フジカ35-SEのカメラ修理

今日は「柿の日」なのだそうですよ。
柿の実がなっているのを見ると
「あぁ、もう秋も深くなってきたなぁ。。。」と実感するのですが
23区内に住んでいるとなかなかそういう季節感は味わえませんね。
単純に気温と風でしか季節を感じない。。。
まぁ、こればかりはしかたがないか。。。(苦笑)
それはともかく柿のしっかり歯ごたえのある
ほんのりとした甘さも良いですよねぇ
一昨年は食べた覚えが歩けど昨年は食べてないな。。。
こういう記念日で思い出したときに
スーパーで買っておきましょう。。。
そういえば生まれ育った家の隣に
小さな頃から柿の木があって
この季節はうっかり下に落ちている実を踏んでしまって
靴が汚れるのがイヤだったなぁ。。。(笑)

さてさて

本日は「フジカ35-SE」のカメラ修理を行っています。
フジカ35シリーズは1950年代後半から
1970年代まで生産販売された
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
搭載されるフジノンの写りの評価が非常に高く
今でも根強い人気のあるカメラです。
35-SEは前身となる35Mや35MLを基本としますが
セレン光電池使った露出計を搭載し
シャッターの最高速が1/1000になったモデルです。
搭載されるフジノンレンズは4.5cmF1.9です。
フジカ35シリーズは操作系もなかなか独特で
巻上レバーは底部に配置され
ピント合わせは背面上部にあるダイヤルで行います。
巻戻しクランクも上カバーの側面に配置されます。
いわゆるライトバリュー式で
SSリングを回すとが絞りリングも連動して動き
一度設定したLV値を保持しようとします。
絞りリングは単独で回せますが連動範囲内でロックがかかります。
採光窓下にあるレバーを押しながら絞りリングを動かすと
連動外の絞りまで動かすことができます。

お預かりしている35-SEも
かなり長い間眠っていた個体のようです。
動作確認してみるといろいろトラブルがあるようです。
まず絞り羽根は粘っている上に一部外れてしまっています。
後で分解したときに思いましたが
このカメラの絞り羽根、
構造上少し外れやすいのではないかと思われます。
何度も書いていますが粘った状態で
絞りを動かしていると羽根が外れるだけでなく
破損して修理不能になる場合もありますので
粘った絞りは動かさず早急に修理に出していただければと思います。
もちろん、シャッター羽根にも粘りがあり
そのせいもありチャージ時にシャッターが開いてしまうこともあるようです。
心配されるセレンは問題なく起電しているようです。
距離計はファインダー内二重像がほとんど見えず
「あ、ハーフミラーの劣化の可能性が高いな。。。」と思ったのですが
よく考えたらこのカメラ、ハーフミラーでなく貼り合せプリズムなのです。
ということはバルサム切れか蒸着劣化が原因と思われます。
うーん、ちょっと困りましたね。
まぁ、せっかくお受けしたのだから極力何とかしたいと思います。

過去に落下したことがあるらしく
蝶番部に変形も見られます。
さすがに完全に修復はできないのですが
通常使用に問題ないレベルには修復していきたいと思います。

いかにもこの時代らしいルックスと
独特の使用感がなかなか楽しいカメラです。
フジノン4.5cmF1.9の写りは非常に期待できます。
ご依頼者さまにも存分に楽しんでいただきたいと思います。

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