キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は9月1日、「防災の日」であり
57年前に関東大震災が起きた日でもあります。
毎年、いえ毎月のように全国どこかで大きな災害が起きていますが
備えだけはしっかりしなくてはいけませんね。

さてさて

今日はキヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理を行っています。
最後のキャノネットでもあるG-Ⅲですが
発売は1972年、当たり前ですが1961年に発売された
初代キヤノネットに比べると非常にコンパクトで
色々な面で進化したモデルです。
現在でもキヤノネットの中ではこのG-Ⅲが
抜群の人気を保っていると思います。

今回、お預かりしたG-Ⅲは
随分長い間、家に保管されていたようで
まず裏蓋のモルトが全く機能しない状態で
そのモルトの腐食により裏蓋そのものや
ボディ側にも錆を発生させているような状況です。
加えてシャッター羽根にも粘りが出ていて
シャッター羽根は何とか動くのですが非常にゆっくり開閉します。
露出計は何とか生きてはいますが
随分アンダーに振れていて
通常ならばシャッターが切れなくてはいけない
EV15 ASA100 1/125という設定でも振り切ってしまい
シャッターロック(オート範囲適用外)がかかってしまいます。

キヤノネットに限ったことではありませんが
この時代のレンズ一体型コンパクトカメラは
裏蓋のモルトにかなり遮光性を頼っているものも多く
大量のモルトが使われています。
劣化したモルトは百害あって一利ナシなので
古いカメラをお持ちの方は必ずチェックすることをお勧めします。

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まずはこれから分解をさらに進めて
シャッターユニットの整備及び、シャッター羽根、絞り羽根の清掃を行います。
加えてレンズ清掃、露出計、オート制御、ファインダー周りの整備を行っていきます。

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