ニコンEMのカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
日頃、当たり前のことなのですが
灯りがちゃんと灯るってありがたいことですよねぇ~
山でテント泊するときなんかは
ヘッドライトやランタンの灯りが頼りなのですが
もし、それがなかったら一歩も動けないほどですし
本来、夜ってこんなに真っ暗なんだ。。。と痛感します。
夜になっても普通に生活できる灯りに感謝ですね。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理です。
1980年の発売開始のモデルで
「リトルニコン」というキャッチフレーズで
当時はもちろん、今でも人気の高いカメラですね。
同じ年に発売された「スーパーニコン」こと「F3」と
同じイメージを持つデザインで
カッコ良さとコンパクトさが見事に両立したカメラだと思います。
フィルム時代のニコンは
とにかく「軽量コンパクト」なカメラを作るのが苦手で
エントリー機といえどもしっかり頑丈に作り
そのため大きく重くなってしまう。。。という
ある意味「生真面目すぎる」ところがあったと思いますが
このEMだけはいい意味で肩の力の抜けたカメラなになっていると思います。

EMといえば「光漏れ」と「オート不良」が
定番のトラブルです。
他のニコン機に比べるとフィルム室の遮光を
モルトに頼る部分が多く
モルトがある程度劣化すると確実に光漏れを起こします。
オート不良の原因の大部分は
マウント部にある摺動抵抗の汚れや劣化が原因です。

今回、お預かりしたEMはご依頼者様のおじいさまが
使っていたカメラとのことです。
EMは外装の傷んだ個体も多いですが
今回のEMはさすがワンオーナー個体でキレイな状態です。
電子制御シャッター機でオート専用露出のため
露出計が動作しないと何もできませんが
今回はその露出計が全く反応していません。
加えてレンズのAi爪と連動する絞り連動環の動きが非常に悪い状態です。
付属の50mmF1.8レンズもカビが多く清掃が必要でした。

写真は各部点検整備一式を終えた後のものです。
EMらしい非常に軽快なシャッター音で動作しています。
レンズは多少、清掃では落ちない汚れがあるものの
通常の使用では問題ないレベルになりました。
EMにはやっぱりこのパンケーキに50/1.8が似合いますね。

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