ニッカ3-Fのカメラ修理

今日は「ジェットコースターの日」だそうですよ。
1955(昭和30)年のこの日に
日本初の本格的な「ジェットコースター」が設置された
「後楽園ゆうえんち」(現:東京ドームシティアトラクションズ)が
開園したことに由来しています。
ジェットコースターに関する思い出と言えば…
私の育った呉市の野呂山というところに
昔は小さな遊園地があって
100mの大型滑り台やゴーカートなんかがあって
そんな中に今考えると何でもないチャチな
ジェットコースターがあったのですね
それが当時、(小学校入学前)大の苦手で
ギャン泣きしている私をじいさんがおもしろがって
毎回引っ張って乗せるのですよ(笑
なんであんなに怖がっていたのか
今となってはよくわからないのですが…
それもあって小学校低学年くらいまでは
結構あの手の絶叫系マシンは苦手だったかも…
それが高校も出て自分でクルマも運転して
あちこち遊びに行くよになると
今度はジェットコースターはもちろん絶叫系マシンが大好物になって
いろんなテーマパークでいろんなものに乗りました。
いや、基本的には怖いのですが…怖いもの見たさで
結局何度でも乗る…みたいな…(笑
今?いやぁ今はもう無理だろうなぁ
そんなもの今更乗ったら
どっかの血管が詰まるか切れるかして死にそうです(汗)
絶対に乗りません(苦笑

さてさて

本日は「ニッカ3-F」のカメラ修理を行っています。
ニッポンカメラ…略してニッカです。
1940年代~50年代にかけて
いわゆるバルナックライカコピーのカメラを作っていたメーカーです。
戦時中はライカの入手が困難になったために
パテントを無視してコピーせよとの軍の命令で
造られたのが最初のニッポンカメラです。
その後、戦後も優れたバルナックコピーを製造し
50年代のニッカ3,4、5は現在でも非常に人気の高いカメラです。
残念ながら1958年にはヤシカの完全子会社となり
60年代半ばには完全に吸収合併されてしまいます。
今回の「3-F」はネーミングは「3」ですが
ベースは「5型」で「5型」から
SS1/1000と視度補正レバー、裏蓋開閉機構を省略したモデルです。
発売は1956年で前期モデルは巻上がノブ。
後期モデルは巻上がレバーに変更されています。

この類のカメラでまず心配されるのは
シャッター幕の状態です。
50年代のフォーカルプレーンシャッターはメーカーを問わず
そのままの状態だとまず間違いなく
幕の劣化が進んでおり、幕の硬化、破れ、穴が確認できます。
そうなっているともはや幕交換しか対処方法はありません。
ただ、今回の「3-F」は幕は全く劣化が見られず
硬化もなくしなやかな本来の状態を保っています。
おそらく過去に一度交換されているのではないかと思われますが
その交換も随分昔のことだとは思われます。
幕の状態は良いのですが整備自体はかなり以前のことと思われ
あちこちで動きが悪い部分が散見されます。
シャッターも全体的に動きが悪く精度は出ていませんが
特にスローシャッターはガバナが固着気味で
今にも止まりそうな感じで途切れ途切れで作動している感じです。
1秒になると完全に止まってしまい
シャッターが開きっぱなしになってしまいます…
…ん?1秒で開きっぱなしになるのはよくあるのですが
何だか様子がおかしいな…と思ってよくチェックしてみると
1秒は「T」(タイム)になってしまうようです。
SSの調速カムの設定がおかしなことになっているようです。
他、巻上の油切れやファインダーの汚れ
距離計二重像のズレ等もあり
幕交換は不要ですが全体的に整備の必要な状態です。

画像は一通り整備が終わった状態でのものです。
シャッタは高速からスローまで精度も含めて
全く問題ない状態で安定して作動しています。
小気味よいシャッター音が非常に気持ちよいです。
装着されているされているレンズは
ニッコールHC5cmF2でこちらも一通りの清掃を行いました。
当時ニッカにはニッコールレンズ(日本光学)が
組み合わされて販売されており
同様にバルナックコピーを製造していたニッカのライバルと言える
レオタックスは東京光学のトプコールを装着して販売されていました。
ここでも「海のニッコー、陸のトーコー」と言われていた
ライバル関係が再現していたわけですね。
このニッコールHC5cmF2は少々変わったレンズで
ダブルヘリコイドになっており0.9m(3.3ft)まで
距離計連動でピント合わせができ
さらに距離計非連動とはなりますが
0.46m(1.5ft)まで近接撮影ができるのです。
目測での近接撮影なんて非常に難しいとは思いますが…
いざというときに寄れるのは心強いですね。

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コニカパールⅢのカメラ修理

今日は「防犯カメラの日」だそうですよ。
日付は「な(7)くなれ犯(8)罪」と読む語呂合わせからだそうです。
今やいたるところで防犯カメラは設置されていますね。
幹線道路やコンビニ、大きなマンションのエントランスとかは
まぁ当たり前に設置されているでしょうが
そんなにそころらへんに普通にあるのかな…と思うことがあって
ウォーキング中に気にして周りを見ながら
歩いたことがあるのですが
意外といたるところにありますねぇ
全部が全部稼働しているカメラではないかもしれませんが
思った以上にあって驚いたというのが正直な感想です。
犯罪抑止力という意味では有効だと思いますし
もし何か事故等があったときでも
何があって事故が起きたかも
しっかり記録できていることはいいことでしょうね
そういった意味ではドライブレコーダーも同じようなものですねぇ
今やクルマもバイクもついていないと
何かあったときに不安…と思ってしまいすよねぇ
後ろから突っ込まれたりしたら
何が起こったかわからないうちに
事故に巻き込まれることもあるでしょうし…
過失がないことの証明にもなるでしょうし…
それもこれも映像記録カメラがコンパクトにできて
容量も確保できているからこそできることですね
やぱり技術の進歩はすごいですよねぇ

さてさて

本日は「コニカパールⅢ」のカメラ修理を行っています。
6×4.5判のいわゆるスプリングカメラです。
1940年代から1950年代にかけては
このタイプのカメラが多かった時代です。
パールシリーズは645判ですが
同様にブローニーフィルム使用で6x6判のカメラも
各メーカーからいろいろなものが発売されています。
パールシリーズは645判ということもあり
中判カメラとしては非常にコンパクトで
そのうえレンズをたたむとさらにコンパクトになり
持ち歩きに非常に便利なカメラです。
セミパールの名で戦前から始まったシリーズで
その後、パールⅠ、Ⅱ、Ⅲとモデルチェンジされていきます。
現在でも人気が高いのはセミオートマットとなり
自動巻き止めとなった「Ⅲ」かと思います。
1955年に発売されますが
「パールⅢ」にも搭載されるシャッターユニットの違い等で
いくつかの種類が存在します。
今回はシャッターに当時の最高級シャッターユニット
セイコーシャMXLを搭載する「パールⅢL」となります。
(1957年発売)
MXLなので露出設定はいわゆるライトバリュー式です。
慣れていないとシャッターや絞りの設定に
少々戸惑うかもしれません。

お預かりしている「パールⅢ」は
全体的には一通り動作してはいるのですが
距離計二重像にズレがあるようです。
加えてシャッター羽根や絞り羽根には
少々油滲みが見られます。
シャッターや絞りは目に見えて
粘っているわけではありませんが
粘り始めると特に絞り羽根は破損するリスクを
抱えてしまいますので
今回、しっかり分解して羽根を洗浄していきます。
もちろんその際にシャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、距離計調整、ファインダー清掃
一通りの整備を行っていきます。

レトロで質感高く、コンパクトで使いやすい
ヘキサーレンズの写りも秀逸…
人気がある要因はよくわかりますね。
画像は一通り整備が完了した状態です。
少し馴染むまで様子見をしている段階です。
この後で最終チェックを行い問題なければ完成となります。
今回は問題ないのですが
このタイプのカメラの問い合わせで
蛇腹の破れや穴の修復についての相談をたまにいただきます。
残念ながら当店では蛇腹の補修・交換は行っておりません。
一見大丈夫そうに見えても劣化等で
蛇腹がダメな場合が多いので
このタイプのカメラを預かるときは
まずそこを重点的に確認します。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は7月7日…言わずと知れた「七夕」であり
「小暑」でもありますねぇ
「梅雨明け」が近付き、夏らしい暑さが始まる頃なので
「小暑」とされるのですが
今年はとっくに梅雨明けしてしまいました。
でも今日もどんよりしていますが新暦の7月7日は
まだ梅雨真っただ中のことが多く
なかなか天の川も彦星織姫も見えないことが多いのですよねぇ
昔ながらの旧暦なら見える可能性も高いですし
気候的にも七夕らしいですよねぇ
七夕に関連する記念日も今日はたくさん制定されています。
「ゆかたの日」、「川の日」、「恋の日」、「ポニーテールの日」
「香りの日」…等々
そんな中に「七夕」とは関係なく「カルピスの日」が制定されています。
1919(大正8)年のこの日にカルピス株式会社の前身である
ラクトー株式会社が
日本初の乳酸菌飲料「カルピス」を発売したことが由来です。
100年以上経つのですねぇ~
そういえば最近カルピス飲んだ記憶ないですねぇ
子供の頃は必ず家の冷蔵庫にありましたねぇ…瓶のカルピス…
いろいろあって使われなくなりましたが
あの独特の「黒い人」のキャラクターが懐かしいですねぇ…
こっそりめちゃくちゃ濃いカルピス作っては
バレてばあさんに怒られたなぁ(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年に国内発売が開始されたニコン初のエントリー機です。
絞り優先AE専用機で外装もプラスチックを多用し
それまでのニコンらしくないといえばそうかもしれません。
国内市場ではこの「ニコンらしくない」という部分が
どうも受け入れられなかったようで
販売的には苦戦を強いられます。
ただしその前年から既に発売が始まっていた海外市場では
かなり好調なセールスだったようです。
ジウジアーロデザインの小粋なデザインと
使いやすさがかなり好評だったようです。
皮肉にもその良さが国内市場で理解されたのは
EMの生産完了後になってしまい
中古市場ではかなり人気のモデルになりました。
現在でもその人気は根強く
EMを今でも愛用されている方や中古で探している方も多いかと思います。

この時代、各メーカーが物品税の関係もあり
揃ってボディ本体4万円で発売していた
絞り優先AE専用機ですが
EMも含め、やはりエントリー機なので
耐久性はそれなりで発売から40年経過する現在では
使いっぱなしの個体をそのまま使うのは
なかなか難しいものがあると思います。
それでもEMはこのクラスの中では比較的しっかりできているカメラです。
ただしこの時代のプラスチック部品は経年劣化で脆くなっているものも多く
EMも巻き戻しクランクが破損した個体を多く見かけます。
今回お預かりしている個体はそこは大丈夫なのですが
分解時にどうしても取り外さなくてはいけない部分でもあり
下手に力任せに外そうとするとあっけなく割れるので
非常に注意が必要な部分です。

お預かりしているEMは
まずレリーズボタンを押してもミラーが上がるだけで
シャッターはうんともすんとも動きません…
電子シャッターだけではなくM90もBも同様です。
「EMにしてはめずらしいパターンだなぁ…」と思いつつ
いろいろ眺めていると
セルフタイマーが回されていることに気が付きました…
あぁ、なるほど…セルフが完全に固着しているので
シャッターが切れないのですね…
FE/FM等のニコン縦走り機でも同様ですが
セルフがセットしてあるとレリーズするとまずミラーが上がります。
そしてセルフが回り切るとシャッターが切れるわけですね
それが固着して動かないのでいつまでたってもシャッターが切れないわけです。
コパルのシャッターユニットなのでセルフタイマーは
シャッターユニットに組み込まれています。
まずはシャッターユニットを露出できるとこまで分解して
とりあえず強制的にセルフを動かすとシャッターは切れました。
これでとりあえずセルフを使わなければシャッターは切れるようになりました。
ただし、もっと重要な問題がこの後発覚しました。
オートが全く効いていないようで
露出計がどこを指していようと一定のシャッターでしか切れません…
これはちょっと厄介な状況です。
マグネットの問題か、電気接点の問題かとは思われますが…
EMは摺動抵抗関連のトラブルは多いのですが
それだと露出計も動かなかったり不安定になったりするので
今回はそうではないと思われます。

同じようなトラブルは過去にも
修理したことは何度かあるのですが
原因がいつも同じとも限らないのですよね…
まずは考えられる部分をひとつひとつチェックしていきます。
電子基板そのものがダメだと修理不能ですが
分解品でショートさせたりフレキを切っていない限り
おそらくその可能性は小さいと思われます。
多分何とかなると思いますが
まずは慎重に原因を探っていきます。

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ペンタックスMGのカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされていて
それを由来とした記念日だそうです。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のイギリス・ロンドンだそうです。
ピアノの音色って気持ちも落ち着きますし
癒されますよねぇ~
小学校からの幼馴染の友人がいまだにピアノを続けていて
たまに聴かせてもらいますが生で聴くとまたいいのですよねぇ
この夏に帰省したらまた聴かせてもらいます。
レコードでもたまにショパンやベートーヴェン、リストなんかを
聴きますがあの辺の超絶技巧曲が弾けるピアニストって
本当にすごいですねぇ…もはや人間業とは思えません
最近はyoutube等で演奏している動画も見られますが
動画で見るとその異常さが本当によくわかります。
生半可な努力じゃ弾けない曲なんだと再認識できます。
そんな困難な曲が弾けなくっても
ピアノが弾ける人って本当にステキですよねぇ
羨ましい限りです…

さてさて

本日は「ペンタックスMG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のエントリー機で
「ペンタックスMシリーズ」としては最終モデルとなります。
当店で通常修理整備が行えるペンタックス機としては
最も新しいカメラともなります。
位置づけとしては「MV1」の後継機となりますが
ファインダー情報等は大幅に進化し
どちらかといえば「ME」の後継機ともいえると思います。
中身を見てもME系がベースとなり
電子基板はより進歩して
回路自体は簡略化されている部分も多いです。
しかしながら「Mシリーズ」の一因ということで
機械的なベースが基本的に「ME」なので
このカメラもMXを除く「Mシリーズ」共通の
「ミラー駆動部のブッシュ劣化によるミラーアップ」が持病です。
今回お預かりしているMGもやはりミラーアップしたまま
どうにも動かない状態となって当店にやってきました。

まずはミラー駆動部を何とかしないと
シャッターがちゃんと動作するかも
オートや露出計がどうなのかも全く判断できないので
まずはここまでバラシてミラー駆動部の修理・整備から行います。
時代的には電子回路はフレキ化が進んで
リード線の数は減る傾向にある時期なのですが
MEに存在したミラーボックス横の
差し込み式の基盤が省略されたせいで
リード線の数自体はMEちお変わらないものの
分解整備時にハンダを外すリード線の数は増えてしまっています。
コストはダウンできたのだと思いますが
整備性は少しばかり悪くなったかもしれません…
まずは機械的な動作が一通りできるように
ミラー周りシャッター周りの整備を行います。
問題のミラー駆動部のゴムブッシュはやはりドロドロに腐食していて
粘着質となっていてミラーダウンできない状態でした。
腐食したブッシュを取り除き入念に清掃した上で
代替品のブッシュと交換を行います。
現段階ではとりあえず機械的にはシャッターは切れるようになったので
これから一通り配線を繋ぎなおして
電気的なチェックを行っていきます。
あ、その前に電池室がかなり腐食していたので
そちらの対処を先に行ってからですね
めったにないのですがこの段階で電子基板不良とかが発覚すると
かなり気持ち的にはショックです。
順調に整備が進むことを願いながら取り掛かっていきます。

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コニカオートS2ELのカメラ修理

今日は7月4日、「梨の日」ですね!
「な(7)し(4)」(梨)と読む語呂合わせからです。
梨の季節にはちょっと早いのですが
甘くて水分たっぷりの梨は本当においしいですよねぇ
甘味の強い「幸水」、その名の通りジューシーな「豊水」
少し酸味強めの「二十世紀」あたりが
よく見かける品種ですかね。
こっちだと「幸水」を見かける割合が多いような気がしますが
私の出身の広島では産地の鳥取県が近いこともあり
「二十世紀」を見ることが非常に多かったです。
広島県県北には梨園も多く
二十代前半の頃は9月になると毎年かかさず
「梨狩り」に出かけていました。
梨の旬が今年も待ち遠しいですね!
その前に今は桃の旬ですねぇ
こちらも甘くてジューシーでたまらなく美味しいですよねぇ
夏から秋にかけては果汁たっぷりの果物の
旬が次々とやってくるので嬉しい季節です!

さてさて

本日は「コニカオートS2EL」のカメラ修理を行っています。
「コニカオートSシリーズ」はマニュアル機の「コニカSシリーズ」に
シャッタースピード優先オート露出機構を搭載したシリーズです。
最初に登場したのは1963年の「コニカオートS」です。
その翌年には「オートS」に改良を加え
CdS受光体をレンズ上部に移動しレンズもヘキサノン47mmF1.9から
45mmF1.8に変更された「オートS2」が登場します。
さらにその「オートS2」にフィルム装填…というか
フィルム先端の差し込みが簡単にできる「コニリール」を採用したものが
今回の「コニカオートS2EL」です。
「EL」は「Easy Loading」の略ですね。
この時代のカメラなのでレンズ固定式カメラといえど
少々大柄ではありますがその分しっかりと造られていて
各部に余裕があり整備性も良好です。
評価の高いヘキサノンレンズの写りも魅力的なカメラです。

お預かりしている「コニカオートS2EL」は
まずシャッターが全く切れず巻上も全くできません。
どうにもこうにも動かない状態なので
お預かり時には何とも言えなかったのですが
予想した通りシャッター羽根の固着でした。
羽根固着していてもレリーズすると
動作音がするのにシャッターが開かないだけの場合と
今回のようにうんともすんとも言わず
巻上も全くできない場合があります。
同じような症状が出ていてもシャッター羽根の固着ではなく
羽根駆動部の固着の場合もあるので
ある程度分解してみないと何とも言えないのですが
今回は羽根が重ねっている部分で
がっちりくっついてしまっているようです。
シャッター羽根だけではなく
絞り羽根も固着気味です。
全く動かないわけではないのですが
絞り込む方向には動くのですが開く方向に絞りリングを回していくと
F5.6あたりで羽根の動きは止まってしまい
それ以上は開きません。
キャノネットあたりも同様ですが
シャッター優先オート搭載機の絞り羽根制御は
とても小さなバネ力で動作していて
ほんのわずかな汚れや油分で簡単に動かなくなります。
シャッター羽根ががっちり動かなくなるほど固着しているわけですから
当然絞り羽根にも油や汚れの付着があるわけですね。
動かない絞り羽根を動かそうと絞りリングを回していると
最悪の事態を招きかねないので早々に確認はやめて
羽根清掃に取り掛かります。

まだ取り掛かったばかりの段階ですが
これからレンズボードも分離してシャッタユニットを降ろし
シャッター羽根、絞り羽根の洗浄清掃を行います。
オートS系も電池室周りのトラブルが多いカメラですが
今回は電池室や配線に腐食等はないようです。
もちろんレンズボード脱着時にそちらも入念に確認していきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ソフトクリームの日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
明治神宮外苑で行われた米軍主催の
「アメリカ独立記念日」(7月4日)を祝うカーニバルで
ソフトクリームの模擬店を立ち上げ
日本で初めてコーンスタイルの
ソフトクリームが販売されたことが由来だそうです。
同年の9月には百貨店で本格的に販売され大人気となったそうです。
ソフトクリームって本当に美味しいし
この季節には欠かせないアイテムですよねぇ
今、私はクルマ持っていないので機会があまりありませんが
クルマでちょっとした遠出して高速道路のSAに寄ると
絶対買っちゃいますよねぇ(笑
そりゃ昔ながらのバニラが王道ですが
今はいろんな味のものがあるのですよねぇ
そういえば以前に江の島に行ったときに
めちゃくちゃいろんな種類のソフトクリーム売ってるお店があったなぁ。。。
普通のアイスクリームならスーパーやコンビニで
いつでも買えますが意外とソフトクリームって
近所では買えないのですよねぇ
そのうちどこか出かけた時にまた食べましょう~

さてさて

本日も「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
もちろんと昨日とは違う個体です。
2日連続同じカメラの整備って割と珍しいのですが
これも依頼の多いOM-1ならではですねぇ
今日はシルバーボディのOM-1で
MD対応ではない初期の個体ですが
フィルム室のスタッドは2本でフィルム圧板が横長なタイプです。
4本スタッドの最初期ではなく
「MD」になる前の時期の個体です。
まずシャッターは1/1000がほとんど開きません。
たまにわずかに開きますが1/4000くらいの細いスリットしか開かず
写真の端ではほぼ間違いなく閉じてしまいます。
1/500は何とか開きますがやはり1/2000くらいのスリットになってしまっています。
先幕と後幕の幕速バランスが崩れていることもありますが
後幕蹴りだしのタイミングも少し狂っているものと思われます。
そして露出計はほとんど動かない状態です。
明るいところに向けてSWを入れるとピクリと指針が反応するのですが
指針が上がっては来ないような状態です。
生産時期から考えて「たぶん。。。」と思いながら
電池室をチェックしてみるとやはり電池室底部のマイナス側端子が
グラグラで今にも取れそうな状態です。
非MD対応でフィルム室スタッド2本の生産から
MD対応になってからある程度の生産時期までは
マイナス端子を留めるネジに絶縁の為、樹脂製のネジが使われていて
これが樹脂だから経年劣化で脆くなって折れるのです。
樹脂製のネジが使われていない生産時期のものは
通常のネジ+樹脂製のワッシャで絶縁されています。
ちょっと厄介なのは通常のネジが使われている個体は
そのネジは普通のサイズなのですが
樹脂製のネジが使われている時期のものは
そのネジは通常より少し太いもので
現在では通常作られていないサイズのネジなのです。
もちろんボディ側はそのネジに合わせてネジ穴が切られているので
そのサイズを使うしかありません。
ネジなんてオーダーすれば特殊なサイズのものでも
入手できないことはないのですが
そこはコストとのバランスでなかなか難しいものがあります。
幸い樹脂製のネジならばダイスさえあれば作成は簡単です。
樹脂製のネジを新たに作成してネジ留めしていきますが
今回はネジ穴側にも少々問題があったので
さらにネジ周りに補強を入れて対処していきます。

またまた作業に夢中になっていて
分解時の画像を撮るのを忘れました。。。(苦笑)
露出計はさらに調整を行い
問題ない精度が確保できています。
シャッターも幕軸清掃、調速カム周りの整備・調整を行い
1/1000だけでなく全体的にも問題ない精度になっています。
もちろんミラー駆動部、巻上機構も入念に整備いたしました。
やはりOM-1はその独特の巻上フィールと
上品なシャッター音がたまりませんね
人気の要因はやはりその軽量コンパクトなボディサイズにあるとは思いますが
それに加えてこの使い心地の気持ち良さも大きな魅力だと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「うどんの日」だそうですよ。
うどん県でもある香川県地方の農家では
農繁期が一段落した雑節「半夏生」の頃に
うどんを食べて労をねぎらう習慣があったことに由来するのだそうです。
そうなんですよね。今日は「半夏生」でもありますね。
うどんといえば全国的にやはり「讃岐うどん」が有名ですが
私の出身の広島県呉市では「呉の細うどん」と呼ばれる
独特の麺の細いうどんが昔からあるのです。
昔の呉は今よりもっと港町で
せっかちな人が多かったせいか
さっと茹で上がって汁ともよく絡んで早く美味しく
食べてもらえるようにとできるだけ細く麺を
切ったことから始まったそうです。
おそらく海軍工廠が設立されたころ(明治末期)から
始まったのではないかと思われます。
私、幼いころからこの「細うどん」に馴染んでいるせいか
現在、全国的に流行っている「麺が太くて腰のあるうどん」が
イマイチ苦手です(苦笑)
「固くて食べにくい」って感じてしまうのですよね…
なので…普段はうどん食べることはあまりなくて
呉に帰ったときに老舗「山乃家」さんに滞在中は毎日行って
「呉の細うどん」を堪能してきます!
皆さまも機会があれば是非!!!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
つい先日もOM-1の修理を行ったばかりですが
やはりOM-1の修理・整備依頼は非常に多いのです。
それは「壊れやすい」なんて意味ではなくて
それだけ人気が高いということだと思われます。
当店にやってくるOM-1も状態は千差万別ですが
致命的に何かが破損している…という状態のものはかなり少数です。
大抵の場合は積年の汚れ等による動作不良と
あとは露出計関連のトラブルです。
あ、ただ定番のプリズム腐食だけは発生してしまうと
どうしようもなく対処するにはプリズム交換しかありません。
ただ、OM-1は比較的、腐食のないプリズムが
まだ入手しやすい状況なので交換は「今のところ」可能です。

お預かりしているOM-1はフィルム室にスタッドが4本立っていて
それに伴ってフィルム圧板も短い
初期「M-1」とほぼ同構造の初期の個体です。
ただ、何度か過去に整備されたことがあるらしく
露出計電池はSR44(LR44)に対応できるよう改造されていて
電圧補正もボディ内に抵抗を追加して対応されています。
プリズムに多少の腐食はありますが
これも腐食が始まり始めた頃に対処が行われていて
これ以上は進まないようにある程度の多彩くが施されています。
プリズム留めが4本バネなのも最初期モデルの特徴ですが
露出計回路は最初期特有のものではなく
これも途中で手が加えられ中期以降のものとなっています。
巻上レバーも中期以降のOM-1のものに替えられています。
それでも最初期のボディでブラック塗装のものは
ちょっと珍しいのではないかと思います。
おそらく整備されたり手が加えられたのは
メーカーのサービスで行われたと思われますが
それも随分昔のことだと思われます。
現在の状況は一通り動作はしていますが
シャッター幕、先幕後幕のバランスは崩れていて
高速シャッターの精度は出ておらず
露出計も振りが足らず1.5段以上オーバー傾向となっています。
この辺でちょうどリフレッシュさせてやる必要がある状態です。


まだ取り掛かり始めたばかりですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
露出計の不調はSW部の接触不良と
電池室からの配線の劣化が原因と思われます。
他、幕軸、ミラー駆動部、巻上機構部等々
駆動部分の清掃整備調整を行っていきます。

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ニコンF2のカメラ修理

今日から7月です!7月1日ということもあって
今日はたくさんの記念日が制定されています。
海・山開きに始まり、こころの日、銀行の日、
郵便番号記念日、東海道本選全通記念日…等々
そんな中に「ウォークマンの日」がありますねぇ
1979(昭和54)年のこの日に
ソニーが携帯式ヘッドホンステレオ「ウォークマン」の
第1号機「TPS-L2」を発売した記念日です。
もちろんメディアはカセットテープですよ。
定価は33,000円でした(当時の大卒初任給は11万円)
今考えると結構良い値段ですねぇ…
発売当初はそれほど注目されていなかったものの
CM等で頻繁に宣伝活動を行うことにより
8月には一気に火が付き生産が需要に追い付かなくなったそうです。
ちょうど私もこの頃にじいさんのラジカセ使って
レコードやラジオをテープに録音し始めた頃で
外出先で聴けるウォークマンに強烈に憧れました。
結局、数年後に買ってもらえたのは本家ソニーではなく
東芝の「Walky(ウォーキー)」だったのですが
めちゃくちゃ嬉しくってどこに行くにも持って行ってました…
中学校にまで持っていってバレて怒られたなぁ(笑
真っ赤なボディでカセット部分にチューナーパックを入れると
ラジオが聴けるというなかなかの優れモノでした…
ウォーキーだけじゃなくて家で使っていたラジカセもそうだけど
カセットテープをセットしてリールが回るのを見ているだけで
ワクワクしたものです。。。あんな感じのワクワク感は
この歳になるともうなかなか味わえませんねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2」の カメラ修理を行っています。
伝説的名機「F」の後継機でその名の通り2代目の「ニコンF一桁機」です。
劇的な変更点はないのですが「F」からまさに正常進化したモデルで
確実にブラッシュアップされ使い勝手のよくなったカメラです。
各部の耐久性をあげ幕速をアップさせることで
1/2000のシャッター速度を搭載しています。
裏蓋は取り外し式から蝶番式になり
レリーズボタンの位置も改善され非常に使いやすくなりました。
機械式カメラの最高傑作と言われることも多く
100%のファインダー視野率やそのシャッターレスポンスの速さからも
非常に精度高く精密に造られていることがわかりカメラです。
個人的な好みもあるかと思いますが
幕速をあげた関係もあり「F」のしっとりしたシャッター音から
少々甲高いシャッター音に変わりましたが
これもハイスペックの表れかと思えば
それはそれでカッコ良くいい音に聞こえてくるような気がします。
「F」にしても「F2」にしても
非常にオーバークオリティな部品を贅沢に使っているカメラなので
普通に使っている限り致命的な破損等が起こることは
考えにくいですが精密機械だけに
スムーズ且つ精度の高い動作を維持するための整備は必須です。

お預かりしている「F2」は外観もキレイで
非常に大切に使われてきたことが伺える個体です。
シャッターも動作してはいるのですが
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
フォーカルプレーンシャッターでよくある
シャッター動作不良によるミラーアップではないようです。
…というのもシャッタースピード計測してみると
先幕・後幕のバランスは少々崩れているものの
幕速は十分出ているのです。
「F・F2」のミラー駆動部はミラーアップ側は
レスポンス向上の関係もあり強烈なバネで強力に跳ね上げますが
戻る方は意外と小さなバネ力で戻ってきます。
そのため駆動部に汚れ等が溜まっていると
たまにミラーダウン側に不具合が出ることがあるようです。
今回もミラー駆動部の整備で解消できそうです。

さすがに年数が経過している上に
これまで分解整備されていない個体と思われ
各部に若干の油切れや汚れの蓄積も見られ
ミラー駆動部もそうですが多少動きに粘る部分が見られます。
とはいえ、保存状況も良い個体で
大きなダメージは見受けられません。
ただし装着されているアイレベルファインダー内のモルトの劣化は酷く
このまま放置しておくと確実にプリズム腐食が発生してしまう状態でした。
現在のところはプリズムに大きなダメージもなく
この段階でメンテできてよかったと思います。
「F・F2」アイレベルファインダーのプリズムはサイズ的に共通ですが
内部モルト劣化の影響も受けて腐食しているものが多く
腐食のないプリズムを入手することは非常に困難です。
当店にもたまにお問い合わせが入りますが
プリズム交換は行っておりません。
一通りの整備を終えて動きは全体的に非常にスムーズになりました。
これから微調整等を行って万全の状態に仕上げていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「トランジスタの日」だそうですよ。
1948(昭和23)年のこの日に
アメリカのAT&Tベル研究所の物理学者ウィリアム・ショックレー、
ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3人が発明した
トランジスタが初めて公開されたことが由来となっています。
いわゆる半導体素子の基本ですね
それまで主流だった真空管と同じく
増幅・発振・スイッチングなどの動作を行うことができ
真空管に比べて圧倒的に小型・軽量・長寿命で
消費電力が小さいなどの利点があり急速に普及して行きました。
現在使われる回路では集積回路(IC)の中に組み込まれていて
単体の電子部品として利用されることはほとんどなくなっているそうです。
CPUやMPUに内蔵されているトランジスタの数は増え続け
今ではひとつのチップに1億個以上のトランジスタが
搭載されている製品もあるそうです。
当店で修理しているカメラの中には単体のトランジスタを
搭載している電子制御カメラもありますが…
今では比べ物にならない程、複雑な集積回路になっているのですねぇ

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
上記のトランジスタ等を使う電子回路とは
正反対の機械制御シャッター搭載の一眼レフです。
露出計は電気回路ではありますが簡単な抵抗と電流計(露出計)のみで
構成されたシンプルなものです。
SSや絞りと露出計指針の連動は糸連動で
露出計本体そのものを回転させることで連動します。
ここにも電気的な連動はありません。
同時期の露出計には摺動抵抗を使って
電気的に絞り・SSリングと連動するものも存在しますが
どちらも一長一短あってどちらが優れているとも言えないと思います。
使う方にしてみればある程度の精度でちゃんと露出が
把握できれば十分なのですが
修理・整備する際にはこのあたりは結構重要な問題だったりします。
毎度のごとく書きますが35mm判機械制御シャッターの一眼レフで
この軽量コンパクトさを実現しているのはこのOM-1と
ペンタックスMXくらいしか存在しません。
特にOM-1は単に軽量コンパクトなだけではなく
上品なシャッター音やミラー駆動音
シャリシャリとした何とも言えず気持ちよい巻上、等々
その使い心地においても非常に魅力的なカメラです。

ただし、これも毎度書きますが
他メーカーがやらないような小型化を図っているだけに
現行モデルだった当時であれば問題なくても
登場から50年が経過する現在となっては
経年劣化により華奢な部分も出てきてしまっています。
デリケートな部分も多いカメラなので
定期的な整備が必須と言えるカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」はまずシャッターが全く切れません。
シャッター幕の状況から判断すると
シャッターはチャージ状態で
レリーズができない状態のようです。
こうなっていると外からな何もわからないので
まずは原因がわかる部分まで分解していきます。
分解に取り掛かるとその過程の中ですぐに原因はわかりました。
ミラーチャージロックの動作が悪く
チャージしてもロックされないようです。
そのため巻き上げてもシャッターはチャージされるのですが
ミラーがチャージされず
レリーズしてもミラーが動作しないので
当然シャッターも動作しないという状態になっていました。
ミラーボックスを外してチャージロック部、ミラー駆動部の
整備が必要です。
さらに応急処置でシャッターが切れる状態にして
確認してみるとシャッター幕軸の動きがかなり悪く
高速シャッターの精度は全く出ていない状態でした。
同時にシャッター幕軸の清掃整備も行っていきます。
当然、巻上機構やOMならではの底部三連ギアの
清掃整備も行っていきます。
露出計gは動作してはいるものの不安定且つ制度に問題ありなので
こちらも整備調整を行っていきます。

画像は一通り整備完了後のものです。
現在、テスト中ですが精度も含めて全く問題ない状態になりました。
独特のシャリシャリとした軽やかな巻上も
非常に気持ちよく行えます。
画像に写っている50mmF1.8レンズと
写っていないのですが135mmF3.5レンズも
できる限りの清掃を行いました。
コーティング劣化による若干のうす曇りは残りましたが
撮影にはほとんど影響ない状態かと思います。
これで安心してご依頼者様にも使い込んで行ってもらえればと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「佃煮の日」だそうですよ。
佃煮の発祥の地である東京・佃島(中央区佃)の
守り神である住吉神社が創建されたのが
1646(正保3)年6月29日であることが由来になっています。
佃煮も子供の頃は食べられなかったですねぇ。。。
私、子供の頃は好き嫌いがかなりあって
食べられないものも多かったのですが
大人になってお酒を飲むようになってから
それまで苦手だったものが食べられるようになったのです。
まぁ酒の肴としてですが…
煮魚、焼き魚、漬物類、根菜類、きのこ類。。。
全部子供の頃は苦手だったのですが
今では大好物なものばかりです。。。
あ、でも美味いお酒が必要ですが。。。(笑
佃煮もそんな中のひとつです。
今でもあまり変わり種の佃煮はあまり好きではないですが
普通に魚介類や貝類の佃煮はどれも美味しいですよねぇ
味が濃いからご飯のお供でももちろんいいですし
酒の肴には本当にもってこいです!
もともと佃煮って夏の常温でも
お弁当とかに使っても大丈夫なほど
保存性に優れているものだと思っていたのですが
現在の製法では味も甘口で薄味のものも多く
要冷蔵だったりで昔のイメージとは違ってきてるのですね…
もちろん昔ながらのものも少ないながらあるようですが…
そういえば広島には「ヒロツクのこもち昆布」なんて
昔からローカルCMで有名な佃煮があるのですよ
ひさしぶりに食べてみたくなりました。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
「SR-T」系は修理依頼の非常にカメラです。
ペンタックスSPとかと同じで当時の大ヒットモデルで
現存している台数がめちゃくちゃ多いということが要因かとも思います。
当時、それだけ売れたカメラなので当然悪いわけがなく
ミノルタらしい非常に使い心地の良いカメラで
機械制御シャッターで大変丈夫なカメラでもあります。
シャッターや巻上が普通に使っていて致命的に壊れるということは
非常に少なく当時から使いっぱなしの個体でも
とりあえずはシャッターは動作している…というものも多いと思います。
ただし、確実に経年劣化や動作不良は進んでいて
動きにくい関節を無理矢理動かしている健気なおじいちゃんみたいな
個体も多いので、できるかぎりキチンと整備する必要があると思います。

お預かりしている「SR-T101」は
精悍なブラック塗装の個体です。
それなりに使い込まれている個体で
ところどころに地金が出ているような箇所もあり
それはそれでまた非常に良い味を出しています。
この個体もとりあえずは動作している状態ではあるのですが
やはりあちこちに動きの悪い箇所はあるようです。
まずシャッターは動作はしているものの
シャッタースピードの精度は全く出ておらず
その上にかなり不安定です。
先幕と後幕のバランスも崩れていて
特に後幕の動きが不安定で
それに関連してたまにミラーが上がったままになってしまいます。
ミラー駆動部にも油切れの兆候は見られますが
それよりもシャッターの動きが悪いために
最後にミラーダウンができない状態になってしまうようです。
巻上も明らかに油切れの症状がみられ
動きがスムーズではありません。
露出計も非常に不安定です。
SR-T系はファインダースクリーン枠の周りに
かなりモルトを使用しているのですが
モルトは当然ながら全滅でファインダー内に劣化したモルト屑が
かなり入り込んでいる状況です。
コンデンサレンズにもかなりカビが発生しています。
細かいことをチェックしていけば確かにいろいろ不具合はあるのですが
それでも致命的な問題はないのがSR-Tらしいところかと思います。
基本に忠実に整備を行えば快適に使える状況になると思います。

またもやいったん分解整備に取り掛かると
没頭してしまって分解中の画像を撮っておくのを忘れました…(苦笑)
画像は一通りの整備が完了して
シャッタ等の動きが落ち着くまで少し様子見をしている段階です。
高速シャッターの精度も含めてシャッターは非常に安定して
動作するようになりシャッター院もしっとりしたものに変わりました。
露出計は配線等には問題がなかったのですが
ハンダの劣化(SR-T系は多い)がそれなりにあり
安定して通電できない箇所がありました。
もちろん対処して現在はこちらも精度も含めて安定しています。
ファインダーはプリズム内部にシミがありそれは除去できないものの
それほど目立つ状態ではなくできる限りの清掃を行い
問題ないほどのクリアさを確保できております。
安心して存分に使っていただける状態になっていると思います。
改めてみるとブラック仕上げのSR-T、カッコ良いですね!

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