月別アーカイブ: 2022年10月

コニカC35フラッシュマチックのカメラ修理

まぁ今日は「ハロウィン」ですね。
私が子供の頃には
まだ「ハロウィン」を祝う習慣は
なかった時代なので
全く持って縁がありませんな(苦笑)
とりあえず今日は渋谷はもちろんのこと
(まぁ渋谷に行く用事なんてめったにありませんが)
人の集まりそうな繁華街に近づくのは避けましょう
「ハロウィン」はまぁ置いておいて
今日は「日本茶の日」だそうです。
やはり何でもないときに通常飲む飲み物は
「日本茶」が落ち着きますね。
仕事中もお昼と午後3時には少し甘いモノを飲みますが
それ以外はお気軽なお茶パックですが
「緑茶」を飲んでいます。
「日本茶」とは、日常の会話で用いられる用語で
茶の植物学的な分類として定義された言葉ではなく
「日本のお茶」つまり「日本で作られたお茶」あるいは
「日本でよく飲まれる種類のお茶」と言った意味合いの言葉だそうです。
ほとんどの日本茶は不発酵茶である緑茶であり
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
緑茶の多くは、蒸すことで加熱処理をして
酸化・発酵を止めた後、
揉んで(揉まないものもある)、乾燥させる製法をとります。
この方法は日本独自で発展したものであり
世界的に見ても製茶過程で「蒸し」という工程が
行われている国は他に類を見ないのだそうです。
普通に飲むお茶も美味しいのですが
たまに無性にただ緑茶をかけただけの
「お茶漬け」が無性に食べたくなるのですよねぇ(笑
これに菜っ葉(野沢菜や広島菜)の漬物が合うのですよねぇ…

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
最初のコニカC35が1968年の発売ですが
その3年後の1971年にフラッシュマチック機構が搭載されたモデルです。
それ以外は基本的に最初のC35と大きな違いはありません。
C35はコンパクトカメラ界を大きく変えたカメラだと思います。
それまでのレンズ一体型のカメラは
それほど小さなものは多くなく
逆にちょっと大きめで重いほうがしっかり丈夫に造られているということで
売れていた状況だったのです。
それがこのC35が「じゃーに~コニカ」の愛称で
旅行等にどこにでも気軽に持ち歩ける小さなカメラというジャンルを確立し
大ヒットに結びつけたわけです。
C35以降の各メーカーのレンズ一体型のカメラは
C35のヒットに習って
それまでは大きめのボディだったものも次々と小型化が進められていきます。
ハイマチックやキヤノネット、エレクトロ35あたりもそうですね。
ただ単純に小さいだけではなく
プログラムシャッター+プログラム露出を搭載することにより
撮影も簡単・気軽にできるカメラでもあります。
加えてコンパクトなボディにマッチングの良い
ヘキサノン38mmF2.8レンズの写りの評価は非常に高く
距離計も搭載されており気軽で簡単なだけではなく
キチンとした写真がしっかり撮れるカメラでもあります。

大ヒットしたモデルで現存する台数も多く
修理依頼も多いカメラですが
やはり使いっぱなしで未整備な個体も多く
さすがに50年以上経過するカメラなので
そのままでは問題を抱えているものも多い印象です。
今回お預かりのC35もまず光漏れが起きていることと
距離計のズレ、露出計の精度もいまひとつで
シャッター羽根に若干の粘りがあるようです。
やはり全体的に整備の必要な状況です。


このタイプのコンパクトカメラは
フィルム室の遮光を大量のモルトに頼っている場合が多いです。
今回のこのC35もそこはどこかで気づいて
どなたかがモルトの代わりに腐食しない素材の
遮光材を貼ってはいるのですが
いかんせん厚みが足らない上に貼り方も悪く
光線漏れが起きてしまっている状態でした。
やはりここはモルトプレーンをしっかり正しい場所に貼り
劣化が起きればまた交換する(10年くらいは平気だと思いますが)という
スタンスが正解かと思います。
モルト以外の部分もこれからしっかり整備して
各部がスムーズに動くように整備を行っていきます。

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ヤシカミニマチックSのカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ
日付の由来は2005(平成17)年のこの日に
雲南市で「第1回日本たまごかけごはんシンポジウム」が開催されたことと
この時期はたまごの品質が良いと言われており
また美味しい新米が出回る時期でもあることからだそうです。
TKG美味しいですよねぇ~
もともと白米大好きななので大好物です!
ここのところお米は糖質制限の関係もあり
朝だけしか食べないようにしているのですが
ごはんのお供はたいていが野沢菜(本当は広島菜がいいのですが)と
はごろも煮で軽く食べて最後はたまごかけごはんです!
私はシンプルにお醤油だけですが
いろいろな具材を入れる方も多いのですよねぇ…
ちょっと調べてみると…
海苔やネギ、かつお節、ゴマ、納豆、鮭フレーク、
豚肉、キャベツ、チーズ、ごま油、キムチ、塩こんぶ、バター…等々
中には「うーん???」と思うものもありますが
ごま油に海苔とネギなんて合いそうですねぇ…
ちょっと試してみようかな…

さてさて

本日は「ヤシカミニマチックS」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
それほどメジャーな機種ではなく私も見かけることはあまりない機種ですが
大ヒットしたヤシカリンクスの派生モデルと言えるカメラです。
リンクスはセレン光電池使用の露出計を搭載する
マニュアルカメラですが
ミニマチックSはもっと簡単に撮影ができるように
考えられたカメラで
シャッターをコパルユニーク・プログラムシャッターに変更し
セレン式露出計と連動したプログラム露出専用機となっています。
通常のプログラム露出時には2枚羽根のシャッターが
絞りを兼ねる方式となります。
コニカC35やオリンパス35DCあたりと同様ですね。
フラッシュ対応の為、SSは1/30固定で絞りを単独で設定することもできますが
この場合のみ、シャッターとは別個の絞り羽根を使用します。
こちらも2枚羽根です。
基本的にプログラムオート露出で使用するカメラなので
セレンがもしダメであればいきなり修理不能です。
お預かりの時に入念に確認したのですが
精度はともかくとしても何とか露出計は作動はしている様子です…
これであれば何とかなるか…ということでお預かりしました。

かなり長い間、仕舞い込まれていたカメラと思われ
セレンは生きているもののその他にいろいろと問題は抱えています。
まずシャッター羽根には粘りが見られ
明らかに動きが鈍いことが目視でもわかります。
レンズにもそれなりにカビが見られます。
加えて最大の難点は
ファインダー距離計二重像がほぼ見えません…
室内で照明等の光源を見ると何とか確認できるという程度で
とても通常のピント合わせが確認できる状態でありません
さらにファインダー全体もかなり曇っています。
これは二重像やブライトフレームをファインダー内に映し出す
ハーフミラーの劣化が原因と思われます。
既にハーフミラー蒸着部がかなり激しくカビ等で曇っています。
そのためブライトフレームや二重像が見えないのですが
これを清掃しようとすると間違いなく
蒸着部は剥がれてしまいハーフミラーが
ただの素通しガラスになってしまいます。
残念ながらもうこのハーフミラーは使用不可な状態です。
キレイなハーフミラーを切り出して移植する方法で
対処していきたいと思います。

ファインダー部の現状は確認しましたが
ハーフミラー移植は後で行うとして
これからシャッターユニットの整備からまずは取り掛かります。
ボディサイズが余裕のある大きさなので
整備性はなかなか良好なカメラです。
鏡胴の塗装色がありがちなシルバーではなく
ちょっとグレーがかった色でなかなか質感も高く良い感じです。
レンズをヤシノン45mmF1.8を搭載します。
レンズのコンディションもそれほど悪くなさそうなので
清掃後は存分に良い写りを楽しむことができそうです。

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リコー35のカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうです。
ホームビデオと言っても
8mmや後に普及するVHSとかではなく
VHSやβより以前に開発された「U規格」で
ソニー・松下電器・日本ビクターが参画した
世界初の家庭用VTRの規格です。
それが1969年のこの日に発表されたのです。
これ以前のVTRはいわゆるオープンリールで
8mmとかも家庭用に存在しましたが
とても家庭で気軽に楽しめるものではありませんでした。
(そういえばオープンリールの8mmも
幼いころに家にあったなぁ…)
しかしながらこの「U規格」も
テープ幅は3/4インチ(後のVHSは1/2インチ)
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mmで
非常に巨大であったことから
「ドカベンカセット」などの通称もあった。
ちなみにVHSのカセットテープ寸法は
188×104×25mm…え?意外と変わらんな…(苦笑)
残念ながらこの「U規格」は一般家庭に普及することはなく
本格的なホームビデオの普及は後のVHSやβ登場まで待つことになります。
それも今や昔の話で今やビデオテープそのものが
過去の遺物ですものね…もはや記録メディアは据え置きならHDD
記録媒体は光ディスク、
持ち歩くならSDカードあるいはマイクロSDカードの世界ですものねぇ
これもリアルタイムで体験した
VHS登場の当時からするととんでもない進歩ですよねぇ…

さてさて

本日は「リコー35」のカメラ修理を行っています。
リコー35シリーズはいわゆるレンズ固定型の
レンズシャッター搭載距離計カメラです。
1954年に最初のリケン35が発売され
翌年に改名し搭載するリケンシャッタの最高速が
1/100→1/200になった「リコー35」が発売されます。
そして同時にその「リコー35」をベースとし
当時の最高級宇シャッターユニット
「セイコーシャラピッドシャッター」を搭載し
さらにレンズもF3.5からF2.8へスペックアップした
「リコー35セイコー付き」が発売されます。
今回のカメラはこの高級版とも言える
セイコーシャラピッド搭載の「リコー35」です。

発売から67年が経過するカメラであり
さらに今回の個体はおそらく数十年に渡り
使用されていないものとみられます。
特徴的な底部トリガー式の巻上レバーの先端部は
欠落しており中古部品から補充いたしました。
シャッター羽根や絞り羽根にもかなり粘りが見られましたが
羽根自体には破損等がなかったのは不幸中の幸いです
ファインダーやレンズはできる限りの清掃で
コーティング等に劣化は見られますが
かなりクリアにすることもできました。
何とか快適に使える状態に仕上げられたと思います。

最初のリケン35もこのリコー35も
レンズは富岡光学製で非常に評価の高いレンズです。
経年の劣化はあるにしても
写りにはかなり期待できると思います。
セイコーシャラピッドは最高速1/500で
現在のカメラとあまり変わりなく使うことができ
独特の操作性やルックスも使っていて楽しいカメラだと思います。
ご依頼者様には存分に楽しんでいただきたいと思います。
これから最終的なテストを行い
もんだいなければ完成となります。

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コニカオートレックスのカメラ修理

今日はこれといってネタになるような
記念日がないですねぇ
で、過去の10月28日にあった出来事を調べてみると…
1972年に中華人民共和国との国交恢復を記念して
日本に贈られた雌雄2頭のジャイアントパンダ
「カンカン」「ランラン」が上野動物園に到着した日で
ちょうど50年の節目ですね!
さすがに当時、私は3歳なので詳しくは覚えていませんが
パンダと言えば「カンカン」「ランラン」で
連日テレビでも大ブームだったのは覚えています。
もちろん私はそのときは広島・呉在住ですし
東京・上野動物園なんて雲の上のような遠い世界でしたが…(笑
昨日から松坂屋上野店ではパンダ来日50年を記念して
当時と同じように記念のアドバルーンを揚げているようです。
30日まで揚がっているそうですよ。
アドバルーンも懐かしいですねぇ
えっと…現在の上野動物園のパンダは…
2005年中国生まれのリーリーとシンシン、
2017年上野生まれのシャンシャン
去年ニュースを賑わせた2021年6月生まれの
シャオシャオとレイレイですね。
言われてみれば上野動物園も20年近く行ってないなぁ…
平日空いてそうな日にフラッと行ってみなくては…

さてさて

今日は1965年発売の「コニカオートレックス」の
カメラ修理を行っています。
いわゆるARマウントの最初のカメラです。
これが後のFTAやオートレフレックスT3、Acom-1の先祖となるわけです。
外光式のCdS露出計を装備し
それと連動するシャッタースピード優先オートも装備します。
これを実現するためにレンズマウントは新開発となったわけです。
ARレンズの「AR」はオートレックスの頭文字でもあります。
さらにこのカメラの特徴的な機能といえば
やはり35mm判、ハーフ判を切り替えて使用可能な点ですね。
それもフィルムの途中でも切り替え可能です。
ただ、35mmフルサイズとハーフが入り混じった撮影済みフィルムは
現像はともかくスキャンやプリント時にはいろいろ制約もあるはずなので
写真屋さんに預ける場合には要確認だと思います。
コマ重なりを防ぐため35mm判→ハーフ判の変更は巻き上げてから
レバーで切り替え、ハーフ判→35mm判への変更は
レバーで切り替えてから巻き上げします。
ここには注意が必要です。
シャッタースピード優先オートはコニカお得意の
露出計指針挟み込み方式の為もあり、
シャッターレリーズのストロークがかなり深くなっています。
ここも少々慣れが必要な部分かと思います。

このオートレックス、いろいろな機能が満載で
面白いカメラではあるのですが
その分、いろいろなトラブルも起きやすいカメラだとも言えます。
特に露出計関連や巻上関連にトラブルの多いカメラです。
プラスチック部品の使用も意外と多く
その部分の劣化の為に部品入手不可で修理不能になる場合もございます。
搭載されるシャッタユニット・コパルスクエアは
他にもいろいろなカメラに搭載され
信頼性の高いユニットですが今回はそのシャッターにも問題があるようです。
今回のオートレックスはお預かりした時点で
ミラーアップしたまま固着した状態でシャッターは切れなかったのですが
ミラー駆動部の動作不良で固着している上に
シャッター羽根の錆や汚れもかなり酷く
できる限り分解してひたすら錆を落とし清掃する作業が必要でした。
さらに電池室のプラスチック部品は破損しており
接点の固定もままならない状態で
ここも何とか代用部品等で何とか機能する状態に改善していきます。
さらに装着されている52mmF1.8レンズのカビ・汚れも酷く
こちらも入念に清掃していきます。

細かく書き始めるとキリがないくらい
いろいろな処置を行ったのですが
何とかシャッターの精度も露出計の精度も確保できて
オート露出も安定して動作するようになりました。
巻上も切替も含めて問題なく動作します。
レンズや外観もできる限り清掃しました。
これであれば安心して気持ちよくお使いいただけると思います。
モデル名がペンタ部に刻印されているのは
それだけこのモデルにメーカー側にも思い入れがあるのだと思います。
コニカの記念碑的なカメラでもあるので
ご依頼者様には存分に楽しんでお使いいただければと思います。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「読書の日」だそうですよ。
読書週間(10月27日~11月9日)の一日目の日なのですね。
いわゆる長編小説とかは学生の頃は
結構読んでたけど大人になってからは
長編どころか小説自体読まなくなりましたねぇ…
あまり細切れで読んでても没頭できないから
読むならある程度の時間、集中して読みたいと思うのですが
社会人になってからそんなに本を読む時間が取れないですねぇ
あ、でもいいわけかな。。。
コミックは何時間でも読み始めると読んでるし。。。(苦笑)
小説とかは読まなくてもいろいろな資料や
本を買うまではないけど興味のある分野の知識を得るために
比較的近年まで図書館にも割と通っていたのですが
ここ数年はそれもご無沙汰です。。。
たまにはしっかり活字を読む時間も作らなくては…
ただ、寄る年波には勝てず小さな字が読みづらいのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノン初の本格的プロ向け一眼レフカメラです。
この分野では完全に独り勝ちだった「ニコンF&F2」の牙城を
崩すためにキヤノンが社運を賭けて開発した渾身の一作です。
悪条件下の酷使にも耐えうる信頼性を
最優先の目標として
測光機能の拡大や全システムの無調節互換性能、
マイナス60度~プラス60度までの
温度域に耐える環境性能、来るべき自動化露出への対応等々
あらゆる面に対応することが開発の焦点とされました。
そうして完成したF-1はプロカメラマンやハイアマチュアの
カメラマンに絶大に支持され
ニコンと並びいわゆる「一眼レフ2強時代」に突入していくわけです。

さすがに登場から50年以上経過するカメラであり
当時求められた極限の環境性能や堅牢性は
どうにも衰えていて
復活できない部分もありますが
それでも基本的には非常に丈夫なカメラです。
そして何と言ってもキヤノンらしいスマートさが魅力のカメラです。
特にデザイン的に低く構えたペンタプリズム部は
他のカメラとは一線を画する魅力にあふれています。
塗装色もブラックに統一されているのも
キヤノンらしい部分かと思います。

お預かりしているF-1はシャッターこそ
とりあえず作動しているのですが
スプロケットが常にフリーの状態で
フィルム巻上が正常に行えません。
いわゆる「巻き戻し状態」から復帰できないのかと思ったのですが
(他のカメラでもこの症状自体はたまにある)
どうやらスプロケットの軸はちゃんと動作しようとしているようです。
で、さらに調べてみると
どうやらスプロケットを軸に留めているネジが
無理矢理回そうとしてねじ切られているようです。
そのため軸は回っていてもスプロケットが回らないのです…
なんでまたそんなことになっているのか…(苦笑)

スプロケットの件は原因が分かったものの
シャッター周りにもいくつか問題を抱えています。
F-1はシャッター幕ブレーキ関連のトラブルが多いカメラで
その最たるものがいわゆるシャッターがバウンドする症状なのですが
シャッターバウンドまではいっていないものの
幕ブレーキが擦り切れている状態で
シャッタースピード(特に高速)が非常に不安定な状態でした。
測定器で計測してみないと
見た目にははっきりわからない部分ですが
できあがった写真には間違いなく悪影響が出ていると思います。
さらにレリーズ部の動きも妙に悪い症状が出ています。
どんな使われ方を以前にされてきたかはわかりませんが
いろいろと整備が必要な状態であることには間違いありません。

画像は一通り整備が終わった段階でのモノです。
動きが少し馴染むまでテストを行いながら様子見をしている段階です。
シャッターの精度も問題なく
スプロケットの動きはもちろんのこと
巻上・レリーズも非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズは当店のテストレンズですが
やはり旧F-1にはs.s.c刻印のある旧FDレンズが似合いますね!
これから最終テストを行いながら微調整を行い
問題なければ完成となります。

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キヤノンⅡD改のカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
柿の旬の時期でもあり
1895(明治28)年のこの日に
俳人・正岡子規が奈良旅行に出発し
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を詠んだとされることからだそうです。
言われてみれば今年はまだ柿を食べていないです…
普通に皮を剥いてそのまま食べられる甘柿は
ほのかな甘さとしっかりとした歯ごたえがいいですよねぇ
これぞ日本古来の甘さという感じがします!
また渋柿を利用した干し柿もいいですよねぇ…
現在、柿の生産量が多い県は
和歌山県、奈良県、福岡県の順で
生産量日本一の市町村は奈良県五條市だそうです。
ただ私の地元呉の北隣の東広島市では
中四国地方を中心に現在も多く栽培されている
西条柿の原産地であり
東広島市ではまとまった栽培が一時途絶えていましたが
近年では「原産西条柿」と銘打ち、栽培が増加傾向にあるのだそうです。
西条柿は完全渋柿なのでやはり干し柿がいいですねぇ
普通に生食の甘柿も干し柿も食べたくなってきました。
とりあえず今日の帰りにスーパーで探してきます!

さてさて

本日は「キヤノンⅡD改」のカメラ修理を行っています。
いわゆるキヤノンのバルナックコピーカメラですが
歴史は長く戦前は独自ねじ込みマウントを採用していましたが
戦後は一般的なライカLマウントになります。
マウントは標準仕様になりつつも機能的には独自の構造もいろいろと追加され
SⅡ(1946)では一眼式ファインダーとなり
ⅡB(1949)ではキヤノンお得意の変倍ファインダーが搭載されます。
50年代に入ると高級機から機能を若干省略した普及機まで
いろんなタイプのモデルをラインナップしていきます。
今回のⅡD改は1955年発売のモデルで
この時期になるとバルナックコピーキヤノンとしては
後期のものになり完成度も非常に高くなっています。
その当時の最高級機「Ⅳsb改」から1/1000シャッターと
フラッシュ接点付きレールを省略したものが
「ⅡD改」となります。
基本的な構造や造りは「Ⅳsb改」と同様です。
この時期のカメラのモデル名によく使われる「改」は
「改良版」の略でいわゆるマイナーチェンジ版という意味です。
ⅣSB改やⅡD改の場合の大きな改良点は
シャッタースピード設定が1/25、1/40、1/60、1/100、1/200という
それまでの並びから
その後一般的となる1/30、1/60、1/125、1/250という
いわゆる倍数系列になったことです。

毎度のことですがキヤノンのバルナックタイプモデルは
特に1950年代のモデルの種類が多い上に
モデル名の刻印は一切ボディ上にないために
慣れていてもぱっと見にモデル判別は困難です。
シャッタースピード設定だったりフラッシュ接点の有無
ノブのローレット、メモ表示板の有無等で判別しますが
Ⅳsb(改)以外はまぁ資料を見ながらでないと無理ですね(苦笑)

キヤノンに限らず、またレンジファインダー機でも一眼レフでも
50年代の布幕フォーカルプレーンシャッター機は
まずシャッター幕交換が修理の前提となる場合はほとんどです。
今回お預かりのⅡD改も幕は硬化してガチガチで
シャッター切ってもまともに走行できない場合がほとんどです。
さらに一部に擦れて穴の開いている部分もあり
間違いなく光漏れが起こる状況です。
さすがに幕交換を行わないとどうにも使えない状態です。

幕交換は重作業な上に
非常にデリケートさを要求される作業です。
わずかな幕位置のズレ等で
まともにシャッタスピ―ドが出なくなってしまうこともあります。
おまけにバルナックタイプは機種にもよりますが
普通にシャッタスピードテスターでSS測定ができないものも多く
キヤノン機もSS測定にちょっとした工夫が必要です。
それでもしっかり測定しながら微調整を行っていくと
幕交換を行えば大抵の場合問題ない精度を確保できます。
その上で巻上整備や距離計調整、ファインダー清掃を行えば
今でも十分撮影に安心して使用できるカメラに仕上がります。
画像は既に一通りの修理・整備を行った後のモノで
最終的なテストと必要があれば微調整を残すだけですが
非常に気持ちよく使えるカメラに仕上がっています。
早くご依頼者様にも存分にお楽しみいただきたいと思います。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
たっぷりマーガリンつけた焼きたてのトースト…美味しいですよねぇ
普段あまりトーストを食事に…っていうことは少なく
朝も基本的に白米なのですが
たまにやたらとトーストを食べたくなることがありますよねぇ
で、まぁ美味いのはバターがやはり上ですが
現実的な使い勝手を考えるとやはりマーガリンですよねぇ
ネオソフトのシェアが高いとは思いますが
私はラーマ派です!
でもマーガリンといえばトーストではないけれど
昔の給食のパンについてきた四角いヤツですよねぇ
銀紙に包まれたヤツ。。。
理想は一口分にあれ1個使いたいくらい好きで
周りの「いらない」っていうクラスメートにもらって
贅沢に塗って食べてました…(笑
あ、冬になると教室のストーブで
パンを軽く焼くとまた美味さ倍増なんですよねぇ…懐かしい…
ところで最近食パンを焼くトースターを昔ながらの
ボップアップトースターに買い換えました。
今まで使ってきたオーブントースターがボロボロになってきたことと
「いや、結局トースト以外に使い道ないじゃん」ってことで
今度はボップアップ式にしました。
うん、やっぱりデザイン的にも使い勝手も私にはこっちのほうがいいな…
「ポン」とパンが焼きあがって跳ねるのが馴染みがあっていいですねぇ
あ、いい歳なのでマーガリン塗り過ぎには注意します…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートEL系からの流れを汲む
電子制御シャッター搭載の中級機です。
ニコマート時代にはちょっと重々し過ぎて
機械制御機のFT系と比べても使いにくさもありましたが
FE/FM系に一新されてから一気に洗練されました。
適度にコンパクトなボディなって取り回しも良くなり
絞り優先で撮れる軽快さがより際立つようになりました。
そして何と言ってもファインダー内の露出情報が見えやすく
マニュアル時にも非常に使いやすいのです。
絞り値はAi対応機なのでレンズの刻印を直読する方式です。
そしてファインダー左側に露出計指針と
SS設定指針の二針式の露出計が表示されます。
露出計が示す値と現在のSS設定がどのくらい離れているかを
一目で確認することができ
あえて露出をコントロールするような場面でも
非常に使いやすくできています。
ここに関しては兄弟機のFMはもちろんのこと
後のフラッグシップのF3よりも使いやすいです。

基本的には丈夫にできているカメラで
電子制御機ということで
電装系のトラブルを心配される方も多いとは思いますが
FEは電装系のトラブルで修理不能といったパターンの
比較的少ないカメラです。
基板内ショートとかがなければまず大丈夫かとは思います。
今回お預かりしているFEは
その電子制御シャッターが全く作動せず
機械制御の「B」と「M90」以外では
レリーズしてもミラアップするだけでシャッターが作動してくれません。
さらにバッテリーチェックも露出計も不動です。
…ということは根本的に電源が全く入らない状態です。
電池室からまずチェックしてみると
電池室側に大きな腐食はないのですがやはり
かなり長い間、電池が入れっぱなしだったとみられ
若干の緑青が確認できます。
電池室側でこの状態だと電池室裏はやはり状態は悪いと予想され
そこで接触不良あるいは断線が起きていると考えられます。

まだ取り掛かったばかりですがまずはここから分解を進めて
電池室周りのハンダや配線の処置から行っていきます。
まずは電源を入るようにしないと
電子制御部に問題があるのかないのかもわかりません。
このパターンの修理でちょっと怖いのは
それなりに手間をかけて電源を入るようにしても
電子制御部に重篤なトラブルがあって結局修理不能…というパターンが
あり得るということですかね…
FEの場合はその可能性は非常に低いのですが…
過去に何度かそのパターンにハマりがっくりした記憶があります…(苦笑)
まぁそんなことを心配しても始まらないので
まずは電源が入るように処置を行っていきます。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が
冷気によって霜(しも)となって降り始める頃となっています。
朝晩の気温がグッと下がり
標高にもよりますが
平野部でもそろそろ紅葉・黄葉が進んでくる頃ですね
日中はそこそこ暖かくて緩い感じの空気が
早朝や夕暮れ時の冷たくなって
ピンと張ったようなこの季節独特の空気感が昔から好きです。
本格的な冬の到来を前に気持ちの良い時期ですね。
もう次の二十四節気は「立冬」です。
今日の「霜降」から「立冬」までの間に吹く寒い北風が
いわゆる「木枯らし」です。
いつからかさだかではありませんが
関東地方(東京)と近畿地方(大阪)において
毎秋最初の木枯らしを「木枯らし一号」として
気象庁より発表されていますね。
「一号」って台風か仮面ライダーみたいだから
「春一番」に習って「木枯らし一番」とかのほうがいいような気が…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
そのモデル名から「リチャード」の愛称で呼ばれるカメラです。
1970年発売
オリンパス35シリーズは歴史も長くいろいろなモデルが存在する
35mm判レンズ固定式レンズシャッター機のシリーズですが
1968年の「トリップ35」以降のモデルは
時代の流れに沿って非常に今pカウとなモデルが主流となっていきます。
この「RC」も同社のハーフ判「ペンシリーズ」さほど変わりない
コンパクトさが売りのカメラです。
ただ小さいだけではなく距離計もしっかり搭載し
シャッタースピード優先AEを装備しつつ
マニュアル露出でも撮影できる
一通り何でもできるカメラです。
ファインダー内情報もしっかりしており
オート時には設定したSSはもちろん
露出計連動で選択する絞り値をレリーズ連動で表示し
マニュアル時には露出計こそ使えないものの
設定している絞り値がファインダー表示されます。
ちょっとめずらしいのがレンズシャッター機なのに
シャッターダイヤルがフォーカルプレーン機のように
上カバー上に付いていることです。
個人的にはこちらの方が鏡胴にSS環があるタイプよりも
設定が見えやすいし良いと思います。
シャッターはペンと同様の2枚羽根のビハインドシャッターです。

お預かりしている「RC」は電池を入れて
シャッタースピードAEにしても
露出計が全く動かず常に絞り開放側に振り切ってしまう状態です。
電池室側から見る限りは接点や端子も
良好な見た目だったのですが
電池室を外して裏側をチェックすると
配線ハンダ部は緑青でびっしり覆われていて
配線は完全に断線している状態でした
これではさすがに露出計はピクリとも動けません。
他、距離計には大きなズレがあり
シャッター羽根にも若干の粘りがあるようです。
ビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に
露出しているので羽根に汚れが付着しやすい構造ではあります。
こちらもシャッターユニット整備と同時に羽根清掃を行っていきます。

35DC等と同様に露出計本体はボディの底部に配置されている
オリンパスらしい独特の構造です。
小さなボディに無駄なく詰め込まれている印象ですが
意外と整備性は悪くないカメラです。
これから本格的に各部の整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
1879(明治12)年のこの日に
アメリカの発明家トーマス・エジソンが
世界で初めて実用的な白熱電球を完成させたことに由来しています。
現在の世の中で当たり前のように明かりが灯っているのは
普通ではあるのですが
これほどありがたいものはないですよねぇ…
そういえば以前に毎週のように山に登っていた頃は
ちょっとした手違いやトラブルで
日没までに下山できず真っ暗な山の中を
ヘッドライトの明かりを頼りに下りたことが何度かあるのですが
そのときに登山口まで下りてきて
民家の明かりを発見したときにどれほどホッとするか…(苦笑)
まぁほぼ下りきっていて最後の30分くらいの
足場の良い道が残っているだけの状況ではあるのですが
明かりのない山の中を歩くほど不安なことはないですよ…
場合によってはあきらめてビバークすべきですものね…
そういうときに見る暮らしの明かりって
むちゃくちゃ暖かそうに見えて何だか切なくなるものです。
明かりがあって暖かい生活が
できることに本当に感謝ですね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
「1N」は1979年に発売されたカメラで
基本的な機能は「OM-1」とさほど変わりません。
アクセサリーシュー4と対応フラッシュを使用することにより
フラッシュ充電完了表示がファインダー内で可能になったくらいです。
1972年に発売された「OM-1」が7年後のモデルチェンジで
大きな変更がないということはそれだけ
「OM-1」の元々の設計が優れていたということかと思います。
しかしながら基本的構造は「OM-1」と同一とはいえ
細かな部品の変更は「OM-1」の頃からマイナ―チェンジで
何度も行われており「1N」になったタイミングでも
いろいろと細かな変更は行われています。
特にプラスチック部品の材質や強度は
最初の「OM-1」の頃のものを比べると全く異なります。
多少コストダウンされている部分も確かにありますが
それ以上にプラ部品の材質は向上していると思います。

でも相変わらずなのがプリズムと接眼レンズの間に
モルトプレーンを貼ることですね
今回もこのモルトが原因でプリズムはしっかり腐食してしまっています。
ファインダーから見ると視野の下部がモヤモヤして見える
OMならではの腐食のパターンです。
まぁモルトは定期的に交換するのが前提ですからしかたないですが
OMに限らずこの時代のカメラはモルトを原因とする
プリズム腐食が本当に多く困ったものです…

シャッターや露出計は一応は動作していますが
高速シャッターの精度は出ていない上に不安定で
1/1000はたまに開かないこともあるようです。
露出計も2段以上オーバー気味となっており
このままではとても信頼できる状態ではありません。
巻上やミラー駆動部の動きも渋めで
やはり全体的に整備が必要な状況です。

プリズムの腐食もしっかり写っていますね
先日のOM-1修理のブログでも書きましたが
OM-1はその他では類を見ないコンパクトさや静かさを実現するために
他の一眼レフでは見られないような工夫や独自の構造が多いカメラで
調整箇所も非常にデリケートな部分の多いカメラです。
絶妙なバランスの上に成り立っているような部分もあり
そういう意味ではなかなか整備の厄介なカメラでもあります。
それでもしっかり整備された個体は
その独特な使い心地の良さや上品なシャッター音を
存分に楽しむことができます。
整備するたび「これが人気のあるのはやはりわかるなぁ…」と
思わざるを得ないカメラですね!

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キヤノンFPのカメラ修理

今日は「頭髪の日」で
「ヘアブラシの日」だそうです。
どちらも「とう(10)はつ(20)」(頭髪)と読む語呂合わせが
由来となっています。
もう髪型もへったくれもない歳になってしましたが(苦笑)
まだ何とか毛髪量が確保できているのが救いですね…
ただここ数年で随分白髪が目立つようになりました…
白髪が目立つと老けて見えるのですよねぇ…
まぁあまり問題ないですが…
10代…とくに中高生の頃はむちゃくちゃ髪型気にしていましたねぇ
整髪料も髪型にもよるのですが
懐かしのデップやチックに始まり
髪を立てる必要があるとムースやスプレーだったかなぁ
ワックスなんてもう社会人になってからここ近年の話ですものねぇ
で、制服の胸ポケットには常に手鏡を入れていて
ヒマさえあればチェックして(笑
上着のポケットにはヘアブラシも常に入っていたかも…
懐かし過ぎる…
高校生の頃はヘアカタログもやたらチェックして
バイト代で美容院に通ってました…
髪立てるための根元パーマやヘアマニキュアも流行ってましたね。
その頃に比べると今はめちゃくちゃ無頓着です…
少しは気にしないといけないかな…いや今更どうでもいっか…(笑

さてさて

本日は「キヤノンFP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
「キャノンFシリーズ」第一号機である「FX」から
外光式内蔵露出計を取り除いたモデルです。
当時は内蔵の露出計はまだまだ装備され始めたばかりで
保守的なハイアマチュアには今ひとつ信頼されていない部分も多く
それに加え「FX」のように外光式だとシビアな測光に使いにくいという
部分も確かにありました。
そのためこの時代の一眼レフにはメインの機種には露出計内蔵でも
そういうこだわったユーザーのために
露出計レスのもでるというものも結構ラインナップされていました。
キヤノンだと「FX」に対する「FP」ですが
例えばニコンだと「ニコマートFT」に対する「FS」
ペンタックスだと「SP」に対する「SL」といった感じですね。
製造から50年以上経った現在でも
トラブルの原因となりやすく精度もあまり期待できない
当時の露出計は思い切ってないほうがいい…という考え方もあって
露出計レスモデルというのはそれなりに人気があるようです。
…といっても「FP」は意外と現存数も多くはなく
少しマイナーな存在かと思います。

「FP」に限らず初期の「Fシリーズ」は仕舞い込まれたままだと
まともに動かなくなっている個体が多いような気がします。
どこかが破損しているわけではなく固着等で動けなくなるのですね。
今回の「FP」も巻上できずシャッター切れず…という状態です。
幕位置から判断するとチャージはされておらず
巻上がロックされたままできない状態のようです。
まずは底板側から巻上部の様子を見てみると
かなり錆びついている箇所も多くこれはまずまともに動かすだけでも
かなり苦労しそうです。
後からわかりましたが巻上だけではなくシャッター幕軸
スローガバナー、ミラー駆動部等々
あちこちで固着が起こっておりなかなか大変な状況でした。

露出計がないせいもあり造り自体は非常にシンプルなカメラです。
とはいえ、フォーカルプレーンの一眼レフですから
それなりの構造ではありますが…
特に巻き戻し側の露出計や表示板が鎮座するスペースに
なにもいないのでちょっと寂しいような気もします。
プリズム周りにはまだモルトプレーンが使われている時代ではなく
加水分解を起こさないコルクが緩衝材として使われていますが
この時代になるとモルト云々ではなく
プリズムの蒸着自体が脆いので
残念ながらやはりプリズムは腐食しています。
FX/FP/FT系のキレイなプリズムは入手が非常に困難なのですが
今回は何とか確保できているので交換で対処します。
あとはひたすら各部の動きがスムーズになるように
洗浄・清掃・錆落としに最小限の注油です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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