月別アーカイブ: 2023年10月

コニカSのカメラ修理

今日はこれといった記念日がないので
過去の10/16の出来事を調べてみると…
1986年に登山家ラインホルト・メスナーが
史上初の8000メートル峰全14座完全登頂を達成しています。
世界一標高の高いエベレストは有名ですが
標高8000mを超える山頂は世界に14座あり
そのすべてが広義のヒマラヤ山脈に存在します。
そのすべてを世界で初めて登りつくしたのが
メスナーさんなのですね。
それも全て無酸素だそうです。凄すぎます。
8000m峰全てを登った人のことを「14サミッター」と呼びますが
メスナーさん以降、現在では
44人の14サミッターがいらっしゃいます。
日本人では竹内洋岳さんが
2012年に29人目の14サミッターになっています。
8000m超えなんて想像を絶する世界ですよね
富士山の3776mだって頂上近くになると
明らかに酸素が薄いのがわかるのに…
「デスゾーン」とも呼ばれる標高8000m超えのエリアでは
酸素は通常の地上の約1/3となるそうです。
通常の人では高所順応できず
体内で酸素が補充されるよりも早く
酸素の蓄えを消費するのだそうです。
やはり想像を絶する世界ですね…

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」と続いていた
それまでのレンズ固定式レンジファインダー機の
後継となるカメラです。
外観のデザインは大きく変更され
直線的なデザインとなりました。
「ⅢM」で折り畳み式セレン露出計が
搭載されるようになっていましたが
「S」ではスマートにボディ内に組み込まれ
SS・絞りリングと連動し定点合致式となっています。
搭載されるレンズは「Ⅲ」と同様の
ヘキサノン48mmF2レンズとなります。
シャッターユニットはコパルSVで
B・1s~1/500をカバーします。

お預かりしている「S」は
かなり長い間しまい込まれていたものかと思われます。
まずシャッターが全く切れません。
これはレンズシャッター機では定番の羽根固着かと思われます。
そしてレンズ・ファインダーには盛大にカビが発生しています。
多少のカビ跡が残る可能性もありますが
実用上問題のないレベルにまではクリアにできるかと思います。
そして露出計は残念ながら全く動きません。
後で取り外して見てわかりましたが
全く起電しないというほどではないのですが
セレンがかなり劣化してしまっているようで
光に対してわずかしか起電できないようです。
今回は何とか代わりとなる比較的状態の良い
セレンが確保できたのでそれと交換することで対応します。

画像は取り掛かり始めの段階でのモノです。
ここからシャッターユニットを分離して
シャッター周り、巻上関連から整備を行っていきます。
その後、セレン、露出計を取り外して修理を行い
できる限りの調整を行っていきます。
この時代のレンズシャッター機は少し大柄なこともあり
整備性は非常に良好です。
内部機構も非常にしっかり造れているカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニッカⅢAのカメラ修理

今日は「きのこの日」だそうですよ。
10月は「きのこ」の需要が高まる月で
その月の真ん中の15日が落ち着いて消費者に
きのこのことをアピールしやすいと選ばれたそうです。
天然物のきのこの旬もこの季節ですものね。
「きのこ」が頭(脳)に良いという話を少し前に
聞いてから割と積極的にきのこを食べるようにしています。
マツタケやホンシメジ等の高級キノコは
滅多なことで手が出せませんが
ブナシメジやシイタケ、ナメコ、エノキ、エリンギ等々
気軽に年中入手可能なキノコはたくさんありますものね。
キノコの種類にもよりますが
鍋物やお味噌汁の具にしても良いですし
煮たり焼いたりいろんな食べ方もできますし
素材として非常に使いやすい食べ物です。
もちろん美味しいのは言うまでもないですね。
子供の頃はシイタケが嫌いで嫌いで…(笑
煮物に入っているのをとにかくよけていたものですが
大人になってからはシイタケ大好きです!
食べ物の好みって成人すると変わりますよねぇ
特にこれからの季節、鍋物にシイタケがないとかはあり得ません(笑
今日も少し寒そうですし夜は鍋物にして
たっぷりシイタケ入れて楽しもうかと思います。

さてさて

本日は「ニッカⅢA」のカメラ修理を行っています。
便宜上、「ニッカⅢA」と断言していますが
たぶん「ⅢA」だと思います。
…というのもニッカのカメラは
通常は上カバー上にモデル名の刻印があるのですが
今回はその刻印がないのです。
ちょっとめずらしいですね。
特有の部品交換の必要がなければ
整備する分にはバルナックタイプのカメラは
メーカーごとに多少は違いがあるとはいえ
基本的な部分は似たようなものですし
モデルの違いはそれほど大きな問題ではありません。
それでも一応ざっと調べてみたところ
ⅢAの初期モデルには刻印がないものが存在するようで
今回はそれではないかと思われます。

いずれにしてもこのタイプのカメラは
シャッター幕交換が前提です。
今回も幕は相当劣化しており
シャッターはまともに動作できない状態でした。
当店で幕交換を比較的多く行うのは
今回のようなバルナックタイプのカメラや
アサヒペンタックス系の一眼レフですが
いずれにしてもそれなりの重作業で
相当に繊細な作業が求められます。
貼り方次第では後からいくら調整しても
シャッターの精度は全く出ないなんてことも
多々あることなので
場合によっては何度も貼りなおすこともよくあります。
基本的にはシャッター幕がちゃんと残っていれば
全く同じ寸法の幕を作成し
全く同じ位置に貼れば精度はでるはずなのですが
これも幕が激しく劣化している場合も多く
そもそもそれ以外の要因で精度が狂っている場合もあり
それなりに経験を積んできていても
なかなかうまくいかないことも多いのです。

いろいろ苦労もありますが
それはそれとして今回も何とかしっかり仕上がっています。
裏ブタがないバルナックタイプのカメラは
シャッター計測も少々難しいものがあるのですが
毎度のことで今回も計測器を使って
しっかり精度が安定してい出ていることを確認できています。
高速からスローまで全く問題はございません。
各部の動きも非常にスムーズになり
これで当分の間、安心して使っていただけれると思います。
フィルム装填等なかなか撮影にも手間のかかる部分がありますが
非常にコンパクトでもあり
その質感や使い心地も含めて
何とも言えず魅力のあるカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35FDのカメラ修理

今日は「世界渡り鳥デー」だそうですよ。
5月と10月の第二土曜日に制定されています。
南から来て夏に日本で過ごす「夏鳥」
北から来て冬に日本で過ごす「冬鳥」
渡りの途中に日本を通過する「旅鳥」に大別されます。
身近なのはやはり夏鳥である「ツバメ」ですかね。
でも昔はそこら中の軒先で「ツバメの巣」を見かけていましたが
最近は見ることの少なくなりました。
少し寂しいですねぇ
これからは「冬鳥」の季節です。
マガモとかハクチョウとかマナヅルですねぇ
ハクチョウとかはコハクチョウとだとしても
大型の鳥で群れでいるとなかなかの迫力ですし
意外と気性も荒いみたいです。
マガモやハクチョウがたくさん飛来する
湖や川も各地にありますが
遠目でいいので見物に行ってみたいですねぇ

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
大ヒットしたコンパクトカメラ「C35」をベースに
大口径レンズを搭載し、シャッターユニットを換装して
露出設定もシャッタスピード優先オートとしたカメラです。
プログラムオートで撮る「C35」に比べて
より撮影者の意図を反映した撮影ができる上級モデルです。
ベースは確かに「C35」なのですが
シャッターユニットが全く異なる構造なので
それに伴って巻上・チャージ機構の変更もあり
ノーマルの「C35」とは全く異なるカメラとなっています。
それでもボディ函体はC35なので
大口径レンズの分、鏡胴やレンズの出っ張りは大きいですが
このスペックを考えると非常にコンパクトなカメラであり
小さくても本格的な撮影ができるカメラとして
現在でも人気の高いモデルです。

お預かりしている「C35FD」はまずシャッターが切れず
巻上もできない状態です。
シャッターが切れない…というよりは巻上ができないようです。
よくある羽根粘りによるシャッター固着ではありません。
その状態では何も確認できないため
まずはある程度分解して原因を探ります…と分解を始めて
すぐに原因が発覚しました。
電池室の端子が破損していて
その端子の一部が内部に入り込み巻上部分に引っかかっていたようです。
電池室の構造はベースとなるC35と共通で
コストの問題もあり樹脂で端子を支えている構造ですが
このあたりが経年劣化で破損してしまうのですね。
それも電池のガスの影響も受けてしまうのでなおさらです。
完全に端子基部が破損していなくても
一部が折れてしまって電気的にショートしてしまう場合も多いです。
「FD」だけではなく「C35」シリーズ全体の弱点です。
もちろん新品で売っていた頃には全く問題なかったとは思いますが
「C35FD」にしろ販売開始から50年です。
当時の樹脂部品で力のかかる部分は劣化のため高確率で破損してしまいます。

画像は一通り修理整備が完了した状態でのモノです。
電池室の修復に加えてそこからの配線も
過去の電池の影響と思われる腐食で
ボロボロになっていたので配線もすべて交換です。
レンズ・ファインダーにもかなりのカビがあり
特にファインダーのカビはかなりしつこいものでしたが
できる限りの清掃を行い
非常にクリアな状態になっております。
もちろんシャッターユニットも整備も入念に行った上で
露出計・オート制御の調整も行い
精度も全く問題のないレベルで安定して出ています。
もうしばらく時間をおいてから
各動作の最終チェックを行い問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

フジカST801のカメラ修理

今日は「豆の日」だそうですよ。
陰暦の9月13日に「十三夜」として名月に豆をお供えし
ゆでた豆を食べる「豆名月(まめめいげつ)」という風習がありました。
日付は暦どうりの「十三夜」とすると毎年日付が大きく変動してしまうので
新暦の10月13日としたそうです。
ちなみになじみの深い「十五夜」では
新芋(サトイモ)の水炊きを供えたりすることから「芋名月」とも称します。
月見団子の風習はそれよりも後で江戸時代あたりから始まったらしいですね。
「豆の日」は便宜上新暦10月13日で今日ですが
本来の十三夜(旧暦9/13)は今年は10月27日です。
「片見月」は縁起が良くないので
「十五夜」にお月見をした方は「十三夜」も忘れずに…
話が「十三夜」のお話に偏ってしまいましたが
「豆の日」です。豆と言えばじいさんが好んでよく食べてて
ビールのつまみが枝豆や落花生なのは当然で
呑まないときも「いかり豆」や煎った豆やら殻付きの落花生とか
やたらと食べていた記憶があります。
よく灰皿が落花生の殻でいっぱいになってたなぁ(笑
私もそこは似たみたいでたまに無性に「いかり豆」が食べたくなって
ついつい買ってしまいますし、ナッツ類もよく食べますねぇ…
たまに煎りたて熱々の大豆を食べたくなるのですよねぇ…
なかなか家で豆を煎ることはありませんが…
休みの日にでも煎ってビールのつまみにしようかな…

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
「STシリーズ」としては第二弾のカメラとなりますが
先に発売された「ST701」はシンプルなM42ねじ込みマウントでしたが
この「ST801」で開放測光に対応するため
位置決めのピンと絞り情報伝達機構の付いた
「フジカSTマウント」のレンズと同時に発売され
ボディ側も「STマウント」に対応可能となっています。
「ST701」用だったM42マウントレンズももちろん装着可能で
その場合は絞り込み測光で対応します。
そしてこの時代としてはまだかなり先進的だった
LED式ファインダー表示の露出計を搭載しています。
さらに布幕横走りシャッターとしてはめずらしく
SS最高速1/2000を搭載しています。
横走りで1/2000といえばニコンF2やキヤノンF-1等の
フラッグシップ機をイメージしますが
これらのカメラは金属幕を搭載し幕速も速くして
1/2000を達成しています。
それに比べるとST801の1/2000は幕速は通常の布幕横走り機の速度で
スリットをとにかく狭くすることで達成しています。
そのためやはり1/2000をコンスタントに保つには
こまめなメンテナンスが必要ですし
スリットが閉じてしまうようなトラブルもをやはり多いようです。

お預かりしている「ST801」は一通り動作してはいるものの
やはり全体的には動きが悪く先述した1/2000は
やはり不安定で閉じてしまうことも多い状態です。
ご依頼者様のお話によると「レリーズできないことが多々ある」そうでしたが
受付時にも症状が確認できず
作業前にも長めにいろいろ確認したのですが
その症状は出ませんでした。
ただしレリーズ部やミラー駆動部にかなり動きの悪い部分が確認できたので
原因はこのあたりかと思われます。
そして露出計も動いたり動かなかったり非常に不安定です。
こちらは電池室からの配線ハンダ付けの劣化が原因かと思われます。

画像は一通り整備の完了した状態でのものです。
シャッターは安定して動作するようになり
最高速からスローまで精度的にも問題ございません。
全体的に非常に動きは軽やかになっていると思います。
露出計も安定して動作しており
こちらも精度も確保されています。
画像で装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
適度にコンパクトで軽量で端正なスタイリングで
非常に使いやすいカメラです。
ただしフジカのカメラは全体的にそうですが
少々華奢な部分もございますので
未整備で年月の経っているものは
まず間違いなく整備の必要な状態だとは思われます。
しっかり手を入れてやれば
また当分の間は安心してお使いいただけると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノン7Sのカメラ修理

今日は「コロンブス・デー」だそうですよ。
1492年10月12日にコロンブスが率いる
スペイン船隊が新大陸アメリカに到達したことを
記念した日だそうです。
コロンブスはまだ地球球体説が根付いていないこの時代に
西廻りの航海が可能だと考え
『東方見聞録』にある黄金の国・ジパング(日本)や
インドを目指して出発しました。
コロンブスは最初の到達地がインドだったと
亡くなるまで信じていたのだそうです。
ちなみに「コロンブス・デー」はアメリカでは
多くの州で祝日なのですが
もともと「コロンブス・デー」は10月12日だったものが
1970(昭和45)年より月曜休日統一法によって
10月の第2月曜日となっているのだそうです。
日本でいうハッピーマンデー制度で
「体育の日(スポーツの日)」の変遷と同じような感じなのですね。
ところで私の場合…新大陸発見はおろか
都内でも行ったことないエリアが
結構あったりするのですが…
個人的未開の地の開拓へとたまには出かけなければ…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノン7S」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
時代の主流は完全にレンジファインダー機から
一眼レフ機へと移行してしまった時期に
キヤノン最後のフォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機として発売したカメラです。
既にこのジャンルの高級レンジファインダー機を作っていた
国産メーカーはキヤノンだけとなっていました。
1934年の「カンノン」から始まった
キヤノンの創成期を支えたレンジファインダー機の歴史が
この「キヤノン7S」で最終となってしまったわけです。
「7S」はそれまでの「7」のマイナーチェンジ版といえるカメラです。
露出計はセレン光電池を使用したものから
CdSを使用するものに変更されています。
露出計自体も従来より小型化することができ
アクサリーシューが装備されています。
まさにキヤノンレンジファインダー機の集大成ともいえるカメラです。
ちなみにライバルともいえるニコンは
「7S」登場の6年前の1959年には「F」が発売されています
「7S」登場の1965年には「FフォトミックT」が発売され
中級機では「ニコマートFT・FS」が発売されています。
キヤノンも一眼レフではこの頃には「FX」が発売されていますし
「ペリックス」が「7S」と同年に発売されています。
しかしながらやはり一眼レフへ本格的に注力できるのは
この後のことになってしまいました。

お預かりしている「7S」はまずシャッターが全く切れません。
シャッター幕が完全に閉じきらない位置で止まってしまっていて
レリーズもできず巻上もできない状態です。
もちろん無理に動かすと間違いなく何かを破損してしまうと思われるので
決して無理な操作は行わず何はともあれ分解を始めて
内部の状況を確認していきます。
分解してる途中で突然「シャコン」と幕が最後の位置まで
走りきり巻上も可能になりました。
何が起こったのか確認するために慎重に内部を確認すると
何かが内部で転がっているような音がしています。
慎重に分解を進めていくと中から出てきたのは小さなネジ…
当然ながらどこかネジが外れている箇所があるはずなので
じっくりと各部と確認していくと
レリーズ部とセルフタイマーがリンクする部分のネジが外れて
内部を転がりシャッター駆動部に挟まってしまったようです。
ネジは本来の位置へしっかると取り付けて
動作確認を行うとシャッターは切れるようになりましたが
やはり幕軸の汚れ等もありシャッタースピードの精度は
おせじにも良いとはいえない状態でした。

画像は一通りの整備が完了し確認を行っている段階です。
装着されている50mmF1.8レンズは当店のテスト用レンズです。
露出計にもそれなりのズレがありましたが
こちらも調整を行い問題ない状態になっています。
シャッターや巻上は非常にスムーズに気持ちよく動作しています。
もちろん精度も全く問題ございません。
外装もできる限り磨き上げましたが
こうして眺めているとやはり高級感ありますね。
動きが完全に馴染むまでもう少し様子見を行ってから
最終テストを行い問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「スポーツの日」で祝日ですね。
ハッピーマンデー制度で当時の「10/10・体育の日」が
10月第二月曜日になってから20年以上
「体育の日」が「スポーツの日」になってから3年。。。
まだまだしっくりとはきませんねぇ(笑
長年親しんだ「10/10・体育の日」だから
もう一生しっくりとはこないでしょうねぇ(苦笑)
「体育の日」といえば「秋の大運動会」ですよねぇ
運動会自体は大好きでしたし
たいして速くもなかったですが「徒競走」も好きだったし
騎馬戦や玉入れ、棒倒し、綱引き…
そして毎回なぜか組み込まれているフォークダンスも
楽しみでしたねぇ~
でも唯一嫌いだったのが運動会の1か月近く前から
何度も何度も繰り返される「入場行進・開会式」の練習…
あれは本当に面倒くさくてイヤだったなぁ
自分じゃよく見えないから行進が乱れていようと
整列が曲がっていようとどうでもよくって
全くやる気のなかった記憶が…
まぁ集団行動やチームプレイが苦手なのは
子供の頃からですね(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
「Aシリーズ」の最初の機種となる「AE-1(1976年)」を
ベースにプログラムオートを追加した後継機です。
ただ最初の「AE-1」登場から5年経過していることもあり
単なる機能追加にとどまらず
特に電子回路関連では大きく進化しています。
機械的なシャッター・ミラー駆動部や巻上機構の
基本的構造こそ「Aシリーズ」に共通した
初代「AE-1」と大きくは変わりませんが
それを制御する電子回路に関してはもう全くの別物です。
「AE-1P」の内部と見比べると「A-1」あたりの内部回路も
かなり古臭さを感じます。
実際にファインダー内表示あたりをみても
明らかに当時の最先端であることを感じます。
AE-1の頃にはまだ残っていた糸連動ももちろんなくなっています。
A-1ではまだ存在したコンデンサレンズも「AE-1P」では廃止されており
コンデンサレンズなしでも従来のモデルより
格段に明るいファインダーが実現されています。

お預かりしている「AE-1P」は
シャッターが開いたまま、ミラーが上がったままの状態で
固着してしまっています。
この状態でもはや何もできない様子です。
ご依頼者様のお話によるとこうなる前までは
一通り使えていたとのことです。
まずは強制的にシャッターを動作させて
通常のリリース状態に戻してみます。
その状態で何度かシャッターを切ってみると
やはり同じような状況で固まってしまいました。
シャッター駆動…というよりは電磁石の吸着に問題があるようです。
そして何度か動作させているときに症状が出ていましたが
お決まりのシャッター鳴きがかなり酷い状態です。
シャッターが固着しなくても
このままではミラー動作が不調となってしまいそうです。
そしてオート時の絞り操作レバーの動きも悪く
オートが不安定な動きとなっています。
全体的にかなり動きの悪い状態と言えます。

画像はまだ上カバーを外しただけの状態ですが
さすがに80年代の電子制御カメラということもあり
プリズムも含めてぎっしりとフレキと基板で覆われています。
さすがに整備性は良いとは言えませんが
それでもこの類のカメラの中ではAE-1Pは
機械的部分へのアプローチが比較的しやすいカメラです。
もちろん静電気は大敵ですので
こちらも準備と体制を整えてから
慎重に分解整備を行っていきます。
電気的接点やマグネット周りの入念な清掃整備と
全体的な機械的駆動部の整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンF2フォトミックSのカメラ修理

今日は「盗難防止の日」だそうです。
「とう(10)なん(7)」(盗難)と読む語呂合わせからですね。
空き巣も多いみたいですし
自動車やバイク、自転車の盗難も多いみたいですね。
空き巣は昔からある程度はあったのだと思われますが
自動車やバイクの盗難は
外国人が組織立って行っているようで
油断も隙もないイヤな世の中になってきたような気がします。
それでも少し前の話ですが
駅の券売機の前にうっかり置き忘れてしまった財布が
中身も現金もそのままに返ってきたこともあって
この国らしい良心も残っているのかなぁ…とも思います。
いずれにせよある程度の自衛は必要ですよね。
しかし、私は田舎育ちのせいもあってか
子供の頃は余程長い時間の外出でないと
家に鍵をかける習慣がなかったのですよねぇ
窓や縁側も開いたままだったし…
まぁ盗られるようなものもほとんどなかったですが…
今からすると考えられない状態でしたねぇ

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックS」のカメラ修理を行っています。
プロ仕様の最高級機「ニコンF2」に
「フォトミックSファインダー」が組み合わされたモデルです。
露出計が内蔵というのはフォトミックファインダー共通の機能ですが
「フォトミックS」は露出計ファインダー表示がLEDになっています。
このLED表示がちょっと問題で
他のカメラでもそうなのですがLED表示の露出計は
LED制御部に部品レベルの問題がある場合
当店では修理不可になることが多いのです。
今回の「フォトミックS」は精度は少しオーバー目で
少々不安定ではありますが
表示制御自体はできているのでおそらく通常整備+調整で
問題ない状態にできるかと思います。

F2フォトミックファインダーと言えば
露出計内臓だけではなく
アイレベルファインダーにはない
設定しているSSや絞り値がファインダー内に表示される機能があります。
これはかなり便利ですね。
で、今回のフォトミックSはそのうちのSS表示が
「B~1/2秒は連動するのでするのですが
それよりも高速側にダイヤルを回しても
1/2(表示は「2」で)止まったままになってしまいます。
表示板はシャッターダイヤルと連動糸でリンクしています。
一部とはいえ動くので糸は切れていないのだとは思われますが
詳しくは中身を見てみないとわからないですね

ボディ本体側にも高速シャッターの精度不良だったり
巻上やミラー駆動部に油切れの兆候が出ているので
後で一通りの整備調整を行いますが
まずは原因が気になるファインダー側から分解整備を行っていきます。
表示板の連動糸のテンションがゆるゆるになっていて
B~1/2までは引っ張れるのですが
それ以外は連動糸がたるんだままで表示板を回すことができません。
さらに回転式の表示板の軸も汚れ等により動作不良のようです。
おそらくですが…普通に動いていた回転表示盤が動作不良で
引っかかってしまいその状態でさらに糸を緩めたせいで
プーリーから糸が外れてテンションが掛からなくなったのだと思われます。
糸を掛けなおしてテンションを復活させ
ところどころで引っかかってしまう表示板の動きを
軸の清掃等でスムーズに動くようにしたところ
問題ない状態に改善できそうです。
それほど大したことではなくて助かりました。

それでは露出計接点等の清掃をしたうえで露出計調整
ファインダー内の清掃を行い
その後、ボディ側の分解整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は特にこれといった記念日はないのですよねぇ
ただ…10月6日はエドワード・ヴァン・ヘイレンの命日ですね。
ついこの間の話だと思っていたら
もう3年経つのですねぇ
中学~高校くらいの頃にレコードやテープが擦り切れるほど
ヴァン・ヘイレンの楽曲は聴きましたし
ロクに弾けやしませんでしたが
エディーのギタープレイも比較的簡単なものを
必死にコピーしました…若かったですねぇ(笑
ヴォーカルがデイヴだった頃の作品は特に好きで
いまだに初期の作品を中心に結構な頻度で聴いています。
エディだけではなくて
自分が感受性豊かだった頃に感動させてくれた
音楽を作ってくれたりプレイしていたアーティストが
ここ近年、亡くなることが増えているのですよねぇ
しかたのないことですが何だか寂しいですねぇ…

さてさて

実は今日も「オリンパスペンEES」のカメラ修理です。
昨日の個体とは全く別の話で
偶然、2台続けて全く別のご依頼者様から同じ日に立て続けに
「ペンEES」の修理依頼があったのです。
同じ機種が比較的短期間に集中的に入ることは
なぜかしら割と多くあるのですが
同じ機種が2台連続はめずらしいですね。

昨日のブログでも書いたので
「ペンEES」に関する特徴とかは割愛しますが
いずれにしても今でも非常に人気の高いカメラです。
加えて新品時にも「EEシリーズ」は
どのモデルも大ヒットしているので
現存する台数が多いことも人気の要因ですね。

お預かりしている「EES」は
シャッターはチャージされていると思われますが
シャッターが全く切れません。
昨日の個体のように「赤ベロが出てシャッターロックできれない」ではなく
オートだろうがフラッシュモードだろうが切れません。
赤ベロも出てきません。
機械的にはレリーズして切ろうとしているのですが
シャッターユニット側でシャッターが動かない感じです。
予想はしていましたが
後で分解してみてわかたのはレンズシャッター機によくある
「シャッター羽根の固着」です。
羽根の重なり合っている部分で汚れにより
貼り付いてしまっている状態です。
レンズシャッター機にはよくある症状ですが
「ペンEE系」には特に多い症状です。
…というのも「ペンEE系」はいわゆるビハインドシャッターで
フィルム室側から見るとシャッター羽根が露出しているので
比較的汚れがたまりやすいということもあると思います。
今回も他のレンズシャッター機でよくある
シャッターユニット側からの油脂類の滲み等が原因ではなく
明らかに「外部から入った小さなゴミ・汚れ」が原因と思われます。
長い間未整備だとフィルム室の劣化したモルトゴミ等も
発生しますし羽根が露出しているビハインドシャッターだと
やはり影響は受けやすいと思われます。

ちなみに昨日のブログでトラブルの原因になっていた
「シャッター駆動部を連結してる部分の3か所のネジ」は
今回も外れてはいないものゆるゆるでした。
上の画像では今回は赤く頭が塗られている部分ですね。
ここのネジは「ペンEE系」の整備の際には
増し締め+ロック処理は必須です。
今回も外れてはいなかったのでこれを原因とするトラブルはなかったですが
これをこのまま放置していると近いうちにトラブルの原因になります。
もちろん今回もできるだけ緩まないように対策を行っておきます。
そしてシャッターが切れるようになって発覚したのですが
オートが随分オーバー目に制御されてしまっているようです。
これも露出計の調整及び絞り制御の調整を行い
適正な精度が安定して確保できるように調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「教師の日」だそうですよ。
小中高と何人もの学校の先生にお世話になりましたが
担任の先生はさすがに皆さん
お顔と名前がすぐにまだ浮かびますねぇ…
特に中高の担任の先生にはお世話になったというより
迷惑ばかりかけてて今思うと本当に申し訳ない…(苦笑)
特に高2・高3と続けて担任してもらったS先生には
結構な世話をかけてしまった気が…
当時、学校には来ているのに
学校やその周辺で遊びまわってばかりで
ロクに授業に出ない私を頭ごなしに怒るわけではなく
「しょうがないやっちゃのーおまえはー」と
いろいろとご指導いただいたことは今も忘れません…
私はおかげさまで子供の頃の周りの大人たちには
かなり恵まれていたほうだと思いますが
まぁこうして何とか元気にやっていることを
皆さんに感謝しなくてはいけませんねぇ
最近、やたら昔のことを思い出し始めると
止まらなくなっちゃうんですよね…これも年齢のせいか…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズの中でも特に依頼される台数の多い
ペンEEシリーズの一員です。
初代ペンEEの派生モデルで
固定焦点から3点ゾーンフォーカスに変更したカメラです。
ゾーンフォーカスになっている以外にも
レンズが変更され3cmF2.8のレンズを搭載します。
それら以外は「ペンEE」とほぼ同様です。
露出制御はセレン光電池使用の露出計に連動し
プログラムオートで制御されます。
シャッタースピードは1/30。1/250の2速切替式となります。
ハーフカメラらしく非常にコンパクトで
露出オートで撮影も気軽に行なえるカメラです。
さらにかわいらしいレトロな外観も魅力の一つで
現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ペンEES」は
光量不足の際に出る赤ベロが明るさに関わらず
常に出てしまう状態で
オートだとシャッターが切れません。
赤ベロ制御されなくなるフラッシュモードだと
なんとかシャッターは切ることができます。
オート制御は定番の露出計指針を挟み込むタイプで
露出計指針がある程度振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかる仕組みです。
つまりこの状態だと何らかの原因で
露出計が明るい場所でも全く振れない状態だと考えられます。
…となるとやはり考えられるのはセレンの劣化で
明るい場所でも全く起電されない…ということを予想するのですが…
経験上、比較的ペンEE系のセレンは
そんなに全く起電しないほど劣化しているものは多くないのですよねぇ
もしかしたら露出計本体の断線かなぁ…と思いながら
分解に取り掛かろうとしたのですが…
何だか妙に鏡胴(シャッターユニット)が
ぐらついているのに気づきました…
フィルム室側からシャッターユニットを留めているネジを確信しましたが
ここはまったく緩みなくしっかり固定されています。
「あーこれはもしかしていつものあそこかー」と
緩んでいる箇所の想像がついたので
うっかりシャッター羽根が外れないように慎重にばらしていくと
シャッター羽根駆動部を支える部分のネジ3本中2本が
外れてどこかに消えてしまっています。
残った1本もゆるゆるです。
ここのネジはペンEE系はよく緩むのです…
ここが完全に外れてしまうと
シャッター羽根も外れてしまいます。

画像はシャッターユニット側やレンズの整備を終えて
再組立てする前の段階でのもので
既にネジはしめてありますが
ネジの頭に白い塗装がされている3本のうちの
2本が外れていた状態でした。
で、ここのネジは外れても外にまでは出て行かないはずなので
内部を捜索すると1本は磁力で
メーターの外枠にくっついていて
もう1本は見事にメーターの内部にまで入り込んでいました。
…ということで露出計指針が動かないのは
この入り込んだネジが指針の邪魔をしていたせいでした。
露出計はコイル部に磁力を持っているから
外れたネジが集まるのですね…
このパターンもよくあることなので
ネジが外れているのを発見した時点で
おそらく露出計の中にいるな…と慎重に捜索して取り出しました。
精度はともかくとしてこれで何とか露出計は無事に動き出しました。
その後、一通りのシャッター周りの整備を行い
ネジはしっか締めた上で軽くロックして組み上げます。
それなりに精度の狂いは当然ながらありましたので
露出計の調整、絞り制御の調整を行って
自動露出に関しては問題ない状態になりました。
しかしながらペンEEのここのネジは本当によく外れています。
困ったものです…

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35FDのカメラ修理

今日は「徒歩の日」だそうですよ。
「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせからということです。
なかなか強引ですねぇ(笑
由来はともかくよく歩くことは健康の基本かと思います
私の場合は3年半ほど前に脳梗塞をやってしまってから
歩きが少しばかり不自由になってしまいましたが
ほぼ毎晩リハビリでそれなりの距離を歩くようにしています。
まぁ完全にはもう治らないのはわかっていますが
それでもやらないよりは確実に効果はあるようで
3日サボると明らかにより歩きにくさを感じます。
…ということは毎日必ず続けていないと
現在の少し不自由な状態さえ維持できないのでしょうねぇ
もうこればかりはしかたないです。
リハビリ云々はさておき適度な運動もしておかないと
確実に太りますし…そうなるとまた新たな不健康ネタを
呼び寄せてしまいますので
いずれにしても毎日のウオーキングは欠かせません。
今夜も仕事が終わった後で天気が酷くなければ
いつものコースを歩いてきます!

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
当時「じゃーに~コニカ」として大ヒットした
ベーシックな「C35」の上級機にあたります。
レンズは大口径のヘキサノン38mmF1.8を搭載し
露出設定も通常のC35のプログラムオートではなく
CdS使用の露出計に連動する
シャッタースピード優先オートを搭載しています。
それに伴ってシャッターユニットもコパル製に変更されており
ボディ形状や巻上機構は通常のC35と共通するものの
もはや別物のカメラに仕上がっています。
さすがに大きなレンズを搭載するので
通常のC35ほどのコンパクトさはありませんが
それでもスペックを考えれば十分にコンパクトかと思います。
距離計を搭載する「C35」は
この「FD」が最後のモデルでもあります。

露出制御は先述した通りシャッタースピード優先オートで
それ自体は通常のC35と同様に
露出計指針を挟み込むことでその指針位置に連動し
絞りをコントロールする手法です。
キヤノネット等と同じような構造です。
このタイプのシャッタスピード優先オートは
非常に小さなバネ力で絞り羽根を開放にし
露出計に連動して絞り込むわけですが
羽根の汚れ等で簡単に絞り羽根が
粘ったり固着したりしてしまいます。
今回お預かりしている「C35FD」も
シャッター羽根がほぼ問題なく動作しているのですが
絞り羽根が粘ってしまっていて
F5.6あたりから解放側へ開かないような状態です。
「C35FD」は絞り羽根がシャッター羽根より前にあるので
レンズ前面からもよく見えますが
レリーズボタンを押したとき以外は
常に開放になるはずの絞り羽根が
絞りF5.6くらいの位置で止まってしまっています。
露出計の値によってそれ以上に絞る場合は
絞る方向には動くのですが開放には戻れません。

まだ取り掛かり始めで分解していく途中ですが
これからシャッターユニットを降ろして
絞り羽根の清掃から始めていきたいと思います。
もちろん並行してシャッター羽根の清掃
シャッターユニットの各部整備、レンズ清掃も行います。
それでシャッターユニット単体での動作をある程度確認してから
巻上周りの整備を行い再組立て
露出計、オートの調整
ファインダーの清掃、距離計調整を行っていきます。
コンパクトなボディに所狭しと各駆動部が配置されていますが
整備性は比較的良好なカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。