オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は特にピンとくる記念日がないのですが
1983年のこの日に中国自動車道が全線開通しています。
小学生の頃に部屋に貼ってあった
広島県の地図は「中国縦貫自動車道建設中」となっていて
「これいつできるんだろうなぁ」とよく思っていました。
このとき私は14歳、広島県内を東西に渡る
高速道路の開通ということで結構なニュースになっていました。
…とはいえ私の住んでいた呉からICが遠いのですよねぇ
(親父のクルマで大阪の親戚の家に行くときは
いつも三次ICから乗っていたが当時は呉から2時間以上はかかる)
中国山地を縫うように走る高速道路です。
元々、中国地方には「高速道路網の東西軸は1本のみを建設する」と
されていたため山陽側からも山陰側からもアクセスできる
中国地方の背骨である中国山地に沿うように建設されたのですね。
そのため高速道路としてはアップダウンもカーブも多く
何といってもトンネルが多く
そのためだと思うのですが着工から全線開通まで17年もかかってしまいました。
で、結局、山陽自動車道がその後、作られたため
山陽側に住む方はみんな山陽道を利用するようになってしまいました。
私も中国道はさすがに長らく乗った覚えがないなぁ…
冬は積雪・凍結が怖い道なんですよねぇ…
でも秋口や春先に県北や山陰のスポットを巡るには非常に便利な高速です。
あぁ、砂丘とか日御碕とか角島とか津和野とか
久しぶりに行ってみたい山陰の観光地たくさんあるのですよねぇ…
今年はこの中から少しでも行ってみたいなぁ

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もやはりOM-1は多いですねぇ…
実はOM-2やOM-3,4,の問い合わせも結構あるのですが
残念ながら当店では今のところOM-1以外のOMシリーズの
修理・整備は行っていない状況でございます。ご容赦下さいませ。
オリンパスは多くのカメラで非常に独特の造りをしているものが多く
修理やメンテナンスの難しいものも多いのです。
OM-1やペンF、XAとかにしても
ここによく登場しますが
他のカメラとは全く構造が異なる部分も多く
また多くのカメラで軽量コンパクトであることを最優先としているものが多いため
若干華奢な部分も多く整備がなかなか大変なのです。
OM-1もやっかいな症状が出ている場合は
なかなか思うように直らないことも多いのです。

今回、お預かりしているOM-1は
まず露出計がほとんど動きません。
明らかに反応しなければならない明るさで
それなりのSSや絞り設定にしても
指針は一番下で動きません。
でもいろいろやっているとたまに
「ピクン」と反応している感じがするのです。
…ということはおそらく露出計本体内での断線ではないと思われます。
露出計本体の交換は免れられるかと予想されます。
OM-1の露出計はこれがまたちょっと動きが独特で
光の強さに対してはSSは絞りの設定に関わらず
指針は常に一定に触れています。
ではどうして絞りやSS設定を変えると
ファインダー内の指針の振れが変わるのかというと
SSリング、絞りリングの回転量に応じて
露出計本体を連動糸で回転させて向きを変えているのです。
これでファインダー上の見かけでは
SSや絞り設定に応じて指針が動いているように見えるわけです。
たまに問い合わせでも
「露出計の針はほぼ動かないのだけど
SSを1秒あたりにセットすると少しだけ動く」と言われることがあるのですが
それはメーターが物理的に回転させられることによって
動いているように見えるだけで電気的には全く動いていないのです。
ちなみに電池が入っていなくても絞り開放で
SSを1/2や1秒にすると指針は少し上がってきます。
すみません、話がかなり逸れました。
今回はそれとは関係なくたまに電気的な反応はあるようです。
しかしながらほとんど動くことはないので
どこかで接触不良が起きていると推測されます。

そういう場合、一番に疑うのはやはり電池室周りですが
今回はそこには問題ないようです。
OM-1の場合、通常は次に疑うのは露出計SWなのですが
今回のOM-1はかなり後期のものらしく
SW周りが1Nと同じ構造となっており
SWでの接触不良は起こりにくいタイプです。
実はこの後期のOM-1はSW関係以外も
露出計周りやその露出計を支える台座とかも
もはや1Nとほぼ一緒です。
例の1Nで追加されたフラッシュ関連の機能がない他は
ほぼ1Nと言っていいかと思います。
で、SW部分は改善されていて接触不良は起こりにくくなっており
実際にテスターであたっても導通に問題はないのですが
1Nもそうですがこのタイプの構造になってから
メーターアースの場所と方法も変更されているのですね
以前はシンクロ端子の台座のネジ部分でしっかりアースされていて
場所もわかりやすかったのですが
これはメーター底部でアースが取られています、
このアース部分が比較的接触不良を起こしやすいのです。
今回の接触不良もここが原因でした。
今はもうわかっているからすぐに判断できましたが
これを知らない頃には
どこで接触不良が起きているのか
なかなかわかりませんでした。
こういうのも経験ですね…
露出計はそれでOKとなりそうですが
高速シャッターで精度不良とかも見られるので
もちろん機械的部分もいつものように一通り整備していきます。

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