マミヤ35のカメラ修理

今日は「時刻表記念日」だそうです。
1894年(明治27年)のこの日に
日本初の本格的な時刻表『汽車汽船旅行案内』が出版されたそうです。
単なる時刻表というよりはその名の通り
発車時刻や運賃のほか沿線の案内や紀行文なども掲載されていたそうで
時刻表でもありその名の通り旅行案内誌のようなものだったようです。
小学生の頃は時刻表と地図帳があれば
退屈しない子供でした。
特にその頃の自分が決して起きていない深夜を走行する
ブルートレインの通過時刻や翌日に遠く離れた
南九州や東京に到着する様子を想像しているだけで
十分楽しかったものです。
あ、今でも思い出したようにグーグルアースで
いろいろ検索してはそう簡単に行けないような場所
国内だったら離島だったり
国外だとロシアの北極圏内の小さな町とかを
眺めては「すごいなぁ。。。ちょっとだけ行ってみたいなぁ」とか
一人でぶつぶつ言っているので
当時とあまり変わってないのかも。。。(笑)
でも今はグーグルアースとかストリートビューとかあるので
ちょっとだけ行った気分になれますね。
これであちこち検索し始めるともう止まりません。
あぁ、遊んでないで仕事しないと。。。(汗)

本日は「マミヤ35」のカメラ修理を行っています。
マミヤのレンズ固定式35mm判カメラのシリーズで
1949年の「マミヤⅠ」に始まり非常にたくさんの種類が存在します。
この時代のカメラはどのメーカーも細かいモデル名が
ボディに刻印されていないものが多く
判別に苦労するのですが
特に「マミヤ35」は資料がないと全くわかりません(苦笑)
今回お預かりしているのは調べた結果
1956年発売の「マミヤ35Ⅱ2.8」ではないかと思われます。
実は既に整備はほぼ終わっているので先に写真を出しちゃいます。

シャッターはセイコーシャMXでそれ自体は
他のカメラでもよくみる当時の最高級シャッターユニットで
めずらしくはないのですが
構造がビハインドシャッターとなっています。
(レンズの後ろにシャッター羽根が配置されている
レンズシャッター機で本来比較的多く見かけるのは
レンズ群の中にシャッターが配置される
ビトウィーンシャッターで
マミヤ35Ⅲではビトウィーン式に変更されます)
巻上はノブ式でセルフコッキングで
シャッターチャージもフィルム巻上も同時に行われます。
後の世では当たり前ですが当時としては最新機能です。
搭載されるレンズはセコール5cmF2.8です。
鏡胴がシルバー仕上げで非常に高級感のある佇まいのカメラです。
写真は整備後なので非常にキレイな状態で
動作も全てにおいてスムーズで快適に動作しているのですが
整備前はなかなか大変な状態でした。
シャッター音はするのですがシャッター羽根は全く動かない状態で
明らかに羽根粘りではなく
羽根が何かに引っかかっているような状態でした。
シャッタユニットを分解してみると
シャッター羽根が折れ曲がって何枚か破損している状況です。
何がどうなって結果的にこうなったのかわかりませんが
分解し始めで気づきましたがかなりレベルの低い酷い分解品でした。
他のカメラのセイコーシャMXからシャッター羽根は
移植して何とかシャッタ-の修理はできましたが
ヘリコイドも狂っていて無限遠が出ておらず
ファインダー&距離計はあちこちのレンズや
ガラス・ミラーが外れかけでなかなか大変な状態でした。
それでも元々はシンプルなカメラなため
今回は何とか普通に撮影するには全く問題のない
良い状態に修理することができました。
唯一、一部が破損し歪んでいるフィルター枠のみは
どうにも交換部品が入手不可能なため
できる限りの修復ということになりました。

今回のマミヤ35がどういった経緯で
ご依頼者様が入手したのかはわからないのですが
分解品で動作不良のものは本当に中で何が起きているかわかりません。
今回は事なきを得ましたが
場合によっては修理不能の場合も十分に考えられます。
ネットオークションやネットフリマでは
こういう状態のものも多くあると思われますので
ご購入の際には本当にリスクがあるとお考え下さい

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