オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「観光バス記念日」だそうですよ。
観光バス。。。なかなか乗る機会ないですよねぇ。。。
中学・高校のときの修学旅行くらいしかないかも。。。
バスといえば私の生まれ故郷では
近年までボンネットバスが期間限定で
運行していたのですがもう走ってないないのかな。。。
「バス」と聞いて一番に思い出しました。
撮りに行きたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」の発売開始から3年後
1966年に発売された露出計を追加装備したモデルです。
変更は露出計の搭載のみではなく
巻上は2回巻上から1回巻上に変更
セルフタイマーも装備されました。
一番の特徴の露出計は第三反射面に置かれていた
ミラーをハーフミラーとすることで
透過した半分の光をその裏に配置したCDSで受光し
露出計を駆動するものです。
シャッタースピードに露出計は連動し
ファインダー内には絞り値ではなく
TTLナンバーが指示されるようになっています。
そのためペンFT登場以降に発売された交換レンズ群には
通常のF値とTTLナンバーの表示が切り替えられるようになっています。

お預かりしたペンFTはご依頼者様から
「ファインダーが暗くて困っている」とのお話を聞いていたのですが
ハーフミラーを置く構造上、ペンFに比べるとFTのファインダーは暗いです。
ハーフミラーの劣化で尚更暗くなっているのかな。。。と思いつつ
ファインダーを覗いてみると。。。

本当に真っ暗です(汗)
一瞬、レンズキャップがついたままか
ミラーアップしてしまっているのではないかと思った程です。
でも明るいところに向けてよくよく見ると
暗闇にぼんやりファインダー像が見えてきました。
さすがにこれでは実際の撮影に使えませんね。。。

ハーフミラーは予想通りほぼ素通しのただのガラス板のような状態でした。
反射しないわけだから当然、ファインダーに光を送ることはほぼできません。

加えて露出計は2段~3段オーバーで且つ非常に不安定です。
通常以上にCDSに光は当たっているはずなのに
大きくオーバー。。。案の定、電池室からのマイナス端子は
緑青が発生しており、ピンセットで軽くつまんだだけで
リード線は外れてしまいました。
端子も磨いてリード線も交換し、半田付けも新たにやりなおし
さぁ、これで大丈夫でしょうと通電してみると
安定はしているもののえらくオーバー気味なのは変わらず。。。
おかしいな。。。と思い、露出計近辺で電圧を測ってみると
0.4Vくらいしか電圧がない。。。
端子だけではなく電池室の汚れ・サビも落とし
マイナス側の導通は問題ないはずなのに。。。
もしや。。と思い、電池室枠を留めている2本のネジを変えてみたところ
一気に1.3V(電池アダプタ使用)に跳ね上がりました。
FTは電池室の枠でプラス(アース)を取っていて
固定されているネジでボディにアースされるのですが
ネジが腐食気味で導通してなかったようです。
見た目にはそんなに悪くは見えなかったのですが。。。

ある程度、現状のトラブルの原因がわかったところで
シャッターユニット、ミラー駆動部等々の点検整備に取り掛かります。

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