カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「成層圏発見の日」なのだそうですよ。
1902(明治35)年のこの日に
フランスの気象学者テスラン・ド・ボールによって
成層圏が発見されたそうです。
空と宇宙は無段階につながっているのですから、
どこからが空で宇宙とかいう境目があるわけではありません。
それでも一つの目安として
大気がほとんど無くなる100kmから先を宇宙としているそうです。
その中で地上から対流圏、成層圏、中間圏、熱圏と分かれています。
成層圏では気温が一定していて気象の変化がなく
約50kmの厚さで地球を取り巻いている大気の層のことだそうです。
成層圏は雲がなくいつも快晴であり、
ジェット機が飛んでいるのもこの成層圏です。
また、成層圏の中にオゾン層が存在し、太陽からの紫外線を吸収しています。
成層圏と対流圏の境目は対流圏界面と呼ばれます。
(高度は極地で約8km、緯度が低くなるに従って高くなり赤道付近で約17km)
世界一高いエベレストだって地表から8kmちょっとなのに
空はどこまでも高いですよねぇ…
でも成層圏まで約10kmと仮定すると
地表水平面に置き換えると新宿から北は赤羽あたり
南は大井町あたりなのですよねぇ
そう考えると大したことないような気も…(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマート少しひさしぶりですね。
ニコンFの時代の中級機を担うのが「ニコマートシリーズ」です。
機械制御の「FT系」と電子制御の「EL系」に大きく二分され
「FT系」は登場順から「FT」、「FS」、「FTN」、「FT2」、「FT3」が
存在します。
「FTN」は「FT」をベースに開放F値補正操作を取り入れ
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
いわゆるニコンの「ガチャガチャ」ですね。
またニコマートシリーズで初めて中央重点測光が取り入れられています。
現存するニコマートシリーズの中で最も数が多いのが
この「ニコマートFTN」かと思われます。
それだけ大ヒットしたカメラでもあります。
フラッグシップの「F」ほどの造りこみではありませんが
ニコマートFTNも非常に堅牢性の高いカメラです。
コストダウンも行わなければならないためその一環として
コパルスクエアSシャッターを採用していますが
このシャッターユニットがまた非常に丈夫です。
巻上機構やミラー駆動部の丈夫さとも合わさって
このカメラで根本的にシャッターが切れないなんてことは
あまりないと思われるカメラです。
登場して50年以上経過するカメラなので
さすがにシャッタースピード精度は狂っているものも多いですが
全く動かないなんてことが少ないカメラだと思います。

今回お預かりしているFTNも
シャッターはなかなか快調に動いています。
さすがに羽根汚れや駆動部の油切れ等もあり
高速シャッターの精度はイマイチですがそれでも
撮影にそれほど支障が出るほどではありません。さすがですね。
ただし露出計はやはり精度にもズレがあり
若干不安定です。
そして内部モルトも含めモルトは全滅で
光線漏れも起こしているようです。
ファインダーの内部にもモルト屑がたくさん入り込んでいます。
この時代のカメラなのでファインダースクリーンの清掃も
プリズムを降ろして行わないとなりません。
露出計指針の周りにもモルトが使用されており
それの劣化した屑がファインダー内にまき散らされてしまいます。
やはり全体的にも清掃整備が必要な状態ですね。

露出計回路は非常にシンプルでわかりやすいものですが
今回は大丈夫でしたが
マウント側の抵抗に問題を抱えている場合もあり
その場合は少々アクセスが大変です。
ファインダー内SS表示に糸連動もあったりしますが
通常の整備ではそれをあまり気にすることもありません。
シャッターユニットの整備性もよく
前板と一体となったミラーボックスの脱着もやりやすいです。
こういう整備性の良さはさすがニコンといった感じです。
画像はまだ分解に取り掛かったばかりの段階ですが
ここからミラーボックスの脱着、
シャッターユニット、巻上機構の整備と取り掛かっていきます。
見た目も使い心地も武骨な印象が強いですが
信頼性の高い玄人好みのカメラだと思います。

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ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は6月6日、たくさんの記念日が制定されています。
「習い事・芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という言い伝えから
「楽器の日・邦楽の日・いけばなの日」なんてのもありますね
他にも「飲み水の日」、「兄の日」、「かえるの日」
「梅の日」、「ロールケーキの日」、「ワイパーの日」
「ヨーヨーの日」、「恐怖の日」。。。等々
とてもとてもここに書き切れないほどです。
そんな中に「コックさんの日」というのがあって
なんだろう?と思って調べてみると
「かわいいコックさん」の絵描き歌の中に「6月6日」が出てくることから…
ああ~なるほど、すっかり忘れていたけど確かに
「♪~六月六日に雨 ざあざあふってきて~♪」なんてフレーズありましたね!
懐かしいですね!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指し開発された
ヤシカエレクトロ35シリーズですが
その中でも「CC」はシリーズ中唯一の35mmレンズ搭載モデルで
その上「大口径搭載のエレクトロ35シリーズ」らしい
F1.8のレンズです。
まさに「ろうそく1本の光でも写る」というコンセプトに沿った
明るいレンズですね。
ボディもそれまでのエレクトロよりも小型化されました。
大口径レンズというと現代の感覚では
「ボケを楽しむレンズ」という印象が強いと思われますが
この時代の大口径レンズは
「光量の少ない場面でも
できるだけ速いシャッタスピードを確保するため」というのが
主な目的です。
一般的なフィルム感度が100だった時代ならではですね。
加えて「CC」の絞り羽根はかなり特徴的な形をしているので
開放以外では丸に近いボケは期待できません。
このあたりは致し方ない部分ですね。
それでも35mmF1.8レンズというのは現在の感覚でも
かなりの大口径レンズですし高級なレンズであることに間違いありません。
絞り優先機でもありますし、
フィルター等を駆使して
開放でボケ味を楽しんでみるのも良いかもしれません。

お預かりしている「CC」は外観からも
それなりに使い込まれたものと思われますが
それでも近年はかなり長い間、
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
電池を入れてみても電源は全く入らず
バッテリーチェックも反応しません。
電池室を覗いてみると
底部端子には多少緑青も発生ているようです。
以前に長く電池を入れっぱなしにした期間が合ったものと思われます。
おそらくその裏のハンダや配線も腐食しているものと思われます。

シャッター羽根の粘り等はないようですが
絞りの前後のレンズにはかなりカビも発生しています。
こちらは何とか清掃で除去できるレベルでした。
電池室周りの配線・端子を修理して
まずは動作できる状態にして確認してみたところ
オートは接点等の接触不良もあるようで
かなり挙動が不安定です。
これからシャッターユニットの各接点や
マグネットの清掃等を行っていきます。
ファインダーはエレクトロシリーズの特徴で
青みがかかっていて元々少し暗めですが
その上にかなり曇ってしまっていて見づらい状態です。
こちらもできる限りの清掃を行っていきます。

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リコーフレックスⅥのカメラ修理

今日は6月5日で「ろう(6)ご(5)」(老後)
「ろうごの日」なのだそうですよ。
日本の高齢化率(ここでいう高齢者は65歳以上)は
1970年(昭和45年)に7.1%でしたが
2015年(平成27年)には過去最高の26.7%となり
「4人に1人が高齢者」の超高齢社会となっています。
2035年には高齢化率が33.4%となり、
「3人に1人が高齢者」になると推計されているそうです。
私はまだかろうじて高齢者ではないですが
確実に身体が老化しているのはひしひしと感じています。
加えて頭がいかれて身体の一部が不自由になってからは
特にそれを感じてしまいます。
昔は何事も練習すれば練習しただけ上手くなっていたものですが
今は練習しようが運動しようが現状維持すら難しく
それでも少しずつ衰えて行ってしまいますものねぇ
それを感じることが日々多くて何だか悲しくなってきます(苦笑)
まぁ、それを嘆いてもしかたがないので
できるだけ衰えるスピードを抑えるように
これまで以上にいろいろなことに気を付けながら
毎日努力していかなくてはいけませんねぇ

さてさて

本日は「リコーフレックスⅥ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックス自体は1940年頃から続く
二眼レフのシリーズですが
1950年発売の「Ⅲ」以降
一般的に見かける「リコーフレックス」の特徴である
ギアによる前玉回転式ピント調節、
プレスボディー、中枠を外すフィルム装填の形となり
大ヒット商品となっていきます。
日本全体のカメラ生産量の50%以上をリコーフレックスが
占めるほどのベストセラーとなり
二眼レフブームを巻き起こしたカメラでもあります。
今回の「Ⅵ」は1953年の発売で
このモデルから裏蓋ロックが装備されています。
シャッターはリケンシャッターで
1/25・1/50・1/100の3速にBとなっています。
レンズはリコーアナスチグマット80mmF3.5です。

お預かりしている「Ⅵ」は
おそらくかなりの長期間、
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
シャッターは完全に固着しており
レリーズしようとしても全く動きません。
レンズにもカビやクモリがかなり発生しています。
ギアリングのピント調整はこれもお決まりの固着で
かなり強めに力を入れると少し回りますが
あまり無理すると何かしらの部品が破損しそうです。
外装の貼り革は全体の1/4くらいしか残っておらず
ほぼ剥がれてしまっています。
その影響もあり裏蓋部の赤窓は枠ごと欠落して
紛失してしまったようです。
ファインダーミラーは当然ながら腐食が酷く
ファインダースクリーンもカビやクモリが盛大に発生しています。
ファインダーフードの開きも悪く
拡大用のルーペは一部のカシメが破損して
取れかかっているような状態です。

なかなか大変な状況ですが
ルーペのカシメや赤窓は中古良品の部品を使って交換を行い
ファインダーミラーは新品と交換
貼り革も新たに貼り直し
あとはできる限りの清掃と整備で
普通に使える状態にはできるかと思われます。

セルフコッキング等がなく、
巻き止めもないシンプルな構造なので
整備性自体は良好です。
レンズボードからボディ側への連動が一切ないので
ネジ4本で簡単にレンズボードは外れます。
ここからさらにシャッターユニットを降ろして
シャッターの整備を行い
ピントギアは外してレンズも外してレンズ清掃
前玉回転部の清掃とグリスアップを行います。
分解時に半分固体化したような酷い状態のグリスが
たっぷり出てきました…(苦笑)
シャッター羽根は案の定、油滲みによる固着です。
これも羽根は洗浄し、シャッターユニットも洗浄し
駆動部には最小限の注油を行います。
プレスボディーでシンプルな構造ということもあり
ブローニー判を使用する二眼レフの中では
非常に軽量コンパクトなカメラです。
機能も最低限なので使いこなしに慣れは必要ですが
その潔いシンプルさが逆に魅力のカメラです。
しっかり整備して生まれ変わった状態で
ご依頼者様には存分に使いこなしていただきたいと思います。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は6月4日ということで
「虫の日」ですね。
子供の頃は当然のように虫取りにも夢中になって
近所の山や畑に行ってはいろんな虫を捕まえたものですが
いつからか一切触れなくなりましたねぇ(笑
今は虫の出そうなところには
近づきたくないですものねぇ
蝉くらいなら何とか触れるかな…
あれほど何でも触ったり捕まえたりしてたのに
大人になるって不思議ですね(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
Aシリーズで最初に発売されたカメラでもあり
全てのキヤノンAシリーズの基本となるカメラです。
Aシリーズの末期となる「AE-1プログラム」あたりと比べると
電子回路は大幅に変更されて格段に進歩しているのはわかるのですが
基本的なシャッター機構や巻上機構等々の機械的部分は
このAE-1と基本的には変わりません。
AE-1の発売開始は1976年ですが
電子制御回路も当時の最先端の技術を惜しみなく投入しています。
キヤノンがカメラだけではなく電卓やコピー機等で
培った技術の集大成であり制御精度の高さはもちろんのこと
300点以上の部品削減や生産の効率化も実現し
劇的なコストダウンも実現しています。
このAE-1の登場で一眼レフ市場は高機能低価格へ一段と進み
それについてこれなくなった一部のメーカーの撤退が進んだと思われます。

そんな業界のターニングポイントにもなったAE-1ですが
大ヒット商品だったこともあり現存台数は非常に多く
見かけることも多いカメラだと思います。
しかしながら登場してから45年以上経過するカメラであり
長らく放置されているものはそのままでは使えないような
状態のものが多いと思われます。
お預かりしているAE-1はコンディション自体は悪いほうではなく
一通り動作もしているのですが
やはりシャッターの動きが悪い部分があるらしく
1/1000~1/250でシャッターが開き切らないようです。
写真を撮ると片側の一部が黒くなってしまうような状態です。
先幕の動きが悪く、後幕が走行中に追い付いて閉じてしまう状態です。
オート制御時の絞り連動レバーの動きも悪く
露出計もオーバー気味ではありますが安定はしているのに
オート露出は非常に不安定で
シャターを切るたびにバラついてしまうような状態です。
巻上部にも油切れの兆候が見られます。
不思議なのはそれでも定番トラブルといえる
「シャッター鳴き」は起きていないのです。
もちろん分解時にシャッター鳴きの原因となる
ミラー駆動部のギアの清掃注油はしっかりと行います。

当時の最先端の電子制御カメラですが
それでもシャッターダイヤルからの情報伝達には
昔ながらの糸連動が使われていたりします。
そのため上カバーを開ける際には少々注意が必要です。
フレキもふんだんに使われているのですが
それでもAE-1はこの類の電子制御機の中では
かなり整備性は良いカメラです。
フレキやハンダ部にデリケートな部分があることと
このタイプのカメラは作業中の静電気が大敵なので
細心の注意を払って作業を進めていきます。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「測量の日」だそうですよ。
1949(昭和24)年のこの日に
測量を正確、円滑に行うことを目的とし
基本測量や公共測量の定義などを定めた
「測量法」が公布されたことが由来となっています。
いろんな目的であらゆる測量が行われていますし
建築現場等で測量を行っているのを目にすることもありますが
やはり測量と言えば「地図」ですよねぇ
子供の頃にやたらと地図見るのが好きな時期があって
ヒマさえあれば呉市や広島県の地図見てたり
なぜか家にあった呉市の住宅地図なんかも
家の近くを流れている川がどこからきて
どこで海に繋がるのだろう???って思って
一生懸命見ていたのを思い出します。
あんなに正確な地図が普段の生活に普通に溶け込んでいるのも
測量のおかげなのですよねぇ
これも今ではGPSとかも活用されてまた変わっているのでしょうねぇ
よく考えたら今でもちょくちょく
グーグルで地図見たりストリートビュー見たりとかしてるな…
(それも行きもしないところの…)
そういうのが好きなのは本質的に変わってないのかも…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
当時のフラッグシップ機である「ニコンF2」に
露出計内蔵の「フォトミックファインダー」が装着されたモデルです。
フォトミックファインダーの露出計の構造自体は
以前の「Fフォトミック」からさほど変わってはいないのですが
抵抗体の材質が変わって耐久性が明らかに増したことと
電池室がファインダー側でなく、ボディ側になったことで
フォトミックファインダーのデザイン的にも随分と洗練されました。
それでもまた頭でっかち感は少々ありますが
このくらいであれば「武骨でカッコ良い」ニコン的デザインと
納得できると思います。
個人的には迫力のF2フォトミックのデザインはかなり好みです。
(フォトミックS系になるとちょっと頭でっかち感が気になりますが…)
そしてフォトミックファインダーを装着すると
ファインダー内でSS、絞り値が確認できるようになります。
これはやはり便利です。
表示位置も露出計指針の真横でかなり見やすい表示です。

電池室がボディ側に移動したこと自体は良いのですが
F2はその電池室が定番トラブルの原因になっています。
電池室の底部マイナス側の端子を支える基部部分(プラスチック)が
経年劣化の為、脆くなり折れてしまい
電源供給ができなくなるがお決まりのパターンです。
F一桁機で部品破損する箇所なんて非常に珍しいのですが
ここだけはどうにも弱い部分のようです。
それでも現行品だった当時は全く問題なかったのでしょうが
発売から50年以上経ってしまった現在では
この頃のプラスチックはやはりダメですね。
それにこの破損部分はそれなりに常に力がかかる部分のなのも
壊れやすい原因となっています。

これからミラーボックスを外して
まずはその問題の電池室を取り外して
端子基部の修理を行っていきます。
加えてシャッター幕軸や巻上部、ミラー駆動部の整備も行っていきます。
高速シャッターの精度はやはり出ていない状態だったので
このあたりの整備で改善されると思われます。
ファインダー側はファインダー側で
露出計自体もかなり不安定なことと
たまに安定してもかなりオーバー目に指針が指すようなので
抵抗体の清掃等を行って調整を行います。
電池室の件は致し方ないですが
それ以外はやはりさすがF一桁機で
特に駆動部分の金属部品はこれでもかと言わんばかりに
強度の高い部品が非常に高い精度で組付けられています。
分解してみるとそれがよくわかり
毎度のことながら感心してしまいます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「路地の日」だそうですよ。
「ろ(6)じ(2)」(路地)と読む語呂合わせからですね。
路地…密集市街地に形成される狭い道のことですね。
私が生まれ育ったのは広島県の呉市というところなのですが
地形上、平地の少ないところで
私が住んでいたところも斜面に住宅が密集していた地域でした。
で、住宅の間を縫うように人がすれ違うのも大変な
小さな路地や石階段がたくさんあったのです。
そういう路地や階段も子供の頃の私たちにとっては
いい遊び場で、狭くって危なっかしくもあるのですが
クルマは入ってこれないのである意味、良かったのかもしれません。
で、最近、墓参りに行ったついでに
昔、走り回っていた狭い路地や抜け道を歩いてみたりもするのですが
「こ、こんなに狭かったっけ???」と思うところも多いです。
それでもまだ今でも通れるところはまだ良くて
草や木に覆われて通れなくなってしまっているところや
あまりに急な階段で危険なので閉鎖されているところとかも
たくさんあって40年以上の時間の経過を感じます。
でも当時の風情の残った路地や石階段は
懐かしくもあり趣深くもあり何ともいいものですね。

さてさて

本日はオリンパスOM-1のカメラ修理を行っています。
最近は少し依頼の頻度も減ったような気もしますが
それでもまだまだトップクラスで
修理依頼の多いカメラです。
機械制御シャッター機で軽量コンパクトな一眼レフというと
このOM-1かペンタックスMXくらいしか選択肢はないかと思います。
MXはいろいろ気難しい部分も多いカメラなので
使い心地や安心感までトータルするとやはりOM-1が
良いのではないかと個人的には思います。
そんな背景もあって当時も非常にヒットしたカメラで
現存数も多いカメラですが
現在でも非常に人気の高いカメラでもあります。
ただし、他メーカーができない(やらない)
軽量コンパクトさを実現するために
様々な独自性の高い工夫や構造をしている上に
やはりこれだけ製造されてからの年数を考慮すると
華奢な部分も多少はあり
長い間、未整備の個体に関しては
安心して使うためにはやはり整備が必須なカメラでもあります。
そういう理由からも整備依頼が多いのかと思います。

お預かりしているOM-1は
まずスローガバナに名張・固着があり
SS1秒でシャッターを切るとシャッターが開いたまま
完全に止まってしまいます。
もう少し速いSSに設定しなおすと何とか切れてくれますが
低速時の精度は全く出ていません。
さらに高速シャッターに関しては1/1000、1/500時には
シャッターは全く開いていません。
1/250で何とか開きますがこれでも実際に写真を撮ると
写真の片方が少し暗くなると思われます。
シャッター先幕・後幕の幕速バランスが崩れていて
先幕に後幕が追い付いてしまい閉じてしまう状況です。
露出計は2段ほどオーバー目に出てしまっており
ファインダーも曇っています。
定番のプリズム腐食こそありませんが
やはり全体的に整備が必要な状況です。

さらに露出計SWの接触不良もあるようで
たまになかなか露出計が動かないことがあるようです。
スローガバナやシャッターの問題は
幕軸やOM独特の底部3連ギアや巻上機構を
徹底的に清掃しスムーズな動きを取り戻します。
ファインダーに関しては
今回もそうですが接眼レンズのバルサム面のクモリは
残念ながら除去できません。
プリズム面やスクリーン、接眼レンズを
できる限り清掃いたします。
今回のOM-1はMD対応の中期モデルですが
巻上も非常にスムーズに改善でき
シャッターの精度も申し分ない状態に仕上がりました。
これで安心して撮影に使っていただけると思います。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は6月1日…多くの記念日が制定されています。
衣替えに始まり、アユ釣り解禁で「鮎の日」だったり
気象記念日、電波の日、麦茶の日、氷の日、ねじの日…
他にも本当にたくさんあるのですが
その中でもやはり今日は「写真の日」ですね!
1841(天保12)年のこの日に日本初の写真が撮影された。
写真機はオランダから献上されたもので
写されたのは薩摩藩主の島津斉彬で
撮影したのは長崎の御用商人・上野俊之丞だった…とされているでのすが
後の調査で、それ以前にも写真撮影が
行われていたことが分かっているのだそうです。
それでも一度制定したこともありこの日が「写真の日」となっているそうです。
ちょっとしまらない話ですねぇ(苦笑)
でも本当にここ20年くらいで写真にまつわる環境は様変わりしましたよねぇ
いまや普通の人の写真と言えばスマホ写真ですものね…
まぁ気軽に何でも記録に残せるのは良いことだと思いますが…
なかなかそのあたりは微妙な思いです(笑
そんなことを思いながらも
今日も何十年も前のカメラを修理していきます…

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
ここのところペンSの修理が立て続けに入っています。
おかしなものでそれほど普段依頼の多くないカメラが
立て続けに集中してやってくることはこの仕事では多いのです。
そして一段落するとまたしばらく来なくなる…
なんででしょうねぇ
ペンSは1960年の発売で前年に発売された初代ペンの
高級型とされるカメラです。
大きな変更点はやはりシャッターユニットで
初代ペンは2枚羽根のコパル#000でしたが
ペンSでは5枚羽根シャッターとなり
シャッタスピードも初代ペンの4速から
B、1/8-1/250秒の6速へと変更されています。
これで撮影の幅も随分と広がりますね。
露出計も装備されず、当然フルマニュアルで目測式ピントの
シンプルなカメラですが
写真撮影の基本的な知識があれば通常の撮影には
これで十分なのですよね…
こういうカメラで基本的に人の手でできることを
どれほど快適にどれほど自動化できるかが
この後のカメラの発展の基本的な部分ともいえると思います。
開発者の米谷さんのこだわりで
フィルム面積の小さなハーフカメラだからこそ
35mm判に画質で負けないように良いレンズを!ということで搭載された
ズイコーレンズ(ペンSは3cmF2.8)はなかなかの写りで
昔から高い評価が付けられています。

お預かりのペンSは
ペンに限らず全てのレンズシャッター機で定番ともいえる
シャッター粘りが発生しています。
粘って動きが悪いというレベルではなく
今回のペンSの場合はシャッターを切ると
設定したシャッタースピードに関わらず
完全に開いたままで固着してしまいます。
そして次に巻き上げると構造上、閉じるという状態です。
これでは夜間撮影でもない限り
全ての写真が真っ白になってしまうのは間違いないですね。
原因はシャッター羽根、あるいはシャッター駆動部の
汚れや古い油が原因です。
パターン的に多いのは羽根に油が滲みだしてしまい
それが動きを妨げる…という感じです。
何度も書きますがレンズシャッターは
小さなバネ力で薄く軽いシャッター羽根を素早く動作します。
ほんのわずかな汚れや油の付着で簡単に動作不良が起こります。
その上、構造上シャッターユニット内には
機械駆動のための最小限の油は不可欠です。
ただ長い年月の間にそれが羽根に滲みだしてしまうことが多いのです。
シャッターユニット内、及びシャッター羽根を洗浄・清掃し
シャッターユニット内の機械部分には「必要最小限」の注油が必要です。
もちろん、その際にレンズも取り外しますので
レンズ清掃、ピント調整も行います。

そうして一通りの整備をされたペンSは
非常に歯切れよくシャッターも動作するようになりました。
シャッタースピードの精度も全く問題ありません。
レンズもファインダーもクリアになり
安心快適に使っていただける状態になっています。
金属疲労の問題やレンズコーティングの問題もあり
細かいことをあげれば60年前の新品同様とはなりませんが
通常使っていただく分には全く問題ない状態だと思います。
こういうシンプルなカメラこそ
当時の状態に近づけやすいとは思います。
ご依頼者様には快調となったペンSで
存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は5月30日
ご(5)み(3)ゼロ(0)」ということで
「ごみゼロの日」「お掃除の日」「掃除機の日」だそうです。
うちのお店も私の自宅もそうですが
ついつい「まぁ簡単でいいか…」と
適当に掃除を済ましてしまいがちですが
やはり納得いくまでキチンと掃除をすると満足度も高いし
気持ちいいのですよね!
ただ、本格的にやり始めると色んな所が気になり始めて
時間ばかりかかってキリがないのですが…(苦笑)
店のバックヤードとか自宅とか
自分しか見ないところは最近かなり手抜きかも…
明日の定休日は天気もイマイチみたいですし
気合入れて掃除しようかな…

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンシリーズと並んで
ハーフカメラの代名詞的なカメラです。
設計者の安宅久憲さんが「自分の50歳の母親でも撮れるカメラ」という
基本構想を掲げて、とにかく簡単に誰でも撮れることを追求したカメラです。
さらに女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに入るサイズの
小型化を目指して設計されたそうです。
そうして出来上がったオートハーフは
独特のほぼ真四角のフォルムでこの時代のカメラですから
ずっしりとした重さはありますが
レンズの出っ張りもなくポケットやカバンに気軽に押し込める
コンパクトさになりました。
そしてセレン光電池使用の露出計連動のオート露出に加え
ピントは固定焦点、さらには巻上までゼンマイ仕掛けの
自動巻上とまさに「構えてシャッターボタンを押すだけ」という
簡単操作を実現しました。

初代のオートハーフが出たのが1962年で
1965年に出た「オートハーフS」で
セルフタイマーが装備され
シャッターボタンがボディ上部に移設されました。
これ以降のモデルは基本的な構造は共通で
「S」からセルフタイマーを省略した「E」では
前面のアルマイト板装飾のバリエーションが
限定モデルを含むと数えきれないほどになり
現在でもコレクションしている方も多いと思われます。
そして1967年に今回修理を行っている「SE」が発売されます。
「E」をベースにセルフタイマーを追加したものです。
機能的には「S」に戻った感じです。
鏡面シルバーと波紋柄ブラックの二色が発売されました。
シルバーのほうは見かけることが多い気がしますが
波紋柄ブラックはあまり見かけないような気がします。
で、今回の「SE」はその「波紋柄ブラック」です。

高級感に溢れていていいですねぇ~カッコいいです。
画像は既に修理・整備が完了して
少し様子見をしている段階のものですが
お預かり時にはセルフタイマーレバーは破損して
バネひとつでぶら下がっている状態でした。
さらに露出計はセレン光電池の劣化で全く動作しておらず
モルトも当然ボロボロでした。
ただ外装自体は汚れはあったものは
コンディションは悪くなく修理整備して仕上げてみると
かなり酔う状態になったと思います。
ただし、セルフタイマーレバーの破損は
カシメ部から破損しており修復にかなり手間がかかりました。
壊れたカシメは完全には元に戻りませんが
よほど無茶をしなければ大丈夫な状態にはなっていると思います。
オートハーフでは定番のトラブルである
セレン光電池の劣化は今回は中古良品のセレンとの
交換で対処しています。
オートハーフのセレンも十分に起電するものが
なかなか手に入りくい状況になってきました…
他、シャッターユニット、巻上機構の整備や
レンズ、ファインダーの清掃等一通りの整備を行い
安心して使っていただける状態になっております。

毎度思いますがオートハーフの真四角のデザインはいいですよねぇ
他のカメラとは全く異なりますものね…
見るたびに集めてみたい衝動に駆られますが
これこそまさに沼にハマるパターンなので我慢しています(笑

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「こんにゃくの日」だそうですよ。
日付はこんにゃくの種芋の植えつけが5月に行われることと
「こ(5)んに(2)ゃく(9)」と読む語呂合せからだそうです。
低カロリーなうえに食物繊維が豊富で
体内の老廃物を外に出す働きがあるそうです。
昔からお腹の掃除をしてくれることが知られていて
「砂おろし」「砂払い」「胃のほうき」などと呼ばれていました。
そういえば子供の頃、ばあさんに
「砂が出ていくけぇ、こんにゃく食べんさい!」って
よぉ言われちょったわ。。。(笑)
子供の頃はあまりこんにゃく好きじゃなかったんですよねぇ
ぐにゃぐにゃした食感も味も…
これも大人になってお酒飲むようになってから
好きになった食材のひとつですね!
やっぱり「おでんの具」のイメージが強いですね。
しっかり味の染み込んだ板こんにゃくに少し和からしを付けて。。。
やっぱり合うのは日本酒ですよねぇ~
あ、芋焼酎も捨てがたいか…(笑
そんなことを考えていたら
今日は「真夏日」だって予報も出ているのに
熱々のおでんが食べたくなってきました…
エアコンで冷えてしまった身体に染みそうですねぇ(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
ここのところ本当にSP系の修理が多いですねぇ
高速シャッターが開かなかったり
写真の一部が黒くなったり
ミラーアップしたままになったりと
定番のトラブルがいくつかありますが
今あげたようなトラブルはどれも長い年月の間に
積み重なった汚れや変質してしまった古い油等による
動作不良が原因でとにかく内部をキレイにして
最小限の注油を行うことでほとんどの場合、改善されます。
最終的には若干の微調整はもちろん必要ではありますが…

今回お預かりのSPも
高速シャッターの精度不良が確認されています。
ただ今回はそれに加えて
他にもいくつかトラブルを抱えてしまっています。
まず、底部電池室の蓋ががっちり固着してしまい
力任せではビクとも外れません。
あまり無茶すると蓋を舐めてしまいますので
溶剤を使って時間をかけて根気よく
サビや緑青で固着したネジ部分に染み込ませます。
今回もこの蓋を外すのに1日以上かかりました。
まぁ付きっきりというわけではありませんが…(苦笑)
当然、これだけ固着しているぐらいの状態なので
電池室内の端子や電池室裏側の接点はボロボロで
全く通電しない状態で露出計は動きません。
端子や接点は磨き、ハンダをやり直して
抵抗なく電流が流れる状態にしていきます。
さらに今回はファインダーのフレネルレンズが
一部変質していてこれは中古良品と交換で対応します。

さすがに簡単に撮った画像ではわかりにくいのですが
中心から少し離れたところに放射状に何か所か
シミのように変質してしまっています。
今回はさらに激しく黄変もしてしまっています。
同じようなパターンで変質してしまっているフレネルを
SPではたまに見かけます。
原因はなんなのでしょうねぇ…たまにしかみかけないので
どれでもなるような類のものではないと思いますが…
余談ですがSPはいわゆるスクリーン部は
コンデンサレンズ側の底面にスリガラス加工が施され
そこがスクリーン部となります。
今回変質している部分はフレネルレンズのみの部分となります。
この後の時代の多くのカメラは
フレネルレンズ側にスクリーン加工が施されるようにあり
加えて透明なコンデンサレンズが組み合わされるようになります。
(プリズム側に凸レンズ加工が施されて
コンデンサレンズがないカメラもあります。)
フレネル+スクリーンがさらに明るいものが開発される時代になると
コンデンサレンズは省略されるようになります。
話が逸れました…
これからシャッター周りを中心に各部の整備を行っていきます。

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コニカⅢAのカメラ修理

今日は「花火の日」なのだそうですよ。
ちょっと季節的には早いのでは?と思ってしまいますが
1733(亨保18)年ののこの日に
隅田川の両国橋付近で水神祭りの川開きが行われ
慰霊を兼ねた花火が打ち上げられ
これが「両国川開きの花火」の始まりであり
この記念日の由来になっています。
「慰霊を兼ねた」とありますが
この年は全国的に凶作に見舞われ
大飢饉になったうえに
コロリ(コレラ)が大流行して多くの死者が出たのだそうです。
現代も新型コロナの影響で
昨年、一昨年と多くの花火大会が中止となってしまっており
近年は私も行けてなかったのですが
昔は毎年見に行っていたお気に入りの「宮島水中花火大会」は
一時的中止や延期ではなく「打ち切り」となってしまいました。
全国的にも今年もまだ諸手を挙げて
「通常通り開催」とはいかないでしょうが
少しずつでも以前と同様に戻ればいいですね
でもコロナとは関係なく
私ももう人でごった返す花火大会には
なかなか足が向かないような気がします。

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
1958年発売の「Ⅲ」の派生モデルで
「生きているファインダー」と言われた
「パララックス/画角自動修正機能付
採光式ブライトフレームファインダー」を搭載しています。
「生きている」は今となってはちょっと大げさな気はしますが
当時としてはパララックス自動補正は画期的でもありました。
個人的にはそれよりも贅沢に巨大なプリズムを使用した
非常に見えの良いファインダーそのものが魅力だと思います。
さらに等倍ファインダーなので右目でファインダーを覗き
左目で同時にファインダー視野外まで見ることができます。
慣れてくるとファインダーを覗いている感覚は薄れ
普通に見ている視野にブライトフレームが浮かんでいるように見え
視野外が確認できると便利なスナップや
動く被写体の場合は本当に重宝します。
ファインダー以外の部分は基本的に「Ⅲ L2」とほぼ同一で
セイコーシャMXLシャッターを搭載し1/500~1s・Bをカバーします。
レンズは通常のⅢと同じ48mmF2搭載機と
50mmF1.8搭載機が存在します。
基本的には「Ⅲ」なので前面レバーで
ダブルストロークする独特の巻上も共通です。
使い心地も含めて非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「ⅢA」は
まず巻上レバーが動作できたりできなかったりしています。
巻上できる時の巻上の重さも非常に重く
何かしら部品の変形が起きているような感触があります。
巻上が何とか完了してレリーズボタンを押しても
シャッターは全く動きません。
羽根固着あるいは羽根駆動部の固着が原因かと思われます。
レンズ・ファインダーにカビも発生しており
全体的にも整備が必要な状況です。

シャッターユニットは羽根の固着もありましたが
チャージ機構の固着がそれ以上に重症です。
チャージカムが変形気味で上手く動かないところへ
無理に何度も巻上を行っていたとみられ
ボディ側の巻上カムにも変形がみられ
これが巻上不良の一因となっています。
幸い普通に動作できる程度には修正できるほどの状態でしたが
あまり大きく変形していると
修理不可能の可能性もありました。
ファインダーに使われている巨大なプリズムは
内部には腐食等も見られず良好な状態です。
表面やミラー部に発生しているカビ等の清掃を行い
距離計の調整を行えば非常に快適な見え具合になると思います。

ある程度、現在の不具合の原因と対策が固まったところで
本格的に修理・整備に取り掛かります。

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