月別アーカイブ: 2020年10月

ミノルタミニフレックスのカメラ修理

あっという間に今月も月末ですね!
今日、10月31日は「日本茶の日」なのだそうです。
私もお手軽な緑茶パックですが
毎日、5~6杯は日本茶を飲んでますね。
夏は麦茶も多くなりますが
やっぱり日本茶がのどの渇きを潤す意味でも
一番落ち着いて飲めますね。
日本茶と分類されるのは
不発酵茶である緑茶であり
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、
ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
毎日飲むことが多いのは煎茶ですね。
飲み物としてのお茶も欠かせませんが
たまに無性にご飯に緑茶を注いだだけの
シンプルなお茶漬けが食べたくなるのですよねぇ。。。
子供の頃(特に中学生~高校生でよく食べてた頃)に
おかずがなくなると最後はご飯を
お茶漬けと広島菜で平らげる。。というのがパターンだったせいか
今でも食事の最後にシンプルなお茶漬けが食べたくなります。
合わせるのは広島菜がベストですが
こちらではなかなか手に入らないので
野沢菜で代用します。。。
あぁ。菜っ葉にお茶漬け。。いいですよねぇ
昨日のたまごかけごはんに続いて今日の夕ご飯も
シンプルにお茶漬けの予感。。。(笑)
安上がりでよいですが血糖値が上がりそうです(汗)

さてさて

今日は「ミノルタミニフレックス」のカメラ修理を行っています。
ちょっとレアなカメラですね。
127フィルムを使う4x4の二眼レフです。
一般的な120フィルム(ブローニー判)に比べ
小さな127フィルム(ベスト判)を使うので
当然、本体も通常の二眼レフと比べると随分小さく
このサイズ感だけでもかわいらしく魅力的です。
4x4二眼レフで有名なのはやはりベビーローライかと思われますが
国産二眼レフカメラの盟主でもあるミノルタが作る
4x4はローライに決して負けるものではございません。
独特のレトロなグリーンでまとめられたデザインにばかり目が行きますが
とてもしっかり作られたカメラで
特に当時の最新の高分散低屈折ガラスで作られた
テッサータイプのロッコール60mmF3.5の写りは素晴らしいものがあります。
今回はまずはお預かりしているミニフレックスの写真から。。。

まだ分解も整備もこれからです。
大きさを比較するものがないのでわかりにくいですが
本当にコンパクトで眺めているだけでも楽しくなります。
このミニフレックス、1959年発売で
時期的にも既に二眼レフの時代の最後頃のモデルなのです。
そのせいもあってそれほど多く生産されたカメラではなく
現在ではあまりみかけないカメラとなってしまいました。
ご依頼者様もこのミニフレックスを手に入れたばかりとのことです。
現存数が少ないせいもあってよい値段がするのですよね。。。
トラブルの内容はまずはレリーズしても
わずかに作動音はしますがシャッター羽根は全く動きません。
完全に固着してしまっているようです。
絞りリングもずいぶん重めだな。。。と思って回しかけて
すぐに止めましたが案の定絞り羽根も固着していて
無理に回すと確実に羽根がバラバラに外れるところでした。
どうせ洗浄するのですが意図しないところでバラバラに外れるのは
やはり勘弁してほしいものです。
レンズボードにも少々問題があって
ミニフレックスは片持ちでレンズボードを繰り出す関係上
多少のガタはあるものなのですが
一番繰り出した状態から無限遠に向かってノブを回していくと
無限遠手前で少しどこかに引っかかり最後にカタンと
無限遠に収まるような動きをします。
良く見るとレンズボードを留めるネジに
代用品が使われている形跡があるので
何かしら組み立てに問題があるのかもしれません。

これから本格的に分解整備に取りかかりますが
もうひとつミニフレックスの変わっている部分は
ファインダーの台座までダイキャストで1体でできています。
普通はネジ4本で簡単にファインダーフードが
スクリーン枠と一体で外れますがこのカメラの場合はそうはいきません。
ファインダー清掃にちょっと手間がかかる構造です。
実はミニフレックス、私も個人的に自分用に持っていて
そのおかげもありちょっとだけ詳しいのです。。。
フィルムが手に入りにくいのでなかなか最近は
使っていないのですが。。。(苦笑)

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オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ!
もうこれを知った瞬間から
頭の中がたまごかけごはんで一杯になってしまいした(笑)
熱々の炊き立てご飯に生卵。。。
お好みの量のしょうゆを垂らす。。。
たったこれだけのシンプルな食べ物なのに
なんであんなに美味しいのでしょうねぇ。。。
そういわれてみればしばらく食べてないことにも
気づいてしまって
頭の中がたまごかけごはんでいっぱいのなです(笑)
今日の晩御飯は絶対にたまごかけごはんにしよう
でもここしばらくたまごかけごはんがご無沙汰だった理由が
ちゃんとあって
私、まだ脳髄梗塞の後遺症もあって口の中の
左半分で温度を感じることができないのですよね
で、熱々のものを口の中に入れて
「あつっ!」と感じるとついつい熱く感じない口の左側に
入れてしまい後で口の中がただれて酷いことになると。。。(汗)
散々暑い飲み物とかでやらかしているので
あまり熱々のものを避ける傾向があったのです。。。
まぁ、気を付ければ大丈夫だと思うのですが。。。
でも「たまごかけごはん」はやっぱり炊き立て熱々のご飯ですよね!
すごく気を付けて今夜挑戦してみます!(笑)

さてさて

今日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラと言えばやはりオリンパスペンシリーズが
一番にイメージされますよね。
やはりハーフ判の全盛期というと60年代になるのでしょうか
その頃はまだフィルムも高価で
(現在、再び高価になってしまっていますが(汗))
同じフィルムで2枚の枚数が撮れるというのは
やはり魅力的でハーフサイズカメラが各メーカーから作られました。
しかしながらフィルムもカラーの時代になり
2倍撮れるのはいいのですが高価だったカラープリント代も
2倍の料金になってしまい割高感が出てしまい
フルサイズカメラもコンパクトなモデルが出てきたことで
少しづつ衰退していきます。
80年代になると現像・プリントはミニラボで行うようになり
ハーフサイズに対応できない場合も多くなり
いつのまにかハーフカメラの生産も終わっていきます。
そんな中、ペンEE-3は数あるペンシリーズの中でも
最後まで生産が続けられたペンです。
デビューは1973年で生産はなんと1986年まで続けられました。
後から発売されたペンEFよりも遅くまで生産されたのです。
10年以降作り続けられたカメラということで
現存している個体の数は非常に多いですが
程度も千差万別です。

お預かりしているEE-3は一応一通りの動作はしています。
ありがちなシャッター羽根や絞り羽根の固着もなく
スムーズに動作しています。
ただし、露出計の精度に問題があり
ほんの少し薄暗い場所(ASA100・LV11前後・少し暗めの日陰)に
レンズを向けるとすぐに赤ベロが出てシャッターロックとなってしまいます。
ASA100でLV8だと赤ベロで正解なのですが
LV9まではシャッタが切れてくれないと不便だと思われます。
(。。。特に今はフィルムの性能も良いので
少々光量不足だとわかっていても強制的に切ってしまえば
何とか写る場合も多いのですが。。。)
実際にオート露出を測定してもかなりオーバー気味です。
絞り制御は調整で何とでもできるのですが
根本的にセレンが弱っていて露出計の振りが足りないようだと
もはや調整ではどうにもなりません。
分解して露出計の振りを調べて判断するしかなさそうです。
動き自体はそれなりに動いているのですが
やはり長年眠っていた個体らしく
レンズにはかなりのカビが発生しています。
さすがにこれは撮影にかなり影響のあるレベルです。
もちろんしっかり清掃してクリアにしたいと思います。

心配されたセレンの状態はさすがに若干起電が衰えているものの
使えないというレベルではありませんでした。
このくらいであれば露出計側の調整で
適正露出を得られるレベルになると思います。
赤ベロ動作のタイミングも正しい状態に持って行けそうです。
レンズは清掃の結果、見違えるほどクリアになりました。
こういう場合、カビ跡が残ることも多々あるのですが
今回はそういうこともなく非常にクリアです。
ご依頼者様は来年の成人式で使いたいとおっしゃっていましたが
フィルムカメラ自体が初めてだそうなので
なるべく早く納品してすこしでも成人式までに
たくさん撮ってもらって慣れていただければと思います。
フィルム装填さえしっかりできれば操作自体は簡単なことが
ペンEEシリーズのセールスポイントなので
きっとすぐに慣れていただけると思います。
ステキな写真をたくさん撮っていただきたいものです。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうですよ。
1969年(昭和44)年(私が生まれた年です!)のこの日に
ソニー・松下電器・日本ビクターが
世界初の家庭用VTRの規格「U規格」を発表したのだそうです。
それまでのVTRはいわゆるオープンリール方式だったのですが
この「U規格」で初めてカセットタイプになったのです。
でもこの「U規格」テープは19mm(3/4インチ)で
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mm
非常に巨大であったことから「ドカベンカセット」と呼ばれていたそうです。
音楽かせっとでいうところの「8トラ」みたいなものだったのですかね
実際に家庭用VTRが普及するのはこれより少し後に
1/2インチテープとなり「VHS」、「ベータ」が登場してからですね。
うちにVHSのデッキが来たのは高校生の頃だったか。。。
その頃に録画したMTVのヘビーメタルマニアとか
ミュージックトマトとかのVHSテープがまだ残ってて
デッキがなくて全く見られない状態です。
デッキ買ってきてDVDにダビングしておきたいなぁ。。。
あ、テレビで放送されたシンディローパーの初来日ライブとか
マドンナの初来日ライヴとかの録画テープもあるはず。。。
懐かしいねぇ~(笑)

さてさて

本日はペンタックスSPのカメラ修理を行っています。
1964年に発売され大ヒットしたカメラです。
値段もカメラそのものが高価だった当時としては
比較的お求めやすく
世界で2番目となるTTL露出計内蔵カメラで
(撮影レンズを通った光を測定する形式の露出計)
適度にコンパクトなボディとシンプルな操作等々
いくつもの人気の要因をも緒合わせたカメラでした。
M42マウント搭載機で絞込測光ということもあり
ペンタックス以外のM42レンズも使いやすく
現存台数も多いことから価格もこなれており
現在でも非常に人気の高いカメラです。
。。。とはいえ中古市場に出回っているSPは
未整備品であればトラブルを抱えているものも多く
これから購入する場合には注意の必要なカメラです。
50年以上経過しているカメラですからね。
さすがに使いっぱなしで眠っていたものは
まともには動いていないと思うほうが正解です。

お預かりしているSPもシャッターの動きが良くありません。
特に後幕の動きが悪く高速シャッタだと
走行中に後幕が先幕に追いついてしまいます。
1/1000は最初から閉じた状態で走ってしまい
全く開かない状態です。
後幕の走行状態が悪いため走行完了時に
ミラーダウンレバーシャッター側からうまく蹴ることができず
ミラーアップしたままで固まってしまうことも
頻繁に発生しています。
巻上もやはり重さを感じます。
全体的に汚れや古い油で動きが悪い状態です。
肘や膝がうまく動かなかったり
痛くて動かせないお年寄りに
マラソンをさせているようなものです。
金属疲労等もあるので完全に新品時と同じにはなりませんが
せめてストレスなく機械が動けるような状態にして
気持ちよく動作してもらいたいものです。

まだ分解途中ですがこれから分解を進めて
幕軸はもちろん可動部分はとにかく清掃して
古い汚れや油を取り除き
必要な部分に最小限の注油を行います。
それだけでおそらく問題のほとんどはクリアできますが
最後に微調整を行い精度を出していきます。
もちろんそれとは別で露出計回路の整備と調整も行います。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日はこれといった記念日がないのですが。。。
懐かしの「カンカン」、「ランラン」
2頭のジャイアントパンダが
上野動物園にやってきた日です。
これが日本に初めて来たパンダさんですね。
1972年10月28日のことでした。
私が3歳の時か~このころの私もパンダ並みにかわいかったぞ(笑)
いや、もう悪ガキの片鱗をのぞかせていた頃か。。。(汗)
私が物心ついた頃もまだパンダブームは続いていて
パンダといえばカンカン、ランランだったなぁ
今は上野だけではなくて
アドベンチャーワールドもありますが
あの頃はおそらく日本中の人が
上野のパンダは「カンカン」、「ランラン」って
名前を知っていたと思います。
今の上野のパンダの名前は?と
言われても出てこないですものね(苦笑)
ちなみにリーリーとシンシンと
2年前に生まれたシャンシャンですね
私が実際に最初に上野で見たパンダは誰(?)だったかな。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初の両優先(SS優先・絞り優先)AE搭載のカメラです。
発売は1977年です。
この頃からさらに一気にカメラの電子制御化が進んだのではないかと思います。
この翌年には両優先+プログラムAEの「キヤノンA-1」も発売されます。
実はXDもSS優先AE時に絞り制御だけでは
適正露出露出が得られない場合に
シャッタスピードを変更して適正露出を得る
「サイバーネーションシステム」と呼ばれる機能が搭載されており
プログラムAE的に使うこともできます。
これだけ制御が複雑化してくると
正直、修理する立場としてはそりゃ大変です。
もちろん電子基板内のトラブルの場合は
修理不能の場合も多々あります。
それでなくても現行機種の頃から
XDは比較的電気的トラブルの多いカメラとして
有名だったのでなおのことです。
ただ、現在でも残っている個体は現行機種の頃に
修理されたり対策を打たれたりしているもの多いと思うので
一通り動作するものは電子部品に関するトラブルは少ないかもしれません。

お預かりしているXDも
とりあえず一通りの動作はしています。
ただ、少々シャッタースピードが不安定なことと
(おそらくシャッター羽根の汚れ等によるもの)
露出計も少し不安定(摺動抵抗の汚れ)
そしてXD定番のトラブルともいえる
妙にレリーズしてからのレスポンスが悪いというトラブルを抱えています。
レリーズボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでに
妙なタイムラグがある状態です。
実はXD、もともとシャッターレスポンスの良いカメラではありません。
先述した「サイバーネーションシステム」駆動機構があるために
少しばかり連動に時間がかかってしまうのです。
しかしながら正しい状態だと
それほど気になるほどではないはずですが
XDはミラーのエアダンパーの粘り等により
明らかにレスポンスが悪い状態の個体が多く存在します。
今回の個体もレリーズされてから
絞込レバー駆動~ミラー駆動までの動きが
妙にゆっくりとなってしてまっているため
そのあとのシャッター駆動までに
時間がかかるような状態になってしまっています。

まだ上カバーを外しただけの状態です。
これからミラーボックス+シャッターユニット
(ミノルタお得意のユニット一体型)を
外してエアダンパー、シャッターユニット等の整備を行います。
フレキもありますしまだ一部に連動糸もあったりするので
XDの整備はやはり神経を使います。
これから集中して慎重に作業に取り掛かりたいと思います。

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コニカSⅡのカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
秋も日に日に深まりゆく中
柿の実がなっているのを見かける時期になってきましたね。
いわゆる甘柿は普通に食べてもとっても美味しいですよねぇ
じいさんがやたら柿が好きで
この季節になると毎日のように
夕飯後のデザートに食べてたな(笑)
大きく甘柿と渋柿に分けられますが
渋が抜けるタイミングで
(種が入ったときとか身が柔らかくなったときとか)
いろいろな種類に分けられるのだそうです。
渋柿のほうがが原種に近く
甘柿は元々渋柿の突然変異種なのだそうです。
渋柿は干し柿にすれば
これもまたほのかな甘みが上品でいいのですよねぇ
葉はお茶に使われることもあり
渋は防腐剤に使われたり幹は家具材になったりと
実以外もいろいろな用途に使われます。
そういえば昔、柿の果実酒をどこかで飲んだけど
美味しかったなぁ。。。
いつものことですがこういう風に書いていると
今日の夜のデザートは柿で決まりです!
帰りに買って帰りましょう(笑)

さてさて

本日は「コニカSⅡ」のカメラ修理を行っています。
数日前に「コニカⅡB」のブログがありましたが
コニカⅠ、Ⅱ、Ⅲと続いた35mm判レンズシャッター機のシリーズは
次の「Sシリーズ」に受け継がれます。
クラッシックなデザインだったⅢまでの外観とは
打って変わって直線的なフォルムになった「S」は
1959年のデビューです。クルマとかもそうですが
この頃は従来の丸みを帯びたデザインではなく
直線的なデザインが新しいという感覚だった時代ですよね。
そういう当時の空気感を感じとれるのも古いカメラの魅力ですね。
シャッターユニットはコパルSVEとなり
ヘキサノン48mmF2レンズを搭載します。
セレン光電池式の露出計を搭載し
絞りリング・SSリングに連動して指針を真ん中に合わせるタイプです。
「SⅡ」は「S」のマイナーチェンジといえるモデルで
基本的な部分はほぼ「S」と共通です。
若干のデザイン変更とファインダー内に露出計指針が
表示されるようになりました。

お預かりしている「SⅡ」は
露出計が非常に不安定な状態です。
動いたり動かなかったりしています。
セレン光電池基部の接触不良が原因だと思われますが
動いているときにはそこそこ精度は出ているようなので
心配されるセレンの劣化はそれほど問題にはならなさそうです。
加えてシャッタースピードリングが全く回りません。
低速シャッターにセットされたまま固まってしまっていますが
おそらくスローガバナの固着で動けないのではないかと思われます。
さらにシャッター羽根も固着していて
シャッターも動きません。
絞り羽根は大丈夫かな。。。とチェックしていると
絞りリング自体は軽快に動くのですが
最少絞り時の絞りの形が少々歪んでいます。
さらにきっちりF2解放までリングは回らず
F2.8付近で止まってしまいます。
よくよく見てみると絞り羽根が1枚外れかかっているようです。
おそらく絞りリングも回りにくい時期があったのだと思われます。
そのときに無理に回していて羽根が1枚外れてからは
とりあえず軽く動くようになったのだと思われます。
やはりいろいろトラブルを抱え込んでしまっている個体のようです。

まずは先に前からアクセスして
整備できる部分を行っておきます。
シャッターリングが回らない原因は
やはりガバナが強烈に固着してることが原因でした。
シャッターユニット部の主要部分は
前から整備できるので羽根洗浄以外の部分はここで行っておきます。
今回は絞り羽根の修理も必要なので
この後にレンズボードを外しシャッタユニットも完全に分離します。
さらに絞りユニットも分離させます。
その際にシャッター羽根はすべて外れるのでその:タイミングで
シャッター羽根の洗浄も行います。
実はこの後、絞りユニットを外してわかったのですが
絞り羽根は1枚外れているだけではなく
完全に折れて破損していました。。。
他の部品取りから羽根を1枚調達してきて組みなおしです。
まぁこれもレンズシャッター機では
たまにあるトラブルです。
。。。とはいえ、どのトラブルも原因がはっきりしていて
修理可能な箇所なのでひとつひとつ慎重に修理をしつつ組み上げていきます。
現状のままでは全く撮影に使えない状態でしたが
再びキレイな写真をたくさん撮影できる状態に戻せそうです。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ
「な~み~だ~のぉ~♪りくえ~すと♪」なんて曲もありましたねぇ
小学生高学年~中学生の頃はかなりラジオ聴いていたから
リクエスト番組もいろいろあったのは知っているのですが
今でもあるのですかね?
当時はリクエストと言えばハガキか電話。。。
「電リク」なんて言葉もありましたねぇ
当然、今はメール、それも古いか。。。
SNSだったりLINEだったりするのでしょうねぇ
ラジオではないですが昔「ザ・ベストテン」でも
ハガキリクエストがあってその量が順位に反映されるものだから
私も当時好きだった柏原よしえさんの曲をせっせと
ハガキリクエストしたものでした(笑)
確かハガキリクエストの配点が比較的高くて
レコード売り上げや有線リクエスト(これまた懐かしい)では
上位に入らない曲がハガキリクエストの多さで
ランキングしたりするのですよねぇ
だから当時も組織票が強い
ジャニーズ(当時はたのきん)が強かったなぁ
まぁ、古い話です。
最近、少し閉店後とかにラジオ聴くようになったので
(BGM的に流しているだけか
ナイター中継を聴いている)
何かリクエスト番組も聴いてみようかな。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックとしては2代目にあたるモデルですが
モデル名は「7」です。
アンスコというブランドにOEM供給していた
「初代ハイマチック」がマーキュリーアトラス6号
(コールサイン「フレンドシップ7」)に
搭載されて初めて宇宙に飛んだカメラとなったことに由来して
2代目のハイマチックは「ハイマチック7」となったそうです。
これ以降、ミノルタは「7」という数字を
節目節目のモデル名に多用するようになります。
(SR-7、X-7、X-700、α7000、α-7等々)
初代ハイマチックがプログラムシャッター搭載で
プログラム露出専用機だったのに対して
「7」ではマニュアル露出も対応可能になりました。
マニュアル時にも露出計は動作します。
ただし露出計はEV値の表示で
SS・絞りリングに連動したEV表示窓に表示されるEV値を
露出計を参考にしながら合わせるといったもので
マニュアル時には非連動となります。
SSリング、絞りリングを両方を「A」にすると
プログラム露出となり
露出計に表示されるEV値に連動したSS・絞りで露出を行います。
リングを片方だけ「A」にしても
SS優先になったり絞り優先になったりはしませんのでご注意を!
要は針挟み込み式のAEなのですが
それに対応するシャッターユニットはセイコーシャLAです
B・1/4~最高速1/500のSSです。
レンズは評価の高いロッコールPF45mmF1.8の
大口径レンズを搭載します。

お預かりしている「ハイマチック7」は
まず露出計不動に始まり
レンズ後玉やファインダーのクモリが酷い状態です。
オート時の絞り制御も動作不良で
F16~F8あたりまでしか動作しません。
ある程度以上開かない状態ですね。
マニュアル時だとちゃんと買いお方まで開くので
羽根の粘り等ではなく制御機構の動作不良だと思われます。
要はあちこちの汚れ、劣化、動作不良という
古いカメラによくある状態です。
とにかく分解して清掃し可動部には注油を行い
動きを改善し調整するという作業が必要です。

レンズ後玉のクモリは完全には取り切れない状態ですが
普通に撮影するには全く問題ないレベルにはなったと思います。
同様にファインダーのクモリもできる限りの清掃ですが
普通に見て何の問題もないレベルだと思います。
絞り制御の動作不良はいわゆる汚れやサビが原因の
粘りといったところだったのですが
これがなかなか苦労しました。
まだ様子見をしている段階ですが
かなり安定してスムーズに動くようになってきました。
初代ハイマチックの気軽に使える部分はそのままに
ある程度撮影者のイメージを汲んだ撮影にも対応できる
ハイマチック7はなかなか良いカメラだと思います。
少し大柄ではありますが
その分しっかりできているのも良いですね!

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「マーガリンの日」なのだそうですよ。
マーガリン、元々はバターの代用品として作られたものですが
今やトーストにはマーガリンのほうが
普通に合うような気がしますねぇ
スーパーとかで手に入りやすいのは「ネオソフト」ですか。。。
実は私は昔から「ラーマ」派なのですが。。。(笑)
バターとの違いは原料が牛乳なのか
動植物系の油脂なのかというところですが
厳密には油脂含有率が80%以上のものがマーガリン
80%未満のものがファットスプレッドと呼ばれていて
日本で一般的にマーガリンとして売られているもののほとんどが
ファストスプレッドなのだそうです。
まぁ細かいことはともかく害がなく美味しければいいのですが。。。
(マーガリン類はトランス脂肪酸問題もありますが
ここで触れるとキリがないのであえて触れません)
小学校の給食に銀紙に包まれたマーガリンがパンについて出ていましたが
私、子供の頃からやたらとマーガリンを大量消費する人で
あの四角いマーガリン、一口分のパンでなくなっちゃうのです。。。
今でも朝、たまにトーストを焼くと大量にマーガリンをつけてしまいます。
こんなだから太るし血糖値も上がるのですよねぇ。。。
でも美味しいと思っているものはなかなか勝てない。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
一時期ほどの多さではなくなりましたが
やはり毎月コンスタントに
数台は修理・整備を行っているカメラです。
はっきり数えたわけではありませんが
年間で見て圧倒的に修理台数の多いのが
このOM-1だと思います。
それだけ現在でも使っている方が多い人気カメラということですね。
毎回書きますが軽量コンパクトな一眼レフというジャンルを
一番最初に開拓したカメラだと思います。
さすがにこのサイズと重量を実現するために
いろいろと工夫がされていて独創的な構造の部分も多く
正直言って少し華奢な部分があるのも事実です。
そのため例えばニコン一桁機あたりと比べると
少しトラブルが多く、そのため修理依頼が多い。。。ともいえると思います。
ただ、それも登場から数十年経ち
経年劣化の部分が多く、定期的にきちんとメンテナンスや点検を行っていれば
基本的にはトラブルの少ないカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は先幕・後幕の
幕速バランスが大きく崩れていて
高速シャッターの精度に問題がある状態です。
1/1000だと後幕が走行中に追いついてしまいそうで
測定器で何度か測定していると何度かに1回は
走り終わり付近で後幕が追い付きシャッターが閉じてしまいます。
当然、この状態で写真を撮ると写真右端が黒くなってしまいます。
先幕の幕軸が汚れ等で動作不良を起こしている状態です。
露出計は動作していますが少しオーバー気味といったところです。
OM-1といえば定番のプリズム腐食は今回はありませんが
(ずいぶん昔に処置済みのようです)
接眼レンズの曇りが酷い状態です。
接眼レンズは大抵の一眼レフの場合、いわゆる合わせレンズで
2枚のレンズを接着して作られています。
その接着部分が剥がれてきてしまうためにクモリガ発生します。
いわゆる「バルサム切れ」と言われる状態です。
OMもそうですがコニカの一眼レフも
よくバルサム切れで接眼レンズが曇ります。
これは清掃してもクモリは取れないので
中古良品から接眼レンズを移植して対応します。
OM-1の場合は接眼レンズ枠ごとの取り外しができないので
(接眼レンズ枠がスクリーン枠等と1体でできているため)
接眼レンズ枠に接着されている状態から剥がさなくてはなりません。
個体によりますがこれがなかなか大変です。

他、巻上機構部、ミラー駆動部等々
一通りの整備を行い完成です。
高速シャッターの精度は全く問題ないレベルになり
巻上フィーリングもお預かり時よりも
随分スムーズになりました。
ファインダーは接眼レンズがクリアになったこともあり
整備前とは雲泥の差で見やすくなりました。
この状態であれば快適に撮影を楽しんでいただけれると思います。
上品なシャッター音同様に
繊細な部分の多いカメラです。
構造自体はシンプルですが
整備難易度は意外と高いカメラだと思います。

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コニカⅡBのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」です。
「しもふり」じゃなくて(なんだか美味しそうだ)
「そうこう」ですよ。
秋が一段と深まり、露(つゆ)が冷気によって
(しも)となってり始める頃だそうです。
二十四節気は元々、中国の内陸の気候が元になっているので
さすがにまだ日本の平地では霜は早いですが
日に日に冷え込みが進んでいっているのはよくわかりますよね。
私は個人的に冷たさで朝の空気が張り詰めたように感じる
この季節が1年の中で一番好きなのですが
今年はやたらと雨が多いですよねぇ。。都内は今日も朝から冷たい前です。
鍋やおでんが美味しい季節になってきて
合わせるお酒も冷やもいいですが熱燗も美味しい時期になってきましたね。
今夜はおでんにぬる燗がいいような気がしてきました。。。(笑)

さてさて

本日は「コニカⅡB」のカメラ修理を行っています。
民生向けコニカブランドとしては初のカメラである
「コニカⅠ」から始まった
コニカ初期のレンズ固定式レンズシャッター+レンジファインダー機の
シリーズであるコニカⅠ~Ⅲですが
どのモデルも現在見ても非常に魅力的なカメラです。
「ⅡB」は1955年の発売で
無印の「Ⅱ」からタイム露出を省略したモデルです。
「B(バルブ)」があるとそれほど「T」を使うことはないでしょうし
それ以前にそんなに長時間露光をする機会も少ないと思うので
この省略はほとんどのユーザーにデメリットはないと思います。
搭載されるレンズはヘキサー50mmF3.5が搭載されるものと
ヘキサー50mmF2.8が搭載されるものが存在するようです。
今回、お預かりの「ⅡB」はヘキサー50mmF3.5です。
ダブルヘリコイドの採用で
無限遠を超えてレンズを縮めて格納することができます。
ほんの少しと言えば少しなのですが
コンパクトに格納できるのは良いことです。
いわゆるセルフコッキングの搭載はⅢまで待たなければなりませんが
Ⅱは二重露光防止機構が搭載され
Ⅰに比べると使い勝手はかなり良くなりました。
シャッターユニットはコニラピッドSで最高速は1/500です。

お預かりしている「ⅡB」はお預かり時には
鏡胴がかなりぐらついており
っほぼ外れかかっているのではないかという状態でした。
落下品とかというわけでなく全体的に
とにかくネジが緩いといった状態で
長年のうちに緩んできた締まったものかと思われます。
調速カム部分も緩みのせいではずれかかっていたので
まともにシャッタスピードが調整できる状態でもありませんでした。
何か他のトラブルも抱えている可能性があるので
とにかく一通り分解して清掃し
動作確認や調整を行いながら組み上げていきます。
予想通りというか定番ですが
やはりシャッター羽根や絞り羽根には油シミが見られ
動きも若干粘っていました。
シャッターユニット内も油切れの兆候が見られます。
ファインダーもずいぶん曇っていましたが
清掃で相当クリアにすることができました。

写真は一通り整備が終わった後のものです。
少し様子見の段階ですが特に問題はなさそうで
もう少ししたら最終チェックを行って完成となります。
使い勝手で言うとⅢがさすがに良いと思いますが
デザインのオシャレさというかモダンさというか
Ⅱのデザインは何とも言えない良さがありますね。
レンズの繰り出し機構も使っていて楽しいですし
Ⅰほど使い方に慣れが必要な部分もないと思います。
少しコンパクトにまとめられているのも良いですよね。
何といっても質感の高さは50年代のカメラらしい
高級感にあふれています。
おそらくストレスなく動作できるような状態になったのは
数十年ぶりなのではないかと思われますが
まだまだステキな写真を
たくさん生み出していけるカメラだと思います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「図鑑の日」なのだそうですよ
図鑑かぁ。。。子供の頃には毎日ボロボロになるまで
眺めていたなぁ。。。
確か12冊セットの図鑑が合って
乗り物だったり昆虫だったり動物だったり
天体だったり色んな分野のものがセットになっていて
何かしら引っ張り出してみていた気がします。
あまりにもボロボロになったものだから
動物とか昆虫とかの図鑑は
別のものを買い足したのをよく覚えています。
セット物の図鑑が一番ベースとしてよく使うのですが
それ以外にも「鉄道図鑑」とか
「スーパーカー図鑑」とか狭いジャンルに特化した
比較的お安い図鑑が本屋さんにはたくさんあって
結構買ってもらった記憶があります。
そういうのを与えておくと数日はおとなしく見ているからかな(笑)
図鑑とはまた違いますが百科事典も
よく引っ張り出していろいろ調べてたなぁ。。。
あれ重くてかさばるのですよね。
確か大人になってから処分するのが大変だった記憶が。。。(苦笑)
今ならタブレット一つですみますものねぇ。。。
便利で良い時代になったものだ。。。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
確か1週間くらい前にもEMの修理やりましたねぇ
ニコンらしからぬ軽量コンパクトでおしゃれなエントリー機です。
現在でも人気の高いモデルですが
国内発売当初はそれまでのニコンの「質実剛健」なイメージが
ちょっと邪魔をしたのか「ニコンの入門機?うーん。。」といった感じで
イマイチ市場の反応は良くなかったようなのです。
それで続くFGではAE専用機ではなく
載せられるだけの機能を満載し
何でもできるカメラに仕立て上げたらしいのです。
特にこの頃のニコンのユーザー層は保守的な方が多そうですしね
これまでの路線と異なるモデルには
眉をひそめてしまう方も多かったのかもしれません。
1980年に国内デビューですが
その前年の1979年には先行して輸出版が発売開始されていました。
海外ではなかなか好調な滑り出しだったようです。
で、今回のEMはおそらくその輸出版です。
中身はほとんど国内版と変わりませんが
外装パーツは意外と異なる点があるようです。

写真ではわかりにくいのですが
貼り革の素材とデザインが異なります。
国内仕様のような本革チックなビニックスレザーではなく
もっといかにも樹脂っぽい貼り革です。
逆光用露出計補正ボタンとバッテリーチェックボタンが
青色のボタンです。
レンズロック解除ボタンにメッキの縁取りがありません
見た目にはそのくらいでしょうか。。。
聞いた話だと上下カバーの塗装も異なるようで
国内仕様だと外側の塗装が剥がれると
真鍮のような地金が見えるように下地処理がされているそうなのですが
(AE-1あたりが始めた日本産ならではの処理ですよね)
輸出版は単純に外装塗装がされているだけなのだそうです。
中身は基本的には国内版前期モデルと変わりません。

お預かりのこのEMはまず露出計が動作したりしなかったりです。
巻上部のSWの接触不良かと思われます。
露出計が動いているときも値が明らかにおかしかったりしたので
何だか不思議な感じだな。。。と思っていたら
Ai連動リングのテンションがほとんどかかっておらず
爪が押されると押されたままで戻ってこなくなります。
これだと絞りをレンズ側で変えても
露出計に反映されません。
さらに露出計指針の動きも不安定です。
これはその絞り連動部の摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
もちろんモルトは全滅で
プリズムに腐食も見られます。
あらゆる部分のチェックを入念に行いながらの
一通りの整備が必要かと思います。

1982年の電子制御機なので
基板はフレキですし分解はなかなか手がかかります。
それでもさすがはニコン機で
他メーカーの同クラスのカメラに比べると
まだ整備性は良いほうです。
部品もコストと重量の関係でプラスチックが多用されていますが
負荷のかかるところは樹脂製だとしても
意外としっかり作られており
「ニコンらしからぬ。。。」と言われる割には
きちんと作られている印象です。
この後、一通りの整備を行い
再組立てをして動きをチェックするわけですが
とりあえず抱えていた問題はすべてクリアできているようです。
入念にテストを行いながら電気的調整も行っていきます。

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ヤシカエレクトロ35GSNのカメラ修理

今日は「あかりの日」です。
1879(明治12)年のこの日に
トーマス・エジソンが世界で初めて
実用的な白熱電球を完成させたことに由来した記念日です。
「あかり」というとやはり白熱電球の
あたたかい光が合いますよね。
うちの実家の玄関路地を照らす灯りが
白熱電球で家の中からコンセントを抜き差しして
点灯させるような原始的なものだったのですが
それがないと玄関前で本当に真っ暗で
足元なんて全く見えないのですね。
で、私が帰ってくるころにばあさんが
いつも見計らってその外灯を点けておいてくれるのです。
ちょっとしたことだけど
帰ってきてうちの前の路地に入るときに
煌々とあたたかそうな白熱電球がついているのを
見ると何だか妙に嬉しかった記憶がありますねぇ
で、帰って家に入ってしばらくすると
「外の電気消したか?」って必ず聞かれるのも懐かしいなぁ
(年寄りの家なので電気はこまめに消さないと怒られる)
あぁ、やっぱり実家借りたままにしておけばよかった(苦笑)
実家のあかりって
なんであんなにもあたたかそうに見えるのでしょうねぇ

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GSN」のカメラ修理を行っています。
こちらは白熱電球ではなく
「ろうそく1本の光でも写る」を目指して作られた
長時間露出性能の高い電子制御シャッター搭載の
絞り優先AE専用機です。
初代が発売されたのは1966年で
今回の「GSN」が発売されたのが1973年です。
この「GSN」までは初代のデザインそのままに作られたモデルで
これ以降のモデルは時代を反映して小型化されていきます。
やはりエレクトロというとこのちょっと大柄な
初代からGSNまでのものが「らしい」ような気がします。
ブラックもいいですがヤシカらしい
ギンギラギンのシルバーがさらに良いですね。
これもGSNより後のモデルだと
ギンギラギン度合いが少し地味目になってしまいます。
搭載されるレンズのスペックは初代と同じく
45mmF1.7の大口径です。
この大口径レンズも「ろうそく1本の光で写る」ために
少しでもSSを稼ぐために採用されたものです。
「GS」以降ではコーティングが一新され
カラーヤシノンDX45mmF1.7となっています。
独特の青みがかった全体的には少し暗めの
ファインダーも本来であれば二重像の非常に見やすい
コントラストのついたファインダーです。
ただし未整備のものは汚れが酷かったり
曇っていて非常に見づらいものが多いと思います。

お預かりしているエレクトロ35GSNは
数日前まで普通に使えていたそうなのです。
それが現在では電池を入れるとバッテリーチェックは点灯するものの
シャッターが全く制御されず
明るさに関係なく同じ速度で切れてしまっています。
露出の適正やスローシャッターを警告する
赤・黄ランプも点灯はするようです。
古い電子シャッター機なので
電子部品に何かあるとお手上げの可能性もあるのですが
いろいろ動きを確認しているとどうも機械的に
シャッター駆動部の動きが悪いのか
ソレノイドの吸着が汚れ等で悪いのではないかと思われます。
そのあたりシャッター周りの接点も含めて
整備を行っていきます。

どうやらやはり電子部品の問題ではなさそうです。
一通りの整備を行った結果
再びシャッターを正しく制御できるようになりました。
今回は結果的に良かったのですが
さすがにエレクトロは電子部品の不具合で
修理不能のことも多いカメラです。
ただ、それ以上に単純な機械的トラブルや
接点・配線の異常によるトラブルのほうが圧倒的に多いとは思います。
初期のエレクトロは1960年代~70年代の
日本の空気感を非常に濃く伝えてくれるカメラだと思いますので
こうしてできるだけ多くの個体が
まだまだ活躍できる状態になれば私も嬉しく思います。
ただ写りは決してそれほどレトロなものではなく
非常に良い写真を作り出してくれます。
このあたりもエレクトロがなかなか侮れない部分かと思います。

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