キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「東名高速道路全通記念日」だそうですよ。
1969(昭和44)年のこの日に
神奈川県足柄上郡大井町の
大井松田IC~静岡県御殿場市の御殿場ICが開通し
東京から小牧まで346kmにおよぶ
東名高速道路(東名高速)が全線開通しました。
4年前の1965(昭和40)年に開通していた
名神高速道路(名神高速)とも小牧ICで接続し
東京と西宮の536kmが高速道路で結ばれ
関東・中京・関西を結ぶ日本の大動脈となりました。
今やいたるところに高速道路が整備され
クルマで移動する際には非常に便利です。
首都高C1のようにビルの隙間を入り組んで走るものから
C2のようにトンネルで緩やかにつながれるもの
そして中央道や東名のようにほぼ直線でひたすら
目的地に進むもの等々、自動車専用道路も千差万別です。
私は今クルマを所有していませんが
東名や中央道を淡々と一定のスピードで走るのも
なんとも旅気分で気持ち良いのですよね…
以前は頻繁に行っていましたが
そのうちクルマでまた広島まで帰省したいですねぇ

さてさて

本日は「キヤノンAE-1P」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
機能的には従来のAE-1に
プログラムオートが追加されたカメラですが
外観的にも中身的にも「AE-1」に比べると洗練され
明らかに進化しています。
まずファインダーの明るさが段違いに異なります。
そしてピントの山も非常にキレが良くてつかみやすいです。
露出計表示も指針ではなくLED表示となっています。
巻上周りや感度設定、グリップ部のデザインも
随分と時代が進んだ気がします。
そして内部的には制御系がもはや「AE-1」とは全く別物です。
「AE-1」ではアナログ的な部分も随分残っていましたが
「AE-1P」ではフレキからの配線もかなり少なくなり
上カバーを開けた景色も全く異なるものとなっています。
でもあくまでそれは制御系の話で
実際に駆動する機械部分の構造は基本的には
「AE-1」とほぼ同様です。
細かい部品は変更されている部分も多いのですが
機械的な構成や動きは同じです。
これは「Aシリーズ」は最初から最後まで同一です。

そのため「Aシリーズ」の中では新しい「AE-1P」でも
「Aシリーズ」定番の「シャッター鳴き」が起こります。
お預かりしてる「AE-1P」も結構激しめに
シャッターを切るたびに「ギャイン」と異音がします。
シャッター鳴きとは言いますが異音がしているのは
ミラー駆動部のギアです。
油切れが主な原因です。

今回の「AE-1P」はご依頼者様が新品で入手して
ずっとお持ちになられているものとのことです。
新品からずっと長い間つきあっているっていいですよね。
丁寧に扱われているのは十分わかり
外観も非常にキレイです。
しかしながらさすがに経年劣化もあり
シャッター鳴きもそうですが各部が油切れで動きが悪いようです
一通り動作はしていますがシャッターの精度もよくありません。
そしてモルトは当然ながら全滅です。
幕軸や巻上部も含んで各部の清掃整備を行い
その上で微調整を行い精度を出していきます。
電子制御機とはいえキヤノンらしくしっかりできていて
まだまだ長く使えるカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですねぇ…
過去の5月24日に起こった出来事を調べてみると…
1960年にチリ地震津波が起きています
前日のチリ地震の津波が1960年5月24日未明に
日本の太平洋沿岸に到達。
津波の高さは最大で5~6メートル。
死者・行方不明者142人だったそうです。
この時のチリ地震はマグニチュード9.5を記録した
観測史上世界最大級の地震です。
地球の真裏で起こった超巨大地震の津波が
高さ5~6mでやってくるなんて本当に怖いですね…
ちなみに震源近くのチリ沿岸での津波の高さは
最大18mだったそうです。
天災もそうですが不幸や事故は思いがけないときに
やってくることが多いので
なるべく色んな悪い事が起きる想像を
巡らせておいたほうがいいような気もします。
でもそれだと常にネガティブなことばかり想像してしまって
なんだか暗くなりそうですね。
適度にいろいろなことに備えましょう

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
「エレクトロ35」は当店の場合、比較的シリーズ前半の
初代の流れを汲んだモデルの依頼が多い印象ですが
今回の「GX」は「エレクトロ35」としては
最終モデルとなります。
初期のモデルに比べると時代を反映して
随分と小型化が進みました。
それでも「ろうそく1本の光でも写る」というコンセプトは
これまで同様に受け継がれていて
40mmF1.7の大口径レンズを搭載し
コパル電子シャッター+絞り優先オートであることも
これまで通りです。
内部の構造はさすがにいろいろと進化し変更されていますが
基本的な考え方や構成は初代からの流れを受け継いでいて
似たような部分も非常に多く見られます。
良い部分をうまく引き継いだこれまでのエレクトロ35シリーズの
集大成としても非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「GX」は機械的にシャッターは切れてはいるものの
電池を入れても電源がまった入りません。
シャッター制御がされないのはもちろんのこと
バッテリーチェックも点灯してないので
そもそも電池室から全く基盤側に電気が流れていない状態だと思われます。
こうなると想像するのは電池室周りのトラブルですが
電池室は非常にキレイです。
底板を開けて電池室の周辺を確認してみても
電池室裏側のハンダもキレイで配線にもダメージは見渡らず
不具合の下人となるような個所はこの段階では見当たりません。
どこで電流が遮断されてしまっているのか…
分解歴もあるような感じなのでちょっとイヤな予感がします…

こうなると電流経路をテスター片手に順番に
調べていくほかありませんね。
まだ取り掛かったばかりなので
何も原因はわからない状態ですが
これから分解を進めながらいろいろとチェックしていきます。
先ほども書きましたが分解跡が見受けられるので
中身が酷いことになっていないことを祈りつつ
これから本格的に修理整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ラブレターの日」らしいですよ。
由来は日付は「こ(5)いぶ(2)み(3)」(恋文)と読む語呂合わせと
浅田次郎の短編小説が原作の映画『ラブ・レター』が
1998(平成10)年のこの日に公開されたことからだそうです。
恋人や家族など大切な人に想いを届ける日とされています。
…さすがにもう縁がないですね(笑
いただくにしても書くにしてもそんなの
40年以上前の記憶の彼方です。
ラブレターはともかくとしても
手紙を書くなんて行為そのものが
すっかりなくなってしまいました。
もはやハガキすら書くこともないですね。
たまにはある程度しっかり文字書かないと
それでなくてもキレイではない文字が
さらに汚くなりそうです…
昔は手書きならではの威力を信じて
小まめに手書きしていたのですが…
今では手書きどころか仕事上のメールこそ
必要に応じて打ち込みますが
手書きどころかプライベートでメールすら打つ機会ありません(苦笑)
LINEもめったに使うことありません…
まぁそのあたりは別にいいのですが…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理をしています。
1976年発売のカメラです。
キヤノンAシリーズの第一号機で
電子カメラ時代の幕開けを飾ったカメラともいえます。
もちろん大ヒットモデルです。
シャッタースピード優先オートを搭載したAEカメラで
オート露出自体は既に登場してからある程度
時間がたっていたもののマイクロコンピュータ搭載で
従来の同機能搭載モデルに比べ
300点以上の部品削減と生産効率化を一気に進めたカメラです。
オプションで専用のパワーワインダーが存在し
「連射一眼」のキャッチフレーズで
ワインダー一気に普及させたカメラでもあります。
さすがにワインダーは修理対象外でもありますし
AE-1のパワーワインダーは見る機会も少ないですが…

大ヒットモデルで現存数も多いこともあって
修理依頼も多いカメラです。
本来の姿であれば現在でも使い勝手もよくて
非常に良いカメラです。
ただ当店にやってくる「AE-1」は
長期にわたって放置されていたカメラが多く
当然ながらコンディションは良くないものが多いです。
今回お預かりしている「AE-1」も電池を入れれば
かろうじて電源は入りますが
非常に不安定な状態です。
シャッターは切れたり切れなかったりで
切れたとしてもかなりの高確率で
ミラーアップしたままになってしまいます。
そして露出計はかなりオーバー目に出ていて
感度が鈍くなっているようです

配線や接点を含む電源周りの清掃整備と
シャッターやミラー駆動を実際に制御する
マグネットの清掃、露出計関連の調整
実際に駆動する機械的部分の清掃整備等
全体的に手を入れる必要がありそうです。

コンピュータやフレキ実装で確かに典型的な
電子制御機ではあるのですが
まだ70年代のカメラということもあり
意外と機械的な連動とかも残っています。
SSダイヤルからの糸連動とかもあり
反対にこのあたりが整備時に注意が必要です。
後継のAE-1Pになると
まさに典型的な電子カメラといった中身になりますが
AE-1はまだまだ進化過渡期な部分も多く認められます。
でもキヤノンらしく非常に上手くまとめられたカメラです。
整備性はこのタイプのカメラとしては非常に良いと思います。
コンスタントに修理依頼のあるカメラなので
中身も見慣れた光景で社ありますが
それなりに神経を使うカメラではありますので
慎重に丁寧に整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカFX-3のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小満」です。
陽気が良くなり万物に生気が充満し
草木が生い茂るという意味で「小満」とされています。
昨日は定休日で海のそばまで少し出かけたのですが
海っぺただと風も少し強くて
それほど暑さを感じなかったのですが
街中に戻ってきたらあまりの蒸し暑さに参りました。
もう初夏どころか夏ですね…
それでも真夏よりは全然マシですが先が思いやられます。
暑いのは苦手なので(寒いのも苦手ですが)
あまり暑くならないように祈っています…

さてさて

本日は「ヤシカFX-3」のカメラ修理を行っています。
当店では通常「ヤシカコンタックスマウント」のカメラは
整備対象外なのですが
今回は諸事情あって特別です。
FX-3はシンプルな機械制御縦走りシャッター搭載の
普及型一眼レフです。
1979年発売のカメラです。
露出計はLED式でグリーンランプの上下に
過不足を示す+-が表示されるタイプです。
軽量コンパクトかつシンプルで
非常に使いやすいカメラだと思います。

お預かりしている「FX-3」は電池室が
開かなくなってしまったということで
お預かりしています。
おそらくしばらく放置している間に
電池室内で電池の腐食が起きて
蓋も固着してしまったものと思われます。
この時代の普及機にありがちですが
蓋がそれほど強度のないプラスチック製なので
無理にこじ開けようとするとなめて変形してしまいます。
今回ももう蓋は交換しないとダメな状態です。

予想よりも電池室内部の状態は酷く
緑青まみれになってしまっています。
電池室内からは真っ黒になった電池が
ゴロンと出てきました。
マイナス側の腐食が特にひどく
プラス側はまだそれほどではなかったので
配線にはそれほど大きなダメージはなく
もちろん配線は交換ですが基盤等にまで
拡がってなかったのが何よりです。
しかし底板にまで腐食が拡がっていますね。
一部部品交換とできる限りの磨き清掃で対応いたします。
シャッター自体は元気なのですが
この類のかめらによくあるミラーずれが起きかけていて
シャッターが切れなくなるほどではないものの
明らかにミラーの位置がずれています。
もちろんこれも対処して正しい位置に張り付けなおします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですね…
で、過去の5/19の出来事を少し調べてみると…
一部地域で自動車のナンバープレートの分類番号の3桁化と
希望番号制が1998年のこの日から始まっています。
希望番号ってこんな以前からあったのですね。
私はクルマのナンバーにこだわりのないタイプだったから
クルマを持っていたころも縁がないのですが…
3桁化も始まったのですねぇ…
思えば私はスーパーカーブームの影響もあって
普段見かけるクルマにも興味を持ち始めたのが
おそらく70年代後半…そのころの地元・広島は
55ナンバーばかりだった記憶があります。
たまに新しいクルマで56ナンバーだったかな…
33ナンバーなんてめったに実際には見かけなかったですし
(当時のフェアレディで見かけたくらいかと…)
たまにまだ一桁ナンバーも走っていました。
もう古い話ですねぇ…(笑
ちなみに日付は全く異なりますが
2018年から練馬や横浜ナンバーで
アルファベットの入ったナンバープレートの交付が始まっています。
今の私の住んでいるエリアは練馬ナンバーですから
たまにアルファベットの入ったナンバーみかけますね。
しかし…5ナンバー車って減りましたねぇ…
乗用車は3ナンバー見かける方が多いですものね。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」の修理を行っています。
当時の大ヒットモデルで現存数も非常に多く
絞り込み測光は慣れが必要ですが
汎用性の高いM42マウント採用ということもあり
ペンタックス純正以外にも数多くのレンズが装着可能なため
現在でも非常に人気の高いモデルです。
そのため当店でも修理依頼の非常に多いカメラです。
現存数が多くコンディションも千差万別で
ほぼ未整備のまま使われいる個体も多いことから
あまり操作感の良くない個体も多く見かけますが
本来は巻上フィールも非常によく
シャッター音も軽快でとても気持ちの良いカメラです。

お預かりしている「SP」は
普通に使えていたそうなのですが
ある時からシャッターが開いたままで固着してしまっています。
ミラーアップして固着…とかはよくある症状ですが
今回はシャッターが開いたままです。
そのままの状態でも巻き上がりますが
再びレリーズしてもやはりシャッターは開いたままになってしまいます。
要は後幕が全く出てこない状態です。
もっと古いモデルであれば幕の劣化とかでよくある症状ですが
「SV」とかではなく「SP」ですし
動作している先幕を見る限り幕自体に問題があるとは思えません。
何かが引っかかっているのか固着しているのか
これ以上は分解してみないとわかりません。

ここまで分解を進めていると幕走行部分から
ネジがころんと転がり出てきました。
どうやらこのネジが幕の走行を妨げていたようです。
特徴のあるネジなのでどこのネジかはすぐにわかったのですが
そのネジがあるべき場所にはネジがちゃんと締められています。
この「SP」は過去に分解歴があるのは明らかで
正直なところ配線も中途半端な位置で継ぎ足されていたり
(それもハンダも使わず単にねじって繋げて
マスキングテープが巻かれていました(苦笑))
妙なところにボンドが塗ってあったり
明かな素人作業の痕跡が多く見られます。
推測ですがファインダーの枠を取り付ける際に
誤ってネジをミラーボックス内部に落としてしまい
それを放置したまま他のネジを使って取り付けたのかと思われます。
そしてその放置されたネジが幕走行経路に入り込み
リボンに引っかかったものと思われます。
実は単に引っかかっただけでなく
幕リボンにかなりダメージを与えてしまっていて
ネジが出てきてももはや後幕は正常に走行できません。
これはそれなりの重修理となりそうです。
カメラに限った話ではありませんが
機械内部に落とした異物は手間をいとわず見つかるまで
分解して探し出しましょう…間違いなく後でトラブルとなります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノネットのカメラ修理

今日は「ことばの日」だそうですよ。
「こ(5)と(10)ば(8)」と読む語呂合わせからですね。
言葉について考え言葉を正しく使えるように心がける日だそうです。
言葉ですべてが伝わるとも限りませんが
ちょっとした言葉使いで思いもよらぬ伝わり方をしてしまったりして
困ったことは誰しもあるのではないかと思います。
一度出してしまった言葉はあとで訂正しても
印象は残ってしまいますからやはり言葉使いは大事ですし
慎重にとも思うのですが
あまり言葉選びにばかり気を使っていると
本当に伝えたいことが伝わらなかったりと…本当に難しいですね。
聞き取る方の考え方や感じ方でも伝わり方は変わるので
なかなかそのあたりは完璧にならないのかもしれません。
加えて…歳のせいか思うような言い回しが
昔ほどレスポンス良く出なくなってしまったような気もします
でもプライベートで言葉を交わすことも
昔ほどないのでそのへんはあまり問題ないのかもしれません…(苦笑

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットシリーズにもいろいろなモデルがありますが
今回は1961年発売の初代キヤノネットです。
キヤノン初のいわゆるコンパクトカメラでもあります。
(実際はこの時代のコンパクトカメラは
全く「コンパクト」ではありませんが…)
45mmF1.9の大口径レンズ、セレン光電池使用の露出計内蔵に
その露出計と連動するシャッタースピード優先オート露出
(光量過不足時にはシャッターロックもかかります)
シャッターはコパルSVでB・ 1s~1/500までをカバー
この時代のレンズシャッター機としては
ほぼ最高峰の性能を持ちつつ
当時のキヤノンの社員たちが自分たちの月給で
買えるカメラを望んだことから
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラとして登場しました
安価だから安っぽい部分があるわけではなく
分解してみてもわかりますが使われている部品の材質や精度も
全く安っぽい部分はありません。
コストダウンの大部分は生産の効率化です。
当然ながら社会現象ともいえる爆発的大ヒットとなり
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が数時間で売り切れ
入手が非常に困難になるという事態も引き起こしました。
キヤノネットの登場はカメラの低額化・高機能化に
付いていけなくなった多くのカメラメーカーが
倒産・撤退するきっかけとなったといわれています。

それほどのヒットとなった初代キャノネットなので
現存台数はもちろん多く
当店にもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
今回お預かりしてるキヤノネットは
外観はなかなかキレイなのですが
いくつか大きな問題を抱えています。
まずお決まりのシャッター羽根固着で
レリーズしてもシャッターが全く開きません。
これでは全く写真は撮ることができません。
加えてファインダーを覗いてい見ても
二重像が見えません。
多少の曇りや汚れはありますが
ブライトフレームや二重像が出るべき部分の枠は確認できるのですが
肝心の二重像は全く見当たりません。
おそらく虚像を反射するミラーが脱落してるものと思われます。
心配されるセレンは状態は良く元気に起電していますが
ちょっと元気が良すぎ(正確に言うと抵抗の劣化)で
指針が振りすぎで明らかに露出が2段近くアンダーになってしまいます。
どれも致命的なトラブルではないですが
このままだと写真が撮れる状態ではないので
全体的に整備を行っていきます。

巻上は底部トリガー式、巻き戻しクランクも底部なので
上カバーは非常にシンプルです。
レリーズボタンとフィルムカウンターのみの
スッキリとしたカバー上に筆記体の「Canonet」の
文字がなんともオシャレでいいですね。
いつも思いますが中身の構造も非常に良くできたカメラで
レンズボードからのSS伝達機構とか
露出過不足時のシャッターロック制御
オート露出の絞りコントロール等々
非常によく考えられてうまく造られているカメラです。
最初にも書きましたが「コンパクトカメラ」いうには
少々大柄ですがその分内部スペースには余裕もあって
整備性も非常に良好です。
個人的にも非常に好きなカメラのひとつです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロGT(S)のカメラ修理

今日は「高血圧の日」らしいですよ。
イヤな記念日ですねぇ(苦笑)
「糖尿病の日」「世界脳卒中デー」「世界リンパ腫デー」と並んで
私にとってイヤな日四天王ですね(笑
一般的に「高血圧」とは
最高血圧140/最低血圧90mmHg以上なのだそうです。
生活習慣病の一つとされ
日本には高血圧の人が約4000万人いると推定されています。
しかし高血圧はサイレント・キラーと呼ばれ、
自覚症状がないことが多いため
実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人と言われています。
もうある程度の年齢になったら自宅に血圧計をおいて
頻繁に血圧チェックが必要かとは思います。
重度でなければ割と服薬で抑えられる場合が多いようです。
私も一時期は血圧高めでしたが
ここ数年は全く問題ない数値に収まっています。
でも生活習慣病ですからね。油断するとすぐに戻ってしまうので
日頃の体調管理が大事だと思います。
年齢を重ねるといろいろ気を遣う部分が増えるのはしょうがないですねぇ
食べ物なんて特にそうですが加齢によって
衰えた体に合った食生活が大事かな…と思います。
身体を作る元ですから気を遣うのが当然といえば当然ですよね

さてさて

本日も「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理です。
昨日は「GSN」でしたが本日は「GT(S)」です。
昨日の「GSN」のひとつ前のモデルにあたります。
発売は1970年です。
エレクトロのモデルネーミングも少々ややこしいのですが
まずは初代「エレクトロ35」
これをブラック塗装とした「エレクトロ35プロフェッショナル」
次が電気接点のロジウムを金メッキに変更した
「エレクトロ35G(ゴールドメカニカ)」
その「G」のブタック塗装が「GT」
そして「G」のレンズを新コーティングの「カラーヤシノンDX」に
変更したものが「GS」そのブラックバージョンが「GT(S)」
そして「GS」にホットシューがついたものが「GSN」
ブラックバージョンが「GTN」です。
ちなみに今回の「GT(S)」のボディモデルプレートは
「GT」となっていますがこれで正常です。
前の「GT」のままなのですね。
でもレンズ銘板に「カラーヤシノンDX」の刻印があるので
そこで区別は可能です。
昨日も書きましたが細かい中身の部品や部品形状の変更はともかく
基本的な構造・機能・外観形状は初代エレクトロのままです。
細かく変更を重ねながらも初代から7年製造されたのですから
もともとの基本設計が優れていたのだと思います。
改めてみると結構独自性の強いカメラで
存在感のあるカメラだと思います。

お預かりしている「GT(S)」はこれも致命的な問題はないのですが
レンズ・ファインダーにそれなりの汚れやカビがあり
やはり電源やオート制御が少々不安定です。
昨日と同じく各部の清掃。、特に接点・マグネットの清掃を
入念に行っていきます。

ただし…昨日と異なって今回はオート制御の不安定さが
なかなか改善されずかなり苦労しました。
結局は接触不良が原因だったのですが
ちょっと思ってもいなかった箇所が原因だったので
なかなか見つけるのに苦労しました。
それでも今回も電子部品自体には問題がなく
少々ホッとしています(苦笑)
モデル名からもわかりますが
いつもヤシカならではのギンギラシルバーではなくて
締まったブラック塗装です。
ヤシカならではの派手なシルバーもかなり魅力的ですが
やはりブラックも精悍でいいですね!

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GSNのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
1689(元禄2)年5月16日(旧暦3月27日)に
俳人・松尾芭蕉が江戸を立ち
『おくのほそ道』(奥の細道)の旅へ旅立ったことに由来しています。
隅田川から日光街道を北へ進み
下野・陸奥・出羽・越後・加賀・越前など
彼にとって未知の国々を巡る旅は
全行程約600里(約2400km)に及ぶ徒歩の旅でした。
芭蕉は体が弱かったため困難も多かったが
2年後の1691(元禄4)年に江戸に帰ってきたそうです。
改めて聞くとすごすぎますよね。
私は文明の利器を利用して各交通機関を使っても
もうあまり見知らぬ土地への遠出は躊躇してしまいます。
日帰りできる近場であれば割とうろちょろするのですが…(笑
あとは数か月に1回の地元帰省で手一杯ですね…
予算と時間の都合もあり
なかなか実現しないですが
たまには完全非日常の旅でもしてみたいものですね。
いや…やはり…もう「めんどくさい」が勝っちゃうかな…(苦笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GSN」のカメラ修理を行っています。
レンズ固定型の35mm判カメラとしてはヤシカを代表する
カメラだと思います。
シリーズ化して様々モデルが存在ますが
初代は1966年発売です。
シリーズを通じて「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して
作られたカメラで暗所に強い大口径レンズ、
長時間露出性能の高い電子制御シャッター使用の
絞り優先EEを採用しています。
今回の「GSN」は1973年発売のモデルで
このモデルまではほぼ初代同様のデザインを踏襲しています。
機能的にも大きな変更はなく
このひとつ前の「GS」で新コーティングの
カラーヤシノンレンズに変更され
「GSN」にはさらにホットシューが装備されています。
このころにはコンパクトカメラの小型化の波が一気に
押し寄せてきていて次期エレクトロは大幅に小型化がすすめられます。
それでもこの少し大柄なエレクトロは基本性能に優れ
大きな変更もなく長く造られた名機だと思います。

電子制御機ということもあり制御系の状態が
心配されるカメラですが以外にも電子部品関連のトラブルは
少ないカメラだと思っています。
それでも接点の接触不良や電池室の状態等が
動作不良に直結するのは電子制御機の常ではあります。
今回も一通りは動作しているのですが
やはり動作は不安定でオート制御も精度的に問題が出ています。
ただ原因は電子部品ではなく接点等の接触不良だと思われます。
50年以上経過するカメラなので
接点等に汚れがありハンダが劣化するのは当たり前です。
そのあたりの電圧ロスをなくしてやれば
あとは調整で正常な状態になるかと思われます。
加えてレンズやファインダーに盛大にカビが発生していて
明らかにまともに写る状態ではありません。
そのあたりもできる限りの清掃で問題ないレベルに
クリアにしていきます。

時代的にしかたないのですが配線が非常に多く
その分、ハンダも多いのでいろいろなところで
接触不良が起きやすい…というのはあると思います。
それでも今回は電池室に深刻なダメージがなく
それに伴って配線等のダメージも少ないので
状態としては悪くありません。
預かった時に当時のHM-4N電池がゴロンと出てきたのですが
電池室のダメージがほぼ皆無なのは不思議です。
電池の個体差なんでしょうかね…
それでも接点の接触やハンダの不良は何か所かすぐに発見されています
このあたりが動作不安定の原因かと思われます。
GSNは初代からのこの形のエレクトロとしては最後のモデルですが
内部構造も基本的には変わっていないとはいえ
部品の形状や取り付け方法は細かく変更されていて
明らかに整備性にも良い方向に変更されています。
内部はやはり常に細かく改良されているということですね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

マミヤ35クラウンのカメラ修理

今日は「ヨーグルトの日」だそうですよ。
1845年のこの日に
ヨーグルトを研究し、ヨーグルトが健康に良いと
世界中に紹介したロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ博士が
生まれたことに由来しています。
記念日の制定は「明治ブルガリアヨーグルト」でお馴染みの
明治乳業株式会社(現:株式会社明治)が行っています。
「明治ブルガリアヨーグルト」いつもお世話になってます。
詳しくは割愛しますが「ヨーグルト」に関する記念日は多くて
今日を含めて9日あるのです。
ヨーグルトは善玉菌の宝庫で腸内環境の改善に効果があり
そのほかにもいろいろな効用があるといわれています。
カロリーも低いので私もほぼ毎日ヨーグルトを
食べるようにしています。
ただ…プレーンヨーグルトはそのままだと食べにくいので
蜂蜜をかけていただいているのですが
甘いもの好きな私はついついかけすぎてしまう傾向が…
血糖値コントロールに本来良いはずの
ヨーグルトがこれでは本末転倒に―――――(笑

さてさて

本日は「マミヤ35クラウン」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のレンズ固定型レンズシャッターの
レンジファインダー機です。
「マミヤ35シリーズ」は1950年代から60年代に
様々なモデルが発売されるのですが
ちょっと困るのがメーカー名の刻印のみで
モデル名がボディに全く刻印されていないのですよね。
修理する分にはお預かりしているカメラそのものを
見ればよいだけなのでそれほど問題ではないのですが
修理の記録を取るうえでやはりモデル名と詳細なスペックは
あったほうがよいのでいつも困ってしまいます。
それでもそれなりに数を見てきたので
ざっくりとは判断はできるのですが
確信までは持てないのでいつも資料を引っ張り出しては
調べることになってしまいます(苦笑)

搭載されているレンズは
マミヤセコールFC4.8cmF1.9で
シャッターユニットはセイコーシャMXLです。
当時のスペックとしては最高級なものになります。
お預かりしている「マミヤ35クラウン」は
ファインダーは濃霧の中にいるような雲りようで
まともに対象物を見ることができません。
レンズにも盛大にカビが発生しています。
そして当然のようにシャッター・絞りに粘りが見られます。
加えて巻上やSS・絞りリング、ピントリング
全ての操作系がとにかく重いです。
何十年も使われないまま放置され
あらゆるところに汚れがたまり
粘りや固着を引き起こしているようです。
それでも致命的な破損はなく
入念に整備清掃を行えば
普通に使える状態にはできそうです。

まだまだ取り掛かったばかりの段階です。
リング類の固着粘り等は様子を見ながら
少し時間をかけて行っていきます。
レンズ・ファインダーは通常の清掃で
かなりクリアになりそうです。
構造自体はシンプルなカメラで整備性は良いカメラです。
長い時間をかけて凝り固まった汚れが
動きを邪魔している部分が多いので
焦らずに慎重に作業を行っていきます。
こういう作業は本当に焦りは禁物です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカSのカメラ修理

今日は「温度計の日」だそうですよ。
1686年のこの日に水銀温度計を発明し
華氏温度目盛りに名前を残す
ドイツの物理学者
ガブリエル・ファーレンハイトが生まれたことに由来しています。
実家に昔、水銀温度計がありましたね
アルコール温度計しか見る機会があまりなかったので
めずらしくてよく覚えています。
でもファーレンハイトといえばやはり「華氏(℉)」ですよね。
日本では全く馴染みがありませんが英語圏では
いまだに多く使われる温度の単位です。
日本ではやはりセルシウス度(摂氏(℃))ですよね。
ふと思ったのですが長さや重さの単位は
日本古来の単位(貫とか尺とか)が存在するのに
温度には私の知る限りないのですよね…
昔の人は温度に関して「暑い・寒い・熱い・ぬるい・冷たい」くらいで
充分だったのですかね…
まぁ充分か…加えて「お湯が沸いた」「水が氷った」があれば
事足りますね。。。(笑

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のレンズ固定式のカメラです。
それまで「コニカⅠ・Ⅱ・Ⅲ」と続いてきた
レンズシャッター機のシリーズを大きくモデルチェンジして
登場したカメラです。
直線的でそれまでとは全くイメージの異なるカメラになりました。
コニカⅢMで取ってつけたような露出計が装備されていましたが
「S」ではスマートに内蔵されました。
ただやはりセレン光電池の露出計なので
セレンは劣化して起電しないものが多いようです。
今回、お預かりしている「コニカS」も露出計は全く動きません。
加えてシャッター羽根にも定番の粘りがあり
ファインダーも汚れで曇って非常に見えづらい状況です。

シャッターや駆動部のトラブルは原因が明らかですし
通常整備をしっかり行えば改善できるので
まずは露出計の状況を詳しく調べていきます。
セレン光電池は取り外して単体で調べても
全く起電しない状態です。
通常はセレンの交換は部品が確保できないので
修理不可能とさせていただくことが多いのですが
今回はたまたまコニカSのセレンで
そこそこ起電するものが在庫にあったので
それと交換で対処していきます。
しかしながら今回の問題はそれだけで終わらず
露出計本体も内部で断線しているようで
電圧をかけても全く動作しません…
これも中古良品と交換で対処します。
さらに加えて絞りリング・SSリングの摺動抵抗の状態も悪く
露出計が全く安定しない状態です。
ここは抵抗体が剥がれ落ちないように慎重に清掃して
できる限りの調整を行っていきます。
さすがにこの時代の露出計はなかなか一筋縄ではいきませんね
それも今回は何とか使える状態にはなりそうです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。