ペンタックスSVのカメラ修理

今日は3月12日ということで
サイフ(3・12)の日だそうです。
そう言われてみれば
今、使っているサイフ、もう10年以上経ってますね~
もちろん気に入って使っているのですが
さすがにもうボロボロです。
特に困ることはないですが
あまりボロボロなサイフからお金を取り出すのも
ちょっと恥ずかしいので
いい加減に買い換えないと。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
発売は1962年です。
ペンタックスS2、S3の後継モデルに該当します。
SVの「V」はドイツ語のVoraufwerkの頭文字からで
セルフタイマーを意味します。
S2、S3では装備されていなかったセルフタイマーを装備しています。
セルフタイマーは巻き戻しクランク下のダイヤルで
セットできるようになっており、その後一般的な前板に
装備するタイプとは全く違うので
予備知識が全くないとセルフがあることすら気づかないかもしれません。
セルフタイマーはともかく
このモデルでカウンターも自動リセットとなり、
S3から完全自動絞りとなっているため
露出計こそ装備しないものの
現在の一眼レフと変わらない操作になったともいえます。

K,S2,S3,そしてこのSVあたりまでのモデルは
ノーメンテの状態だとシャッター幕の劣化が進んでいるものがほとんどです。
今回、お預かりのSVも何とかシャッターは切れていましたが
ミラーアップしたまま降りてこないことが多く
原因はシャッター幕の走行不良でした。
なぜ走行不良が起こるかというと
幕が硬化してしまい波打ってしまっている状態で
スムーズに幕走行ができる状態ではありませんでした。
当然、シャッタースピードも全く精度の出ない状態でした。

SVは比較的、シャッター幕交換が行いやすいカメラではありますが
それでもシャッター幕交換はなかなかの重作業です。
写真は完成後ですが、
見違えるほどシャッターがスムーズに動作するようになりました。
巻上も非常に軽めになりました。
SVは比較的、安価に中古品を手に入れることができますが
ほとんどの個体でシャッター幕に問題を抱えています。
本来のスムーズさで動作してる個体は非常に数少ないと思います。
(もちろんシャッタースピードの精度が出ているものも
同様に数少ないと思われます)
レトロな外観は何とも魅力的で非常に使いやすいカメラです。
少々お金はかかりますがきちんと整備して
本来の姿で使っていただきたいカメラのひとつだと思います。

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