キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868(慶応4)年のこの日(旧暦、新暦では9月3日)に
明治天皇の詔勅(しょうちょく)により
「江戸」が「東京」に改称されたことに由来しています。
「西の京」の「京都」に対して
「東の京」から「東京」という名前が付けられました。
これは「東にある都」という意味です。
表記は「東京」に決まりましたが
読み方については特に決まりがなく
初めは「とうきょう」ではなく「とうけい」と発音することも多かったそうです。
その後、国語の教科書で「東京」の振り仮名が「トーキョー」と表記され
混在はなくなったそうです。
しかしながら、この詔勅が発せられた年は
まだ戊辰戦争の最中であり、公卿が遷都に反対するなどもあり、
東京が名実ともに首都となったのは廃藩置県が行われた
1871(明治4)年のことだったそうです。
また、「江戸」から「東京府」、「東京市」と呼称が変わり
「東京都」となったのは、太平洋戦争中の
1943(昭和18)年のことだったそうです。
私も都内に住んで都内で仕事をしていますが
いろいろ長所短所ありますが
結局は東京は便利で住みやすいところだと思います。
どこに行っても人は多くて少々辟易としますが
人が多いからこそこれだけ便利な街になっているわけですから
しかたがないですね…
ただ家賃がとにかく高いのは困ったものですが…(苦笑)

さてさて

今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
1964年の「FX」から始まる「キヤノンFシリーズ」を
代表するカメラですね。
同じタイミングでキヤノン初のプロ仕様一眼レフ機である
「F-1」も登場しました。
「F-1」「FTb」ではついに「開放測光」が採用され
それに伴い交換レンズ軍も「FLマウント」から絞り伝達機能を持つ
「FDマウント」へと変更されました。
レンズマウント接合部の形状自体は変わっていないので
従来の「FLマウントレンズ」も「FTb」に装着可能です。
ただしその場合は「絞り込み測光」となります。
細かい部分こそ改良されていますが
シャッターや巻上等の基本的機械駆動部は「FX」から
引き継いだものです。それ自体は「F-1」も変わりません。
前身となる「FT」からCDS受光体は外部の影響を受けにくく
精密な速攻のできるコンデンサレンズ背部へ配置されています。
その副産物でこの時代のキヤノンならではの
「中央部部分測光」も実現しています。
「F-1」とユーザー層が異なる上に裏ブタを交換するほどの
システム性の拡張もないことから「FTb」にも
キヤノンお得意の「クイックローディング(QL)」が搭載されています。
この時代ですから手動ですが
フィルム装填が非常に簡単に行えます。
総合的に非常に使いやすく基本性能の高いカメラだと思います。

お預かりしている「FTb」は
かなり使い込まれたものだと思われますが
ある時期から使われなくなり
かなり長い間しまいこまれていたものと思われます。
落下歴があるとみられ上カバーは結構な歪みが見受けられます。
それでも元が頑丈なカメラのため
それが原因となる動作不良はさほどないものと思われます。
シャッターは長年動作されていなかったこともあり
動きは悪く低速シャッターを使うとミラーアップしたままになってしまいます。
もちろん高速シャッターの精度も出ていません。
電池室の蓋は斜めにねじ入れてしまったらしく
おかしな入り方をしたまま取り外せなくなっています。
後で強引に取り外しますが電池入れ替えても
やはり露出計はSW部の接触不良もあり不動です。
やはり全体的に清掃整備が必要な状況です。

これも定番ですがやはりプリズムは腐食が進んでしまっています。
「Fシリーズ」のプリズム腐食の大半が
プリズム抑えに使用されているモルトの加水分解を起因とするものです。
モルトとプリズムの間にはプリズムカバーがあるにはあるのですが
隙間が空いていてそこから腐食が始まってしまいます。
画像にもありますがプリズム抑えのモルトと
プリズムカバーにはボロボロになったモルトが付着しています。
幸いながらFTbは交換可能なキレイなプリズムがまだ手配可能なので
今回は交換で対処していきます。
その前に分解を進めてまずか各機械駆動部位の整備を進めていきます。

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ヤシカミニマチックSのカメラ修理

今日は「虹の日」だそうですよ。
「なな(7)いろ(16)」(七色)と読む語呂合わせと
梅雨明けのこの時期に空に
大きな虹が出ることが多いことからだそうです。
確かにこの時期は虹を見かけることが多いですよね!
虹が出ていなくても
雨上がりの空気感はとても気持ちいいですね。
少しひんやりとして空気もスッキリとして
何かまた新しいできごとが始まるような気がします。
そういえばまだデジタルとかがない時代に
虹の写真を撮ろうと思って
この季節に常にフィルムを入れて
カメラを持ち歩いたことがありましたが
なかなかそういうときに限って出てこないんですよねぇ(笑
今ならいつめぐりあっても
とりあえずスマホで簡単にキレイに撮れますが…

さてさて

今日は「ヤシカミニマチックS」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
ヤシカリンクスシリーズから派生した「ヤシカEE」を
さらに簡単に使えるようにと開発されたカメラです。
シャッターはコパルユニークで2枚羽根のプログラムシャッターです。
当然ながら露出はセレン光電池使用の露出計と連動する
プログラムオートとなります。
フラッシュモードだけは専用の2枚羽根の絞りを使用して
シャッター固定、絞りのみで露出設定できるようになっています。
レンズはヤシノン45mmF1.8でピントは距離計連動二重像で行います。

お預かりしている「ミニマチックS」は巻上ができて
レリーズボタンは押せるもののシャッターが全く動きません。
レンズシャッターでよくある羽根の張り付きによる固着かと思いきや
後から分解してわかりましたがシャッタ-羽根駆動部が
かなり強烈に固着しているようです。
フラッシュ時専用の絞り羽根も全く動きません。
それとは別にやはり心配なのが
セレンの状態なのですが
ファインダー内の露出計表示のミラーが脱落していて
ファインダー内からは露出計の動作が確認できませんでした。
「ミニマチックS」は上カバー上に露出計表示がないため
ファインダー内でしか確認できないのですが
お預かり時にはセレンの状態は全くわからない状況でした。
上カバーを外してみて改めて確認できましたが
セレンは幸運にも元気なようで露出計の指針もそれなりに振れていました。
ちなみに一見、露出計表示かと思わせる
上カバー上の窓はASA設定のみの表示です。
ここに露出計指針も表示してほしいですね(苦笑)

まずはシャッターをスムーズに動くようにしなければ始まりません。
これからシャッターユニットの分解を進めて
シャッター駆動部を入念に清掃整備していきます。
レンズの状態は比較的よく
通常の清掃で全く問題ない状態になりそうです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「ナイスの日」だそうですよ
「な(7)い(1)す(3)」(ナイス)と読む語呂合わせで
ナイスなこと、素敵なことを見つける日だそうです。
ナイス…Nice…改めて調べてみると…
見事な、素敵な、素晴らしい、立派な、良い、かっこいいなどの
意味があるそうです。
…まぁ野球中継見ながら「ナイスプレイ!」ってよく
ひとりごと言っているような気も…(笑)
特別な日やイベントごとやらいわゆる「ハレの日」で
ナイスなのはよくあることですが
普通の日常の毎日で
「お…今日もなかなかナイスな日だったなぁ」と
寝る前に本音で言えるようであればいいですねぇ…
…ということで今日もできることをがんばります!

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売の一眼レフです。
ミノルタ初のTTL測光方式の露出計を内奏したカメラです。
開放測光にも対応しており
そのためにレンズ側も絞り値伝達機構を設けた
「MCロッコールレンズ」にモデルチェンジされています。
従来のオートロッコールも装着可能ですが
その場合は絞り込み測光となってしまいます。
ファインダー内に露出計指針と設定SSも表示されるようになり
非常に使い勝手もよくなりました。
そしてミノルタらしい使い心地の良さが際立つカメラでもあります。
基本設計に非常に優れたカメラでヒット商品となり
7年以上生産されるロングセラーモデルとなります。
後に追加されるSR-TスーパーやモデルチェンジされたSR101も
内部構造はほぼSR-T101そのままで
ミノルタ機械制御シャッター機の集大成ともいえるモデルです。
現存する個体も非常に多く
当店に修理依頼も多いカメラです。

お預かりしている「SR-T101」はレリーズボタンは押せるものの
何も動かないような状態になっています。
ミラーは正しくミラーダウンしていて
幕の位置を見るとチャージ状態のようです。
チャージ中なので当然ながら巻上レバーはロックされています。
ミラーもチャージされているようなので
レリーズ機構からミラーアップへのリンクが動作不良化と思われます。
後である程度分解して強制的にレリーズすると
とりあえずはシャッターは切れましたが
今度はミラーアップしたままになってしまいました。
おそらくかなり長い間動かさずに眠っていた個体かと思われますが
機械的な駆動部や連動部のあちこちで
動きが悪くなっているものと思われます。
何かが破損しているとかはないので
分解して入念に隅々まで清掃し
動作不良の原因となる古い油脂類やゴミを落とし
新たに最小限の注油を行うことで回復が図れると思われます。

連動糸等があるので分解整備にはある程度の慣れと
コツを知っておく必要がありますが
それらがわかっていれば整備性は非常に良好なカメラです。
各部の部品もしっかりとしたものが使われており
基本的には丈夫なカメラです。
SR-T系は修理依頼の多いカメラなので
内部の光景も見慣れたものでありますが
油断せずに慎重に整備を行っていきます。
整備の上の最終的な微調整で精度的にも
全く問題ない状態に仕上げられるかと思います。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
1954(昭和29)年7月12日、
国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で
初めて「人間ドック」が行われたことが由来になっています。
人間ドックの「ドック」は
船を修理・点検するための施設であるドック(dock)からきています。
「人間ドック」は、日本独自の発想で
予防医学の観点から自覚症状の有無に関係なく
定期的に病院・診療所に赴き
身体各部位の精密検査を受けて
普段気が付きにくい疾患や臓器の異常や健康度などを
チェックする健康診断の一種です。
私も5年前から年に一度、人間ドックを受診しています。
若い頃なら必要なかったと思いますが
今や自覚症状がなくても
いつ何が起こってもおかしくない年齢になってしまったので…(苦笑)
毎年、受診しているとデータも溜まってきて
細かい身体の変化もわかるようになってきました。
それでもいつ何が起こるかわかりませんが
見つかられるものは少しでも早く見つけて対処したいですものね。
先日も定期通院の際に半年後のドックの予約をしてきました。
カメラやクルマでも当たり前のように検査やチェックを行うのだから
最も大事な自分の身体こそ定期的なチェックと整備が必要ですよね
人間の自己治癒能力は万全ではないですし
それは年齢とともに確実に衰えます…

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
前モデルの「S3」をベースに新たにセルフタイマーが内蔵され
フィルムカウンターも自動復元式になったカメラです。
最近、「SV」の修理依頼、比較的多いですね。
ペンタックスの一眼レフはこの次の世代となる
「SP」が大ヒットモデルとなりますが
「SV」はそれまでの「AP」からの流れを汲むカメラの
集大成ともいえるモデルです。
露出計こそ内蔵されていませんが1/1000をシャッター最高速を持ち
スロー側も1S・Bまでカバーしています。
「S3」以降は完全自動絞りにも対応し
「SV」になってそれ以降続くマニュアル一眼レフと同様に
直感的に普通に操作、撮影ができるようになりました。
モデルごとの「お作法」古いカメラならではの変わった操作が
必要なくなったとも言えます。
このあたりの操作性は非常に大事かと思います。
「SP」ほどではなかったものの「SV」も相当売れたカメラだと思います。
そのため現存している個体数はかなり多いと思います。
家でしまい込まれていたカメラが「SV」だったということも多いと思います。

お預かりしている「SV」は巻き上げて
シャッターを切ると先幕は元気に走行するのですが
後幕はそうはいかず申し訳なさそうにゆっくり出てきて
2/3ほど走行したところで止まってしまいます。
もちろん走行が完了しないのでミラーも上がったままになってしまいます。
「SV」はシャッター幕が劣化していて交換前提となる個体が
非常に多いのですがフィルム室から見える範囲では
シャッター幕はまだ普通にしなやかであまり問題がないように思えます。
いずれにしても分解して見えない部分まで
チェックしてみないと何とも言えません
ミラー駆動にももんだいがあって強制的にシャッター走行を完了させても
ミラーが完全に降りず途中で止まってしまいます。
やはりあちこちで動作不良が見られる状態です。

ずいぶん昔のことだとは思いますが
過去に一度、幕交換が行われているものと思われます。
そのため幕自体には気になる劣化はないのですが
幕軸の汚れ等の原因で走行不良となってしまっているようです。
ミラーの動作不良はミラーを下す方の棒バネが
外れてしまっていることが原因でした。
加えて巻上にもずいぶん古い油脂汚れが溜まっていて
かなり動きが悪くなっています。
これからそういった問題をすべてクリアするために
入念に清掃整備を行っていきます。

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ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は7月11日…
わかりやすく「セブンイレブンの日」ですね。
当店の最寄りのコンビニも歩いて2分ほどのセブンイレブンで
ほぼ毎日のように利用させていただいています。
年中無休で24時間営業って改めて考えると
スゴイですよね…それもあの豊富な品揃えで…
名前の由来ともなっていますが
もともとは営業時間が「午前7時~午後11時」だったことが
名前の由来です。当時としてはそれでも朝早くから
夜遅くまでいつでもやってる…ってイメージだったでしょうね。
セブンイレブンの最初の店舗は1974年の開店ですが
翌1975年には別店舗で24時間営業がスタートしているそうです。
私が生まれ育った呉にセブンイレブンができたのは
私が中2の頃だったと思うのでおそらく1984年
呉市内で初のコンビニだったと思います。
私の実家から歩いて15分くらいのところだったのですが
24時間開いているのが当時は珍しいし何だか嬉しくて
夜中にそっと家を抜け出して友達と落ち合い
カップラーメンを買ってお湯も入れて
近所の公園で真っ暗な中でラーメン食べていました(笑
今となってはいい思い出ですね。
あ、ちなみに今日は「ラーメンの日」でもあるそうですよ。
まぁ昔のことはさておき
今やコンビニはなくてはならない存在になっていますよね。
今日もあとで立ち寄ると思います(笑

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
前作「SR-7」と機能的には変わりませんが
ダイキャストが変更されていて外観寸法も少し小さくなりました。
このダイキャストは次期「SR-T101」にも使われるもので
機能的には変わっていなくても中身はかなり別物となっています。
搭載される露出計も変わらず外光式ですが
感度切り替えSWが背面からマウント脇に移設されました。
そして露出計・バッテリーチェックSWが底面に配置されています。
底面SWは既に「SR-T101」と同じものです。
底板を外してみるとそこに見える光景はもうほぼ「SR-T101」です。
人によって好みはあると思いますが
巻上感やシャッター音も従来のSR-7に比べると軽く静かになり
感触も非常に良いものになっています。

お預かりしている「ニューSR-7」は
かなり長い間、使われずに眠っていたものと思われます。
シャッターは動作するものの動きはやはり重く
高速シャッターの精度も出ていません。
ファインダーを覗くとプリズムの端に腐食が発生しているようです。
電池室を開けてみると中からコロンと当時の水銀電池(MR-9)が出てきました。
ただ不幸中の幸いなのは液漏れ等は起きておらず
電池室のダメージは少ない模様です。
でも電池からのガスの影響もあり電池室裏の配線は腐食しているようです。
残念ながら露出計は動きません。もちろん修理は可能です。

まだ取り掛かったばかりの段階です。
プリズムの周りの緩衝材にはコルクが使われており
よくあるモルト由来の酷いプリズム腐食は起きません。
今回の腐食は単純に蒸着の劣化によるものです。
プリズムは中古良品と交換で対処します。
シャッターのスローガバナは巻上レバー下に配置されています。
これも「SR-T101」と同様ですね。
名機「SR-T101」と同様の構造でTTL連動でもなく
ファインダー表示もないので連動糸もありません。
すなわち整備性は非常に良好です。
これから分解を進めて機械駆動部の清掃整備を一通り行っていきます。
その後、露出計関連の修理整備調整も行い
しっかり精度を出していきます。

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キヤノンⅣsbのカメラ修理

今日は「泣く日」だそうですよ。
「な(7)く(9)」(泣く)と読む語呂合わせからですね。
悲しかったり苦しかったりして泣くのは
できるだけ避けたいですが
嬉し涙だったり感動して泣くことはいいことだと思います。
泣くことはストレスを解消する、
免疫力を高める、心の安定を保つなどの
効果があると言われています。
泣くと気持ちがスッキリしたり、
思いっきり泣いた後には深い眠りにつけたりします。
「泣く人は心が弱い」や「泣くことは悪い」などと言われることもあります。
泣くことに対して、ネガティブなイメージを持つ人もいますが
体と心の両方に多くのメリットがあるそうです。
年齢を重ねると涙腺が弱くなる…というのもよく言われますが
本当にそうですね。実際に自分がそうなるとよくわかります(苦笑)
でも言われてみればしばらく感動して泣いた覚えがないですね
一時期話題になった「涙活」でもしてみますか…(笑

さてさて

本日は「キヤノンⅣsb」のカメラ修理を行っています。
いわゆるバルナックライカのコピーモデルとも言えますが
ライカとは異なる手法で進化してきた
この時代のキヤノンの集大成的モデルです。
1952年発売のカメラです。
キヤノンお得意の可変倍率一眼ファインダーを搭載し
シャッターはB・1s~1/1000をカバーします。
このタイプのカメラとしては非常に使い勝手の良いカメラです。
当然ながらヒット商品となり35,000台以上が生産されたそうです。


そのおかげもあり現存する個体数も多いのですが
Ⅳsbに限らずこの時代のカメラは
未整備のままであればまず間違いなくシャッター幕が劣化しています。
このタイプのカメラは基本的に裏蓋が裏ブタがないので
シャッター幕はレンズを外したマウント側からしか確認できません。
シャッター幕が明らかに波打っているとか
切れたり裂けたりしているとかはわかりやすいですが
今回のⅣsbはとりあえずシャッターは切れていて
マウント側から見る限りは意外とシャッター幕はキレイに見えます。
で、上記画像の状態にしてやっとフィルム面から側も見れるので
簡単に強い光のように向けてみると…
やはりダメでした(苦笑)
レースのように光がスケスケで幕としての役割をはたしていません。
まぁ当然といえば当然ですね。
70年前のゴム引きの幕がそんなにもつわけがありません。

…というわけで予想はしていましたがこれから幕交換を行っていきます。
その過程でしっかりシャッターの精度や巻上部の整備を行っていきます。
さらに装着されていた50mmF1.8レンズは
レンズは比較的キレイなものの絞り羽根にかなり油滲みが見えますので
動作不良を起こす前にこちらも清掃を行っていきます。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は言わずと知れた「七夕」ですね。
それも令和7年7月7日の「七夕」です。
だからどうというわけでもないのですが…(苦笑)
「七夕」に関連して「ゆかたの日」「川の日」「香りの日」
「ポニーテールの日」なんて記念日も制定されています。
都内の天気は残念ながら今のところ曇り空ですが
ぜひ夜には夜空を見上げてみて「夏の大三角」を
探してみていただければと思います。
ただ新暦の「七夕」だとまだ日没直後の夜8時頃には
彦星織姫は東の低い位置にありますし
今夜は月齢12の月が煌々と輝いていますので
月が沈んだ8日午前2時くらいがいいかもしれません…
って夜中すぎますね…(苦笑)
それ以前に都内だと天の川はおろか明るさ0等級の
ベガ(織姫星)さえもなかなか見えなかったりするのですが…
「七夕」関係なくたまには空の暗いところで
満天の星空を見上げてみたいものです。

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
「SP」登場前のアサヒペンタックス系シリーズの
集大成と言えるカメラです。
シリーズで初めてセルフタイマーが搭載され
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
前作の「S3」で完全自動絞りにも対応しているので
露出計こそ搭載されないものの
マニュアル一眼レフとして一通りの機能は搭載されたカメラと言えると思います。
シンプルで使いやすく「M42マウント」採用機ということもあり
一眼レフならではの交換レンズによって
撮影の幅を広げるという行為を存分に楽しめるカメラでもあります。

お預かりしている「SV」はシャッターが開いたまま
ミラーはアップしたままで固着している状態です。
「SV」の修理は基本的に幕交換が必須の場合が多く
今回も幕の硬化や劣化により後幕が出てこれない状態かと思われます。
分解前にとりあえず後幕を引っ張り出せないかなと思ったのですが
どうやら幕を引っ張るリボンが上下とも切れているようです。
これはさすがに分解しなくては幕を引っ張りだすこともできません。
先幕をフォルム室から見える範囲で見る分には
さほど劣化していないようには見えるのですが
おそらく端々はかなり劣化していると思われます。

とりあえず幕の全容がン見える状態になるまで分解して
後幕を引っ張り出してみましたが
やはりガチガチに硬化して波打っているような状態です。
先幕も隠れている部分は相当に劣化が進んでいます。
やはり当然ながら幕交換は避けて通れないですね。
まずは劣化が酷くリボンも切れている後幕の交換から行っていきます。
その後、先幕の交換も行って動きを確認し
シャッターの精度も調整していきます。
当然ながらその際に巻上等の機械駆動部の整備を行っていきます。
見違えるほどスムーズに動くようになると思われます。

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オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のイギリス・ロンドンで
四角いテーブルのような形をしたスクエア型の小型のピアノです。
足を外して持ち運ぶこともできるそうです。
ピアノの音色ってなんともまろやかでいいですよね。
小学校の頃からの友人が
その頃からいまだにピアノを趣味で弾き続けていますが
たまに帰省した際にその友人宅で聴かせてもらっています。
クラシックのレコードとかで聴くピアノももちろんいいですが
目の前で聴く生のピアノの音は本当に耳ざわりが良く
心地いいものです。
またお盆に帰省した際には
お邪魔して聴かせてもらおうかと思っています。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
「デラックス(D)なコンパクト(C)」小型高級カメラですね。
Fズイコー40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
露出制御はプログラムシャッターを露出計と連動させた
プログラムオート専用機です。
大口径レンズの恩恵もあって光量の少ない場面でも
プログラムオートで写真を撮ることが可能です。
この時代のフィルム感度はASA100が主力なので
室内や暗い曇天、朝夕の撮影時に大口径レンズは
重宝したと思います。
セイコー製シャッターユニットは機械制御で動作しますが
先述したように露出計指針と連動して制御されます。
そして露出計の指針が振らないような低光量下では
シャッターロックがかかるようになっています。
そのため露出計がキチンと作動していて
電池を入れないとシャッターが切れません。
レンズキャップをしている際やフィルム装填時用に
強制的に露出計を動作させてシャッターを切るボタンも
装備されていますが
いずれにしても電池が入っていることが動作の前提になっています。

お預かりしている「35DC」は
セルフタイマーでシャッターを切ろうとして
その際に電池が入っておらずそのままシャッターロックが
かかったような状態で当店にやってきました。
この状態に陥っている「35DC」は割とよく見かけますね。
そのセルフタイマーも固着してしまっていて
前にも後ろにも進めない状態になってしまっています。
このままだと現状がわからないので強制的に
セルフタイマーを何とか解除したのですが
案の定、電池を入れても露出計は動かない状態です。
電池室はキレイなのですが配線やハンダの劣化で
導通不良になってしまっていると思われます。
そのあたりの修理も含めた整備一式を行っていきます。

外観の状態は良く丁寧に扱われてきたことがわかります。
露出計指針挟み込み式オート露出のカメラは
この時代にはいろいろとありますが
「35DC」はその構造というか配置が少し変わっていて
露出計本体は底部に配置されています。
底板を外せば露出計本体が確認できます。
ここでオート制御の調整もある程度可能です。
ただ、電池をセットするためには底板を付けなければいけません…
指針の動いている様子は
張り革の下の前板の確認用の
小さな穴からも見ることができます。
まだ現状をか確認しただけの状態ですが
ここから分解を進めて各部の修理点検整備を行っていきます。

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ニューキヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「穴子の日」だそうですよ。
「あな(7)ご(5)」(穴子)と読む語呂合わせと
穴子が最も美味しい時季であることからだそうです。
広島出身なので穴子といえば
宮島名物の「あなごめし」が一番に思い浮かびますね。
昨年のお盆に帰省した際には
相当暑い中、友人と宮島を歩き回って
水族館でたっぷり涼んだ後に「あなごめし」を食べに行きました。
これがまためちゃくちゃ美味しかったのですよ。
ボリュームも満点でその日、一日中幸せな気分に浸れました(笑
今年もお天気とスケジュールが合えば
また食べに行きたいですね!

さてさて

本日は「ニューキヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
1969年発売のカメラです。
それまでの「キヤノネットQL17」の機能をほぼそのままに
一気に小型化を進めたカメラです。
ちょうどコンパクトカメラの小型化が進んでいた時代ですね。
シャッターはコパル製が継続され
低速の一部が省略され
B・1/8~1/500をカバーするようになっています。
露出計指針挟み込み連動のシャッター優先オートで
マニュアル露出可能(その際露出計はオフ)なのも
初代から変わりません。
もともとが初代から優れた設計のカメラなので
基本的な考え方や構造は初代からあまり変わってはいません。
ちなみにキヤノネット最終モデルとなる「G-Ⅲ」も
このニューキヤノネットのマイナーチェンジモデルで
基本的な部分は全く変わりません。
非常に使いやすく一通り何でもこなせるカメラです。

お預かりしている「ニューキヤノネット」は
おそらくかなり長い間使われずに放置されていたもののと思われます。
外観も随分と汚れてしまっています。
フィルム室のモルトはもちろん劣化で全滅です。
電池室の腐食も激しく緑青が付着しています。
シャッターや絞り羽根の動きにも粘りが見られます。
そしてピントリングはヘリコイドの固着のため
ビクとも動きません。相当協力に固着してしまっています。
これはなかなか手間も時間もかかりそうです。
ただし、レンズとファインダーは妙にキレイです。
随分前のことかもしれませんが
明らかに一度は内部まで清掃だれているものと思われます。
よく見ると拭き跡もありますね。

整備性は悪くないカメラではありますが
さすがに以前のキヤノネットに比べると
小型化された分、狭いスペースに効率よく
機械部分が収まっているため少々手間な部分もあります。
それでも同様の機能を持つ他の小さなカメラに比べると
あとで分解整備することもしっかり考えられた設計です。
まずは分解をさらに進めてヘリコイドの強烈な固着を
溶かすことから行っていきます。

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ヤシカペンタJ(ジャガー)のカメラ修理

今日は「梨の日」だそうですよ。
「な(7)し(4)」(梨)と読む語呂合わせからだそうです。
本格的な梨の季節には少し早いですね
でも毎年梨の季節は楽しみにしています。
記念日を制定したのは
「二十世紀梨」で有名な鳥取県の
「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」です。
私の生まれ育った広島にも少し山の方へ行けば
梨園が多くあって秋には毎年のように
「梨狩り」に行っていた頃がありました。
少し酸味が強めの二十世紀梨も美味しいですが
甘みが強く水分豊富な「豊水」や「幸水」も美味しいですよね
梨を味わうのは夏の終わりまで
もう少し待たなくてはいけませんが
今の時期はなんといっても「桃」ですよね。
水分と甘みたっぷりの果物は
本当に美味しいし生活のアクセントになりますね。
そろそろ少し買いやすい価格になってる頃かな…
帰りのスーパーでチェックしてよければ買って帰ります!

さてさて

本日は「ヤシカペンタJ(ジャガー)」のカメラ修理を行っています。
1961年発売の一眼レフカメラです。
この「ジャガー」が出るまでは
ヤシカは独自のバヨネットマウントを採用した
ペンタマチックシリーズを発売していたのですが
その専用マウントを変更しねじ込み式の「M42マウント」を採用して
再出発したのが今回の「ペンタジャガー」です。
完全自動絞りには対応していないので
完全自動絞り対応のレンズを使う際には注意が必要です。
シャッターの最高速は1/500、スロー側は1/2までです。
「B」も装備します。
フィルムカウンターは自動リセットではなく手動セットです。
シンプルな一眼レフです。

お預かりしている「ジャガー」は一通りは動作しているのですが
やはり幕軸の動きが悪いようで
1/500、1/250だとシャッターが開かないまま走行してしまいます。
先幕の動きが悪く後幕に追いつかれてしまうような状態です。
1/125だと何とか開きますがやはり両端の露光差はかなり出てしまっています。
いたずらにテンションを弄るではなく
幕軸の動きを良くしてやることである程度は精度が出ると思われます。
その上でテンション微調整で精度を出していきます。

画像はまだ取り掛かり始めの状態でのモノです。
ここから分解を進めて幕軸や巻上の整備を行っていきます。
シンプルなカメラなので整備性は良好です。
結果から言ってしまうと幕軸の整備後に測定を行うと
今度は先幕が速すぎて開きすぎて染むようになりました。
おそらく以前に幕が開かないから
先幕のテンションを上げていたのかと思われます。
無駄に動きの悪いままテンションを上げると
幕軸のバネ自体が劣化してしまいますので
必要以上にテンションをかけるのは良くありません。
先幕を適正なテンションに緩めてやると
納得できる精度に落ち着きました。
加えて、これが本来の姿かと思いますが
巻上もテンションが下がったことで非常に軽快になりました。

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