月別アーカイブ: 2022年11月

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「本みりんの日」だそうですよ。
「いい(11)み(3)りん(輪=0)」と読む語呂合わせと
鍋物や煮物、おせち料理などで
「本みりん」を使う季節であることからだそうです。
個人的には煮魚によく使うイメージかな…
味が染み込みやすくなって
煮崩れしにくくなるのですよね。
ばあさんがやたらと煮魚好きで
この季節になるとメバルの煮つけが
やたらと食卓に並ぶのですよねぇ
メバルの旬は一般的には春先ですが
瀬戸内の黒メバルは秋口から年明けまでが旬ですね
広島のスーパーではメバルがたくさん並んでいるでしょうねぇ
実は子供の頃は煮魚少し苦手だったのですが
これも大人になって日本酒飲むようになると
一気に大好物へと変貌しました(笑
話を本みりんに戻しますが
スーパーには酒税のかからない1%未満のアルコールに
みりんの風味に似せて旨み調味料や水飴などの糖分その他を加えた
「みりん風調味料」も多いですよね…
でもやはりここはアルコールが14%くらい入って
しっかり熟成された日本の伝統的調味料「本みりん」ですよね
キッチンに常備はしていますが
メバルの煮つけは少々ハードルが高いので
(でもそのうちちゃんと休みの日にでも自分で作ります!)
とりあえず鍋物で使っていきます。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
ミノルタ初のTTL測光の一眼レフ機で
さらにミノルタ初の開放測光機でもあります。
このカメラの開放測光に対応するために
レンズ群もTTL露出計に絞り値が連動するMCロッコールレンズ群に
モデルチェンジされました。
それまでのSR-2からSR-7までのノウハウもあり
機械制御シャッター機としても非常に完成度の高いカメラです。
その基本設計の良さがSR-T101を7年以上のロングセラー機へと
押し上げ、さらに後継のSR-TスーパーやSR505/SR101へも
基本設計はほぼそのまま受け継がれます。
大ヒット商品でもあるため現存する台数も非常に多いですが
台数が多い分コンディションが千差万別です。
しかしながら分解品や水没品、ショック品でもない限り
致命的なトラブルを抱えている個体は少ないと思います。
さすがに未整備でそのまま使えるものは少ないとは思われますが
精度やフィールはともかく一応は動く…という個体が多いと思います。
ただその動きにくい身体で
健気に動作している様子を見ると
何だか切なくなってしまうことも多いですね(苦笑)

お預かりしているSR-T101は
これも一通り動作はしている状態です。
本当にこのカメラはタフですね…
さすがに巻上や幕軸、ミラー駆動部等の動きはあまり良くはなく
高速シャッターの精度も出ていません。
露出計もSW周りの接点が悪いようで少々不安定なことと
SR-T系ではお馴染みのハンダの劣化もあり
かなり値がオーバー目に出てしまっています。
それでもやはり致命的なダメージはなく
一通りの整備でかなり快適に使える状態になると思います。

シリアルナンバーやSSダイヤル基部の形状から判断して
比較的初期の個体かと思われます。
プリズム前面の遮光にはモルトではなくコルクが使われており
プリズムに悪影響もありません。
SR-T系では初期モデルのみここにコルクが使われていますが
それ以降の個体でもモルトではなく
加水分解しにくい素材がここに使われています。
これは後のX系にも同様の仕様で行ってほしかった部分です…
さすがにファインダースクリーンには汚れも酷く
この時代ならではのコンデンサレンズには
カビがびっしり生えています。
ここも含めてしっかり清掃して調整を行っていきます。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「太平洋記念日」だそうです。
1520年のこの日に
ポルトガルの航海者フェルディナンド・マゼランが
後に「マゼラン海峡」と命名される
南米大陸南端の海峡を通過して太平洋に出たことが由来になっています。
「マゼラン艦隊の世界周航」ですね。
出発時のクルーは237人で船は5隻
それが約3年もの過酷な地球1周で残った船はビクトリア号1隻
クルーはたった18人になってしまいました。
指揮官のマゼランも残念ながら現在のフィリピンで
戦死してしまいました。
この時代の航海なので調べれば調べるほど
壮絶な状況だったことがわかるのですが
輝かしい功績と併せて立ち寄った土地での
略奪行為や現地住民への改宗の強制など
侵略者としての1面も垣間見え
なかなか複雑な心境になりますね…
マゼラン海峡を越えて太平洋に出た後に
天候が良く平和な日が続いたため
この海を「Pacific Ocean」
(平和な・穏やかな大洋=「太平洋」)と名付けました。
天気は穏やかだったもののこの太陽横断時にも
食料の不足や壊血病に悩まされ大変な航海だったようです。

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年に発売されたカメラで
長らくミノルタのMF最上級機の座に君臨したカメラです。
それまでのXG系のフレームから脱却し
基本構造から完全新設計された機種であり
この時代なのでプラスチッキーな質感ではありますが
ミノルタらしい使い心地の良さと
非常にキレの良いファインダーでMFが楽しくなるカメラです。
クラスでいうと中級機相当のカメラではありますが
いわゆるX3桁シリーズの中では最上級のモデルでもあり
1999年まで販売され、登場から18年間もの間存在し続けました。
これはあのオートフォーカス機の先駆者「αシリーズ」が登場してからも
MF最上級機として君臨し続けていたということなのですね。
初期の国内向けも出るのはAEロックがないヴァージョンだったのですが
すぐにAEロック付きの「ニューX-700」に切り替えられました。
「ニュー」にはシルバーボディが存在しないため
現存する数は少ないのですがシルバーボディのX-700は
AEロックのない初期のモデルとなります。
その使い心地の良さから根強いファンも多く
電子制御機としても洗練された時代の製品の為
電気的トラブルも比較的少ないカメラです。

お預かりしているのもブラックの「X-700」ですが
AEロックのない初期モデルです。
見かけることが多いのは圧倒的に「ニュー」なので
初期のX-700はひさしぶりに見たような気がします。
ご依頼者様が昔から使っていた個体だと思われますが
近年は使われずに仕舞い込んだままだったと思われます。
若干、電源が不安定でそれに関連して
露出計・オート制御が不安定です。
それとは別の問題でシャッターの動きも少し悪く
高速シャッターのバランスは狂っており
このまま撮影すると高速SS時には左右の露光バランスが
崩れた状態になるかと思われます。
さすがにモルトも全滅でその劣化したモルトの為
裏蓋の淵まで少々腐食してしまっています。
ファインダー内も劣化したモルト屑でゴミだらけです。
動かないわけではないですが
このまま使うのはかなり問題がある状態です。
全体的に動作部をリフレッシュして動きを良くし
電気接点も一通り清掃が必要な状態です。

いけん…また分解時の画像を撮っておくのを忘れてしまいました…
特にこういう電子制御カメラはそうなのですが
分解している状態ってフレキも接点も露出している状態で
非常に無防備でリスクの高い状況の為
集中して短時間に分解して一通りの整備を行って
一気に組み立ててしまいたいのですね…
で、画像とか撮ってる場合ではなくなってしまう…と…
まぁそれも単なる言い訳なのですが…(苦笑)

何はともあれ一通り機械的な整備を行い
電気的調整も行ったので現在の動きは非常に安定しています。
シャッタースピード、オート制御の精度も
全く問題ない状態になっています。
このミノルタの新しいロゴや「X-700」のロゴも
電源SWやSSダイヤルの配色も
妙に80年代を感じさせて何とも懐かしい気分になります。
個人的にも非常に好きなカメラなので
ご依頼者様にはまた再びこのカメラを
ガンガン使っていっていただければとも思います。

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トプコン35Lのカメラ修理

今日は「組立家具の日」だそうですよ。
「組立家具」となると今でも
いろいろな種類のものがホームセンターで売っていて
便利なものも多いですが
意外と組み立てに苦労したりするのですよねぇ…
ただここの記念日で言う「組立家具」は
私あたりの世代では懐かしく感じる
「3段カラーボックス」のことなのだそうです。
今でもあるにはありますが
当時のように「グリーン」や「オレンジ」なんて
カラフルになものは見かけることがなく
ほぼ「白」一択みたいですねぇ
登場したのは思っていたより古く
1967年に発売開始だそうです。
「家具にもカラフルなオレンジやグリーン、
赤色の物があって良いのでは」との発想で
大手紙メーカー協力のもと当時の色紙を薄いベニヤに貼って合板を作り
特殊加工で軽い三段ボックスの「カラーボックス」を作ったことが始まりです。
フラッシュ合板のものが多く
軽くて使い勝手が良いのですよねぇ
私が小中学生くらいの頃は
どの友達の部屋に遊びに言っても
カラーボックスのひとつやふたつはあったような気がします…
カラフルなカラーボックスを部屋に並べるだけで
70年代風の部屋のインテリアになりそうですね!

さてさて

本日は「トプコン35L」のカメラ修理を行っています。
トプコンブランドは東京光学が作るカメラ製品のブランドです。
トプコン35シリーズはレンズ交換の可能な
トプコン35Aから始まりましたが
1956にはレンズ固定式のトプコン35Sにモデルチェンジされ
さらにSS/絞り設定をライトバリュー式にしたものが
今回のトプコン35Lとなります。(1957年発売)
2年弱しか生産されなかったため
意外と現存台数の少ないカメラでもあります。
写りの評価の高いカメラで
装着されるレンズはトプコール4.4cmF2です。
シャッターは当時の国産最高級シャッターといえる
セイコーシャMXLを搭載し最高速は1/500です。
そして何と言っても魅力なのは贅沢な造りの
等倍ファインダーで反射面にはこの類の
レンジファインダー機でよくあるハーフミラーではなく
シールドプリズムを採用しています。
パララックス自動補正のブライトフレームも備えます。
巻上はダブルストロークでちょっと独特なフィーリングです。
外装の質感も非常に高くこのカメラを好きな方が
多いのもわかる気がします。

お預かりしているトプコン35Lは
レンズシャッター機の定番トラブルともいえる
シャッター羽根の粘りを抱えており
シャッターを切っても非常にゆっくり羽根が開いて
ゆっくり閉じていくような状態です。
当然普通に撮ろうとした写真は全て真っ白になってしまいます…
シャッター羽根がそんな状態なので
絞り羽根にもやはり油滲みがみられ
こちらは絞りリングに連動して一応は動いているのですが
やはり粘っていると思われます。
これが悪化すると動作させた際に絞り羽根を破損させる可能性も
高くなってしまうのであまり動かさずに早急に対処していきます。
最大の魅力であるファインダープリズムの状態は悪くなく
接眼部・対物部の清掃のみで問題ない状態にできそうです。
レンズにはやはりカビや汚れが散見されるので
こちらもできる限り清掃を行っていきます。

画像は一通り整備が完了した状態のモノです。
分解時に1枚画像を撮っておこうと思ったのに
作業に集中していてまた忘れてしまった…(苦笑)
外観の特徴はやはりファインダー対物レンズ部が
薄い金色にミラー反射しているところですね。
これがいいアクセントになっていて文句ナシにカッコ良いです。
鏡胴やボディのメッキ処理も非常に質感高く
眺めているだけでも楽しくなってくるカメラです。
当時流行ったライトバリュー式の露出設定は
今となっては多少使いにくさを感じる部分もありますが
これも慣れてしまえばそれほど意識することもなくなります。
巷ではLVでない「S」の方が人気が高いそうですが
個人的にはどちらでも良いような気がします。
羽根洗浄も含めシャッターユニットにかなり手を入れているので
動きが落ち着くまで少し様子見をしている段階です。
明日か明後日あたりに最終テストを行って
問題なければ完成となります。

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コニカオートSのカメラ修理

今日は「いい風呂の日」だそうですよ。
日に日に寒くなってきて
温かいお湯にゆっくり浸かりたくなる季節ですよねぇ
それも自宅の小さなバスタブではなくて
やはり足の延ばせる大きな湯船がいいですね!
中野区内は比較的まだ銭湯が残っていて
数年前までは私も冬になると仕事の帰りに
週に数度は銭湯でゆっくり温まって帰るのが
日課になっていました。
ただ、一昨年に頭をやらかして右半身温痛覚麻痺になってからは
一度しか行ってないのですよねぇ…
足元が滑りそうで怖いのがひとつと
(これは今はほぼ問題ない状況)
湯船に入っても右半身はお湯も何もない湯船に
ただ座っている感覚しかなくて
全く気持ちよくなかったのがひとつ…(苦笑)
まさに感覚が左右で真っ二つでなかなかに不気味な感覚なのです(汗)
これもそのとき(ほぼ2年前)よりは少しはマシになっているような
気もしないではないのですが…
そのうちダメもとでちょっと帰りに銭湯寄ってみるか…
まぁ私のことはともかく
遠くの温泉とかももちろん良いですが
それよりも近くの銭湯に気軽に温まりに行くのも良いモノです!
地方にはもう銭湯自体がかなり少なくなってしまいましたが
都内の下町エリアには比較的まだ残っているので
楽しめる環境にある間はしっかり楽しみたいですね!

さてさて

本日は「コニカオートS」のカメラ修理を行っています。
先行して発売されていたレンズ固定式レンズシャッター機
コニカSシリーズにシャッタースピード優先オート露出を
追加したカメラです。
「Sシリーズ」はセレン光電池使用の露出計でしたが
「オートS」ではCdS受光体に変更されています。
シャッターはオート制御対応設計のコパルSVAに換装されていて
搭載レンズはヘキサノン47mmF1.9です。
直線的なデザインは「Sシリーズ」と共通のテイストですが
中身はかなりブラッシュアップされています。
本流ともいえる「Sシリーズ」もこの「オートS」発売後に
こちらの「オートS」をベースとした「SⅢ」に
モデルチェンジされ共通化が図られていきます。
CdS搭載となりセレン光電池のように劣化の問題に
頭を悩ませる必要はないのですが
今度は電池室周りのトラブルがどうしても多くなります。
特に当時の水銀電池は液漏れを起こす可能性が高い上に
液漏れがなかったとしても電池から出るガスで
確実に配線等を腐食させるので
電池室にダメージを受けているケースがほとんどです。

お預かりしている「オートS」は
やはり当時の水銀電池が入ったままの状態で
液漏れこそはないものの配線や端子へのダメージが
心配される状態です。
しかしながら非常に珍しいパターンですが
ダメージがほぼありません…
念のためハンダ等はやり直しますし
配線も交換しますがそのままでも何とか導通している状態でした。
さすがに少々ハンダ劣化で電圧が不安定な状態ではありましたが…
酷い場合には電池室端子が使えない場合も多々あるので
これは少々驚きです。
電池室を開けてゴロンと水銀電池が出てきたときには
「あぁ~今回も大変かな…」と思ったのですが…(苦笑)
電気関係のダメージは最小限で済んでいて一安心ですが
それ以前の問題でレンズシャッター機では定番の
シャッター羽根粘りがありまともに動作する状態ではありませんでした。
加えてこの類のオート機ではこちらも定番ですが
絞り羽根もかなり粘っていて
F8あたりより明るい方へはほぼ開きません…
オート制御の関係もあってマニュアル専用機より
小さなバネの力で絞り羽根を開く構造の為
より粘りが起きやすい傾向にあります。

まだ取り掛かり始めでこれから本格的に分解整備を行います。
まずはシャッター・絞り羽根を含むシャッタユニットの整備から行い
その際に電池室からの配線の交換も行います。
そして巻上関連。距離計連動部等々の整備も行います。
ボディサイズに余裕ある時代のカメラなので
整備性は良好です。
ファインダー内ハーフミラーの状態が心配でしたが
こちらも思ったほど悪い状態ではないようです。
今回も隅々まで入念に整備を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は言わずと知れた「勤労感謝の日」で祝日です。
もともとは神々に五穀の収穫を祝う風習が起源なのですね。
だから収穫の終わったこの時期らしいです。
「勤労感謝の日」に関連する記念日も
今日は多く設定されています。
そんな中に「牡蠣の日」がありますねぇ
この時期はマガキの旬が始まる季節でもあり
鍋物食材・贈答用などとして12月に重要のピークを迎えることから
直前の祝日「勤労感謝の日」を記念日としているそうです。
また、「勤労感謝の日」に栄養豊富な牡蠣を食べて
勤労の疲れを癒してもらおうという思いが込められているのだそうです。
そろそろスーパーにも広島産のマガキむき身やカキフライが
並べられてきていますよねぇ
牡蠣の鍋は美味いし温まるし日本酒に最高に合いますものねぇ
ただ今年は牡蠣の発育が少し遅れているようです。
毎年利用させていただている
呉の生カキ屋さんに聞いた話だと
むき身はあまり問題ないのだそうですが
殻付きの牡蠣はまだ小さいので
本格的出荷は12月に入ってからになると聞きました。
殻付きの牡蠣を焼き牡蠣にして食べると
これがまた最高なのですよねぇ
これも日本酒が最高に合いますよねぇ…
あぁ…焼き牡蠣食べたくなってきた…
早く殻付きの牡蠣来ないかな…(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
やはりコンスタントに依頼がありますね…OM-1
トラブルの種類も生産時期によっていろいろと
パターンがあったりますが
やはり圧倒的に多いのはプリズム腐食と露出計関連です。
続いて巻上関連やシャッター周りといったところでしょうか…
一般的な一眼レフに多い「ミラーアップしたまま」というのは
OM-1に関しては多くない印象です。

今回お預かりのOM-1もまずはプリズム腐食です。
当店でも腐食のない中古プリズムは何とか用意できますが
今回はご依頼者様から持ち込みでキレイなプリズムの提供があったので
それを使って交換を行います。
シャッタースピードはそこそこの精度も出ていて
大きなトラブルはないのですが
巻上がたまに滑るような感じになることと
露出計が非常に不安定で
指針は振れるものの針が踊っているような状態です。
電池室マイナス端子は今回は樹脂ネジでの固定ではないヴァージョンで
金属ネジに絶縁帯を挟んでいる時期のもので
そこに問題はないのですがハンダや配線に腐食がみられ
まともに導通しない状態のようです。
加えてボディ上部の電源SW部でも接触不良が起きています。
指針が踊っているのは電池室周りの問題で
踊っていたのが力尽きたように
パタッと何も動かなくなるのはここが原因のようです。

いずれにせよシャッター周りやミラー駆動部も含めて
全体的に整備が必要な状態です。
もちろんモルトは全滅です。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
基本的な考え方自体は比較的シンプルなのですが
小型化を実現するために
非常に独創的な造りや工夫が凝らされているカメラです。
そのため微妙な調整や繊細な動きを要求される箇所も多く
修理・整備する立場としては
実はなかなか手ごわいカメラです。
詳しくは書きませんが
「ココやココの調子が悪いと
いつも苦労するんだよなぁ」と言う箇所も決まっていて
実は真っ先にその周辺の整備から行ったりしています(苦笑)
今回はそれほど大きな苦労はないかと思いますが
慎重かつ入念に整備を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「毛布の日」だそうですよ。
毛布が手放せない季節になってきましたねぇ
私は実は真夏でも寝る時には
毛布にくるまって寝るのですが
(そのかわり冷房で室温をめいっぱい冷やす(苦笑))
この季節になると敷布団の上にまず毛布1枚
で、掛布団の下に毛布1枚で
挟まれて寝ている感じです。
これが暖かくてたまらんのです(笑
毛布と一言で言っても現在は
羊毛毛布やアクリル毛布、
綿毛布、シルク毛布、マイヤー毛布、タフト毛布等々いろいろですねぇ
家の毛布はもう20年以上使っていて
何とも馴染み深いものですが
そろそろ布団と一緒に買い替えてもいいかもしれません…
もっと気持ちよく眠れるのであれば…
あとでちょっといろいろ調べてみます…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディ側はいわゆる通常の「F2ボディ」に
Aiレンズ対応となった
「フォトミックAファインダー(DP-11)」が装着されたカメラです。
ニコンのフィルムカメラを使っている方なら
Aiレンズや非Aiレンズと言われてもイメージが湧きやすいと思いますが
ニコンの一眼レフを使ったことのない方であれば
なかなかピンと来ないのではないかと思います。
ニコンF時代の初期Fマウントレンズのほとんどが
完全自動絞りに対応しているのがセールスポイントの一つでしたが
カメラ内蔵の露出計の対応には
レンズ外周部の外爪である通称「カニの爪」で連動対応していました。
他社が露出計TTL開放測光に対応するために
マウント変更を行う中、ニコンはいわゆる「ガチャガチャ」と言われる
絞りリングを一往復させる開放F値補正操作を行うことで
レンズの開放絞り値をボディ側に伝達し
そこからの連動をさらに「カニの爪」で行っていたわけですが
さすがにスマートなやり方とは言えず
1977年に従来のFマウントにAi方式 (Automatic Maximum Aperture Indexing ) という
開放F値を自動でカメラボディに伝達する拡張が行われます。
この際旧来のレンズについても
ニコン持ち込みによるAi化改造が1997年まで行われており
互換性はほぼ維持されたのですね
Aiレンズ+ボディ側Ai対応であればもはや「カニの爪」は不要なのですが
フィルム時代のAiレンズの多くは「カニの爪」が残っていて
ニッコールらしい外観に一役買っていますね。
その後も「Fマウントレンズ」は「Ai-S」にマイナーチェンジされたり
オートフォーカス時代になると電気的連動が追加されたり
絞りリングがないものも出てきたりと
いろいろとややこしくなっていくのですが
マニュアルフォーカス機に限って言うとAiと非Aiだけわかっていれば
まぁ困ることはほとんどありません…

前置きが長くなりました…
Aiレンズは絞り情報の伝達方法変更が一番の目的ですが
並行して絞り値直読用の値刻印も追加されています。
通常の絞り値の内側にさらに小さな値が刻印されています。
フォトミックAファインダーもこのレンズ側の刻印を直読します。
これに関しては正直言って非Ai時代のほうが
ファインダー内の文字が大きく見えやすかったと思います…
ちなみにフォトミックAファインダーは
Ai連動爪を格納することもできるので
非Aiレンズを装着することも可能です。
ただし絞り情報の伝達はできないので開放測光はできません。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
随分外観の汚れが目立ちます。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
それでもシャッターは一応動作するのは
さすがメカニカルF一桁といったところですが
巻上もシャッター幕軸もかなり油切れの兆候が見られます。
明らかに作動音が苦しげなのですね…
シャッタースピードの精度はさすがに全く出ていません。
そしてF2といえばいつものパターンですが
電池室マイナス側端子基部の支点部が破損しているようです。
ここはどうしても樹脂製で弱いから仕方ないですね。
当然ながらフォトミックファインダーには
給電されず動作確認はお預かり時にはできませんでした。
その後、整備前に確認したところ
精度はまぁダメですが露出計そのものは動作している模様です。

まだこれから取り掛かるところですが
まずはボディ側の整備一式と電池室の修復を行い
ファインダー側の清掃整備も行っていきます。
スクリーンのコンデンサレンズや
接眼レンズにもかなりのカビが発生していますので
入念に清掃を行っていきます。
しっかり整備さえ行えば機械式カメラの最高峰と言われる
F2の使い心地を存分に楽しんでいただける状態にできると思います。
今回もしっかり仕上げていきたいと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「鉄道電化の日」だそうですよ。
1956(昭和31)年のこの日に
米原~京都間が電化され
東海道本線全線の電化が完成しました。
電化に伴って特急「つばめ」が東京~大阪間を7時間30分で走ったそうです。
鉄道についてあまり詳しくない方だと
「電化」と聞いてもピンとこないと思われますが
「電化されていない路線」とは「電気を給電する架線」がなく
走っている車両も「電車」ではなく「汽車」や「気動車」なのですね。
もはや電化されていない路線のほうが圧倒的に少なく
めずらしくなってしまいましたが…
あ、でも最近のJRの新型気動車はエンジンで発電機を回し
モーターで駆動していて実質「電車」なのだそうですね!
最近知りました…
電化されてないない路線は首都圏近郊だと
小海線、水郡線、八高線、久留里線あたりでしょうか…
全国的に地方でまだ多く見られる非電化路線は
赤字路線が多く廃止が検討されているところも多いです。
個人的には架線がなく見た目にもすっきりとして
ディーゼルエンジンを唸らせて走る
地方の非電化路線は趣があってよいと思いますが
これからの時代はいろいろと難しいでしょうねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売の絞り優先オート専用機です。
ペンタックスMシリーズのコンセプトである
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を目指して
開発されたMシリーズ全体の基本形となるカメラです。
正確には「ME」の1ヶ月前に出た「MX」が「Mシリーズ最初のカメラ」ですが
「MX」は第一号機とはいえ横走り機械制御シャッターで
「Mシリーズ」の中では異端児的な存在なので
シリーズ本流の基本形はこちらの「ME」となります。
シャッターユニットは非常にコンパクトな
『セイコーMFC-E』を採用し、それを電子回路で制御します。
絞り優先オート専用機ということで
ポジション的にはエントリークラスに近い機種となりますが
巻上やシャッター音の質感もよく使い心地の良いカメラです。

ME系のカメラといえば持病として有名なのが
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化による動作不良が引き起こす
「ミラーアップ」で
ミラーがあがったままそれ以上シャッターも切れず巻上もできない状態で
固まってしまった個体をカメラ屋さんのジャンク箱で
見かけることも多いかと思います。
またMEは長らく押し入れとかで眠っていたものが出てくることも
多いカメラだと思いますが
ミラーアップしたままで固着してしまっているものも
多いかと思います。
今回お預かりしているMEに関しては
先に言ってしまうとそこだけは全く問題ありませんでした。
多少油切れ気味で動作に粘りはありましたが
ゴムブッシュはプラスチックブッシュに変更されている対策品で
よくあるパターンの動作不良は起きない状態です。
それに関しては良かったのですが
今回はそれ以前に上カバー部のモードダイヤル(L・オート・X・B切替)が
破損している状態でさらにレリーズロックが固着していて
全くシャッターが切れない状態でした。
電源は入るものと思われますが動作確認は全くできない状態です。
電子制御機で動作確認のできない状態のものは
何が起こっているか読めない状態でもあるので少々不安ですが
ME系のカメラは妙な分解品や電池室の腐食が激しいモノでない限り
基板内トラブルは少ないカメラなので何とかなるとは思います。
こちらも結論から言ってしまうと
基板内には何も問題はありませんでした。

モードダイヤル破損部に関しては
中古部品と交換するしかありませんが
やはりそれ以外にもオート制御や
シャッタースピ―どの動きは不安定で
各接点、マグネット吸着部の清掃
巻上やミラー駆動部等の機械的動作部の整備は必要な状態です。
当然ながらモルトも全滅です。
毎度書きますがME系のカメラはフィルム室だけではなく
内部にモルト遮光の為にかなり多く使われていて
劣化したモルトがトラブルの原因になることも多いので
もちろん全て交換していきます。
電子制御カメラとは言え基板もコンパクトで
この類のカメラとしては整備性も良好です。
全体的にできる限りの整備をこれから行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「レンコンの日」だそうですよ。
1994(平成6)年のこの日に
全国のレンコン産地が集まって茨城県土浦市で
「蓮根サミット」が開かれたことが由来になっているそうです。
「レンコン」と聞いただけで
やたらと「レンコンの天ぷら」を連想してしまい
むちゃくちゃ食べたくなるのですが…(笑
「レンコン」より「ハスの天ぷら」って言われた方が
さらに馴染み深いですねぇ
子供の頃にやたらとおかずによく登場するメニューでした。
あのサクサクシャキシャキの食感と
ほのかな甘みが何とも美味しいのです…
もう長らく口にしていないよな気が…
うちはじいさんばあさんと暮らしていたせいもあり
「天ぷら」だけではなく「レンコン」の出番は多かったような気が…
煮物には間違いなく入っていたなぁ…
これも美味しいのですよねぇ
スーパーの惣菜でレンコンの天ぷら売ってないかな…
ちょっと帰りに探してみます!

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」もコンスタントに修理依頼のあるカメラですね。
適度な大きさで使いやすく
しっかり造られていて使い心地も良いカメラです。
電子制御シャッター機ということで
「絞り優先オート露出」も搭載し
気軽にスピーディーに撮ることもできます。
ファインダー内二針式表示の露出計は非常に使いやすく
直読式で絞り値も確認できるので
マニュアル機としても非常に使いやすいカメラです。
個人的にもかなりおススメの1台です。
電子制御シャッター機ということで
トラブルを心配されることもあるかと思いますが
電子回路のトラブルはかなり少ないほうだと思います。
どちらかといえばトラブルの中心は
機械的な面の方が多く
それも経年劣化による動作不良が大半で
通常の整備を行えば改善できる場合がほとんどです。

ただ…今回の「FE」は単純な機械的トラブルではないようです。
「電源が入らない」とお聞きしてお預かりしたのですが
よくあるパターンとしては
電池室周りのトラブルか
巻上レバーSW周りの接触不良を予想していました。
結果的には電池室周りのトラブルではあったのですが
単なる接触不良とかハンダ不良とかではありませんでした。
まず動作確認しようと電池を入れたところ
仰せの通りで全く露出計は動かず
BCランプも点灯しません。
もちろん電子制御シャッターは全速(B・M90以外)は
制御されません。
うーん、BCが点かないってことは電池室裏かな…と思いながら
電池を取り出すと電池がめちゃくちゃ熱を持って熱くなっています。
これは間違いなくどこかでショートしているときの症状です。
とりあえず上下のカバーを外してテスターで確認すると
どうも電池室から基板までの間でショートしてしまっているようです。
さらに電池室側からは見えなかったのですが
下カバーを開けてすぐ確認できる範囲にかなり腐食跡がありました。
以前にかなり長い間電池を入れたままにされたことがあったのだと思われます。
配線腐食によるショートの可能性が高そうです。
基板内ショートだったらもうお手上げなのですが
この配線ショートの影響で基板内異常が起こっている可能性も否定できません。
まずは正常に電源を基板に送れる状態にしてみないと何ともいえませんが
基板内でショートによる部品破損が起こっていると
修理不能の可能性もあります。
もうある程度やってみないと判断できません。

現段階では何とも言えませんが
できる限りの整備を行って判断していきたいと思います。
こうなてくると基板内で何かあると修理不可の可能性が
高くなってしまうのは電位制御機の宿命ですね。
まずは電池室を介さずに電圧をかけて
正常に動作するかどうかの確認から行います。
その上で電池室周りのショートから改善していきます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ぞうさんの日」らしいですよ。
制定したのは山口県周南市の市民プロジェクト
「絵本と物語のある街」だそうです。
このプロジェクトの創立日である2010(平成22)年11月16日に
ちなんでだそうです。
加えて周南市は童謡『ぞうさん』などで知られる
作詞家まど・みちおさんの故郷であり
誕生日の1909(明治42)年11月16日と合わせることで
まどさんへの尊敬の意味も込められているのだそうです。
周南市には1960(昭和35)年に開園した徳山動物園があることから
動物園のシンボル的存在のゾウの記念日を制定して
この日をきっかけに親子・家族・地域の絆を深めることが目的なのだそうです。
徳山(現・周南市)に昔、親戚がいたから
家族で訪れることも多く徳山動物園にも何度も行ったし
当時の写真も残っています。懐かしいですねぇ…
ところで「童謡・ぞうさん」の歌詞ですが
子ゾウが悪口を言われた時の歌とされています…知らなかった…(汗)
他の動物から見たら、鼻が長い君はおかしい。
しかし、子どものゾウは、しょげたり怒り返したりせず、
「大好きなお母さんも長いのよ」と朗らかに切り返し、
それを誇りにしている歌だといいます。
その背景がわかってくると
「ぞうさん」の1番の歌詞…
「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ」の
イメージが全く変わってきますねぇ~
動物園でぞうさん見たくなってきました…(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフを代表すると言ってよい名機ですね。
ミノルタはそれでなくても非常に古い歴史を持つ光学機メーカーですが
国産としては最初期から二眼レフを作っていたメーカーです。
ミノルタフレックスに始まりミノルタコードを経て
非常に完成度の高いカメラとして1955年に
「オートコード」が登場しました。
前身までのモデルで培った「ハラキリ型」のピントレバー
平面性を確保するために通常とは逆に「上から下」としたフィルム送り
シャッタースピードと絞り値はビューレンズ上部窓に集中表示
そしてセルフコッキング
ひとつひとつの機能は前モデルからあったものですが
それをうまくまとめて使い勝手が良い上に
安定した動作のシチズンシャッターと組み合わせ
写りの評価の非常に高いテッサー型ロッコールレンズ
ピントの山の掴みやすいファインダー等
非常に高い次元でバランスの取れたカメラだと思います。
現在でも人気の高いのが納得できる内容です。

見た目の質感も使い心地も非常に良いカメラです。
画像は一通りの整備後のものですが
眺めているだけでも楽しくなってきますねぇ
お預かりしているオートコードは
一通りは動作しているものの
巻上やピントレバー、シャッターの動きが悪い部分もあり
このまま使うには少々不安材料の多い状態でした。
レンズにもカビがそれなりに発生しており
ファインダーもかなり汚れています。
ご依頼者様からもご指摘をいただいていたのですが
シャッター羽根の一部に錆が発生しており
茶色く変質してしまっている見た目も問題ですが
表面もザラザラでシャッターの動きを悪くする要因となっていました。
錆びてしまった金属羽根を完全に修復するのは不可能ですが
できる限り錆を除去し表面に余計な抵抗が付かないような処置を行い
問題ない精度でスムーズに動作できるようになりました。
見た目にもほとんどわからないレベルになったと思います。
オートコードと言えばテイクレンズの後玉コーティング劣化の
固体も多く、クモリが出ているとほぼ修復不可能な場合も多いのですが
今回はカビこそそれなりにあったものの
コーティングの状態は良好で全く問題ない状態に清掃できました。
これでご依頼者様にも安心して使っていただける状態になったと思います。

各部清掃注油を行っているので
動きが落ち着くまで少し様子見をしている段階ですが
この後、最終テストを行い問題なければ完成となります。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「アンチエイジングの日」だそうですよ。
「いい(11)とし(14)」(良い歳)と読む
語呂合わせからだそうです。
まぁ、私も「良い歳」ですから
日常の中で廊下を感じることだらけですが(苦笑)
こればっかりはどうにもなりませんねぇ
元々自然な人間の身体の耐用年数は50年程度だと
勝手に思っていますがそれを超えてくれば
当然ながらあちこちに不具合が出てきて当然ですよねぇ
私が毎日扱っているカメラと一緒ですね(笑
ただカメラはメンテナンスによって耐用年数は
かなり伸びますし、より程度の良い部品に交換することも可能ですが
人間の身体の場合はなかなかそうもいかないですよねぇ
カメラも個体差がありますが人間も個人差がありますし
もはや気にしすぎてもしかたがないので
与えられた身体と環境で
それなりにやっていくしかないですね
ただ、無駄に老化や劣化を促進するような真似は
できる限り避けて
直る異常であれば早めに発見して
メンテナンスしてやらないといけません…
長生き云々よりギリギリまで
普通本日はに生活していたいものですねぇ
そのためにはやはり少しは
手間や気を使わなくてはいけないですね!

さてさて

本日は毎月コンスタントに依頼のある
「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
1973年に「OM-1」に改名されていますので
私よりかろうじて少し年下ですね(笑
他メーカーに先駆けて一眼レフの小型化に挑み
見事に実現したカメラです。
機械式シャッター、それも横走りシャッター機で
この大きさというのは驚愕に値すると思います。
OM-1以外だと後に出てきたペンタックスMXくらいしか
ライバルはいないかと思います。
その小型化さらに静音化を実現するために
いたるところに独特の工夫が凝らしてあるカメラであり
基本的にはシンプルな構造ではあるのですが
各部の調整や整備の難度が高いカメラでもあります。
さすがに登場から50年経過していることもあり
各部に劣化の見られる個体も多く
快適に使うにはそれなりのメンテナンスは必須なカメラです。

お預かりしているOM-1はまず目立つのはプリズム腐食です。
ただし定番の接眼部のモルトに起因するものではなく
頂点部の蒸着に劣化によるもので
かなり視野内でも目立ちます。
分解してみると接眼部のモルトもボロボロに劣化しており
これで定番のファインダー下部のモヤモヤ腐食が
出ていないことがちょっと驚きです。
しかしながらいずれにしてもプリズムは交換です。
電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
液漏れこそないものの電池から出るガスの影響もあり
電池室裏の配線はかなり腐食が進んでいます。
かろうじて導通はするものの
かなり抵抗となってしまっていて
上部SW部までに正常な電圧を届けられない状態です。
ここも交換で対処します。
さらにシャッターにも積年の汚れによる動作不良がみられ
シャッターは切れてはいるものの
1/1000は開かず、他も全速で精度は出ていない状態です。
巻上やミラー駆動部、スローガバナ等も含めて
動作部分には一通りの清掃整備が必要な状況です。

フィルム室のスタッドは2本で
いわゆる「M-1」と同じボディというほどの初期モデルではないですが
露出計回路等の独特の機能からかなり初期に近い個体だと思われます。
経年劣化はもちろんですが
それでも全体的にはまだ程度の良いほうだと思います。
プリズムの交換はしかたないですが
あとはしっかり整備して調整を行えば
OM-1らしく気持ちよく使える状態になると思います。
このカメラの魅力はそのコンパクトさはもちろんですが
操作系の気持ちよさもかなり大きいと個人的には思っています。
そんなOM-1の魅力を最大限に味わえるよう
しっかりこれから整備を行っていきます。

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