ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「たばこの日(ピース記念日)」だそうですよ。
1946(昭和21)年のこの日に「ピース」が発売されたことを
記念した日だそうです。
値段は10本入り7円で「ピース」は
配給制だった「たばこ」に対する
自由販売たばこ第1号の商品だったのだそうです。
私ももうタバコ止めて随分経ちますが
しかし高くなりましたねぇ。。。
私がタバコを吸い始めた頃は普通の国産たばこで
ひと箱200円って感じでしたが
今や500円超えてるのですね。。。ちょっとびっくりです。
未だに外出先とかで
「あぁ、こういうときに一服だよなぁ。。」と感じることが
たまにありますがそれにしても高すぎますねぇ
勝手なもので自分が止めると他人のタバコの匂いに敏感になるのですね。
風下にいると10m以上前で歩きタバコしている方の
匂いがはっきりとわかるようになりました(苦笑)
そういえばうちのじいさんは定年前までは結構なヘビースモーカーで
家に缶ピースの空き缶がたくさんペン立てとか小物入れとかに
再利用されていました。
子供ながらに缶ピーの空き缶に「何だか大人のいい匂いがする」って
思っていました(5~6歳の頃(汗))
さすがにもう自分は吸おうとは思いませんし
歩きたばこやポイ捨ては論外ですが
愛煙家の気持ちはわかりますよねぇ。。。
なかなか大変な世の中になりました。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「ペンタックスMシリーズ」の第一弾として
1976年に発売されたカメラです。
Mシリーズの一員ではありますが
MXデビューの1ヶ月後に発売されたMEのほうが
「Mシリーズ」としては本流で
MXは形こそMシリーズですが
Mシリーズ中、唯一の横走り布幕シャッターを
これまたMシリーズ中唯一の機械制御でコントロールするカメラです。
そう考えるとMシリーズの中では
異端児的な立ち位置になるかと思います。
非常にコンパクトなサイズの一眼レフであり
この分野の一眼レフで先行する「OM-1」を
相当意識したカメラでもあります。
幅、高さ、厚みの寸法すべてがOM-1より
0.5mmずつ小さいサイズになっていて
相当ライバル視していたことがうかがえます。
「コンパクトな機械制御シャッター一眼レフ」ということで
現在でも非常に高い人気があり
当店でも修理依頼の多いカメラです。

お預かりしているMXは
定番のミラーアップしたままとか
高速シャッターが開かない等のトラブルはないのですが
露出計が非常に不安定です。
おそらく過去に巻上レバー側から
落下したのではないかと思われますが
(それらしき形跡があり)
おそらくそのときのショックで
摺動抵抗の抵抗板が外れてしまい
かろうじてブラシで挟まれて保持されているような状態でした。
そのため接触不良も起こり露出計が不安定だったようです。
さらにフィルムカウンターが36枚を行き過ぎたところで
突き当りに押し込まれて固着し
カウンターが全く動かないトラブルも抱えていました。
これも落下ショックのせいではないかと予想されます。
他にもやはり高速シャッターの精度は
MXらしくムラの多い状態でしたので
整備の上できる限り調整を行います。
もちろん整備後は全く問題のない精度に落ち着きました。

やはりカメラに限りませんが
小さくて精密感があるものは良いですよね。
35mm判カメラはどれも当てはまりますが
MXやOM-1はその中でも最たるものだと思います。
黒ボディだと凝縮感がさらに強調されて
質感高く見えますよね。
一通り整備は完了していますが
少しシャッター動きが落ち着くまで様子見をしている段階です。
この後、最終チェックを行い必要であれば
多少の微調整を行って完成となります。

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キヤノンデミCのカメラ修理

今日は「鏡開き」ですね。
供えていた鏡餅を下げて食べる日ですが
鏡餅どころか普通にお雑煮とかも
ここ数年食べていないような気が。。。(苦笑)
まぁ、一人暮らしな上に
お正月は大抵家にいなかったりするので
そうなりますよねぇ。。。
あぁでもそう思い始めると
お雑煮くらいは食べたいなぁ。。。と考えてしまいます(笑
別にお正月じゃなくても自分で作ればいいのですが
なかなかそこまでするところまではいかないかも。。。
鏡開きと言えば樽酒の蓋を割って開けることも
鏡開きといいますよね。よって今日は「樽酒の日」でもあるそうです。
樽酒もずいぶん昔に一度だけ何かの集まりで飲んだなぁ
これまた一人だと普通はできませんが
調べてみると一升のミニ樽酒とか
ミニ鏡開き樽酒セットなんてものもあるのですね
これならちょっとした少人数でのお祝いでもいいですし
なんなら一人でも飲みきれる(笑)
ミニ樽酒には後ろに注ぎ口がついていて少しずつ飲めるものもあるらしいです。
もはや鏡開きでもなんでもないですが
ミニ樽酒は一度買ってみたいかも。。。
飾っているだけでもちょっと楽しそうです。

さてさて

本日は「キヤノンデミC」のカメラ修理を行っています。
デミはお馴染みのキヤノンのハーフ判コンパクトカメラです。
今回の「デミC」は基本的な部分は通常のデミと共通ですが
なんとレンズ交換式となったモデルです。
マウントはデミC専用のもので
28mmF2.8と50mmF2.8の2種類のレンズが用意され
ボディにレンズ2本付きで18,000円で発売されました。
ハーフ判ですから28mmがいわゆる標準レンズで
50mmは中望遠レンズですね。

お預かりしているデミCは
まずセレン光電池からの接点部が接触不良で
露出計が動いたり動かなかったりしている状態です。
何とかシャッターは切れていますが
羽根粘りを始め各部の動きが悪い状態です。
外装は比較的キレイな状態だったのですが
分解してみると意外と内部にサビが多く
これが動きを阻害している部分も多く見られ
ひたすら錆を落として磨く作業に時間を取られました。
ファインダーは通常のデミと同じく
プリズムを使用した高級な造りですが
レンズ交換式であるがために
ファインダー内に50mm用のフレームがプリントされています。
これはうっかり拭いてしまうと簡単に取れてしまいますので
清掃のできる範囲も非常に限られた部分のみとなります。
それでも今回の場合はかなりキレイな状態に清掃できたと思います。

50mmレンズが装着された状態でお預かりしています。
画像は整備後ですがレンズもしっかり清掃済みで
非常に良い状態になりました。
50mmF2.8レンズは小さなボディに比較すると
結構な大口径でなかなか迫力あるルックスです。
デミといえばハーフ判カメラとしてはめずらしい
レバー式の巻上が特徴ですが
デミCも通常のデミと同様にこの巻上レバーの感触が
すごく気持ちよいのが魅力です。
マウント部分はレンズ交換式となったため
通常のデミとは形状が全く異なるのですが
SS・絞りの設定リングやピントリングの操作感は
デミCのほうがかなり気持ちよく操作できます。
ハーフ判カメラの中では抜群の使い心地の良さだと思います。
うん、デミCいいですね。
個人的にも欲しくなる1台です。

オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「ひものの日」だそうですよ。
日付の由来は干物(ひもの)の「干」の字が
「一」と「十」に分解できることからだそうです。
少々無理のある由来はともかく(笑)
干物は入手もその後の調理も簡単で
お手軽にご飯のおかずや酒の肴になるので
よくスーパーで買って帰ります。
海の近くの観光地のお土産物屋さんとかに行っても
お土産の定番ですよね。
普段手に入るものとは一味違ったものが多く
楽しい上にとっても美味しいです。
少々塩分多めなので(だから美味しいのですが)
調子乗って日常的に食べ過ぎるのには要注意です。
特に私なんて本当はあまり食べちゃダメなんだろうなぁ(汗)
でもホッケやアジの干物少々を肴にして飲む
日本酒は本当に美味いですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
人気も高く修理依頼も多いペンSですが
少々久しぶりですね。
オリンパスペンの最初のモデルは非常にシンプルなカメラで
その時代としては驚異的な6,800円という価格で1959年に発売されました。
その翌年に従来型ペンの高級型という位置づけで
ペンSが使い発売されました。
従来型ペンでは2枚羽根だったシャッターは5枚羽根となり
シャッタースピードもB+1/25-1/200の4速から
B+1/8-1/250の6速となりました。
搭載されるレンズはDズイコー3cmF2.8です。
(後に2.8cmF3.5搭載モデルも追加)
表現できる幅や撮影可能なシチュエーションが
従来型よりかなり広がるような変更が行われています。
露出計は非搭載ですが今となっては
露出計のないことはかえってトラブルの原因が少なくなって良いと思いますし
ネガであればある程度大まかな露出で
機動力を生かしてスピーディーに撮ったほうが良いかと思います。
せっかくのポケットサイズですし。。。

お預かりのペンSは
シャッター羽根の粘りでシャッターが開きっぱなしになったり
何とか閉じたにしてもキレイに閉まり切っていないため
巻上時に1枚で巻き止めが止まらず
2枚分進んでしまう。。。という症状が出ています。
シャッター羽根の粘りで開きっぱなしになったり
羽根がゆっくりとしか動けない、あるいは全く開かない。。。等々は
レンズシャッター機の宿命ともいえる定番トラブルですが
羽根粘りのために巻上が1枚で止まらないというのは
ペン独特の症状ですね。でもこれも非常に多いトラブルです。

このペンSは元々、ご依頼者様のおじいさまのカメラなのだそうです。
他にもいろいろなカメラを譲り受けたそうなのですが
まずはコンパクトで使いやすいペンSから使ってみるとのことです。
非常に大切にされていたというのが見受けられ
経年劣化による今回のシャッタートラブルは致し方ないですが
全体的には非常にコンディションの良い個体です。
写真は整備後で外観もできる限り清掃していますが
非常にキレイな状態なのが画像でもわかるかと思います。
おそらく実際にフィルムを通されるのは
かなり久しぶりのことだと思われますが
誕生から60年ほど経った現在の様子を
そのレンズを通して焼き付けていただきたいと思います。
きっとご依頼者様も楽しく撮影できると思います。

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マミヤC220プロフェッショナルのカメラ修理

今日は1月9日
いっ(1)きゅう(9)ということで
とんちで有名な一休さんから転じて
「とんちの日」なのだそうです。
一般的なクイズなら結構得意で
クイズ番組も相当真剣に見たりするのですが
「とんち」となるとまた異なりますよね。
単なる知識ではなくてひねりというかスピーディーな
応用力が試されるような気がします。
話が少しそれますがテレビアニメの「一休さん」が始まったのが
私が小学校に入った頃で
低学年の間は毎週欠かさず見ていたような気がします。
さよちゃんや新右衛門さん、秀念や陳念、桔梗屋親子。。。
懐かしいキャラがたくさんいましたよねぇ
少し大きくなってから見直すと
足利時代の背景とかよりわかってきて
「あぁ。。。そういうことだったのかぁ。。。」と
改めて気づくこともたくさんありました。懐かしいですねぇ
たまにはとんちを利かして
しっかり頭も使ってやらないとこちらも衰えますものね。
また脳トレでもやろうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「マミヤC220プロフェッショナル」の
カメラ修理を行っています。
マミヤCシリーズは世界的にも数少ない
レンズ交換式の二眼レフです。
レンズボードごとレンズ交換を行うようにできていて
その構造上、普通の二眼レフより
ひと回り大きく重いサイズとなっています。
Cシリーズの最初のモデルは1956年の発売で
二眼レフブームの真っただ中でしたが
その後、60年代に入り他のメーカーが次々と二眼レフから
撤退していく中、マミヤCシリーズは
レンズ交換式という優位性もあり一部のプロやハイアマチュアから
絶大な支持を得て生き残ります。
最終モデルはC330プロフェッショナルSで
1983年の発売でした。
今回のC220は1968年の発売です。
C220やC330と聞くと新しいカメラのようなイメージも
少しあるのですが一般的な二眼レフよりは新しいとはいえ
C220も50年以上経過しているのですね。

お預かりしているC220は
ご依頼者様が知人の方から一式を譲り受けたものだそうです。
譲り受けたのは最近お話とのことですが
もう随分使われずに眠っていたものと思われます。
ボディに加え105mm、65mm、55mmのレンズも一緒にお預かりしています。
レンズシャッター機なのでシャッター等は
交換レンズ側に装備されます。ボディ側はフィルム装填・巻上機構
ファインダー、ピント調節部で構成されます。
ボディ側は致命的な問題はございませんが
やはり各部の動きが重くファインダーは随分汚れてしまっています。
レンズ側は詳細は割愛しますが
シャッターに粘りのあるものもあったり
スローガバナが固着気味なのもあり、絞りが異様に重いものもありと
3本ともそれぞれ何らかのトラブルを抱えているような状態です。
一部のレンズクモリ(コーティング傷みによるもの)は
除去できませんでしたができる限りのレンズ清掃に加えて
シャッターユニット等の機械部分も整備していきます。

二眼レフとしてはかなりう大きく重いですが
同社のRB67あたりの一眼レフに比べると
まだ持ち歩きやすいとは思います。
RB67もそうですがCシリーズもピント繰り出しには
蛇腹を使用しており繰り出し量が半端ないです。
それだけ接写が可能だということですね。
ただし、Cシリーズの場合は二眼レフなので
パララックスには注意が必要です。
実はCシリーズ、一時期とても欲しかったカメラで
いろいろ物色していた時期があったのですね
結局いろいろ悩んだ挙句程度の良いRB67に
巡り合ったおかげでそちらになったのですが
こうして触っているとまた悪い虫が起きだしてきそうです(笑)

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アイレスフレックスのカメラ修理

今日は「勝負事の日」だそうですよ。
「イチ(1)かバチ(8)か」と読む語呂合わせだそうです。
今やイチかバチかなんて
運任せの確率の悪い勝負事はできませんねぇ(汗)
意外に思われることが多いのですが
ギャンブルの経験がほとんどありません。。。
競馬・競輪・競艇はもちろんのこと
パチンコもほっぼやったことがありません
それどころか宝くじも買ったことありません(苦笑)
でも人生や仕事そのものが不安定な上に
イチかバチかみたいな部分も多いですものねぇ。。。
趣味や娯楽にまでギャンブル的なものはちょっと。。。(汗)
。。。こんなご時世な上に
明日、わが身がどうなるかなんて
何も予想できないということは
これまでの経験でしっかり勉強させていただいたので
その日その日をしっかり生きるようにしたいと思います。
博打はしないけどさほど計画的でもないですし
安定志向でもないのですよねぇ
まぁ、このあたりは性格か。。。もう直らないですね(笑)

さてさて

本日は「アイレスフレックス」のカメラ修理を行っています。
アイレス写真機製作所で生産された二眼レフです。
アイレスは「ヤルー光学」を前身としたカメラメーカーで
機構がシンプルで小規模メーカーでも生産が比較的容易な
二眼レフに活路を見出し
1954年に最初のアイレスフレックスを発売しました。
搭載するレンズは当初は自社ブランドの「エクセルシオ」でしたが
アイレスフレックスZでニッコールレンズや
ズイコーレンズを搭載し非常に人気の高い二眼レフになりました。
その後、昭和光機を傘下にしてからは同社の「コーラル」ブランドの
レンズを使うことが多くなりました。
35mm判レンズシャッターカメラの分野でも
現在でも人気の高いカメラが多く
修理依頼も意外と多いカメラメーカーです。
残念ながら1960年に倒産してしまっています。

今回お預かりしているのはおそらく「アイレスフレックスZ」の
ニッコール搭載モデルです。
アイレスフレックスZはニッコール搭載モデルだけでなく
ズイコーレンズやコーラルレンズを搭載したものも存在します。
二眼レフでニッコールレンズが搭載されたモデルは
私の知る限りではアイレスフレックスのみかと思われます。
やはりそのためかニッコール搭載のアイレスフレックス
(Zだけではなく後年のオートマットも)は
現在でも非常に人気の高いカメラです。
搭載されるのはニッコールQ75mmF3.5ですが
ニコン側はアイレスにニッコールを搭載するにあたり
ボディ側の精度や品質などが日本光学工業の
自社基準に合致することを求め
アイレス側も光学的検査器具を導入したり技術指導を受けたりして
アイレス写真機製作所の技術力を
大幅に向上させることにつながったのだそうです。
そういう話を聞くとアイレスフレックスが
また一段と魅力的に見えてきますよね。

。。。とはいえ二眼レフ全盛期の1950年代のカメラです。
さすがに経年劣化には勝てず
いろいろと問題を抱えた状態で当店でお預かりすることになりました。
シャッター自体は若干の粘りがあるものの
とりあえずは作動しています。
しかしながらSSリングを回すと
つられて絞りリングが回ったりとか
ファインダーのルーペが所定の位置で固定できないとか
フィルムカウンターも固着で動かないとか
細かいトラブルがいろいろある状態です。
とにかくいろんなところの動きが悪い状態なので
動作する部分をすべてチェックしながら
動作の悪いところの修理を並行して行います。

この時代の二眼レフをお預かりすると
必ず行うことになるファインダーミラーの交換も
もちろん行いました。
スクリーンの清掃の甲斐もあって
ファインダーの見え心地はかなり改善されたと思います。
ただ、ファインダーフードは全体的にもともと歪みがあり
ルーペのトラブルは解消いたしましたが
やはり開閉は少々スムーズさに欠ける状態です。
いろいろ考えられることは処置いたしましたが
それに関してはこれが限界かと思われます。
シャッター・レンズ等のコンデイションは
非常に良い状態になっています。
6x6で楽しむニッコールレンズ。。。いいですよねぇ
私も1台手に入れたくなってきました(笑)

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キヤノンⅣSbのカメラ修理

今日は1月7日
「人日の節句」で「七草粥」を食べる日ですね。
数十年食べた覚えがないですが。。。(苦笑)
さらに「七草の日」に関連して
「爪切りの日」とされています。
「七草爪」と呼ばれ、この日に爪を切ることが昔から決まっています。
七草を浸した水、または七草をゆでた汁に爪をつけ、
柔らかくしてから切ると、その年は風邪を引かないと言われています。
風邪だけではなくて新型コロナにかからないようになれば良いですねぇ
七草をゆでた汁は用意できませんが
あとで爪を切ることにしましょう
子供の頃は1月7日と言えば「三学期の始業式」でしたねぇ
冬休みが終わる寂しさもありますが
学校に行けば面倒くさいことも多いけど
それ以上に楽しいこともあるかも。。。とワクワクして行ったものです(笑)

さてさて

本日は「キヤノンⅣSb」の」カメラ修理を行っています。
キヤノンのレンズ交換式レンジファインダー機は
1934年の「カンノン」に始まり
32年間で40モデルが作られています。
大きく3世代に分けることも多く
「カンノン」をベースにした終戦直後までのモデルが第一世代
1946年のSⅡ型からⅣ型までが第二世代で
ここまでがいわゆるバルナックタイプコピーと言われるカメラです。
そしてⅤ型から7型までが第三世代となります。
「ⅣSb」は第二世代の完成形ともいえるモデルで
いよいよライカに匹敵するカメラが
キヤノンからも出たと言われたモデルです。
ベンチマークとされた「ライカⅢf」を
超えるカメラを目指して作られました。
キヤノンお得意の変倍ファインダーの
一眼式ファインダーを装備し
35mm判カメラとしては初のX接点も装備しています。
使い勝手の面では確実にライカを超えたといってよいと思います。
ボディの造りこみや機能精度も高度なレベルでバランスが取れており
当時のキヤノンの技術力を忍ばせるカメラです。
高価なカメラながら大ヒットし
後継のⅣSb改と合わせて35000台以上が生産されています。

そんな輝かしい実績を持つ「ⅣSb」ですが
さすがに登場から68年も経過するカメラなので
なかなか程度の良いものも数少なくなってきたように思われます。
特に当時からたいしたメンテナンスもされていないものは
シャッター幕の劣化が顕著に見られ
穴や破れがなかったとしても
ガチガチに硬化してしまい
まともにシャッターが動作しないものも多く見られます。
ただ、機構としてはシンプルな機械制御のカメラで
ファインダープリズムの劣化とかは
どうにもならない部分はありますが
シャッター幕は交換してシャッターの整備もきちんとやれば
全く問題なく使えるものもまだまだ多く存在すると思います。

お預かりしている「ⅣSb」は過去にシャッター幕交換を
明らかに行っており幕そのものはまだしなやかで
劣化も全く見られないのですが
交換時の施工が悪く幕本体を引っ張るリボンが
切れた状態になってしまっています。
リボンのみ交換するくらいであれば
一思いに幕ごと交換しても工数はそれほど変わりませんし
気持ち的にも安心度合いが違います。
さらにリボン部分だけではなく幕接着部等も
あまり良いとはいえない状態だったので総合的に判断し
今回は幕交換を行うことになりました。

少し話がそれますが
今回のⅣSbは問題なかったのですが
最近拝見するバルナックタイプのカメラで
シャッタスピードを確保するために
やたらと幕テンションを高くしている個体を多く見かけます。
シャッタースピードテスターで測定すれば一目瞭然ですが
幕速が異常に早く設定されています。
幕軸の汚れ等や幕の状態が悪いために
シャッターがスムーズに走行できない状態のものを
無理矢理とりあえず最高速で開くようにしたのだと思われますが
これをやられると幕軸のバネがバカになって
いくら幕軸の清掃や幕交換を行っても
まともな精度でSSがでなくなります。
衰えたご老体に鞭打つような調整は
本当に控えていただければと思います。。。
先日も一見問題の少なそうなⅣSbが
幕軸バネがテンション上げすぎで酷い状態になっており
修理不能で返品せざるを得ない案件がありました。。。

今回は前回の幕交換施工があまりよろしくなかったことが
原因でのリボン切れトラブルでしたが
そんなに無茶な設定をされているわけではなく
再度の幕交換の上、幕軸のメンテをきちんと行い
適度なテンションで調整させていただくことで
ⅣSbのセールスポイントの一つでもある
最高速1/1000のSSもまずまず良い精度が出ています。
1/1000として全く問題なく使っていただけるレベルで精度は出ています。
いろいろな部分の動きがスムーズになったおかげで
シャッター音もより静かになり
巻上もスムーズです。
ご依頼者様には改めて当時のキヤノン最高級機の使い心地を
堪能していただきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

本日から今年も通常営業です。
年明け早々首都圏では
再び「緊急事態宣言」出される運びとなり
またまた不透明な先行きとなりましたが
私の仕事としてはこつこつ手元にあるものから
確実にこなしていきたいと思います。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

本日、1月6日は「まくらの日」だそうです。
枕、大事ですよね。快適に寝られるかどうかの
カギを握る部分だと思います。
私、大人になってからは横を向いて寝るようになったので
(あおむけだとなかなか眠れない)
肩を下にする分、枕に高さが必要なのですよねぇ
大抵の枕では高さが足りなくて
今も枕を二つ重ねてさらに二つに折って高さを稼いで使っています。
子供の頃は今とは逆であおむけでないと寝られなかったのですが
その原因は畳に直接敷かれた煎餅布団が固すぎて
横に向くと腰や背中に無理があるからだったようです(笑)
今はふかふかのマットレスを使っていますが
それでも横向いて長時間寝ると腰に負荷がかかるようで
10時間以上寝ると腰や背中が痛くて当分起きられなくなります(汗)
なかなか快適な睡眠って難しいですよねぇ。。。
でも寝不足はいろいろなトラブルの元となるので
睡眠時間はしっかり確保したいと思います。

さてさて

今年最初のカメラ修理は「OM-1」で始まります。
今年もたくさんのOM-1の修理がありそうな予感がしますねぇ
シンプルな機械制御シャッター機で
修理・整備もそれほど難しくないと思われる節がありますが
どこのメーカーもやらなかったダウンサイジングを
実践したカメラということもあり
色んな部分に工夫が見られ独創的な部分も多く
非常に調整等は難しいカメラです。
一度大きなトラブルにはまると半端なく苦労することも多いので
OM-1の修理は本当に油断ができません。

お預かりしているOM-1はまたもや露出計のトラブルです。
電池室端子は比較的しっかりしているようなので
配線か露出計本体に問題がある可能性が高いと思われます。
露出計トラブルも最近は苦労することも多いのです。
単純に接触不良とか配線不良なら良いのですが。。。
他にも低速シャッター時にはスローガバナが固着してしまい
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
全体的に動きが悪く高速シャッターの精度も出ていません。
定番のプリズム腐食が発生しており
こちらは交換で対応いたします。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
まだ現状をチェックを行っただけで
これから本格的に整備に取り掛かるのですが
外観は元々なかなかキレイです。
中身もしっかりリフレッシュさせて
快適に使っていただける状態に仕上げていきます。

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今年も一年間ありがとうございました

当店ホームページトップでは
随分前から記載していますが
年内の営業は本日が最終日です。
明日(29日)から年末年始休業とさせていただき
年始は1月6日(水)からの営業です。
ご迷惑をおかけいたしますが何卒ご容赦くださいませ。

当店もやはりコロナ禍の影響は
少なからず受けており
4月から5月にかけての緊急事態宣言中には
作業は行っていたとはいえ
店頭は閉店となってしまいましたし
それ以降もやはり昨年に比べれば
店頭来店の数はめっきり減ってしまいました。
当店の場合は全国各地から宅配便等での
依頼もあるとはいえ
やはり主になるのは来店可能な
首都圏エリアのお客様のご依頼です。
その部分に関しては
かなりのダメージがあったと言わざるを得ない状況です。

コロナの悪影響が本格的に出る直前には
私自身が病で倒れ1ヶ月弱の入院及び1か月少々の
突然の営業停止もあり
これも非常に大きなダメージではありました。
一人で何もかもやっている状況に加えて
ホームページの更新が店舗PCからしかできない環境もあり
SNSでは突然の閉店のお知らせが
数日後にはできたものの
SNSを見られないお客様には突然の閉店の
状況の説明もできないまま1か月近く放置することになり
非常にご迷惑をかけることになってしまいました。
さらに病気の後遺症もあり夏ごろまでは
作業の効率も上がらず
今でこそ笑って話せますが
少々厳しい状況に追い込まれていました(汗)
今はもちろんおかげさまで仕事には
ほぼ影響のない状態にまで
何とか回復することができております。

。。。といった感じで
なかなか逆風ばかりの1年ではございましたが
何とか事業を継続できていることは
厳しい中支えてくださったお客様のおかげでございます。
いろいろあった中で
環境も含めて五体満足に仕事ができることが
何よりも大切だということを再確認する1年だったような気がします。

来年は突然の離脱がないように
健康には留意してますます仕事に打ち込んでいければと思います。

来年も一つよろしくお願い申し上げます。

2020年12月28日
東京フィルムカメラ修理工房
迫田 行弘

ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「浅草仲見世記念日」だそうですよ。
雷門から浅草寺へと続く参道の両脇に位置する商店街で
日本で最も古い商店街の一つだそうです。
この日に煉瓦(れんが)造りの
新店舗が開店したことに由来する記念日です。
現在は商店が立ち並ぶ通りは「仲見世通り」と呼ばれ
長さが約250mで、東側に54店、西側に35店、合計89店の店舗があります。
。。。2回くらいしか行ったことなくて
おまけにたいした買いものをした記憶もない。。。(苦笑)
やたらとハトが多くて餌を持っていた人が
ハトに襲われているように
囲まれている様子が強烈に印象的だったような。。。
レトロな商店街は好きですが
浅草仲見世はちょっと違うんですよねぇ。。。
いや良い悪いではなくて好みの問題で。。。
しかし。。。私、本当に東京の東半分には縁遠いなぁ。。。
あ、でもアメ横にはこのご時世でなければ
もっと頻繁に行ってみたいのですよねぇ。。。
さすがに今は人の多いところは敬遠したくなりますよね。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
先日、「ME」の修理をここでもご紹介しましたが
その「ME」をベースにマニュアル露出モードと
1/2000のシャッタースピードを追加したモデルが
「MEスーパー」です。
それまでの「Mシリーズ」ではマニュアル露出の可能なカメラが
機械制御シャッターの「MX」だけだったのですが
「MEスーパー」の登場で電子制御機でも
積極的に露出をコントロールできるようになったわけですね。
登場はMシリーズが始まった(ME・MX登場)から
3年後の1979年です。
マニュアル時のシャッタースピードの設定・操作は
従来のダイヤル式ではなくプッシュボタンで行います。
これは正直言って好みが分かれる部分かとは思いますが
ペンタックスはこのプッシュボタン式のSS操作を
次期Aシリーズや中判645シリーズでも採用します。
さらに忘れてはいけないのが
ファインダースクリーンが非常に明るい
「クリアーブライトマットスクリーン」に変更されました。
明るいだけではなく非常にピントの山がわかりやすいスクリーンで
ピント操作が楽しくなるほどです。

MEスーパーはMEを進化・改良し
エントリー機から高級機並みの
機能を備えるカメラになったわけですが
機械的な基本的構造はMEとほぼ同様です。
。。。ということで、ME系ではお馴染みの
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化を原因とする
トラブルが多発します・
今回、お預かりしているMEスーパーも
同じ原因によるトラブルで
巻上はできるものの巻上レバーと連動するように
ミラーアップしてしまい
巻上完了した瞬間にシャッターがそのまま切れてしまいます。
ミラーがダウン状態でロックできないため
シャッターもチャージロックされずにそのまま切れてしまうわけです。
同じ原因でミラーアップしたまま巻上ができなくなたっり
いろいろな症状が出ますが
ME系のカメラで巻上・ミラーの動き関連のトラブルの
大半はこのミラー駆動部ゴムブッシュ劣化が原因のほとんどです。
反対に言えばそれ以外のトラブルは
比較的少ないと言えるかもしれません。

装着されているレンズは当店のテスト用レンズです。
まだこれから分解修理に取り掛かる段階ですが
まともにシャッターが切れないため
ミラー駆動部の問題以外に
何かトラブルがあるのかどうかもよくわかりません。
まぁ、ME系のカメラは(ME-Fは除きますが)
少々何があっても比較的何とかなると思われるので
よっぽど変わったことになっていない限り
一通りの整備で快調な状態に復活できると思います。
(おかしな分解品や水没品でもない限り)
プッシュボタンの好みはあるにしても
非常に使い勝手の良い上に使用感の優れたカメラです。
少々残念のは定番のミラー駆動部トラブルのために
もうダメだと思われてそのまま眠っていたり
ジャンク箱で不遇な扱いになっている個体が多いことでしょうか。。。

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キヤノンEXEEのカメラ修理

クリスマスも終わっていよいよ年末モードですね。
当店も年内は月曜日(28日)までの営業です。
店内の片付けや大掃除の準備もそろそろしなくては。。。
そんな中、今日は「プロ野球誕生の日」となっていますが
これはあくまでも「読売巨人軍」の前身である
「大日本東京野球倶楽部」が創立された日(1934年)なのですよねぇ
まぁ、現存するチームの中で最古のチームなのは事実ですが
「大日本東京野球倶楽部」はいわゆるプロ野球「職業野球」
チームとしては4番目にできたチームです。
日本初のプロ野球チームは1920年に結成された
日本運動協会だそうです。
ちなみにわれらが広島東洋カープが結成されたのは
戦後2リーグ制に分裂した「プロ野球再編問題」の
タイミングで1950年でした。
プロ野球も年俸更改も終わって話題がなくなってきましたねぇ
でも広島だとこの年末年始にカープの選手も参加する
番組の特集がいろいろ組まれていて楽しいのですよねぇ
まぁ、こっち(関東)にいると見られませんが。。。(苦笑)
今シーズン後半は少し明るい兆しがいくつも見られましたし
きっと来年は優勝争いしてくれると信じています!

さてさて

本日は「キヤノンEXEE」のカメラ修理を行っています。
1969年に発売されたカメラです
この時期のキヤノン一眼レフと言えば
FLマウント・FDマウントを搭載した「Fシリーズ」が本流ですが
このEXシリーズはちょっと変わった存在で
前玉だけを交換レンズとする形式です。
後玉はボディと一体式となっています。
交換する前玉群(交換レンズ)は35mm、50mm、90mmが用意され
後に125mmが追加になりました。
開放F値は50mmがF1.8で他はF3.5です。
従来のラインナップの入門機として発売されたシリーズです。
基本的にはシャッター速度優先オートで撮るカメラですが
マニュアル露出も可能です。
レンズマウントが特殊な部分が注目されがちなカメラですが
特徴的なのはそれだけではなく
空中像ファインダーが採用されています。
これはいわゆるマット面を持たないスクリーンが搭載されていて
ほぼ素通しとなるため非常に明るいファインダーが特徴です。
ただ、マット面がないのでピント合わせは
スクリーン中央のマイクロプリズム部でしか行えません。
ピントリングを回すとピントが外れるにしたがって
通常はマット面でボケていきますが
EXの場合は全く同じように鮮明に見えています。
見え方としてはレンジファインダーに近いという感じです。

お預かりしているEXEEは随分長い間眠っていたものと思われます。
あまり保存状態もよろしくなく
ファインダーやレンズには盛大にカビが発生しています。
外装の汚れやサビもなかなかのものです。
ある意味、掃除のし甲斐がある状態ですね。
シャッター機構はFXやFTとほぼ共通のものですが
Fシリーズ特有のシャッター幕の動きの悪いときに出る
「ギャイン」といった感じの耳障りなシャッター音が出ています。
これが出ているとシャッター速度は全く出ていない状態です。
さらに電池室は腐食が進んでいて露出計の電源は入りません。
うーん、フルコースで整備が必要な状態です。
でもこのくらいの状態でお預かりすると
完成時との差が非常に大きくてわかりやすいのは良いかもしれません。
いや、作業するのはなかなかに大変なのですが。。。(苦笑)
とにかく動くところは全て洗浄・注油です。
で、ガラス・レンズ関係はひたすらカビ除去+できる限りの清掃です。
これから本格的に作業に取り掛かります。

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