キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「冬至」ですね。
北半球では太陽の高さ(太陽高度)が一年で最も低くなる日。
そのため、一年中で最も昼(日の出から日没まで)が短くなり、夜が最も長い。
季節の変わり目であり、寒さがますます厳しくなる時期でもあります。
実際に最も寒くなるのは冬至から1か月後あたりですかね…
夏至(6月21日頃)のしばらく後に最も暑い季節が来るのと一緒ですね。
冬至の日には様々な風習が現在でもあります。
この日は冬至(湯治)風呂と称して柚子湯に入るとか
(ちなみに冬至に関連して今日は「酒風呂の日」でもあります)
冬至の日の朝に小豆粥を食べる(冬至粥)
冬至にはカボチャ(とうなす)の煮物を食べる
冬至の「と」に因んで、豆腐・唐辛子・ドジョウ・いとこ煮を食べる…等々
この中でも柚子湯とカボチャは全国的に有名ですね。
今日は銭湯行くと多くのところで柚子が浮かべてあるでしょうねぇ
私はカボチャはあまり好みではないので
(あまり好き嫌いはないのですがカボチャは幼少期からなぜか苦手)
帰りに銭湯で柚子湯を楽しんで帰宅したら
湯豆腐(「と」のつく食べ物)で一杯やりますかね(笑
イメージしただけでもなんだか暖かくなってきそうです。
がんばって仕事終わらせます!

さてさて

今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
「FT」の後継機となるカメラで
新システムとして発売されたFDレンズ群に対応し
開放測光が可能になったカメラです。
同年にキヤノン初のプロ仕様一眼レフ機となる「F-1」が
発売されていて同時期に開発された「FTb」は
「F-1」と共通する部分も多いカメラです。
デザイン的には新しい感覚のスタイリッシュさを持つ
「F-1」に比べると従来の「Fシリーズ」の流れを汲む
オーソドックスな一眼レフです。
使いやすい機械制御シャッター機ということで
現在でも根強い人気のあるカメラです。

お預かりしている「FTb」はシャッターは一通り
動作しているもののやはりシャッター幕軸の動きは
あまり良くないようでシャッタースピードの精度が不安定です。
特に後幕の幕速は不安定で1/1000や1/500で
シャッターテストすると切るたびに露光量に大きな差が出ます。
後幕が遅れ気味になることが多いので
シャッターが開かなくて写らない…なんてことはありませんが
1/1000で実際に1/1000の精度に近いモノが出ることもあれば
もう一度切ったら1/250にも届かないとどこないことがあるとか
そんな状況です。幕軸や調速カムの清掃整備が必要です。
加えて露出計は電池を入れてもうんともすんとも動きません。
電池室マイナス側にも大きな錆が出てきていますので
端子裏や配線、SW部に腐食が出ている状態だと思われます。
FTbは電池室とSW機構部が近いこともあって
腐食がSW部にまで広がっていることも多いです。

まだ取りかかかったばかりの段階です。
「Ftb」もプリズム腐食の多いカメラですが
今回はプリズムには問題ないようです。
ただ画像にも写っていますが
プリズム抑え裏側のモルトはベタベタに劣化していて
プリズムカバーにも貼り付いている状態です。
このプリズムカバーの隙間から浸食して
さらにプルズム腐食にまで至るというのが
「Fシリーズ」前期モデル共通のプリズム腐食のパターンです。
もちろん対策を行って処置をしておきます。
まずはここから分解氏を進めてシャッター周り
巻上・ミラー駆動部の清掃整備から行っていきます。

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