オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「宇宙の日」だそうですよ。
1992年に世界中が協力して
宇宙や地球環境について考えようという
「国際宇宙年」ということがあり
これをきっかけに記念日が制定され
日付は一般公募で決められたのだそうです。
その結果、宇宙飛行士・毛利衛さんが
日本人として初めてアメリカ航空宇宙局の
スペースシャトル・エンデバーに搭乗し
宇宙へ飛び立ったこの日が選ばれたのだそうです。
小学校高学年くらいの時に
天体観測にやたらとハマった時期があって
家にあった6cm屈折望遠鏡を毎晩のように
家の前に出して惑星やいろんな星雲星団を探してみてました。
雑誌とかでみるような大望遠鏡で撮った写真のようには
なかなか見えないのですがそれでも楽しかったですねぇ
なんなら望遠鏡がなくっても
肉眼で星座をたどっているだけでも楽しかったです。
どこまでも広がる宇宙はいろいろと想像を超える世界で
現代でもわからないことだらけですが
誰でも夜空を見上げればその一端を見ることができる
身近な存在でもあるのですよね。
最近、なかなかキレイな夜空を見上げることもありませんが
もう少し季節が進んでくると
空気が澄む時期にもなりますし
たまにはゆっくりと星座をたどってみたいものです。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月必ず数台は修理依頼のある
当店では最も扱う事の多いカメラです。
といってもほんの少しばかりヒサビサですね。
軽量コンパクトなマニュアル一眼レフといえば
真っ先に思い浮かばれるカメラだと思います。
発売開始は1972年です。当初は「M-1」のモデル名でスタートしました。
後に電子制御が発達してくると
軽量コンパクトな一眼レフはもっと増えてくるのですが
この時代にこの大きさと軽さは他に全くなく
マニュアル機械制御ととなると
後のカメラも含めてもライバルはほとんどいません。
この時代の同時期の一眼レフというと
ニコマートFT2やキヤノンFTb、ミノルタSR-Tスーパーとかですから
比べるとOM-1の小ささ軽さが際立つと思います。
その上に作動音も静かで非常に上品な印象です。
巻上等の操作感も何とも言えない心地よさがあり
現在でも人気なのは充分にわかる気がします。

お預かりしている「OM-1」は一通りは動作しているものの
シャッター等の駆動部に少々動作不良が見られる状態です。
前後の幕速バランスが少々崩れているため
高速シャッター域での精度が出ていない状態です。
スローシャッターはスローガバナの粘りが出ていて
1秒や1/2秒だと今にも開いたままで止まりそうな動きをしています。
トラブルの多い電池室や
その周辺の配線には大きな問題はないのですが
SW周りに接触不良もあるようで指針が少々不安定です。
撮影に致命的なトラブルまではないですが
全体的にかなりくたびれていて
全体的な整備でリフレッシュが必要な状態です。

まだ現状の動きを確認している段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
心配されるプリズム腐食は今回はありません。
ずいぶん昔のことかと思われますが
以前に対策が打ってあるようです。
「OM-1」は当時の他メーカーができなかった
小型軽量を思い求めたため
他の機種では見られない独特の構造や工夫が
数多く見られます。
画像にも写っていますが底部に配置された
SS調速機構なんかもそうですね。
それゆえに繊細な部分も多く
修理整備はそれなりに
中身がわかっていないと難しい部分もあります。
見慣れた景色ではありますが
今日も慎重に整備に取り掛かっていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうですよ。
1900(明治33)年のこの日に
日本初の自動公衆電話が
東京の新橋駅と上野駅の駅構内に設置されたことに由来しています。
124年前ですか…結構古くからあるのですね。
当時は「自動電話」と呼ばれていて
交換手を呼び出してからお金を入れて
相手に繋いでもらうものだったそうです。
1925(大正14)年にダイヤル式で
交換手を必要としない電話が登場してから
「公衆電話」と呼ばれるようになったそうです。
電話ボックスもみなくなりましたし
喫茶店やお店の片隅に公衆電話がおいてあるのなんて
もっと見なくなりましたね。
昔は今でもある緑電話はもちろん
赤電話・黄色電話・ピンク電話・薄い青の電話等々
色んな種類の公衆電話をあちこちでみかけました。
色によって種類が違うのですが
それを話し始めるとキリがないのそれは省略します。
携帯電話なんてもちろんない時代に
家の電話で話しにくい電話は10円玉と100円玉握りしめて
夜になると電話ボックスに行ってましたねぇ(笑
話したい本人が出られない可能性もあるので
最初は10円玉でかけて長くなってもオッケーだったら
100円玉を投入してました(100円はおつりが出ない)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
「AE-1」の修理依頼も比較的多いですね。
1976年登場の「キヤノンAシリーズ」の最初のカメラです。
まさに「本格的AE時代」の幕開けとなった1台かと思います。
シャッター速度優先オート露出を搭載し
それがセールスポイントとなりますが
その機能自体はそれほど目新しいものではありません。
ただし「AE-1」はオート露出制御やシャッタースピード制御の
電子化を一気に進め世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラでした。
その恩恵で従来機種より約300点の部品削減を実現し
生産の効率化によるコストダウンを成功させました。
「AE-1」の登場が引き金となり
カメラの電子化、露出の自動制御化、そして低価格化が一気に進みます。
やがてこの波に乗りきれなかった中堅メーカーや小メーカーが
いくつも個人向けカメラ生産開発から撤退することにもなりました。
そう考えるとやはり「AE-1」は
時代のターニングポイントとなったカメラだと思います。

お預かりしている「AE-1」はまずシャッターが切れません。
完全電子制御シャッターなので電池を入れないと
当然シャッターは切れませんが
新しい電池を入れても全く切れません。
電源が全く入らないわけではなく
レリーズボタンを半押しすると
元気よく露出計の針は跳ね上がるので
電源が入らないわけではありません。
まずは現状確認のためいろいろ試していると
たまにシャッターが切れることがあるようです。
…となるとシャッター制御に電源がいかないわけでもなさそうです。
おそらく汚れ等によるマグネットの吸着不良かと思われます。
正確に言うとくっついたまま離れないのでしょう…
たまにシャッターが切れたときに「Aシリーズ」ではお馴染みの
激しいシャッター鳴きもしていました。
いずれにしてもマグネットや各接点の清掃と
機械的駆動部の清掃整備が必要です。
それを行った上での調整も必要です。

電子制御カメラで分解にはそれなりに手間はかかりますが
この類のカメラとしては整備性は良好です。
フレキ搭載機としては古めの機種でもあり
まだ配線も多くアナログな部分も残っていて
シャッタースピードダイヤルからの伝達は糸連動もあります。
ややこしい部分も多いですが
非常によくできたカメラだと思います。
比較的依頼も多いせいもあって中身はかなり見慣れた風景です。
これから本格的に一通りの整備を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「休養の日」だそうですよ。
「休(9)養(8)」と読む語呂合わせからだそうです。
ちょうど日曜日ですしタイミングピッタリですね。
私も含め日曜日関係ない方は他の日で…(笑
積極的休養は通常の日の活動効率を上げるためにも
必須項目ですねぇ…
私の主観ですが若い時の休養は
どちらかといえばメンタルな部分が大きくて
休みのこそフル回転して遊んで日頃のストレスを
発散する!という感じでした。
今は…というと多少の気分転換はもちろん必要ですが
単純に身体を休めたい…というほうが大きいですねぇ(苦笑)
特にここ数年は休日云々に関係なく
睡眠不足がダイレクトに身体に響くようで
ついつい多少の夜更かしが数日続くと
日中のパフォ-マンスに明らかな悪影響が出ます。
まぁ要はもう若くはない…ということですね(笑
年々無理は効かなくなってきていることは実感してるので
上手く休養も取りながら
効率よく活動できるようにしたいですね!

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
いわずとしれた「伝説の一眼レフ」ですね。
発売は1959年でニコン初の一眼レフカメラです。
まだ一眼レフ機は黎明期でしたが
「F」は完全絞り自動機構を搭載し
豊富なニッコールレンズ群、加えてあらゆる撮影に対応する
アクセサリー群も豊富に用意され
システムカメラとしても時代の最先端を行くカメラとなりました。
そのあたりは後発のカメラも次々と見習っていく部分ではありますが
何といってもその強靭な部品とその精度が一番の魅力かとも思います。
構成するすべての部品は明らかにオーバークオリティのモノが多く
そのおかげもあり登場から65年が経過する現在でも
スムーズに動くように手入れさえ怠らなければ
機械的な部分は特に
現在でも当時と変わらない精度でキチンと動作します。
同じような年代あるいは「F」よりも後発のカメラを
数多く扱いますがその多くが
状態によっては修理や整備をしても
根本的に経年劣化で部品の強度が足りなくなり
修理不能になるカメラがあることを考えると
「F」の根本的な堅牢さがよくわかります。
もちろん根本的にショック品だったり
通常ではありえないあまりに無理な力をかけられたり
水没品だったりすれば修理不能なものもします。
フォトミックファインダー等の主要アクセサリーの中にも
修理不能なものはたくさん存在しますが
メインのボディがちゃんと生きているものが多いのは
やはり「F」がそれだけすごいカメラなのだと実感します。

お預かりしてる「F」は
まず装着されている50mmレンズが外れません。
レンズ脱着ボタンが汚れや古い油脂等の影響で
完全に固着してしまっているようです。
いくら押してもビクとも動きません。
これはとにかく時間をかけて
ゆっくりと緩めていくしかないので
(無茶すると壊れる可能性が高いです)
確認できる他の部分をチェックしておきます。
全体的に動きが渋い部分が多く
高速シャッターの精度はやはり出ていません。
そしてスローガバナーとリンクする制御棒が
これまた固着してしまっているようで
1/30以上のスローシャッターはまったくガバナが効かず
全て1/60で切れてしまっています。
いずれのトラブルも機械的な動作不良なので
しっかり部品の洗浄清掃調整を行えば
全く問題なく使える状態になると思います。

時間とそれなりの手間はかかりましたが
レンズは無事に外すことができました。
既に脱着ボタンはスムーズに動くようになっています。
これからシャッター、巻上機構等々の
整備調整を入念に行っていきます。

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キヤノンFXのカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
初めてCMソングを使ったラジオCMが中部日本放送(CBC)
新日本放送(NJB)でオンエアされたことに由来しています。
小西六写真工業株式会社(現:コニカミノルタ株式会社)の
「さくらフイルム」のCMでしたが
歌の中に社名・商品名は入っていませんでした。
このCMのために作られた
あえて会社名や製品名を出さない
日本で初めてのCMソング「ボクはアマチュアカメラマン」ですね。
毎年この日にこの記念日の話を取り上げるから
確認もあって年に1回はこの曲を聴くんですよね(笑
5番まであるのですがたまに聴くと本当に面白いです。
何番の歌詞もアリがちな撮影の失敗ですが
どれも本当に起こったら結構真っ青です(笑
youtubeとかでフルコーラス聴けるので興味のある方は
探してみてください。
CMソングと言えばまだ私が多感だった80年代
カネボウや資生堂といった化粧品メーカーの
季節のCMキャンペーンソングに
ヒット曲や名曲が多かったですねぇ
ザッと思い出すだけでも結構浮かびます。

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
「キヤノンFシリーズ」の1号機でもあり
「キヤノンFLマウント」を初採用したカメラでもありますね。
シャッターや巻上、ミラー駆動等の機械的構造は
この後に出る「Fシリーズ」のカメラは基本的にこの「FX」が
ベースになっています。
「Fシリーズ」共通のあの歯切れの良い独特なシャッター音は
この「FX」から始まったわけですね。
後のTTL測光及び開放測光に対応するために
シャッターに連動して瞬時に絞り込み
即開放に復帰する「自動絞り機能」を持っていますが
「FX」に搭載される露出計はまだ外部測光のものとなります。
上カバー巻き戻し側の肩に受光部を配置し
その受光部の窓を切り替えることにより
高輝度域と低輝度域の2段階に切り替え可能となっています。
そして上カバー上にシャッタスピードダイヤル連動の
指針窓を配置しそこで絞り値を読み取って
手動でレンズ側の絞りをセットします。
使用電池はこの時代なので本来は水源電池です。

お預かりしている「FX」はまず巻上ができません。
シャッターも切れません。
シャッターが切れないのか巻上ができないのかで
トラブルの原因は変わってきますが
幕の位置から判断してどうやら巻上がロックされて
できない状態のようです。
応急処置的に強制で巻き上げてシャッターを切ってみると
シャッターもかなり動きが悪く
「Fシリーズ」で調子が悪い個体特有の
ギャインといった異音混じりのシャッター音が確認できました。
巻上が普通にできるようになっても
シャッターの精度はまともに出ていないと思われます。
心配されるプリズム腐食は今回の「FX」は
珍しく軽微な状態でできる限りの清掃で
撮影に支障がないファインダーに復帰できそうです。

まだ現状確認を行っただけの状態です。
巻上ロックの原因はやはり積年の汚れや古い油脂類による
ロック機構の動作不良によるものです。
これから分解整備を行い機械起動部は徹底的に
洗浄清掃注油を行います。
トラブルの多い電池室は電池はキチンと抜いて
保管してあったようで電池室内の端子や
裏のハンダ・配線にダメージはないようです。
SW部はさすがに経年劣化もありますので
ここもしっかり磨いて導通を確認した上で
調整を行っていきます。

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コニカC35のカメラ修理

今日は語呂合わせで
わかりやすく「黒の日」ですね。
単に「黒」だけでなく
「黒」に関連した様々なものの
記念日が制定されています。
「黒豆の日」「黒牛・黒豚の日」「黒酢の日」
「黒い真珠・三次ピオーネの日」
「黒あめの日」「カラスの日」
「松崎しげるの日」(笑)等々…
カメラでも黒は定番色で人気色ですが
他にもクルマ・バイク・服・靴・鞄・インテリア
何でも「黒」って定番色ですよね。
黒に限らず無彩色(モノトーン)は
いろいろ合わせやすくて使い勝手が良いですが
その中でも「黒」は凝縮感や高級感があって
ひときわ際立つ存在だと思います。
私も何か色が選べる場合、黒を選ぶことが多いですが
あまりにもそればかりだと面白くないので
わざと彩りのある色を選ぶことも多いのですが
ワンポイントならまだしも
やはり何にでも合って使いまわしの良いのは
やはり黒を含むモノトーンですねぇ…
まぁ冒険して派手な色を選んでは失敗することも多いです(苦笑)

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「じゃーに~コニカ」ですね。
旅行にでもどこにでも気軽に持っていけて
誰にでも簡単に撮影できることから
つけられた愛称です。
レンズ一体型のコンパクトカメラはこの前からありましたが
やはりどれもまだ大きく重いモノが多く
加えてマニュアル操作で
ある程度のスキルが必要なものが多かった時代です。
C35はその軽量コンパクトさもさることながら
露出をプログラムオート専用として
カメラ操作に慣れていない方でも簡単に撮影でき
大ヒット商品となりました。
「C35」登場以降のレンズ一体型のカメラは
この影響を大きく受けて一気に小型化に進みました。
操作もオート露出を搭載したものが数多く登場します。

C35は基本的に最初のモデルをベースとして
何度かマイナーチェンジや
派生モデル追加が繰り返されているのですが
今回の「C35」は「C35フラッシュマチック」で
フラッシュマチック機構を搭載したモデルです。
とはいえこの時代はフラッシュはないではありませんし
フラッシュをシューに取り付けて使わなければ
通常のC35と大きな違いはありません。
お預かりしてる「C35」は
定番の羽根粘りもなくシャッターは
スムーズに動作しているのですが
露出計が作動していません。
露出計連動のプログラムオート露出専用機なので
露出計が生きていないと
常に開放・1/30でシャッターは切れてしまいます。
(オート設定時)
それではまともにいくらネガ使用だったとしても
写るシチュエーションはかなり限られてしまいます

露出計不動のトラブルは電池室の問題が多いのですが
今回の「C35」は電池室は非常にキレイです。
モルトやシャッターの状態、配線等を見ても
どのタイミングかはわかりませんが
それほど遠くない過去に手を入れらている形跡があるようです。
そのときはおそらくよかったのだと思われますが
どうやら配線が一部ショートしてしまっているようです。
C35はやはりコンパクトでスペースは限られているので
ちょっとしたことで配線・接点が
ショートしやすい部分が何か所かあるのですね。
それなりの対策をしたうえで各部の整備も行いながら
修理調整を行っていきます。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は9月4日で
わかりやすく語呂合わせで
「くし(櫛)の日」「串の日」
「くじらの日」なんて記念日が制定されています。
くじらといえば…私がまだ幼い頃に
じいさんが「おばいけ」が好きで
食卓に良く出てきてました。
お隣の県が山口なのでくじら関係は昔は多かったが気がします。
独特のこりこりした食感はさすがにまだ幼い私には
無理でしたが今食べると美味しく感じるのでしょうねぇ…
大人になってからは口にする機会がないですね。
当時、食べたいとは思わなかったですが
「あーおばけじゃ!おばけじゃ!」って
おばいけをみて喜んでたのは覚えてますねぇ…懐かしい
そういえば当時はくじらの竜田揚げなんかも
小学校の給食によく出てきてましたね!
こちらは文句なしに美味しかった記憶です。
でもやったら真っ黒で見た目は良くなかった覚えが…

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行なっています。
1973年発売のカメラです。
大ヒット作の「SR-T101」からヴァージョンアップされたカメラです。
ファインダー周りの変更が主で
スクリーンはスプリット/マイクロプリズム式となり
ファインダー内でレンズ絞りが直読式で読み取れるようになりました。
SSは元々ファインダー内表示があったので
より使い勝手が良くなりました。
絞り値をレンズ側から読み取れる窓を追加したせいもあり
ペンタ部のデザインも変更されています。
そしてアクセサリーシューにはX接点が追加されホットシューとなりました。
基本的なシャッター・露出計等のスペックは従来のSR-T101と同様です。
「SR-Tスーパー」登場後もSR-T101も併売され
後のSRシリーズ最終機種「SR505/101」へと引き継がれていきます。

SR-Tシリーズはかなり丈夫なカメラで
ショック品や水没品でない限り
シャッターが完全に切れなくなることは少ないカメラです。
とはいえ、さすがに50年以上経過するカメラなので
それらは「かろうじて動いているだけ」で
本来の動きでないことがほとんどです。
今回、お預かり「SR-Tスーパー」もシャッターは一通り切れていますが
精度は全く出ていません。
加えて頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
シャッターの動きが悪いせいでミラーダウンへの動作が
うまく繋がらないようです。
水源電池を使うこともあり露出計や電池室周りに
トラブルが多いカメラでもありますが
こちらも電池はキチンと抜いてあったようで
露出計もとりあえずは動作しています。
ただし不安定な上にこちらも精度は出ていません。

まだ現状確認が済んだばかりですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
機械的な動作部は洗浄注油調整
露出計関係の電気関連は接点の清掃、一部配線交換等を行います。
加えてSR-T系はハンダが劣化している場合が比較的多いので
そのあたりにも注意します。
SR-T101以降SRシリーズはどれも内部構造は大差ありません。
連動糸が少々多くすこしばかり手間もありますが
基本的には非常に整備性の良いカメラです。

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コニカⅡAのカメラ修理

今日は「宝くじの日」だそうですよ。
シンプルに「く(9)じ(2)」と読む語呂合わせからだそうです。
宝くじ…実は勝ったことないのですよね…
何だかもったいないような気がして…
当選金額がすごいのはわかっていますが
そもそも当たるわけがない…というほうが先にきちゃって…(苦笑)
宝くじからは少し逸れますが
私、実はギャンブルっぽいモノは
ほとんどしたことがいないのです…
パチンコにしたって競馬にしたって…
会社員時代に仕事場によってはまわりが
パチンコや競馬の話題ばかりでついていけないことも多かったですねぇ
ライフスタイル自体が不安定な要素を
普通の人よりはらんでいるせいか
娯楽でギャンブルをする気にはならないですね
まぁ余裕がないだけですかね(笑
ところでサマージャンボの1等当選金額って
今や前後賞合わせて7億円なんですねぇ…すごいなぁ…
確か平成になったばかりの頃に1億円になって
「おおーついに大台かー」なんて思っていたのですが…(笑

さてさて

本日は「コニカⅡA」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラです。
ベースとなるコニカⅡは1951年発売で
「ⅡA」ではシンクロソケットがドイツ式になり
レンズが50mmF3.5からヘキサノン48mmF2に変更されました。
特徴の一つであったダブルヘリコイドによるレンズ格納
(ほんのわずかですが)は省略されています。
二重露出防止装置搭載は同様で
シャッターも同じくコニラピッドSです。
SSはB・1s~1/500をカバーします。
1/500は専用に用意されているバネの補助を借りるため
1/500設定時にチャージはかなり重くなります。
チャージをしてから1/500に入れることは困難ですし
無駄な負荷がかかるので1/500使用時には
先に1/500にセットしてからチャージを行います。

お預かりしている「ⅡA」はシャッターは切れてはいるものの
やはり若干の粘りがあるようです。
時間置いてから一発目の動作では目視でもわかるほど
羽根の動きが緩慢です。
羽根の粘りの原因はお約束の油滲みですが
それが絞り羽根にも回っていて
おそらく粘った状態で動かしてしまったせいだと思われますが
絞り羽根が1枚外れてしまっているようです。
絞りの形状が明らかにおかしいことになっています。
そしてファインダー距離計二重像も大きくズレています。
それらの対処も含めた整備一式を行っていきます。

まずこれからシャッターユニットの分解を進めて
絞り羽根・シャッター羽根の洗浄組みなおしを行います。
あとでわかったのですがチャージリングの
動きもかなり悪いのでそのあたりも含めて
シャッターユニット内各部の動作を確認していきます。
そちらが完了してから巻上や距離計の清掃整備調整を行います。

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ペンタックスMGのカメラ修理

今日は「大腸がん検診の日」だそうですよ。
日本対がん協会が提唱する「がん征圧月間」が9月であり
その初日である9月1日を記念日としたものだそうです。
50歳過ぎるといろいろと検査は小まめにしたほうがよいですよねぇ
私も年1回は人間ドックを受けますし
毎年ではないですが内視鏡検査もやりました。
検査そのものもですが前準備も含めて
なかなかしんどいのですよねぇ…(苦笑)
とはいえ50年生きていると個人差はあるとはいえ
基本的に身体本来の耐用年数は過ぎてしまっていると思われます
しっかり生きていくのであれば
なかなか使いっぱなしでそのまま…というわけにはいきません…
こればかりはしかたないですね。
しかしここ5年くらいで大病を患ったこともありますが
いろいろと一気に衰えました。
少し前に比較的身体が自由に動いていたときが懐かしいですね(笑
それでも現実は受け入れて
いろいろとできることからやって
あとどのくらいかわかりませんが
それなりに楽しんでいきましょうーーーー

さてさて

本日は「ペンタックスMG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
絞り優先オート露出専用機であり
同じようなスペックのカメラが各メーカーから出ている
激戦区のエントリークラスのカメラです。
ペンタックスMシリーズとしては最後発のカメラとなります。
このクラスのペンタックスのカメラとしては
「MV1」が存在していてその後継機でもあります。
「MV1」も同様に絞り優先オート機ではありますが
かなりシンプルなカメラでした。
特にファインダー表示は3色のLEDのみで露出情報を
表していましたが「MG」では「ME」同様に
具体的なシャッタースピード情報をLEDで表示します。
内部機構としては制御系はかなり洗練されていますが
機械的なベースは「Mシリーズ」共通である「ME」です。
ということで「Mシリーズ」全般で多発する
ミラー駆動部のブッシュ溶解による
「ミラーアップしたまま固着する」あるいは
「ミラーチャージができず巻き上げが完了しない」等の
定番のトラブルがお約束です。
お預かりしている「MG」もミラーアップしたまま
固着した状態で当店にやってきました。

この「ミラーアップしたまま固着」でやってきた場合、
まずはこのトラブルを解消しないと
他の機能(特に露出計・オート・SS制御)が
正常なのかどうなのかが確認できないのが困ったものです。
ME系はよほど基盤にまで腐食等がない限り
電気的なトラブルは少ないほうではありますが
ミラーアップは直ったけど電子回路等の理由で
修理不可能…なんて可能性もあり
なかなか油断ならない状況なのです。

結論から言うと今回は電気的な部分では
大きなトラブルもなく
通常のマグネット清掃や接点の清掃で
露出計制御やSS制御も安定して動作させることができました。
ちなみに上画像の左下に転がっている小さな部品が
溶解とまではいってはいませんでしたが
劣化で粘着質になり動作を妨げる
ゴムブッシュです。
もちろん代用品と交換を行います。
ちなみに「ME」ではメインの基盤と各接点の間に
ソケット式の基盤がミラーボックス側面に配置されていて
整備性としては非常に助かるのですが
「MG」ではそれがコストのせいか省略されているので
分解の際に扱う配線がそれなりに多くなかなか手間がかかります。
…とはいってもこの類のカメラとしては
やはり「Mシリーズ」は整備性は良好です。
ただしいつも書きますがいたるところを
内部モルトで隙間を埋めるような構造になっているので
そのあたりも注意が必要です。

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キヤノンEXEEのカメラ修理

今日は「富士山測候所記念日」だそうですよ。
1895(明治28)年のこの日に
富士山頂剣ヶ峯に野中測候所が開設したことに由来しています。
この測候所は大日本気象学会の野中至が私財を投じて建設したもので
木造6坪の観測所だったそうです。
観測を始めたのは10月からで1923(大正12)年に開設された
気象庁の富士山測候所の前身となりました。
富士山測候所は自動観測技術が進歩したために1999(平成11)年に
レーダー観測が廃止され2004(平成16)年10月1日に
最後の常駐職員が下山し現在は無人施設となっています。
山頂の一番高いところにある測候所ですねぇ
最後の急登が砂地でザラザラ滑りやすくって大変だった記憶が…
今夏も富士山登山がいろいろ話題になっていますが
道は整備されていますし山小屋は多いし
非常に整備されていますが3000m超えですからね。
天候も気温も非常に変わりやすいですし
夏とはいえあらゆることを想定して登らなくちゃいけませんよね…
私は一度だけでもう充分かな…もうそれ以前に身体が無理ですが…(苦笑)
もしまだ登れるとしたら富士よりも
他の日本アルプスあたりの山々のほうが
満足度が断然高いと思います。

さてさて

本日は「キヤノンEXEE」のカメラ修理を行っています。
「FTb」等の「Fシリーズ」の技術を応用して
交換レンズを前玉交換式とし
基本的にシャッタスピード優先オート露出で
撮ることを前提としたエントリークラスのカメラです。
この時代はまだ明らかなエントリークラスの
一眼レフというのは少なかった時代です。
エントリークラスの一眼レフがコストも下がって
お求めやすくなり盛り上がったのはこれよりさらに10年後の
1980年前後ですね。電子制御が進化して
カメラの小型化も進み絞り優先オート露出専用機が
各社から出揃った頃です。
電子制御機がこの頃よりも安価に技術革新されていくのは
「AE-1」登場後ですから「EX」の時代は
まだまだ一眼レフと言えば中級機以上のモノがほとんどでした。
「EXシリーズ」は後玉はボディに固定とし
前玉だけを交換できるように作られています。
交換レンズは当初35mm・50mm・90mmが用意され
ボディ側が「EXオート」にモデルチェンジした際に
125mmが追加されました。
いわゆるコンバージョンレンズに近いモノがありますね。
マニュアル露出も可能ですが
絞りは巻き戻しクランク軸上のSW部で設定します。
このマニュアル絞り設定もちょっと変わっていて
露出計の指針を強制的に動かすことによって
オート時に使用する指針挟み込み機構を使って
絞りを制御します。よってマニュアル時には
露出計の指針は露出計の値としてではなく
設定された絞りの値を示します。
ファインダーも変わっていて
マット面を持たない空中像式となっています。
そのためファインダーは素通しに近く非常に明るいですが
ピント合わせは中央部のマイクロプリズム部でのみ行えます。
レンジファインダーのピント合わせに近いモノがありますね。

お預かりしている「EXEE」はかなり長い間
しまい込まれたまま眠っていたモノと思われます。
シャッター駆動部や巻上機構は「Fシリーズ」と同様の構造です。
つまり動きが悪くなると同じように
明らかにシャッター音に異音が混じってきます。
今回の「EX」も濁ったような高周波の異音が混じっていて
あまり気持ちのよいシャッター音とはなっていません。
それも切るたびにその音が微妙に異なります。
当然ながら幕軸の動きは悪く
シャッタスピードを測定すると基本的に全く精度は出ていませんが
加えて切るたびに値が大きく変化します。
非常に不安定な状態です。
そして電池室には液漏れ跡こそないものの
電池からのガスが原因とみられる緑青が残っています。
マイナス側端子はその緑青や腐食のため全く導通しません。
もちろん露出計は動きません。
加えてレンズ・ファインダーには盛大にカビが発生しています。

電池室の緑青がこの画像でもしっかり写っていますね。
緑青は簡単に落とすことができますが
その下も錆びてしまっているので一通りの対策をし
安定して通電するように処置していきます。
機械的な動作部は入念な清掃・洗浄と最小限の注油で
本来の動きを取り戻させます。
この「EX」にしても他の「Fシリーズ」にしても
本来の動きであればシャッター音は乾いた感じの
アタックの強い非常に歯切れの良い作動音がします。
整備前と整備後で明らかに音が変わるので
変化がわかりやすいですね。

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キヤノンFPのカメラ修理

今日は「テレビCMの日」だそうですよ。
1953(昭和28)年のこの日に開始された
民放の日本テレビで日本初の
テレビCMが放送されたことの由来して言います。
初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店(現:セイコーホールディングス株式会社)の時報だったそうです。
カメラでもレンズシャッターユニットで
お馴染みの精工舎ですね。
このCMは本来、30秒スポットでしたが
フィルムが裏返しになっている上に音も不明瞭だったそうです。
そのため正午に放送された初CMは
わずか3秒で中止されるというハプニングがあり
同日夜7時に第2号CMとして改めて放送されたそうです。
なんともほのぼのする懐かしい感じのCMです。
私の生まれる16年ほど前なのですよね…
意外と最近だな…と思ってしまいます。

さてさて

本日は「キヤノンFP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
「キヤノンFシリーズ」の一号機は外光式露出計を搭載する
「FX」ですが「FX」から露出計を省略したモデルが
「FP」となります。
本来装備される内蔵露出計を省略したものだから
単なる下位モデルかというとそうではなくて
この時代にはまだ露出計は単体露出計が主流で
露出計内臓カメラはまだ出始めの頃です。
そしてはハイアマチュアやプロの間では
「カメラ内蔵の露出計はまだ信用できない」とか
「余計なものが入っているとトラブルの元となる」という意見も根強く
あえて露出計が内蔵していないカメラが好まれる傾向もあったそうです。
確かに「FX」だとTTLではなく外光式だし
当然ながらマニュアル露出機ということもあり
単体露出計を使っても操作性や便利さにさほど差はないのですよね。
そういう背景もあって「FX」に追加された
「露出計非搭載モデル」が「FP」です。
他メーカーにも似たような立ち位置の露出計レスモデルは存在し
露出計搭載が当然の装備と思われるまではまだ少し時間がかかりました。

お預かりしている「FP」はシャッターは一通りは切れているのですが
その動きがかなり不安定です。
最近のブログでキヤノン機のシャッター音やミラー駆動音の話もありましたが
この「FP」もシャッター駆動部からと思われる
「ギャイン」という異音が少々しています。
それもその音がシャッターを切るたびに明らかに異なっています。
そんな感じなので測定機でシャッタスピードを測ってみると
シャッターを切るたびに無視できないレベルで
露出量が大きく変わります。
先幕・後幕の幕速バランスも崩れているので
写真両端に明らかな露光差も出るような状態です。
長い間使われずにしまい込まれていたこともありますが
何十年と未整備の状態なので
機械的駆動部のあちこちに汚れや油切れを原因とする
動作不良が起きていると思われます。
シャッター駆動部はもちろん巻上機構やミラー駆動部も含めて
一通りの整備が必要な状態です。

取り掛かり始めの画像ですが
プリズム抑えにコルクが使われているのが写っています。
後のFTやFTbになるとプリズム抑えにモルトが使われるようになり
それ由来のプリズム腐食が非常に多いのですが
FXやFPではモルト由来のプリズム腐食はありません。
ただし今度はこの頃のプリズム蒸着は
頭頂部の蒸着から経年劣化で剥がれくるものが
非常に多くFXやFPで腐食がないプリズムも非常に少ないです。
今回の「FP」も若干蒸着の劣化が起きていて
ファインダー内をよく見ると中央にうっすら縦線が見えていますが
撮影に影響あるレベルではありません。
これでも状態としてはかなり良い部類だと思います。
プリズムは今回は清掃のみで対処いたします。
加えて装着されていたFL50mmF1.8レンズは
絞り羽根が完全に固着していて絞っても羽根が全く出てきません。
ボディ側の整備を一通り行った後に
こちらも対処していきます。

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