カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

キヤノン7Sのカメラ修理

今日は記念日の制定は比較的多いのですが
あまりピンとくるものがないのですよねぇ…(苦笑)
…ということで10/5の過去の出来事を調べてみると…
1969年10月5日にテレビアニメの「サザエさん」が
放送開始されていますね。
アニメの「サザエさん」開始って私の生まれた年なんだ…
生後半年って頃ですねぇ
今と同じ日曜18:30スタートです。
枠も変わりなく現在まで続いているってすごいですねぇ…
子供の頃はもちろん見ていましたし
ある程度大人になってからも日曜18:00から
ちびまる子ちゃん、サザエさん、と続けて観ていましたねぇ…
今や地上波を全く見なくなったので
ここ10年くらいは全く知らないのですが…
サザエさんの世界観も
子供の頃は比較的身近に感じられましたが
今となってはいい意味でレトロですし
身近なようで遠い存在になってしまいましたね…
とりあえず私には絶対無理だな…(笑

さてさて

本日は「キヤノン7S」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
キヤノン高級レンジファインダー機の最後を飾る
記念すべきモデルですね。
1965年といえば時代は既に一眼レフへの移行がかなり進んでいて
新規の高級レンジファインダー機を開発していたメーカーも
それをベースにしながらも一眼レフの開発へ変更を
相次いで行っていた時期ですね。
そんな中、国産レンジファインダー機のトップを走る
キヤノンから発売された最高級機です。
この時点で高級レンジファインダー機を生産していたメーカーは
既にキヤノンだけとなっていました。
前作「7」の改良版と言えるモデルで
内蔵露出計がセレン光電池からCDSへと変更になりました。
そのため電池室やSWが追加されましたが
露出計が本体や受光素子が小型化されたことで
問題なく配置されアクセサリーシューも追加になっています。
当時の持てる技術をすべて注ぎ込んだカメラで
「カンノン」から始まった32年にわたるレンジファインダー機の
歴史を閉じることになりました。

お預かりしている「7S」は
状態としてはかなり良いのですが動きの悪いところが
多少みられる状態です。
スローガバナーが固着してしまっていて
内部にそれなりの汚れが溜まってしまっている状態です。
全体的にリフレッシュが必要な状態と言えます。

画像は一通りの整備が既に完了した状態です。
低速シャッターはもちろんスムーズに動作するようになり
高速シャッターの精度も調整済みで
全く問題のない状態です。
ファインダーも二重像の多少ズレ等ありましたが
これも改善しています。
装着されているレンズはキヤノン25mmF3.5ですが
こちらも一通りの清掃やヘリコイドグリスの交換を行い
非常にクリアになり操作感も良くなっています。
この重量感や凝縮感、全体に質感の高さは
非常に所有感を満足させると思います。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「徒歩の日」だそうですよ。
「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせからだそうです。
歩くことはやはり生活の基本ですね
私は以前の病気のリハビリもかねて
できるかがり毎晩、ある程度のウォーキングを行っていますが
やはり効果はかなりあると思っています。
リハビリという側面もあるから
通常の方とは異なる部分もありますが
3日、ウォーキングをさぼると明らかに
歩きにくさをわずかに感じますし
毎日行っていれば糖尿病の対策にもなるし
身体全体の調子も明らかに良くなります。
適度な運動と質の良い睡眠はやはり大事ですね。
ただし、だらだら散歩気分で歩いていても
全く効果がないので
気合を入れてテンポBPM130~135で
ちょうど合うようにペースを上げて歩きます。
少し息が上がるくらいが有酸素運動にもなって
ちょうどよいような気もします。
これがしっかりできるうちはまだ何とか大丈夫かな…

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカブランド初のカメラである「Ⅰ」からの
流れを汲むカメラで
1956年発売のカメラです。
その名の通り3代目に当たりこの「Ⅲ」から
セルフコッキングも搭載され
使い方にあまりややこしい部分がなくなりました。
巻上はレンズ鏡胴からのレバーで行い
2回巻上です。よく整備された「Ⅲ」は
巻上も軽く非常に楽しく撮影が行えます。
シャッターはモデルや生産時期によってユニットが異なりますが
いずれもB・1s~1/500をカバーします。
レンズは写りの評価の高いヘキサノン48mmF2です。

お預かりしている「Ⅲ」はいわゆる「L1」呼ばれるモデルで
露出設定はライトバリューに対応しています。
ここはちょっと好みが分かれるかもしれませんが
使い慣れると通常のものとかわりなく使用できると思います。
シャッターユニットはセイコーシャMXLです。
他のカメラにも多く搭載されている高級シャッターユニットです。
で、そのシャッターがレリーズしても全く動きません。
この類のレンズシャッター機定番の羽根固着です。
当然ながらこれだけシャッター羽根が固着していると
絞り羽根も動きに粘りがあります。
機械制御オート(SS優先)搭載機とは異なり
絞りはリングからの入力がほぼそのまま羽根に伝わるので
絞り羽根が粘って状態で動作しえていると羽根の脱落や破損に繋がります。
今回は絞り羽根自体には大きな問題はなさそうです。

まずは羽根固着しているシャッターユニットの整備から行います。
これからユニットの分解を行い
入念な羽根洗浄と組みなおしを行います。
その際に駆動部やスローガバナー等の清掃整備も行います。
組みなおす際にはレンズ清掃を行い
そのあとで巻上やファインダーの整備調整を行います。
シンプルでよくできた精密機械だと思います。
各部の動きを楽しみながら1枚1枚撮るのが非常に楽しいカメラです。

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フジカST701のカメラ修理

今日は10月1日ということで
たくさんの記念日が制定されています。
日本酒の日、コーヒーの日
日本茶の日、都民の日、土地の日
香水の日、そして衣替えの日ですねぇ…
他にもまだまだたくさんありますねぇ
そんな中に「メガネの日」なんてのがあります。
10月1日が「1001」と表記でき
「1」をメガネのつる、「0」をレンズとみなすと
メガネの形をしていることからだそうです。
近視と乱視が酷く(特に乱視)20代半ばから
メガネやコンタクトを使うようになっていますが
裸眼で見えればベストですが
やはり視野がクリアに焦点合って見えていることは
大事ですね。明らかにストレスが軽減します。
近視がある程度進んでメガネの度が強くなってくると
遠くを見えやすく合わせると近く(手元)が見えなくなるんですよねぇ…
なかなか万能なものはないですね。
裸眼だとまだ手元はかなり見えているので
作業中はほとんどメガネを外して行っています。
そのうち今度は近くも見えずらくなって
今度は遠視(いわゆる老眼)のメガネも
必要になってくるのでしょうね…
やれやれ…(苦笑)

さてさて

本日は「フジカST701」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
フジカブランド…現在の富士フイルムのカメラです。
「ST701」はM42ねじ込みマウントを採用した
絞り込み測光の露出計を内蔵するカメラです。
ここでよく登場する「ペンタックスSP」と
同様のジャンルのカメラです。
シャッターは布幕横走りで最高速は1/1000です。
SP同様に絞り込みボタンを押すと
露出計がオンとなりますが
ST701の場合は絞りこみがロックされないので
押している間だけ絞り込み且つ露出計がオンとなります。
好みはあると思いますが個人的にはここに関しては
フジカのほうが使いやすいかと思います。
使用電池はこれもSPと同じくH-B水銀電池ですが
ST701は2個使います。ちょっと電池室の形状の問題もあって
現在のボタン電池で使うには一工夫必要ですね。

お預かりしているST701はシャッターは一通り動作しているものの
露出計は電池を入れても全く動きません。
配線かSW接点に腐食や汚れがあるためと思われます。
しゃったーは動いているといっても
さすがに精度は出ておらずこちらも幕軸の清掃と
その上での調整が必要な状態です。
さらにファインダーコンデンサレンズには大きなカビが見られ
付属するレンズにもそれなりにカビが発生しています。
おそらく長い間、しまい込まれていたカメラだと思われますが
やはり普通に使うには一通りの清掃整備調整が必要な状況です。

ST701はファインダー周辺に
ほとんど内部モルトがないので
モルト由来のプリズム腐食はないカメラです。
その代わりプリズム蒸着そのものの劣化が
比較的多いような気がします。
蜘蛛の巣状にプリズム全体に剥離してしまっている個体も
割と頻繁に見かけます。
絞り込み測光の横走り機ということで
構造はシンプルなはずなのですが
フジカST系はあまり整備性はよろしくないです。
詳細は割愛しますが結構手間がかかります。
それでも比較的見慣れた内部の光景ではあるので
油断せずに慎重に整備を行っていきます。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「接着の日」だそうですよ。
「くっ(9)つ(2)く(9)」と読む
語呂合わせからだそうです。
当店でも作業で接着剤を使うことはありますが
接着剤とひとことでも言っても
特に現在はいろいろな種類の接着剤があるので
用途には注意が必要です。
当店の作業では使うことはまずありませんが
特に瞬間接着剤の類は使いどころに
気をつけた方が良いと思います。
接着するモノ自体や
付着していなくても
その周りにダメージを与える場合があります。
調べてみるとわかりますが
接着剤って用途によって本当にたくさんの種類があるのですよ
上手に使えば非常に便利な場合もありますが
何事も「適材適所」です。
ついついおざなりになりますが
接着剤に限らず何を使うにしても
まずは説明書をしっかり読むことをお勧めします。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
ペンシリーズを代表するともいえる「ペンEEシリーズ」の
派生シリーズで固定焦点からゾーンフォーカスへ変更されたカメラです。
通常の「EE」より少し綿密にピント合わせが行えます。
光量と撮影距離の十分ある通常の撮影では
あまり違いはないと思いますが
絞りを開け気味になる撮影とかだと
ゾーンフォーカスだとやはり安心です。
レンズは少し「EE」と異なり30mmF2.8となっています。
SS・1/30、1/250秒の2速切り替えとなる
オート露出で撮影するカメラです。

お預かりしている「EES」は絞り羽根が固着してしまっているようで
最小絞りの状態から全く動かないようです。
これでは当然ながらオート露出は全く機能しません。
やはり心配されるのはセレン光電池の状態ですが
絞りこそ動かないもののSS切り替えは明るさによって
切り替わっていることが受付時に確認できたので
精度はともかくとしても露出計は動作しているようです。
レンズ・ファインダーにはそれなりにカビや汚れが確認できます。

画像は既に一通りの整備が完了した状態です。
少し動きが落ち着くまで様子見の状態です。
絞り羽根にはやはりわずかな油汚れが付着していて
それが原因でしっかりと羽根同士が張り付いてしまっている状態でした。
シャッター羽根も絞り羽根もいったん外して
入念に洗浄して再組立てしました。
現在は非常にスムーズに動作しています。
セレンの起電は十分で露出計の精度も問題なく調整いたしました。
SSの切り替えタイミング、絞り羽根の制御も調整済みです。
レンズ、ファインダーもできる限り清掃し
快適に使える状態になっています。
これからもまだまだ長く使える状態になっています。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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リコー500GSのカメラ修理

今日は「パソコン記念日」だそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に
日本電気(NEC)がパーソナルコンピュータPC-8001(PC-8000シリーズ)を
発売したことに由来しています。
当時の定価は168,000円でした。
これがパソコンブームの火付け役となり
PC-8000シリーズは3年間ほどで約25万台を売り上げました。
リアルタイムで世代ですねぇ…
私も一番最初のパソコンはこの後継機となる8001mk2SRでした。
当時はまだWindowsどころかMS-DOSもない時代で
OSはプログラム言語でもあるBasicで
なにかひとつやらせるにも大変でした…(苦笑)
市販のソフトを手に入れて何とか使えるか…っていう感じでしたね。
今とは使う上での気軽さが全く異なります。
当時の記憶媒体はカセットテープか5インチフロッピーでした。
メモリは初代8001でROM 24KB(最大32KB)
RAM 16KB(最大160KB)でした…KBですよ…
今となっては単位がふたつくらい違います。
約45年前ですか…パソコンって本当に進化しましたね。
今もパソコンでこのブログを書いていますが
もはやパソコンなしでは仕事は成り立ちません。
そしてパソコンは本当に何にでも使えるツールになりました。

さてさて

本日は「リコー500GS」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
リコーのサイトによると
前年(1972年)に発売された「500G」のデザイン変更モデルで
500Gの前面のデザインが一般的ではなく
カメラの性格上、常識的な外観を要求されたので
機構はそのまま前面カバーの黒白の配分を変えて
常識的なデザインとしたもの…となっています。
いや…500Gのデザインも全然一般的に良いと思うのですが…
いずれにせよ「500G」と「500GS」は兄弟モデルで
中身は変わりありません。
40mmF2.8のコンパクトなレンズを搭載することで
全体の大きさも小さくなり
この時代にもてはやされていた
「よりコンパクトなコンパクトカメラ」となっています。
前玉回転式のピント調節で距離計も搭載します。
シャッターは自社製でB・1/8~1/500をカバーします。
CDS露出計を搭載し連動してシャッタースピード優先オートで
露出決定できます。加えてマニュアル露出も可能です。
ひととおりなんでもできるコンパクトカメラです。

お預かりしている「500GS」は電池を入れても
露出計が全く動きません。
以前に電池が長く入れっぱなしだったことがあるようで
電池室は激しく腐食しています。
マイナス側の端子も真っ黒に錆びています。
これでは通電しません。
配線にもかなりダメージがありほぼ断線状態です。
電池室裏側周辺はボディダイキャストにまで
緑青が拡がっています。
まずは端子を磨いて配線交換を行う必要があります。
電池室からの配線はCDSへとつながっていて
ここまで腐食が拡がっている可能性もあったのですが
CDSが配置されている小さな端子盤はダメージはないようです。
ただCDSは相当劣化していて
抵抗値がかなり下がり、もはやスカスカです。
光が当たっていなくても電気を通してしまいます。
ここは交換で対応します。

他、シャッターの粘り、レンズ・ファインダーのカビ
距離計の大きなズレ等々の修理を行いつつ
各部の清掃整備を行います。
この時代のコンパクトに多いモナカ構造ですが
裏ブタをボディにかぶせるようになるので
遮光を大量のモルトに頼ることとなります。
画像のように当然ながらモルトは全滅です。
もちろん交換で対処します。
500G系のカメラは忘れたころにポツポツ依頼のあるカメラです。
使い勝手が良くてなかなか良いカメラだと思います。

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ウインザー35のカメラ修理

今日は「女性ドライバーの日」だそうですよ。
運転者に性別は関係ないとは思いますが
1917(大正6)年のこの日に
栃木県の渡辺はまさん(23歳)が
日本の女性として初めて自動車試験に合格し
運転免許を取得したことに由来しているそうです。
この時代ならたとえ男性でも運転免許を持っている方は
まだまだ少なかったでしょうし
男女格差は今では考えられないくらいあったでしょうね…
まぁ女性ドライバーはさておき
私ももう丸8年、クルマを運転してないのですよね(苦笑)
若い頃は年間2万kmは普通に運転していたのに
その頃の自分からしたら考えられないです。
今や所有していない上に都内にいると
自分で運転する必要性もないので
こうなってしまいました…
いずれにしても冷静に考えると1トン前後の物体を
時速40kmとかで側を人が歩いている公道で
運転するってめちゃくちゃ怖いですよね…
もしまた運転することがあったら
そのあたりを肝に命じたいと思います。

さてさて

本日は「ウインザー35」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のカメラです。
1950年代には数多くのいろいろなメーカーが存在して
様々な二眼レフやレンズシャッター機が発売されていますが
「ウインザー35」もそんな時代のカメラのひとつです。
東興写真株式会社というメーカーから発売されたカメラです。
レンズは自社製と思われるColor Sygmar50mmF3.5という
テッサータイプですがレンズ製作に使われた
光学硝子が当時の日本光学から
提供されていたものとのことです。
シャッターユニットもオリジナルのVELEXとなっていて
お預かりの個体では1/200が最高速なっています。
(他に中期・後期モデルがあり1/300、1/400のシャッターがあるようです)
あまり当店では見ることのないカメラなので
分解前に全体像を記念撮影…

この時代に多い距離計搭載レンズシャッター機ですが
1950年代はまだまだセルフコッキング非搭載のカメラが多く
それが故にモデル別に操作方法が異なったります。
このウインザーもシャッターチャージ・レリーズは
はシャッターユニット側で行い
フィルム巻上は巻上ノブで行います。
巻上ノブにはコマごとの巻き止めと
巻き止め解除ボタンが装備されています。
そのあたりまではこの時代のカメラに慣れていれば
すぐ理解できるとは思うのですが
フィルム終端まで撮影後の巻き戻しがかなり独特です。
まず底部にある皿…というか皿状のネジを
めいっぱい緩めます。これでスプロケットがフリーになり
さらに巻き止め解除ボタンを押しながら
巻き戻しノブを回して巻き戻します。
これ予備知識ゼロだと初見じゃわからないでしょうね…(苦笑)
そしてこれはウインザーに限りませんが
ノブによる巻き戻し作業は時間かかって結構大変です。
巻き戻しクランクとロック式巻き戻しボタンの
偉大さが本当によくわかります(笑

今回のウインザー35はシャッター羽根の固着
チャージレバーの粘り、レンズカビ
ファインダー汚れクモリ、二重像がめちゃくちゃズレている…等々
この類のレンズシャッター機にありがちなトラブルが一通りです。
基本的にはシンプルなカメラですが
あまり手にかけることがないカメラなので
より慎重に一通りの清掃整備を行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「台風襲来の日」だそうですよ。
統計上、台風襲来の回数が多い日で
過去に大きな被害をもたらした台風が襲来しているそうです。
今年は全国的に穏やかな天気ですね。
少し心配された台風19号ははるか東に去っていきました。
自分の感覚だけでいうと
今年は夏にゲリラ豪雨が何度かあったものの
あまり台風が来そうな感じがしないですねぇ…
次の20号もフィリピンあたりに既にいるようですが
このまま穏やかな秋晴れが続いてほしいものです。
できるだけ…いや、ずっとでもいいのですが
過ごしやすい秋が続いてほしいですね(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1967年に発売されたカメラです。
ニコマートが担う中級機のクラスには
これ以前にニコレックスシリーズが存在しましたが
OEM供給が品質的にもうまくいかず
商業的にもあまりよろしくない結果に終わりました。
ユニットシャッタであるコパルスクエアを採用して
コストは抑え、過去の失敗を踏まえ
ニコン基準の品質を維持するために開発製造はニコンで行われています。
その甲斐もあってかニコマートシリーズはかなりのヒット作となりました。
「ニコマートFTN」は最初のニコマートである「FT」の改良版で
開放F値補正操作を採用し
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
「フォトミックFTN」等でもお馴染みの「ニコンのガチャガチャ」です。
加えて測光方式は平均測光から中央部重点測光へ変更され
ファインダー内に設定SS表示機能も追加されています。
使い勝手を中心によりブラッシュアップされたカメラです。
ニコマートシリーズの中ではこの「FTN」が
最も現存数の多いカメラだと思われます。
それだけ市場にも好評だったということですね。

お預かりの「FTN」はやはりかなり長い間使われずに
眠っていた個体だと思われます。
電池はキチンと抜いて保管されていたようで
電池室にはダメージはありません。
電池室からの配線にもダメージはないようです。
比較的トラブルの多い露出計は動作はしていますが
その挙動が安定しません。
マウント部にマイラー抵抗と呼ばれる摺動抵抗があり
それをブラシが接触することで
露出計の制御を行っているのですが
ここにどうやら汚れが溜まっているようです。
マイラー抵抗の抵抗体自体の劣化や剥離でも
指針が振り切ったり挙動の不安定さが出るのですが
抵抗体自体の劣化ではないようです。
ちなみに抵抗体自体が劣化・剥離していると
部品が基本的には手に入らないため修理は困難となります。

シャッター自体は動作しているものの
こちらもやはり金属幕の汚れの影響で
高速シャッターとなると少々測定値が不安定です。
巻上に油切れの兆候もありますので
そのあたりの機械的駆動部の整備も入念に行っていきます。
F一桁機ほどではないもののニコマートFT系は
基本的に非常に丈夫なカメラです。
特にコパルスクエアシャッターは頑丈で
少々のことでは不動となることがないような気がします。
他のカメラにも搭載されることが
多いシャッターユニットですが
ニコマートでは巻き上げやミラー駆動部の頑丈さと相まって
非常にタフなカメラに仕上がっています。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「骨董の日」だそうですよ。
美術的な価値ある骨董品は知識もないですし
興味もあまりありませんが
その時代のならではの道具とか製品には
心惹かれるものがありますよねぇ…
特に自分が生まれ育った時代に
普通にあったもので今ではあまり見かけなくなったものには
懐かしさもあってついつい手に入れてしまうものも多いです
(もちろん価値的には低いものばかりですが(笑))
何事も現在は進化していると思うので
新しいものが便利で使いやすくて性能も優れているのは
重々にわかってはいるのですが
それでも手間暇かけて使いたいものってありますよね。
フィルムのカメラもそんな部分が大きいと思います。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
これこそもう現在では決して同じようなものは
出てこないカメラかと思います。
当時でも既に孤高の存在であるハーフ判一眼レフで
交換レンズの種類も豊富に存在します。
そしてハーフ判の一眼レフである利点を
最大限に生かすために通常の一眼レフとは異なり
様々な独自の構造を搭載したカメラです。
いつも書いているので詳細な内容は省きますが
その構造ゆえの一眼レフらしからぬ
ペンタプリズムの出っ張りがないボディデザインは
今見ても非常に魅力的です。

オリンパスらしい小型化を最優先した構造で
非常によくできたカメラですが
そのせいもあり多少華奢な部分もあるカメラです。
致命的な問題はありませんが
整備を怠ると割と動作不良が起きやすい部分も存在します。
そのひとつがミラーアップしたまま固着といった状況で
今回おあずかりの「ペンF」もその状態で
当店にやってきました。
ミラー駆動部がこれまた他のカメラではお目にかかれない
少々独特な構造をしていますが
ここが比較的動作不良を起こしやすいカメラです。
もちろん本来の状況ではそういうことも起こりませんが
経年劣化や汚れや古い変質した油脂類の蓄積
反対に油切れ等でこの症状が起こりやすくなります。
とにもかくにも分解して一度キレイに洗浄して
組みなおして最低限の注油を行うことで
本来の動きを取り戻します。
当然ながら動作のおかしな状態で無理して使い続けると
修復不能な大きなトラブルを呼びかねないので
早めの整備が不可欠です。

独特の構造が多く初見では
なにがなんやら…という部分もありますが
基本的には整備性も良いカメラです。
「ペンF」は構造上、ミラーアップしている状態では
通常の一眼レフと違って指でミラーを引き下げることも
できないので受付時にはファインダーの確認ができず
プリズムの状態が少々心配でしたが
今回はプリズムに腐食もなく
ファインダーも清掃でクリアになりそうです。
ロータリシャッター駆動の肝ともいえる
ガバナ部に若干の粘りがあったので
その辺りも含めて入念に整備を行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「清掃の日」だそうですよ。
1971(昭和46)年のこの日に
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、廃掃法)が
施行されたことが由来となっています。
この日9月24日の「清掃の日」から10月1日の「浄化槽の日」までは
「環境衛生週間」となっているそうです。
清掃は大事ですよね…私ももっと店内の掃除を隅々まで
行いたいのですがなかなかそうもいかなくて
いつも使う場所や
目につきやすいところばかりになってしまいがちです。
昨日もお店は休みだったので整理できてない場所を
片づけたりはしたのですが…なかなか思うようにいきませんね。
古いカメラの修理も半分は内部の大掃除みたいなものです。
古い変質した油脂類で動きが悪くなったり
錆びや汚れ等で電気接点の導通が悪くなったりのトラブルが
最も多いです。
つまり動きよくいつまでもパフォーマンスを維持するためには
定期的な清掃が必要ということですね。
私の身体の中にも積年の汚れや油切れがあちこちにありそうで
ちょっと心配になってきます(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
ニコマートELの後継機となる中級機ですが
時代を反映して凝縮感のある適度にコンパクトな
一眼レフとなりました。
レンズとの露出計連動はAi方式をとなりますので
組み合わせるレンズは基本的にAiニッコールです。
ただしこの時代はまた非Aiレンズのユーザーも
相当数いらっしゃったため
ボディ側のAi連動爪を倒すことで非Aiレンズも
取り付けは可能です。
ただし開放測光は不可能で絞り込み測光となります。
FEだと大きなセールスポイントである
絞り優先オート露出計が実質使えなくなるので
やはりAiレンズとの組み合わせが良いかと思います。
ファインダー内露出計表示は二針式の
非常にわかりやすいものになっており
オート時にもマニュアル時にも非常に重宝します。
全体的にかなり使いやすい良いカメラだと思います。

お預かりしている「FE」は電池を入れても
電源が全く入らないようです。
バッテリーチェックも点灯しません。
電池室からの供給が妨げられているようです。
電子制御シャッター機である「FE」は
電源が入らないと露出計は当然のこととして
シャッターもほぼ全速切れなくなります。
それでもM90と「B」が切れるだけ非常に優秀なのですが…
さすがにこれでは普通には使えません。

画像はまだ取り掛かり始めのものです。
電池室自体はキレイなので配線かハンダかと予想していましたが
やはり電池室裏のハンダの劣化が原因で
ほぼ断線状態でした。
さらにバッテリーチェックのSW部も緑青が噴いていて
導通しない状態でした。
それでもメインの基盤等にはダメージはなく
電源供給さえ復活すればとりあえずは動作するようになりました。
ただしシャッター羽根の動きに汚れによる粘りが多少あるのと
マグネットの吸着も今一つでSSが少々不安定です。
このあたりも含めて整備を一通り行い
電気的な調整も行ってオートの精度も出していきます。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「カーフリーデー」だそうです。
都市の中心部でマイカーを使わないことで
交通や環境、都市生活と車の使い方の問題について考える日とのこと。
世界の約2000都市で、この日1日
都市中心部へのマイカーの通行規制が行われるそうです。
日本では横浜市・名古屋市など9都市で行われ
いくつかの都市ではこの日に近い秋分の日に実施されるそうです。
環境問題とかそういうのはとりあえずおいといて
都内…特に23区内だと実生活でクルマが必要とは私は感じません。
趣味とかであれば別ですが…
これだけ公共機関が発達していればたいていの場合は
電車・地下鉄が確実に時間が読めてそのうえ早いです。
ただし少し郊外に行く用事や変わった時間に出かけたいとなると
やはりクルマがあれば便利は便利ですよね。
私もクルマ持たなくなってからずいぶん経ちますが
「クルマあれば便利だし楽しいかな…」と思うことは結構あります。
ただ…所有して維持するには駐車場事情が厳しいですよね…
地方の家賃並みに高いです(苦笑)
…となると…現実的に考えて
実生活にほぼほぼ必要なくて
たまにしか乗らないクルマは不要…ということになってしまいますね。
今の場所に住んでいる限りマイカー所有はなさそうです…

さてさて

本日は「キャノネット」のカメラ修理を行っています。
今回も1961年発売の初代キヤノネットです。
あれ?ここ最近やたらと初代キヤノネットの修理を
行っているような気がします。
素実前にもブログ書いた気が…(笑
たまたまだとは思いますが…
ただ、いつも書くように初代キヤノネットはその高い性能・機能と
それに見合わない低価格で社会現象となるほどヒットしたカメラです。
当然ながら現存数も非常に多く
家から出てきたカメラが
初代キヤノネットだった…ということも多いと思います。
そうなると修理依頼もやはりコンスタントにありますね。
売れたかどうかは別にしても非常に良いカメラだと思います。
時代を反映して少し大柄で重いですが
大口径の45mmF1.9レンズを搭載して薄暗い場所での撮影が可能で
シャッタースピード優先オートも使えます。
レンジファインダーもしっかり搭載してピント合わせも行いやすく
シャッタースピードは1/500~1s・Bまでカバーし
マニュアル露出での撮影も可能です。
すなわち写真撮影に慣れてくれば
意図的な露出で撮ることもできるというわけですね。
そして底部巻上・底部巻き戻しで上カバーはすっきりした
端正なデザインも秀逸です。
改めて見てもやはり魅力的ですね。

お預かりしている「キヤノネット」は
巻上ができてレリーズもできますが
レリーズしてもうんともすんともいいません。
ただレリーズすると再び巻上が行うことができます。
レンズシャッター機で定番のシャッター羽根固着です。
羽根に固着した汚れや油脂分によって
羽根が閉じた状態で張り付いてしまい動けなくなる症状です。
シャッター羽根がこれだと当然ながら
その後ろ側になる絞り羽根も動きが粘っています。
特にキヤノネット…というかこの種の
指針挟み込み式SS優先オート搭載機は
その機構上、かなり小さな力で絞り羽根を駆動するので
ほんのわずかな汚れや油脂分で簡単に動きが妨げられてしまいます。
ただ直接的に絞りリングから駆動するわけではないので
粘っていても羽根を破損する可能性が低いのは助かります。

やはりいつものことながら
心配なのはセレン光電池の状態です。
シャッターが固着していて絞りも粘っていて
さらにファインダー内表示がシンプルな初期型なので
お預かり時にはセレンの状況がよくわからず
まずは上カバーを開けて露出計の動作状況を確認です。
レンズを先端を明るいところへ向けると…
よかった…セレンは元気なようで
露出計指針は元気よく振れています。
…となるとシャッターユニットを中心に
機械的駆動部の整備を入念に行います。
当然ながらレンズやファインダーにはそれなりにカビがいるので
これもできる限りキレイに清掃していきます。

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