カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「日本三景の日」だそうです。
松島と天橋立と宮島ですね!
そりゃ私は広島出身だから
宮島は子供の頃から何度も何度も行ってますし
なくなったのは寂しいですが
宮島水中花火大会に大人になってからも何度も行きました。
花火と紅葉のイメージが強いですが
1年中いつ行っても楽しめます!
で、他の三景、松島と天橋立には行ったことがないのです…
東北は未だに足を踏み入れたことがないので
(埼玉・茨城より北に行ったことがない(苦笑))
松島はもちろんのことで
天橋立も京都の日本海側なんて行ったことがないので
当然ないわけですね…
ただ天橋立は昔、じいさんが行ったことがあるらしく
子供の頃に家に大量の絵ハガキがあったのですね
だから何となく行ったような気になってしまっているかも…
自分の股の間から覗くのですよね。
何となく真似してなぜか音戸の瀬戸でそれやったなぁ(笑
松島も天橋立もそのうち行ってみたいですねぇ
その前に随分宮島にご無沙汰なので
気候のいい頃にまた行ってみたいですねぇ

さてさて

今日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
デミシリーズはキヤノンのハーフカメラのシリーズ名です。
初代デミが発売されたのが1963年で
その後、当時アグファが開発した「ラピッドシステム」に対応した
デミラピッドを1965年に発売します。
このデミラピッドを通常の35mmフィルム版としたのが
1966年に発売された「デミEE17」です。
初代デミと比較すると
まず露出は基本的にシャッタスピード優先オートとなりました
(マニュアルも可能)
受光体はセレンからCdsに変更となり
当然ながら水銀電池を必要とするようになりました。
レンズは大口径の30mmF1.7となり
CdSがセレンに比べて低輝度で強いことも合わせて
光量の比較的少ない場面でも対応できるようになりました。
機能面を充実させた半面、シンプルな初代デミに比べると
少し大きく重くなり本来小ささが武器のハーフカメラとしては
少し大柄となってしまいました。

お預かりしているデミEE17は比較的外観もキレイで
電池をしれれば精度はともかくとしても
露出計も作動しています。
ただし、またもやレンズシャッター機のお約束で
シャッター羽根が固着してしまっており
レリーズボタンを押してもうんともすんとも言いません。
チャージ状態から全く動かない状態なので
巻上もロックがかかったままです。
何も動かせない状態なわけですね。
ただ、露出計は精度はともかくとしても
とりあえず動いています。
ファインダーはかなりキレイで
フィルム室のモルトも交換された形跡があるので
簡単なメンテは行ったのではないかと思われます。
ただこのままではどうにも使えないので
やはりきちんと分解して
シャッターユニット内の整備と
シャッター羽根の洗浄を行わないとなりません。

まだ現状チェックを行っただけなので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
操作感の非常の良い巻上げレバーがあるせいか
デミシリーズは他のハーフカメラに比べて
(ハーフカメラは巻上がダイヤル式のことが多い)
何だか上品な印象がしますね。
個人的にもかなり好きなカメラです。

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マミヤ35クラウンのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ
もうすっかり桃のシーズンですよねぇ
山梨県は桃の生産量が日本一で
全国の桃の生産量の約33%を占めています
こちら(都内)のスーパーとかで
売られている桃のほとんどは山梨産ですね
ちなみに生産量の2位は福島、3位は長野と続きます。
私の生まれ育った広島に住んでいると
「桃」は岡山産のイメージが強いのですが
こちらだとさすがに見かけません。
やわらかくてとにかくジューシーな白桃も
適度な硬さと歯ごたえがある黄桃も
どちらも美味しいですよねぇ
白桃は熟してしまうとグズグズになりがちですが
あのグズグズになった頃がまた美味いのですよねぇ
軽く冷やして手早くいただくのが
この季節にぴったりですね。
あぁ、ついこの前も買って食べたばかりなのに
こりゃ今夜もスーパーで買って帰りそうです(笑
甘くない少し酸味の強い白ワインと合わせると
これがまた美味さ倍増ですよねぇ
あぁ、こりゃ白ワインも買って帰るな…(笑

さてさて

本日は「マミヤ35クラウン」のカメラ修理を行っています。
マミヤ35シリーズは1949年発売の「Ⅰ」から始まり
1950年代のまさにレンジファインダー搭載レンズシャッター機の
全盛期にたくさんのモデルが出ています。
「Ⅲ」までは単にローマ数字のモデル名でしたが
その後、「S」、「S2」、それから
今回の「クラウン」、「エルカ」、「メトラ」…と
モデル名にニックネームが付いていきます。
ただし…このモデル名、ボディに刻印されていないのです…
ボディに刻印されているのは基本的に「Mamiya」の名のみです。
この時代にはありがちな話ですが
モデルの判別は相当詳しい方か
何か資料を見ながらでないと困難かと思われます。
私は修理屋なのでこの時代に多いレンズシャッター機ということであれば
モデルが何であろうと作業自体にはあまり関係ないのですが
モデル名が正確にわかっていないと困る
中古カメラ屋さんとか大変だな…と
このマミヤ35やキヤノンのバルナックタイプを見るたびに思います。
今回の「クラウン」は1958年発売のカメラで
シャッターユニットは当時最高級のセイコーシャMXLで
最高速は1/500です。
レンズはセコールF.C 4.8cmF1.9の大口径タイプです。
レトロな外観が何とも魅力的なカメラです。

お預かりしている「クラウン」は
まずシャッター羽根が全く開きません。
巻上げてレリーズボタンを押すと
小さく「チッ」という作動音はするのですが
実際には羽根はピクリとも動きません。
レンズシャッターお決まりの羽根固着かと思われます。
それはいつものことなのでまぁ良いのですが
今回の「クラウン」は
ピントリングがガッチリ固着していて
ビクとも動きません…
こちらのほうがかなり厄介なことになりそうです。
もちろん無理に力任せで回そうとするのは厳禁なので
ヘリコイド部が露出するところまでバラシて
気長に少しずつ処置していくしかないと思います。
先日、ミノルタオートコードでも同じような修理がありましたが
これ、手間も時間もかかるのです…

外観はなかなかキレイな状態です。
レンズ・ファインダーにはやはりカビ・クモリがあり
こちらももちろんできる限り清掃していきます。
まだ現状をチェックしただけの状態で
これから本格的に分解整備を行っていきます。
シャッターユニットはどちらにしろ
降ろして整備しますが
まずはヘリコイド部の固着解消から取り掛かりたいと思います。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「光化学スモッグの日」だそうです。
1970(昭和45)年のこの日に
東京都杉並区で日本初の「光化学スモッグ」が発生したとされています。
東京立正中学校・高等学校において
グランドで体育授業中の生徒が
突然、目の痛みや頭痛などを訴えて倒れ
生徒43人が病院へ運ばれ、
東京一円でも多くの人が目やのどの痛みを訴えたのだそうです。
それ以前にも近畿や四国、関東などで
農作物の斑点などの被害があり
光化学スモッグによる被害はあったと考えられているのだそうです。
原因は工場や自動車の排気ガスなどに含まれる
窒素酸化物や炭化水素で
日光に含まれる紫外線より光化学反応を起こして変質し
オゾンなどが発生するのだそうです。
夏の暑い日の昼間に多く、
特に日差しが強く風の弱い日に発生しやすいのだそうです。
まさに今日のような天気ですねぇ
私の生まれ育った町は田舎なのであまり縁がなかったですが
子供の頃はニュースとかでよく光化学スモッグ警報なんてのを
よく見聞きした覚えがあります。
現在は昔のように頻繁に注意報・警報は発令されていないようですが
それでも東京都の場合、昨年は延べ6日、注意報が発令されているそうです。
なににせよ、空気はキレイでないと怖いですよねぇ
都会の空はいつも少し霞んだように見えているような気もしますが…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートEL系を前身とするニコンの中級機
電子制御シャッター+絞り優先AE機です。
もちろんマニュアル露出も可能で
2針式の非常に見易い露出計と充実したファインダー情報で
マニュアル露出でも絞り優先AEでも
使いやすさが魅力のカメラです。
もちろんこの時代のニコン機なので
F一桁機ほどではありませんが信頼性も非常に高く
普通に使っていればそう簡単に壊れるカメラではないと思います。
それでも機械モノは「ある程度の頻度」で使い続けることが大事で
長期間放置されているものだと
トラブルを抱えてしまう個体も数多くあります。
電子制御機ということで機械制御のFMに比べると
敬遠されることの多いカメラかと思われますが
電子部品のトラブルはかなり少ないほうで
それよりも機械的なトラブルのほうが多いかと思われます。
それは機械制御のFMも同様です。

今回、お預かりしている「FE」も
随分長い間、眠っていたものと思われます。
装着されている50mmF1.4レンズや接眼レンズやプリズムには
あちこちに大量の株が発生しており
レンズのピントリングは重かったり軽かったりで動きにムラがあります。
グリスが一部固まってしまっているのですね。
ボディ側は電池を入れるとバッテリーチェックは反応し
露出計もまずまずの値を示します。
それではとシャッターを切ってみると
明らかにシャッター羽根の動きが緩慢な感じで
案の定、ミラーアップしたままで固着してしまいます。
電気的な問題がある場合もFEはよくミラーアップしたままになりますが
その場合はミラーアップだけして
シャッターは作動しないのがパターンなのですが
今回の場合はシャッターは動作するのですが
その後のミラーダウンが行われない感じです。
シャッター速度の設定にも変化がない様子です。
何よりも機械制御シャッターであるM90やバルブでも同じ症状です。
…ということはまずは機械的なトラブルですね。
汚れ等が原因でシャッター羽根の動きが悪いものと思われます。
それを解消した上で電子制御部分に問題があるかはどうかを
判別しないと何とも言えない状態です。
露出計の様子とかを見ている分には
電気的な問題はなさそうな気もしますが…
こればかりはやってみないとわかりません

まだ現状をチェックしたのみの状態です。
それでもおおまかにどう進めていけばよいかの
イメージはできたのであとはひたすら実行するのみです。
FEはさすがに数えきれないほどこれまで触ってきたカメラですし
「直りそう」「これはダメかな」の判断も
比較的しやすいカメラです。

おそらく今回も問題ないレベルまで仕上げられると思います。
ボディ側よりもとにかくネジが固くて
開けにくいレンズのほうが苦労するかもしれません。
まずはボディ側から集中して取り掛かります。

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ペンタックスMGのカメラ修理

今日は「虹の日」だそうですよ
なな(7)い(1)ろ(6)」(七色)と読む語呂合わせと
梅雨明けのこの時期に
空に大きな虹が出ることが多いことからだそうです。
確かにこの頃に虹を見かけることが多いですねぇ
最近は豪雨がざーっと比較的短時間で降った後
一気に晴れることも多いので
尚のこと、虹が出やすいような気がします。
ところで虹の七色ってパッと言えますか?
よく七色っていうけど何色だっけ?と思って調べたら
国によっても違うらしいのですが
日本では一般に、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色とされるそうです。
虹って写真で撮ろうとすると
意外と淡くって難しいのですよねぇ
それもフィルムだとなおさらで
だいたいがそんなフィルムカメラ持っているときに
タイミングよく虹に巡り合えるか?という問題も。。。(苦笑)
私も実はまったく撮ったことないわけではないですが
うまく撮れたことがないですねぇ(汗)

さてさて

本日は「ペンタックスMG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラで「ペンタックスMシリーズ」としての
最終モデルともなります。
…ということは当店で修理できるペンタックス機としては
最も新しいモデルとなるわけです。
絞り優先オート専用機で「MV1」の後継機となります。
「MV1」でかなり簡素化されたファインダー情報は
MEと同等以上となりそれでも価格はエントリークラスであり
技術や電子化の進歩がよくわかります。
大きさはMシリーズらしいコンパクトなもので
プラスチックを多用していることもあり
非常に軽く仕上がっています。
ちなみに余談ですが
CMキャラクターは歌手デビュー前の早見優さんで
この「MG」のCMがテレビCMデビューでした
世代ど真ん中なのでこれは覚えていました(笑

お預かりしている「MG」は
ME系のカメラお約束のミラーアップしたまま固着の状態です。
このままだとオートが動作するのかどうかも
全く判断できないので
まずはミラーアップを解消して他の機能を
チェックすることになります
ミラーアップしたままなので
基本的にファインダーは真っ暗なのですが
強い光をマウント側からあてると
隙間から少し光が入り
うっすらぼんやりとファインダー内の様子がわかるのですが
そんなよく見えない状態でもはっきりわかるほど
ファインダー中央に濃い縦線が1本は入っているのがわかります。
プリズムが腐食してしまっているようです。
これは交換で対処いたします。

ME系のミラーアップは横走り機でよくある
シャッター幕の走行不良等の原因ではなく
ミラー駆動部のゴムリングブッシュが溶解して粘着質となり
そのブッシュが巻かれている部品の動きを
妨げていることが原因です。
今回も少々の力では全く動かないほどに固着していました。
溶解したゴムブッシュをキレイにこそぎ落とし
溶剤でキレイに清掃し
代用のプラスチックブッシュをはめ込みます。
MGは内部回路も随分効率化されているのですが
MEで採用されていたミラーボックス脇の配線ソケットが
省略されたせいでミラーボックス脱着に
MEの倍くらいのハンダ作業が必要となってしまっており
なかなか面倒なカメラです。
部本点数が減った代わりに手間がかかるようになったわけですね。
さらにME系はお約束の内部モルトが
いたるところに使われていて
もちろんそれもベタベタに劣化しているので
それも全てキレイに剥がして張り替えます。
意外といろいろ手間のかかるカメラです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は7月15日、いわゆる「中元」で「お盆」なのですが
本来は旧暦の7月15日なのですよね
日本では明治6(1873)年にグレゴリオ暦(新暦・太陽暦)を採用し
その際に新暦7月15日に盆を行うことを原則としたのですが
日本の多くの年中行事は旧暦を基にしていたため
年中行事によっては新暦の採用によって
季節が合わなくなるものも生じたようです
(七夕なんかもそうですよね)
特に新暦の7月15日が農繁期にあたる地域では
著しく支障があったため地方によってお盆の時期に違いがみられるようになり
新暦8月15日をお盆(月遅れ盆)としている地域が多いのだそうです。
私、こっち(関東)に来るまでは
お盆は8月15日前後で全国的なものと思っていたのですが
東京は7月15日なのですね。こっちに来て初めて知りました。
東北・北陸地方の一部もそうなのですね
他にも沖縄・奄美などでは旧暦7月15日としており
新暦に直すとお盆の日程は毎年変わり、時には9月にずれ込むのだそうです。
同じところにずっと住んでいると
当たり前と思っていることが日本国内だけでも
こんなにいろいろ変わるものなのですねぇ
私も広島から登用に来た時に
意外なものが常識で通用しなかったりで困惑したことが
たくさんあったような気がします。
まぁ、でもお盆はやっぱり全国的にも
8/13から8/16ですよね。
またお知らせいたしますがそのあたりは当店もお休みの予定です。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
少しの間、OM-1の修理入ってこないなぁ…と思っていましたが
やはりありますね。
機種別でみると当店では圧倒的に多いのがOM-1の修理・整備です。
1972年7月に「M-1」として発売開始となり
1973年5月に「OM-1」に」改名されます。
オリンパスとしてはこれ以前に「FTL」という
「M42マウント」の一眼レフ機を発売していましたが
実質的な35mm判一眼レフ機としては
このOM-1が最初といってよいと思います。
他メーカーに比べると参入がかなり遅れましたが
実は一眼レフ機というだけの括りであれば
ハーフ判一眼レフの「ペンF」のほうが早い登場で
1963年に発売されています。
この時期だと他メーカーも一眼レフに参入し始めたばかりの頃ですね。
孤高の存在でハーフ判ブームもあり
好調だった「ペンF」も60年代末になると人気に陰りが出始めます。
それでついに35mm判の一眼レフ、「OM-1」の登場となったわけです。
後発メーカーですから
独自性をより高めて…というのもあったと思いますが
「OM-1」はそれまでの一眼レフの「大きい・重い・うるさい」を
徹底的に排除する方向で開発されました。
それが他に類を見ない「軽量コンパクトさ」と
シャッター音の「静かさ」を実現させました。
今聞いてもOM-1のシャッター音は何とも上品で
耳障りの良い音です。
で、個人的には巻上の感触が相当好みです。
抵抗感のない軽さではなく
独特の「シャリッ」とした手応えのある巻上で
何ともはや気持ち良いのですよね…

話が逸れました。
お預かりしているOM-1は
かな~り長い間、どこかに仕舞い込まれていたものと思われます。
保管状態自体は悪くはなく
接眼レンズやプリズムに多少のカビの発生が見られるものの
装着されていたF.ズイコー・オートS50mmF1.8には
フィルター部以外にはほぼカビもありませんでした。
しかしながら長期に放置していると
OM-1は例のモルト加水分解を原因とする
プリズム腐食が起こってしまいます。
今回も例外ではなく見事にファインダー視野下部に
腐食痕が見えています。
そして上カバーを開けてみるとベタベタになった
モルトがプリズムに貼り付いてしまっていました。
もうこうなると交換しかありません。
さすがにこれだけ動かされていないと
シャッター等の動きも悪くなっています。
動作しないわけではないのですが精度は全く出ていません。
スローガバナにも粘りが見られます。
電池室からは当時の水銀電池が入ったままとなっており
電池室の状態が心配されましたが
思ったほどのダメージではなかったのが不幸中の幸いでした。
もちろん露出計も再調整が必要です。

フィルム室に4本スタッド、プリズム留めは4本のバネ
露出計制御回路には「低照度自動警告回路」が組み込まれています。
かなり初期のOM-1でほぼ中身はM-1と同様のものです。
マウントネジはプラスで
巻上レバーはOM-1のものに替えられてたりで
やはりM-1とは異なる部分もありますが
どちらにしても1972年から73年初頭に生産されたものかと思われます。
M-1や初期OM-1は使われている樹脂部品の強度が
経年劣化で脆くなっているものが多く
非常に慎重な作業を求められます。
メーターや基板、接眼レンズ部が一体となった枠部分は
交換が効かない部分なので特に慎重に作業します。
中期以降のOM-1ではそれほど気を遣うこともないのですが…

これから本格的に分解整備を行っていきます。
おそらく何十年ぶりかに撮影に使わられる個体かと思われます。
それまで見てきた時代と全く異なる現代の風景を
レンズを通して調子のよくなったボディで
またフィルムに焼き付けてほしいものです。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ひまわりの日」だそうですよ
…といっても正確には植物の「ひまわり」ではなく
人工衛星の「ひまわり」です。
1977(昭和52)年のこの日に
日本初の静止気象衛星「ひまわり1号」が
アメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げられたことに由来しています。
もちろん気象衛星「ひまわり」の由来は
植物の「ひまわり」で
常に太陽を向いているヒマワリのように
地球の方向を向いているという意味からきているそうです。
私が子供の頃、天気予報で
「「ひまわり」からの画像です」って言いながら
日本列島にかかる雲の写真が出てくるのが
毎日のように目にする光景でした。
最初の「ひまわり1号」は
1989年(昭和64年)6月30日に昭和が終わるのを見届けるように
運用を終えたのだそうです。
2号以降は鹿児島県の種子島宇宙センターから
打ち上げられていて
現在、運用されているのは
2014(平成26)年10月7日に打ち上げられた「ひまわり8号」であり
2015(平成27)年7月7日より運用されているそうです。
また、2016(平成28)年11月2日に「ひまわり9号」が
すでに打ち上げられており
2022年から運用を開始する予定であるそうです。
ひまわりの名も代々受け継がれているのですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産ダイキャストボディの二眼レフを
代表するカメラといってよいと思われます。
ミノルタは二眼レフに非常に力を入れていたメーカーで
1937年には「実質的に」日本初の二眼レフといえる
ミノルタフレックスⅠを発売しています。
ミノルタフレックスはⅢ型まで発展し
ミノルタコードにモデルチェンジされ
さらに1955年にミノルタオートコードにモデルチェンジされます。
写りの評価の高いロッコールレンズ
シチズンシャッター、ハラキリ型とも呼ばれるピントレバー
セルフコッキング+スタートマーク式のセミオートマットで
フィルム装填も巻上も確実簡単
フィルムの平面性を考慮し、上から下へ巻く方式
ざっと思い浮かぶだけでも
非常に数々の利点や優れた部分が思い浮かぶカメラです。
実際に手にしてみても上から露出設定が確認でき
左手はボディを支えたまま
ほぼ右手だけの操作で巻上から撮影まで
スムーズにこなせるよく考えられた操作系となっています。
私も祖父から引き継いだオートコードLを持っていますが
いつ使っても使い勝手の良い二眼レフです。

お預かりしているオートコードは
オートコードの中でも1番人気のⅢ型です。
オートコードとしての最終モデルにもあたり
レンズコーティングも新しいタイプになり
220フィルムにも対応しています。
外観も非常にキレイな個体で
シャッターも精度はともかく普通に切れています。
ファインダーは少々汚れがありますが
それほど大きな問題があるほどではございません。
ただ、ピントレバーが全く動きません。
完全に固着してしまっています。
二眼レフのピント調整の固着は
オートコードに限らずよくあるトラブルで
発売されてから60年以上経過することもあり
かなり長い時間をかけて「がっちり」固着してしまっているものも多いです。
これを無理に動かそうとしても
ほぼピントノブやピントレバーを破損して
取り返しのつかないことになり頭を抱えるのがオチです。
特にオートコードは経年劣化もあり
ピントレバーそのものの強度が落ちていることもあり
無理すると簡単に折れてしまいます。
動かない、あるいは動きにくいものを
無理して動かすのは古い機械に対しては厳禁です。
でも「力」で何とか動かそうと思う方が多いのも事実で
オークションサイトとかを見ていると
レバーの折れたオートコードを割とよく見かけます。
それも絶対に気づいているはずなのに
それには一切触れず「状態は画像で確認してください」となっています(苦笑)
酷いものになると折れた部分が見えにくいような
(それでもクレームになるからギリギリで見えるような絶妙な角度)
アングルで商品写真を撮っているものもあり
本当に信用ならないなぁ…と苦笑いするしかないようなものも
よく見かけます。
すみません、話が逸れました
…というわけで無理してレバーが折れてはならないので
慎重にばらしてヘリコイド部の固着を解消することから始めます。

ヘリコイド部までたどり着くのは結構大変で
完全にレンズボードは外してしまわないといけません
で、ヘリコイド部そのもの(一番内側の金リング部)は
全く固着していなくて
その線条ヘリコイドを動かす銀リング側が
(ピントレバーが噛みこむリング)が
完全に固着してしまっています。
直接、力で動かそうとしてもビクともしません
無理に動かすのは厳禁なので
溶剤を入れて固まった古いグリスを溶かしながら
焦らずに気長に少しずつ動かします。
数時間そうこうしているうちに
やっとボロンと銀リングが外れました
外れさえすれば表面を清掃して磨き上げ
グリスを薄く塗りスムーズに動くように再組立てします。
こういう作業はなかなか時間がかかる上に
時間が読めません。
でも焦るとロクなことにならなりません
短気を起こして強引に作業…なんてもってのほかで
イライラしてもいけません
時間さえかけてゆっくりやれば
必ずどこにもダメージを与えずに外れると
信じて作業を行います。
なかなか根気のいる作業です(苦笑)

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ
私も今年から毎年ちゃんと受けようと思って
2月に行ってきました。
これは勝手な個人的な持論ですが
人間の身体の「自然界での」本来の耐用年数は
50年くらいかと思っているのですね。
それが医学の進歩なんかで「人生100年時代」とか
言っているわけです。
でも本来の耐用年数である50年を過ぎると
何が起こっててもおかしくないので
自覚症状の有無にかかわらず定期的に
しっかり検査できるところはしようと思った次第なのです
で、早速2月の人間ドックで
重篤なものではないものの新たな問題等が見つかり
現在もその治療の後処理が少し続いている感じです。
しかしながら、これもお金のかかることで
どこまでやるかは微妙なものがありますし
保険適用外だから結構な値段になるのですよねぇ
でも他の何でもない自分の身体のことだから
ここにコスト掛けないわけにはいかないですものねぇ
もう単純な健康診断くらいじゃ
不安を隠せない年齢になってしまった…ということですね。
古いカメラやクルマやバイクと一緒ですね。
ちゃんと動かすためには手間もコストもかかると…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
1971年発売開始のカメラで通常のF2ボディに
露出計内蔵のフォトミックファインダーを装着したモデルです。
発売初期だったとしても私より二つ年下です。
しかしながら改めて思いますが
カメラはこうやって50年前くらいのものが
家にひっそり眠っていたりするのですよねぇ
冷静に考えたら50年前のものがまだ家にあるなんて
凄いことかと思うのですが…
例えば私の身の回りでカメラ以外で50年前から
未だに家にあるものなんてレコードと
子供の頃のアルバムくらいしかありませんよ
それだけカメラは当時の高級品で
大切に扱われてきたということでしょうね
ただ、比較的場所を取らないから
物置や押し入れの奥深くに
眠ったままになりやすいというのもあると思いますが…
例えばクルマとかだったら
普通は真っ先に処分されるでしょうし…
(維持費もかかりますし…)

お預かりしているF2フォトミックは
これもかなり長い間、押し入れか何かの奥で
眠っていたものだと思われます。
ファインダーやレンズはかなりのカビが見受けられ
電池室には古い電池が入ったままになっていて
真っ黒な状態でコロンと出てきました…
それでもさすがはF一桁機、シャッターだけは比較的元気に
動作しています。さすがに精度は要調整ですが…
真っ黒に変質した電池が入ったままの状態だったので
当然のごとく露出計は電池を入れ替えても動きません。
電池室の接点自体はそれほどダメージはないのですが
接点を留めている樹脂部分が劣化で破損してしまっています
F2では定番のトラブルです。
ここを樹脂で支える構造にしてしまったのは
この時代のニコンらしくない部分ですね。
かなりの高確率で劣化により破損します。
他の部分、特にシャッター周りはF同様に
非常にオーバークオリティーな部品の集まりで
かつ部品精度も非常に高いので
少々何があっても大きなトラブルは起きないだろうなと
毎回のように思います。
この電池室樹脂部破損は毎度のことなので
対処する方法もわかっていて大きな問題ではなく
手早く処置を行ったのですが
場所がせまっ苦しいところなので
取り付けミス等で短絡していないか必ず途中でチェックします。
電池室周りでの短絡はなかったのですが…
巻上レバーSWオンで電圧がかかるのは問題ないのですが
巻上レバー格納でSWオフとなっても
ほんのわずかに電圧がかかっています。
これもF2でたまにある症状で
巻上レバーに連動する底部SWの絶縁不良です。
開けてみるとやはり結構な緑青が発生していて
これが原因で絶縁不良になってると思われます。
SWプレートを全部ばらして磨き上げて
再組立てしたところ症状は収まりました。

シャッター周りは動作しているとはいえ
古い油や汚れで動き自体は悪くなっているので
もちろん一通りの整備・調整を行いました。
次はファインダー部です。
接眼レンズもプリズムもカビだらけです。
まぁ、一番ひどいのは
スクリーンのコンデンサレンズでしたが…(苦笑)
ガラス・レンズ類はとにかくできる限りの清掃です。
いろいろと問題の原因となる
摺動抵抗はやり過ぎない程度に優しく清掃しておきます。
(やりすぎると抵抗体自体が剥がれてしまいます)
これからファインダーも組み込んで
露出計の微調整も行います。
あとは付属のレンズを清掃して完成となります。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は7月11日…
まさに「セブン・イレブンの日」ですね。
昔からそりゃよく利用していますが
今でもお店から一番近いコンビニが
セブンなので毎朝、立ち寄っています。
お弁当もおむすびもパンもスイーツも美味しいですよね
最近出た「お店で揚げたカレーパン」も
ふかふかもちもちでめっちゃ美味しいですよ
そういえば私が生まれ育った町に
最初にセブンができたのが確か中学生くらいの頃で
深夜に家を抜け出しては
友達と落ち合って徘徊するのが楽しかったころですね(笑
で、そのセブンが家から歩いて20分くらいのところにあったので
最終的にそこに行ってカップヌードルを買ってお湯を入れて
そのセブンの裏にある小学校のグラウンドで食べるというのが
パターンだったなぁ…
深夜に普通に小学校に入れるなんて
やっぱりいろいろゆるい時代だったのですねぇ
「あいててよかった」とか
「セブンイレブン、いい気分」なんてキャッチフレーズも
すっかり過去のものになってしましました。
もともと営業時間が7時ー11時だったから
「セブンイレブン」だってことももう知らない人も多いですよね
コンビニひとつでも時間の流れを感じますねぇ

さてさて

今日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフです。
1976年発売でペンタックスMシリーズの最初のモデルでもあります。
Mシリーズ全体として
「小型軽量化」、「電子化」、「システムの充実」を目指し
同様のコンセプトで先行するオリンパスOMシリーズを
かなり意識したものでした。
「Mシリーズ」はこの「MX」以外は
電子制御化が推し進められ、さらに外装パーツのプラスチック化も
進められていったのでこの後に出てくるモデルでは
さらに軽く小さく仕上げられて行きます。
しかしながら機械制御横走りシャッター機としては
このMXやオリンパスOM-1のサイズが最小クラスだと思われます。
このサイズを実現するために両者とも
非常に多くの部分に工夫と苦労の跡が見受けられます。
当然、犠牲になっている部分もあり
現行モデルの頃であればそれほど問題にならなかったと思いますが
やはり十分な大きさや重量に余裕のあるカメラと比べると
華奢な部分は多く、整備性に悪い部分も多いです。
それでも実際にフィールドに連れ出すと
この軽さと小ささはやはり魅力的だな…とも思います。
そのあたりのバランスをどこでとるかなのでしょうね

お預かりのMXは精悍なブラック塗装で
外観はなかなかキレイな部類だと思います。
一応動作はしている状態なのですが
やはりあちこちで動きの悪い部分があるようです。
まずはSP時代からペンタックス横走り機に多い
シャッター幕走行不良を原因とするミラーアップです。
後幕がスムーズに走らないため
きちんと走行が完了できずミラーダウンに
リンクできないために出る症状です。
これが出るということは
当然、高速域のシャッタースピードは全く精度が出ていない状態です。
さらに露出計はかなり不安定です。
さらにその不安定とは別の原因で
レリーズボタンを押した際にホールドされるはずの
露出計電源SWがホールドされず
指を離した瞬間にオフになってしまいます。
巻上レバー基部の部品に一部破損もあるようです。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
一通りの整備が完了し少し様子見をしている段階です。
巻上レバー下プレート部は中古良品の部品と交換で対応しています。
他はシャッタ幕軸の清掃、ミラー駆動部の清掃
ファインダー清掃、SS調整、露出計調整等々
一通りの整備を行っています。
当初のトラブルは全て解消できています。
SSの精度も非常に安定して確保されています。
この後、最終チェックを行い必要であれば微調整を行って完成となります。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「潤滑油の日・オイルの日」だそうですよ。
「OIL」(オイル)を反転させると
「710」に見えることからだそうです。
なるほど…よく考えますね…
ここのブログ本文でも良く書きますが
注油は大切ですよね。
滑りをよくして動きが良くなるのも当然ですが
動くってことはほんのわずかに隙間があるってことで
その隙間を上手く埋めて動きをよくしてくれるわけですね。
当然、それも古くなれば性能が落ち
動きをよくするどころか
かえって動かなくなる原因となることも多々あります。
何だか人間関係みたいですねぇ(笑)
その場合、潤滑油にあたるものは
話題とかなのか共通の趣味・仕事なのか
あるいはお金なのか、それとも人そのものが潤滑油なのか
考え方は人それぞれですが
新しい潤滑油が適量常にあることは大事ですよね。
機械にも潤滑油の差し過ぎは厳禁ですが
人間関係も同じですね
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ってことですね
昔からよくわかっていることなのですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っております。
昨日・一昨日と前身モデルにあたるニコマートFT系の
修理を行いましたが
今日はその後継機にあたる「FM」です。
信頼性の高い「機械制御シャッター機」ということで
現在でも非常に人気の高いカメラです。
マートELにあたる兄弟機は電子制御機の「FE」ですね。
ニコマートシリーズに比べると
非常にコンパクトになりました。
…とはいえOM-1あたりと比べると
やはりある程度大きくて重いのですが
ニコン的には「このくらいの大きさ・重さは必要」
ということなのだと思います。
ニコマートシリーズと同じく
F一桁機ほどではありませんが
ニコンらしい堅牢で信頼性の高いカメラです。

お預かりしている「FM」は光線漏れが起こるということを
受付時に伺っておりますが
それは単純にフィルム室のモルト劣化かと思われます。
それよりも少々心配なのは
高速シャッターが精度不良な上不安定なことと
露出計が不安定でたまにちらちら点滅していることです。
シャッターはおそらく羽根の汚れ等が原因かと思われますが
露出計のほうは何らかの接触不良かと思われます。
今回はそこまでの問題はなかったのですが
FMの露出計はLED式です
このLED式っていうのがちっと曲者で
制御部分にトラブルが起きると修理不能になることが多いのです。
特にFMのLED制御部は他メーカーに比べても
少し脆い部分があるので要注意です。
この季節はあまり心配ないのですが
整備時にも注意しないと静電気で帯電した指なんかで
制御部にうっかり触れてしまうと一発で壊れてしまいます。
そしてそうなった露出計はもう修理不可能です。
随分以前の修業時代に何度か痛い目にあいました(汗)

シャッター動作不良はやはり羽根の汚れが原因で
これはシャッターユニット整備+羽根洗浄で
全く問題ない状態になりました。
露出計の動作不良のほうは実際に作業に取り掛かろうとすると
症状が出なくなり「困ったな…」と思っていたのですが
先に行ったシャッター整備時のミラボックス脱着の際に
電池室をチェックして気づいたのですが
電池室の一部が破損していました。
それも電池室側からは見えない部分です
これが原因で電源供給が不安定だったことが原因だったようです。
電池室は部品取りから中古良品と交換して対処いたしました。
その後、かなりしつこくテストを繰り返しましたが
症状も確認できないので大丈夫かと思われます。

余談ですが上の画像に装着されているレンズは
ニッコールオート(もともとは非Ai)ですが
純正Ai改造がされていて
露出計連動もファインダー内絞り表示(直読式)も可能です。
FM/FEは連動爪が倒れるので非Aiレンズも装着可能ですが
使い勝手を考えるとAiレンズのほうが圧倒的に良いです。
古いニッコールオートでも純正Ai改造されていると
圧倒的に便利ですよね
とても良いレンズだと思います。

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ニコマートFTnのカメラ修理

今日は7月9日で「な(7)く(9)」(泣く)
「泣く日」だそうです。
40代後半からやたら涙腺が脆くなったのか
映画でも漫画でも
なんならカープの試合でも
やたらと泣けていたのですが
言われてみればここ1年ちょっとは
そういうこともほとんどないような気が…
まさか!頭やられてからそういうとこも鈍くなったのか???(汗)
まずはカープが泣けるような試合を
たくさんしてくれないとわかんないな(笑)
まぁ、昨夜はかなり劇的な展開でしたが。。。
それはさておき
泣くことはストレスを解消したり
免疫力を高めるなどの効果があるといわれています。
大のおっさんがおんおん泣いているのは
かなりみっともないですが(笑
まぁ誰にも見せることなく
一人の時ならそういうのもいいと思いますし
確かに感動して泣いた後って
妙にスッキリしますし
感動して涙が出るくらいだから
そのときはストレスも吹っ飛んでますものねぇ
少し前に「涙活」なんて言葉が話題になりましたが
ちょっと何か「泣けるネタ」を
仕入れておかないといけませんねぇ…

さてさて

今日は「ニコマートFTn」のカメラ修理を行っております。
昨日が「FT2」だったのでその前のモデルです。
FT系は基本的な機械部分はどのFT系モデルでもほぼ同じようなものです。
追加機能というか露出計周りの機能や
ちょっとした小変更でモデルの違いがあるという感じです。
「FTn」は前モデルの「FT」に
開放F値補正操作を採用し
絞りリングを往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました
FTだとレンズを装着するたびに
そのレンズの開放F値をダイヤル等で設定する必要があったのですが
「FTn」だと装着時に絞りリング往復させるだけで
ボディ側にそのレンズの開放F値が伝達できるようになりました。
ニコンユーザーの中では有名な
いわゆる「ガチャガチャ」という動作です。
これはニコマートだけではなく
ニコンFフォトミックも「FTn」であれば同様ですし
F2フォトミックであればAi対応のモデル以外は全て同様です。
ニコマートEL系もAi対応のEL2以外は同様です。
他は細かい部分ですが露出計の測光方式が平均測光から
中央部重点測光に変更されています。

お預かりしている「FTn」は昨日の「FT2」同様
ボディマウント部にある「マイラー抵抗」に問題があるようです。
お預かり時には「露出計不動」ということで
お預かりしたのですが
全くの不動ではなく動いたり動かなかったりしているようで
さらに動いているときにはそれなりの値を示したかと思えば
完全い振り切ったりしてしまいます。
昨日も書きましたが露出計が動かなくなるのは
電池室まわりの配線不良の可能性も高いのですが
露出計が動いているときに振り切ってしまうのは
「マイラー抵抗」の劣化、あるいは接触不良が原因です。
要はブラシで接触する摺動抵抗なので
その「アタリ」が悪かったり抵抗の表面が汚れていると
指針を振り切ってしまうわけです。
今回もシャッター周りにはほとんど問題はないようです。
やはりコパルスクエアは丈夫ですね。

まだ現状を確認しただけで
これから本格的に整備に取り掛かっていきます。
詳しい方はお気づきかもしれませんが
FTnでも比較的後期のものかと思われます。
巻上レバーに指あてがついていて
セルフタイマーレバーもFT2のタイプのものです。
ついでに申しますと
スクリーンが途中で追加された
スプリットイメージ(A型)のものになっています。
「A型」スクリーン仕様のものが追加されたのは
1971年8月以降なのでこれもそれ以降のでモルと思われます。
本来なら「A型」スクリーン搭載機には
巻上レバーの飾り蓋に「A」のシールが貼られているのですが
剥がれたから剥がされたものと思われます。

まずはこれからミラボックス脱着まで一気に行い
電池室周りのチェックとシャッターユニットの整備から
行いたいと思います。

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