コニカオートレックスPのカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ。
良い意味でも悪い意味でも
頻繁にお世話になるようなことは避けたいですねぇ(笑)

さてさて

本日は「コニカオートレックスP」のカメラ修理を行っています。
コニカARマウントの一眼レフですね。
ちなみに「オートレックス」と「オートレックスP」の違いは
露出計の有無とそれに伴いシャッタースピード優先AEの有無の違いです。
「P」は露出計、AEが省かれています。
同じコニカの「FTA」もそうですが
当時のコニカのSS優先AEは露出計の針を挟み込むタイプなので
レリーズストロークが長く少々慣れが必要だと思います。
その点、「P」のほうは露出計もAEもないので
レリーズストロークは普通にダイレクトな感触です。

それよりも「オートレックス」の一番の特徴は
ハーフ判とフルサイズの切替が可能なことでしょう。
1コマごとに切り替えることも可能ですが
当時の説明書を読んでみると。。。

「1本のフィルムの途中での画面サイズ切り替えは
おすすめしませんが、どうしても撮影途中で
切替が必要になったときは
次の順序で操作してください。

フルサイズ→ハーフサイズへ切替
フィルムを巻き上げてからレバーを切り替える

ハーフサイズ→フルサイズへ切替
レバーを切り替えてからフィルムを巻き上げる」

。。。と書いてありますね。
こうしないと写真が重なってしまう可能性があるのですね。
さらにハーフサイズからフルサイズに切り替えたときは
フルサイズの1/4コマ余計な間隔もあいてしまいます。
もっと問題なのはフルサイズとハーフが混在した
フィルムのプリントを写真屋さんでやってもらえるかという点も心配です。
プリントを考えなければあまり問題でもないですが。。。

いろいろ悩む点も確かにありますが
それでも切替ができる。。。というのは楽しいですよね!
レンズ交換式のハーフカメラは他にはペンFシリーズくらいしかありませんが
用途によって使い分けができ交換レンズは
写りの評価の非常に高いヘキサノンARレンズです。
とても魅力的なカメラだと思います。

前置きが非常に長くなりましたが。。。
お預かりしているオートレックスPはシャッターが切れません。
付属しているヘキサノン52mmF1.8レンズは
カビがかなり発生していてピントリングは固着しています。
カメラ、レンズともにリフレッシュが必要な状態です。

スタイリングも端正でなかなか良い感じです。
シャッターが切れない原因は
シャッターチャージは完了しているのですが
ミラーチャージが部品の変形のため完了せず
そのため「レリーズできない+巻上できない」状態になってためでした。
長年の使用の間に少しずつチャージレバーが変形したものと思われます。
シャッターそのものは丈夫さで定評のある
コパルスクエアですからメンテナンスさえ行えば
快調な動作を取り戻します。
レンズは若干の拭き傷や薄クモリは取れませんでしたが
通常の撮影に問題ない程度には改善できました。
このオートレックスPはご依頼者様のお父さまの形見だそうです。
長年、眠っていたとは思われますが
是非、ご依頼者様にも撮影を楽しんでいただければと思います。

最後に余談ですが「P」の場合は全く問題ないのですが
付属しているARマウントのヘキサノン52mmF1.8は
レンズ名に「AR」のないタイプです。
「AR」銘のないものは「AE」ポジションがないため
SS優先AEのあるカメラでもAEが使えません。
同じARマウントでもAR銘の有無で機能が異なるので
少々注意が必要です。

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