月別アーカイブ: 2021年1月

ミノルタALのカメラ修理

ついこの間、年末だ、お正月だと言っていたら
もう1月も終わりますね。早いですなぁ
今日は1月31日ということで
語呂合わせで「愛妻の日」だったりしますが
生涯独り者の私にはあまり関係ないですよねぇ(苦笑)
さらに関連して「チューリップを贈る日」なんてものも
制定されています。
語呂合わせは同じですが「愛菜の日」なんてものもありますね
最近、少し油断しているからまた野菜取ってないですねぇ
基本的に1日中座りっぱなしの仕事で
お昼は朝に買っておいたコンビニのおむすびとかパンになるから
しっかり注意して朝晩食べないと
ちゃんとした食生活にならないし
意識して運動しないと堕落するばかりです(笑)
あ、でも毎日リハビリはまだしつこくやってますよ
もう完全に停滞期だからあまり改善は見込めないですが。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタAL」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ初の35mm判レンズ固定式レンジファインダー機である
ミノルタAの流れを引き継いだモデルです。
いわゆる「ミノルタAシリーズ」の一員です。
1961年発売のカメラですが
前年に登場した「ミノルタA5」にセレン露出計を追加したモデルです。
フィルムカウンターも自動復帰になっています。
シャッターユニットやレンズはA5と同様ですが
レンズシャッターとしてはめずらしい1/1000の最高速を誇る
シチズンMLTシャッターを搭載します。
レンズはロッコールPF45mmF2です。
ちなみにこのALが出たのが61年夏で
同年の冬には初代ハイマチックが登場し
このカテゴリの主力はハイマチックに入れ替わっていくのですね。
さらのそのあとに小型軽量機という位置づけで
ミノルチナシリーズが追加されます。
初代ハイマチックがプログラムオート専用機だったので
マニュアル露出機であるALや
そのあとに出たAL2も存在意義はあったと思いますが
オート露出もマニュアル露出にも対応できる
ハイマチック7が出たところで
完全にAシリーズからハイマチックへの移行が
完了した感じかと思われます。
その後、ミノルチナの流れでAL-Fとか
AL-Eとかも出ててネーミングがややこしいのですが
またこれは全くの別シリーズになると思います。

お預かりしている「AL」は比較的良い状態かと思われます。
外装はキレイで巻上もスムーズで
心配されるセレン光電池の状態も良く
露出計の精度もある程度は出ています。
若干のシャッター羽根粘りがあることと
レンズに少しばかりカビや汚れがあるようです。
ご依頼者様曰く撮ってみた写真が
全体的に白っぽいとご指摘を受けているのですが
シャッター粘りのため
全体的に露出オーバーになってしまうのかもしれません
一度キチンと整備清掃を行えば
問題なく撮影に使える状態になると思われます。

まだ作業前の現状を確認している途中です。
A2あたりまでの丸っこいデザインに比べると
60年代らしいかっちりしたデザインに変わりましたね。
この時期はセレン光電池を搭載した
同じようなカテゴリの35mm判レンズシャッター機が
各メーカーからいろいろ出ていますが
実際に手に取って比べてみるとメーカーや生産時期によって
いろいろ考え方が異なることも発見できて
なかなか楽しいです。
ミノルタALはそんなライバルの多い中でも
その使いやすさや写りを含めて
非常に満足できるカメラだと思います。

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ニコンF2フォトミックSのカメラ修理

今日は「3分間電話の日」だそうです。
1970(昭和45)年のこの日に
日本電信電話公社の市内電話の料金が3分間10円になったのだそうです。
私の生まれた翌年ですねぇ
それまで1通話10円で時間は無制限だったのだそうです。
長電話防止のために3分間10円に決められたのだそうです。
今や3分10円って言われてもぱっと公衆電話の料金だって
イメージがわく人は私と同じように
それなりにおじさんおばさんですよねぇ(笑
公衆電話なんてさすがに私も長らく使った覚えがないですし。。。
ちなみに携帯電話を私が使い始めたのは25歳くらいの頃で
おそらく比較的早い方じゃなかったかと思います。
仕事でも使えるし。。。
何人かで買えば少し安くなるからということで
職場の同僚何人かで買ったのです。本体2万円でノキアの電話でした。
さすがに本体が別体のバカでかいものではなく
普通のストレートタイプでしたがさすがに少し大きかったかな
今の店の電話の子機くらいでもう少し分厚かったかな。。。
番号はもちろんその時代だから030で始まります。
ただ、さすがに通話代金は高かった。。。(笑)
会社からはポケベルが渡されてて呼び出したら
公衆電話でかけて来い(自腹、当時は普通)という
スタンスでしたが
アシスタントの子もポケベル呼び出すより
携帯にかけたほうが早いから
会社から直接個人の携帯にかけるようになって
営業所の電話代が急上昇したらしく
翌月になぜか携帯を持っている営業全員が怒られるという。。。理不尽(苦笑)
話が逸れました、、、逸れたついでに
明日でPHSサービスが終了しますね。25年間だったそうです。
PHSも昔は結構使いましたねぇ。。。2台持ちしてたし。。。
時代は回りますなぁ。。。

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックS」のカメラ修理を行っています。
F一桁機では当然ですがファインダー交換式カメラで
装着されたファインダーにより本体は同じでも
「アイレベル」とか「フォトミック」、「フォトミックS」等々
モデル名も変わります。
フォトミックSはその名の通り「フォトミックSファインダー(DP-2)」を
装着したニコンF2です。
フォトミックファインダーはいわゆる露出計を内蔵したファインダーで
「S」は指針式ではなくLED式の露出計を内蔵します。
LED制御部分が壊れている場合は修理不可能なことも多いファインダーです。
おそらく今回は大丈夫かとは思いますが。。。
フォトミックファインダーは「F」の時代のものに比べると
電池室をボディ側に移設したことで少しは小さくはなりましたが
F2の時代でもやはりアイレベル(露出計レス)ファインダーに比べると
少々頭でっかちなスタイルになってしまいます。
でもまとまりはFの時代のフォトミックとは段違いによく
その武骨さに逆に魅力を感じるほどです。
私も最近はアイレベルよりフォトミックのほうが魅力的に映ります。
露出計内蔵はもちろん便利ですが
フォトミックファインダーだとSS・絞りが
ファインダー内に表示されるのですよね。これが良いのですよねぇ
それもAi対応のものよりもカニ爪連動のフォトミックのほうが
絞り値表示は見えやすいです。
個人的な好みでいうとLED式のS系よりは
メンテやデザイン的にも指針式の無印がお勧めではあります。。。

お預かりしているフォトミックSは露出計に電源が全く入りません
でもこれはファインダー側の問題ではなく
ボディ側の電池室マイナス端子の支持部が破損しているためです。
F2では定番のトラブルですね。
さらに高速シャッター1/2000,1/1000,1/500は全く開かず
低速側はガバナの粘りも見られます。
あまり保存状態が良くなかったようで
外装も内部も汚れまくっています(苦笑)
ある意味、整備・清掃のし甲斐のある状態です。
ファインダースクリーンのコンデンサレンズも
ファインダー側のプリズムや接眼レンズもカビだらけです。
でもプリズムに目立った腐食はありません。

レンズは当店のテストレンズです。
まだ現状確認を行っただけですが
とりあえず露出計自体は精度はともかく生きてはいるようです。
外装の汚れも酷いですが塗装剥がれも結構あり
かなり使い込んでいる個体かと思われます。
塗装剥がれやキズはどうにもなりませんし
見方によっては渋いと思える部分ではありますが
汚れはできる限り取り除いていきます。
その前に各部正常に動くように
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
うーん、やっぱりこの武骨で迫力のある
F2フォトミックの姿はカッコ良いですね。
見た目は武骨ですが巻上のフィールや使い心地は
何とも上品でカチッとしているのですよね。
その辺りはさすがニコンの最高級機といったところです。

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ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「宇宙からの警告の日」なのだそうです。
それって何だろう?と思って調べてみたら
スペースシャトル・チャレンジャーが爆発事故を
起こした日なのですね。
1986(昭和61)年1月28日。。。
私はこの時、高校生でしたが
ニュースでその事故の一部始終の映像が流れ
かなりショッキングなものでよく覚えています。
打ち上げ後、わずか74秒の大爆発で
乗務員7人全員が死亡する大惨事となりました。
この頃は頻繁にスペースシャトルの打ち上げが行われていて
チャレンジャーも10回目のフライトだったのですね。
2003年の2月にはコロンビア号の事故もありました。
スペースシャトルが最後のフライトを行ったのは
2011年でもう9年前のことになるのですが
1970年年代の後半にスペースシャトルが出てきた頃は
「SF映画みたいな宇宙旅行ができる日も近いかも、、、」なんて
子供心に思っていました。
残念ながら私が生きている間には
それは実現しそうにないですねぇ(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
うん、本当にエレクトロの依頼がこのところ多いですね。
確か少し前にも同じGSの修理を行ったような気が。。。
「GS」は3代目のエレクトロ35にあたりますが
いわゆる初代エレクトロの流れを汲んだモデルで
回路の接点とか細かいところは変更されていますが
基本的な構造は初代とほぼ変わりません。
当然外観もほぼ同じです。
ただ、レンズのコーティングが新しいものへと変更され
レンズ銘もカラーヤシノンDXとなりました。
これはかなり写りに影響あるのではないかと思われます。
シャッター等のスペックは特に変更はありません。

お預かりしているエレクトロ35GSは
電池室にかなりの腐食が見られ
電源が全く入りません。
エレクトロは電源が入らないと
基本的に何もできないカメラですが
シャッターだけは一定速で一応切れるはずなのですが。。。
今回のGSはシャッターも切れず巻上もできません
レリーズもロック解除なのにほぼ押し込まれません。
レンズには透かしてみなくても
明らかに濃いカビがあるのが確認できます。

エレクトロの時はタイミング的に
ばらしかけの画像が多いので
今回は分解前の画像です。
まだ現状チェックを行っただけで何も行っていませんが
外装そのものは比較的キレイですね。
最終的に仕上げの時にしっかり磨けば
エレクトロならではのギンギラシルバーが輝くと思います。
コンパクトカメラと呼ぶには今となっては大柄で重いボディですが
この大きさが造りの余裕となり
整備性は比較的良いカメラです。
ただし、電気関係はこの時代の電子制御機ですので
リード線の量もハンダ付けの数も非常に多く
いったん電気関連のトラブルが起こると
そのトラブルシューティングに非常に時間がかかり
困難を極めるカメラです。
その上、そうやって苦労して原因を調べても
結局修理不能になる可能性もございます。
でもキチンと整備されたエレクトロは使い心地も良いし
かなり良い写りもするのです!
今回もやってみないとわからない部分が多いですが
(現状では根本的に動かず何も確認ができないので)
何とか気持ちよく使える状態に仕上げていきたいと思います。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は国旗制定記念日だそうですよ
日本の国旗と言えばもちろん「日の丸」ですが
1870(明治3)年の旧暦1月27日に
明治政府が日の丸を国旗とする
太政官布告の商船規則により国旗のデザインと規格を示したのだそうです。
江戸時代から日の丸は使われていましたが
デザインが微妙にバラバラで正式に決まっていなかったのですね
当時の規格は縦横の比率は7:10で
日の丸が旗の中心から旗ざお側に
横の長さの100分の1ずれた位置とされていたのだそうです。
これも1999(平成11)年8月9日に「国旗及び国歌に関する法律」が成立し
少し変更されており、国旗の縦横の比率は2:3
日の丸の直径は縦の長さの5分の3
日の丸は旗の中心の位置。色地は白色、日の丸は紅色とされています。
細かいことはともかく世界のいろんな国旗を見ていると
日本の日の丸はシンプルでよいなぁ。。。と思います。
子供にだって簡単に書けますものね

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
「Aシリーズ」全モデルの基本であり1号機でもある
「AE-1」の後継機種です。1981年4月発売です。
機能的に大きく変わったというか追加されたのは
やはりプログラムオート搭載という部分なのですが
中身的にはかなり大きく進歩してして
上カバーを開いてみただけでも従来のAE-1との差が
歴然とわかります。
リード線の数も極力減り
よりフレキの利点を生かす方向へ変更されています。
従来のAE-1ではまだ糸連動とかも残っていたのですが
AE-1Pではもちろんありません。
露出計も指針式からLED式へと変更されました。
ファインダースクリーンも非常に明るく
ピントのキレの良いものに変更され
A-1まで存在していたプリズムとスクリーンの間に置く
コンデンサレンズもやっと省略されました。
AE-1登場から5年後のモデルなのですが
この時代の電子技術の進歩の速さを実感させるモデルです。
。。。とはいえ
機械的なシャッター機構やミラー駆動等は
やはり基本的にはAE-1のままなのです。
それだけ最初のAE-1の機械的構造がよく練りこまれた
できの良いものだったのだと思われます。
余談ですが当店で整備・修理が行えるキヤノン機は
このAE-1Pまでかと思います。
この後出るニューF-1やAL-1、Tシリーズは
現在のところ当店では修理・整備を行っておりません。

話を戻します。
機械的機構がAE-1と同様ということは
やはりAE-1PもAシリーズ全般の定番でもある
シャッター鳴きトラブルが起こります。
今回、お預かりしている個体もかなり派手な
シャッター鳴きが発生しています。
このシャッター鳴きはミラー駆動部のギアの油切れが原因で
発生するのですが
放置しておくと異音だけの問題ではなく
ミラーの動作もだんだんと遅くなっていき
最終的にはミラーが全く動作しなくなってしまいます。
異音が出ている時点で早めの対処を行っておきたい部分です。
マウントのネジ穴から注油して
とりあえず対処する方法が有名ですが
よほど中身の構造がよくわかっていないと失敗する可能性も高いです。
今回の個体はもちろんそんなことはなかったのですが
これまで何度もミラー駆動部周りが油まみれになっている
個体に遭遇しています。
油まみれのくせに肝心なギアには油が届いておらず
そのかわりにそばにある電気接点まで
油まみれにしてしまい接触不良を起こしている個体もありました。
やはりきちんと分解して肝心な場所を
清掃した上で必要最小限の注油を行うべきだと考えます。

まだ現状チェックを行って上カバーを外してだけの状態です。
シャッター鳴きは原因もわかっていて問題ないのですが
露出計が多少オーバー気味な上に妙に不安定で
例えばASA100・LV15でSSは1/125、露出計の値はF16が正解ですが
あるときはF11、あるときはF4といった感じで
大きく外れることがあるようです。
F11はまだしもF4は大問題です。
おそらく摺動抵抗の汚れ等が原因かとは思われますが
清掃の上、確認を行っていきたいと思います。
もちろんその前に基本的なシャッター周りの整備
ミラー駆動部の整備をこれから行っていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「ホットケーキの日」だそうですよ。
制定したのはホットケーキミックスでお馴染みの
森永製菓さんなのでここでいうホットケーキは
今どきのパンケーキとかではなく
昔ながらの家でフライパンで焼く
ホットケーキですねぇ
子供の頃、ばあさんが
たまにホットケーキ焼いてくれてたなぁ
焼く前の混ぜただけの白いホットケーキミックスを
舐めるのが妙に好きで
「お腹壊すからやめなさい!」ってよく怒られてました(笑
もちろん焼きあがったホットケーキも美味しくって
たっぷり蜂蜜かけて食べてたなぁ
簡単にできるのだから今度焼いてみましょう
何だか少し懐かしいような気分になれる気がします。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
いわゆるレンズ一体型コンパクトカメラのペンの成功を受けて
それまでに例のないハーフ判一眼レとして
誕生したのがペンFです。
1963年発売なので後に出るオリンパスを代表する一眼レフといえる
「OM-1」よりも10年近く前にペンFのほうが先に発売されています。
ハーフ判の画面が縦長になることから
フランジバックを短くするために
通常は上方向に跳ね上げるミラーを横に動作させるように設計し
それに合わせてプリズムもペンタプリズムではなく
ポロプリズムを使用する形態になりました。
ファインダーの経路も独特で
前部で4回反射させる第二反射面をプリズムで
第三反射面をミラー(FTだとここがハーフミラーになる)
そして第四反射面の小さなプリズムとの間にルーペを置き
ファインダー倍率を確保する仕組みになっています。
さらにシャッターは通常一眼レフで多く使われる
フォーカルプレーンではなくロータリーシャッターを採用し
その性質上、全速でフラッシュと同調が可能です。
一応、一眼レフという分類にはなるのですが
いわゆる普通の一眼レフとは構造が全く異なる
非常に異端児的なカメラと言えると思います。

ペンF系はその構造上、ミラー駆動に関するトラブルが少々多めで
いわゆるミラーアップしたままになる
またはミラーの動きが非常に悪くレリーズしてから
シャッターが切れるまでに
時間がかかる。。。等々のトラブルを多く見かけます。
今回お預かりのペンFもミラーアップしたままで固着ということで
お預かりしました。
レンズを外してミラーアップしたままの状態のミラーを
少しだけ押し込んでやるととりあえずシャッターは切れ
ミラーも復帰します。
しかしながら巻き上げてレリーズしてみると
やはり同じようにミラーアップした状態で固まってしまいます。
これと同じような症状でレンズをつけないと
普通にシャッターが切れるのですがレンズをつけると
ミラーアップしてしまうという場合もあります。
この場合、稀にレンズの絞りが固着していて
絞れなくてそこで固まってしまうこともありますが
大半の場合はやはりミラー駆動部の動作不良です。
レンズをつけて絞りレバーの抵抗が少しついただけでも
もう動けなくなってしまうのですね。

要は油切れや汚れ古い油が
抵抗になってしまって起こる動作不良です。
ミラー駆動部を清掃し古い油はしっかり落とし
必要最小限の注油を行うことで復活します。
今回はペンF系でよくあるガバナ関連や
巻上周りのトラブルはなかったのですが
もちろんせっかく分解しているのですから
その辺りもしっかり整備していきます。
それよりも困ったのは分解する前から
ファインダーを覗いた感じでわかっていたのですが
少々プリズムに腐食がありる状態でした。
ペンFもプリズム腐食を抱えた個体が多く
キレイなプリズムの確保は困難で
ご依頼者様に相談したところ
「部品取り用のペンFを1台持っていて
それはファインダー内はキレイだからきっと大丈夫」ということで
部品取り用のペンFも送っていただきました。
上の画像に写っているのは腐食プリズムで
この後、部本取り個体からプリズムを取り出して移植します。
ちなみにペンFとFTはプリズムは共通ではありません
ペンFはプリズム側にスリガラス処理が施してあり
スクリーンの役目を果たし
スクリーン位置にあるのはフレネルレンズのみです。
FTは通常のスクリーンを使用しプリズム側は素通しです。

話が逸れましたが
これからシャッター周りの整備を行い
プリズムを移植し整備を行いつつ組み上げていきます。
やはりペンFは2回巻上が軽快で気持ちよいですね。
以前も書きましたが自分用にも1台は確保しておきたい
カメラの一つです。

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ペンタックスS3のカメラ修理

今日は「ゴールドラッシュの日」だそうですよ。
1848年のこの日にアメリカ・カリフォルニアの
製材所で働くジェームズ・マーシャルが
川底にきらりと光る金の粒を発見したのだそうです。
マーシャルは仲間と秘密を誓ったが
この話は大きな噂となって全米に広まり
やがて一獲千金を夢見る男たちが殺到し
「ゴールドラッシュ」(Gold rush)が起こったのだそうです。
カリフォルニアは1年で10万人も人口が増えたのだそうです。
まぁ誰もが「一攫千金」を夢見ますよねぇ
実際はそんなことなかなか実現することではないのですが。。。
宝くじすら買ったことのない私は
地道にコツコツと小金を稼いでいくしかないようです(笑)
でも何事も「継続は力なり」ですよ
さぁ今日も頑張ります!

さてさて

本日は「ペンタックスS3」のカメラ修理を行っています。
発売は1961年です。
このモデルと同時に「スーパータクマーレンズ」が発売され
「S3」と組み合わせると
レリーズした瞬間に絞込みシャッターが開き
シャッターが閉じた後、絞りは開放に戻るという
「完全自動絞り」ができるようになりました。
それ以前の「オートタクマー」だと
絞り込んだ後に開放に復帰させるには手動の操作が必要だったわけです。
シャッターダイヤルの速度表示が「等間隔式」になり
シャッタースピードの最高速も1/1000秒になりました。
フィルムカウンターこそ自動復元になるには次のSVまで
待たなくてはなりませんし
露出計の搭載はさらに後のSPになってしまいますが
この「S3」で後の一眼レフと
ほぼ同等の扱いやすさになったと言えると思います。
逆に言えばここから先の進化は
多少のSSの変化と
露出計や自動露出、さらに進むとオートフォーカスにDX対応であり
基本的なスペックというのはこの時代にもう確立されていて
そんな一眼レフだからこそ1台で使い方を覚えれば
他の機種を初めて触ってもそれなりに使いこなせてしまうのですよね
ある意味、いい時代だったのだと思います。

お預かりしている「S3」ですが
SPより前の「Sシリーズ」の場合は
まずはシャッター幕の状態を心配します。
実際、未整備で放置されていた個体はかなり高い確率で
幕交換を行わないと普通に使えない状態にあるからです。
でも今回の「S3」はシャッター幕は非常に良い状態です。
プリズムもスクリーンも妙にキレイですし
装着されている55mmF1.8レンズも
絞りの粘りが少々見られる以外は
比較的キレイな状態です。
10年~20年以上前だとは思いますが
一度キチンと手が入っているのではないかと思われます。
ただし、シャッターにはかなり問題があり
1/15以下のスローシャッターだと完全に固着して
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
スローガバナの固着のようです。
さらにシャッター音が「カヒュン」といった感じで
妙に高周波の不自然な音なのですが
どうやら後幕の動きがかなり悪いようで
先幕の幕速の半分程度の幕速しか出ないようです
当然、高速域のシャッターだと
写真の左右で大きく露光ムラが出るような状態です
全く未整備の個体よりは随分マシな状態ですが
さすがに再度手を入れてきちんと整備をしないと
普通に使えない状態です。

幕軸清掃やガバナ清掃注油ミラー駆動部の整備を行い
とりあえず途中まで組んで動作チェックを行っています。
シャッター音は劇的に改善し
非常に歯切れの良い気持ちよい音になっています。
もちろんスローガバナの動きもスムーズになりました。
最終的にはテンション調整で精度を出していきますが
この段階でも随分、SSの精度は改善していると思われます
巻上は元々軽快なフィーリングでしたが
やはり油切れもありましたのでよりしっとりした感触になったと思います。
これであれば本来の姿でご依頼者様にも
楽しんでいただくことができると思います。
これから微調整等を行いつつ
しっかり最後まで仕上げていきます。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は「カレーライスの日」だそうですよ。
そっか。。。
だから今朝、何となくツイッターのTL眺めていたら
1970年代の西城秀樹出演の「バーモンドカレー」の動画が
流れてきたんだな(笑)
1982(昭和57)年のこの日に学校給食創立35周年を記念して
全国学校栄養士協議会が学校給食試食会を実施し
全国の小中学校の児童約800万人に
カレーライスの給食が出されたことが由来となった記念日なのだそうです。
あれ?これ当時ギリギリ小学校6年生の3学期だなぁ
でもこれより少し前に米飯給食って始まってて
すごく嬉しかったのを覚えているのだけど。。。。
そっか。。。当初はカレーではなくて
確かハヤシライスだったんだ!
月に1回くらいの米飯給食とソフト面&ミートソースは
本当に大好きだったなぁ。。。
話が逸れました。。。カレーライスの日だった(苦笑)
お店で食べる本格的なカレーも美味しいけれど
レトルトだってコンビ二だってカレーライスは美味しいですよねぇ
何日かに1回はやたらとカレーライスが食べたくなって
お手軽なココイチとかにも行きますが
最近はこのご時世だし
ほっともっとのカツカレーが多いかな。。。美味しいのですよ!
こう言っていると今夜はカレーだな。。。
ご飯準備してないからお店閉めたら
またほっともっとに行ってこよう!

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初の両優先オート搭載(SS優先オート、絞り優先オート)機で
SS優先機、絞り優先機、どっちがいいのか?なんて論争に
ある意味終止符を打ったカメラです。
発売はカルメン’77でお馴染みの1977年です。
翌78年には両優先にプログラムオートを加えた
キヤノンA-1も発売され
一眼レフ全体に電子化の波が一気に押し寄せた感じです。
XDもサイバーネーションシステムと呼ばれる
SS優先時のプログラムシフト機構を持っているので
プログラムオート的な使い方にも十分対応できます。
しかしながらXDの魅力はそういう機能的な面ばかりではなく
滑らかな巻上や上品なシャッター音
コンパクトなボディに端正なデザイン
それまでのものとは段違いに明るく
ピントの山も掴みやすいアキュートマットスクリーン等々
使い心地や所有する歓びを大いに刺激する部分だと思います。
正直なところ電装系には不安な部分も多く
現行モデルとして発売していた頃から
電気関係のトラブルの多いカメラとしても有名でした
現在となっては電子部品関連のトラブルが起こると
修理不能な可能性も一定以上あるカメラではありますが
それをわかっていてもそれ以上に魅力的なカメラだとも思います。

お預かりしているXDや高速シャッターが若干不安定だったり
オート露出に調整が必要なものの
心配されるような電気的トラブルはないようです。
ただ、ご依頼者様からもご指摘されていますが
セルフタイマーが固着してしまっているようです。
縦走りシャッターユニットは大抵の場合
セルフタイマーはシャッターユニット内に内蔵されています。
清掃注油が必要ですが注油は最小限に抑えます。
マグネットやシャッター羽根に
油が回ってしまうと大変な事態になるからです。
シャッタースピードが不安定な原因は
マグネット吸着部の汚れあるいはシャッター羽根の汚れが原因かと思われます。
そのあたりは定番の整備項目なので
当然何もなくても清掃整備を行っていきます。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に整備に取り掛かっていきますが
今回も通常の一通りの分解性と調整でよいかと思いきや
フィルム装填テストを事前に一応行っておこうと
フィルムをセットしようとすると。。。

あぁ、、、そうだった。。。
最近はあまりこういうのにあたらなかったのだけど
ミノルタX系はフィルム差し込みの爪が折れるのですよ
受付時には気づいてなかったなぁ
こうなっているともうスプールごと交換するしかありません
当然ながら新品部品は入手できませんが
XDの部品取り個体は少しばかり確保しているので
なるべくしっかりしているものを移植しましょう
巻上部を上下とも全分解しなくては外せないのですよねぇ
修理対象品に取り掛かる前に
部品取りからスプールを外しておかなければ。。。
ちょっと工数が増えましたは集中して取り掛かります。
これが終われば今夜はカレーライスです(笑)

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ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大寒」です。
昨日から今朝にかけて
正に大寒にふさわしい寒さですね。
あんまり寒い寒い言っていると
北国の方に笑われそうですが
昨日、定休日ということもあり少し出かけたのですね
日中も風が冷たくてなかなかの寒さでしたが
日が落ちて以降のあの空気の痛いような冷たさには
さすがにちょっと参りました。
で、放射冷却で今朝もかなり冷え込みました。
大寒にちなんで今日は「血栓予防の日」なのだそうです。
私も昨年2月に脳梗塞で倒れましたが
本当にこの季節は血栓ができやすく
命に直結することも多いので本当に気をつけましょう
納豆が血栓予防にいいらしいですよ
私はもともと西の人なので
あまり好みではありませんが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
本当にエレクトロ系の修理依頼が多いですね。
「GS」の発売は1970年です。見かけ通り基本的な構造は
初代から大きな変更はありませんが
レンズが新コーティングのカラーヤシノンDXになりました。
明るさがF1.7は変わらず、他シャッター等のスペックも
前モデル「G」や「GT」から変更ありません。

お預かりしている「GS」は
暗いところに持って行って絞り絞り気味にしても
「光量超過」を警告する赤ランプが点灯してしまいます。
で、シャッターを切るとその警告通りに早いシャッターで切れてしまいます。
オート制御が正常に働いていない状態です。
根本的に基板内部品不良だと修理不可能となってしまうのですが
エレクトロの場合はその可能性はあまり高くなく
(修理不可能能な場合がないわけではございません)
オート不良の主な原因はレリーズ部ゴムブッシュの劣化・腐食だったり
接点の接触不良だったりハンダ付けの不良・劣化であることが多いのです。
なかなかピンポイントで「原因はこれだ!」と
はっきり指摘できる場合は少ないのですが
怪しい。。。というか、原因となりやすい箇所は
ある程度把握できているので
とにかくそういう場所を全て清掃整備していきます。
それで大抵の場合は症状は改善されます。
それで改善されない場合は修理不可能の可能性がかなり高くなります。

今回はレリーズ部のゴムブッシュに関しては
対策済みの部品に替えられていて問題はありませんでした。
巻上時にカツンといってレリーズ軸が戻る音がしていたので
まぁここは大丈夫だろうと思っていましたが。。。
(ブッシュが劣化でなくなるとこの音がしなくなります)
それ以外の接点の清掃や絞りリングからのブラシ摺動部
それに関連した固定抵抗のハンダ付け等々の
清掃や再ハンダを行っていきます。
結果からいうとオート制御は非常に安定し
精度的にも全く問題ないレベルに改善することができました。

やはりエレクトロといえば
この前期型の大きめのボディにでっかいレンズ
そしてギンギンギラギラの
ヤシカシルバーですよね。。。
以前から妙に気を惹かれるカメラで
実際に所有しても出番は少ないかもしれないのですが
妙に欲しくなるカメラなのです。。。
部品取りに使ってしまうかもしれませんが
初代エレクトロのまぁまぁ美品を未整備状態で
自分用に1台ストックしてはあるのです。
さて整備して自分で使う日は来るのでしょうか。。。(笑)

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「都バス開業の日」なのだそうです。
1924(大正13)年のこの日に
東京市営の乗合バスが
営業を開始したことを記念して
東京都交通局が制定したのだそうです。
元々当時の都内は東京市電が主な公共交通機関だったのですが
前年の1923(大正12)年の関東大震災により
東京市電は大打撃を受け
復旧には相当な期日がかかることが見込まれたため
市電の代替輸送機関として乗合バスが導入されたのだそうです。
今や都内23区内は地下鉄があらゆるところを網羅していますが
それ以上にバス路線も相当充実しています。
私は電車・地下鉄を利用することがほとんどで
めったにバスを利用することはないのですが
うちの店のすぐ近くから中野駅や池袋駅にも
バスが走っているのですよね。。。そのうち利用してみます。
生まれ育った呉に住んでいた頃は
自分でクルマに乗るまでは
交通のメインはもちろんバスでした
残念ながら慣れ親しんだ呉市営バスは広電に引き継がれ
カラーリングも広電カラーになり未だに違和感があるのですが。。。(苦笑)
そういえば未だに呉市交通局が管理している
ボンネットバスの臨時運行をまたやってくれないかなぁ
コロナ禍が収まるまでは無理でしょうが
あきらめずに待ってます。今度こそ乗りたいのです~

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年に発売されたマニュアル一眼レフです。
同年にキャノン初のプロ向け一眼レフと言える「F-1」が
デビューしており「Ftb」はF-1のサブカメラ
あるいは中級機といった位置づけになっています。
F-1と同年に発売されているということもあり
基本的な構造はF-1と共通する部分も非常に多いです。
でも外観のデザイン的にはF-1の路線ではなく
あくまで前身のFT系のものであり
いわゆるFシリーズらしいルックスとなっています。
このFTbとF-1からTTL開放測光に対応できるようになり
そのためにレンズ群もFLからFDレンズへとモデルチェンジされました。
中央部部分測光はF-1同様、FTから受けつがれ
まっすぐな指針と〇指針を重ね合わせるタイプの露出計は
一目で露出のズレを把握できることもあり
非常に使いやすいものです。
この時期のキヤノン機お得意の「QL」(クイックローディング)も
FTから引き継がれフィルム装填は非常に簡単です。
使い勝手の良さと端正なスタイリング
メカニカルシャッター機ということもあり
現在でも非常に人気の高いカメラでもあります。

お預かりしている「FTb」は
まずは定番のプリズム腐食です。
それも何とか目障りだけど使える。。。というレベルではなく
視野の中心の縦線から相当広範囲に広がっていて
とてもとても普通にファインダーとして
使える状態ではありません。
当然、プリズム交換で対応いたします。
少し話が逸れますがFTbと
それ以前のFT系(FX、FP、EX等々)とは
プリズムの寸法が少し変更されています。
FTbのほうがほんの少し大きいのです。
FTbのプリズムは腐食のないキレイなものが
まだ何とか確保できますが
それ以前のFT系のプリズムは
非常に難しい状況になっています。
現存しているものの大半が
腐食してしまっていると思われます。
当店では再蒸着等の対応は行っていないので
FT以前のカメラに関しては
プリズム腐食への対応が難しい状況です。
話をFTbに戻します。
プリズムだけでなくシャッターは油切れの兆候が見られ
Fシリーズ特有の歯切れの良いシャッター音ではなく
少しギャインといった感じの濁った高周波の音が混じっています。
未整備のFシリーズのカメラはこの症状が出ているものが多く
こういう音がしているとまず間違いなく
シャッタースピードの精度は出ておらず
切るたび露光量も安定していない状態になっています。
今回も正にそのパターンです。
さらに露出計は何とか動いているもの
BC時にも露出計時にも指針は不安定で
SW周りの接触不良かと思われます。
今回は1.5Vで値も再調整いたします。

少し見づらいですが
プリズムの腐食の様子も写っています。
なかなかの腐食の激しさです
これももとはと言えばプリズム抑え金具に
貼ってあるモルトの加水分解が原因です。
プリズムと抑え金具の間には
薄いプラスチックカバーが挟まれているのですが
これも隙間が合ってそこから腐食が始まっていきます。
今回の場合にはそれだけでなく三角形の頂点部分の
蒸着が弱かったのかそこからも始まっているような感じです。
随分長い間眠っていた個体かと思われます。
そのため動きはあちこち悪いのですが
保存状態自体は悪くなくファインダー内コンデンサレンズや
接眼レンズにカビは全く見当たりません。
装着されていた銀枠FD50mmF1.4も
非常に良い状態でした。
難しいですよね。カビが生えないほどの乾燥状態だと
油切れはやはり起こりやすいので。。。
やはり一番良いのは適度に使ってやって
日頃から手入れしておくということですね。

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ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は「おむすびの日」だそうですよ。
お店で食べるお昼ご飯にコンビニで買った
おむすびを毎日のように食べていますが
やっぱり熱くって握るのも大変な
炊き立てご飯の熱々おむすびが美味しいですよねぇ
それだったらシンプルに塩むすびでいいかな
具が入るにしても梅とかおかかとか
単純なものでいいような気がします。
ところで今日は「おむすびの日」なのですが
6月18日には「おにぎりの日」もあるのですよね
おむすび、おにぎり。。。
個人的にはおむすびのほうがしっくりきますが
ほら「おむすびころりん」ですし。。。(笑)
でも私の大好きな「おにぎりせんべい」はおにぎりだなぁ
おむすびとおにぎりの違いは諸説入り乱れていて
地域的なものと言われたり、形(おむすびは三角で俵型は含まない)の
違いと言われたりとか
山に宿った「むすびのかみ」という神様の力を授かるために
ご飯を山型の三角形に握って食べていたのが「おむすび」の語源だとか
たくさんありすぎてよくわからないのです。
「おにぎり」と「おむすび」は
どちらも「握り飯」の丁寧語であるようです。
2013年の調査によると日本全国で「おにぎり」と呼ぶ人が89%
「おむすび」が10%で
現在では多くの人が「おにぎり」と呼ぶ傾向にあるのだそうです。
うーん、なおさら「おむすび」で呼びたくなってきました(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
今年もエレクトロ系の修理は多い傾向です。
実はこの2台後にもエレクトロ35GSが控えています。
個人的には「ヤシカ」と聞くと
やはり一番にエレクトロ系が頭に浮かびます。
二眼レフ(ヤシカフレックス)やヤシカ35等も
割と修理を行っているのですが
それにしてもエレクトロ系の修理依頼が圧倒的に多いのです。
確かに電子制御シャッター機で修理を行っているところが
少ないため。。。という理由もあるとは思いますが
エレクトロはその自慢の大口径レンズの写りが
やはり非常に評判が良いのですね。
加えて実際にシリーズを通してそれもヒットしたモデルで
現存数が多いというのも理由の一つかと思います。
ただ、水銀電池を使用するモデルは
電池室が腐食してしまっている個体が非常に多く
なかなかそのままでは使えないことも多いかと思います。
今回お預かりしている「GX」はエレクトロシリーズ最終モデルです。
発売は1975年です。初代発売から9年が経過し
外装こそ非常にコンパクトになり時代の流れを感じますが
大口径レンズに絞り優先オートのレンジファインダー機という
基本構成は全く変わることがありません
シャッターも改良が重ねられているとはいえ
基本的な構造は初代のコパルエレクと考え方は共通です。
時期によって場所が異なるとはいえ
レリーズ部にゴムブッシュが使われていて
そこが劣化するとオートがコントロールできなくなるのも
シリーズを通して一緒です(苦笑)

お預かりしている「GX」はうっかり落としてしまったとのことで
それ以来、巻き上げた瞬間に
そのままシャッターが切れてしまうとのことです。
拝見してみるとレリーズボタンが引っ込んだままで
常にレリーズが押されている状態です。
このためチャージが完了した瞬間に即切れてしまうようです。
レリーズ軸がどこかに干渉して食い込んでしまい戻ってこないようです。
レンズボードを外して組みなおしてやればなんとかなりそうです。

 

先程「シリーズを通してレリーズ部に
ゴムブッシュが使われいて。。。」という話をチラっと
書きましたが
この個体もそのゴムブッシュが経年劣化でほぼ消失しており
レリーズの戻りタイミングがおかしいことになっています。
落とした拍子に食い込んだのはこれも原因の一つかと思われます。
それだけではなくここのゴムブッシュが効いていないと
オートの制御が非常に不安定になってしまいます。
もちろん新しいブッシュを製作し交換を行います。
それ以外にも各接点やシャッター羽根駆動部等
エレクトロならではのトラブルが起きるポイントが何か所かあるので
そこを重点的に一通りの整備を行います。
仮組して動きを確認すると非常に安定しているので
今回もうまく仕上げることができそうです。
安心しているととんでもない罠があるのも
この類のカメラによくあることなので
この後も慎重に組み上げてに入念にテストを行います。

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