フジカ35Mのカメラ修理

メリークスマス!ですねぇ~
今朝起きても枕元にプレゼントはありませんでした…
50過ぎのひとりもんのじじいにはサンタさんは来ないようです(笑
イエス・キリストの降誕を記念する日ですが
イエスがこの日に生まれたという確証はないのですね
4世紀前半に教皇ユリウス1世が
「イエスの生誕の日は12月25日」と定めたそうです。
実は冬至の時期であるこの日前後には異教の祭が重なっており
キリスト教側が布教拡大を狙って
この日をイエス生誕の日としたものと見られているのだそうです。
本来は宗教の話ですものねぇ
いまや特に日本で行われているクリスマスは
本来の姿とはかけ離れてしまっているのでしょうが…(苦笑)
まぁそれはそれで…ここまで浸透したイベントになってしまったので
もはや別物ととらえたほうがいいのでしょうね
諸外国では12月24日から1月1日または1月6日までが
「クリスマス休暇」となる場合が多いのだそうです。
もう今日から年末年始休暇の方もいらっしゃるのですねぇ
私はもう少しだけラストスパートです!
年内は27日までの営業です!

さてさて

本日は「フジカ35M」のカメラ修理を行っています。
80年代半ばまでは富士フイルムのカメラはフジカブランドで販売されていました。
フジカブランドの35mm判として最初のカメラとなったのが
この「35M」です。
このカメラ、実は操作系の独特な少々変わったカメラで
巻上レバーは底面にあり、巻き戻しクランクは構えて左側の側面にあり
ピント調節は背面のダイヤルで行います。
なかなか他のカメラでは見られない操作系ですが
これがなかなか使いやすく当時もかなり話題になり
一躍ヒット商品となりました。
レンズは3群5枚のフジノン45mmF2.8で写りの評価も高く
シャッターは二眼レフ等でもお馴染みのシチズンMXVです。
独特な操作系はともかくとしても
内部もなかなか独自性の高い造りになっており
分解整備の難易度は高いほうだと思います。
シチズンシャッター自体はいいのですが
そのリンケージ部分や操作系部分等が少々難儀な部分も多いのです。

お預かりしている「35M」は
まずはシャッターを切ってもシャッター羽根が全く開きません。
レンズシャッターによくある羽根の固着によるものだと予想し
確かにそのとおりだったのですが
今回はそれだけでは終わりません…
羽根自体は清掃して動きに何の問題もなくなったのですが
今度はシャッターチャージ部分に問題があることが発覚し
巻き上げてもチャージでができない状態になっているようです。
どうやらシャッターユニット側のボディリンク部分に
長年の摩耗による微妙な部品変形が起きているようで
チャージリンク部を調整すると今度は羽根駆動部分に
問題が出るようになり、
なかなか一筋縄でいかない状態になってしまっています。
先程も少し書いたようにシャッターユニットの
ボディ側とのリンケージ部分が非常に微妙なバランスで
動くような仕組みなっていることと
その部分の部品の強度が少し足りないということもあるようです。
しかしながら60年以降経過していますから
さすがにしかたがない部分もあると思います。
今回は運よく良品の中古シャッターユニットが入手できたので
シャッターユニットの交換で対処します。
ファインダー内もいろいろと劣化が進んでいて
これまた一筋縄ではいかない難しい状況でしたが
できるかぎりの清掃と調整で
通常使用する分には何の問題のない状態までもっていくことができました。
背面操作のフォーカスダイヤルも
指一本で軽快に動くように整備調整しました。

レトロなルックスに独特な操作系…でも写りも良く使いやすい
根強い人気のあるのがわかるような気がします。
画像は一通り整備の終わった段階で
少々様子見をしている状態です。
転がっているのが好感したシャッターユニット部です。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。
この「35M」はご依頼者様のおじいさまが使っていたもので
かなり長い間仕舞い込まれていたもののようです
おそらく何十年ぶりかに撮影に使われることとなると思いますが
生まれてから60数年たった現在の街の様子を
是非そのレンズを通してフィルムに焼き付けていただきたいと思います。
ご依頼者様にもおじいさまが実際に使っていた
時代の空気感を少しでも感じていただければと思います。

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