ペンタックスSPFのカメラ修理

少し早いけど「メリークリスマス!」ですね。
毎年同じことを書きますが
イヴ(eve)は「夜・晩」を意味する古語「even」から来たもので
「クリスマスの夜」という意味です。
キリスト教会暦では日没が一日の始まりで
クリスマスは24日の日没から25日の日没までとなるので
その間の夜である24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼ぶのですね。
決して「クリスマス前夜」という意味ではなくて
今日の日没から「クリスマス当日」なのですよ~
だから数年前から23日を「イヴイヴ」って呼ぶのは
おっかしいよなぁ。。。なんて静かに思っていました(苦笑)
某国内ヘヴィメタバンドの記念すべきデビューアルバム
『THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜』も
ちょっとおかしな訳になっているのか。。。(笑)
いやケチつけているわけではないですよ。名盤中の名盤です!
話が少しそれました。。。
「バテレンの行事だから関係ないよ」って思うのもわかりますが
(うちのじいさんも昔そんなこと言ってた
でも毎年サンタは来てくれてたよ)
もはやクリスマスはお祭りみたいなものなので
楽しめる人は存分に楽しんじゃいましょう!
え?私?私は今日は普通のいつもの木曜日ですよ(汗)
でもクリスマスが終わるとすぐに年末ですね。
今年の仕事も今日を含めても残り5日間です。

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ペンタックスSP」の後継モデルです。
SPのデビューは1964年でその頃にはまだ
TTL露出計(ファインダー内測光の露出計)自体がめずらしく
SPは世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵カメラでした。
それから時代は流れSPのようにファインダー内を
実際の撮影時と同じ明るさに絞り込んで測光する
「絞込測光」から測光時も絞りは開放のままで
明るいファインダー像のまま測光できる「開放測光」へと
TTL露出計は進化していきます。
絞込測光を使ったことのある方ならお分かりかと思いますが
F11やF16に絞り込んだファインダーは非常に暗く
とてもとてもその状態でピント合わせは行えません。
先にピント合わせを完了しておいて測光するか
測光が終わった後に再び絞りを開放にしてピント合わせを行うか
作業を切り離して考える必要がありました。
そのため便利な開放測光が多勢を占めていくことになります。
。。。という背景もあり
SPの後継機であるSPFには「開放測光」の可能なカメラとなりました。
しかし開放測光を行うにはレンズの絞りリングがどこに
設定されているか露出計側に伝達させる必要があります。
M42マウントにはそんな伝達機構は元々ありません。
そこで絞り情報伝達機構を加えたペンタックスSMCタクマーレンズ群を
使用することにより開放測光を実現しました。
(SMCタクマー+開放測光自体は先に「ES」でデビュー済み)
従来のM42レンズ使用時には絞込測光で測光します。
露出計周り以外の機械的構造は基本的にはSPと同様です。
ただ細かい部分ではいろいろとブラッシュアップされており
より使いやすく安定した動きのカメラです。

とはいえ。。。寄る年波には勝てません。。。
お預かりしているSPFも
どこかが大きく破損しているわけではありませんが
経年劣化によるいろいろなトラブルを抱えています。
まず定番のプリズム腐食です。
プリズムに遮光のためにぐるりと外周に貼られている
モルトが加水分解し、プリズムの蒸着面も剥離してしまいます。
こうなるともはやプリズム交換または再蒸着しか手段はございません。
当店では再蒸着は行っていないので
中古良品のプリズムと交換で対応します。
ちなみにSPとSPFではプリズムのサイズが少し異なり
互換性はございません。
(SPFのプリズムのほうが少し大きい)
次にこれも定番と言えるミラーアップです。
今回もミラー駆動部のトラブルではなく
シャッター幕走行不良が原因かと思われます。
目視でも明らかに幕速が遅く感じます。
当然、この状態ではSSの精度は全く出ていません。
ここで無理矢理テンションだけあげて応急処置する方も
いらっしゃるようですが長続きしない上に
確実に幕軸のバネを傷めるので止めていただければと思います。
バカになったバネはもう元には戻りません。
走行不良はバネさえしっかりしていれば
幕軸をしっかり清掃して
注油を行うことでほぼ復活できます。
今回は妙な分解品ではないのは明らかなのでその点では安心です。

その他、ファインダーや装着されている
SMCタクマー55mmF1.8レンズは盛大にカビが発生しています。
こちらもできる限り清掃を行っていきます。
まだ現状チェックを行っただけで
上の写真も預かったままの状態で撮ったものですが
外観は非常にキレイです。
長年大切にされていたものだというのがよくわかります。
たとえ使っていなくても(逆に使っていないから)
動きが悪くなったり劣化が出てくる部分はたくさんあります。
今回、しっかりリフレッシュして昔と同じように
気持ちよく使えるように整備を行っていきます。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「東京タワー完成の日」だそうです。
1958(昭和33)年のこの日に東京・芝公園に
「東京タワー」が完成(竣工)し、完工式が行われました。
この日は「東京タワーの日」ともされるそうです。
いくらスカイツリーができて日本一の高さじゃなくなっても
やっぱり東京のシンボルは「東京駅」と
この「東京タワー」ですよねぇ。。。
私も都内に最初に移り住んできたときに
何はともあれ改めて東京タワーには行きましたものねぇ。。。
ライトアップもいろいろとバリエーションが豊富で
夜の首都高環状線(C1)なんかを走っていると
東京タワーが現れると「おおお」って未だに思います。
そういえば遠くから見ることは多くてもしばらく行ってないな
改めて写真でも撮りに行ってみましょうかね。
あ、でもスカイツリーは開業直前に真下から見上げただけで
普通に訪れたことないのですよね。。。
さすがにそっちのほうが先かな。。。(苦笑)
ちなみに今夜の東京タワーのライトアップは
「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」で
品川・横浜方面のメインデッキにはハートマークが点灯します。
いいですねぇ。。。こう聞くと見に行きたくなりますね。

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズを代表するカメラと言っても思います。
Mシリーズとして最初にデビューしたのは
MEよりも一ヶ月早く「MX」がデビューしているのですが
「MX」はMシリーズ中唯一の横走りシャッター機械制御機です。
Mシリーズとしては「小型軽量化」と並んで
「電子化によるAE化」を推し進めていたことを考えると
本命はやはり「ME」だったのではないかと思います。
事実、その後に続くMシリーズのカメラは
基本的に「ME」をベースにしたカメラばかりです。
電子回路も先代Kシリーズの「K2」と比べると
かなり効率化された上に安定したものとなっています。
電子制御機ということで敬遠されることも多いような気がしますが
ME系カメラ(MEスーパーやMG,MV1も含む)の
トラブルのほとんどは機械的な要因によるものです。
定番トラブルの最たるものである「ミラーアップしたまま固着」も
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化によるものです。
電子制御回路自体のトラブルはかなり少ないと思います。
確かにそれでもまれに電子部品トラブルはありますし
そうなると修理がかなり:難しくなるもの事実ですが
あまりにそこにばかり神経質になる必要はないと思います。
個人的に思うのはかなり使用感の良いカメラで
軽やかで感触の良い巻上と上品なシャッター音
ピントの山の掴みやすいファインダーと
非常に使い心地の良いカメラだと思います。

お預かりしている「ME」はまずフィルムカウンターが動作不良で
裏蓋を開けてもゼロに戻ってくれません。
さらに出来上がりの写真を見ると光漏れが起こっているようです。
先述したミラーアップのトラブルはなく
快調にシャッターは切れていますが
オートはかなりアンダー気味になってしまっています。
加えてモード切替ダイヤルが異様に重く
切り替えるのにかなるの力を必要とします。
あまり無理をしていると壊してしまいそうです。
ミラー駆動部のトラブル予防も含めて
全体的にリフレッシュが必要な状態です。
Mシリーズのカメラはフィルム室だけではなく
カメラ内部のいたるところにモルトが使われているので
その交換も行う必要があると思われます。
今回の光漏れはフィルム室のモルト劣化が原因とは思われますが
フィルム室以上に内部モルトも劣化していると思われます。

装着されているレンズは当店のテスト用レンズです。
ワインダーが装着されちゃ状態でお預かりしました。
「Mシリーズ」はアクセサリーシステムが充実しているのも
冬至のセールスポイントのひとつでした。
現在ではアクセサリー類は
なかなか入手の難しいものも多いとは思いますが。。。
ちなみに当店では残念ながらワインダーやモータードライブ類を含む
システムアクセサリーの修理・整備は行っておりません。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ニコンフォトミックFTnのカメラ修理

今日は「冬至」です。
北半球では太陽の高さが一年で最も低くなる日です。
そのため一年中で最も昼(日の出から日没まで)が短くなり
夜が最も長くなります。
北極付近では「極夜」となり
冬至前後は1日中、太陽が昇らなくなります。
ちなみに「極夜」の時期は
オーロラが最も綺麗に長く見ることのできる時期とされています。
オーロラもそうですが「極夜」とかその反対の「白夜」とかは
一度、体験してみたい気もします。不思議ですよねぇ
近年すっかり寒がりになってしまった私に
そんなことは無理なような気もするので
冬至ということで柚子湯(ゆずゆ)に入って
カボチャを食べましょう!
ちなみに「冬至」→「杜氏」と関連付けて
今日は「酒風呂の日」でもあるのですよ
一般的な家庭用の湯舟ならコップ1杯くらいの日本酒を
入れるのだそうです。肌がつるつるになって温まるらしいですよ~
去年は私もやりましたが。。。
「言われてみればそんな気がする」程度でした(苦笑)
もっと入れたほうがいいのかな。。。
もしかしたら今年も今夜あたり試してみるかも。。。
(2合くらい入れてみるかな(笑))

さてさて

本日は「ニコンフォトミックFTn」のカメラ修理を行っています。
名機「ニコンF」に「フォトミックFTnファインダー」が
装着されたモデルです。
「F」自体は露出計のないアイレベルファインダーを装着したモデルで
1959年に発売開始となりますが
その後、1962年に外光式露出計を備えた
フォトミックファインダーを装着した「ニコンFフォトミック」が発売され
さらに1965年にTTL平均測光に変更された
「ニコンFフォトミックT」
1967年には「T」を中央部重点測光に変更した
「ニコンFフォトミックTn」が発売されます。
そしてニコマートFTnに先行採用された
開放F値補正操作(いわゆるガチャガチャ)を搭載した
「ニコンフォトミックFTn」が1968年に発売されました。
それぞれのフォトミックファインダーは単体でも発売されていたので
元々アイレベルの「F」を「フォトミックファインダー」に
交換して使うことも自由自在です。
フォトミックファインダーだけではなくアクションファインダーや
ウエストレベルファインダーも単体発売されており
ファインダー交換式カメラならではの使い方や楽しみ方ができますね。
ただ、注意が必要なのはこの「フォトミックFTnファインダー」に限っては
ボディ側の製造番号が「68」以前のものにそのまま
装着することができません。
銘板の形状を変更しなくては装着できない構造になっています。
さらに「フォトミックFTnファインダー」を装着すると
シャッタースピードの設定がファインダー内で確認できるようになります。
これは嬉しい装備ですね。これで絞り値も表示されれば文句ないのですが
それは「F2フォトミック」登場まで待つことになってしまいました。

お預かりしている「フォトミックFTN」は
製造番号から判断すると1969年4月~6月に作られたものと思われます。
私と同い年な上に生まれた季節までほぼ一緒かと思われます。
お互いに歳とってボロボロだねぇ。。。と声をかけてしまいそうです(笑)
あ、いや、そんなこといったら「F」に失礼だな
私の方が相当にオンボロでポンコツです(苦笑)
結構な期間、使われずにご依頼者差宅で眠っていたものと思われますが
外装に多少くたびれた感はあるものの
シャッターはしっかり動作しており巻上感も悪くなく
さすが「ニコンF」といった感じです。
それでも多少は幕軸の汚れ等のため高速シャッターの精度は狂っており
スローガバナの動きもかなり怪しいので
一通りの整備は必要です。
さて心配されるフォトミックファインダーの状態ですが
さすがに露出計は電池を入れてみても全く反応がありません。
電源が入らないのは電池室端子の劣化か配線の劣化と思われ
修理可能ですしそれほど心配はしていないのですが
問題なのは内部の摺動抵抗の劣化具合です。
これが状態の悪いものが多く
抵抗体が剥がれ落ちてしまっているものも多いのです。
抵抗体が完全に剥がれ落ちてしまっていると
露出計指針が振り切ったままで明るさ・設定に全く反応できなくなります。
抵抗体が剥がれて抵抗がほぼゼロになってしまうからですね。
剥がれかけの場合はたまに指針が
振り切ってしまうという症状で現れます。
どちらにしても抵抗体は既に修理不能な箇所でございます。

まだ現状チェックを行っただけの状態で
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
露出計に関しては今の段階では何とも言えない部分が多いのですが
今回は何とか使えるレベルになるのではないかと思われます。
それにしてもアイレベルファインダー装着時の
スマートさに比べるとかなり武骨なイメージになりますね。
でもこれが見慣れてくると「何だか強そうでいいな」なんて
思えてくるのですよね。
うちのじいさんが私が幼い頃、私を写すときに
一番使っていたのがフォトミックTだったのですが
その時も「なんだか強そうなカメラだなぁ」と思っていました(笑)
ご依頼者様はかなり若い方ですが
整備したフォトミックを使っていただいて
少しでも60年代~70年代の空気感を味わっていただければとも思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「大洗濯の日」らしいですよ
年末恒例の「大掃除」と同じように
家にある布団カバー、毛布、カーテンなどの大物も
洗って新しい年を迎えましょう!ってことですね。
言われてみれば毛布しばらく洗っていないかも。。。(苦笑)
私、近年少し寒がりになったこともあり
夏だろうが冬だろうが敷き毛布に掛け毛布
年中毛布2枚使っているのでね。
夏はさすがにそのままでは暑いので
冷房ガンガンかけてキンキンに寝室を冷やすのですが。。。(笑)
で、夏以来、毛布洗っていない気が。。。(汗)
はい、近所のコインランドリーで毛布も洗って
乾燥機にかけてさっさと洗ってしまいましょう!
この辺はコインランドリーも徒歩圏内に何か所もあるし
干す手間とかを考えたら普段の洗濯も家で洗うより
コインランドリーで洗って
そのまま乾燥機にかけてしまうほうが
効率いいのですよねぇ。。。
大物は毛布と布団カバーくらいですね(自宅はカーテンはない)
今日は無理だけど近日中にすべて洗ってしまいます。
それよりも今年はお店の大掃除が
例年に比べても大変そうで今から少し憂鬱です。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
。。。今月2台目でしたかね。。。
きちんと集計したわけではありませんが
機種別でみるとおそらく修理依頼数最多なのは
ぶっちぎりでOM-1ではないかと思います。
それだけ人気があり今でも使っている方が多いということですね。
おそらくニコンF・F2やキヤノンF-1も
人気度合いでいえば決して負けていないとは思いますが
OM-1は同時代の他メーカフラッグシップに比べると
圧倒的に軽量コンパクトなため
「これからフィルム始めます!」という方にも
とっつきやすいカメラなのだと思います。
ただ、その軽量コンパクトさは両刃の剣で
頑丈に作ると大きく重くなるところを
ギリギリまで無駄を省き
独創的な工夫を凝らしてあるカメラでもあるため
多少華奢な部分があるのも事実です。
現行モデルだった頃には全く問題なかった部分も
さすがに40年以上経過すると脆くなってくる部分もあるので
他の大きく重いフラッグシップ機に比べても
定期的に念入りに整備を行わないと
トラブルが起こる可能性も少し高いのではと思います。

今回お預かりのOM-1はかなり初期のモデルです。
おそらく「M-1」から「OM-1」に改名されて
すぐの生産時期かと思われます。
フィルム室のスタッドは4本立っていて
裏蓋の圧版も短いものです。
接眼レンズ位置も浅く、上カバーを開けてみると
プリズムは4本バネで留められているタイプです。
カバー以外はほぼ「M-1」と同一です。
ただプリズムはおそらく一度交換されていると思われます。
そのときに露出計周りの配線も変えられている模様です。
巻上レバーもこの時期のものではなく
一度交換が行われているようです。
もちろん機能的には全く問題はない部分ばかりです。
シャッターは若干の調整は必要ですが
基本的には快調に動作しており
巻上の感触も悪くありません。
モルトはさすがに全滅ですが
プリズム周りには腐食対策が既に施されています。
ただしプリズムや接眼レンズには随分カビが発生しています。
最大の問題は露出計が全く動きません。

パターン的には電池室端子部のハンダ付け及び
リード線の断線が多いのでまずは底カバーを外して
その辺りをチェックしていきます。
一緒にトラブルの多い三連ギアの動きも確認していきます。
。。。電池室及び配線には特に問題ないようです。
ちょっとイヤな予感が。。。
この後、上カバーを開けてSW部の確認等もしていくのですが
どうやら今回は露出計本体が完全にダメなようです。
最近、メーター本体内部で
断線しているOM-1が多いような気がします。
こうなるとメーター交換が無難な対処法ですが
それにしてもOM-1のメーター交換は
なかなか手間な作業なのです。
。。。気を取り直して落ち着いてから
慎重にメーター交換を行うことにしましょう
その前に分解を進めて幕軸周りや
巻上関連の整備を先に行っておきます。
露出計の件はもちろんですが当分何もしなくても
問題なく動くように一通りの整備を並行して行っていきます。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「東京駅完成記念日」だそうですよ。
1914(大正3)年のこの日に東京駅の完成式が行われたそうです。
この日は「東京駅の日」ともされるのですね。
意外と利用することが少ないのですよね。東京駅。。。
東海新幹線が品川発着するようになってから
さらに行くことが少なくなりました。。。
私、普段の行動範囲本当に狭いですから(苦笑)
ほとんど中野・新宿エリアから出ていないかも。。。
(定休日のちょっとした遠出は除いて)
最初に上京してきたときに住んだのが中板橋で
それから武蔵小杉→川崎市多摩区→厚木と移り住み
再び都内に舞い戻り中野区内が仕事場&自宅といった感じですが
山手線を東西で半分にすると東半分には意外と
行くことがないのです。意外と遠いし。。。
ごくたまに秋葉原くらいかな。。。
それでも東京駅近辺や新橋・上野あたりには
以前から立ち寄ってみたい場所やお店があって
そのうちじっくりめぐってみたいと考えているのですが
なかなか重い腰があがらないのです(笑)
まぁ、今はあまり人の多いところには近づきたくないですし
また春先以降ですねぇ。。。

さてさて

今日はミノルタの名機、「SR-T101」のカメラ修理を行っています。
少し前にもSR-Tの修理を行っていろいろ書きましたが
ミノルタの機械制御シャッター機を語る上で
決して外すことのできない記念碑的なモデルでもあります。
発売開始は1966年、ミノルタ初のTTL開放測光機として
デビューしました。それまでのオートロッコールレンズ群は絞り値を
ボディ側に伝える機構がなくSR-T101の:開放測光に対応するために
絞り伝達機構を持つ「MCロッコールレンズ群」に
レンズ側もモデルチェンジされました。
目新しいのはTTL開放測光だけではなく
ペンタプリズムに受光体(CdS)を2個埋め込み
画面を上下に分割しそれぞれで測光を行い
直列に繋ぐことによって露出計を駆動させる
「CLC」を搭載しました。画面の半分に空が入っている場合とかでも
極端に明るいほうに露出値が引っ張られることを防ぐ機構です。
現在の測光方式の主流となっている「分割測光」の
原型といっても良いと思います。
露出計や測光方式に目新しい機能が搭載されたSR-T101ですが
最大の魅力はそこではなく
やはりミノルタらしい操作感の良さと使いやすさ
故障やトラブルの少ない堅牢性が一番の魅力だと思います。
その基本性能の高さで7年にもわたって生産される
ロングセラーとなり、その後の後継機ともいえる
SRTスーパーやミノルタ最後の機械制御シャッター機でもある
SR505/SR101も基本的な部分はSR-T101と共通ということを考えても
SR-T101はやはりミノルタSRシリーズを
代表するカメラではないかと思います。

元々、非常に丈夫なSR-Tなので
何十年も使いっぱなしにされた個体でも
シャッターは何とか切れる。。。というものが多いと思います。
でもそれは丈夫なSR-Tだから「何とか動いている」というだけで
さすがに本来の姿ではありません。
巻上の感触等からもかわいそうに思えるくらい
無理矢理動いている感が伝わる個体も多いですが
シャッタースピードを測定してみれば一目瞭然で
相当に幕軸に汚れや油切れで無駄な負荷がかかっているのがわかります。
動きの悪いものを悪いままで使い続けていると
必ず後に大きなトラブルの原因になります。
SR-Tに限った話ではないですが
機械モノは本来の想定された負荷で滑らかな動きを保つことが
長持ちさせる一番の方法です。

お預かりしているSR-Tは
シャッターを切るとほぼ間違いなく
ミラーアップしたままになってしまいます。
これも過去に何度も書きましたが
ミラーアップしたままになる原因はミラー駆動部ではなく
シャッター後幕が正常に走りきらないことが原因です。
後幕が走り切らないためミラーダウンレバーを
幕軸からのリンク部分が蹴られないことが原因です。
当然その状態だと幕速もまったく精度が出ておらず
SS測定をしてもまともな数値は出るわけもございません。
今回は後幕だけでなく
先幕の動きもかなり悪く
例えばバルブでシャッターを開きっぱなしにすると
先幕が走り切らずに少しはみ出したままの状態であることが
目視で確認できます。
何にしても幕軸周りの念入りな清掃と注油が必要です。
さらにSR-T自慢の露出計も全く動作しない状態です。
電池室の汚れ等やSW部が原因ではないようです。
それでも露出計に直接テスターで電圧をかけると
元気に針は振り切るので
CDS周りのハンダ付けが怪しいと思われます。

SR-T系といえば露出計連動や
ファインダー内SS表示のための連動糸が
あちこちに張り巡らされているのが内部の特徴です。
連動糸自体はSSダイヤルからのものと
レンズ連動部からくるものの2本で
それでファインダー内の〇先端の指針を動かします。
予備知識も何もなく上カバーを外そうとすると
ほぼ間違いなく連動糸を切ってしまうことになるので
不用意な分解は避けた方がよろしいかと思います。
(不用意な分解はSRTだけでなく
全てのカメラで避けてほしいのですが。。。)
ファインダー枠周りのモルト等もボロボロです。
その辺りの交換も行いつつシャッター周りの整備から取り掛かります。

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ミノルタA3のカメラ修理

今日は「飛行機の日」だそうですよ。
1903(明治36)年のこの日に
ライト兄弟が動力飛行機の初飛行に成功したことに由来します。
あの有名な複葉機、ライトフライヤー号ですね。
4000ccの直列4気筒エンジンを搭載していました。
一気筒あたり1000CC!なのですね。
でも12馬力程度しかなくて飛行機の重量は338kg
いや、軽いのでしょうが
この数値だけ見ているとよく飛んだな。。。という感じがします。
実はライトフライヤー号は完全に自力のみで飛ぶことはできず
離陸には簡易的なカタパルトを用いたそうです。
いや。。。わくわくするけど同時に怖いですよねぇ(汗)
そういえば飛行機なんてもう10年以上乗っていないかも。。。
パスポートも切れちゃってるし。。。
もうあまり飛行機で出かけるようなこともないでしょうねぇ。。。
北海道あたりに行くならやっぱり飛行機かな。。。
ちなみに一時期広島帰省の時に
飛行機を使っていたこともあるのですが
飛行機自体で飛んでいる時間は短くても
搭乗までに時間がかかることと
広島空港の地理的な場所が遠いこともあって
結局新幹線で帰るのと
時間的に変わらない。。。ということになり
もう最近は新幹線ばかりです。
あ、ちなみに青春18きっぷで在来線で帰ると
16時間くらいかかります(笑)
東京から九州だとさすがに飛行機がいいでしょうねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタA3」のカメラ修理を行っています。
ミノルタAシリーズは
ミノルタ初のレンズシャッター35mm判カメラです。
1955年の「A」に始まりその後、「A2」、「A3」。。。
「A5」まで続きます。
何だかコピー用紙みたいですね(笑)
そういえば最近は写真のプリントサイズも
A4やA3、B4なんて指定できるそうですが
やっぱりプリントサイズは昔の印画紙サイズに倣って
「半切(はんせつ)」、「四つ切り」、「六つ切り」
「キャビネ(カビネ)」ですよねぇ。。。
いや、今や時代遅れなのはわかってますよ(苦笑)
本題に戻ります。。。
今回お預かりしているのは1959年発売の「A3」です。
「A2」までの丸っこいデザインとは決別し
一般的な四角いカメラとなりました。
レンズはロッコールTD45mmF2.8ですが
一部ロッコールTE45mmF2.8搭載機もあるようです。
シャッターはシチズンMVLで最高速は1/500です。
操作方法等やデザインも含めて
AシリーズはA,A2とこのA3では全く考え方が異なります。
A3は良い意味で操作方法も一般的なものとなりました。
露出計を持たないシンプルな距離計カメラです。
距離計二重像はハーフミラーで投影されますが
一般的な全面ハーフミラーではなく
視野中心の台形部分にのみハーフミラーを蒸着し
フレームはアルバダ式で投影します。
このあたりはちょっと変わった構造です。

お預かりのA3はまずシャッターが切れません。
正確にいう巻上ロックがかかりっぱなしで
巻上ができません。強制的にロックを外して巻き上げても
シャッターチャージしきらずに巻上が完了してしまいます。
で、再び巻上ロックがかかるので
どちらにしてもシャッターを切ることができません。
ある程度、分解して強制的にシャッターを切ってみると
とりあえずは切れるのですがやはり羽根に粘り等はあり
スローガバナは固着してしてしまっているようです。
さらにフィルムカウンターが中で外れてしまっていて
上カバー内側でグラグラに遊んでしまっている感じです。
ちなみにA3のフィルムカウンターは上カバーに取り付けられていて
スプロケット軸上部と噛み合ってカウントアップしていく方式です。
これもちょっと独特ですね。

シャッターユニットのチャージしきれない問題は
ちょっと思ったよりやっかいそうです。
ボディ側にチャージアームの調整はあるのですが
そこでチャージできる位置に調整すると
今度は巻上ロックがかからずにどこまでも巻き上げられてしまいます。
まぁ、理屈はわかっているので
うまい具合に何とか調整していきましょう
他、シャッターユニット部の清掃整備、カビだらけのレンズ清掃
ファインダー調整清掃を行います。
このカメラも50年代のロッコールにありがちな
後玉ユニットのコーティング劣化によるクモリの非常に多いカメラです。
今回はそれほど問題になるほどではありませんが
やはり後玉のコーティングには劣化が見られます。
コーティング劣化そのものは改善できませんが
できる限りの清掃で対応いたします。
ある程度の整備が完了して仮組してみると
やっと軽やかに巻上できてシャッターが切れるようになりました。
ミノルタらしい気持ちの良い巻上です。
ここまでくればもう大丈夫ですね。
後は通常の整備を慎重に行っていきます。

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ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「フリーランスの日」なのだそうです。
フリーランスとは。。。
「特定の企業や団体、組織に専従しておらず
自らの技能を提供することにより
社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である」
じゃ、私も一応、「フリーランス」ということになるのかな
そんなスマートな感じの仕事じゃないですが。。。(笑)
細かい手間仕事を都度請け負って
細々と何とかやっているという感じです
組織に属してなくて完全な個人プレイなので
仕事を一生懸命やろうがサボろうが
あまり怒られることはありませんが
その結果はダイレクトに跳ね返ってきます。
上手くいっても所詮、個人の手間仕事なので
大儲けにはなりませんが
効率の悪いことをしていたり手を抜いていたりすると
あっという間に窮地に追い込まれます。。。
先日の入院で1ヶ月以上作業を休まざるを得なかったときには
さすがにちょっと青ざめるほどの状況でした(汗)
自分に何かあるとその時点で終わってしまうと考えると
かなりリスキーだなぁ。。。とは思います。
今更、そんなわかりきったことを気にしてもしかたないので
健康にだけは気を付けて毎日を積み重ねるしかないですねぇ。。。
あぁ、今年も何とか年は越せそうです(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
1960年発売のカメラです。
セレン光電池を利用した露出計を搭載し
LV(ライトバリュー)値で適正露出を指示してくれます。
露出計は完全に独立しておりカメラ側との連動はありません。
ただ、ボディ側でもLV値に応じた設定ができ
(LVリングを回すことでLV値を設定する)
露出計と同じLV値にすれば露出設定はOKというカメラです。
それとは別にSS/絞りリングを回すと
LV値は保持したままSS/絞りの組み合わせを変更できるという作りです。
LV値ベースで操作すると使いやすいのですが
個別にマニュアル的にSS・絞りを設定しようとすると
ちょっと操作に戸惑うかもしれません。
でもこの1960年前後はこういうLV値ありきの
操作方法のカメラは比較的多く
特にミニスターのように非連動の露出計搭載機には
同じような露出設定方法のカメラがたくさん存在します。
慣れてしまえば意外に使いやすいのですけどね。
シャッターはコパルSVLで最高速は1/500です。
レンズはヤシノン4.5cmでF2.8搭載機とF1.9搭載機が存在します。
結構多くの台数が販売され現存している台数も多いと思われます。
話が逸れますが同じ名前のタバコが以前存在してて
他の銘柄とほぼ同じ値段なのに30本入っているのですね。
(通常は20本入り)まぁ少し短いのですが
今でも友人の幼馴染が一時期吸ってたなぁ。。。と
このカメラを見るたびに思い出します(笑)

現存するミニスターの多くは何かしら動きの悪い部分があって
要整備なものがほとんどではないかと思います。
今回のミニスターも最も心配されるセレンの状態は良く
露出計にほぼ問題はないのですが
まず先程触れたLVリングやSS/絞りリングが激重で
無理に回すと壊れそうなほどです。
シャッターは何とか切れていますがやはり羽根に粘りがあり
スローガバナはほぼ固着しており
1秒に設定すると開いたままで止まってしまいます。
レンズにはかなりのカビが確認でき
ファインダーも曇っていて二重像も非常に見えにくい状態です。
あともう一つ、ミニスターの場合は必ず先に確認しておくのが
巻き戻しノブです。
スプロケット軸固着で「R」ポジションに回り切らず
巻き戻しができない個体が非常に多いです。
うっかり見逃していて後の動作確認で気づくと
また分解やり直しになる部分なので
必ず確認+正常でも念入りにそこの整備を行います。

巻上部やシャッターユニット内もそうですが
とにかく全体的に動きの悪い部分が
非常に多い状態です。
ただ、レンズのカビやファインダーのクモリも含めて
致命的なものはなくしっかり整備すれば
本来の姿を取り戻せる状態です。
しっかり整備されたミニスターの巻上は
なかなか軽やかで良い感触です。
まだ途中経過ですが今回もミニスターも
非常に気持ちよい巻上になってきました。
完成後には是非ご依頼者様にも味わっていただきたいと思います。

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ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911(明治44)年のこの日に
ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと
4人の隊員が世界で初めて南極点に到達したことに由来しています。
もう南極どころかここ数日のちょっとした寒さで
毎日震えています(笑)
昔から暑いのには弱かったけど
寒いのには強いつもりだったのですけどねぇ
まぁ、心当たりはあって
7年前の抗がん剤治療で
何だかいろんな体質が変わっちゃったのですよね
それから手足がやたらと冷えるようになってしまいました。
でも今となっては今年の延髄梗塞のせいで
右半身は冷たさをほぼ感じないのですが。。。
それでも寒いものは寒いです。
南極なんて非現実的な世界は想像と映像だけで充分かな(笑)
それよりも今夜もリアルに寒そうなので
鍋に日本酒がいいかなぁ。。。などと
お手軽に温まる方法を思案中です(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
最近やたらと修理依頼の多いエレクトロ35シリーズですが
「CC」はシリーズ中唯一の35mm広角レンズ搭載機種です。
それもエレクトロの他機種同様に大口径で
F1.8の明るさを誇るカラーヤシノンDXレンズです。
35mmF1.8.。。現在のレベルでも高級レンズのスペックですよね
初代から一貫して「ろうそく1本の光でも写る」を目指してきた
エレクトロ35シリーズならではのレンズだと思います。
最近よく同じようなことを書きますが
この時代の大口径レンズは基本的に
「光量の少ない場面で少しでもシャッタスピードを稼ぐ」ことを
目的としています。
今の感覚でいうと大口径レンズの魅力は「開放時の大きなボケ」と
考えがちですがそういうレンズ(カメラ)ではありません。
開放時ならまだ良いのですが絞り羽根が2枚羽根で
かなり変わった形状で絞られていくので
開放以外ではボケを楽しむことは勧められません。
(逆手にとって変わった形を楽しむのは良いかもしれません)
おまけにシャッター羽根も2枚羽根で
そのせいもあるかと思いますが最高速は1/250です。
開放にできるシチュエーションはかなり限られたものになりそうですね。
まぁそんなネガな部分を差し引いても
35mmF1.8レンズというのは十分に魅力的です。
その上、目測ではなくレンジファインダーも搭載です。
他に同じようなスペックを持つカメラがないことも
なおのこと存在を引き立てます。
個人的なことを言えばこれで「B(バルブ)」が
電子制御でもいいので搭載されていればもっと魅力的なのですが。。。

エレクトロ35シリーズでお預かりとなると
最初に気なるのはやはり電池室の腐食です。
「CC」の使用電池は初期エレクトロのようなHM-2Nではなく
4LR44ですがそれでも液漏れや
電池がら出るガスによる腐食は非常に多いです。
ただ、今回のCCはそこは大丈夫でそうです。
新しい電池を入れてみると
バッテリーチェックもまぶしいほどに輝きます。
これなら精度はともかく一通りは動くのかな。。。と思いきや
シャッター制御が全くできてない様子です。
店内のあまり明るくないところでも
普通に早いシャッターが切れたので「あれ?」と思い
レンズにキャップをしてシャッターを切ってみても
同じ速度で切れてしまいスローに制御されることはありません
これでスロー警告灯だけでも出ているのなら
シャッター羽根駆動部の粘りによる動作不良なのですが
警告灯すら点灯しません。
バッテリーチェックはできるのに
制御部には電源が入っていないのか。。。と思って念のため
今度は明るい光(LV15)で絞り開放にしてみると
赤いほうの警告灯は点灯します(光量過多警告)
さらにSSにして1/250~1/60あたりまでを
選定するであろうという場面では一応オートも効いているみたいです。
ただスロー側に全く制御されず警告灯も点かないという症状のようです。
これはまいりますねぇ。。。(汗)
受光体の劣化による不良かとも考えましたが
受光体の抵抗値はさほど悪くないようです。

こうなると基板内電子部品不良ではないとするならば
接点の不良やハンダ付け劣化による不良くらいしか思いつきません。
ひたすらあやしげな接点を清掃し
ハンダを付けなおしてみるしかありません。
終わりの見えない作業になる可能性がありますが
とりあえずこれまでの経験上で心あたりの部分を徹底的に
整備・清掃してきます。
とりあえず仮組みをしてみて受光体を黒い布で隠し
シャッターを押してみると
黄色い警告灯が点灯しスルーでシャッターが切れました。
精度はあとで調整するとして
これで何とかなりそうな目処が立ちました。
まぁ、この類の電子制御機は
やってみないと分からない部分が多いですね。。。

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オリンパスOM10のカメラ修理

今日は「正月事始め」「煤払い」「松迎え」と
年神様を迎える準備を始める日です。
さらに関連して「大掃除の日」なんてものも
本日に制定されています。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など
お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があったのだそうです。
いかん、いかん、昔ならともかく
現在の世はそんなにのんびりと
お正月の準備を早くからしていられません(汗)
12月は12月でちゃんとひと月分の売り上げを
確保しないといけないし
今年のラストスパートの月でもあります。
でも8日の「お事納め」もそうですが
何となく年末の雰囲気とカレンダーに騙されて
「あ、そろそろ通常業務より
少しずつ年末の準備しなくちゃな」みたいな雰囲気になって
テンションが緩んでしまうのです(笑)
ダメダメ!ギリギリまでしっかり仕事しなくちゃ
しがない個人事業主は年を越せませんよ!
。。。ということで気合い入れなおしてがんばります!
。。。ところで今年はあまり繁華街に近づいていないせいか
クリスマスの雰囲気を全く感じないですねぇ。。。
まぁ実際あまり関係ないのですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
当時、各メーカーが取り揃えていた
価格4万円の絞り優先AE専用露出のエントリー機です。
X-7、EM、AV-1、MGあたりも同じカテゴリーです。
価格も4万円で横並びなのは
当時の物品税の関係だったからだと思います。
OM10の発売は1979年です。
OM-2をベースとしてフラッシュTTL自動調光を省略し
モータードライブの対応も行わずワインダーのみ対応とし
他にもいろいろ簡素化を行なったモデルです。
おもしろいのは基本的に絞り優先AE専用機なのですが
オプションのマニュアルアダプターを取り付ければ
マニュアル露出が可能になります。
これがなかなかコンパクトで取り付けても違和感がなく
OM10使いなら押さえておきたいアイテムでもあります。
OM二桁機の最初のモデルでもあり
OM10をベースとして
OM20、30、40へと発展していきました。
簡素化されているとはいえ基本的な考え方はOM-2と同様です。
TTLダイレクト測光でオートを制御しているのも同様です。
つまり修理する側としてはかなり難易度の高いカメラです。
当店ではOM-2の修理・整備は行いませんが
OM10は場合により行うという状況です。
オート制御部分等の電子制御部に異常がある場合は
修理不可能と判断する場合も多々ございます。

今回お預かりのOM10はご依頼者様が昔から
使われているカメラだそうです。
しかしながら最近は使用されることもなく
仕舞い込んだままになっていたようです。
それで久しぶりに取り出し新しい電池を入れて
動かしてみたところミラーガ途中で止まってしまい
そこからうんともすんとも動かなくなってしまったようです。
OM10のミラーが上がりかけ途中の中途半端な位置で
止まるのは電池が入っていないときに出る動きです。
しかしながら今回は前述したとおり
新しい電池が入っておりその上、
バッテリーチェックはちゃんと鳴動します。
つまりカメラ本体へは電圧供給されているものの
何らかの理由でシャッター機構に電圧がかからない状態かと思われます。
通常なら例えば電池を入れてない状態(あるいは電池切れ)の状態で
ミラーが中途半端な位置で止まってしまっても
新しい電池をセットした瞬間に「バシャン」と
ミラーもシャッターも駆動して正常な位置に戻るのですが
今回は当然、電池を入れなおしてみてもうんともすんともいいません
おまけにご依頼者様がセットしてくれていた電池は
何らかの形でカメラを動かそうと電圧がかかったままになったのか
2個のうち片方だけが極度に消耗し
おまけに少々膨らんだ状態です。
これは漏電時によくある症状ですが今回は漏電ではなく
やはりミラーが動けなくなっていることが原因かと思われます。

結果から言うとミラー駆動部の接点接触不良が原因でした。
他にも通電のあやしい接点が何か所かあったことと
トラブルの定番でもあるSW部の清掃等々
他の各部整備と併せて修理が完成した状態です。
結果だけ言えば一言で終わりますが
正直、原因を探すのにかなり:苦労しました。
他の機械とか電子機器の修理でも同じかと思いますが
原因さえわかっていれば比較的修理は早く進みます。
やはり原因を探しあてるまで(トラブルシューティング)が
大変なのです。
だから何度も整備・修理しているカメラで定番のトラブルだと
迷うことなく原因に向かって進み並行して通常整備も行えるので
早いのですが今回のように原因が良くわからない場合だと
かなり慎重に手探り状態で進んでいくのでどうしても時間がかかります。
それでも今回の件で次に同じような症状のものが入れば
今回よりは早く進めるとは思うのですが
OM10あたりはなかなかななか一筋縄ではいかないのですよねぇ
漏電の疑いも少しあったので新しい電池を入れて
数日様子を見ていますが漏電の心配もなさそうです。
(基板内漏電等があれば数時間で電池を消耗しつくします)
あとは最終チェックを行って完成となります。
そういえば画像にも写っていますが
今回もマニュアルアダプターが付いていますね。
やはりこれはあったほうが良いですよね。
(最初からマニュアル露出のある
OM20でいいのでは?はナシで(笑))

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「漢字の日」ですね。
毎年恒例の「今年の漢字」の発表が
午後2時から今年も行われるようです。
まぁ、間違いなく新型コロナに関わる1字になるのでしょうね。
「今年の漢字」のイベント自体には
実はあまり興味がなかったりしますが。。。(苦笑)
しかし。。。いつの間にか漢字が書けなくなってしまっていますねぇ
いや読むのは問題ないのですが
今や自分の手で何か書くより
携帯やキーボードで打ち込むことがほとんどで
ご丁寧に変換予測してくれるので
漢字は何となく大まかに覚えておけば
OKになってしまっていますものね。
いざ、自分で真っ白な状態から書こうと思ったら
「あれ?この字どうだったっけ??」って思うことが非常に多いです。
いけませんよねぇ。。。。
そういえば百人一首を写すために(覚えるために)買った筆ペン
最近使ってないなぁ。。。(汗)いや、百人一首は一度は全て書きましたよ
一度じゃ話にならないのですが。。。(苦笑)
年賀状書くこともすっかりなくなったので
書く機会は積極的に自分で作らないと。。。
とりあえずまた百人一首を写そう。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタを代表する機械制御シャッター機ですね。
ミノルタ初のTTL開放測光機でもあり
このカメラの登場に合わせて開放測光に対応する
絞り伝達機構を装備した「MCロッコールレンズ群」も登場しています。
ミノルタらしい優れた操作感とトラブルの少ない丈夫さが
人気の要因となり7年簡に渡って生産され続けた
ロングセラー機です。
後継機として「SR-Tスーパー」、
「SR505」、「SR101」が存在しますが
全て基本的な構造はこの「SR-T101」がベースとなっています。
60年代後半から70年代初頭にかけての
ミノルタを代表するカメラだと思います。

基本的に非常に丈夫なカメラです。
少々何らかのトラブルを抱えていたとしても
痛いとも痒いともいわず黙々と動作するカメラです。
(そもそもカメラは何も言いませんが。。。)
ロングセラー機なので現存する個体数も多く
ぞんざいな扱いを受けている個体も多くあると思われますが
酷い分解品や水没品、ショック品でもない限り
キチンと整備すれば全く問題なく使える可能性の高いカメラです。
ただ、その丈夫さゆえに
調子が悪い状態で無理矢理使われている個体も多く
「あぁ、ほんとは動きづらいのに
一生懸命がんばって動いてるんだなぁ。。。」と思わせるものも
よく見かけます。
できるだけ本来の軽やかな動きで
気持ちよく動作させてあげたいところです。

お預かりしている「SR-T101」も
全体的にかなり動きが悪いところが多く
かなりお疲れモードになっています。
定番のミラーアップしたままになる症状を始め
(巻き上げるととりあえずはミラーダウンする)
高速シャッターは精度不良な上に不安定
露出計も動きが不安定、巻上も妙に重く
ファインダー内はモルト屑+カビが盛大に見えています。
特徴のひとつでもある
ファインダー内SS表示は途中でひっかかったようになり
1/60より低速側に動きません。
この状態で無理してSSダイヤルを操作していると
このSS表示用の連動糸が絡まったり
最悪の場合、切れてしまう可能性もあるので
SS表示の動きのおかしな個体は
なるべくSSダイヤルの操作はそれ以上行わず
修理に出していただければと思います。

今回の個体もそうでしたが
MCロッコールレンズとの絞り連動リングの
動きが固着あるいは粘っている個体も多いです。
ここがうまく連動してくれないと露出計の値が
おかしなことになっていまいます。
リングの内側が少し汚れると
割とすぐに動きが粘る部分です。
それから今回はこのボディに
MCロッコールPF55mmF1.7レンズが装着されていたのですが
絞りの動きに粘りがあることと
やはりこちらもカビがかなり発生しているので
レンズ清掃等々こちらも整備一式を行います。
完調になったボディ&レンズで
ご依頼者様には快適に撮影に臨んでいただきたいと思います。

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