ニコンFGのカメラ修理

今日は11月11日、ぞろ目ということもあって
たくさんの記念日が制定されています。
「麺の日」、「電池の日」、「箸の日」
「チーズの日」、「靴下の日」、「ポッキーの日」
「おりがみの日」、「煙突の日」、「下駄の日」
「チンアナゴの日」。。。等々
これでもほんの一部です。
そんな中に「ひとり旅の日」なんてものもありますねぇ
一泊以上の山登りはもはや「旅」だと思っているのですが
以前、頻繁にテント担いで山登り行っていた頃は
ほぼ全て単独行でした。
体力のバランスの問題もあるし
気ままに写真を撮りたいから。。。というのもあるのですが
基本的に「ひとり旅」が好きなのかもと思います。
確かに考えてみれば
よほど気の合う友達でないと一緒に行動するのは
昔から苦手だったかな。。。
本格的な山登りは身体の問題もあり
まだまだ無理ですが
この冬は一度くらい
ひとりでのんびり温泉旅にでも行って来ようかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「EMシリーズ」の一員ですが
絞り優先AE専用機だったEMをベースに
マニュアル露出とプログラムAEを搭載し
露出計もLED表示としたフルスペック機です。
EMはエントリー機としてかなり割り切った機能に絞り込んだ
シンプルなカメラで海外ではかんり成功を収めたのですが
国内、特に従来のニコンユーザーからは
このスペックでは物足らないという声も多く
多機能化したFGを導入したなんてことも言われています。
また詳細は長くなるので割愛しますが
FGのプログラムAEにはプログラムシフトという
SS優先AE的に使える機能も搭載しており
その機能に対応させるためAi-Sレンズが発売されました
ただ、少々ややこしいのは従来のAiレンズでも
ある程度対応できるようにミラーアップ直後に
ご丁寧に「瞬間絞込測光」を行って補正する仕組みになっています。
何ともニコンらしい考え方のような気がします。
このあたりの機能のせいもあって
レリーズフィーリングやシャッター音は少々独特なものです。
「シャコーン」といった感じで個人的には結構好きですが。。。

お預かりしている「FG」は
モルトが全滅でファインダー内にカビが大量に発生しており
長らく使われないまま放置されていたものと思われます。
一通りの動作はできているようだったのですが
シャッター羽根の汚れのせいか
高速シャッターでは精度が不安定で
それとは別の原因でオート露出が大幅にオーバー目なようです。
80年代の電子制御機ということで
修理不可能な場合も結構多いのですが
今回のFGは機械的な整備と接点類の清掃、電気的な調整で
問題なく撮影に使用できる状態にできそうです。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズですが
やはりEM系のカメラにはAi-s50/1.8のパンケーキレンズが似合いますね。
確かに質感は上位機種であるFEと比べると
それなりな部分はありますが
機能的にはあまり変わらず
それでいてFEよりずいぶん軽量なFGはなかなか魅力的なカメラです。
EMシリーズはEM、FG、FG-20が存在しますが
EM以外は意外と人気薄なのでこれから手に入れるのも
良いかもしれません。
ただ、オート時にSSが制御できていない個体は
(薄暗い場所で低速SS作動状況で確認するとわかりやすい)
ほぼ修理不可能なのでやはり周囲が必要なカメラです。
今回のFGはそんなこともなく
問題ない状態に仕上がっています。
これから最終チェックを行って完成となります。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「119番の日」だそうですよ。
いざという時には非常に頼りになりますが
(私も2月にお世話になりましたが)
あまりお世話になる機会はないほうが良いですね。
ちなみに2月に救急車を呼んだ時には
救急車が来てくれるまで約5分
到着して現状を確認し救急車に乗り込み
搬送先を探すのに約5分
実際に病院まで搬送されるのに約5分。。。といった感じで
呼んでから15分程度で病院まで到着することができました。
まともに体も動かず不安な状況で
この素早さは本当に助かりました。
ところで119番は元々は112番だったそうです。
当時はダイヤル電話でできるだけ短いダイヤルで
かけられるように112番だったそうですが
意外と間違い電話が多く
最後にダイヤルを回す時間の長い「9」を入れることによって
落ち着きを取り戻してほしいとのことで
「119番」に変更されたそうです。
「110番」も同じ理由で最後が「0」なのだそうです。
「0」はダイヤル式電話では「9」の後ろで
実際には10回パルスを打ちます。
。。。っていうのがぱっとイメージできるのも
私みたいなおじさん世代以上限定なのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年に発売された「キヤノンAシリーズ初代機」です。
キヤノンのカメラ部門だけではなく
電卓やコピー機で培った各部門の技術を集結して
開発されたカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載の
中央集中制御方式のカメラです
TTL開放測光シャッタースピード優先AEを搭載し
同じようなスペックであった1973年のEF以上の性能を
コンピュータで実現し約300点の部品削減と
生産の効率化によりコストダウンを成功させています。
AE-1の登場により
他メーカーも含めたカメラの電子制御化が一気に進んだと思います。
そしてそれについていけない一部のメーカーが淘汰されていきました。
まるで初代キャノネットのデビュー時のようですね。
キヤノンのカメラはこういう時代の節目に
ターニングポイントとなるカメラを開発することが多いですね。

当時の最新鋭の電子技術を駆使したAE-1ですが
意外と電子部品のトラブルは少ないカメラです。
それよりも最近見かけることの多いのは
無理な分解によるフレキの破損とかで
修理不能となっている個体のほうが多いような気がします。
お預かりしているAE-1は
ご依頼者様が長年愛用されている個体とのことですが
どのSSに設定してもシャッターが
開きっぱなしになってしまうということで
お預かりしました。
これも電子部品の不良ではなく接点の汚れによるものでした。
それよりも分解し始めてすぐに発覚したのが
SSダイヤル連動糸が切れてしまっていることです。
分解時には連動糸のテンションが一番緩くなる位置に
ダイヤルを設定してから外さないと
大概の場合、ダイヤルを外した瞬間に一発で糸が切れます。
分解しようとしない限りは
そう簡単に切れるような糸ではないのですが。。。

連動糸のみを張りなおしたり、糸を繋ぎ合わせるのは
後々のことを考えると非常にリスクが高いので
糸が繋げられている部品ごと中古良品のものと交換します。
ある程度まともにシャッターが動くようになったところで
再チェックを行うと、ある意味予想通りですが
盛大に定番のシャッター鳴きが確認できました。
シャッター幕軸やミラー駆動部等々
動作部は念入りに清掃を行い最小限の注油を行います。
今回も何とか修理不能ということもなく
無事に問題なく動作する状態に直せそうです。
でもやはり何台かに1台は電子部品の問題で
どうにも修理不可能な状態なものもあるのも事実です。
ちょっと厄介なのはある程度分解してみないと
それがわからないことも多いのです。。。
でもAE-1はまだまだ比較的直せる可能性が高いと思います。
そういう意味ではAE-1の跡に出るA-1のほうが
修理不可能な個体は多いような気がします。

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リコーフレックスⅦSのカメラ修理

今日も11月恒例の「いい〇〇の日」が
たくさん制定されています。
「いい歯の日」、「いい歯ならびの日」
「いいおっぱいの日」、「いいお肌の日」
「いいパックの日」、「いい泡の日」。。。などなど。。。
そんな中。今日は「刃物の日」でもあるそうです。
これも「いい(11)は(8)もの」の語呂合わせですね。
仕事柄、刃物も毎日使います。
さすがに包丁まではないですが
主にカッターナイフですかね。
普通のカッターナイフはもちろん
モルト用にロータリカッターも使います。
細かいものを細工するための薄刃のカッターも使います。
カッターだけではなくハサミも普通のものから
小さな精密ハサミも使います。
あ、ガラス切りも一応刃物かな。。。
たまに彫刻刀も使うかな。。。
どれにも共通しますが
切れ味が悪くなったら即交換です。
刃物だけではなくはんだこてのこて先とかもそうですが
劣化したものを誤魔化して使っているとロクなことになりません。
取り返しのつくちょっとした失敗くらいならいいですが
怪我の元になることもあり、取り返しのつかない失敗の原因にもなります。
以前、ドライバーの話でも書いたような気がしますが
道具は最高級品でなくてもよいので
(そりゃ使い心地は良いですし良い道具に越したことはありません)
ある程度のキチンとした道具を頻繁に交換しながら使うことが基本です。
劣化した道具を使うことほど危なっかしいことはないと思います。
何の分野でもそうだと思いますが
そういう部分はケチってはいけないのですよね。。。
あ、当然、きちんと手入れをすることで
道具そのもののコンディションを保ち長持ちさせることも当然です。

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦS」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスシリーズは
プレスボディで基本の重量が軽いことに加え
必要最小限の装備で非常にコンパクトに作られた二眼レフです。
ダイキャストボディで撮影に便利な機能をいろいろ追加した
王道の二眼レフにはそれはそれで良さもメリットもありますが
その対極を行くシンプルさを追求した二眼レフということもできます。
当然、フィルム装填は赤窓式で巻き止めも二重露光防止機能もありません。
シャッターユニットもシンプルなもので
今回のⅦSはB+5速ですが3速のモデルも存在します。
ピント合わせもレンズボードの繰り出しとかではなく
前玉回転式で前玉に付けられたギアを直接回すことで行います。
撮影のための機能が最低限のため
その後の便利なフィルムカメラに慣れていると
戸惑うことも多いとは思いますが
撮影の原理がわかっていて操作にも慣れてくると
どの操作も当たり前に必要な操作だというのがわかってきます。
ただ、意図しない二重露光や未露光は
うっかりするとやらかしてしまうかもしれません。

お預かりの「リコーフレックスⅦS」は
前玉回転式のピントギアの設定が狂ってしまっているようで
繰り出し側(最短撮影距離側)に回していくと
ギアが止まる前に外れてしまいます。
おそらく分解品でピントギアは
適当に組んでいるだけのものと思われます。
シャッタユニットに固着跡があり
ガバナも一時期固着していたものと思われますが
その際に部品の変形も発生しているようです。
レンズは若干のコーティング傷みがあり
清掃では取り切れない部分もありますが
それほど撮影に大きな影響が出るほどではありません
ファインダーミラーはいつものごとく
クモリ・劣化が酷いので交換で対応します。
細かい問題はいろいろとありますが
とにかくある程度分解してしっかり清掃・調整を行って
キチンと組みなおせば本来の動きに戻せる状態です。

で、画像は一通り整備が完了した状態のものです。
リコーフレックスは当時、日本のカメラ生産量の半分以上を
リコーフレックスが占める、と言われるほどの大ヒット商品です。
その大ヒットの要因はシンプルに効率よく作ることで実現した
当時としては価格破壊的なお求めやすさです。
。。。とはいえ、この時代のカメラは
いわゆる高級嗜好品の代名詞です。
つまり安かろう悪かろうでは許されないものがあったと思われます。
リコーフレックスは機能はシンプルですが
その分持ち運びしやすくきちんとキレイに撮影でき
当時の高級品の佇まいは十分に醸し出していると思います。
上の画像を見ていても眺めているだけでも
何だかワクワクしてくるカメラだと思います。
これでブローニーフィルムならではの良い画質で
しっかり撮れるのですからそれは素晴らしいですよね。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「立冬」ですね。
いよいよ冬に向かって日に日に寒くなってきました。
今日は「立冬」に関係して
(いよいよ寒くなってきたので
温かいものを食べましょうという意味)
鍋関連の記念日が多い日です。
「鍋の日」、「もつ鍋の日」
「鍋と燗の日」とかが制定されていますね。
鍋と燗だなんてそんな無敵な組み合わせは反則です(笑)
今夜は鍋に熱燗で。。なんて考えただけで仕事になりません
「もつ鍋」もいいですがやはりこれからの季節の鍋は
「牡蠣鍋」ですよねぇ。。。土手鍋が定番かもしれませんが
私は基本水炊きでポン酢でいただくのが好きです。
白菜やキノコ類に豆腐に牡蠣。。。これだけあれば十分です。
で、鍋が熱々なので酒はぬる燗くらいでいいかもしれません。。。
まぁ、冷やでも全く良いのですが。。。
やはりメインは鍋なのでお酒は純米酒のほうが合うような気がします。
あぁ、すっかり区分は鍋モードになってきました。
今夜も冷えそうですし
とっとと仕事は終わらせて鍋と酒に酔いしれましょう(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っております。
なんだかんだいってSPの修理も毎月のようにありますね。
M42マウント機を代表するカメラでもありますし
発売当時から優れたコストパフォーマンスと使いやすさで
大人気だったカメラですが
今でも大人気なカメラです。
大ヒットしたカメラなので現存台数が多く
手に入れやすいということも魅力の一つだと思います。
SP以前のペンタックス機だと露出計も装備されず
やはりとっつきにくい。。。というのもあるでしょうし
SP以前のSVやS2だとシャッター幕の劣化の激しい個体も多く
その点でもSPのほうが安心度が高いかと思われます。
。。。とはいえ、発売から50年以降経過するカメラです。
なかには整備されている個体もありますが
大半の個体は新品時から使いっぱなしのものが多く
さすがにそうなるとモルト類・油脂類の劣化のため
いろいろなところで問題が出ている状態だと思われます。
致命的な破損等がなければ修理は可能なカメラではあるので
しっかり整備してやれば現在でも安心して使えるともいえるカメラです。

お預かりしているSPは
比較的キレイな外観のブラックボディです。
ご依頼者様が最近入手したものとのことです。
整備することを前提で手に入れたとのことで
早速拝見させていただくと
まずはファインダー内横方向に黒い線が見えます。
定番のプリズム腐食です。
SPはプリズム台座からの光漏れを防ぐ為に
プリズムの外周にぐるりと遮光材が貼ってあるのですが
これが加水分解を起こしプリズムの蒸着まで剥がしてしまうのです。
定期的に遮光材の交換をしておけば発生しないのですが
なかなかそこまで行っている個体は少なく
SPの多くの個体で発生しているトラブルです。
プリズム再蒸着という手段もありますが
当店では再蒸着は行っていないので
中古良品のプリズムと交換で対応します。
プリズム腐食が放置されているということは
これまで数十年間は未整備だと推測されます。
巻上の感触から判断しても油切れの兆候はありますが
シャッタースピードを測定してみると
やはり幕速のバランスは大きく崩れていて
高速シャッターの精度は全く出ていない状況です。
露出計は動作していますが精度は若干ずれてしまっています。
今回は1.5Vで再調整します。

装着しているレンズは当店のテストレンズです。
外装もできる限り磨き上げました。
非常にキレイな状態になっていると思います。
シャッターが安定して
精度が出ていることはもちろんですが
巻上のフィールが明らかに軽やかになったと思います。
この辺りは感覚的なものであり
個体差・環境差にもよるので
どういう感じが正解というものが表せないのですが
今回は明らかに預かり時よりは良くなっていると思います。
プリズム交換しスクリーン清掃もしているので
もちろんファインダーもクリアです。
露出計電池はLR41をスペーサーを使って装着しており
精度も全く問題ないレベルになっております。
これなら自信をもって
今後、安心して快適に使っていただけると思います。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に上野に
日本初の木造アパートが完成したのだそうです。
「上野倶楽部」という名前が付けられており
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートで
上野公園隣接、洗面所・浴槽・電話は共同だったそうです。
結構大きなアパート。。。というかマンションに近いのでは?
それで風呂共同は結構大変そうですねぇ。。。
もう100年以上前の話ですものね。
それにしても都内(特に23区内)の家賃の高さには
まいっちゃいますよねぇ。。。
もはや私はいろいろなタイミングを逃しちゃったので
一生、賃貸アパート住まいだとは思いますが
都内の家賃払っていることを考えると
地方だったら戸建て買えちゃいますものねぇ。。。
まぁ、仕事のことやら
これから自分が朽ちることを考えると
便利の良い都内からは離れられない気がしますが。。。
いや、ほんと徒歩だけで毎日の生活が完了する環境でないと
いざというとき本当に困るような気がします。。。
(なんといっても気ままな一人暮らしだからねぇ)

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
1978年発売の「カメラ・ロボット」です。
正に当時の最先端の電子技術を満載としたカメラです。
やはり一番の売りは5モードオート露出でしょうか
(プログラムAE、絞り優先AE、SS優先AE
絞込実絞りAE、スピードライトAE)
前年に世界初の両優先AE搭載機のミノルタXDが発売されていますが
それを超えるスペックで登場したことになります。
この時代のキヤノンを代表するカメラだと思います。
私も中学生の頃に憧れたカメラです。
スペックがどうこうというより
単純にカッコよかったとい記憶が残っています。
うちはじいさんがニコン党で
当然家にあったカメラもニコンがメインだったから
スタイリッシュなキヤノン機が妙に羨ましく感じられました。
今、考えると、ただのないものねだりだったのですが。。。(笑)
そんな個人的な家の事情はともかく
高価な高級機であったにも関わらず
A-1はヒットしたカメラです。
70年代のカメラを語る上で決して外せない1台だと思います。

そんなA-1もデビューして40年以上が経過します。
バリバリの電子制御機であるA-1は
やはり電子部品関係にトラブルがあると
修理不能のことも多々ございます。
今回、お預かりしているA-1はご依頼者様が
新品で購入しずっと使い続けているものだそうです。
使う頻度はさすがに落ちてきているのだと思いますが
非常に大切にされ続けているのが美しい外観からもわかります。
さすがに経年劣化はそれなりに起こっていて
キヤノンAシリーズでは定番のシャッター鳴きが発生しており
モルトも全滅の状態です。
シャッター周りに油切れの兆候も見え始めており
高速シャッターでは幕速のバランスも崩れてしまっています。
。。。とはいえ致命的なトラブルもなく
通常の整備一式で
快調な状態に戻るだろうな。。。と思っていましたが。。。
分解前の現状チェックで
低速シャッターの制御で異常があることが発覚しました。
1/8以下の低速時に表示も実測も1/30あるいは1/15で
切れてしまうようです。
もちろん電子制御機なので
低速シャッターはガバナ制御とかではありません。
これは参った。。。明らかに電気的な問題です。
とはいえ、せっかくお預かりしているもので
乗り掛かった舟です。
いろいろ調べてみると(そうとう時間かかりました)
どうやら電子部品がダメなのではなく
フレキの接触(正確に言うとフレキとダイヤル基部の接続部分)に
問題があるようでその部分のフレキを交換することで
症状は改善され全く問題なく
低速シャッターも動作するようになりました。
でも今回は正直言ってたまたまです。
SS制御のできない、あるいはオート制御のできないA-1は
通常は修理不可案件です。

どうにかこうにか完成となった状態です。
こうしてみるとやっぱり文句なしにカッコ良いカメラですねぇ
SS制御不良もあったので
通常以上にいろいろなパターンのテストを繰り返し
長めに様子見をしている状態でしたが
もう最終チェックを残すのみといった状態です。
ご依頼者様の40年以上の思い出が詰まったカメラです。
これからもまだまだ活躍していただければと思います。

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キヤノン4Sbのカメラ修理

11月は毎日のように「いい〇〇の日」という
記念日が連続する月ではあるのですが
今日も「いいりんごの日」、「いい酵母の日」
「いいたまごの日」。。などなど。。。やっぱりありますねぇ
そんな中に、「いい男の日」なんてのもあります。
今更「いい男」とか言われても(苦笑)
もうそういうものを追い求める歳ではなくなりましたし。。
ただ、この歳になってくると油断するとすぐに
小汚く見えてしまうのでそこは注意するようにはしています。
でもこのだらしない体型を何とかしないと
健康上の問題も含めてマズい気が。。。(汗)
まぁ、どんなおじさん(既にじじい?)でいるのが
世の中の迷惑にならないのかよく考えて行動したいと思います
もうね。世の中を引っ張っていくのは
若い世代であるべきなんだから
あまり余計な考えの押し付けとかしちゃいけないのですよね
それでなくても気が付かないうちに
考え方が凝り固まって
いつまにか新しいものに対する
拒絶反応も出ているはずですし。。。
自分が20代~30代前半の一番パワーがあった頃に
それなりにおじさんの世代がどう見えるものかを
落ち着いて考えてみれば
どうふるまうのが正解なのかが何となく見えてくるような気がします。
そういう意味では「いい男(いいおじさん)」になる努力は
しなくちゃいけないのですよねぇ。。。がんばろ(笑)

さてさて

今日は「キヤノン4Sb」のカメラ修理を行っています。
キヤノンのバルナックタイプカメラの
最高峰と言ってよいモデルですね。
キヤノンお得意の一眼式変倍ファインダーを搭載し
シャッターの最高速は1/1000です。
スロー側も1秒まで対応し
X接点も装備しています。
後継機でもある「4Sb改」と併せて35000台以上作られたそうです。
ボディの造りこみや精度も非常に高いレベルにあり
本家ライツに並んだと称されるモデルです。
(ちなみに4Sbの2年後にライカM3が発売されます)
そんな当時としては非常に高性能で高品質な4Sbですが
発売は1952年で既に60年以上が経過しています。
この時代のバルナックコピー機で最も心配されるのは
やはりシャッター幕の状態です。
今回、お預かりしている4Sbもシャッター幕は酷い状態で
硬化しているとかピンホールがとかのレベルではなく
一部劣化が進んで破れてしまっている状態でした。

何故、今回の画像はこんなに左に寄せてしまったのか。。。(汗)

バルナックタイプのカメラの一部には既に交換歴があって
幕の状態の良いものもありますが
基本的には幕交換が前提の整備・修理となります。
見た目に一応、穴や破れがない幕だったとしても劣化が進んでいて
硬化しているものがほとんどです。
巻きグセがついていたり波打っているようなしなやかさのない幕で
どんなに整備してもまともシャッターが動くわけはありません
逆にシャッター幕さえ交換してやれば
水没品や酷いショック品や分解品は例外としても
普通の状態のものであれば現在でも快適に動作する状態になります。
今回の4Sbも整備後は1/1000の精度もしっかり出ており
使い心地も非常に気持ちよい状態に復活しています。
もともと外装コンディションは悪くなかったですが
組立て時に外装パーツも磨き上げたので
ミラ眼も非常にピカピカになりました。
眺めているだけでも満足感を感じられる状態です。
昨日のニッカみたいに巻上レバーのものも便利で気持ち良いですが
ノブ式はノブ式でこれも良いですよねぇ。。。

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タワー5Lのカメラ修理

今日はせていされた記念日ではないのですが
我らが広島東洋カープが1979年のこの日に
日本シリーズを制し始めて日本一になった日です!
忘れもしない3勝3敗の五分で迎えた
1979年11月4日の日曜日、日本シリーズ第7戦
もちろんデーゲームでテレビ観戦でしたが
じいさん、ばあさん、親父、10歳の私で
食い入るようにテレビを見ていました。
4-3で迎えた9回裏近鉄の攻撃、
これを抑えれば4勝3敗で日本一が決定!という場面で
ピッチャーは抑えの江夏豊!
ここで何とノーアウト満塁の大ピンチになってしまいます。
ヒット1本でサヨナラどころか日本一まで持っていかれる
大ピンチです。
結果的にこれを無得点で抑えきって日本一になるのですが
後日、山際淳司による「江夏の21級」として
話題にもなる名場面でした。
(詳しくはWikipedia等で)
今考えてもハラハラドキドキの連続の場面で
日本一が決まった瞬間には家族がひとつになったなぁ。。。と
今でも思い出します(笑)
でも昨日の菊池の9回裏2死からのHRもかなり感動したぞ
広島で生まれ育つとカープが刷り込まれますものねぇ
今年のシーズンは終わりますが来年こそは!がんばれカープ!

さてさて

本日は「タワー5L」のカメラ修理を行っています。
タワー?なんじゃそれ?って思う方もいますよね?
いや、実は私もそう思いました(苦笑)
このカメラ、ニッカ製なのですが
アメリカの代理店「Tower」ブランドとして
発売したカメラです。
「ニッカ5L」というべきカメラなのですが
ニッカにも正規の国内ラインナップに「5L」というモデルはありません。
簡単に言えば「ニッカ5」をベースに
巻上をレバー式に変更したモデルといってよいかと思います。
わかりくいので先に画像を。。。

レンズは当店のテスト用レンズです。
シャッターの最高速は1/1000ですが
シャッタスピードは倍数系列ではなく
高速側で1000、500、200、100、50、25となっています。
ニッカ5がベースのため、もちろん背面はフィルム装填時に
開くことが可能です。これは本当に便利ですよねぇ
修理する立場としてもここが開くと分解しなくても
テスターでシャッタスピード計測ができるので本当に助かります。
やはり巻上がレバーなのはこのタイプのカメラだと思うと新鮮で
またその巻上フィールがなかなか良く
「あ、これは好きな人が多いかも。。。」と一発で思いました。
巻上レバータイプのニッカはこれ以外にも
ⅢFの後期とかヤシカYFとかという選択も
なくはないのですが。。。これはまた少し異なりますね。

そんなタワー5Lですが
お預かりした時点でも一応一通りは動いていました。
心配される幕の状態も悪くありません。
しかしながらさすがに年月の経っているカメラで
近年は全く整備もされていなかった個体だと思われますので
各部の清掃や注油は必要な状態です。
細かいところを言えばニッカ5譲りのシンクロ自動切替の
動作不良でしたがこれも整備して
1/25以下で自動的にX接点に切り替わるようになっています。
整備後は高速シャッターも低速シャッターも
全く問題ない精度で安定して動作するようになりました。
もちろんファインダーも清掃済みで非常にクリアです。

元々外装はキレイな個体だったので
非常に良いコンディションになったと思います。
巻上や上品なシャッター音が気持ちよいので
空シャッターを切っているだけでもなかなかの快感です。
撮影に使うともっと気持ちよいでしょうね
もう少し様子見をしてご依頼者様に完成連絡いたしますが
速くご依頼者様にもこの気持ちよさを味わっていただきたいと思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「書道の日・習字の日」だそうですよ。
小学校の頃、左利きを直すために
最初は硬筆を習いに行かされて
そのまま習字(書道)にも通ったなぁ。。。
あの頃の私の地域での小学生の習い事と言えば
「そろばん」と「習字」が定番でした。
(公文行っている連中が少しいたかな)
どっちも近所だったから
学校の続きみたいで楽しかった思い出しかないなぁ(笑)
学習塾らしい塾に行ったのは高校受験対策で
行き始めた中3が最初で最後だったけど
あれは役に立たたなかったな。。。(苦笑)
悪友とつるんでさぼって悪さしたことしか記憶にない。。。
話が逸れました。。。
結局、習字には行かされたものの
左で書くことは直らなかったのですよねぇ
習字教室にいるときだけ右で無理矢理書いていましたけど
学校でノートとったりするのに
右だと早く書けなくて追いつけないし。。。
でも筆の扱い方は覚えられたし
左で書くにしたってキレイな字の書き方が少しわかったし
それなりに今でも役に立ってますよ。
少し前に覚えるために百人一首を筆ペンで
書きまくったのだけど(まだ覚えられていませんが)
久しぶりに習字を習っていた頃のことを少し思い出しました。
いまでも子供向けの習字教室なんてあるのかな。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフサイズ一眼レフカメラです。
ハーフサイズ専用のカメラとしては
私の知っている範囲だと唯一の一眼レフではないかと思います。
ペンFシリーズはさらにその構造も
通常の一眼レフとは全く異なる方式で作られているので
あの独特のペンタプリズムの出っ張りのない
妙に巻き戻し側にレンズがオフセットされたデザインとなっています。
(これがまた魅力の一つですが)
機械的に他に例のない構造でさらにハーフ判の一眼レフ
人気が出ないわけがないですよね。
当時もそうですが今でも非常に人気の高いカメラです。
構造的なハイライトはやはりロータリーシャッターでしょうか。。。
パックマンみたいに一部が欠けた形の円盤が
くるんと1回転することで露出します。
その構造上、常にシャッターは瞬間的に全開なので
全速でフラッシュシンクロすることができます。
つまり1/500でシンクロできるわけですね。

お預仮している「ペンFT」はちょっとレアなブラックボディです。
FTにだけ設定があったのですよね。
なかなか現物を見ることは少ないです。
その上、非常に外観もキレイな個体です。
ひととおり動作はしてはいるのですが
巻上に妙な引っかかりがある状態です。
一緒にF.Zuiko Auto-S 38mmF1.8 レンズも装着した状態で
お預かりしているのですがこちらも絞りに油シミがあり
絞り羽根の動きも緩慢です。
ボディと併せて整備清掃一式を行います。

写真は整備が一通り完了した後のものです。
うーん、やっぱりかっこいいですね。
巻上の引っかかりはシャッターを切った際の
巻上ロック解除がうまくいっていないことが原因でした。
もう少し詳しく書くとロック機構の一部部品が変形しており
ロック解除しても少し引っかかってしまっている状態でした。
もちろん変形を修正し現在は症状も出ていません。
他、シャッタユニット、ミラー駆動部等
ペンF系は定番トラブルの起こる箇所は決まっているので
そのあたりの予防も兼ねて一通りの整備をしています。
FTで毎回問題となるハーフミラーは
今回は交換しなくてもよいかと思っていたのですが
ファインダー清掃を行いメインのプリズムや小プリズム、
拡大用のレンズ等がキレイになると
妙にハーフミラーの劣化が目立ってきたことと
お預かり時にはあまり気にならなかった
スクリーンにもともとある引っ掻き傷も目立つようになってきたので
スクリーンとハーフミラーも中古良品と交換しました。
おかげでファインダーは非常にクリアになりました。
露出計は元々かなり良い精度が出ていたのですが
ハーフミラーとスクリーンがクリアになった関係で
少しずれてしまったのでさらに精度が出るように調整しています。
元々キレイな外観に負けない中身になったと思います。
レンズの清掃及び絞り羽根清掃も行いこちらもクリアになりました。
絞り羽根の動きが粘っていたのは油のせいもありますが
絞り羽根を抑えているプレートに変形があり
そのせいで特に戻り時の動きが緩慢になっていたようでした。
もちろんこちらも修正して現在は非常にスムーズに動作しています。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は11月1日。。。記念日がたくさん制定されています。
「すしの日」、「泡盛の日」、「野沢菜の日」
「本格焼酎の日」、「ソーセージの日」。。。等々
いやいや、これ飲んで食べて大変なことになりますね!(笑)
そんな中、食べ物や飲み物ではなく
「スーパーカーの日」が制定されています。
スーパーカーブームの真っ最中に
小学生だった私としてはこれに触れないわけには。。。
制定の由来は簡単に言うと
「スーパーカーは全てにおいてナンバー1」ということで
「1」が三つ並ぶこの日に制定されているのだそうです。
今でもスーパーカー的な存在であるフェラーリやランボルギーニ
ブガッティなんていうクルマが
とんんでもない価格で新車でも売られていますが
個人的にはやはり70年代のスーパーカーブームのクルマに
魅力を感じてしまいます。(買えませんが)
カウンタックとか512BBとか930ターボとか
ミウラとかディーノとかヨーロッパですね。
未だにモーターショーとかのイベントで
こういうクルマを見かけると眺めているだけでワクワクします。
でも買えないので
プラモやミニカーに手を出してしまうのですね(笑)
作っていないプラモや箱から一度も出していないミニカーが
たくさんあるのですがどうしましょう。。。(汗)
ほんとね、衝動買いの悪癖は止めないといけません(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズとして最初に登場したカメラですが
Mシリーズの中では意外と異端児的な存在で
シリーズ中、唯一の横走りシャッター機であり
機械制御シャッター機です。
Mシリーズ自体は非常にコンパクトな
一眼レフをラインナップしたシリーズで
特にMXはその分野で先行するオリンパスOM-1を
相当意識して開発されたと思われます。
幅、高さ、奥行きの寸法で全て0.5mmずつ
OM-1より小さくできているのは意識してないわけがないですよね。
巻上フィーリング等の使い心地には
かなり方向性の違いがありますし
露出計は後発のMXはLED式です。
ジャンルとしては同じような感じですがOMとMXは
結構な違いもあります。あとは好みによるところですかね。
あ、ズイコーレンズとペンタックスMレンズの
写りの違いも好みの分かれるところかもしれません。
もちろんカメラとしてはどちらも良いカメラです。

お預かりのMXは
これまでおそらく未整備のMXらしく
一通り動作してはいるのですが
あちこちの動きが悪いものと思われます。
MXは内部に汚れが溜まってきたり
潤滑油が古くなったり、ペンタックス機らしく
大量に使われている内部モルトが劣化してきたりすると
如実にシャッタスピードの精度にその影響が出ます。
お預かりしているMXも高速シャッターの精度は
相当狂っています。後幕の走行不良が主な原因です。
その後幕の走行不良が影響して
スローガバナの動作不良も症状として確認されました。
スローが動作完了した後にも
「ジーッ」とガバナが効いた状態で引きずって戻ります。
さらにガバナとの連携も上手くいかないこともあり
スロー時にガバナが効かず1/60で切れてしまうこともあるようです。
シャッター周りだけでなく巻上やミラー駆動部にも
油切れや動作不良の症状がみられるので
全体的にしっかり清掃・注油した上での調整を行います。

画像は整備も完了して組み立てた後のものです。
装着されているレンズは当店のテストレンズです。
シャッターの精度も高速から低速まで安定して出るようになり
若干のズレのあった露出計も調整してあります。
巻上、シャッター音等の印象もお預かり時に比べると
明らかに変化しています。
しっかし可動部を洗浄して注油を行っているので
動きが落ち着くまで少し時間をおきたいと思います。
そのあとで最終的なチェックと若干の調整を行って完成となります。

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ミノルタミニフレックスのカメラ修理

あっという間に今月も月末ですね!
今日、10月31日は「日本茶の日」なのだそうです。
私もお手軽な緑茶パックですが
毎日、5~6杯は日本茶を飲んでますね。
夏は麦茶も多くなりますが
やっぱり日本茶がのどの渇きを潤す意味でも
一番落ち着いて飲めますね。
日本茶と分類されるのは
不発酵茶である緑茶であり
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、
ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
毎日飲むことが多いのは煎茶ですね。
飲み物としてのお茶も欠かせませんが
たまに無性にご飯に緑茶を注いだだけの
シンプルなお茶漬けが食べたくなるのですよねぇ。。。
子供の頃(特に中学生~高校生でよく食べてた頃)に
おかずがなくなると最後はご飯を
お茶漬けと広島菜で平らげる。。というのがパターンだったせいか
今でも食事の最後にシンプルなお茶漬けが食べたくなります。
合わせるのは広島菜がベストですが
こちらではなかなか手に入らないので
野沢菜で代用します。。。
あぁ。菜っ葉にお茶漬け。。いいですよねぇ
昨日のたまごかけごはんに続いて今日の夕ご飯も
シンプルにお茶漬けの予感。。。(笑)
安上がりでよいですが血糖値が上がりそうです(汗)

さてさて

今日は「ミノルタミニフレックス」のカメラ修理を行っています。
ちょっとレアなカメラですね。
127フィルムを使う4x4の二眼レフです。
一般的な120フィルム(ブローニー判)に比べ
小さな127フィルム(ベスト判)を使うので
当然、本体も通常の二眼レフと比べると随分小さく
このサイズ感だけでもかわいらしく魅力的です。
4x4二眼レフで有名なのはやはりベビーローライかと思われますが
国産二眼レフカメラの盟主でもあるミノルタが作る
4x4はローライに決して負けるものではございません。
独特のレトロなグリーンでまとめられたデザインにばかり目が行きますが
とてもしっかり作られたカメラで
特に当時の最新の高分散低屈折ガラスで作られた
テッサータイプのロッコール60mmF3.5の写りは素晴らしいものがあります。
今回はまずはお預かりしているミニフレックスの写真から。。。

まだ分解も整備もこれからです。
大きさを比較するものがないのでわかりにくいですが
本当にコンパクトで眺めているだけでも楽しくなります。
このミニフレックス、1959年発売で
時期的にも既に二眼レフの時代の最後頃のモデルなのです。
そのせいもあってそれほど多く生産されたカメラではなく
現在ではあまりみかけないカメラとなってしまいました。
ご依頼者様もこのミニフレックスを手に入れたばかりとのことです。
現存数が少ないせいもあってよい値段がするのですよね。。。
トラブルの内容はまずはレリーズしても
わずかに作動音はしますがシャッター羽根は全く動きません。
完全に固着してしまっているようです。
絞りリングもずいぶん重めだな。。。と思って回しかけて
すぐに止めましたが案の定絞り羽根も固着していて
無理に回すと確実に羽根がバラバラに外れるところでした。
どうせ洗浄するのですが意図しないところでバラバラに外れるのは
やはり勘弁してほしいものです。
レンズボードにも少々問題があって
ミニフレックスは片持ちでレンズボードを繰り出す関係上
多少のガタはあるものなのですが
一番繰り出した状態から無限遠に向かってノブを回していくと
無限遠手前で少しどこかに引っかかり最後にカタンと
無限遠に収まるような動きをします。
良く見るとレンズボードを留めるネジに
代用品が使われている形跡があるので
何かしら組み立てに問題があるのかもしれません。

これから本格的に分解整備に取りかかりますが
もうひとつミニフレックスの変わっている部分は
ファインダーの台座までダイキャストで1体でできています。
普通はネジ4本で簡単にファインダーフードが
スクリーン枠と一体で外れますがこのカメラの場合はそうはいきません。
ファインダー清掃にちょっと手間がかかる構造です。
実はミニフレックス、私も個人的に自分用に持っていて
そのおかげもありちょっとだけ詳しいのです。。。
フィルムが手に入りにくいのでなかなか最近は
使っていないのですが。。。(苦笑)

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