月別アーカイブ: 2021年4月

トプコン35ーLのカメラ修理

今日は「図書館記念日」なのだそうです。
1950(昭和25)年のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来となっています。
最近はめっきり図書館に行くこともなくなったけど
いわゆるネット時代になってからも
割と図書館に行っては
「興味はあるけど買うほどではない分野の雑誌」を読んだり
同じ理由で貸出可能のものであれば借りて帰ったりしていました。
その頃は厚木在住だったので本厚木駅前の市立図書館で。。。
それに貸出はできないものがほとんどですが
地元の図書館くらいでしか見ることのできない
その土地の郷土の資料とかもあったりして
興味深く見させていただきました。
今度、呉に帰ったときには呉の図書館も行ってみようかな…
地元の歴史関係の資料がいろいろありそうだし…

さてさて

本日は「トプコン35-L」のカメラ修理を行っています。
トプコンは東京光学株式会社のカメラブランド名です。
残念ながら1981年にはカメラの製造・販売からは完全に撤退しましたが
その後にこのブランド名であった「トプコン」が会社名になり
現在でもトプコンは医療機器や測定機器関連の
光学メーカーとして存在しています。
カメラブランド名が後にメーカー名になるというのは
コニカやミノルタ、ニコンと同様ですね。
ニコンとトプコンといえば
陸軍に照準器等を納入していた東京光学(トプコン)と
その設立に海軍が深くかかわり艦艇用の光学兵器や
狙撃眼鏡を製造していた日本光学(ニコン)を
軍需光学機器製造の双璧として
「陸のトーコー・海のニッコー」とも謳われていました。
個人的にはトプコンといえば
やはり二眼レフの「プリモフレックス」のイメージが強いですかね
後にはエクサクタマウントの一眼レフである
「R」シリーズ(「REスーパー」等が有名)も発売し
現在でも一部で非常に人気がありますが
個人の見解ですが完成度的にあまりお勧めできるものではありません
で、今回の「35ーL」ですが
トプコン35シリーズ本流は
ここでは説明を割愛しますが
これまた少々変わったカメラで
これもあくまで試行錯誤の過程的な機種かと思われます。
そして35シリーズから分岐して発売されたのが
「35S/Lシリーズ」でこれはオーソドックスな
レンズ固定式レンズシャッター搭載レンジファインダー機です。
「L」は「S」をベースに露出設定をライトバリュー式に変更したものです。
ファインダーは等倍で両目を開けてみることができます。
等倍ファインダーを両眼で見た時の
このブライトフレームが視野内に浮かび上がる感じは
何とも気持ち良いですね。
ただ私もそうですがメガネかけていると
うまくフレームが見えないのですよね(苦笑)
レンズは写りの定評の高いトプコール4.4cmF2を搭載します。

スタイリングも非常に良いカメラかと思います。
質感も高くシルバーの鏡胴も非常に高級感あります。
一通り動作してはいるのですが
シャッターに若干の粘りがあり
ファインダー・レンズはそれなりに汚れがある感じです。
ご依頼者様からは距離計二重像の縦ズレを指摘いただいていて
私もその先入観で見てしまったせいか
最初はズレているなと思ったのですが
どうやら覗き方の角度でズレて見えるらしく
まっすぐ正面から覗くとズレていないようです。
レンジファインダーは覗く角度で二重像の見え方が
変わったりするのは構造上、当然なのですが
このカメラはそれが極端に出るような気がします。
トラブルなのか元々の構造的問題なのかは
現時点では何といえないのですが
これから整備を行いながら確認してきたいと思います。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は祝日「昭和の日」ですねぇ
個人的には未だに「天皇誕生日」のイメージが強いですが
昭和天皇崩御後は「みどりの日」だったのですよね
で、結局、「昭和の日」に改称されることになり
そのタイミングで「みどりの日」が5月4日になったのですね
もはや「GW」ということで一括りにされてしまいますが
それぞれの祝日とその意味は知っておかなければなぁと思います。
ところで今日は「畳の日」でもあるのです。
「みどりの日」にちなんでこの日に制定された「畳の日」ですが
「環境衛生週間」(9月24日~10月1日)の始まりの日であり
「清掃の日」である9月24日も「畳の日」なのですね。
偶然なのかどうなのか「429」を反対から並べると「924」ですねぇ
ちょっと偶然とは思えないですよねぇ
それはともかく青臭い香りのほのかにする新しい畳もいいですし
もはや黄色っぽく褪せてしまった使い込んだ畳もいいですよねぇ
どっちでもいいから窓を開けて
外からの風を感じながら
畳の上でゴロゴロしたいですねぇ…
実家引き払ってからそういう機会は全くなくなってしまいました(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
Ai対応となったフォトミックファインダーを搭載する
「ニコンF2」です。
アイレベルファインダーだとコンパクトとまでは言えませんが
それなりの大きさにまとまりますが
フォトミックファインダーを装着すると「F2」は
正に鈍器ですね(笑)ブラック塗装だとなおさらそう感じます…
私も昔はすっきりしたイメージでF2らしい少し丸みを帯びた
三角頭のアイレベルが好きでしたが
ここ近年はF2はフォトミックファインダーが付いているほうが
武骨で迫力があって何とも良い感じに思えてきました。
実用面でもアイレベルファインダーだと
ファインダー内に何も付加的な情報はありませんが
フォトミックファインダーだと
露出計の値はもちろん、設定F値やSS値も
ファインダー内で確認できます。
…となるとファインダーから目を離さずに
露出設定の変更ができるわけですよね。これは本当に便利です。
フォトミックファインダーは
大きく指針式かLED式かに分かれ
レンズとのリンクがAi対応か非Aiかに分かれ
さらに受光体がCdSなのかSPDなのかにもわかれます。
なかなかややこしいですよね
それだけ使用目的の多様化に対応している訳でもあり
いかにもこの頃のニコンらしいともいえると思います。
今回のフォトミックAはAi対応で受光体はCdSの指針式露出計です。
要は無印のフォトミックをAi対応にしたものです。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
動作そのものは一通り動いています。
ただ少し細かく見ていくといろいろあって
高速シャッターの精度は先幕の後幕のバランスが崩れていて
出ておらず1/2000・1/1000はかなり問題となるレベルです。
露出計も動作してはいますが挙動が不安定で
定番の電池端子基部破損の疑いもありそうです。
モルトはフィルム室を見る限り全滅で
内部モルトも同様かと思われます。
ファインダー内もモルト屑等でかなり汚れています。

うーん、やはり「鈍器」ですね
これで殴られたらかなりヤバイと思われます(苦笑)
装着されているレンズはAi35mmF2.8sですが
落下のためフィルター枠がわずかに歪んでしまっています。
既に取り外したのですが
それが原因で装着されていた保護フィルターが
全く外れない状況になっていて
かなり時間をかけてフィルターも壊すことなく
何とか外すことができました。
歪み自体は残念ながら修復不可能です。
ただ、ぱっと見にはわからないくらいのレベルなので
フィルターを付けなければ実用上は問題ありません。
ただ、ピントリングが少し軽すぎるともご指摘をいただいているので
それを含めてレンズ側も一通り清掃整備いたします。
まだフィルター外しと現状チェックだけが終わった状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ミノルタSR-2のカメラ修理

今日は「象の日」なのだそうですよ
1729(享保14)年のこの日に
交趾国(現在のベトナム)からの献上品として
清の商人が象を連れてきて
京都で中御門天皇の御前で披露されたのだそうです。
この象は最初、長崎まで船で連れてこられ
そこから歩いて江戸までいったのだそうです。
象も大変だし連れて行く人も大変だったでしょうね
そして途中で上記の天皇午前でのお披露目を行い
江戸では5月27日に8代将軍徳川吉宗が御覧になったのだそうです。
私も子供の頃に動物園に連れて行ってもらって
(広島・安佐動物園)
最もインパクトが強かったのは
象とキリンだったなぁ
どっちもすごく大きくて現実離れした姿でした
でも決して怖い感じではなく目が優しいのですよね
まぁ象もキリンも野生のものを怒らせてしまうと
恐怖以外の何物でもないですが…
動物園も長らく行っていないです
昔から「被写体に困ったら動物園に行け」って言われていますよね
コロナさえ落ち着けば上野やズーラシアに行きたいと思います。

さてさて

本日は「ミノルタSR-2」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ初の一眼レフとして1958年10月に発売されたカメラです。
それまでに次期フラッグシップとして
開発されていたレンジファインダー機「ミノルタスカイ」の
開発を断念しそのノウハウを使って開発されたカメラと言われています。
シャッターはB・1ー1/1000の倍数系列ですが
バルナックタイプのカメラのようにダイヤルを持ち上げて
SSを設定する方式です。SS間の間隔も等間隔ではありません
この辺にちょっと古臭さを感じますが
さすがに1軸不回転ではあるのでSS設定時以外には
それほど違和感はないかと思われます。
レンズ絞りも完全自動絞りではなく
シャッターを切った際には自動で絞り込まれますが
そのまま絞り込んだままになり
巻上時に開放に戻るようになっています。
半自動絞りという感じですね。
そういう部分も含めて操作も楽しみの一つと思えると
時代を感じることができて
魅力なのではないかと思います。
実はSR-2は私のじいさんがニコンFを買うまでに
メインで使っていたカメラで
他のカメラと一緒に引き継いで
今でも私の手元にあり、たまに使っています。
ミノルタらしい使いやすいさとか使用感の良さの原点というのは
このSR-2にあるのだなぁ…と良く思います。
時代なりに不便な点もあるのですが
巻上感の良さとかキレの良いファインダーとかは
後々のミノルタ機に通じるものがあると思います。

お預かりしているSR-2はSR系で心配される
プリズム腐食もなく比較的コンディションの良い個体かと思われます。
ただ60年以上経過しているカメラであり
各部の動きは非常に渋い状態です。
まずシャッター幕軸がかなり厳しい状態のようです。
しゃったーが切れることは切れるのですが
シャッター音がいかにも油切れという
高周波の混じった耳障りな音になってしまっています。
定速SS時には頻繁にミラーアップも起こり
後幕の幕速がかなり落ちていることをうかがわせます。
測定器で測ってみると1/1000は1/250も出ておらず
幕速(速度ではなくシャッターの端から端まで幕が走り切るのにかかる時間)は
先幕が16.33m/s(これでもかなり遅い)
後幕は19.25m/sでした
これではとてもとても精度が出ないと思われます。
幕速を上げるために安易にテンションを上げるのは厳禁です。
それをやってしまうと軸バネに必要以上の負荷がかかり
一時的に数値が良くなってもそのうちバネがバカになって
どうにも調整ができなくなることになるのは確実です。
そうなってしまった個体は残念ながら修理不能です。
まずは現在のテンションである程度の精度が出るように
幕軸や調速カム周りを丁寧に清掃し
古い油や汚れを落とします。
キレイになった上で必要最小限の注油を行えば
バネがしっかり生きてさえおれば
あとは微調整で済む程度にSS精度は復活するはずです。
元々の設定どおりのバネ力でスムーズに動くことを
目指して一通りの整備を行っていきます。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
付属されているオートロッコールPF55mmF1.8レンズは
レンズそのもののコンディションは良いのですが
絞り羽根の動きに粘りがあることと
マウント部に妙に大きなガタがあるため
それらの修理を行っていきます。

SR-2は個人的にも思い入れのあるカメラなので
しっかり整備してご依頼者様にも気持ちよく
使っていただきたいと思っています。

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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「世界ペンギンの日」なのだそうです。
この日の前後にアデリーペンギンが
アメリカの南極基地に現れたことから
基地の科学者たちが「ペンギンの日」として
祝ったことが始まりだそうです。
ペンギンって不思議な生き物ですよね>
鳥なのに空を飛べなくて海を泳ぎ回り
胴体を垂直にまっすぐ立つ。。。
調べれば調べるほどその特殊な生態に驚かされます。
足が短いイメージですが実は胴体の外に出ているのは
骨格上足首より下だけで
身体の中で膝を曲げた状態のまま関節は固定されているのだそうです。
池袋のサンシャイン水族館とかに行くと
泳いでいる姿が下から見上げることができるのですが
その泳ぐ姿はまさに空を飛んでいるようで
水槽越しに見える空やビル群の間を
(サンシャイン水族館はワールドインポートマートビル屋上にあります)
縫って飛んでいるようにさえみえてしまいます。
それを眺めていると
「あぁ~やっぱりペンギンは鳥なのね」と思います(笑)
比較的いろんな場所で見ることのできるペンギンですが
よちよちと陸上を歩いている姿にもなんとも癒されます。
何だかサントリーのビールのCMと
松田聖子さんの「スイートメモリーズ」が脳内再生されてきました。
あのCMのペンギンも可愛いですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
昨日のブログでモデル名の話を少ししましたが
ヤシカフレックスも細かいモデルがいろいろあるのに
表記されるモデル名は基本的に全て「ヤシカフレックス」…
まぁ区別できる人はそれなりにカメラ好き
特にに二眼レフ好きな方ばかりですよね…
私だって資料片手じゃないとモデル判別なんてできませんよ(汗)

お預かりしている「ヤシカフレックス」は
フィルター取り付けがバヨネットで
フィルム装填がセミオートマット
絞り・SSの設定はテイクレンズとビューレンズの間の
左右脇に配置されたダイヤルを使って行い
値はビューレンズ上に表示されます。
シャッターはシチズンMXVで最高速は1/400
レンズはヤシコール80mmF3.5です。
おそらく「新B型(B型後期)」と呼ばれるタイプだと思われますが
良く見かける新B型は「Yashicaflex」の銘板が樽型で
シャッターはコパルなのですね。
おそらく今回のヤシカフレックスは「新B型」の初期モデルかと思われます。
毎回思いますがヤシカフレックスと
キヤノンのバルナック機は
本当に細かいモデルの区別が難しいカメラです。

受付時の状態としてはシャッター羽根に軽い粘り
ファインダーミラーの劣化によるクモリ
レンズ・ファインダースクリーンのカビ・汚れ…と
二眼レフの定番不具合に加え
セルフタイマーを無理矢理動かしたのか
タイマー内部が破損している状態でした。

画像は整備完了後の状態のものです。
シャッターも快調に動作しており精度も申し分ありません。
レンズもかなりクリアな状態になり
ファインダミラーも交換しているので
ファインダーの視野も非常に明るくクリアです。
セルフタイマーはもちろん修理して普通に動作するようになっています。
もちろんピントノブは適度な重さで非常に気持ちよく動作します。
今回はご依頼者様のご要望もあり
外像の貼り革を全て張り替えているので
外観もとてもキレイな状態です。
この春から心機一転して使い始めるのに
ふさわしい1台になっていると思います。

少し様子見をしている状態で時間をおいていますが
もうそろそろ最終チェックを行っていきます。
これで特に問題なければ完成となります。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「植物学の日」だそうです。
植物学者の牧野富太郎さんの誕生日に由来した記念日です。
私も公園で花を撮ることも多いので
ほんの少しは植物についての知識はあるつもりですが
本当に植物やお花の種類の判別は難しいですよね。
特に公園とかに植えられているものは
園芸種だったりで日本固有のものではなかったりもしますから
尚のこと判別が難しいです。
「花だけではなくて葉や茎で判別しなければ
わからないものも多い」ともよく言われますが
それって人間でいえば
顔だけで誰か判断するのではなくて
お尻や足を見て誰か判断しろってことですよね(汗)
いやいや江戸伸介じゃないんだからそれは無理ですよ(苦笑)
すみません、話が少し暴走しました…
ただ今はネットで画像付きでいろいろ調べられるので
随分便利になりました。
よくわからない花を撮ったときには
コンデジで花の形や葉の形がわかる写真をたくさん撮っておいて
帰宅してからPCで調べれば大抵わかりますものね。
でも毎年見ている花や樹木は
できるだけ一目でわかるように覚えたいものです…

さてさて

カメラも古いものでモデル名の刻印とかがないものだったりすると
(特に1950年代、あるいはそれ以前の二眼レフやバルナックコピー)
モデル名の判別が非常に難しいものが多いですね。
それが1960年以降になって一眼レフが市場の中心になってくると
モデル名がボディに大きく刻印されているもがほとんどとなり
とりあえずパッと見にモデル名がわからないというのは少なくなりました。
今日は「キヤノンF-1」のカメラ修理ですが
キヤノンのフラッグシップ機ということもあり
前面に誇らしげに「F-1」の文字が刻印されています。
ただF-1も前期後期でいろいろ部品の変更が行われており
その辺の判別をするにはある程度の知識と慣れが必要ですね。
今回は後期のF-1です。
一番判別にわかりやすいのが製造番号で
50万番台以降は後期のF-1(F-1N)となります。
前期のF-1との違いは内部の細かい部品構成以外にも結構あり

・巻上角の違い
・巻上レバーの形状
・対応できるフィルム感度範囲の高感度側が変更(ASA2000→ASA3200)
・シンクロターミナルがネジ式に変更
・ミラーの反射率の変更
・レリーズボタン受け皿部の形状変更
・ファインダー接眼レンズに多層膜コーティング
・バッテリーチェックボタンが自動復元式に変更
・ボディ背面にメモホルダー追加
・巻き戻しクランク引き上げ時にクリックが追加

細かいことを言うともう少しありそうですが
結構、違いがあるものですね。
もちろん基本的構造や主なスペックに変更はありません。
使っていて一番の違いは巻上角の変更ではないかと思います。
これは巻き上げてみると明らかに
前期と後期の違いがよくわかります。

お預かりしているF-1はご依頼者様が
高校生の頃から40年以上使われている相棒です。
使い込まれてはいますが
丁寧に大切に使われてきたのだということは
よくわかる状態です。
ただ、やはり経年劣化でいろいろなトラブルを抱えてしまっています。
まずはシャッターの先幕後幕の幕速バランスが崩れていて
1/2000は開かない状態です。
1/1000以下は何とか開きますが
やはり後幕が追い付いてしまうような状態で
写真両端でかなり露出差が出てしまう状態です。
1/125以下になるとほとんど気にならなくなります。
露出計は電池入れてSWをonにしてもほとんど反応がありません
いろいろ試しているとたまに動くこともありますが
とても普通に使える状態ではありません。

画像は整備完成後の状態です。
シャッターは幕速バランスの悪さもありましたが
調速カムの設定がかなり狂っていたせいもあり
高速シャッター(特に1/2000)が大きく狂ってしまっていたようです。
露出計不調の原因は露出計本体内部の接触不良が
まず一番の原因でこれはメーター交換で対応しています。
さらにご依頼者様が使用されていた
電圧変換型電池アダプタにも問題があり
上下からある程度押されるとほぼ通電しなくなる状態でした
電圧変換型電池アダプタも
長い間使っているとトラブルを抱えているものも中にはあるので
ご注意いただければと思います。
(その点は無変換タイプの方がトラブルは起こりにくいと思われます)

装着されているレンズはFD55mmF1.2 S.S.C ですが
やはりこのくらいの堂々とした大きさのレンズがF-1には似合いますね。
こちらのレンズはボディとは別に
後から中古で入手されたものらしいのですが
ピントリングがやたらと重く
ヘリコイドが固着気味の状態でした
さらにそれだけでもなくヘリコイドが重い状態で
結構無理して回していた時期があるらしく
一部部品に変形もありました。
もちろんできる限りの修復と整備清掃で
現在は全く問題ない状態に仕上がっています。

ボディもレンズもすっかりリフレッシュされたので
また新たな気持ちで今後も使い続けていただければと思います。

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プリモフレックスのカメラ修理

今日は「シ(4)ジ(2)ミ(3)」ということで
「シジミの日」だそうですよ。
シジミのお味噌汁美味しいですよねぇ…
いわゆる「貝汁」ってどれも美味しいですが
シジミのお味噌汁はその中でもとくに優しい美味しさですよねぇ
肝臓の働きを助けてくれる成分が豊富ということで
二日酔いの朝の定番でもありますが
二日酔いなんてしてなくてもいつ飲んでも美味しいです。
島根県松江市と出雲市にまたがる宍道湖(しんじこ)は
国内で有名な「シジミ」の産地の一つで
私は広島出身で比較的地元に近いこともあり
シジミと言えば「宍道湖」のイメージです。
宍道湖のシジミは日本固有の「ヤマトシジミ」ですね。
宍道湖しじみ館という全国唯一のシジミ展示館があって
そのうち広島に行ったときに足を延ばして
行ってみたいなぁ…と思っていたのですが
昨年、新型コロナの影響もあって閉館してしまいました…
それでも宍道湖・中海周辺は見どころ満載だし
美味しいものもたくさんあるので
大手を振って出かけられるようになったら
是非行ってみたいと思います。

さてさて

本日は「プリモフレックス」のカメラ修理を行っています。
プリモフッレクスは東京光学の二眼レフカメラです。
堅実な造りと使いやすさで数ある国産二眼レフブランドの中でも
非常に人気の高いシリーズです。
これまたプリモフレックスも1950年代の二眼レフブーム時に
いろいろなモデル(11機種)が作られているのですが
この区別がなかなか大変です。
今回のご依頼者様からは2台のプリモフレックスをお預かりしているのですが
1台はおそらく1950年発売の「プリモフレックスⅠA」で
もう1台は1952年発売の「プリモフレックスⅠB」かと思われます。
「ⅠA」はフィルム装填は赤窓式で巻き止めも何もない
シンプルな二眼レフです。
シャッターは「Ⅰ」と異なりレクタスシャッターを搭載し
B・1~1/200のシャッタースピードです
レンズはトーコー銘3群3枚7.5cmF3.5が搭載されます。
「ⅠB」は「ⅠA」のマイナーチェンジ版とも言えるモデルで
フィルム装填が最初の1枚のみ赤窓式で
2枚目以降は巻き止め+フィルムカウンターが装備されました。
シャッター、レンズは「ⅠA」と同様です。

2台とも正直言って受付時には
あまり良いコンディションとは言えない状態でした。
外装も一部部品がない部分等もありレンズやミラーの状態も悪く
もちろんシャッターの動きも悪い状態でした。
そして何よりも両方ともヘリコイドが強烈に固着しており
「ⅠA」は無理矢理回そうとしたのか
ノブが空回りして知っている状態で
「ⅠB」はビクともノブが動かない状態でした。
古い二眼レフではたまに見受けられる症状ですが
これがそう簡単には動くようにはなりません。
溶剤を入れてみたりクリーナーを入れてみたり
油を入れてみたりしながら時間をかけて
少しずつ固まっている部分を溶かしていくしかありません
手間もかかりますが時間も非常にかかる作業です。

何とかピントノブの件はクリアでき
ファインダー・レンズはできる限りの清掃です。
シャッターも一部バネそのものが弱っている部分もあり
できる限りの修復と調整を行っています。
通常の撮影には問題ないレベルには仕上がっています。
外観等はできる限りの修復と清掃です。
それでもお預かり時に比べると
見違えるほどに良い状態になっていると思います。
ちなみに上の画僧の手前が「ⅠA」で、奥が「ⅠB」です。
もう生産されてから70年が経過するのですね。
今のカメラが70年後に整備して普通に使えるようになるか?と言われれば
非常に難しいのではないかと思われるので
シンプルな機械であるこの時代のカメラはやはり素晴らしいと思います。
(それでも長期間放置されたものを
普通に使えるように整備するのは本当に大変です)

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「道の駅の日」だそうです。
高速道路のSAの一般道路版といった感じですが
地方にクルマとかバイクで行ったときに
「道の駅」があるとついつい寄っちゃいますよねぇ
以前は山梨・長野方面に登山目的で
クルマで行った帰りには必ず道の駅によって
果物や野菜を買って帰ったものです。
お土産だけじゃなくて
温泉施設を併設していたり
そこでしか食べられないグルメがあったりして
いろいろ見どころ満載なのですよね!
まぁ今はなるべく遠出したり移動はするなとのことなので
GWでも積極的に「道の駅」があるようなところにも
「行きましょう!」とは言えませんが…
大手を振ってまた行けるようになれば
たくさんお土産買いに行きたいですねぇ~

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
ここを見ているような方にはもはや説明不要だとは思いますが
「M-1」は「OM-1」の元々のモデル名で
「M-1」で発売してすぐにMシリーズを展開する某老舗メーカーから
クレームが入り「OM-1」にモデル名変更が行われたわけですね。
そんなことがあったせいで
ただの「OM-1」の最初期モデルである「M-1」が
ネーミングのせいでプレミアがついた市場価格になってしまいました。
実際に「M-1」とごく初期の「OM-1」は
上カバーのロゴ以外はほぼ一緒です。
「M-1」は1972年7月発売で1973年5月に「OM-1」に改名され
その間に製造されたM-1は約3000台と言われているのですが
実際にはもっと多いと思います。
…というのも意外に見かけるのですよ。
ちょっと大きな中古カメラ屋さんに行けば必ず1台は飾ってあるし
オークション等でも常に出品されていますよね。
まぁカバーだけ替えられた「偽M-1」なんてのも見たことはありますが
それにしても現存台数が多いような気がするので
3000台ってことはないかと思われます。
それでももちろん「OM-1」に比べると圧倒的に少なく
それなりのレアアイテムであることに変わりはありません。

修理する立場で言えば「初期OM-1」も「M-1」も同じことではありますね。
お預かりしている「M-1」はまずは定番のプリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの隙間を埋めるために貼られた分厚いモルトが
加水分解でボロボロになりそれがプリズムの蒸着を侵食してしまいます。
OM-1でファインダー視野下部にモヤモヤした曇りのようなものが見えれば
ほぼ間違いなくプリズム腐食です。
もうこうなるとプリズムは交換が一番間違いない処置かと思われます。
再蒸着という方法もありますが当店では行っておりません。

シャッターは一見正常に動作しているようですが
やはり高速シャッターでは精度は出ておらず
幕軸や底部三連ギア部の清掃が必要な状態です。
もちろんミラー駆動部辺りも要清掃です。

トラブルの比較的多い露出計はとりあえず動作はしていますが
怪しい配線やハンダ付けはトラブル予防の意味も含めて
修復・交換を行います。
その上で今回は1.5Vで最適な値が出るように調整しなおします。
ちなみに1.3Vで正しい値が出ているところへ
1.5V電池で使うと1.5段ほどアンダーを指示することになります。
0.2Vの電圧の高さで指針が振れ過ぎてしまうのですね。

巻上レバーはM-1や初期のOM-1ではよくあるのですが
樹脂の指あて部が劣化で破損してしてしまっているので
交換で対処します。さすがにM-1の巻上レバーは用意できないので
OM-1のもので対処いたします。
組んでしまえば外観では違いは判りませんが
軸とのリンク部分の構造がOM-1とM-1(最初期OM-1)では少し違います。
上の画像にも写っていますが
リンク部が別体でネジ3本留されているのがM-1仕様ですね。

まだ取り掛かったばかりですが
これから慎重に整備に取り掛かっていきます。
以前も書いた覚えがありますが
M-1や初期のOM-1はメーターやプリズムの台座になっている部分の
樹脂部分が弱くうっかりするとグズッと崩れてしまうので
そのあたりは特に慎重に取り扱っていきます。

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ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「地図の日(最初の一歩の日)」だそうです。
1800(寛政12)年のこの日に伊能忠敬が
蝦夷地の測量に出発したことに由来しています。
伊能忠敬さんってもともと造り酒屋を営む商人で
50歳の時に繁盛していた店を長男に譲り
それから測量・天文観測などを学んだのだそうです。
その後、56歳の時に『大日本沿海輿地全図』の測量を開始したのだそうです。
その上、幕府からの資金援助はあまりなく
測量器具や旅の費用のほとんどを自費で賄い計測を行ったということです。
当時の50歳って今と違ってもうほぼほぼ寿命ですよ。
それから勉強して56歳で徒歩で16年間自身で実際に測量を行っているのです。
すごいなぁ…私、現在の50歳過ぎでこんなにヘロヘロなのに…(苦笑)
何事もチャレンジあるのみだということがよくわかります。
頭いかれてなければなぁ…まだもう少し何でもできたと思うのですが…(汗)
まぁ、私は私でできることからいろいろチャレンジしていきます。
仕事が何とかできますからね。それで十分なのですが…
それにしてもこの『大日本沿海輿地全図(伊能図)』の作成は
調べれば調べるほど大変だったのだなぁ…と思います。
この記念日の由来となっている最初の出発時点なんて
本当に気の遠くなるような
終わりの見えない測量の出発点だったと思いますが
伊能さんはどんな気持ちだったのでしょうね
残念ながら『大日本沿海輿地全図』が完成したのは
伊能さんの死後3年後の1821年になってしまうのですが
完成したときの達成感は言葉にできないほどだったでしょうね。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
相変わらず今月もエレクトロの修理は多いです。
「GS」は基本的な構造は初代エレクトロから大きくは変わっておらず
外観も初代とほぼ変わりませんが
このモデルから新コーティングの
「カラーヤシノンDXレンズ」に変更されています。
構成や45mmF1.7の大口径レンズであることは変更なく
シャッターユニットもお馴染みのコパルエレクで
HM-4N電池で絞り優先AE専用機として駆動します。

お預かりしている「GS」は
ご依頼者様のお母さまが元々お使いになっていたもので
何十年もケースに入れた状態で仕舞い込まれていたものとのことです。
ケースに入れたまま保管されているカメラは
ケースの中で湿気をため込んでしまう場合が多く
レンズやファインダーに盛大なカビが発生ていいる場合が多いのですが
今回は乾燥した場所で保管されていたらしく
ケースの内側の状態も悪くなく
レンズには多少のカビが見られるものの大きなダメージはないようです。
ファインダーはさすがに全体的に曇ってしまっていますが
これも何とか清掃でクリアにできそうです。
電池室を開けてみると中からゴロンと当時のHM-4N電池が出てきました
「うわ…これは電池室にかなりダメージあるかな?」と心配しましたが
酷いものになると
完全に朽ちてしまっている場合もある電池室の蓋側は
ほぼダメージはない状態でした。
さすがにマイナス端子側は緑青が発生しており接触も不安定で
それに伴い本体電源も不安定な状態です。
単に電池端子を磨いただけでは改善されず
おそらく端子裏ハンダは腐食して断線寸前でしょうし
配線も最低でも電池室からのものは交換しないダメかと思われます。
電源が不安定で挙動が不安定なため
オート精度等ははっきり確認できないのですが
電子制御的に大きなダメージはないかと思われます。
ケース入れっぱなし、電池入れっぱなしである割には
非常にコンディションの良い状態かと思います。
特に水銀電池は例え液漏れが起こっていなくても
電池自身から出るガスで端子や配線を腐食させたり
電池自身を腐食させたりするものなのですが
今回は運よくそれほどのダメージはないものと思われます。

外装は今度は逆にケースに入れられていたこともあり
非常に良いコンディションです。
もしかしたらそれほど使われていない、あるいは
使っても非常に大切丁寧に使われていたものかと思われます。
それほど外装のコンディションは良い状態です。
この頃のヤシカ独特のギラギラしたシルバーが綺麗です。
個人的にこのシルバーはものすごく好きです。
さすがにフィルム室内のモルトは全滅ですが
やはり湿気は少なかったらしく
ベタベタではなくホロホロに腐食しており
触るとボロボロと落ちていきます。
おそらく内部モルトも同じ状態でしょう
モルト屑が悪さをする可能性もあるので
分解時には隅々までモルト屑の清掃も行います。
まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから分解整備に本格的に取り掛かります。
大事に丁寧に扱われてきたエレクトロを
まだまだ安心して使っていただけるように
隅々までキチンと整備を行っていきます。

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ミノルタSR-3のカメラ修理

今日は「お香の日」だそうですよ
最近は家でお香をたくことなんてめったにないのですが
一時期はいろいろな種類のお香に凝ったことがありました
(まぁ安物ばかりでしたが…(笑))
お香の香りで気分転換もできるし
リフレッシュや癒しにもなるし
なかなか良いと思います。
ただ煙に抵抗がある方だったらお香ではなく
アロマディフューザーとかでもいいかもしれませんね。
そういえば私が子供の頃
うちの実家ではじいさんが
朝夕、しっかり線香をたいてお経をあげるので
常にほんのり線香の香りがしていたなぁ
イヤではなかったけど「仏壇くさいなぁ」とは思っていました。
でも今考えるとあの線香の香りをかぐと
「家に帰ってきた~」という感じがしてよかったのだと思います
もはや仏壇もありませんが家で線香たいたら
ちょっとは懐かしい気分になれるかな…(笑

さてさて

本日は「ミノルタSR-3」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ初の一眼レフカメラ「SR-2」の後継機です。
「SR-2」のデビューが1958年で
「SR-3」の発売が1960年、機能的に変わったのは
シャッターダイヤルがそのまま回せるようになりクリックストップになったことと
スクリーンがスプリットになったこと(翌年モデルではマットに戻った)
着脱式連動露出計ソケットが追加されたくらいなのですが
中身的には「SR-2」の後継というよりは
この2年の間に頻繁にマイナーチェンジを行ない
結構、中身の部品の変更等がされた
「SR-1」の1960年型に1/1000を追加したものが「SR-3」といったほうが
正しいかと思われます。
どちらにしても基本的構造はほぼ同じではあるのですが…

お預かりしているSR-3は製造番号の早さと
スクリーンがスプリットであることから
1960年型のSR-3ではないかと思われます。
ミノルタSR系はシャッター機構自体は非常に丈夫で
このSR-3も全く整備歴はないのではと思われますが
シャッターはとりあえず動作してはいます。
しかしながらたまにミラーアップしたままになってしまいます。
この年代の横走り機でミラーアップとなると
いつも同じことを書きますが
ミラー駆動部が原因ではなく
シャッター幕の走行不良が原因のことがほとんどです。
今回も測定器で幕速を測ってみると
先幕に比べても(先幕も決して速くはない)
後幕の幕速が非常に遅く
1/1000だと写真の両端で
1段以上露出が異なってしまうような状態です。

ということで、分解をここからさらに進めて
シャッター幕軸の清掃注油を行っていきます。
過去に妙な弄られ方をしていなければ
それだけでシャタースピードもおおまかには合うはずです。
あとは幕テンションをほんの微調整程度に調整します。
巻上部にも油切れ+古い汚れがたまっていると思われ
巻上が妙に重い感じもするので念入りに清掃整備していきます。
もちろん最後にファインダー清掃&調整を行って
最組み立てして聴きます。

個人的にじいさんから引き継いだSR-2も持っていて
数年前には状態の良いSR-3も手に入れてたまに使っています。
キチンと整備されたSR機はミノルタらしい
ひじょうに使い心地の良いカメラで撮影する過程が楽しめるカメラです。
今回のSR-3もそういう部分も含めて
完成後には楽しんでいいただければと思います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「職安記念日・ハローワークの日」だそうです。
最近はよくわかりませんが若い頃は
よく通いました…職安…(苦笑)
私、最終学歴が専門学校中退なので
最初の就職から職安のお世話になったのですよねぇ
それで特に20代の頃は短期だったのもありますが
仕事を転々としたのでそれこそそのたびに
しばらく職安に通う日々が続くような状態でした。
今のハローワークだと端末の前に座って
いろいろ募集要項を検索して気になるものだけ
プリントアウトして持ち帰りも可能という感じだと思いますが
私が昔よく通ってた頃は
募集要項は業種別にファイリングされていて
それをパラパラめくりながら希望に近いものを探すという感じでした
今から考えると超アナログです。
たった30年前くらいなのに…(苦笑)
その募集要項の内容もほぼ手書きだったような覚えが…
ただ、おそらくその頃は今よりも
仕事は見つけやすかったと思います。
私の住んでいた田舎でもあまりより好みしなければ
とりあえず正社員で入れるところもいろりおありましたし…
ただあまりに書いている内容の条件が
あまりに良さそうなところは要注意で
そういうところは、まず間違いなく精神的・体力的
あるいは両面からなかなかしんどい仕事だったかと思います。
いわゆるブラック的な会社はその頃もたくさんありましたし…
どちらにしても私は集団行動が少し苦手なタイプなので
最終的にチームワークで利益で上げる会社員には
ちょっと向いてなかったのかもしれませんね(汗)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPもなんだかんだと毎月コンスタントに依頼のあるカメラです。
月によってはOM-1よりも多いかもしれません。
依頼の多い最大の要因は
発売当時に超大ヒットしたカメラで現存台数が非常に多いことかと思われます。
家の物置の奥で眠っていたカメラが「SP」だったというパターンは
非常に多いかと思われます。
現行モデルだった頃に非常に売れたのも
使いやすく優れたカメラだったからですが
現在でもその魅力は全く色あせるものではありません。
M42マウントという汎用性の高いユニバーサルマウントを採用しているため
ペンタックス純正のみならず
世界中のM42マウントレンズを使えるのはやはり非常に魅力的です。
ただし、その汎用性の高いシンプルなマウント故に
絞込測光となってしまうので露出計の使用には慣れを必要とし
場合によっては開放測光よりは使いにくいことも多いかとは思います。
ファインダーも時代なりのもので特別明るいわけでもないですが
ピントの山は掴みやすく
巻上は本来の状態であるならば非常に軽く気持ちの良いフィールです。
(しかしながら未整備のものは異様に重いものが多い)

お預かりのSPは程よく使いこまれた
非常に渋いブラックボディです。
機能に問題あるほどではありませんが
上カバーの角は少し凹み、塗装剥げもあちこちにありますが
いかにも長年使いこまれてきた感があって悪くありません。
お預かり時にもケースに入った状態でお預かりしたのですが
おそらく全盛期にもケースを付けて使用していたと思われ
上カバー周りのキズ、凹みの多さとは裏腹に
底カバー部はそれもほとんどなく非常にキレイな状態です。
当時は純正ケースを付けて使っている方の割合が
今とは段違いに多くこういう状態になっている個体も多いと思います。

保存状態も比較的悪くなかったのではと思われます。
装着されているスーパータクマー55mmF1.8レンズには
カビもクモリもほとんどなく非常にクリアな状態です。
ただしボディ側はファインダーを覗くと
おそらくプリズムとコンデンサレンズに生えていると思われる
結構大きめなカビが目立ちます。
ファインダーを覗いていると意外に気づきませんが
接眼レンズにも盛大にカビが生えています。
電圧変換機能を持つ電池蓋に交換されていて
現在の電池をセットしても1.3Vに変圧されますが
露出計の値は少しオーバー側にズレているようです。
で、お約束の高速シャッターはやはり幕速のバランスが崩れており
幕軸の清掃注油が必要な状態です。
しかしながら定番のミラーアップのトラブルを引き起こすほどには
酷くないものと思われ低速スローガバナーも清掃は必要ですが
今のところ動作に大きな問題はありません。

現状のままでも写真が撮れないほどではありませんが
より長く快適に使うためにはやはり整備が必要な状況です。
分解している途中で気づきましたが
前回の整備が昭和55年に行われていることが記録されていました。
それでも今から40年前です。
当然油は古くなっていますし汚れが溜まっているところもあり
このまま放置しておく、あるいはこのまま使い続けると
新たなトラブルを呼び込み可能性は高いです。
このタイミングできっちりできる限り整備を行っておけば
また当分、安心して使っていただけると思います。

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