月別アーカイブ: 2016年12月

オリンパスM-1のカメラ修理

今日は12月28日。。。
当店も年内の営業は本日が最後です。
今年1年間、ご利用いただいた皆様のおかげで
何とか乗り切ることができました。
本当にありがとうございます。

お店の大掃除等々は明日ゆっくり行うつもりなので
今日は普通に修理をこなしていきます。
2016年最後の修理は「オリンパスM-1」です。

それまでペンのヒット等々でカメラメーカとして確固たる地位を築いた
オリンパスですが35mm判一眼レフへの参入は後発となりました。
それまでの一眼レフの「大きい・重い・音が大きい」の三悪を排除すべく
根本的な新開発によって生まれたオリンパス初の
35mm判一眼レフがこの「M-1」です。
システムカメラとして膨大な交換レンズ群、アクセサリーも同時開発され
「宇宙からバクテリアまで」という壮大なテーマを掲げていました。
1972年7月にに華々しいデビューを飾った「M-1」及び「Mシステム」ですが
当時ライカMシリーズを展開していたエルストン・ライツからのクレームもあり
翌年5月に「OM-1」及び「OMシステム」に改名されました。

実質10ヶ月ほどしか販売されなかった「M-1」ということで
現存数はOM-1に比べるとかなり少ないようです。
OM-1でも初期のものはロゴ以外はほぼM-1と共通だったりします。
今回、お預かりした「M-1」は動作そのものはしているものの
やはり高速シャッターはかなり狂っていて
1/1000にいたっては実質開いていないに等しい状態です。
露出計も作動はしていますが-2段のアンダーといった状況です。

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定番のプリズム上のモルトがかなり腐食している状態で
このままだとプリズム腐食は時間の問題だったかもしれません。
今はまだ大丈夫です。間に合ってよかった。。。
これからシャッター周り、ミラー駆動部、露出計。。。と
各部の点検整備に本格的にとりかかります。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「ボクシングデー」といって
イギリスやオーストラリア、ニュージーランドでは
祝日なんだそうです。何の日かというと
教会が貧しい方のために
プレゼントを募った箱を開ける日だということです。
また現在では「バーゲンの日」として定着しているようで
この日が休日の国では
一斉にバーゲンセールが行われるそうです。
楽しそうですよね!

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフとして現在でも高い人気を誇るカメラですね。
いくらハーフ判とはいえ
使うフィルムは通常の35mmフィルムなのですから
そんなに極端に小さくすることはできないと思いますが
(レンズ、ミラー、ファインダー周りは確かに小さくなりますが。。。)
ペンFは独創的な造りで一眼レフとしては非常にコンパクトで
また独特のスタイリングになっています。
私も非常に欲しかった時期がありました。
(一時期はよく使ってました)

お預かりしているペンFは
ペンFでは定番の「ミラーアップしたままになる」というトラブルを抱えています。
ミラー駆動部も通常の一眼レフでは見られない構造ですが
ここの動きが悪くなることで今回のようなトラブルが起こります。

ペンFはミラー駆動だけではなく
随所に通常の一眼レフではお目にかかれない独特の構造が見られます。
他の写真用カメラではまずお目にかかれないチタン幕のロータリーシャッターや
通常の一眼レフとは違い水平方向に作動するミラーから
二つのプリズムやミラー・ルーペを介してアイピース部に光を導く
独特のファインダーシステム等々ですね。

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これから本格的に分解を進めて
シャッター周り、ミラー駆動部の整備に取り掛かっていきます。
ペンFの修理をするたびに思いますが
このカメラ、本当に無駄な部分が全くないカメラです。
このサイズにするために考え抜かれた設計なのだということがよくわかります。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は言わずと知れた「クリスマス」なのですが
「昭和改元の日」でもあるのですね。
1926年(大正15・昭和元年)のこの日に大正天皇が崩御され
皇太子であった裕仁親王が践祚し昭和に改元したということです。
もはや平成になって28年。。。
昭和生まれとしては時の流れを感じずにはいられないですね(苦笑)

さてさて

本日はキヤノンF-1のカメラ修理を行っています。
1971年、高級一眼レフの分野ではかなり立ち遅れた感のあった
キヤノンが 「プロの使用に耐えうる最高級機を開発すべし」という命を受け
5年の開発期間を経てついに発売されたキヤノン初のプロ向け高級一眼レフですね。
いわゆる「プロ機」といえばそれまでは「ニコンF」の独壇場でしたが
このF-1の登場で現在も続くニコンVSキヤノンの図式が出来上がったのだと思います。

それにしても今見ても「F-1」は
心がザワザワするほどカッコ良いですね。
特に低く構えて見えるペンタ部のデザインは
眺めているだけでも全く飽きません。

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ブラック一色のみ、というのも何ともキヤノンらしいですね。
今日はまだ全く分解整備には取り掛かれておらず
現状チェックが終わったところですが
今回の個体は、まず1/2000は開いておりません。
1/1000も半分も開いていないような状況です。
ミラー駆動部にも少々問題があるようで
たまにミラーが上がらないままシャッターだけ切れてしまう現象が起きています。
露出計周りはバッテリーチェックこそ作動するものの
露出計としては全く動きません。SW部の接触不良かと思われます。

経年劣化や油切れ等によるトラブルを
いろいろ抱えてしまっている感じですね。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

余談ですがF-1の発売時の謳い文句に
「10年間は不変」という一節があったのですが
途中、マイナーチェンジが少しだけあったものの(F-1改)
NewF-1が出るまで10年間、システムは変わらなかったのですね。
今の時代から考えるとこれもすごいことですよね。

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ミノルタSRT101のカメラ修理

メリークリスマス!ですね。
個人的にはあまり関係ありませんが。。。(苦笑)
クリスマス・イブは直訳しちゃうと「クリスマス前夜」ということですが
教会の暦では日没から1日が始まるのですね。
だから今日の日没から明日の日没からがクリスマスで
クリスマスの夜(晩)=クリスマス・イブ=現在の24日の夜
ということらしいですね。
まぁ、とりあえず今夜は鶏のもも焼きに泡盛あたりで乾杯しておこうかな(笑)

さてさて

今日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
当ブログ最多出場記録更新中のSRT101ですね。
今回、お預かりの個体はシャッターダイヤルの黒い
初期モデルですね。製造番号も「10」で始まるものです。

露出計に何らかのトラブルを抱えていることが比較的多いですが
今回の個体は少々の調整で問題ないレベルで作動しています。
最も大きな問題はシャッターレリーズを行っても
シャッター幕が走らないことが多々あるということです。
シャッターボタンを押すとミラーは上がりますが
幕がまったく動きません。
幕軸に何か問題あるのかな。。。と何度か同じ動きを繰り返して
観察していると。。。どうやらシャッター側でなく
ミラー駆動部に問題があるようです。
よく見るとミラーが完全に跳ね上がってなく
先幕ブレーキが解除されないようです。

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ミラー駆動部の動きが悪いくらいのなので
当然、シャッター幕軸の動きも悪く
定番の高速シャッターでの露光ムラも出ています。
これから連動糸を外しスクリーンボックス、ミラーボックスを降ろして
各部点検整備一式に取り掛かります。

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ミノルタALSのカメラ修理

今日は12月22日。。。
1902年の12月22日に「年齢計算ニ関する法律」が施行され
それまでの「数え年」に代わって「満年齢」を使用するように定められたとのことです。
私が子供の頃はばあさんがよく「数えで何歳」とか
テレビの誕生日紹介とかでも「満○歳の誕生日」とかを
よく聞きましたが最近はもう聞くことがないですね。
「数え年」の数え方を知らない方も多いだろうなぁ。。。

さてさて

今日は「ミノルタALS」のカメラ修理を行っています。
ALS。。。怖い病気の話じゃないですよ(笑)
「世界一薄いレンジファインダー機」を目指して作られた
「ミノルチナS」の後継機ですね。
ミノルチナSではセレン光電池を使用していた露出計が
CDSに変更され、それに伴って電源SWや電池室が追加されたモデルです。
ミノルチナ同様、当時はあまりヒット作とはならなかったようですが
今見ると非常に魅力的なコンパクトさや扱いやすさは
ミノルチナSと全く同一です。
現在では劣化のため全く起電しないものも多いセレン光電池に比べると
まだCDSのほうが生き残っている可能性は高いですね。
(劣化していないという意味ではありません)

話が少し逸れますが
ミノルチナSの輸出版には「Minolta AL-s」という名前でした。
最近は輸出版が国内に戻ってきて再販されていることもあるので
ちょっとややこしいですよね。

今回、お預かりの個体は
ご依頼者様が「一眼レフよりもっと気軽に持ち歩けるコンパクトカメラを」とのことで
最近、購入された個体とのことです。
個人的にもとても良い選択だと思います。
40mmF1.8の大口径レンズ画角的にも絶妙ですし
露出はマニュアルで撮るカメラなので
意図した絞りやSSで撮影することができ
ちゃんとレンジファインダー搭載。。。
見た目もスマートでカッコ良いですね。
欠点の少ないカメラだと思います。

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「本格的に使う前に整備一式を行いたい」とのご所望です。
一通り動作はしていますが露出計が少々不安定です。
できる限りの整備・調整で対応します。
他、シャッターユニット部点検整備、レンズ・ファインダー清掃
距離計調整等々をこれから行います。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「冬至」ですね。1年の中で昼間が最も短い日です。
かぼちゃを食べて柚子湯に入らなくちゃいけませんね。
あ、お店の近くの銭湯に行ったら
今日は柚子湯なんじゃないかな。。。温まるし是非行ってみます!

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ初の一眼レフ「SR-2」から10ヵ月後
よりお求め易いモデルとして1959年7月に発売されたモデルです。
SR-2の普及版とはいえ、最高速が1/500になったこと以外は
ほぼSR-2と同一で非常にしっかり造られたカメラです。
この頃のカメラはかなり大きなマイナーチェンジを行っても
モデル名は同じまま、ということも多く
このSR-1もボディ形状だけで4種類にわけることができます。

今回、お預かりしてるSR-1は
シャッターダイヤルの形状から1960年モデルではないかと思われます。
最初期(1959年)とこの1960年モデルが
露出計取付用ソケットもなくデザイン的にはすっきりしていている感じがしますね。

この時代のカメラになるとシャッター幕の劣化が気になるのですが
今回、お預かりのモデルは幕もまだまだしなやかで問題ないようです。
見た目だけではちょっとわかりづらいですが
硬化しているものはシャッターは切れていても
まともなシャッタースピードは出ていないと
思ってもらったほうがよろしいかと思います。
波打ったような状態で硬化してるものも同様です。

シャッター幕は無事なのですが
シャッタースピード測定を行ってみると
1/500は開いてはいますが実質1/250程度であり
さらに視野右端と左端で1.5段ほど露光に差が出てしまっています。
先幕と後幕のスピードバランスが全く崩れてしまっている状況です。
他、スローガバナは固着なく動いていますが
1秒時にバルブとなってしまうことがあるようです。

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SR-1,2はプリズム腐食が発生してるものも多いのですが
今回の個体は問題ありません。
油切れ或いは古い汚れによる動作不良のみですので
分解してしっかり清掃・洗浄を行った上での
再調整を行えば快適に使えるように復活します。
これからミラーボックスを降ろして
シャッター周りの整備から行っていきます。

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コニカⅢのカメラ修理

一昨日、「飛行機の日」と書いたかと思ったら
今日は「日本人初飛行の日」ということみたいですね。
1910年12月19日に
日本人初の有人飛行機による飛行が行われた日だそうです。
ただし、本当は12月14日に試験的に飛んでいるみたいです。
日本人初飛行とはいえ使用した飛行機は
フランス製やドイツ製だったようです。
ちなみに日本初の飛行機メーカー「中島飛行機」(後の富士重工)が
創業されたのはこれから7年後の1917年です。

さてさて

本日はこれも一昨昨日と同様、「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
今回もご自宅で眠っていたカメラのようです。
個人的な話ですが先日も書いたようにコニカⅢは
自分用に私も1台持っています。
これを手に入れた頃はコニカⅠ~Ⅲ型について全く詳しくはなく
たまたま見かけたⅢのレトロなデザインと重厚感に一目惚れで
衝動買いをしてしまった1台です。
改めてみても手にとって眺めているだけで楽しくなるカメラです。

今回の個体はざっとチェックしてみたところ
シャッター羽根は粘り気味で少々動きがゆっくりです。
ファインダーはカビもあり、かなり曇った印象で
距離計の二重像もズレてしまっています。
レンズにもカビがかなり見えています。
絞り羽根は。。。ん、絞りリングがまず動きません。
無理をすれば動くかもしれませんが
こういうときは無理は厳禁です。
おそらく絞り羽根が油か何かで固着してるため
絞りリングが動かないものと思われます。
ここで無理に動かすと絞り羽根が外れるだけでなく
絞り羽根を留めているピン(ダボ)が脱落してしまう可能性があります。
今回限ったことではございませんが
動かないものを無理に動かそうとすると状況は悪くなる一方です。

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まずは絞り羽根とシャッター羽根の洗浄から行います。
さらにシャッターユニット部、レンズ清掃、ヘリコイド、
巻上部(今回も動きが重いですね)、ファインダーと
各部点検整備一式を行います。

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キヤノンデミのカメラ修理

今日は「東京駅完成記念日」だそうですよ。
1914年の12月18日に完成式が行われ
20日から開業されたとのことです。
2012年にリニューアルされて
開業当時の姿を取り戻していますが
その佇まいは歴史を感じますね。

さてさて

本日は昨日のペンに続いてハーフ判カメラです。
キヤノンデミのカメラ修理を行っています。
以前に何度か初代デミには真鍮ボディとアルミボディが存在して。。。
なんて話を書きましたが
今回も初期の真鍮ボディのデミです。
発売は1963年、プログラムシャッターを搭載し
ボディ上部の露出計の針にシャッター設定指針を合致させて
露出を決定します。ピントは目測式ゾーンフォーカスです。

ご依頼者のご自宅から出てきたというデミですが
まず何とはなしに露出計窓を見ると。。。
「針が何も出てこない。。。」
光の明るさに合わせて動くセレン光電池による露出計指針は
セレンが劣化によって起電しないものが多く
針が引っ込んだまま出てこないのはよく見かけるのですが
今回はプログラムシャッター指針の太い指針もどこかに隠れたままのようです。
もちろんシャッターダイヤルを動かしても何も出てきません。

他、デミに限ったわけではございませんが
コンパクトカメラはフィルム室の遮光のために
裏蓋部に大量のモルトが貼ってある場合が多く
今回もその大量のモルトが加水分解で劣化することによって
ボディ側の塗装まで侵食してしまっています。
できる限りの復旧を行います。

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セレンはもしかしたらハンダ付けやセレン裏のアースが
接触不良を起こしているだけではないかと淡い期待を持ちましたが
やはりセレン本体が全く起電しないようです。
これはセレンそのもの(中古部品)の交換で対応します。
プログラムシャッター指針が不動だったのは
プログラムシャッター環についているカムから
露出計連動ステーが外れていたことが原因でした。

他、不具合箇所がないかシャッターユニット周りから
各部点検整備一式を行います。

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オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「飛行機の日」だそうですよ。
空を飛ぶって未だに人類の夢のような気がします。
現代では飛行機や色々な手段を使って
空を飛ぶことはできますが
それこそマンガのようにもっと身軽に飛べるようになれば
世の中が変わるような気がします。
パラグライダーあたりが空との一体感があって良いような気が。。。
機会があればチャレンジしてみたいですね!

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラの中では今でも圧倒的な人気を誇る
「オリンパスペンシリーズ」ですが
今回の「EE-3」は1973年発売です。
1986年まで生産されペンシリーズ中、
最後まで生産されたモデルがこの「EE-3」です。
ピント固定式で露出はオートのため
フィルムを巻き上げてシャッターを押すだけで良い
日頃持ち歩いて気軽に撮るには最適なカメラですね。

今回、お預かりのEE-3は
一通り動作は良さそうなのですが
露出不足のときにファインダーに出る
「赤ベロ」の動きが少々悪いようです。
最も問題になることが多いセレンは元気そうですが
やはり数十年経過していることもあり
測定してみるとオートが随分アンダー気味なようです。

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以前も書いたことがあるような気もしますが
シャッタースピードは2段階で
露出計の針の触れ具合によって
シャッタースピードを絞りを機械的に選択します。
ペンEEシリーズ独特の制御方法ですが
これが非常に上手くできています。
赤ベロの動きが悪いということは
オート制御するノコギリ刃部分も動きが悪いということなので
これから絞りユニット、シャッターユニットを分解して
各部の古い油や汚れを落としていきます。
もともとシンプルな造りではあるので
しっかり動きやすい環境にしてやれば
かなり精度は復活すると思いますが
細かくは調整で追い込んでいきます。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「電話創業の日」ということですよ。
今から126年前のこの日に東京-横浜間で
最初の電話交換業務が始まったそうです。
私も子供の頃は家には黒電話がありましたね。。。
あの「ジーコ、ジーコ」とダイヤルを回すことが
妙にドキドキするんですよね(笑)
中学生くらいになると家の電話だと話しにくいから
100円玉2、3枚握り締めて近所の電話ボックスによくこもってました(笑)
(当時100円玉1枚で30分話せた)

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
1947年の「コニカスタンダード」から「Ⅰ」、「Ⅱ」と続いた
コニカの35mmフィルムレンズシャッターカメラですが
1956年に発売されたこの「コニカⅢ」で
招き猫タイプの巻上げレバーが装備され
セルフコッキング(巻上げ動作によってシャッターも同時にチャージされる)になりました。
レトロな外観に優秀なヘキサノンレンズ、
使い心地も良く、個人で使うために私も1台持っているカメラです。

今回、お預かりしてるコニカⅢは
ご依頼者様からのおじいさんの形見だそうです。
非常に丁寧に使われていたことがうかがい知れる状態で
外観は一部皮剥がれこそありますが非常にキレイな状態です。
しかしながらかなり長い間専用ケースに仕舞われたまま
眠っていたようです。

まずはおおまかにチェックしてみると
このタイプのレンズシャッター機お決まりの
シャッター羽根、絞り羽根の粘りが見受けられ
ファインダーもクモリ気味で二重像も多少ずれてしまっています。
レンズも多少カビが生えてしまっています。
さらに自慢の招き猫のような巻上げが
かなり重いです。この状態であまり無理に動かしてると
新たなトラブルを呼ぶこみますので
動作チェックは最低限にして
作業に取り掛かります。

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まだまだ分解途中ですが
巻上げの重さはシャッターチャージ部分ではなく
フィルム巻上機構のリンク部分に
古い油やグリスが固着しているようで重くなっているようです。
まずはそこを解消してから
既に取り外してあるシャッターユニットの整備を行い
他、各部点検整備一式を行います。

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