ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「路地の日」だそうです。
日付は「ろ(6)じ(2)」(路地)と
読む語呂合わせからだそうです。
私が子供の頃には妙な路地が近所にも
たくさんあったなぁ。。。
うちの実家もそうだったけど長屋が多くて
その通路がまた細かく入り組んでいて
1日中、日の当たらない路地もたくさんあったし
そういう路地ってなんだか独特な匂いがするんだよねぇ
で、中には、これ本当に通っていいの?みたいな
家の間を縫うような路地も多かったなぁ
またおまけに私の生まれ育った辺りは
平地も少なく斜面に家が建っているような地域だったので
路地に石階段もセットになっているんですよね
またそこが格好の遊び場になるのです。
絶対クルマは入ってこないから意外と安全なのかな(苦笑)
でも階段転がり落ちると逆に大変なことになるのかも。。。
私の生まれ育った町もすっかり人口が減ってしまって
よく遊んだ路地や階段が雑草で覆われて入れなくなってたりとか
そもそも子供が全くいないから
路地で子供が遊んでいる姿なんて見なくなりました。
時代。。。というか時間は移ろいゆくものなのですねぇ
誰もが歳を重ねるとそうかもしれませんが
あの頃の空気感はもう味わえないのでしょうねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
それまでのM42マウントを一新し
Kマウントを採用し生まれ変わったペンタックスの一眼レフシリーズが
「Kシリーズ」です。
1975年6月に「K2」、「KX」、「KM」の3機種が同時発売されて
Kシリーズはスタートしました。
このうち「K2」は完全新設計の金属羽根縦走りシャッターの電子制御機で
「KX」、「KM」がオーソドックスな布幕横走り機械制御のカメラです。
「KX」はM42時代のSP系のカメラをより進化させ
より使いやすく煮詰めていったようなカメラです。
露出計の受光体はSPDに変更され、より反応性が良くなり
ファインダー内露出計表示も2針式で
現在設定されているSS設定と露出計指示値が一目で確認できます。
さらに絞り値もレンズ側の絞り刻印を直読できるようになりました。
メータードマニュアル機としても非常に使いやすい仕様です。
細かいことですがSP時代にはアルミ蒸着だったプリズムが
K2,KXは銀蒸着になりました。
次のMシリーズの登場が比較的早い上に電子化小型化が一気に進んだため
「Kシリーズ」はシリーズ全体としても短命で
ちょっと地味なイメージなのですが
「KX」は非常に使いやすい隠れた名機だと思います
確かにちょっと大きくて重いのが玉に瑕ですが。。。

お預かりしている「KX」は
かなり長い間使われずに仕舞い込まれていた上に
その保管状況もあまりよくなかったようで
いろいろと問題を抱えています。
まず装着されているM42時代のタクマーから
Kマウント化された55mmF1.8レンズは
全てのレンズにびっしりカビが生えてしまっています。
ただ不幸中の幸いはほとんどのカビが菌糸状で
小さく濃く固まったようなものや
クモリを併発しているほどのものではないので
清掃でかなりの部分が除去できるのではないかと思います。
ヘリコイド等は比較的状態が良いようです。
。。。ということはやはり保管場所の湿度は高めだったのでしょうね
カメラ本体側はまずシャッター速度の精度は全く出ておらず
高速域では特にその傾向が顕著に見受けられます。
さらにミラー駆動部の動きが粘りがちで
ミラーがゆっくりとアップしていくような感じです。
つまりレリーズしてから実際にシャッターが切れるまでに
かなりタイムラグがある状態です。
これも放っておくとそのうちミラーが上がらなくなり
シャッターが切れなくなってしまうと思われます。
さらに露出計は電池を入れても全く動かず
ファインダー内SS設定も連動して動きません
(ずっと1/1000の位置のまま)
おまけに絞り直読窓も全く見えません。
うーん、ひとつひとつはありがちなトラブルですが
いろんなことが一通り起こっている感じです。

まだ現状を確認したのみで何も行ってはいないのですが
画像を見てもわかるとおり外観は比較的キレイなのです。
ケースに入れたままだったようなので
湿気もため込んだままだったのかもしれません
使われなくなってからは仕舞い込まれたままで
相当の年月が経っていると思われますが
使っていた頃はかなり丁寧に大切に
使われていたのではないかなぁと思われます。
動きの悪い部分や接触の悪い部分は
しっかり整備すれば治ると思われます。
新品には戻せませんが
現役で使われていた頃と同じような感覚で使えるように
しっかりと整備していきたいと思います。

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