ミノルタXEのカメラ修理

今日は「ホットサンドを楽しむ日」なのだそうです。
もともと3月13日が1が3で挟まれている
(サンド1=サンドイッチ)ということで
「サンドイッチデー」とされており
それにサンドイッチを焼く音「ジュウ(10)」を足して
3月23日を「ホットサンドを楽しむ日」となっているようです。
よく考え付きますね(笑)
理由はともあれ普通のサンドイッチでさえとっても美味しいのに
それをt\焼いた「ホットサンド」が美味しくないわけがないですよねぇ
焼くことで加わった香ばしさもいいですし
やはり温かい食べ物はそれだけで美味しさアップです。
さらに普通のサンドイッチよりホットサンド向けの
加熱して調理するご在もいろいろ考えられていて
どれも美味しそうですよねぇ
市販のホットサンドメーカーさえあれば
それ用の簡単にできる具材も売っているし
簡単に自宅でもできるのですよねぇ…
イメージすればするほど美味しそうですね。
とりあえずホッツァンドメーカー買おうかな…(笑

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にミノルタXシリーズの第一号機となる最高級機「Xー1」が
発売されそれに続く中級機といった位置づけですが
X-1とは全く違った性格を持つカメラであり
単なる普及機ではありません。
ライツ・コパル・ミノルタの3社で共同開発した
「ライツコパルシャッター」を搭載し
その構造上、巻上を非常に滑らかにすることが可能となり
他のカメラでは味わえない使い心地の良さを実現しています。
個人的には巻上に関しては 縦走りではこのXEが最高で
横走りならニコンF3だと思っています。
アキュートマット登場以前の機種なので
ファインダーの明るさはそこそこですが
ピントの山の掴みやすいスクリーンを搭載し
シャッター音も歯切れよい上に上品な音質です。
カタログスペック上ではそれほど目新しいものはなかったのですが
この時代にはめずらしくスペックに表れる部分より
「使い心地」をアピールしたモデルです。
初期の電子制御機なのでンボディは大柄で重いですし
正直言ってトラブルもそれなりに多いカメラです。
それでも使っているとその気持ちよさが何とも魅力的な1台です。

XEのトラブルはもはやどうにもできない持病である
プリズム腐食に始まり、シャッターや露出計等々
いろいろ弱点も多いのですが
今回お預かりのXEはその中でも代表的な
「電子制御シャッターで全てミラーアップ」となるという症状を抱えています。
機械制御の「X」や「B」では普通に動作しています。
シャッター自体は一応動作しますが
一定速でしかも全く開いてはいません。
要は電地が入っていないときと同じ状態です。
でも電源が入っていないわけではなく
BCは点灯しますし、露出計も動作しています。
これの原因は何通りかあるのですが
割合は少ないですが電子基板内部が問題の場合もあり
修理不能な場合もたまにあります。
他の原因は接点の接触不良だったり
ハンダ付けの劣化にしよる接触不良等が考えられます。

ミラーアップの原因をこれから探っていくわけですが
その前にプリズムを降ろしておきます。
(あとでファインダー清掃もありますし…)
ここがある意味、最大の難関です。
プリズム腐食が定番であることは先程もチラリと書きましたが
プリズム前面に貼られているモルトはまず間違いなく
加水分解でボロボロで
プリズムを降ろす際にプリズムの蒸着も
一気に剥がれてしまうことがあるのです。
このXEはファインダーで見る限りはプリズム腐食はなかったのですが
たまたま蒸着がかろうじて剥がれていないだけ…という可能性もあり
降ろすときには細心の注意を払います。
結果から言うとやはりモルトはボロボロで
プリズムの塗装面もかなり侵食しており
このままあと数年放置していれば
プリズムの蒸着も剥がれていたと思われます。
今回はかろうじてセーフです…
これ以上侵食が進まないように処置も行っておきます

肝心のシャッタートラブルはミラー周りの接点の
接触不良が原因だったようです。
こちらも基板内には問題はないようで何とか修理できそうです。
XEは実際に分解してみないとわからない部分も多くあり
なかなか修理・整備に苦労するカメラです。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「春分の日」で祝日ですね。
太陽が真東から昇って真西に沈み
昼と夜の長さがほぼ同じになる日とされています。
また、この日を境に昼の時間が長くなり
夜の時間が短くなります。
ただ、実際には「春分」では平均すると昼の方が14分ほど長いのだそうです。
二十四節気のひとつでもありますね。
加えて「春分」を中日とする前後7日間は「春の彼岸(ひがん)」であり
農事始めをする時期にあたります。
また、この日の前後に家族でご先祖様のお墓参りに行く習慣や
野遊びや山登りを行う地方も多いですね。
子供の頃は彼岸は必ずお墓参りでしたが
大人になってからはなかなかそうも言ってられないですねぇ
いまや墓所からはずいぶん離れてしまいましたし…
でもこの時期に墓参りで山に登ると
(うちの墓所は登山道の脇にある)
山には春の香りが立ち込めていて
何とも気持ち良いのですよねぇ…
たまにはこの時期や秋の彼岸に墓参り行ってみるかな…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
何だか今年に入ってから定番のOM-1より
SPのほうが修理依頼が多いのではないかと思うほど
コンスタントに依頼がありますね。
M42マウント搭載で使用できるレンズの多さは一眼レフとしては
圧倒的なため現在でも非常に人気が高いカメラです。
現行モデルだった1960年代半ばでは
現在よりもさらに圧倒的人気で大ヒット商品であり
フォトコンテストの入選作品のほとんどが
SPで撮られた写真だった…ということもよくあったようです。
世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵型カメラでもあります。
開発時にはスポット測光の搭載やバヨネットマウントも
検討されたそうですが
この発売時期であればM42マウント+絞込み測光で正解だったようですね。
この組み合わせでないとこれほどまでのヒットになっていないと思われます。
開放測光に慣れているとちょっと煩わしい部分がありますが
本来、絞り伝達機構を一切持たないねじ込みマウントでは
いたしかたなく、逆にこのシンプルなユニバーサルマウントだからこそ
楽しめるレンズもたくさん存在します。

基本的にはシンプルなカメラですが
製造されて60年近く経過するカメラです。
当然その状態の個体差はかなり激しく
使いっぱなしで未整備の個体はそれなりに
トラブルを抱えているものがほとんどです。
お預かりしているSPはシャッターチャージ状態ではあるものの
レリーズできない状態になってしまっています。
調べてみるとシャッターはチャージされているのに
ミラーチャージができていない状態です。
こうなるとレリーズしてもまずはミラーが動かないことには
シャッターは動作できませんから
後にも先にも行けない状態になってしまいます。
本来は巻上レバーで巻き上げることによって
フィルム巻き上げ・シャッターチャージ・ミラーチャージを
同時に行うわけですが
ミラー駆動部の動作不良でミラーチャージができなかったものと思われます。
分解して確認してみるとチャージ時の動作が確かに粘っていました。
この個体自体はおそらく以前にも整備はされているものと思われ
巻上フィールとかは良い感じです。
しかしそれも随分以前のことと思われ
シャッター精度にも狂いが出ていて幕軸の動きもいま一つです。
露出計の精度も1.5段以上狂っています。
やはり全体的に整備が必要な状態です。

この時代のカメラですからそれほどコンパクトでもありませんが
無駄に大きなわけでもなく上手くまとまられています。
それでいて整備性も悪くありません。
分解して整備することを前提に考えられている設計です。
絞込測光のためTTL露出計といえどもマウント周りは非常にシンプルです。
これが開放測光対応のSPFになると
かなりややこしくなってきます。
これから本格的にシャッター、ミラー駆動部、巻上機構の
整備に取り掛かっていきます。

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アイレスフレックスのカメラ修理

今日は「LPレコードの日」だそうですよ。
「LP=Long Play」ですね!
毎分約33回転(33 1/3rpm)、標準は直径12インチ(30cm)で
収録時間は片面最長で約30分。直径10インチ(25cm)のものもあります。
それまでの材質がシェラック(樹脂)のSP盤(Standard Play)に対し
素材がポリ塩化ビニールとなったことで
丈夫で薄く軽くなり高密度で長時間の録音が可能になりました。
最近はまたレコードブームでちょっと言い方を変えて
「ヴァイナル」なんて呼びますね。
これも要はビニールってことでポリ塩化ビニール素材の
レコードのことを指すのですが…
さすがに私はSPレコードの世代ではなくて
モノ心ついた頃に普通にLPがあって
シングル盤は7インチ45回転のEP(Extend Playing)盤ですね。
中心の穴が大きいものは「ドーナツ盤」と呼ばれます。
私は買い始めた頃はLP2,800円、EP700円って感じでした。
子供の頃から少しずつ集めたレコードは私のところではいまだに現役で
結構頻繁に聴いています。
クリーナを盤面に吹きかけ拭き取り
針を掃除してレコードをセットし針を落とす…この一連の流れがいいですよねぇ
ある意味、フィルムカメラに通ずるものがありますね。

さてさて

本日は「アイレスフレックス」のカメラ修理を行っています。
〇〇フレックスとくれば大抵の場合、二眼レフです。
アイレス写真機製作所は東京にあったカメラメーカーで
前身は1949年に設立されたヤルー光学です。
アイレスになってから二眼レフブームも追い風となり
アイレスフレックスシリーズで成功し
その後、35mm判レンズシャッター機の
アイレス35シリーズを展開し
さらに一眼レフの開発・発売も行いましたが
残念ながら1960年に倒産してしまいました。

アイレスフレックスもたくさんの種類があるのですが
この時代の二眼レフにありがちな話で
銘板は基本的にどれも「AIRESFLEX」としか表記がありません
(一部輸出用に「AIRES REFLEX」も存在)
でも今回お預かりしているアイレスフレックスは
まだわかりやすいほうで
シャッターユニットに当時の最高級シャッター
「セイコーシャラピッド」が搭載されていることから
「アイレスフレックスZ」かと思われます。
「Z」には搭載レンズが3種類存在し
「日本光学・ニッコールレンズ」、「オリンパス・ズイコーレンズ」
そしてアイレス傘下の「昭和光機・コーラルレンズ」の場合があり
今回お預かりしている個体はコーラル75mmF3.5レンズを搭載します。
1953年発売のカメラです。

おそらくかなり長い間仕舞い込まれていた個体かと思われます。
まずシャッターはチャージレバーは動き
チャージは完了するもののレリーズしても
うんともすんともシャッター羽根は動きません。
さらにシャッタースピード設定レバーも
絞り設定レバーも強烈に固着していて
全くビクとも動きません。
シャッターが開かないのは定番のシャッター羽根の固着かと思われます。
設定レバーが動かないのはレバー動作部自体が固着しているようです。
それに加えてSSが1/500でチャージ状態のため
(セイコーシャシャッターの1/500は別バネ使用で
一旦設定してチャージすると非常に重くなります
さらにチャージしてから1/500に入れることも
重すぎてほぼ不可能です。負荷がかかるので
チャージ状態から無理に動作させることはお勧めしません)
なおのこと動かないものと思われます。
ファインダーミラーはこちらも定番で
劣化してクモリが酷い状態です。
スクリーンもかなり汚れています。
テイクレンズ・ビューレンズそれぞれにも
やはりカビがかなり発生しています。
きちんと全体を整備しないととても使える状態ではありません。

レバー類の固着はやはりレバーそのもの固着でした。
画像の状態にして直接絞り羽根動作部分を動かすと
粘りでスムーズではないもののとりあえずは動きます。
SSの方はまずシャッター羽根の固着を解消しないと
無理には動かせない状態です。
いろいろとトラブルは抱えてはいますが
致命的な部品の破損とかはなく
経年で動作不良をあちこちで起こしている状態です。
つまりは動きやすい状態にさえしてやれば
問題なく使用できる状態になると思われます。
レンズはカビこそあったものの
変質によるクモリとかはなく
元々ある細かい傷とかは残りますが
撮影に問題ないレベルのクリアさに清掃できました。

整備後の動きは快調で
クリアなf大ンダーでのピント合わせも快適です。
ご依頼者様はまだこのカメラのまともな状態を
体験されていないと思われますので
是非、本来の姿で撮影を楽しんでいただきたいと思います。

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リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
1839年のこの日にフランスの画家・写真家の
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが写真機を発明しました。
この写真機は発明者の名前をとって
「ダゲレオタイプ(daguerréotype)」と呼ばれ
長時間露光させるため写真機の前で
長い間じっとしていなければならなかったが
大変な人気を集めました。
ダゲレオタイプは銀メッキをした銅板などを
感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれます。
この頃は日中屋外でも10分~20分の露光時間が必要だったそうです。
初期の写真機はその手間や準備、事後の処理も大変ですが
これが最初の一歩だったわけですね
感光材料はその後、写真湿板、写真乾板、そしてついにフィルムへと進化し
写真機もそれに対応して進化していくわけですね。
それから考えたら現在のデジタルカメラなんて
正に夢のようなアイテムなのですよね!
この200年弱の間にこれだけ進化したと思うと
少しばかり感慨深いですね!
そんなことにも思いを馳せながら
今日もカメラに触れていきたいと思います。

さてさて

本日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
簡単にいうとここでもよく登場する
リコーオートハーフのフルサイズ版とも言えるカメラです。
最初はオートハーフと同様にセレン光電池を使用した
「オートショット」が1964年に発売され
その後の1968年に露出計受光素子をCdSとした
「ハイカラー35」が登場します。
基本的な構造はこの時代に多い指針挟み込み式の
SS優先オートですが
SSはオート時に1/125固定の為
実質的にはシャッタスピード固定のプログラムオートとも言えます。
フラッシュモード時にはSSは1/30に固定となり
絞りは任意で設定が行えます。
ピントは目測ゾーンフォーカスで
レンズは3群4枚のリケノン35mmF2.8を搭載します。
そして何といってもオートハーフ同様にゼンマイ式の自動巻上です。
ただし、このゼンマイ巻上機構、基本的にオートハーフのものと共通で
オートハーフではゼンマイをめいっぱい巻いておくと
20数枚自動巻上が行えますが
35mm判でフィルム送りが倍となるハイカラーでは
10枚ちょっとでゼンマイを再度巻く必要があります。
致し方ない部分でもありますがちょっと手間が多いような気もします。
それでもこの自動巻上げは十分に楽しいのですが…

お預かりしている「ハイカラー35」は
露出計が全く動いていないようです。
露出計周りの接触不良が原因かと思われます。
加えて目測ピントリングが固着していて全く動きません。
シャッターユニットも含めて
やはり全体的に整備の必要な状態です。

オートハーフとはまた違った感じで独特のフォルムです。
今回のハイカラーはレリーズボタンが前面にある
初期モデルです。中期以降のモデルは上カバー部に
レリーズボタンが移設されます。
結果的に露出計は問題なく動作してオート精度も問題なくなったのですが
露出計が動作するようになってもCdSの劣化のため
どうにも精度が確保できなかったので
今回はCdSを中古良品に交換して対処しています。
他、レンズやファインダーは清掃で問題なくクリアになり
シャッタユニットの整備で
シャッターも非常にスムーズに動作しています。
もちろん巻上部の整備も行い快適にゼンマイ自動巻上も行えています。
オートハーフとはまた違う感じで
このハイカラーも使っていて楽しいカメラです。
快調になったハイカラーで
ご依頼者様にも存分に楽しんでいただければと思います。

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リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は「春の睡眠の日」なのだそうですよ
世界睡眠医学協会が定めた
3月の「世界睡眠の日」(World Sleep Day)に合わせて
3月18日を「春の睡眠の日」に
「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから9月3日を
「秋の睡眠の日」と制定されているそうです。
わかりにくいのですが3月第3金曜日は
「世界睡眠デー」でもあるのですね。
私もついつい早く寝ればいいのに夜更かし気味で
昼間に眠気を感じていることが多いですが
本当に睡眠は大事ですね。
しっかり睡眠がとれているときはまず集中力に
雲泥の差があります。
多少の睡眠不足でも気合である程度集中できますが
その持続力が全く異なりますねぇ
睡眠7時間確保できるように努力はしているのですが
これが意外と難しいのです。
仕事もプライベートもそれなりに毎日やることはたくさんありますし…
でものび太の名言ではないですが
暖かい布団でぐっすり寝るのは本当に最高ですね。
今日こそは早めに眠るようにします…(苦笑

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
1950年代の「二眼レフブーム」の中心となったカメラです。
トレードマークでもあるギアで行うピント調整になったのは
1950年発売の「リコーフレックスⅢ」からで
それ以降は基本的な構造やレンズには変更はなく
細かい使い勝手の部分やシャッターユニットの変更等が行われて
1958年発売のリコーフレックスニューミリオンまでこの形で続きます。
全盛期には国内生産のカメラの半分以上はリコーフレックスと
言われるほどの大ヒット商品となりました。
お求めやすい価格を実現するために機能は最小限にとどまっていて
フィルム装填も最もシンプルな赤窓式
3枚玉のレンズ、フィルム装填時に中枠を外す構造等々
リコフレならではの特徴も多いカメラです。
現在となってはそのシンプルさとプレスボディで
ダイキャストの他の二眼レフに比べても
軽量でコンパクトなことも
魅力になり非常に人気の高いカメラでもあります。
「Ⅶ」は1954年の発売で
前モデルのⅥのファインダーフードに
アイレベルのコンツールファインダーを組み込んだモデルです。
これまた生産台数の非常に多い人気モデルで
現在でも数多く見かけることができるカメラです。

お預かりしている「Ⅶ」は固着まではいかないものの
やはりピントギアの回転委ムラがあり
古いグリスが固まってしまている部分があるようです。
シャッターにも若干の粘りがあり
レンズにはカビが見受けられ
二眼レフ定番トラブルのファインダーミラーはやはり劣化で曇っており
交換が必須の状況です。
以前に整備歴のある個体だとは思われますが
それも随分以前のことと思われます。

画像は一通りの整備を終えて再組立てした段階でのものです。
各部ともに非常にスムーズに動作する状態になっています。
他の多くのカメラが2万円以上していた時代に
本格的なカメラとしては破格の6,800円で発売されたのが
リコーフレックスシリーズで当然ながら爆発的に売れました。
お求めやすい価格を実現できたのはシンプルな機能もそうですが
ベルトコンベアーを導入するなど生産を合理化して
実現できた価格でありその造りそのものには
安っぽさは微塵も感じられません。
こういう部分がまたこのカメラの魅力化と思います。
レンズ周りのメッキの美しさや
整備されたピントギアの滑らかな感触を確かめるだけでも
何とも嬉しくなってくるようなカメラです。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「漫画週刊誌の日」だそうですよ。
1959(昭和34)年のこの日に
日本初の少年向け週刊誌『週刊少年マガジン』
『週刊少年サンデー』が発刊されたことが由来となっています。
いまだに気に入ったものの単行本コミックは買って読みますが
さすがに週刊誌・月刊誌は読まなくなりましたねぇ
私の子供の頃(小学校低学年)は4大週間漫画全盛期で
(ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオン)
一緒に住んだことがなく週末だけ遊びに行っていた
親父の家に行くと
「おう、ゆきひろ!週間漫画4冊全部買ってこい」と
近所の本屋に走らされたものです。
でも読ませてもらえるから喜んでいくのですが(笑
その頃だったか…ジャンプで「サーキットの狼」とかにハマったのが…
他にもブラックジャックや釣りキチ三平
すすめ!!パイレーツにマカロニほうれん荘やら…
思い出し始めるとキリがないですが
面白いマンガ多かったですよねぇ…
その中でマガジンだけが比較的近年まで読んでいたのですが
段々と読み飛ばす方が多くなってきて
ついには買わなくなったのですよねぇ…
気になるものはその後も単行本で追いかけましたが
さすがにほとんどのものが連載終了しましたねぇ
でもマンガは今でも読みますし
懐かしの名作もいまは電子版で簡単に手に入ります。
場所も取らないし便利な時代になりましたねぇ

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
当時の最高級機、ニコンF2に露出計内蔵の
フォトミックファインダーが装着されたモデルです。
もちろんF一桁機はファインダー交換式なので
ファインダー単体で入手していれば
アイレベルファインダーにしたりフォトミックファインダーにしたりと
シチュエーションによって使い分けができいます。
他にもウエストレベルファインダーや高倍率ファインダー
アクションファインダー等の交換用ファインダーが存在します。
露出計内蔵のフォトミックファインダーだけでも
詳細は割愛しますが5種類存在します。
個人的には今回の依頼品でもある
一番最初に発売されたカニ爪対応の無印のフォトミック
(DP-1・指針式露出計)が一番無難かとは思います。
まずLED式の(S・SB)露出計は
何か故障すると修理できる可能性がかなり低くなります。
Ai対応の(A)も良いのですが
Ai式でもカニ爪があれば対応できて加えて非Aiレンズも対応でき
さらにファインダー内絞り値の見えやすい無印フォトミックが
最も使い勝手が良いと個人的には思います。
流通量も多いですし…
先代のFフォトミックに比べれば随分スマートになりましたが
基本的は構造はそれほど変わっていません。
ただ電池室がボディ側に移動したので
少しは「頭でっかち」感が少なくなりました。
それよりも摺動抵抗の耐久性がかなりよくなったので
トラブルも少なくなりました。
余談ですが先代の「Fフォトミック」は摺動抵抗の劣化が激しく
修理不能なものがほとんどなので
現在、当店ではメンテナンスを行っておりません。
見た目のスマートさであればアイレベルファインダーでしょうが
露出計の搭載はやはり便利ですし
さらにファインダー内でSS・絞りが確認できることがさらに便利です。
そのため個人的にはF2はフォトミックがベストかな…と思います。

お預かりのF2フォトミックはスローが少々不調で
やたら速めに切れてみたり
少々引っかかり気味にやたら遅くなってみたりと安定していません
スローガバナの動作不良かと思われます。
F2の定番トラブルである電池室周りのトラブルは今回はなく
露出計もきちんと動作していますが
精度的にはやはり調整が必要です。
加えてやはり高速シャッターの精度はイマイチです。
大きなトラブルはないものの
全体的に清掃整備は必要な状態です。


まだ取り掛かったばかりで現状確認くらいしかできていません。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
基本的には初代Fの進化版と言え
基本的構造はFと似通っています。
Fで評価の高かった堅牢性や各部の精度の高さはそのままに
シャッターは1/2000を搭載し
裏蓋やレリーズボタンの配置や電池室等
使い勝手は格段に進化したカメラです。
1/2000を実現するため幕速はかなり速くなっており
それもあってシャッター音はFよりは甲高いものとなっています。
機械制御機としては最後のF一桁機でもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。
発売から50年経過するカメラでもあり
当然ながらそれなりのメンテナンスは必要ですが
非常に丈夫なカメラでもありきちんと整備をすれば
今でも立派に使えるものが多いと思います。
名機であることは間違いないですね。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「財務の日」だそうですよ。
日付は「ざ(3)い(1)む(6)」(財務)と読む語呂合わせと
所得税確定申告の期限である3月15日の翌日に
企業が財務状態を把握して欲しいとの趣旨なのだそうです。
まぁ私はしがない個人事業主なので
財務状態…っていっても…ねぇ
あまり儲かってはいないなぁ…ぐらいですねぇ(苦笑)
確定申告は何かお金の動きがあれば
日頃から会計ソフトに入力しているので
それほど大変ではないほうだと思いますが
1年に1度しかやらないことなので
あれこれした準備もいろいろと必要で
やはりそれなりに負担にはなりますねぇ
それでも毎年2月中には終わらせるようにはしていますが…
こればかりはある程度のことは仕方ないですね
でも確かにこのタイミングでお金の動きは
ある程度確認できます。
1年分集計してみて「えええ?これにこんなに払ってるの???」と
思うこともしばしば…(汗)
何事もどんぶり勘定はダメですね。
丁寧さと几帳面さはやはり仕事の基本です(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
少し前にも書きましたがやはりFTも加えた「ペンF系」は
コンスタントに修理依頼が入っています。
ハーフ判のレンズ交換式一眼レフというだけも稀有な存在ですが
「ペンF」はハーフサイズであることのメリットを
最大限に生かすためにその構造も
一般的な35mm判一眼レフとは全く異なる造りになっています。
その構造ゆえに少々華奢な部分もあり
さすがに登場から60年近く経過する現在では
未整備だとそれなりにトラブルを抱え込むことも多いと思います。
いや、それはペンFだけじゃなくて
この時代のカメラはどれもそうですね

ペンFのトラブルは大きく3パターンあって
プリズムの腐食、ガバナに関連するシャッター制御の問題
そしてミラー駆動部の動作不良によるミラーアップ・巻上ロックです。
今回、お預かりしているペンFはプリズムやガバナには
大きな問題はないのですがやはりミラー駆動部動作不良により
ミラーアップしたままになってしまいます。
その場合、ミラーを少し指で押してやると
シャッターも切れ、ミラーも戻ってくるのですが
もちろんそんな状態では撮影には全く使えません。
このミラー駆動部もペンF系は独特の構造で
スムースに動いているうちは全く問題ないのですが
汚れがたまったり古い油が抵抗になったり
あるいは油切れになってしまうと
かなり高い確率でトラブルが起こります。
やはり定期的にメンテナンスは必要と言うことです。

ペンFはミラー駆動部(前板)を分離すると
バネのテンションが抜け、再組立て時にかならずテンションを
再びかけてやらなくてはいけません。
それももちろん適切なテンションがあって
足りないといくら駆動部の動きが良くても
ミラーアップしてしまいますし
テンションをかけすぎると壊れます。
適切な処置がわかっていれば難しいことではないのですが…
ペンFはフィルム室にはモルトが非常に少なく
上カバーの内側にはたくさん使われています。
今回も開けてみると内側のモルトはボロボロで
その影響でミラーに若干の腐食が出ています。
メインのプリズム側は非常にキレイです。
小さいほうのプリズムはわずかなシミ程度ですが
若干モルト劣化の影響が出ています。
もちろんできる限りの処置を行い
巻上部やシャッターユニットの整備も並行して行います。
やはり動きの悪い部分はいろいろ出てきています。
致命的な破損等はないので
一通りの整備を行えば快適に使える状態に仕上げられそうです。
これから本格的に各部の整備を行っていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「ホワイトデー」なのはまぁおいといて(笑
3.14ということで「円周率の日」です。
関連して「数学の日」でもあり
「パイの日」だそうですよ。
さらに今日の1時59分、15時9分に祝うらしいです。
円周率の上6桁が3.14159だからですね。
「円の面積=半径×半径×円周率」や「円周の長さ=直径×円周率」ですねぇ
最初に習ったのは小学校でしたっけ???
で、中学生になると円周率は「π」に置き換わるのでしたっけ???
もう使わないから忘れちゃったな…(苦笑)
円周率はいわゆる無理数で数字では割り切れない数ですね。
他にも√2や√3とかがそうですね
ややこしいですがさらにその小数展開は循環せず
無理数であるのみならず超越数でもある…と、
このあたりからよくわかりません(苦笑)
数学ってわかる範囲だとなかなか面白いのですけど
ある段階から異様にややこしくなるのですよねぇ
あまり授業以外で勉強するタイプではなかったから
高校生くらいで一気についていけなくなったなぁ(笑

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982発売のマルチモード自動露出搭載カメラです。
絞り優先オート専用機であるエントリー機「EM」をベースに
マニュアル露出、プログラムオートを追加したモデルです。
噂の域を出ませんが
海外では絶好調な売れ行きだった「EM」が
日本国内では「プロ仕様機」のイメージが強い
ニコンのブランドイメージにそぐわず意外と苦戦したため
急遽開発したフルスペック機とも言われています。
実際、機能的にはかなり凝っていて
プログラムオートは絞りを手動で変えると
プログラムシフトが行われシャッター速度優先オート的にも使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sレンズが登場しました。
でもニコンらしいのは従来のAiレンズでも自動露出を可能とするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光も搭載されています
このあたりの機構搭載も関連して
FGのシャッター音(正確に言うとミラー駆動音)は
ちょっと独特な感じなのですね
機能的には上位機種でもある「FE」を超えている部分もありますが
あくまでも「FG」はエントリーモデル「EM」の
派生機種のポジションであり
FEに搭載される多重露光機能やマニュアル時のファインダー情報
ファインダー内での絞り値の表示等は搭載されず
シンクロスピードも1/90です。
でもEMに通じる軽快さと取り回しの良さを持ち
それでいて撮影の幅はかなり拡げられるカメラと言えると思います。

ただし。これだけの電子制御を搭載されると
修理・整備する立場としては非常に微妙なカメラです。
正直なところ過去に預かっては見たものの
修理不能でそのまま返品…となることも多いカメラです。

今回は電源が全く入らなくなったということで
お預かりしていますが
電源の問題はSW部接点不良か
電池室裏のハンダ付け劣化や配線腐食かと思われます。
しかしながら電源が入って動作が復活したところで
SSやオートの制御関連にトラブルを抱えていると
かなりの高確率で修理不能となります。

画像は上カバーを開けただけの段階のものですが
いかにも80年代のカメラといった感じで
フレキと電子回路でびっしり覆われています。
この後で実際に分解を進めていくわけですが
電源が入らない直接の原因は電池室裏のハンダの劣化でした。
で、まずは電源が入るようになったものの
今度はLED表示が安定しません
これはフィルムカウンター部のSW(1枚目を感知するもの)の
接点接触不良でした。
このFGもかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものだと思われ
各部の接点や摺動抵抗には汚れで接触不良が
あちこちで起きている状況でした。
さらに機械的にもシャッター羽根基部に汚れがあり
シャッタスピードも不安定でした。
とはいえ、いろいろ細かいトラブルは抱えていたものの
致命的な電子回路トラブルはない模様です。
とりあえずはホッとしました…何とか修理できそうです。
接点や機械的部分を整備の上で
電気的調整もかなり必要なようです。
まずは露出計が2段近くオーバーに表示されていて
それに伴ってオートもかなりオーバー傾向です。

この類の電子制御機は作業中の静電気に気を使います。
うっかり帯電した手で電子回路を触ろうものなら
一発で回路が壊れることもあります。
特にまだこの季節は帯電しやすいため
細心の注意が必要です。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「青函トンネル開業記念日」なのだそうですよ
1988(昭和63)年のこの日に
本州・青森と北海道・函館を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の
海底トンネル「青函トンネル」が開通しました。
それに伴い、青森県の中小国駅と北海道の木古内駅を結ぶ
JR海峡線(当時の愛称:津軽海峡線)が同日に開業し
それまで、青森駅と函館駅を結ぶ鉄道連絡船として
日本国有鉄道(国鉄)により
青函航路(青函連絡船)が運航されていましたが
青函トンネルの開通により同日に廃止され、80年の歴史の幕を閉じました。
1946(昭和21)年の地質調査開始から42年の歳月がかかり
トンネル本体の建設費は計画段階で5384億円でしたが
実際には7455億円という巨費が投じられました。
また、取り付け線を含めた海峡線としての建設費は
計画段階で6890億円、実際には9000億円に上ったのだそうです。
気の遠くなるような数字が並びますが
それもそのはずで全長53.85km、海底部23.30km、
全長の43%が海底というトンネルです。
長らく世界最長の鉄道トンネルでしたが
2016年6月1日にスイスのアルプス山脈を通る
57.09kmのゴッタルドベーストンネルが開通し
現在は世界2位の長さとなっています。
それでも想像もつかないような長さと大きさですねぇ
2016(平成28)年3月26日には
新青森駅と新函館北斗駅を結ぶ北海道新幹線が開業し
これに伴い、青函トンネルは在来線の海峡線と
北海道新幹線の共用走行を行っています。
まぁ、私は北海道・東北どころか
北関東ですら未踏の地なのですが…(苦笑)
日本は意外と広くて大きいですよねぇ…

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
今回は初代のキヤノネットです。
1961年に発売されたキヤノン初のコンパクトカメラですね。
(この時代ですから大きさ的にはコンパクトではないですが…)
当時の一般向けカメラとして
ほぼ最高の性能を持っていましたが
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望み開発し
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラとなりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなり
カメラ業界からはダンピングであるという批判の声も上がりました。
キヤノネットの登場はまさに価格破壊とも言え
カメラの低額化・高機能化に付いていけなくなった
多くのカメラメーカーが倒産・撤退するきっかけともなったそうです。
搭載されるレンズは45mmF1.9の大口径
シャッターユニットはコパルSVでSSはB・1s~1/500です。
セレン光電池を使用する露出計を搭載し
連動して指針挟み込み方式のSS優先AEを搭載します。
露出計はオフとなりますがマニュアル露出も可能で
まさに一通り何でもできるカメラです。
当時としては非常にお求めやすい価格帯のカメラですが
それは主に部品のユニット化や生産ラインの効率化を
推し進めた結果で構造・素材的には全く安っぽい部分はありません。
当時はまだ少なかった指針挟み込み式のAE制御は
今見ても非常に上手く造られており
シャッターユニット側や絞りとの連動部も
非常に考えられて造られています。
整備性もきちんと考えられており
各部の調整も非常に行いやすくできています。

ただ、さすがに発売されてから60年経過するカメラです。
経年劣化は出てきていて当たり前ですね。
お預かりしているキヤノネットはまずシャッターが全く開きません。
巻き上げできてレリーズボタンも押せて
シャッターが駆動しようとするかすかな作動音も聞こえるのですが
肝心のシャッター羽根はピクリとも動きません。
かんぜんい貼りついてしまっているようです。
マニュアル時には絞り羽根は上手く動作しますが
さらに小さな力で絞り羽根を駆動するオート時には
絞り羽根も上手く駆動できないようです。
こちらも貼り付きまではいかなくても
羽根の動作の粘りは出ているようです。
レンズにはそれなりにはカビがあり
ファインダーはかなり曇っています。
クモリは汚れではなくレンズ・ガラスの劣化もありますので
完全に除去はできませんが
できる限りの清掃を行っていきます。
シャッター・絞り・巻上等の駆動部分は
入念に清掃を行った上で必要に応じて最小限の注油を行い
セレンの劣化もあるものの露出計・オートも
できる限り調整します。
こちらも実用上には問題のないレベルに精度は確保できそうです。

ここ数日、作業に入るといい具合に集中するせいか
分解時の画像を撮るのを忘れがちです(苦笑)
…というわけで今回も一通り整備の終わった段階での画像です。
レンズは全く問題ないほどにクリアになり
ファインダーは多種のカビ跡とクモリは残りましたが
お預かり時よりは格段にクリアになっています。
シャッター及び絞り制御は非常にスムーズに動作すようになり
露出計もまずまずの精度が出ています。
画像には写っていませんが巻上レバー、巻き戻しクランクは
底部に配置されており
上カバー部にはレリーズボタンとそれを囲む「T」切替リング
フィルムカウンター窓しかありません。
そのすっきりした上カバー部に
筆記体で「Canonet」のモデル名が刻印されていて
何ともオシャレなデザインです。
次モデルでは巻上レバーも巻き戻しクランクも
一般的な上カバー部に配置されるので
この独特の佇まいは初代ならではのものですね
もう少し様子見して動作が落ち着いた頃に
最終テストを行い、問題なければ完成となります。

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ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は3月12日…
「サ(3)イ(1)フ(2)」と読む語呂合わせで
「サイフの日」だそうですよ
私の財布…もう20年近く使ってるのですよねぇ
外が黒革で内側が真っ赤なものなのですが
お札入れも小銭入れももうボロボロです。
あちこち裂けかかってるし…
気に入っている上にちょっと思い入れのあるものだったから
気にせず使っていましたが
ちょっとあまりにもボロボロすぎてふうが悪いかも…(苦笑)
いい加減に買い替えますか…お安いのでいいから…
でも財布って毎日必ず手にするものだし
常に持ち歩くもだから気に入ったものを使いたいですよねぇ
うーん、どんなのにしようかな…
尚、予算はかけられません(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-7」のカメラ修理を行っています。
昨日、コニカオートS2のブログで
オートS2を「世界初のCdSを受光素子に採用した
シャッター速度優先式自動露光カメラ」と紹介しましたが
今回のSR-7は「世界初のCdS素子使用の
外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラ」です(苦笑)
SR-7のほうが1年先に発売されていますね。
要はこの数年にCdS搭載のカメラが世に次々と出てきたわけですね。
それまでのセレン光電池に比べれば低輝度にも強く
反応速度も速いです。ただしセレンと異なり電池が必要です。
セレンの劣化が良く問題になりますが
CdSもやはり経年劣化はします。
ただ、劣化の具合が軽度なものが多いことと
回路上での抵抗の調整等で多少の劣化なら調整ができるところが
セレンとは大きく異なります。
ただ、何度も言いますが電池を必要とするので
ここでも毎度のように記載する「電池室周りのトラブル」が
長い年月の中でかなりの確率で発生します。
これも使わないときに電池を抜いてくれるだけで防げるのですが…

今回のSR-7は電池室周りのトラブルはほぼありません
多少の汚れにより接触不安定な部分はありましたが
簡単な清掃でクリアできる程度です。
ちなみに今回のSR-7は1965年に登場した
「ニューSR-7」です。
機能は従来のSR-7と同じく外光式のCdS露出計を搭載し
変わりませんがダイキャストから変更され
少しボディもコンパクトになっています。
おまけに横走りシャッターもミノルタがこの時期に
試行錯誤していたユニット化はいったん諦め
通常のミラーボックス別体の一般的なものになっています。
(横走りのユニット化は後にX系で見事に復活します)
わかりやすく見分けられる部分は露出計の感度切り替えボタンが
上カバー背面からマウント脇に移設された部分です。
さらに底部のSW周りを見るとかなり見覚えのあるSWが…
そうなのです。このニューSR-7のダイキャストは
次世代のSR-T101とほぼ共通なのです。

お預かりしているニューSR-7は
電池室や露出計には問題はありませんが
1/1000から1/250の高速シャッターでシャッター幕が開きません。
正確に言うと1/1000,1/500では全く開かず
1/250では一部しか開きません。
さすがに1/250までダメだと通常の撮影でも
かなり機能を限定されてしまいます。
わかっていれば全く撮れないわけではないですが…
結局のところ先幕の動きが悪いため
後幕に追いつかれてしまい
適正なスリットが作れないことが原因です。
1/1000、1/500に至っては適正なスリットどころか
一瞬さえもスリットは作れず
シャッターが閉じたままで
最初から最初まで走ってしまうということです。
シャッター幕軸の清掃と調速カム部分の
清掃を入念の行った上での調整が必要です。
加えて低速シャッター時のスローガバナには
少々粘りが見られます。
いたることろでやはり動きが悪くなっている状態ですね。


これから本カウ的に分解整備に取り掛かります。
この時期のミノルタ機はプリズム抑え(上画像にも写っています)や
プリズム前面の遮光部にモルトではなく
コルクが使われていて加水分解がなく
プリズム腐食の可能性が非常に低く抑えられています。
X系でもこれを維持してほしかった…(苦笑)

画像には写っていませんが一緒にお預かりしら
オートロッコールPF58mmF1.4レンズは
常に絞り開放で絞りリングをどの位置にしても
絞込みレバーを動かしても絞り羽根が全く出てきません。
たたまれた状態でガッチリ固着しているようです。
そういえば以前、明らかな分解品で
絞り羽根が固着で出てこないのかと分解したら
絞り羽根が全て取り外されてて全くないレンズに遭遇して
真っ青になったことがあったなぁ…(笑
あれ以来、絞り羽根が出てこないレンズ(割とよくある)に
遭遇すると「ほんとに羽根はあるだろうな???」と
心配してしまいます(苦笑)
もちろん今回のオートロッコールはちゃんとありました
油まみれではありましたが…
もちろん清掃整備してスムーズに動作するようになりました。

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