ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「測量の日」だそうですよ。
1949(昭和24)年のこの日に
測量を正確、円滑に行うことを目的とし
基本測量や公共測量の定義などを定めた
「測量法」が公布されたことに由来しています。
あれれ?測量と言えば伊能忠敬が測量に出発した日に
由来した記念日を最近何か書いた気が。。。と思ったら
それは「地図の日」(4月19日)でした。
おお、もう2か月近く前なのねぇ
そういえば、なぜか昔、実家にゼンリンの住宅地図があり
(業務用の呉市内全域をカバーする大きな冊子で
おそらく買うと結構な値段。。。)
小学生の頃にヒマなときはそれをめくって見ているのが好きでした。
家の側を流れる吾妻川。。。上流はどこまで行けるの???とか
逆に海まではどこを通っていくの?とか
クラスの名簿を引っ張り出しては
「あの子の家はどの辺?うちからはどうやって行くの?」とか
「呉市の一番端っこってどこ?」とか
結構、飽きもせずに延々といろいろ調べてたなぁ。。。
おかげさまで地図にはちょっと強くなったかな
未だに実家の近所の道をイメージすると
その住宅地図のイメージも出てくるし。。。
本当にあの頃、覚えたことは忘れないですねぇ
ずっと小学生~中学生の記憶力だったらいいのに。。。(笑
登山に行くようになってからは1/25000地形図の出番です。
これも奥が深いんですよねぇ
見慣れてくると斜面や勾配の様子とかもだいたいイメージできますし
よく行く南アルプス北部や奥秩父、八ヶ岳エリアは
今でも一通り持っています。
まぁ今では実際に現地で見る時はともかく
家にいるならネットで見たほうが早いのですが。。。
何にせよ、地図を見ているのは今も昔も楽しいです。
地図ではありませんが今だとグーグルアースなんて見始めると
これがまた止まらなくなりますものねぇ。。。仕事中は厳禁です(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
「SP」もコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
社会現象となるくらいに売れまくったカメラなので
現存数も圧倒的に多いのだと思います。
当店に修理に入ってくるものは
「中古で買って使ってるもので。。。」というものもそれなりに多いのですが
やはり「SP」の場合は
「家でずっと使われずに仕舞い込まれていたものなのですが。。。」という
パターンが圧倒的に多いです。
今回もそのパターンかと思われます。
レンズマウントというのは多くの場合、そのメーカー独自の仕様で
互換性はないものなのですが
SP…というかこの時代のペンタックス機は
ユニバーサルマウントでもある「M42マウント」を採用し
オールドレンズに少し詳しい方、興味のある方はもちろんご存じでしょうが
世界中のいろんなメーカーのM42マウントのレンズを
そのまま使うことができます。
当然、ユニバーサルマウントなので非常にシンプルなマウントです。
はっきり言えば単純な大きなネジです。
「M42」というのもネジ径の寸法のことです。
普通にドライバーで締めるネジだとM2のネジとか
M5のネジとかいいますがあれと同じです。
ネジ径に加えて絞り羽根動作連動が付いているだけです。
自動絞りでなければ絞り羽根連動もありません。
そういうシンプルなマウントなので
当然、露出計はTTL(ファインダー内測光」といえども
絞込測光となり実際に撮影時の絞りに絞り込んで測光します。
絞りが開放あるいは開放に近い値だとそれほど問題はないですが
F8とかF11とかに絞り込むと当然ファインダーはかなり暗くなり
そのままでのピント合わせは不可能です。
そのあたりが唯一の使いにくい点なのかなと思いますが
M42マウントというユニバーサルマウントを使っている以上
致し方ない部分かと思います。
実際、ペンタックスも後継のSPFでは開放測光に対応しますが
それはM42マウントに絞り伝達機構を追加した
SMCタクマーレンズ使用時のみです。
ややこしいことになるし従来のM42マウント(特にペンタックス以外)
使用時におけるリスクもあるので
やはりM42マウントは絞込測光が潔いと思います。

話が随分逸れてしまいました。
お預かりしている「SP」はその露出計がほぼ不動です。
SWの接触不良及び配線やハンダの導通不良が原因と思われます。
まぁ、いつものパターンです。
そしてこれも定番ですが幕軸の汚れのため
シャッター走行がスムーズではなく
高速時を中心にシャッタースピードの精度は全く出ていません。
今のところ、ミラーアップしたままになったりとまでは
いきませんがこのまま放置していると
間違いなくミラーアップトラブルも出てくると思います。
もうひとつ定番のプリズム腐食は今回はありませんでしたが
やはりプリズムをぐるりと囲む遮光材の加水分解はかなり進んでいて
これももう少し放置しているとプリズムの蒸着まで
剥がし始めていくところだったと思われます。

既に一通りの整備は完了した状態です。
装着しているレンズは当店のテストレンズです。
かなり洗浄を念入りに行い注油もしたので
少し動きが落ち着くまで様子見の段階ですが
ここまで特に問題なく非常にスムーズに動作するようになりました。
外観もできる限り磨き上げました。
経年劣化や油切れ・汚れは当然ながらかなりあったのですが
基本的には保管状態も悪くなく
かなりの部分で当時の姿を取り戻せていると思います。
おそらくご依頼者様にも満足していただける状態に
仕上がっていると思われます。

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