オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は12/26…あまり記念日制定のない日なのですよねぇ
イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スイスでは
「ボクシングデー」とよばれる祝日です。
格闘技のボクシングではなくて(スペル同じですが)
クリスマスプレゼントの箱(BOX)を開ける日なのですね。
クリスマスの翌日にプレゼントの入った箱(Christmas box)を
持って教会へ出かけたイギリスの伝統を受け継いだ日なのだそうです。
また、教会が貧しい人たちのために寄付を募った
クリスマスプレゼントの箱を開ける日だったとのことです。
さらに、この日には、クリスマスにカードやプレゼントを
届けてくれた郵便配達人や使用人に
プレゼントをする習慣があるのだそうです…
うーん、なんにしてもひとりもんのじじいには関係ないかぁ(笑
クリスマスというよりも、もう既に気分は年末モードで
年内にどこまで作業をやっておこうとか
どこまで売上上げとこうとか…掃除はどこまでやろうかとか…
散らかりっぱなしの自宅の大掃除はやらなくてもいっか…とか(苦笑)
そんなことで頭がいっぱいです。
こういうときに浮足立っていると余計なトラブルを起こしがちなので
まずは深呼吸して落ち着いて
日々の仕事から取り掛かっていきます…

さてさて

そんな本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ペンF系、特にFTはやはり修理依頼の多いカメラですね。
世界的にも類を見ない独自の構造を持った
ハーフ判一眼レフです。
「FT」は「F」をベースに露出計・セルフタイマーを内蔵し
巻上をシングルストロークに変更したものです。
当店ではいわゆる「F」より「FT」の修理件数の方が多いのですが
これは単に「FT」が人気があって流通台数も多いというのもありますが
巻上や露出計のトラブルが「FT」のほうが多いというのもあると思います。
露出計に関しては「F」にはないものですから
当然、「FT」の場合のみのトラブルになるわけですが
シングルストロークにした関係か
ミラー駆動部周りの若干の変更のせいか
巻上関連のトラブルも圧倒的に「FT」の方が多いような気がします。
実際にきちんと調べたわけではないので断言はできないのですが…

今回、お預かりの「FT」もミラー駆動・巻上に問題があり
巻き上げるとミラーアップしてしまう状態です。
露出計のために通常のミラーからハーフミラーに変更された
第三反射面もがハーフミラーの劣化のために
ファインダーを覗くとシミだらけの状態です。
ハーフミラーは良品に交換して
ミラー駆動部、巻上周りはいったん完全に分解して
清掃・注油を行い再セットアップして
ミラー駆動にテンションをかけて再組立てしていきます。
組立て時にミラーにバネテンションを与えてやらないといけないのが
「ペンF系」の組み立ての特徴ではありますね
これもテンションかけすぎると故障の原因になるので注意が必要です。

正直なところ「ペンF系」特に「FT」は
ちょっとトラブルの多いカメラだとは思っています。
でもその分、魅力的なカメラでもあることに
間違いはないのですよねぇ(苦笑)
まぁトラブルに見舞われても修理・整備を行えば
直るカメラではあるのですが…
この個体に関して言えば動きは全く問題なくなり
外装も磨き上げたので非常に良い状態になったと思います。
こうしてみるとやはり独特で魅力的なスタイリングですよね!
その上、機構的にも他に類を見ないカメラとなると
そりゃ使いたくなるが本能かと思います。
ちなみにお預かりしたときには
接眼レンズ枠にひっかけるペンF系純正の
後付けアクセサリーシューが付いていたのですが
50年以上経過し劣化の接眼レンズ枠にこれを付けておくと
まず間違いなく接眼レンズ枠が割れてしまいます。
今回も当然のごとく枠に一部欠けがあったので
できる限りの修復を行っているのですが
これまで通りにアクセサリーシューをかけておくと
また枠が破損してしまうので外してあります。
現在、ペンF系を使っている方で
シューが付けてあるものはできる限り外しておいた方が良いと思います。

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