日別アーカイブ: 2023年3月2日

ヤシカエレクトロCCNのカメラ修理

今日は3月2日…語呂合わせでわかりやすく
「ミニの日」ですね。
この記念日でいう「ミニ」は
いわゆるミニチュアのことを指しているそうです。
「ミニチュア(miniature)」は縮尺模型のことで
スケール(縮尺)に基づいて忠実に再現した模型のことを指し
「スケールモデル」とも呼ばれます。
ミニカーや鉄道模型もそうですねぇ
精密に再現されたミニチュアは見ているだけでも楽しいですし
持っているとなんだか所有欲も満たされるのですよねぇ
ハマるとちょっと怖い世界ですが…(苦笑)
プラモデルだってそうですねぇ
私はそこまでできませんが精密且つ美しく仕上げるモデラーさんの
作ったプラモデルは眺めていても息を飲む美しさですものね。
カメラだって大きな重いボディで堅牢に動くカメラもよいですが
小さくて精密に造られているカメラもまたいいものですよね。
この「小さくて精密」っていうキーワードに
弱い方は結構多いかと思います…私もですが…(笑

さてさて

今日のカメラもなかなか小さくて精密なカメラです。
(カメラは基本的にどれも精密ではありますが…)
「ヤシカエレクトロ35CCN」
コンパクトなボディに35mmF1.8の大口径広角レンズを搭載します。
この35mmというところが大きな特徴です。
エレクトロの他モデルは40mm~45mmのレンズを搭載しており
他メーカーのこのジャンルのカメラでも
40mm前後のレンズであることがほとんどです。
さらに目測ではなく距離計搭載となると
同じようなカメラはほとんどないと思われます。
ただし、このエレクトロCC(N)は
絞り羽根が2枚羽でかなり特殊な形状をしていますので
解放以外ではいわゆる「ボケ味」を楽しむカメラではありません。
でも絞り優先オート専用機なので
減光フィルター等を駆使して解放で使ってみるのは面白いかもしれませんね
このカメラだけではありませんがこの時代のカメラで
大口径レンズを搭載しているのは
光量の少ない場面で何とか速いSSを確保するためのものです。
この頃のフィルムはISO(ASA)100が標準でもありますし…
エレクトロは元来「ろうそく1本の光でも写るカメラを目指す」というのが
初代からのコンセプトなのでそこにブレはないですね!
ちなみにCCとCCNの違いは外装に「WIDE」のプレートが付いているくらいで
機能的にも変わりません。
シャッタスピードの最高速は1/250と少し遅めなので
感度400のフィルムを使う場合は少々注意が必要かもしれません。

お預かりしている「CCN」は一見電池室の腐食もなく
電池を入れるとバッテリーチェックランプも元気に点灯します。
シャッターも快調に切れているよう…です…が…いやおかしいですね(苦笑)
測定機にかけて簡単にチェックしてみると
明るさ・絞り設定に対して異様に速いシャッタスピードで切れています。
実際にフィルム面に届く光は当然ながらアンダーすぎて話になりません。
測定機でもエラーになる状態です。
無条件に最高速で切れてるいるのか???と思うとそうでもないらしく
非常に暗いところにレンズを向けると
少しだけ遅いシャッタースピードに制御されます。
ただそれも正常なら数秒シャッターが開くような状況での話です。
エレクトロシリーズなので光量不足気味でスローシャッターを
選択する場合は警告灯が光ります。
いろいろ試してみるとその警告灯が出るタイミングは正しいようです。
警告灯は出るのに実際は1/250で切れる…みたいな状態です。
うーん、マグネットの吸着の問題なのか
マグネット制御部の問題でしょうか…ちょっと珍しいパターンです。

うーん…いろいろ考えこんでしまいますが
いくつかこうなる原因に思いつくこともあるので
まずは簡単にて手を出せるマグネット周りから
いろいろ調べながら試していきます。
現時点では断言はできませんが
おそらく何とかなるのではないかとは思います。
こうなってくると電子制御カメラはやはり少々厄介ですね。
確率は低いですが
散々時間と手間をかけていろんなことを試しても
最終的には「修理不能」という可能性もあるわけなので…
まぁ今回は何とかなると思います。
考えられる問題個所を一つずつ検証しながら作業を進めていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。