
もちろんプリズムカバーがなければこんなものではすまず
視野中央に真っ黒い帯がでるような腐食になると思います。
プリズム周りのモルトを原因とする腐食は
どのメーカーのカメラも多いですね…
定期的に交換していないと間違いなく発生してしまいます。
プリズムは最終的に載せ替えますが
その前にっこから分解を進めて
シャッター周り、巻上、ミラー周りの整備を行っていきます。

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オリンパスオートアイのカメラ修理

今日は8月19日…
語呂合わせで「バイクの日」「俳句の日」ってところが
有名ですが実は「世界写真の日」でもあるのですよねぇ
ダゲレオタイプの発明に関する記念日なのですが
日本国内では6月1日が日本における「写真の日」なのですよね
こちらは日本初の写真が撮影されたことに由来しています。
日本初の写真撮影もダゲレオタイプですが
今や写真は誰でも簡単にスマホで撮影でき
その場で撮影した写真を見られる時代です。
その場で写真が見られるってのは
私の世代でも昔では考えられないことですものねぇ
すごい時代になったものです…
私が今でも愛用し仕事にもしている
フィルム写真およびフィルムカメラを
取り巻く環境は年々確実に厳しい環境になりつつありますが
フィルムやカメラの選択肢は少なくなっても
何とか生き残ってほしいものですね…

さてさて

本日は「オリンパスオートアイ」のカメラ修理を行っています。
少し前に「オートアイ2」の修理も行いましたが
今回は初代の「オートアイ」です。
発売は1960年で「世界初の本格EEカメラ」と謳われた意欲作です。
シャッタースピード優先AEを搭載し
シャッタユニットはコパル、レンズはDズイコー4.5cmF2.8
何といってもファインダー表示の絞り値が
オート時にはレリーズボタン押し込み時に
くるくる回って表示されるという
何とも楽しいギミックが特徴のカメラです。
シャッタースピード優先AE機としては普通に使いやすいカメラです。
しかしながらこの「オートアイ」発売の翌年には
「より使いやすく」
「より明るいレンズを搭載し」
「よりお安い」
社会現象ともなった化け物カメラ「キヤノネット」が発売され
「オートアイ」は非常に苦しい販売成績となってしまいます。
それに対抗するために登場したのが「オートアイ2」だったのですが
それでもキヤノネットの勢いを止めることはできませんでした…
今となってはAE機として使う分にはそれほど大差はありません。
ただ正直なところ整備性はキヤノネットのほうが格段に良いです(苦笑)

お預かりしている「オートアイ」はシャッターが全く切れません。
この類のレンズシャッター機でシャッターが切れない場合は
まずシャッター羽根の固着・粘りを疑うのですが
どうやら今回は違うようで
巻上ができなくてチャージされないようですね…
巻上機構そのもののややこしいロック機構はないのですが…
原因究明はまずは後回しににして
それ以外にも露出計が全く動いていないようです。
オートで撮影することがメインであり
特にマニュアル時の操作がはっきり言って使いにくいこのカメラで
露出計不動は致命的トラブルです。
セレンがダメだと正直なところこれも厳しいのですが…

まずはある程度のところまで分解して現状を詳しく確認していきます。
やはりシャッタユニットには多少の動作不良と粘りはあるものの
大きなトラブルはないようです。
シャッターが切れない原因は巻上機構部の一部変形と部品脱落で
その脱落した部品が巻上機構に挟み込まれて
巻上が全く動けなくなっていたことが原因でした。
露出計はセレンの劣化も相当進んでいて厳しいのですが
露出計本体も内部断線で全く動作しない状態です。
これは少々困りましたねぇ
セレンも含めて少し部品取りを手に入れて
何かしらの対策を考えたいと思います。
少々時間がかかりそうですが何とか
普通に使える状態に仕上げたいと思います。

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ミノルタALSのカメラ修理

今日は8月17日…
語呂合わせで「パイナップルの日」ですねぇ~
夏にピッタリのフルーツです!
丸々1個はおっさんのひとり暮らしだと
さすがに縁がないですが
スーパーでは手ごろなカットパインも売っていて
食後のデザートに買うことも多いですね…
でも一番口にすることの多いのは
パイナップル本体ではなくて昔からある「パインアメ」かもしれません(笑)
今も作業机の隅に「パインアメ」の袋が…
血糖値上がるのであまり食べちゃダメなのですが
ついつい止まらなくなるのですよねぇ…
ちなみに今日は「日本最高気温の日」でもあるそうです。
最高気温…2007年に74年ぶりに記録が更新されて以降は
ちょくちょく更新されているのですよねぇ
今の記録は2018(平成30)年7月23日の埼玉県熊谷市での41.1℃
さらに2020(令和2)年8月17日の静岡県浜松市での同じく41.1℃
これらの日付が「日本最高気温の日」となっているのだそうです。
さらに余談ですが現在の「日本最低気温の日」は1月25日で
その最低気温はマイナス41.0℃だそうです。
日本ってすごい国ですねぇ…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタALS」のカメラ修理を行っています。
1966年に発売されたカメラで
前身となる「ミノルチナS」のセレン光電池を使用する露出計を
CdSを使用するものに置き換えたカメラです。
「ミノルチナS」同様にスリムなマニュアル専用レンジファインダー機で
現在の感覚で捉えるとかなりスタイリッシュなカメラです。
でも当時はミノルチナシリーズ同様、販売的には苦戦したようです。
本格派マニュアル機は小さくする必要がない…と思われていた時代です…
ミノルタらしく使い心地も秀逸なカメラで
オートが欲しければハイマチックシリーズだと思いますが
シンプルにマニュアルで使いたければミノルチナ&ALSは
かなり良いカメラだと思います。
ネーミングは元々ミノルチナSの輸出モデル名が「AL-s」であり
国内に存在していたAシリーズの流れを汲む「AL-2」の販売が終了したため
ミノルチナシリーズの後継機が新たにALの名称を引き継ぐようになったようです。
この時代のミノルタレンズ固定式レンジファインダー機は
いろいろな種類が併売されていてなかなかややこしいですねぇ

基本的には新売るなレンズシャッター機で
露出計周り以外はそれほど大きなトラブルは少ないカメラですが
今回お預かりしている「ALS」は
巻上レバーが途中で引っかかったような状態で固着しています。
油切れ等で動きにくかったところに
無理に動かして何か噛みこんでしまったような感じです。

最終的にはレンズボードも外して組み直さなくては
ダメだと思いますが
この時点で上下から現状をよく確認しておきます。
あまり無理に動かされていて部品の変形や破損があると
かなり重篤な問題になってしまうのですが…
そこまでの状態ではないようです。
しっかり分解清掃して組み直せば問題なく動作すると思われます。
ただ、露出計は動作しているものの
電池室に緑青が多少確認されているので
配線の状態はかなり心配な状態です。
レンズボード脱着時にその辺りの配線は交換を行います。
もちろんシャッターユニット、距離計の整備調整もぬかりなく行います。

このくらいの気軽に持ち歩けるコンパクトさで
レンズは大口径の40mmF1.8
どう考えても当時もっと売れてもおかしくなかったカメラだと思います。

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ミノルタXEのカメラ修理

HPトップでは以前からお知らせしていますが
明日12日~16日までを「夏季休業」といたします。
「お盆休み」ですね。
ご迷惑をお掛けいたしますがご容赦くださいませ。
で、今日は国民の祝日「山の日」です。
日付に特に意味はないそうですが
なんで「山の日」が8月11日なんでしょうねぇ
どうせこの時期はお盆休みのところも多いのだから
山の日は祝日のない6月にすればいいような気が…
さらにいっそのこと8月13日~15日は
「お盆休み」で祝日にすればいいのに…(苦笑)
ちなみに今日は「山の日」に関連して
「きのこの山の日」でもあるそうです。
美味しいですよねぇ。。。
どうでもいいでしょうが
私は「たけのこの里」より「きのこの山」派かな…
朝、コンビニで買って来ればよかったな…
あとでちょっとだけ抜け出して買ってきます(笑

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年の1973年に最高級機である「X-1」が発売され
これが最初の「Xシリーズ」となったわけですが
「XE」はそれに続いて1台目の「Xシリーズ」となった中級機です。
中級機とはなりますがこの時代にはめずらしく
特に使い心地を重視したカメラで
その点においては上級機の「X-1」を遥かに凌駕します。
その使い心地の大きな核となっているのが
ミノルタ・コパル・ライツ、3社で開発した
「コパルライツシャッター」です。
ミラーチャージ機構がちょっと変わった構造をしていて
そのおかげと巻上機構の精度の高さもあり
非常に滑らかで軽い巻上を実現しています。
現存している「XE」は巻上に油切れの起きている個体も多く
本来の姿でないものも多いのですが
キチンと整備された「XE」の巻上は特筆ものです。
シャッター音も非常に上品で
巻上げてシャッターを切る行為がこれほど気持ちよいカメラも少ないと思います。
個人的には巻上フィールチャンピオンは
縦走りフォーカルプレーンならミノルタXEで
横走りフォーカルプレーンならニコンF3だと思っています。

お預かりしている「XE」はその巻上が若干油切れ気味なことと
シャッター羽根の動きに問題があるようで
1/1000・1/500でシャッターが開ききりません。
先幕の動きが悪く途中で後幕に追いつかれて閉じてしまう状態です。
羽根の汚れ等に原因があるものと思われます。
加えてくれはXEでは定番ですが
露出計指針が明るさにほぼ関わらず最も上に振り切ってしまう状態です。
SWを入れた瞬間に指針が上に吹っ飛んで行ってしまいます…
これは巻き戻しクランク下の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。

画像にもその摺動抵抗が写っていますが
表(ASA感度連動側)はそこそこキレイだったのですが
裏(レンズ絞り連動側)は黒ずみもあって汚れています。
ここは単純にエタノール等で清掃したくらいでは
あまり状況は改善しないことが多く
軽く研磨する必要があります。
(ほんの少しです。磨きすぎると取り返しがつかなくなります)
XEといえば最大のトラブルはプリズム腐食なのですが
今回のプリズムはめずらしく問題がありませんでした。
…とはいえ、以前に何か対策が施されていたわけではなく
画像にも写っていますがプリズム枠前面には
加水分解したモルトが貼り付いています。
若干、プリズム側の塗装にも影響は出ているのですが
蒸着面までは影響はないようです。
もちろん劣化したモルトは全て除去し
劣化しにくい材質の遮光材に交換を行います。

大柄で重く、トラブルもそれなりにあり
なかなか手のかかるカメラですが
本来のコンディションでの使い心地は
なかなか他のカメラで代わりになるものがないカメラだと思います。
今回もできる限り本来の姿を取り戻すように
整備を行い仕上げていきたいと思います。

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ペンタックスMGのカメラ修理

今日は8月10日…今日もたくさんの記念日が制定されています。
「道の日」「宿の日」「帽子(ハット)の日」
「パレットの日」「バトンの日」「スヌーピーの日」
「バネの日」。。。等々。。。
でも今日は何と言っても「焼き鳥の日」ですかねぇ
「や(8)きと(10)り」(焼き鳥)と読む語呂合わせです。
皮、もも、むね、手羽、せせり、ささみ。。。
どこの部位も香ばしくって美味しいですよねぇ
あぁ~焼き鳥屋さんもしばらくご無沙汰ですし行きたいなぁ
で、さらに今日は「ハイボールの日」でもあるようなので
焼き鳥を食べてハイボールをグイっと飲みたいところです!
あ、でも焼き鳥・焼肉に無敵に合うのは
ぶっちぎりで「ヱビスビール」ですが。。。(笑
あぁ焼きたてパリッパリの鳥皮塩にヱビスで幸せになりたい。。。

さてさて

今日は「ペンタックスMG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラで「Mシリーズ」としては最終機種となります。
当店で扱うペンタックス機としては最新のカメラでもありますね。
これ以降に出てくる「Aシリーズ」以降は当店では
修理・整備を扱っておりません。
(ちなみにLX・ME-Fも扱っておりません)
それまでのエントリー機であった「MV1」の後継機にあたりますが
非常に簡素な露出計ファインダー表示だった「MV1」比べると
格段に進歩していて「ME」と同等以上になっています。
基本的な構造としてはやはり「ME」がベースとなっていますが
「ME」発売から5年以上が経過しているため
電子回路周りは随分異なる部分もあります。
整備性は一長一短であまり変わりませんが
明らかに良い意味でも悪い意味でもコストダウンが進んでいます。

お預かりしている「MG」はまず「ME系」定番のトラブルでもある
ミラーアップしたまま固着という状態です。
これはいつものミラー駆動部ブッシュ劣化によるものですが
今回の「MG」はそれだけではなく巻上にも問題を抱えているようです。
通常このミラーアップ状態だと巻上は完全にロックされていて
うんともすんとも言わない状態のはずですが
この「MG」は巻上レバーが途中まで回ります。
ただ手ごたえはなくスカスカです。
後で分解してわかりましたがミラーチャージ部とまkぃ上げロック部の部品が
かなり変形していました。
ミラーアップ+巻上ロックの状態で
力任せに巻上しようとしたのではないかと思われます。
動かない精密機械を力任せに動かしても何一つ良いことはありませんので
動かない段階で修理に出していただければと思います。
今回は大事にはいたりませんでしたが
部品破損の場合、修理不可能の可能性が高くなります。

MEとは異なり差し込み式の基盤ではなくなったため
逆に分解時のリード線の取り外しは手間がかかるようになりました。
ただしSW部下の外しにくい&付けにくい端子盤もなくなったので
手間的には変わらないような気がします。
画像は分解途中ですがミラー駆動部の問題は
いつものことなのですぐに対処できましたが
巻上部変形の問題はなかなかうまくいかずに手がかかりました。
微妙な調整が必要な上にレバー部品が意外と柔らかく
なかなかうまく位置が決まらなかったのです。
それでも何とかスムーズに巻上・シャッターは動作するようになりました。
電気的な調整も問題なく進み
完成の目処が立ったところです。

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