キヤノンFTのカメラ修理

今日は「洋菓子の日」だそうですよ。
私は餡子大好きなのでどちらかといえば
「和菓子好き」ですが
甘いモノ全般好きなので
洋菓子にも大好物がたくさんありますね…
「洋菓子」とくくろうとすると
かなり広い範囲のお菓子が入ってきてキリがないですね。
ケーキやクッキーはもちろんアイスやチョコ、キャンディまで
洋菓子の中に入ってしまいます。
逆に言うと「和菓子」以外の一般的なお菓子ほぼ全てですよね(笑
ケーキやパフェやエクレア、シュークリームなんかもそうですが
甘いクリームたっぷりなモノは特に魅力的に映ります。
ほら、少し疲れてきたりストレス溜まってくると
思い切り浴びるようにクリーム飲みたくなるじゃないですか…(笑
今の私がそんなこと実際にやったら血糖値爆上がりで
後が大変なことになってしまうのでできませんが…
冗談はさておき酸味の後に優しい甘さがしっかり残るような
美味しいアップルパイが食べたくなってきました…
手軽に近くで手に入るところで
美味しいアップルパイないかなぁ…

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
機械制御横橋りシャッターのTTL測光機です。
この時代らしいスペックのカメラですね。
TTL測光ではありますが
絞り伝達機構のないFLマウントということもあり
絞り込み測光です。
後に当たり前となる開放測光器はこの後に出てくる
FTb+FDマウントレンズを待たなくてはなりません。
取り上げるとすればこのカメラからCDSが
ファインダーコンデンサーレンズ背後に配置されるようになりました。
一般的なTTL測光機ではCDSは接眼レンズの周囲に
配置されることが多いのです。
キヤノンではコンデンサーレンズに45度切断し
その切断面にハーフミラーを配置し
レンズを通過した入射光の一部を背後にいるCDSに導くことによって
測光を行います。より厳密な測光が可能となります。
レンズ以外からくる余計な入射光の影響も受けにくい構造です。
ハーフミラーの配置に伴って測光範囲は
中央部分測光となります。
後のF-1やFTb等にもこの構造は引き継がれます。
この時代のキャノンならではの測光方法です。

お預かりしている「FT」はシャッターが切れません。
もちろん巻上もできません。
シャッター幕位置から判断するにシャッターチャージは完了しています。
ミラーチャージもできているようです。
ただレリーズボタンが固まっていて押せません。
強制的にレリーズしようとしても簡単にできる部分からは無理なようです。
いろいろ現状を確認してみるとどうもセルフタイマーが
何らかの邪魔をしていてレリーズできないような様子です。
それ以上は深く分解してみないと何とも言えない状況です。

シャッター周りは後で詳しく調べるとして
セールスポイントのひとつでもある露出計は
とりあえずは動作しているようです。
ただ指針は非常に不安定です。
SW周りで接触不良があるものと思われます。
絞り込み測光機なので絞り込みレバーと
露出計SWは連動しています。
バッテリーチェック時にASAとSSを
一定の位置に合わせなければいけないのは
F-1やFTbと共通です。
FTの場合はASA100でSSはXにセットします。
わかりにくいですが巻き戻しクランクを引き上げると
その下にASA100-X・CHECKと刻印されています。
整備性はなかなか良好なカメラです。
これから本格的に分解に取り掛かって
レリーズ不良の原因を探っていきます。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「パソコン記念日」だそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に
日本電気(NEC)がパーソナルコンピュータ
PC-8001(PC-8000シリーズ)を発売したことに由来しています。
最初のパソコンブームの火付け役となったマシンですね。
懐かしいですねぇ…
私が最初にパソコンに触れたのは高校生になったばかりの頃の
PC8001mkⅡSRですが毎晩夢中になって弄り倒してました(笑)
それでも今のパソコンに比べればできることは
めちゃくちゃ限られていましたし
何か一つ行うにも本当にいろいろ大変でした…
BASICがOSを兼ねていたこの時代に比べると
window3.1登場以降のPCは
劇的にインターフェースが変化しました…
今や特に難しい知識がなくてもパソコンは普通に操作できますし
慣れた方なら初めて触るソフトでも
なんとなくは操作できるかと思います
これってPC8001当時には全く想像もできない世界でした。
今や私の仕事だってパソコン抜きには全く考えられません。
メインの作業自体はパソコン関係ないですが
付随する書類関係、管理業務、経理業務
すべてがパソコン上で動いています。
以前にパソコンが突然壊れたことがありましたが
当然ながらすべての業務がストップし
復旧するまで通常の作業どころではありませんでした。
なにはさておいてもバックアップと
他PCに復元できる環境は必須でとても大切ですね…

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店が扱うことのできるカメラとしては
最も新しい世代のカメラです。
スペックとしてはいわゆる中級機ですが
新設計のフレームを使用して
それまでのXG系の基本構造から脱却したカメラです。
いわゆるX3桁機としては最上級の機種となり
登場以来長らくミノルタマニュアルフォーカス機の
頂点として発売されたカメラです。
その間にαシリーズが発売され時代がAF機へと変化しても
カタログ落ちすることもなく1999年頃まで
18年間販売されました。
長らく発売されるだけあって基本設計に優れていて
使い心地もよいカメラです。
ロングセラー機なので現存台数も多く
比較的状態の良いモノが多いような気もします。

お預かりしている「X-700」は電源は入るものの
シャッターが切れません。
幕位置から判断してシャッターはチャージされています。
何らかの原因でレリーズができないものと思われます。
「X-700」は比較的電子部品関連のトラブルは少ないカメラなのですが
それでも電子回路上のトラブルが原因の場合は
当店では修理不可能と判断せざるを得ないことも多いです。
今回の「X-700」はご依頼者様がずっと所有されていたもので
これまでは普通に使えていたものの
少し久しぶりに出してみたらこの状態だったということから
おそらくは致命的トラブルではないのではと思われます。

画像はまだ取り掛かり始めの段階でのモノです。
一端取りかかって分解すると
この類のカメラは一気に済ませたい
(分解している状態でできるだけ放置したくない)ので
この後に一気にできることを集中して済ませてしまいます。
そのためこの類のカメラは閉店後に集中的に
作業を行うことが多くなります。
今回のトラブルの原因は予想通りマグネットの汚れによる
吸着不良からくるものでした。
それ以外にも主に接触不良を原因とした
挙動の不安定さが出ている箇所もありましたので
機械的な部分の整備に加えて各接点の清掃を入念に行っています。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「台風襲来の日」だそうですよ。
これまでの統計上、台風襲来の回数が多い日だそうです。
過去に大きな被害をもたらした台風が襲来している日でもあるそうです。
今日の都内は少し夏が戻ってきたかのような暑さで
非常に良い天気です。
でも明日は結構な☔が振るそうです。
南の遠い海上には台風16号が発生していますが
本土に直接的な影響はないようです。
今年の「台風襲来の日」は穏やかに過ごせそうですね。
でも過去の統計があまりあてにならないような天候だったり
台風の進路もおかしなことになるようなことがおおいので
これからはこれまでのデータで判断しきれないことが
増えていきそうですね。台風が来なくても豪雨はあちこちで起こりますし…
何だか昔に比べると暑さ寒さもそうですが
屋外で穏やかに気持ちよく過ごせる期間が激減したような気がします。
私はレトロなものは好きでも
現在の便利な生活はそれ以上に大好きですが
気候だけは昔に戻ってほしいような気もしますね。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
お求め安い価格帯と使いやすい機能
M42マウントでの豊富な交換レンズ群で
当時大ヒットしたカメラです。発売は1964年です。
大ヒット商品だけあって現存する台数も非常に多く
M42マウントレンズも世界中のブランドのモノが
残っていますので現在も人気の高いカメラです。
中古市場でもお求めやすい価格のモノも多く
フィルムカメラの入門機的な扱いの場合も多いかと思います。
ただし現存台数が多く市場価格も安めということもあって
現存する個体のコンディションはピンからキリまであり
中には酷い分解品のなれの果てのようなものが
流通している場合もあり注意も必要です。
ご自宅で長く眠っていた…というパターンも非常に多いカメラですが
その場合は余計なトラブルの心配はありませんが
間違いなくそのままではさすがにまともには動かないと思われます。

お預かりしている「SP」はシャッターが切れない状態です。
シャッター幕の位置がから判断して
シャッターはチャージされた状態であり
レリーズボタンも押し込めるのですが
シャッターが切れない状態かと思われます。
原因はミラーチャージがセットされないためのようです。
みらーがチャージされていないので
レリーズしてもミラーが動くこともなく
もちろんシャッターも動かないという状態です。
少し分解して確認してみるとチャージロック機構が
明らかに動作不良の状態だったのでここの改善から行っていきます。
他、トラブルの多い露出計は動いてはいるのですが
精度は全く出ていません。電圧変換の電池蓋がセットされているのですが
それでも露出計指針は振り切り気味で
露出計の指示通りに露出設定するととんでもなくアンダーになってしまいます。
加えてとりあえずミラーを強制的に動かしてシャッターの状況も
確認したのですが高速シャッターの精度は出ておらず
1/1000は1/4000近くになっていて今にも閉じそうです。
このあたりの幕軸の清掃を子なった上での調整が必要です。

心配されることの多いプリズム腐食は
今回は全く問題ないようです。
おそらく過去にプリズム交換されているものと思われます。
M42マウントでレンズ側からの絞り情報を伝える機構が全くない
シンプルなねじ込みマウントなので
露出計は絞り込み測光です。
そのためレンズマウント周りは非常にシンプルで
整備性は非常に良好です。
しっかり整備を行ってやればまだまだ十分な動作精度が確保できます。
露出計も抵抗等の劣化で精度は今回のように
出ていないものが多いものの大抵の場合は
調整で充分にカバーできます。
このあたりもシンプルな構造だからこそ
できる部分が大きいかと思います。

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ヤシカエレクトロ35MCのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですねぇ…
ちなみに毎月25日は「プリンの日」だそうです。
美味しいですよねぇ…甘いもの大好きな私にはごちそうです!
記念日を制定したのは乳製品メーカーの
オハヨー乳業だそうです。
オハヨー乳業と言えばプリンとは少し離れますが
クリームブリュレ風のアイス、「ブリュレ」が大ヒットしてますねぇ
オハヨー乳業では昔から焼きアイスクリームの商品を
いろいろ開発していてこれまでのものは食感が
なかなか維持できない等の理由で
成功作と言い切れないものが多かったそうです。
でも「ブリュレ」はいつまでたっても
表面のカラメルはパリッとしていて
内側は濃厚なアイスクリームでめちゃくちゃ美味しいです!
私も少し前からハマっていて結構な頻度で買ってます。
今のアイスはスタンダードなものから
変わり種まで楽しめるものが多い上にどれも美味しくて
本当にたまらないですねぇ…
今日もコンビニで何か買ってきます。
あ、でもせっかくオハヨー乳業さんの記念日の日だから
「ブリュレ」にします!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35MC」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
非常にコンパクトなカメラです。35mmフルサイズですが
ハーフカメラより小さいくらいです。
お馴染みの「ヤシカエレクトロ35シリーズ」の一員ですが
「MC」はとにかくコンパクトさを追求したモデルで
本流のエレクトロ35に比べると少し異端児的なカメラです。
シリーズ中、唯一の目測機でレンジファインダーを搭載していません。
これもこのサイズを実現するためだと思われます。
そしてエレクトロと言えばF1.7あるいはF1.8の大口径レンズですが
「MC」は40mmF2.8レンズを搭載します。
F2.8でも通常の日中屋外撮影であれば十分に明るいレンズですが
これも小型のため少し小さなレンズを搭載していると思われます。
それでもコパル製の電子シャッターを搭載し
絞り優先オート専用機であることは他のエレクトロと同様です。
何といっても他のエレクトロとは段違いの
この小さな凝縮感のあるボディは持ち歩きに便利なだけでなく
持っているだけでもなんだか楽しくなってきます。
私も個人的に大好きなカメラで一時期は常にこれを持ち歩いていました。

お預かりしている「MC」はレンズにカビがかなり発生していることと
ファインダーの曇りが酷い状態です。
どちらも完全にクリアにはならないかもしれませんが
実撮影に全く問題のないレベルにまでは清掃できると思われます。
「MC」も電池が入れっぱなしで保管されて
電池室の腐食が激しいモノが多いのですが
今回の個体はその点については大丈夫なようです。
ただよく見ると電池室にわずかに緑青も確認できますので
裏のハンダや配線は整備、場合によっては交換が必要かと思われます。
オート制御は若干不安定なものの動作は一通りできています。
マグネットや接点の清掃で安定性も増すと思います。

まだ現状を一通り確認しただけの状態です。
これからまずはシャッターユニットの整備を行っていきます。
並行してレンズの清掃、電池室周りの整備を行っていきます。
初代エレクトロの独特のシルバーとはまた異なりますが
「MC」のシルバーも結構な「ギンギラギン」具合で
個人的にも非常に好きな色合いです。
中古市場ではブラックが人気のようですが
エレクトロ35シリーズは個人的なシルバーが好みです。
このギンギンギラギラシルバーは
他のメーカーではなかなかないですものねぇ…

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「秋分の日」ですね。
二十四節気のひとつでもあり
昼と夜の長さがほぼ同じ
(実際は昼の方が若干長い)になる日で
「春分」(3月21日頃)と同じように
太陽が真東から出て真西に沈む日です。
日本ではこの日は国民の祝日「秋分の日」となります。
秋分の日は、国立天文台の算出する定気法による
秋分日を基にして閣議決定され
前年2月1日に暦要項として官報に告示されます。
天文学に基づいて年ごとに決定される
国家の祝日は世界的にみても珍しいそうです。
お彼岸の中日でもあり
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを
趣旨としている日でもあります。
子供の頃は祖父母と一緒に毎年墓参りでした。
気候も良く天気の良い日が多く
家のお墓は山の中にあるので
ちょっとした遠足気分で楽しかった記憶ですねぇ
墓参りが一段落したところで
じいさんが墓所からさらに奥の湧水のあるところまで
よく連れて行ってくれました。
「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もありますが
いつまでも夏の陽射しが残っていましたが
今日の都内はシトシト雨で気温も低めです。
このまま本格的秋になってくれればいいですね!

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
初代の社会現象ともなる大ヒットから
脈々と続いたキヤノネットシリーズの最終機種です。
1972年発売のカメラです。
前年に出た「ニューキヤノネット」と大きな変化はなく
LED式のバッテリーチェックが装着されたことぐらいしか
機能的な変化はありません。
前モデルの「ニューキヤノネット」で一気に小型化され
初代やシリーズ前半のモデルと比べると
その違いは明白です。
しかしながら基本的な路線や機能は
初代からの考えを引き継いでいます
シャッタースピード優先オート搭載の
レンジファインダー機であることはもちろん
低光量下に強い大口径のレンズを搭載し
マニュアル露出も可能とします。
マニュアル時に露出計はオフになるところまで初代と同様です。
基本的な機能に優れ使いやすく
今見ても非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「G-Ⅲ」は
やはり随分長い間使われずにしまい込まれていたもののようです。
ただ保管環境は悪くなかったようでレンズに
大きなダメージや深刻なカビ発生もないようです。
ニューキヤノネットやG-Ⅲはレンズコーティングに
変質を起こして曇っている場合も多く
その場合は改善不可なので今回の個体は
そこに関しては非常に良い状態です。
ただしファインダーはかなり曇っていて
ピント合わせがほぼできないような状態です。
ただこちらは清掃でかなり改善すると思われます。
オート制御の関連もあり絞り羽根は
非常に小さな力で駆動される仕組みなっており
そのためもあって羽根粘りが起こりやすいカメラです。
このあたりの構造も小型化はされたとはいえ
基本的には初代から変わらない部分です。
電池室には古い水銀電池が入ったままになっており
露出計は電池を入れ替えても動きません。
それでも電池が入ったままにしては
電池室はまだキレイなほうです。
ただし電池室裏面のハンダや配線は
それなりにダメージがあるようです。
それが露出計不動の原因です。

まだ現状の問題点や対策を洗い出している段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
まずはシャッターユニットの整備及び
シャッター・絞り羽根の清掃から行います。
その過程で露出計周りの問題もクリアしていきます。
さすがに小型化されているので
機構は初代とほぼ共通とはいえ
中身はそれなりにギッチリ詰まっています。
整備性に関しては小型化されるまえのほうがやはり良いですね。

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ミノルタフレックスのカメラ修理

今日は「空の日」だそうですよ。
1911(明治44)年のこの日に
山田猪三郎が開発した山田式飛行船が
滞空時間1時間の東京上空一周飛行に成功したことに由来しています。
1940(昭和15)年に「航空の日」として制定されていましたが
戦字中には中断され、1953(昭和28)年に復活します。
運輸省(現:国土交通省)航空局が
1992(平成4)年に「空の日」と改称して現在に至ります。
ちなみに国内初飛行自体は1910(明治43)年12月19日に
東京・代々木錬兵場で徳川大尉が行った飛行実験なのだそうです。
ただ、12月では気候的に航空の行事に適さないため
帝都上空一周飛行が行われた9月20日を「航空の日」としたのだそうです。
由来はどうあれ…そろそろ本格的に秋の空気になってきて
(今年はまだまだ夏の空気ですが)
空も高く見え始めどこまでも続くような青い空を
見上げたくなる季節ではありますね。
ただし今日の都内はどんより曇り空です(笑)
日によっては秋らしい雲を見かけることも多くなってきたので
もうそろそろだと思いますが
秋らしい爽やかな天気になってほしいですね。

さてさて

本日は「ミノルタフレックス」のカメラ修理を行っています。
ミノルタフレックスといってもいくつか種類があり
最初のミノルタフレックス「Ⅰ」は1937年発売で
国産初の二眼レフともいわれることもあるモデルです。
(はっきりしないのですが実際にはプリンスフレックスに
数ヶ月ほど遅れて出たらしいです)
いずれにしてもここから歴史あるミノルタの二眼レフが
スタートしたわけですね。
ミノルタフレックスはそれから何度かのモデルチェンジや
改良を受けて1954年に「ミノルタフレックス」としては
最終モデルとなる「Ⅲ」へと進化します。
今回のミノルタフレックスはこの「Ⅲ型」です。
フィルム装填は「ⅡB」からセミオートマット化されていて
「Ⅲ」も同様です。「ⅡB」から変更されて受け継がれているものは
他にも確実性の高いダイヤル式の裏ブタロック
ピントグラスに平凸レンズが貼り付けられた
ファインダースクリーン等があります。
ピント合わせはこの頃はまだレバー式ではなく
オーソドックスなノブ式です。
レンズはテイクレンズがロッコール75mmF3.5
ビューレンズがビューロッコール75mmF3.2です。
シャッターユニットは当時の最高級である
セイコーシャラピッドでB・1s~1/500までカバーします。
この時代のセイコーシャのシャッターを取り上げると
いつも書きますが1/500は別に設けられた強力な専用バネを使って
シャッター羽根を駆動するのでチャージは重く
先に1/500にセットしておいてからチャージをしなくてはなりません。
そしてこの「Ⅲ」ではシャッタースピードと絞り値は
上部の窓に集中表示されるようになっています。
次のミノルタコードでは一時期省略されますが
さらに後のオートコードでは復活します。
これがあると上から確認することができて便利です。

お預かりしている「ミノルタフレックスⅢ」は
シャッターは大きな粘りもなくそれなりに動作しています。
ただしレンズやファインダーの状態はあまりよろしくなく
かなり浸食していそうなカビや汚れで覆われています。
清掃でカビの除去自体はできますが浸食されたコーティングに
カビ跡は少々残るかもしれません。
それでも実際の撮影にはあまり大きな影響は出ないと考えられます。
セミオートマット式ということで
巻き止めやカウンターにトラブルがあると撮影可否に関わるのですが
少しばかり粘りで動作不良が見受けられます。
おそらくかなり長い間使われずに眠っていたものだと思われます。
各部の動きはそれでも悪くはありませんが
やはり全体的に見ると粘っている部分もありますので
駆動部は全て一通りの整備が必要で
光学系はできる限りの清掃でクリアな状態にしていきます。

外装の貼り革は結構ボロボロで剥がれ落ちている部分もあり
ご依頼者様の希望ですべて貼り替えることが決まっているので
今回は分解にまつわる部分だけではなく
裏ブタやファインダーカバー部も含めて
全ての貼り革を先に剥がすことら始めます。
これが難しくはないのですが結構な手間と時間がかかるのです。
画像は貼り革がやっとすべて剥がせた段階で
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
ファインダーミラーが写っていますが
こちらは劣化が激しくかなり曇ってしまっているので
新品の表面鏡を切り出して交換で対処していきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「かいわれ大根の日」だそうですよ。
野菜不足を宇t根日ごろから自覚していますが
かいわれ大根も入手しやすくて
何にでも使えて便利そうですね。
お味噌汁や付け合わせに使いやすいので
毎日、ブナシメジやエリンギ等のキノコ類だけは
必ずそれなりの量を口にしているのですが
それにかいわれも同様に加えてみても良さそうですね。
大きな葉物野菜は一人暮らしだと手に余ることが多いので
こういうスプラウト食材が合いそうです。
食べる量も随分と少なくなっているので
ちょうど良さそうです。
(その割には痩せないのが不思議でなりません)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン最初の一眼レフであり
その後、長く続くニコンフラッグシップシリーズの
第一号機でもあります。
そして日本の一眼レフ機の知名度を
一気に世界的なモノへ押し上げたカメラでもありますね。
「F」に関しての伝説的なエピソードに触れていくと
キリがないのでこの辺にしておきます。
そういう受け売りや予備知識なしに
向き合っても「F」は現在でも充分に優れたカメラです。
精度の高い部品でキチンと組み上げられ
ある程度のメンテナンスを行っておくだけで
まだまだいつまでも普通に動くと思われます。

お預かりしてる「F」も
何か致命的なトラブルがあるわけではございません。
ただかなり長い間使われずにしまい込まれていたようで
各部駆動部が本来の動きではありません。
特にスローシャッターはわかりやすく
固着気味でガバナが止まりそうに息つきながら
1秒のSSを何とか2~3秒かけて動いているような感じです。
低速スローガバナはわかりやすいですが
高速も幕軸等の動きが悪いようで
先幕後幕の幕速バランスが崩れていて
精度は全く確保できていないような状態です。
巻上にも重苦しさがあるので
やはり全体的に本来の軽い動きができるように
メンテンナンスを必要としている状態です。

幕軸や巻上機構の動作不良は通常の整備で
問題なく進みそうですが
スローガバナの固着はそれなりに重症です。
もちろん破損しているとかではないので
修理は可能ですが時間をかけてゆっくり
動きを取り戻す処置を行っていきます。
画像にはファインダーがありませんが
今回はフォトミックファインダーがセットされていました。
ボディ側とは異なりフォトミックの露出計は
残念ながら問題があると修理不能の場合が多いです。
特に「F」のフォトミックは後の「F2」と比べると
摺動抵抗の劣化や剥がれ落ちが酷いモノが多く
これに関しては当店では残念ながら処置のしようがありません。
加えてこれはアイレベルもですが
プリズムの腐食の関してはこちらも修理不能です。
このあたりは非常に堅牢な機械的部分と比べると
どうしても経年劣化に敵わず
脆い部分が多いと感じます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「マッチの日」だそうですよ。
1948(昭和23)年のこの日に
配給制だったマッチの自由販売が
認められたことが由来となっています。
昔…というか戦時中は
日用品から生産資材に至るほとんどの物資が
統制配給の対象となっていました。
マッチってたまに擦りたくなりますよね。
懐かしさという部分もありますが…
そう思って手に入れた懐かしのパイプマッチが
いくつか手元にあります。
でもタバコもやめて随分経つし使いどころがないのですよね(苦笑)
蚊取り線香を点けるときにくらいしか…
昔の実家にはじいさんがタバコを止めてからも
家中にマッチがあったような気がします。
いろんなところでマッチを配ってたり
もらえたりしましたものねぇ
実家にはやたらとボウリング場のマッチが多かったかな…
仏壇に先行を上げたりろうそくに火をつけたりするのに
毎日必要でした。でも時代とともに100円ライター
(チルチルミチルとか…)になっていくのですが
通常、手に入るもののほとんどがいわゆる安全マッチですが
どこに擦り付けても火が点く「摩擦マッチ」が欲しくて
高校生の頃とかに安全マッチを元に自作したりしていました。
靴の底とかでカッコつけて点けてみたかったんですよねぇ…(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフ最高峰と言われることも多いカメラです。
フィルム平面性確保のためフィルム送りが通常とは逆の
「上から下」に巻く欲しきを採用しています。
巻上はクランク式でセルフコッキング
フィルム装填はスタートマーク合わせ式の
セミオートマットです。
ピントレバーは素早くもじっくりも合わせやすい
レバー式がボディ下部に配置され「ハラキリ型」とも呼ばれます。
シャッターユニットは製造時期によっていくつか搭載ユニットが異なりますが
シチズンMXV(~1/400)、シチズンMVL(~1/500)
セイコーシャラピッド(~1/500)搭載機が存在します。
レンズは評価の高いテッサー型ロッコール75mmF3.5です。
非常に使い勝手が良い上に質感も高く
写りも非常に良かったので当時から評価が高くヒット商品となります。
現在でも非常に人気の高い二眼レフです。

お預かりしてい「オートコード」は
12-24切り替えダイヤルのある「Ⅲ型」です。
ミノルタ二眼レフの最終モデルともなったカメラです。
発売は1965年で同じ年の少し前に発売開始された
「オートコードコードCDS」から
レンズに新ガラスが採用された
「ニューロッコール」となっています。
ミノルタ二眼レフの集大成ともいえる名機です。
保存状態は非常によく
心配されるレンズのコーティング劣化もありません。
ただファインダーミラーが明らかに拭き傷だらけで
かなり曇った状態となっています。
ここは交換で対処いたします。
スクリーンもかなり汚れているので
できる限りの清掃を行います。
巻上等の機械駆動部にも大きな問題はありませんが
製造から60年経っているカメラなので一通りの整備を行います。
シャッターも一通り切れていますが
やはり若干の羽根粘りがあるようです。
絞り羽根にも少しばかり油滲みが見受けられます。
羽根に関しても洗浄清掃を行っていきます。

50年代~60年代の国産二眼レフは質感が高いモノが多く
眺めているだけでも楽しめるものが多いですが
オートコードも非常に高い質感が楽しめます。
私も祖父から引き継いだ前期オートコードを持っていて
現役として使っていますが
「Ⅲ」もまた一味違っていいですね!
より高級感があるような気がします。
まだ現状を確認しただけの状態です。
これから分解整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日は「コスモスの日」だそうですよ。
私も先日の定休日に外出先で
コスモスが咲いて風にゆらゆらしているのを見かけました。
今日もそうですがまだまだ陽射しが夏っぽくて
残暑厳しいですがもう9月も半ばですものね。
しっかり季節は進んでいると思います。
しかしコスモスはなんであんなに茎が細くて
頼りないのでしょうね。
花の咲く時期は台風がやってくる季節でもありますが
少し大き目の台風が来たら全て倒れてしまうのですよね…
それに普通に風が吹いてもゆらゆらと揺れて
そこがまた風情があるといえばありますが
いざ撮影しようとするとファインダーの中に収めるだけでも
苦労します…先日もちょっと撮影しましたが
マニュアルフォーカスなこともあり
なかなか大変でした…(苦笑)
でも毎年撮りたくなるほどの魅力ある花ですよね!

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
ペンと言えばハーフカメラの代名詞ともいえますが
その中でも操作が簡単で気軽に撮れる
「ペンEEシリーズ」は最も人気の高いシリーズかと思います。
当店に持ち込まれるのはもう少しマニアックな
初期の「ペン」や「ペンS」、「ペンDシリーズ」も多いですが
やはり依頼数の最も多いのは「ペンEEシリーズ」です。
「EES」は「EEシリーズ」の派生モデルにあたり
ピントが固定焦点である「EE」に対し
ゾーンフォーカスを採用したモデルです。
「EES-2」はその2代目のモデルにあたり
「ペンEE-2」の派生モデルとも言えます。
(発売はほんの少しEESが早かったようです)
余談ですが35mm判コンパクトカメラとして大ヒットした
「トリップ35」もこの「EES-2」がベースになっています。
発売は同じ年でした。
初代EEやEESに比べると使い勝手で大幅に進歩していて
裏ブタは蝶番式になりフィルムカウンターも自動復帰となりました。
アクサリーシューにはX接点が追加されホットシューとなっています。
フィルム感度もASA400まで対応となりました。
レンズは30mmF2.8でSS1/30・1/250秒の2速AEです。

お預かりしている「EES-2」はシャッターは切れるものの
全くオートが制御できないようで
絞り羽根は明るさに関わらず最少絞りで固まっています。
暗くしても赤ベロも出ない状態です。
まずは絞り羽根の固着かと思われますが
シャッタスピードの切替も行われないようなので
露出計あるいはセレンにも問題があると思われます。
外観やレンズのコンディションは良さそうです。

絞り羽根はかなりガッチリと固着しています。
非常に薄い2枚羽根なのでちょっとした汚れや油分で
簡単に固着してしまいます。
羽根はいったん取り外して入念に洗浄清掃を行います。
シャッター羽根もシンプルな2枚羽根です。
こちらもしっかり洗浄清掃を行います。
外れてトラブルの原因となることの多い
シャッターユニットのネジは羽根組付けの際にしっかりと締めて
軽くネジロックを行います。
そして露出計の問題は残念ながらセレンの劣化のようです。
全く起電しないわけではないのですが
起電量があまりに足りず
とてもオートを制御できるほどではありません。
セレンに関しては普通に起電する中古良品と交換で対応します。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日はこれといって
ピンとくる記念日がない日ですねぇ…
「北斗の拳の日」だったりしますが
私、コミックもアニメも
ほとんど見たことないんですよねぇ…
結構世代にはあたるのですが…
そういえば記念日ではないですが
今日は「13日の金曜日」ですね。
年に数回はあるとおもいますが
昔は「おい!今日は13日の金曜日だぞ!」って
ネタにしていたものですがもう最近はそんなこともないですね。
英語圏の多くの国とドイツ・フランス等で
不吉とされる日ですが、日本では何といっても
同名のホラー映画の影響ですね。
10作目の「13日の金曜日」が公開されてもう20年以上経つので
もう知らない方も多いでしょうね…
私も1984年の「完結編」くらいまでは見たかなー
当時は洋画のホラー映画はいろいろあって結構好きで見ていました。
でもどれもこれも割とワンパターンで(笑)飽きちゃうんですよね。
比較的近年には「リング」をきっかけにして
ジャパンホラーにハマりましたがこちらのほうが
リアリティが妙にあってよかったかな…
「呪怨」シリーズが好きでDVDもオリジナルビデオ版もDVDで持ってました。
もう最近はトンとこの類のものは観ないですし
それ以前に映画やアニメを全く見なくなりました(苦笑)
コミックは相変わらず大好きでよく見るのですが…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
一昨日も「AE-1」でしたね。
最近、妙にAE-1の修理多いのですよ。
今取り掛かっているのは
だいたい3ヶ月ほど前に受けたものですが
今現在、依頼や問い合わせを受けているモノにも
「AE-1」が多いです。
なんか「AE-1」ブームが来ているのですかね…
そんなことはないか…(笑
マニア受けするようなカメラではありませんが
「AE-1」は非常に良くできた使いやすいカメラですし
AEカメラを語る上で決して避けることはできない重要なモデルです。
一昨日のブログにも書きましたが
歴代一眼レフの大きなターニングポイントともなったカメラです。

お預かりしている「AE-1」はシャッター等は
一通り動作していますが
「AE-1」だけでなく「キヤノンAシリーズ」定番の
「シャッター鳴き」の症状が出ています。
いつも書きますが通称「シャッター鳴き」とはいいますが
Aシリーズの異音の原因はシャッター駆動部の異音ではなく
ミラー駆動部の異音です。
オート制御の関連もあり「Aシリーズ」のミラーボックス周りは
かなり複雑に機械が入り組んでいて
ミラー駆動部自体もそれなりに複雑です。
その中にギアが組み合わさって駆動を伝達する部分があるのですが
そこの油切れが原因で異音が発生します。
異音が出るということは当然ながら動きも悪くスムーズでではありません。
「シャッター鳴き」を起こしいるカメラの多くは
見た目にもわかるほどミラーの動きが緩慢だったりします。
そしてこの症状が進むとミラーが動かなくなり
ミラーが動かないということはシャッターも切れなくなります。

ミラー駆動部で油切れが出るということは
シャッターもそれなりに動作不良なことが多いです。
今回もシャッター自体は動作はしていますが
やはり古い油脂や汚れによる精度不良は抱えています。
そしてSS湯銭オート時の絞り制御レバーも動きが重く
実際のオート制御も不安定です。
このあたりは「シャッター鳴き」と並んで定番です。
もちろんマグネット周りも清掃整備が必要です。
こうしてみると「AE-1」のトラブルの多くは
電子制御部分ではなく機械駆動部にまつわる部分がほとんどです。
電子回路内でトラブルがある場合は
修理不可能な場合ももちろんありますが
「AE-1」の場合、それはかなり稀なケースです。
以外にも丈夫でしっかりできたカメラなのです。

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