月別アーカイブ: 2019年1月

マミヤ35のカメラ修理

1月31日ですね。
つい先日、お正月だ!新年だ!と思ってたら
もう1月も終わりです。
今日は「晦日正月」ですね。
地方によってはお正月最後の日として祝うところもあるようです。
松の内に年始周りをしなかった家を訪ねる日でもあるそうです。
ちなみに「晦日」は「三十日」とも書きますが
いわゆる月末のことです。「大晦日」は「晦日」の中の「晦日」ってことですね。

さてさて

本日は「マミヤ35」のカメラ修理を行っております。
マミヤ35もいろいろな種類がある上に
モデル表記がはっきりされていないので
非常に区別がしにくいカメラなのですが
今回、預かっている「マミヤ35」。。。
調べたのですが。。。よくわかりません(汗)

二重像の採光窓は小さくて
上カバーの形状的には「Ⅲ」かな。。。と思ったのですが
ファインダー窓周辺が少し異なります。
前板にマミヤのマークはなく
シャッターはコパルSVで最高速1/500
もちろんビハインドではなく
通常のビトウィーンシャッターです。
レンズはマミヤセコールF.C.4.8cmF1.9。。。
うーん、該当するモデルが見つからない。。。
まぁ修理すること自体には問題ないのですが。。。

お預かりしている「マミヤ35」は
シャッターに若干の粘り、スローは固着気味
二重像に少しズレがあり。。。という状況です。
修理・整備は必要ですが
全体的に程度は良い状態だと思います。
きちんと清掃・注油して調整を行えば
気持ちよく撮影に使える個体だと思います。

この時代のレンズ固定式レンジファインダー機は
各社しっかり作られているものが多い印象です。
整備性もよいものが多いですね。
最初の写真でもわかりますが
何と言っても質感の高いものばかりです。
マミヤ35シリーズも露出計のない初期のものほうが
今となっては使いやすいかとも思います。

これからまずはシャッターユニットの整備、
その後、レンズ清掃、巻上周り、ファインダー整備と
全体の整備を一通り行います。

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「3分間電話の日」ということらしいですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
公衆電話からの市内通話の料金が3分で10円になったそうです。
それまでは1通話10円で、時間は無制限(!)だったのですね。
ちなみに現在は10円で区域内(市内)で57.5秒です。
(深夜・早朝は77.5秒)
公衆電話には100円玉も入れられるようになっていて
30分話せるから100円玉を握り締めて
よく近所の公衆電話に電話をかけにいきました。。。
中学生の頃は毎晩のように。。。だったと思います(苦笑)
区域内だと市外番号ナシで電話がかけられる(固定電話の場合)ことを
最近は知らない方も多いのだそうです。
私の生まれ育った呉市では市外局番ナシだと6桁でしたが
もう少し田舎に行くと区域内だと4桁でかけられるところも
まだまだたくさんありました。
4桁だと友達の家とか覚えやすくて便利だったでしょうね(笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
キヤノンFシリーズの中では比較的初期のモデルです。
一眼レフで明らかに立ち遅れたキヤノンが
本格的に一眼レフでも存在感を出してきたのは
「Fシリーズ」からだと思います。
Fシリーズ最初のモデルは1964年の「FX」ですが
その2年後の1966年に発売されたのが「FT」です。
この:時代以降のキヤノン機では定番となる
「クイックローディング」を採用し
フィルムの装填は簡単になり
これもその後のキヤノン機に採用され続ける
中央部12%の部分測光を採用したカメラでもあります。
マウントはFLマウントでまだ絞込み測光です。

お預かりしている「FT」はシャッター駆動部の油切れが酷く
1/1000~1/250まではシャッターは切れても
シャッター幕が開きません。
シャッター音も明らかにおかしく
高周波を多く含んだ「キャイン」といった感じの動作音がしています。
(Aシリーズのシャッター鳴きとはまた異なる異音です)
「Fシリーズ」はFXからF-1まで
シャッターの基本的構造は同じです。
この時代のキヤノン機はシャッター油切れが起こると
こういうシャッター音になるものが多いです。
もちろんこのシャッター音がしている状態だと
まず間違いなくシャッターの精度はまともではありません。
ちょっとやっかいな幕ブレーキ部分も
Fシリーズは同じような構造・材質なので
ここがダメだとシャッターにバウンドが起こります。
これもFシリーズで気をつけなくてはいけないポイントです。

今回は懸念される幕ブレーキには問題はないようです。
幕軸の清掃注油はもちろん、スローも固着気味なので
ガバナも洗浄・注油を行った上で調整を行います。
露出計は作動していますがやはり狂いがあるので
調整を行います。
FT、FTbではお馴染みですが
シャッターダイヤルから露出計へ連動する
ノコギリ歯の位置関係もしっかりチェックします。
(意外とズレているものが多い)
一通り整備を行ったあとのテストでは
キヤノンらしい非常に気持ちよく
歯切れの良いシャッター音が復活しました。
やはりこの時代のカメラはきちんと手を入れると
見違えるような動きになりますね。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「衣類乾燥機の日」だそうですよ。
「衣類(1)ふん(2)わり(8)」の語呂合せだそうです。
ちょっと苦しいかな。。。(苦笑)
乾燥機は便利ですよねぇ。。。
私も自宅アパートに乾燥機付きの洗濯機置こうとしたこともあったのですが
いわゆるドラム式洗濯機が洗濯機スペースに
入らないことがわかり断念しました。。。結構大きいのですね。。。
で、今はコインランドリーの乾燥機を毎回使っています。
洗濯物干すのが面倒な上に
室内には邪魔だから干したくないし
朝から夜中までお店にいるから外には干せないし。。。。
(結局、横着なだけなのですけどね(笑))
まぁ、歩いて1分以内の場所にコインランドリーあるから
やっぱりそこで乾かすのが一番効率いいですね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
OM-1。。。元々修理依頼の多いカメラですが
ここ数ヶ月、特に多いような気がします。
軽量コンパクトな一眼レフの代表格なモデルですね。
80年代あたりになると
電子制御技術の進歩もあって
OM-1と同じようなサイズの一眼レフも多くなってくるのですが
やはり最初にこのサイズを実現したOM-1は偉大です。
ただ小さいだけでなくてシャッター音も上品で
巻上のフィーリングも非常に心地よく
非常に質感も高いカメラです。
機械制御シャッター+指針式露出計で
比較的修理が行いやすいというのも魅力です。

とはいえ。。。これまでに他のメーカーが
やってこなかった(できなかった)サイズを最初に実現したカメラなので
これまでの一眼レフにない独創的な部分もたくさんあり
その中には多少デリケートな部分があることも事実です。
今回、お預かりしているOM-1は
シャッターはチャージ状態なのですがレリーズができない状態です。
もちろん巻上もできません。
巻上+レリーズ関連のトラブルはやはりOM-1は多いと思います。
大抵の場合はOM-1ならではの底部三連ギアの
噛みあわせタイミングが何らかの原因でズレてしまうことが原因です。

見慣れていると一目でわかるのですが
明らかにギアの位置関係がおかしなことになっています。
動作が悪いところへちょっとしたタイミングで
ズレてしまったものと思われます。
三連ギアは一度外してキレイに清掃し(注油は厳禁)
正しい位置関係で組みなおします。

これで一応は動くかな。。。と思っていると
シャッターは切れるのですが今度は
ミラーが上がりきらないようです。
高速シャッターだと一見上がっているように見えるのですが
低速やバルブで試してみると
2/3ほど上がったところで止まって
シャッターが走りきるとダウンしていきます。
高速シャッターでもフィルム室側からよく見てみると
シャッターが開いた瞬間に
ミラーの影が思い切り視野内にかぶさっています。
加えてミラーアップレバーを回しても
ミラーアップしてくれません。
おそらくミラー駆動のリンクが外れているのではないかと思われます。

ミラーボックスを外して確認してみるとやはり
ミラーを動かすリンクが外れていました。
しかしながらそう簡単に外れるような箇所ではないのですが。。。
何はともあれリンクは正しく噛みあわせてやり
ミラー駆動部の動きをチェックしていきます。
並行してシャッター周り・巻上部の整備を行い
再組み立てして動きが正しいようであれば
シャッタースピード、露出計調整を行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「国旗制定記念日」だそうですよ。
1870年のこの日に「商船規則」で
国旗のデザインや規格が定められたそうです。
もちろんそれよりもっと昔から「日の丸」は存在し
幕末以降は船舶の国旗としても使われていたのですが
この日より前は明確な規定がなかったのだそうです。
これより以降、縦横比は7対10、
日の丸の中心は旗の中心から旗竿側に
1/100ずらした位置と決められました。
(現在は縦横比は2対3、
日の丸の中心は旗の中心に改められています)
でも日本の国旗ってシンプルでわかりやすくていいですよね。
世界中の国旗見ていると
結構細かいデザインだったり、
とてもパッと書けるようなものではなかったりするものも多いですよね。
まぁ、国旗を改めて書くことなんてまずないのですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
つい先日もありましたよね。
やはり今でも人気の高いカメラです。
前回も書きましたが基本的に非常に丈夫なカメラです。
長い間、しまいこまれていた個体でも
とりあえずシャッターは切れる。。。というものも多いと思います。
しかしながら発売開始から50年経過したカメラです。
とりあえずは動作していても
万全の状態にはほど遠いものが多いと思われます。

今回、お預かりしているFTNも
一通り動作はしているようなのですが
調べていくといくつか問題が出てきました。
まずFTNの大きな特徴のひとつである
「開放F値補正操作」(いわゆるガチャガチャ)
絞り環を一往復させることで
開放F値をボディ側にセットする機構ですが
これが上手く働いていません。
セットされた絞り値はマウント脇の指標に
赤いマークで表示されるのですが
絞り環を回してもこれが全くセットされないか
セットされたとしても最も明るいF1.2にセットされてしまいます。
これでは露出計は当然、正しい値を示すことができません。

さらに開放F値が正しくセットされたとしても
今度は露出計側の精度がズレていて
2段以上オーバーの指示になってしまいます。
加えて露出計の指針もかなり不安定です。
シャッターもとりあえず動作はしていますが
高速シャッターになると先幕・後幕のバランスが崩れているようで
露光ムラが出てしまっている状態です。

シャッターユニット整備、巻上部、ミラー駆動部、
露出計関連、ファインダー、モルト交換等々
各部点検整備一式を行いました。
預かり時に比べても
非常にスムーズに動作するようになったと思います。
この頃のニコン機がいくら丈夫だといっても
さすがに50年経過すると色々な部分が
動きにくくなっているのはしかたがないことです。
新品当時には戻りませんが
なるべく楽チンに気持ちよく動いてもらえるように
整備を行ってあげられればと思います。

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オリンパスエースEのカメラ修理

今日は「コラーゲンの日」ですよ。
人の体を作っているタンパク質のうち
約30%がコラーゲンなのだそうです。
肌に弾力やみずみずしさを保つための
重要な栄養素ですが
個人的には肌のキレイさなんてどうでもよくて(笑)
加齢とともに弱くなる骨や軟骨の劣化を
コラーゲンを取ることで少しでも食い止められれば。。。。
とりあえず豚足とホルモンかな。。。
あぁ。。。焼肉行きたいなぁ。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスエースE」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズの一員で
レンズシャッター搭載のレンジファインダー機ですが
このカメラが一風変わっているのが
レンズ交換が可能なのです。
レンズ構造的にはレンズシャッター機ですが
いわゆるビハインドシャッターで
シャッターはボディ側に搭載されます。
レンズ側はフォ-カルプレーンシャッター機の交換レンズ同様に
レンズと絞り、ヘリコイドで構成されます。
交換レンズは45mm、35mm、80mmの3種類が用意されていました。
エースEはエースにセレン式露出計を搭載したモデルです。

お預かりしているエースEは
ファインダーのクモリがあり二重像が見えにくいことと
二重像のズレがあること以外は
一通り動作はしているのかな。。。と受付時には思っていたのですが
動作確認を行っていると
たまにシャッターが閉じきらないことがあるようです。
チャージもたまに滑ってしまうことがあります。
やはりシャッターユニット内各部の動きは良くないようです。

ぱっと見た感じはこの時代に多い
普通のレンズ固定式コンパクトカメラに見えます。
お預かりしている個体には45mmレンズが装着されていました
もちろん、レンズユニット側の整備も行います。

セレン光電池はやはり劣化が見られ
お預かり時には2段以上のオーバーといった状況でした。
あまり調整しろはないのですが
できる限り調整を行います。
何とかネガ使用時には問題ないレベルにしたいと思います。

まずはこれからシャッターユニットの整備に取り掛かります。
続いてレンズ、ファインダー、露出計と
各部の整備調整を行います。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「日本最低気温の日」だそうです。
1902年1月25日に旭川市で-41℃を記録したそうです。
低すぎてどんな気温なのか想像がつかないですね(苦笑)
それでも昔は寒いのには強いほうだったと自覚しているのですが
6年前にちょっと大きな病気をしてから体質が変わったのか
今はすっかり寒がりになってしまいました。
日本最低気温の日にちなんで
寒い日は温かいものを食べましょうということで
「ホットケーキの日」と「中華まんの日」が
この日に設定されています。
シロップ・バターたっぷりのホットケーキと
熱々のあんまん食べたいですねぇ。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
昨日、紹介したニコマートFTNの後継機ですね。
デビューは1977年。
コパル製金属羽根縦走りシャッターであることに変わりはありませんが
ニコマートに比べると格段にコンパクトになりました。
露出計は+〇-表示のLED式に変更になり
ファインダー内で絞り値も確認できるようになりました。

お預かりしているFMは光線漏れがあるとのことで
撮影したネガと一緒にお預かりしました。
光線漏れのあるコマは視野外のパーフォレーションまで
感光しており、このことからまず間違いなくフィルム室での
光線漏れであることがわかります。
話が少し逸れますが
ご来店時に写真がおかしいということで
スマホにアップしたスキャン画像を拝見することも多いのですが
光線漏れもそうですが、何か撮影結果がおかしい場合
なるべくフィルム上で拝見できればと思います。
話を戻しますが。。。
お預かりしているネガ上に未感光のコマもありました。
これだけだとたまたまキャップをしたまま
シャッターを切ってしまったかもしれない。。。とも思えますが
測定機でシャッタースピードをチェックしてみると
1/1000、1/500でたまにシャッターが開かないことがあるようです。
1/1000は十中八九開かず
1/500は開いても走り始めが1/700、真ん中付近で1/1000
走り終わり付近になると1/3000。。。
スリットがだんだん狭くなっていることがよくわかります。
幕速を見ても先幕の速度が妙に遅いので
先幕の汚れ等でこの症状が出ていると思われます。

まずはこれから分解を進め
シャッターユニットの整備から取り掛かります。
写真はプリズムを降ろした時点でのものですが
電子基板は露出計関連のものしかないので
プリズム上には何もなく
FEに比べるとプリズムを降ろすまでは楽です。
ただし、ここからはSS表示の連動糸等があるため
ミラーボックス取り外しはちょっと厄介です。
さらにFMのLED式露出計は意外と繊細で
特にこの季節、静電気で帯電した手でうっかり
制御部分に触れると簡単に露出計が飛んでしまいます。
こうなるともう修理不可能なので
細心の注意を払いながら分解していきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ゴールドラッシュの日」らしいですよ。
カリフォルニアの川で小さな金が発見され
その話が噂になり「ゴールドラッシュ」となり
カリフォリニアは1年で10万人も人口が増えたそうです。
一攫千金ですか。。。
夢見なくもないですがそうそう簡単なことではないですよねぇ。。。
もはや良い歳だしちまちまと地道に仕事していきます(笑)

さてさて

本日はニコマートFTNのカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは後のFM/FEの前身となった
普及機クラスのシリーズです。
機械制御シャッターのFT系と
電子制御シャッターのEL系が存在します。
FT系の中で最も販売されたのが
FTNだと思われます。
普及機とはいえ当時のフラッグシップ「F」に負けないほど
堅牢性も高く基本的なスペックも見劣りしません。
シャッターは金属羽根縦走りのコパル製です。
シャッターユニット内の速度変更軸が
水平方向なことを利用して
レンズマウント基部にシャッターダイヤルを配置したことが
「F」と比べて操作性の大きな違いになっています。

現存数が多いこともあり
修理依頼も多いニコマートFTNですが
基本的には非常に丈夫なカメラです。
少々のことでシャッターが切れないということにはなりません。
ただし、発売開始から50年経過したカメラなので
さすがに精度は出ていないものが多いと思われます。
今回、お預かりしているFTNは
まず露出計が全く動きません。
電池室にわずかに緑青が見えることから
電池室裏の断線が原因かと思われます。
電池室裏はミラーボックスを外さないとアプローチできませんが
その前に電池室からボディ上部の基板に繋がっている
リード線(黄色・赤色)をテスターであたり
電池室からの導通があるか否かを確かめておきます。
やはり黄色リード線側で全く導通がありません。
露出計そのものは直接電流を流してみると反応があるので
やはり電池室裏で断線してしまっているようです。

電池室裏端子は単純に断線だけでなく
端子そのものが腐食して折れてしまっていました。
部品取りから電池室ごと移植します。

今回のFTNはシャッターは動作していたのですが
先幕の動きが遅く
高速シャッターだと後幕に追いつかれてしまいそうです。
追いつかれると当然、
シャッターは開かないということになってしまいます。
縦走り金属羽根シャッターは横走り機と違い
幕テンション等で細かく調整することはできません。
ただ大抵の場合は汚れ等によって動きが悪くなっているので
金属羽根を清掃すれば正しいシャッター速度に戻ります。
今回ももちろん羽根清掃を行います。
他、シャッターユニット、ミラー駆動部、ファインダー等々
一通りの整備を行っていきます。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「アーモンドの日」だそうですよ。
美容やダイエットに効果があると言われている
アーモンドですが
成人女性の1日の摂取目安量が約23粒なのだそうです。
「1日23粒」ということで1/23は「アーモンドの日」ということです。
1日23粒?多くない?ナッツ類は高カロリーだよ。。。と思ったのですが
1粒10KCalとして23粒で230Kcal。。。
それほどでもないのか。。。でもアーモンドだけで23粒って
意外と食べにくいような気が。。。
アーモンドチョコだったら一箱ペロリと食べられるのだけど。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
私達世代には宮崎美子さんのCMと
「今の君はピカピカに光って~♪」のイメージが非常に強いカメラです。
1980年に発売された絞り優先AE専用機です。
この時代は物品税の関係もあり
絞り優先AE専用、ボディのみで4万円以下とモデルを
各社発売していました。
その中でもかなり売れたカメラだと思います。
やはりCM効果は大きかったのかな。。。

現存する台数が多いこともありますが
キレの良いファインダーと使い心地のよさで
現在でも人気のある1台です。
ただし、電子制御シャッター機なので
それなりに電気的トラブルも起こりやすく
場合によっては修理不能の場合もございます。
加えてそれよりもプリズム腐食の非常に多いカメラです。
プリズム前面にモルトを貼っているせいで
モルトの加水分解によりプリズムの蒸着も剥がしてしまいます。
視野内横方向に黒い帯が出ているものは
ほぼ間違いなくプリズム腐食です。
酷いものになると視野の半分近くが見えなくなります。

今回、お預かりしているX-7も
プリズムの交換がメインの作業です。
腐食のない中古良品と交換いたします。
他、オート・露出計が少々オーバー気味で
シャッター速度もバランスが崩れてしまっているので
そのあたりの整備ももちろん一通り行います。

ミノルタX系の修理でちょっと注意が必要なのは
プリズムが元々無事な個体でも
プリズムを降ろすことによりモルトと一緒に
蒸着も剥がれてしまい結局プリズム交換が必要になる。。。
というパターンが多いことです。
今回のように最初からプリズム腐食であれば
そこにはあまり神経を使わなくても良いのですが。。。

プリズムを降ろすだけでも底部から繋がっている
フレキを外さなければいけません。
各点検整備一式なのでこれからさらに分解を進めいきます。
この時代のカメラになると
この季節、静電気に注意が必要です。
帯電した手で基板を触ると簡単にICがトンでしまいます。

ところでこのX-7はミノルタのロゴが大文字の新ロゴです。
大部分のX-7は小文字の旧ロゴなので
ちょっとめずらしいですね。。。と書いていたら
たった今、新規に修理受付をしたX-7も新ロゴ。。。
あれれ、めずらしいはずなのだけど。。。(笑)

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ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「スイートピーの日」ということですよ。
この記念日、登録・認定されたのが2017年ということで
最近できた記念日なのですね。
スイートピーはこの時期が最も香りが良く
花弁が左右対称で3種類の花びら(旗弁、翼弁、舟弁)からなり
それぞれ1枚、2枚、1枚あることから「121」の1月21日としたそうです。
ちなみにスイートピーの認知度を一気に押し上げた
松田聖子さんの「赤いスイートピー」の発売日も1月21日です。
余談ですが当時この曲が発売になった頃には
まだ「赤いスイートピー」は存在しなかったそうです。
(白・クリーム色・ピンクが主流で赤っぽいものはあったものの
一般的には流通してなったそうです)
でもこの曲のヒットをきっかけに品種改良が行われ
品種改良が始まってから18年後の2002年に
三重県の農家で鮮やかな真っ赤なスイートピーが誕生したそうです。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
「ろうそく1本の光でも写る」ことを目標に開発されたカメラです。
「GS」は「初代」、「G」に続くモデルで
レンズに新コーティングのカラーヤシノンDX45mmF1.7が採用されました。
基本的な構造は初代と変わりありません。
薄暗い場所での精度の高い長時間露光を実現するために
電子制御シャッター「コパル・エレク」を搭載しています。
基本的に絞り優先AEで撮影するカメラで
これはシリーズ全モデル共通です。

お預かりしているエレクトロGSは
非常にキレイな個体です。
わずかなスレこそありますがピッカピカです。
ただし肝心の動作がおかしな状態で
明るい場所で絞りを開き気味にしてシャッターを切っても
暗所警告の黄ランプが点灯し
シャッターは開きっぱなしになってしまいます。
明るかろうが暗かろうが絞り設定がどうだろうが同じようです。
電子制御シャッター機でこんな症状が出ると
まず電子基板不良を疑うのですが
エレクトロの場合はそうでない場合も多いので
まずはある程度分解してみます。

写真には写っていないのですが
エレクトロのシャッターレリーズ部には
厚さ2mmのゴムブッシュが使われています。
これが劣化して潰れてしまうと
オートが全く効かなくなってしまいます。
エレクトロ35は巻き上げた時に内部レリーズ棒が戻る
「カツン」という音が鳴るのが正しい状態ですが
このゴムブッシュが潰れていると
この音も起きません。
お預かり時に音がしないことは確認済みだったので
オート不良はおそらくこれのせいではないかと予想していました。

同時に各接点を入念に清掃します。
電子シャッター機に接点の汚れは大敵です。
もちろん、シャッターユニット整備、レンズ清掃等々も
同時に行います。

そうして組み上げたエレクトロ35GSは
何事もなかったように普通にオート露出ができるようになりました。
露出精度も申し分ない値が出ています。

先日のハーフ17のブログでも書きましたが
この頃のヤシカのギンギラギンなシルバーは本当に良いですねぇ。。。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大寒」です。
寒さが最も厳しくなる頃。。。ということですね。
もちろんお店にいても寒いのですが
それでも昨年に比べれば少し暖かいような気もします。
何だか昨年は銭湯で湯船に浸かっているとき以外は
常に「寒い!」と思っていたような気がします(笑)
本当に寒いのは例年1月26日~2月4日くらいまでらしいので
何とかお手柔らかにお願いします。
全然関係ないのですが色んな方がカバーしている
大寒町(おおさむまち)」って歌がありますね。
私は矢野顕子さんが「SuperFolkSong」でピアノ弾き語りでカバーしている
ヴァージョンしか知らないのですが
妙に聴きたくなってきました(笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
F2のボディに露出計内蔵の
フォトミックファインダーを装着したモデルですね。
先代のFフォトミックと基本的な構造は似通っているのですが
電池室がボディ側に移動され
少し頭でっかち具合が大人しくなった印象ですね。
F2フォトミックは露出計が内蔵されていることは
確かに利点ですがそれだけでなく
シャッタースピードや絞り値がファインダー内で確認できます。
(アイレベルだとファインダー情報は何もナシ)
これは結構大きな違いだと思います。
個人的にはAi化されレンズの絞り刻印を直接読むようになった
フォトミックA等よりも初代フォトミックのほうが
絞り値が読みやすく良いような気がします。

お預かりしているF2フォトミックは
かなり長い間、仕舞いこまれていたらしく
全体的に盛大にカビやサビが発生しています。
当然、あちこちの動きが悪く
とてもこのままで快適に使える状態ではありません。
セールスポイントのひとつである
露出計はやはり不動です。
以前にも書いたような気がしますが
F2フォトミックの露出計不動トラブルの半分以上は
ボディ側電池室が原因です。
今回もファインダー側は精度調整こそ必要ですが
動作はしている状況でした。
F2の電池室マイナス側端子を留めている部分が
プラスチック製なのですが
ここが経年劣化で折れてしまうのです。

シャッターは油切れで動作不良、スローガバナも固着
巻上も油切れ。。。という状態だったので
稼動部分は一通り清掃して注油を行った上で
調整を繰り返します。
写真のレンズは当店所有のもので
もともとは55mmF1.2が装着されていたのですが
こちらは絞り羽根のサビが酷い上に
レンズがカビで完全に白濁していたので
残念ながら修理はあきらめました。
それでもボディ側は快適に撮影に使えるレベルになったと思います。

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